JP4463437B2 - 一酸化炭素選択酸化除去装置および一酸化炭素選択酸化除去方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばメタノールや炭化水素を改質して得られる水素リッチなガスを燃料電池に燃料として供給する場合等に、ガスに含まれる一酸化炭素を選択的に酸化して除去する一酸化炭素選択酸化除去装置および一酸化炭素選択酸化除去方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば特開平11−310402号公報に開示された一酸化炭素濃度低減装置のように、一酸化炭素を含む水素リッチガスに対して酸化ガスを供給して、一酸化炭素を水素に優先して酸化することによって一酸化炭素濃度を低減させる一酸化炭素濃度低減装置が知られている。
この一酸化炭素濃度低減装置は、選択酸化反応を促進する一酸化炭素選択酸化触媒として、触媒活性が所定レベルを超える温度範囲つまり活性温度範囲が異なる複数の触媒が直列に多段配置されて構成されている。そして、この一酸化炭素濃度低減装置を流通する被処理ガス(改質ガス)の流路の上流側ほど、活性温度範囲が相対的に高温の触媒を配置して、逆に、被処理ガスの流路の下流側ほど、活性温度範囲が相対的に低温の触媒を配置することによって、一酸化炭素濃度低減装置に導入される被処理ガスの温度(入口ガス温度)が変動した場合であっても、効率良く一酸化炭素濃度を低減させることができるようにされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術の一例に係る一酸化炭素濃度低減装置においては、被処理ガスの温度変動には対応することはできても、被処理ガスの量や被処理ガスに含まれる一酸化炭素濃度が変動した場合には、所望の低減処理を行うことができなくなる恐れがある。すなわち、被処理ガスの量が多い場合、あるいは、被処理ガスに含まれる一酸化炭素濃度が高い場合には、選択酸化反応における酸化反応熱も大きくなるため触媒温度の適切な制御が困難となる場合が生じる。
例えばメタノールや炭化水素を改質して得られる水素を含む改質ガスを処理する場合には、例えば下記化学式(1)に示す発熱反応であるメタネーション反応によって、改質生成された水素が一酸化炭素と反応してメタンが生成されてしまったり、あるいは、下記化学式(2)に示す一酸化炭素選択酸化反応により生成された二酸化炭素が、例えば下記化学式(3)に示す吸熱反応である逆シフト反応(すなわち、化学式(3)における右矢印方向に進む反応)によって、改質生成された水素と反応して一酸化炭素が生成されてしまい、一酸化炭素の濃度を低減することができくなるという問題が生じる。
【0004】
【化1】
【0005】
【化2】
【0006】
【化3】
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、例えば被処理ガスの量が変動したり、あるいは、被処理ガスに含まれる一酸化炭素濃度が変動した場合であっても、効率良く一酸化炭素を選択酸化することが可能な一酸化炭素選択酸化除去装置および一酸化炭素選択酸化除去方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決して係る目的を達成するために、請求項1に記載の本発明の一酸化炭素選択酸化除去装置は、一酸化炭素を含むガスから前記一酸化炭素を酸化することにより低減除去する一酸化炭素選択酸化触媒層(例えば、後述する実施の形態における各触媒層34a,44a,54a)を多段かつ直列に配置した一酸化炭素選択酸化除去装置であって、前記ガスの流れ方向の上流側に位置する前記一酸化炭素選択酸化触媒層(例えば、後述する実施の形態における第1触媒層34a)ほど含有する触媒金属量を低減して、前記上流側から離間するに連れて前記触媒金属量を増大してなり、前記一酸化炭素選択酸化触媒層毎の上流側に、上流側から下流側に向かい順次、前記ガスの温度を調整するガス温度調整部(例えば、後述する実施の形態における熱交換部11)と、前記ガスに空気を導入する空気導入部(例えば、後述する実施の形態における空気供給部12)と、前記ガス中に前記空気を拡散させるガス混合部(例えば、後述する実施の形態におけるガス混合部13)とを設けたことを特徴としている。
【0009】
上記構成の一酸化炭素選択酸化除去装置によれば、例えば図1に示す触媒長さLに応じた逆シフト反応により生成される一酸化炭素濃度(%)の変化を示すグラフ図のように、触媒長さLが長くなるほど、すなわち被処理ガス(ガス)の触媒滞留時間が長くなるほど、逆シフト反応により生成される一酸化炭素濃度(%)は増大する。
さらに、例えば図2に示す被処理ガスの線速つまり一酸化炭素選択酸化除去装置の出力に応じた逆シフト反応により生成される一酸化炭素濃度(%)の変化を示すグラフ図のように、被処理ガスの線速が低くなるほど、すなわち被処理ガスの触媒滞留時間が長くなるほど、逆シフト反応により生成される一酸化炭素濃度(%)は増大する。
このため、被処理ガスの流れ方向の上流側に位置する一酸化炭素選択酸化触媒層ほど含有する触媒金属量を低減することで、温度暴走に起因して誘起される逆シフト反応を抑制することができる。さらに、下流側に向かうほどガスの温度は低下して、酸化反応熱の発生も低下することから、上流側から離間するに連れて触媒金属量を増大しておくことで、下流側においても効率良く一酸化炭素の濃度を低減することができる。
さらに、多段構造をなす各段の一酸化炭素選択酸化触媒層毎の上流側に、上流側から下流側に向かい順次、ガス温度調整部と空気導入部とガス混合部を設けたことにより、各段毎に独立して一酸化炭素選択酸化触媒層の温度調整を行うことができ、触媒活性が所定レベルを超える温度範囲つまり活性温度範囲や、供給空気量の調整によって被処理ガスの組成等を適切に設定することができる。
【0010】
また、請求項2に記載の本発明の一酸化炭素選択酸化除去装置は、一酸化炭素を含むガスから前記一酸化炭素を酸化することにより低減除去する一酸化炭素選択酸化触媒層(例えば、後述する実施の形態における各触媒層34a,44a,54a)を多段かつ直列に配置した一酸化炭素選択酸化除去装置であって、前記ガスの流れ方向の上流側に位置する前記一酸化炭素選択酸化触媒層(例えば、後述する実施の形態における第1触媒層34a)ほど前記ガスの流れ方向長さを短くして、前記上流側から離間するに連れて前記ガスの流れ方向長さを長くしてなり、前記一酸化炭素選択酸化触媒層毎の上流側に、上流側から下流側に向かい順次、前記ガスの温度を調整するガス温度調整部(例えば、後述する実施の形態における熱交換部11)と、前記ガスに空気を導入する空気導入部(例えば、後述する実施の形態における空気供給部12)と、前記ガス中に前記空気を拡散させるガス混合部(例えば、後述する実施の形態におけるガス混合部13)とを設けたことを特徴としている。
【0011】
上記構成の一酸化炭素選択酸化除去装置によれば、例えば図1に示すように、触媒長さLが長くなるほど逆シフト反応により生成される一酸化炭素濃度(%)は増大し、例えば図2に示すように、被処理ガスの線速が低くなるほど逆シフト反応により生成される一酸化炭素濃度(%)は増大する。
このため、被処理ガス(ガス)の流れ方向の上流側に位置する一酸化炭素選択酸化触媒層ほどガスの流れ方向における触媒長さを短くすることで、温度暴走に起因して誘起される逆シフト反応を抑制することができる。さらに、下流側に向かうほどガスの温度は低下して、酸化反応熱の発生も低下することから、上流側から離間するに連れてガスの流れ方向における触媒長さを長くしておくことで、下流側においても効率良く一酸化炭素の濃度を低減することができる。
さらに、多段構造をなす各段の一酸化炭素選択酸化触媒層毎の上流側に、上流側から下流側に向かい順次、ガス温度調整部と空気導入部とガス混合部を設けたことにより、各段毎に独立して一酸化炭素選択酸化触媒層の温度調整を行うことができ、触媒活性が所定レベルを超える温度範囲つまり活性温度範囲や、供給空気量の調整によって被処理ガスの組成等を適切に設定することができる。
【0013】
さらに、請求項3に記載の本発明の一酸化炭素選択酸化除去装置は、前記触媒金属を貴金属としたことを特徴としている。
上記構成の一酸化炭素選択酸化除去装置によれば、触媒金属として、例えばPt,Rh,Pd,Ir,Ru,Os等の貴金属を適宜に選択して用いる、あるいは、これらの貴金属の適宜の組み合わせによる合金等を用いることで、一酸化炭素選択酸化触媒層の活性温度範囲を適宜に調整することができる。
【0014】
また、請求項4に記載の本発明の一酸化炭素選択酸化除去方法は、複数の一酸化炭素選択酸化触媒層(例えば、後述する実施の形態における各触媒層34a,44a,54a)に、ガスを流通させて前記ガス中の一酸化炭素を酸化することにより低減除去する一酸化炭素選択酸化除去方法であって、含有する触媒金属量が相対的に少なくされた前記一酸化炭素選択酸化触媒層(例えば、後述する実施の形態における第1触媒層34aまたは第2触媒層44a)に前記ガスを流通させる第1工程(例えば、後述する実施の形態におけるステップS04またはステップS08)と、含有する触媒金属量が相対的に多くされた前記一酸化炭素選択酸化触媒層(例えば、後述する実施の形態における第2触媒層44aまたは第3触媒層54a)に、少なくとも前記第1工程を終了した前記ガスを流通させる第2工程(例えば、後述する実施の形態におけるステップS08またはステップS12)とを含み、前記第1工程および前記第2工程よりも前に順次、前記ガスの温度を調整する工程(例えば、後述する実施の形態におけるステップS01またはステップS05またはステップS09)と、前記ガスに空気を導入する工程(例えば、後述する実施の形態におけるステップS02またはステップS06またはステップS10)と、前記ガス中に前記空気を拡散させる工程(例えば、後述する実施の形態におけるステップS03またはステップS07またはステップS11)とを施すことを特徴としている。
【0015】
上記のような一酸化炭素選択酸化除去方法によれば、例えば図1に示すように、触媒長さLが長くなるほど逆シフト反応により生成される一酸化炭素濃度(%)は増大し、例えば図2に示すように、被処理ガスの線速が低くなるほど逆シフト反応により生成される一酸化炭素濃度(%)は増大する。
このため、先ず、第1工程によって、相対的に触媒金属量が少なくされた一酸化炭素選択酸化触媒層に被処理ガス(ガス)を導入することで、温度暴走に起因して誘起される逆シフト反応を抑制することができる。次に、第2工程では、被処理ガスの温度は低下して、酸化反応熱の発生も低下することから、相対的に触媒金属量が多くされた一酸化炭素選択酸化触媒層に被処理ガスを導入することで、効率良く一酸化炭素の濃度を低減することができる。
さらに、多段構造をなす各段の一酸化炭素選択酸化触媒層毎の上流側に、上流側から下流側に向かい順次、ガス温度調整部と空気導入部とガス混合部を設け、第1工程および第2工程よりも前に順次、ガスの温度を調整する工程と、ガスに空気を導入する工程と、ガス中に空気を拡散させる工程とを施すことにより、各段毎に独立して一酸化炭素選択酸化触媒層の温度調整を行うことができ、触媒活性が所定レベルを超える温度範囲つまり活性温度範囲や、供給空気量の調整によって被処理ガスの組成等を適切に設定することができる。
【0016】
また、請求項5に記載の本発明の一酸化炭素選択酸化除去方法は、複数の一酸化炭素選択酸化触媒層(例えば、後述する実施の形態における各触媒層34a,44a,54a)に、ガスを流通させて前記ガス中の一酸化炭素を酸化することにより低減除去する一酸化炭素選択酸化除去方法であって、前記ガスの流れ方向長さが相対的に短くされた前記一酸化炭素選択酸化触媒層(例えば、後述する実施の形態における第1触媒層34aまたは第2触媒層44a)に前記ガスを流通させる第1工程(例えば、後述する実施の形態におけるステップS04またはステップS08)と、前記ガスの流れ方向長さが相対的に長くされた前記一酸化炭素選択酸化触媒層(例えば、後述する実施の形態における第2触媒層44aまたは第3触媒層54a)に、少なくとも前記第1工程を終了した前記ガスを流通させる第2工程(例えば、後述する実施の形態におけるステップS08またはステップS12)とを含み、前記第1工程および前記第2工程よりも前に順次、前記ガスの温度を調整する工程(例えば、後述する実施の形態におけるステップS01またはステップS05またはステップS09)と、前記ガスに空気を導入する工程(例えば、後述する実施の形態におけるステップS02またはステップS06またはステップS10)と、前記ガス中に前記空気を拡散させる工程(例えば、後述する実施の形態におけるステップS03またはステップS07またはステップS11)とを施すことを特徴としている。
【0017】
上記のような一酸化炭素選択酸化除去方法によれば、例えば図1に示すように、触媒長さLが長くなるほど逆シフト反応により生成される一酸化炭素濃度(%)は増大し、例えば図2に示すように、被処理ガスの線速が低くなるほど逆シフト反応により生成される一酸化炭素濃度(%)は増大する。
このため、先ず、第1工程によって、ガスの流れ方向における触媒長さが相対的に短くされた一酸化炭素選択酸化触媒層に被処理ガス(ガス)を導入することで、温度暴走に起因して誘起される逆シフト反応を抑制することができる。次に、第2工程では、被処理ガスの温度は低下して、酸化反応熱の発生も低下することから、ガスの流れ方向における触媒長さが相対的に長くされた一酸化炭素選択酸化触媒層に被処理ガスを導入することで、効率良く一酸化炭素の濃度を低減することができる。
さらに、多段構造をなす各段の一酸化炭素選択酸化触媒層毎の上流側に、上流側から下流側に向かい順次、ガス温度調整部と空気導入部とガス混合部を設け、第1工程および第2工程よりも前に順次、ガスの温度を調整する工程と、ガスに空気を導入する工程と、ガス中に空気を拡散させる工程とを施すことにより、各段毎に独立して一酸化炭素選択酸化触媒層の温度調整を行うことができ、触媒活性が所定レベルを超える温度範囲つまり活性温度範囲や、供給空気量の調整によって被処理ガスの組成等を適切に設定することができる。
【0020】
さらに、請求項6に記載の本発明の一酸化炭素選択酸化除去方法は、前記触媒金属を貴金属としたことを特徴としている。
上記のような一酸化炭素選択酸化除去方法によれば、触媒金属として、例えばPt,Rh,Pd,Ir,Ru,Os等の貴金属を適宜に選択して用いる、あるいは、これらの貴金属の適宜の組み合わせによる合金等を用いることで、一酸化炭素選択酸化触媒層の活性温度範囲を適宜に調整することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施形態に係る一酸化炭素選択酸化除去装置および一酸化炭素選択酸化除去方法ついて添付図面を参照しながら説明する。
図3は本発明の第1の実施形態に係る一酸化炭素選択酸化除去装置10の構成図である。
本実施の形態による一酸化炭素選択酸化除去装置10は、例えば、メタノール等のアルコール系化合物やメタン、エタン、ガソリン等の炭化水素系化合物と水とを混合して得た液体燃料から、改質触媒により水素の含有率が高められた(水素リッチな)改質ガスを生成して燃料電池(図示略)に供給する際に、不可避的に発生して燃料電池のPt触媒等を被毒して発電効率を低下させる一酸化炭素を選択的に酸化して除去するものであって、図3に示すように、改質ガス(被処理ガス)の流通方向に沿って順に、熱交換部11と、空気供給部12と、ガス混合部13と、触媒反応部14とを備えて構成されている。
【0022】
熱交換部11は、例えばハニカム層11a,11aによって両側から挟み込まれて構成されており、外部から供給される冷却媒体(例えば、図3に示すLLC)によって、改質ガスの温度を所定の温度範囲に設定する。
空気供給部12は、熱交換部11から排出された改質ガスに対する酸化ガスとして、所定量の空気(図3に示すAIR)を供給する。
ガス混合部13は、例えば2層構造のパンチングプレート13a,13a等を備えて構成されており、空気供給部12にて酸化ガスとして供給された空気を改質ガス中に拡散させて混合する。
【0023】
触媒反応部14は、例えばアルミナを主成分としたウォッシュコートが塗布されてなる担体に、例えばPt,Rh,Pd,Ir,Ru,Os等の貴金属を含む触媒金属を担持し、ハニカム化して形成さた触媒層14aを備えており、ガス混合部13から排出された水素リッチな改質ガスに含まれる水素に優先して、一酸化炭素を選択的に酸化して二酸化炭素へと変換する。
【0024】
以下に、触媒反応部14の触媒層14aにおける触媒金属担持量(触媒金属量)の変化に応じた、一酸化炭素の選択酸化除去性能の変化を示す一実施例について、添付図面を参照しながら説明する。図4は供給される空気量と一酸化炭素濃度との変化を、触媒金属量に応じて示すグラフ図であり、図5は触媒温度と一酸化炭素濃度との変化を、触媒金属量に応じて示すグラフ図である。
この実施例においては、一酸化炭素選択酸化除去装置10に供給される改質ガスの組成を、例えば下記表1に示すように設定した。さらに、触媒層14aにおける出力を相対的に低出力である9kW、つまり改質ガスの線速度を0.17m/sとし、触媒層14aに導入される改質ガスの温度が220℃になるように、一酸化炭素選択酸化除去装置10の前段に設けた改質装置(図示略)および熱交換部11を制御した。
【0025】
【表1】
【0026】
ここで、下記表2に示すように、ウォッシュコート量を50g/Lとした担体に担持する触媒金属として、実施例1ではPtを2g/L、Niを0.6g/Lとし、実施例2ではPtを1.5g/L、Niを0.45g/Lとし、実施例3ではPtを1g/L、Niを0.3g/Lとし、実施例4ではPtを0.5g/L、Niを0.15g/Lとして各触媒層14a,…,14aを形成した。なお、各触媒層14a,…,14aの長さは所定長さ(例えば、15mm)に設定した。
【0027】
【表2】
【0028】
図4および図5に示すように、一酸化炭素選択酸化除去装置10に供給される改質ガスに対して、例えば混合される酸素の量(O2/CO)が約0.75となり、触媒温度が約320℃の場合に、最も多くの量の一酸化炭素が除去されていることがわかる。ここで、実施例1では、一酸化炭素濃度が2%から0.534%に低減されており、除去率が73.3%であるのに対して、実施例4では、一酸化炭素濃度が2%から0.3765%に低減されており、除去率が81.2%である。
すなわち、触媒層14aに含まれる触媒金属であるPtの量を、例えば2g/Lから0.5g/Lに低減することで、一酸化炭素の除去率を8%だけ向上させることができ、一酸化炭素の酸化反応熱が過剰に発生することを防いで、温度暴走に起因して誘起される逆シフト反応を抑制して、効率良く一酸化炭素を除去することができることがわかる。
【0029】
以下に、触媒反応部14における改質ガスの流れ方向での触媒層14aの長さの変化に応じた、一酸化炭素の選択酸化除去性能の変化を示す一実施例について、添付図面を参照しながら説明する。図6は触媒層14aの長さLと一酸化炭素濃度との変化を示すグラフ図であり、図7は触媒層14aの長さLと触媒温度との変化を示すグラフ図である。
この実施例においては、一酸化炭素選択酸化除去装置10に供給される改質ガスの組成を、例えば上記表1に示すように設定した。さらに、触媒層14aにおける出力を相対的に低出力である9kW、つまり改質ガスの線速度を0.17m/sとし、触媒層14aに導入される改質ガスの温度が110℃になるように、一酸化炭素選択酸化除去装置10の前段に設けた改質装置(図示略)および熱交換部11を制御した。
【0030】
ここで、例えばウォッシュコート量を50g/Lとした担体に担持する触媒金属として、Ptを2g/L、Niを0.6g/Lとして触媒層14aを形成した。そして、実施例5では触媒層14aの長さLを5mmとし、実施例6では触媒層14aの長さLを10mmとし、実施例7では触媒層14aの長さLを15mmとし、実施例8では触媒層14aの長さLを20mmとし、実施例9では触媒層14aの長さLを30mmとした。
図6および図7に示すように、触媒層14aの長さLが10mmを超えて長くされると、一酸化炭素濃度が上昇して、触媒温度が低下することから、触媒層14aの上流側において酸化反応熱により温度が上昇して、触媒層14aの下流側において吸熱反応である逆シフト反応により一酸化炭素が生成されていると判断することができる。
例えば触媒層14aの長さLが30mmの場合には、触媒層14aの長さLが10mmの場合に比べて、一酸化炭素濃度が約0.1%程度上昇し、触媒温度が約50℃程度減少している。
すなわち、一酸化炭素選択酸化除去装置10として、上述したような一段構造の触媒層14aを備える場合においては、改質ガスに含まれる一酸化炭素を、例えば2%から0.45%まで低減することができることがわかる。
【0031】
以下、本発明の第2の実施形態に係る一酸化炭素選択酸化除去装置および一酸化炭素選択酸化除去方法ついて添付図面を参照しながら説明する。図8は本発明の第2の実施形態に係る一酸化炭素選択酸化除去装置20の構成図である。なお、上述した第1の実施形態に係る一酸化炭素選択酸化除去装置10と同一部分には同じ符号を配して説明を簡略または省略する。
本実施の形態による一酸化炭素選択酸化除去装置20は、複数、例えば3段の第1および第2および第3選択酸化除去部21,22,23を、改質ガス(被処理ガス)の流れ方向に順次、直列配置して構成されており、各選択酸化除去部21,22,23は、改質ガスの流通方向に対して順に、熱交換部11と、空気供給部12と、ガス混合部13と、各第1および第2および第3触媒反応部34,44,54とを備えて構成されている。
【0032】
各触媒反応部34,44,54は、例えばアルミナを主成分としたウォッシュコートが塗布されてなる担体に、例えばPt,Rh,Pd,Ir,Ru,Os等の貴金属を含む触媒金属を担持し、ハニカム化して形成さた各触媒層34a,44a,54aを備えており、水素リッチな改質ガスに含まれる水素に優先して一酸化炭素を選択的に酸化して二酸化炭素へと変換する。
ここで、各触媒層34a,44a,54aは、単位体積当たりの触媒金属担持量が同一とされ、改質ガスの流れ方向の上流側に位置するものほど触媒層の長さが短くなるように設定されており、第1触媒層34aの長さL1と、第2触媒層34aの長さL2と、第3触媒層44aの長さL3とに対して、L1<L2<L3が成り立つようにされている。
【0033】
本実施の形態による一酸化炭素選択酸化除去装置20は上記構成を備えており、次に、この一酸化炭素選択酸化除去装置20を用いて改質ガスに含まれる一酸化炭素を除去する方法について添付図面を参照しながら説明する。図9は一酸化炭素選択酸化除去装置20の動作を示すフローチャートである。
【0034】
先ず、一酸化炭素選択酸化除去装置20の前段に設けた改質装置(図示略)から排出される水素リッチな改質ガスを、第1選択酸化除去部21の熱交換部11に流通させて、後述する第1触媒層34aにおける触媒温度が所定温度範囲の値となるように設定する(ステップS01)。
そして、熱交換部11から排出された改質ガスを空気供給部12に流通させ、この改質ガス中に所定量の空気を酸化ガスとして供給する(ステップS02)。
次に、ガス混合部13において、空気供給部12を流通させられた改質ガス中に、空気供給部12にて供給された空気を拡散して混合する(ステップS03)。
そして、ガス混合部13にて空気が混合された改質ガスを、触媒層の長さが相対的に短くされた第1触媒層34aを有する第1触媒反応部34に流通させる(ステップS04)。
【0035】
次に、第1選択酸化除去部21の第1触媒反応部34から排出された改質ガスを、第2選択酸化除去部22の熱交換部11に流通させて、後述する第2触媒層44aにおける触媒温度が所定温度範囲の値となるように設定する(ステップS05)。
そして、熱交換部11から排出された改質ガスを空気供給部12に流通させ、この改質ガス中に所定量の空気を酸化ガスとして供給する(ステップS06)。
次に、ガス混合部13において、空気供給部12を流通させられた改質ガス中に、空気供給部12にて供給された空気を拡散して混合する(ステップS07)。
そして、ガス混合部13にて空気が混合された改質ガスを、触媒層の長さが第1触媒層34aよりも長くされた第2触媒層44aを有する第2触媒反応部44に流通させる(ステップS08)。
【0036】
次に、第2選択酸化除去部22の第2触媒反応部44から排出された改質ガスを、第3選択酸化除去部23の熱交換部11に流通させて、後述する第3触媒層54aにおける触媒温度が所定温度範囲の値となるように設定する(ステップS09)。
そして、熱交換部11から排出された改質ガスを空気供給部12に流通させ、この改質ガス中に所定量の空気を酸化ガスとして供給する(ステップS10)。
次に、ガス混合部13において、空気供給部12を流通させられた改質ガス中に、空気供給部12にて供給された空気を拡散して混合する(ステップS11)。
そして、ガス混合部13にて空気が混合された改質ガスを、触媒層の長さが第2触媒層44aよりも長くされたされた第3触媒層54aを有する第3触媒反応部54に流通させる(ステップS12)。
そして、第3選択酸化除去部23から排出された改質ガスを、例えば燃料電池(図示略)のアノードへ供給して、一連の処理を終了する。
【0037】
以下に、本実施の形態に係る一酸化炭素選択酸化除去装置20により改質ガス中に含まれる一酸化炭素を選択酸化除去する実施例について、添付図面を参照しながら説明する。図10,図12,図14は、相対的に高出力時における各選択酸化除去部21,22,23に供給される空気量と一酸化炭素濃度との変化を、改質ガスの温度に応じて示すグラフ図であり、図11,図13,図15は、相対的に高出力時における各選択酸化除去部21,22,23での触媒温度と一酸化炭素濃度との変化を、改質ガスの温度に応じて示すグラフ図であり、図16,図18,図20は、相対的に低出力時における各選択酸化除去部21,22,23に供給される空気量と一酸化炭素濃度との変化を、改質ガスの温度に応じて示すグラフ図であり、図17,図19,図21は、相対的に低出力時における各選択酸化除去部21,22,23での触媒温度と一酸化炭素濃度との変化を、改質ガスの温度に応じて示すグラフ図である。
【0038】
ここで、一酸化炭素選択酸化除去装置20の第1選択酸化除去部21の第1触媒層34a(1段目)に供給される改質ガスの組成、および、第2選択酸化除去部22の第2触媒層44a(2段目)に供給される改質ガスの組成、および、第3選択酸化除去部23の第3触媒層54a(3段目)に供給される改質ガスの組成を、例えば下記表3に示すように設定した。
そして、例えばウォッシュコート量を50g/Lとした担体に担持する触媒金属として、Ptを2g/L、Niを0.6g/Lとして各触媒層34a,44a,54aを形成した。ここで、第1触媒層34aの長さL1を15mmとし、第2触媒層44aの長さL2を20mmとし、第3触媒層54aの長さL3を30mmとした。
【0039】
【表3】
【0040】
そして、実施例10では、各触媒層34a,44a,54aにおける出力を相対的に高出力である45kWつまり改質ガスの線速度を0.83m/sとした。
また、実施例11では、各触媒層34a,44a,54aにおける出力を相対的に低出力である9kW、つまり改質ガスの線速度を0.17m/sとした。
さらに、実施例10および実施例11において、各触媒層34a,44a,54aに導入される改質ガスの温度が180〜220℃になるように、一酸化炭素選択酸化除去装置20の前段に設けた改質装置(図示略)および各選択酸化除去部21,22,23の熱交換部11,11,11を制御した。
また、各選択酸化除去部21,22,23の空気供給部12,12,12にて供給される空気の量は、改質ガスに混合される酸素の量(O2/CO)が0.5〜1.5の範囲の値になるように調整した。
【0041】
先ず、相対的に高出力の45kWつまり改質ガスの線速度を0.83m/sとした実施例10では、図10〜図15に示すように、各触媒層34a,44a,54aに導入される改質ガスの温度が180℃、200℃、220℃の何れであっても、第1触媒層34aの触媒温度が300〜450℃、かつ、第2触媒層44aの触媒温度が250〜400℃、かつ、第3触媒層54aの触媒温度が200〜300℃となるように、各空気供給部12,12,12にて酸化ガスとして供給する空気の量を調整することで、各触媒層34a,44a,54aにおける一酸化炭素の選択酸化除去率を50%以上に設定して分配することができ、一酸化炭素選択酸化除去装置20を流通する改質ガス中の一酸化炭素濃度を1.5%から0.05%以下まで低減することができることが分かる。
【0042】
同様に、相対的に低出力の9kWつまり改質ガスの線速度を0.17m/sとした実施例11では、図16〜図21に示すように、各触媒層34a,44a,54aに導入される改質ガスの温度が180℃、200℃、220℃の何れであっても、第1触媒層34aの触媒温度が200〜360℃、かつ、第2触媒層44aの触媒温度が200〜350℃、かつ、第3触媒層54aの触媒温度が200〜280℃となるように、各空気供給部12,12,12にて酸化ガスとして供給する空気の量を調整することで、各触媒層34a,44a,54aにおける一酸化炭素の選択酸化除去率を50%以上に設定して分配することができ、一酸化炭素選択酸化除去装置20を流通する改質ガス中の一酸化炭素濃度を1.5%から0.05%以下まで低減することができることが分かる。
【0043】
上述したように、本実施の形態による一酸化炭素選択酸化除去装置20および一酸化炭素選択酸化除去方法によれば、改質ガスの流れ方向の上流側から下流側に向かい順次配置される第1触媒層34a,第2触媒層44a,第3触媒層54aの各触媒長さL1,L2,L3に対して、L1<L2<L3とすることで、例えば改質ガスの量が多い場合、あるいは、改質ガスに含まれる一酸化炭素濃度が高い場合であっても、選択酸化反応における酸化反応熱が過剰に増大することを防止して、温度暴走に起因して逆シフト反応が誘起されることを抑制することができる。しかも、下流側に向かうほど改質ガスの温度は低下して、酸化反応熱の発生も低下することから、上流側から離間するに連れて改質ガスの流れ方向における触媒長さを長くしておくことで、下流側においても効率良く一酸化炭素の濃度を低減することができる。
【0044】
さらに、各触媒層34a,44a,54a毎の上流側に、熱交換部11と、空気供給部12と、ガス混合部13とを備えたことにより、例えば各触媒層34a,44a,54aに導入される改質ガスの温度を互いに独立に調整することができる。
さらに、各選択酸化除去部21,22,23の空気供給部12,12,12およびガス混合部13,13,13にて改質ガス中に混合する空気の量を調整することで、各触媒層34a,44a,54aの触媒温度を互いに独立に所定の値に設定して、適切な条件下で各選択酸化除去部21,22,23を作動させることができる。
【0045】
なお、上述した第2の実施形態においては、各触媒層34a,44a,54aに対して、単位体積当たりの触媒金属担持量を同一とし、改質ガスの流れ方向の上流側に位置するものほど触媒層の長さが短くなるように設定したが、これに限定されず、例えば、第1触媒層34aの長さL1と、第2触媒層34aの長さL2と、第3触媒層44aの長さL3とを同一(L1=L2=L3)として、改質ガスの流れ方向の上流側に位置するものほど単位体積当たりの触媒金属担持量が少なくなるように、つまり各触媒層34a,44a,54aに対する単位体積当たりの触媒金属担持量ρ1,ρ2,ρ3を、ρ1<ρ2<ρ3に設定しても良い。
【0046】
この場合、上記ステップS04においては、ガス混合部13にて空気が混合された改質ガスを、触媒金属担持量ρ1が相対的に少なくされた第1触媒層34aを有する第1触媒反応部34に流通させ、上記ステップS08においては、改質ガスを、第1触媒層34aよりも触媒金属担持量ρ2が多くされた第2触媒層44aを有する第2触媒反応部44に流通させ、上記ステップS12においては、改質ガスを、第2触媒層44aよりも触媒金属担持量ρ3が多くされた第3触媒層54aを有する第3触媒反応部54に流通させる。
【0047】
また、上述した第2の実施形態においては、複数、例えば3段の第1および第2および第3選択酸化除去部21,22,23を改質ガスの流れ方向に、順次連続して直列に配置したが、これに限定されず、例えば第1選択酸化除去部21と第2選択酸化除去部22との間や、第2選択酸化除去部22と第3選択酸化除去部23との間に、適宜の反応器等が挿入されて一酸化炭素選択酸化除去装置20が構成されても良い。
さらに、直列に配置された各選択酸化除去部21,22,23の内部に、例えば並列配置された複数の触媒層からなる適宜の選択酸化除去部が設けられていても良い。要するに、各選択酸化除去部の内部に部分的に触媒層が並列配置された部分が存在したとしても、触媒活性が所定レベルを超える温度範囲つまり活性温度範囲が異なる複数の選択酸化除去部が、直列に配置されていれば良い。
【0048】
なお、上述した第1および第2の実施形態においては、触媒金属としてPtを担持したが、これに限定されず、その他の貴金属、例えばロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)等や、これらの貴金属の適宜の組み合わせによる合金等を担持しても良い。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の本発明の一酸化炭素選択酸化除去装置によれば、被処理ガスの流れ方向の上流側に位置する一酸化炭素選択酸化触媒層ほど含有する触媒金属量を低減することで、温度暴走に起因して誘起される逆シフト反応を抑制することができる。さらに、下流側に向かうほどガスの温度は低下して、酸化反応熱の発生も低下することから、上流側から離間するに連れて触媒金属量を増大しておくことで、下流側においても効率良く一酸化炭素の濃度を低減することができる。
また、請求項2に記載の本発明の一酸化炭素選択酸化除去装置によれば、被処理ガスの流れ方向の上流側に位置する一酸化炭素選択酸化触媒層ほどガスの流れ方向における触媒長さを短くすることで、温度暴走に起因して誘起される逆シフト反応を抑制することができる。さらに、下流側に向かうほどガスの温度は低下して、酸化反応熱の発生も低下することから、上流側から離間するに連れてガスの流れ方向における触媒長さを長くしておくことで、下流側においても効率良く一酸化炭素の濃度を低減することができる。
さらに、請求項1または請求項2によれば、多段構造をなす各段の一酸化炭素選択酸化触媒層毎の上流側に、上流側から下流側に向かい順次、ガス温度調整部と空気導入部とガス混合部を設けたことにより、各段毎に独立して一酸化炭素選択酸化触媒層の温度調整を行うことができ、触媒活性が所定レベルを超える温度範囲つまり活性温度範囲や、供給空気量の調整によって被処理ガスの組成等を適切に設定することができる。
【0050】
さらに、請求項3に記載の本発明の一酸化炭素選択酸化除去装置によれば、触媒金属として、例えばPt,Rh,Pd,Ir,Ru,Os等の貴金属を適宜に選択して用いることで、一酸化炭素選択酸化触媒層の触媒の活性温度範囲を適宜に調整することができる。
【0051】
また、請求項4に記載の本発明の一酸化炭素選択酸化除去方法によれば、先ず、第1工程によって、相対的に触媒金属量が少なくされた一酸化炭素選択酸化触媒層に被処理ガスを導入することで、温度暴走に起因して誘起される逆シフト反応を抑制することができる。次に、第2工程では、被処理ガスの温度は低下して、酸化反応熱の発生も低下することから、相対的に触媒金属量が多くされた一酸化炭素選択酸化触媒層に被処理ガスを導入することで、効率良く一酸化炭素の濃度を低減することができる。
また、請求項5に記載の本発明の一酸化炭素選択酸化除去方法によれば、先ず、第1工程によって、ガスの流れ方向における触媒長さが相対的に短くされた一酸化炭素選択酸化触媒層に被処理ガスを導入することで、温度暴走に起因して誘起される逆シフト反応を抑制することができる。次に、第2工程では、被処理ガスの温度は低下して、酸化反応熱の発生も低下することから、ガスの流れ方向における触媒長さが相対的に長くされた一酸化炭素選択酸化触媒層に被処理ガスを導入することで、効率良く一酸化炭素の濃度を低減することができる。
さらに、請求項4または請求項5によれば、多段構造をなす各段の一酸化炭素選択酸化触媒層毎の上流側に、上流側から下流側に向かい順次、ガス温度調整部と空気導入部とガス混合部を設け、第1工程および第2工程よりも前に順次、ガスの温度を調整する工程と、ガスに空気を導入する工程と、ガス中に空気を拡散させる工程とを施すことにより、各段毎に独立して一酸化炭素選択酸化触媒層の温度調整を行うことができ、触媒活性が所定レベルを超える温度範囲つまり活性温度範囲や、供給空気量の調整によって被処理ガスの組成等を適切に設定することができる。
【0052】
さらに、請求項6に記載の本発明の一酸化炭素選択酸化除去方法によれば、触媒金属として、例えばPt,Rh,Pd,Ir,Ru,Os等の貴金属を適宜に選択して用いることで、一酸化炭素選択酸化触媒層の触媒の活性温度範囲を適宜に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 触媒長さLに応じた逆シフト反応により生成される一酸化炭素濃度(%)の変化を示すグラフ図である。
【図2】 被処理ガスの線速つまり一酸化炭素選択酸化除去装置の出力に応じた逆シフト反応により生成される一酸化炭素濃度(%)の変化を示すグラフ図である。
【図3】 本発明の第1の実施形態に係る一酸化炭素選択酸化除去装置の側断面図である。
【図4】 供給される空気量と一酸化炭素濃度との変化を、触媒金属量に応じて示すグラフ図である。
【図5】 触媒温度と一酸化炭素濃度との変化を、触媒金属量に応じて示すグラフ図である。
【図6】 触媒層の長さLと一酸化炭素濃度との変化を示すグラフ図である。
【図7】 触媒層の長さLと触媒温度との変化を示すグラフ図である。
【図8】 本発明の第2の実施形態に係る一酸化炭素選択酸化除去装置の側断面図である。
【図9】 図8に示す一酸化炭素選択酸化除去装置の動作を示すフローチャートである。
【図10】 高出力時における第1選択酸化除去部に供給される空気量と一酸化炭素濃度との変化を、改質ガスの温度に応じて示すグラフ図である。
【図11】 高出力時における第1選択酸化除去部での触媒温度と一酸化炭素濃度との変化を、改質ガスの温度に応じて示すグラフ図である。
【図12】 高出力時における第2選択酸化除去部に供給される空気量と一酸化炭素濃度との変化を、改質ガスの温度に応じて示すグラフ図である。
【図13】 高出力時における第2選択酸化除去部での触媒温度と一酸化炭素濃度との変化を、改質ガスの温度に応じて示すグラフ図である。
【図14】 高出力時における第3選択酸化除去部に供給される空気量と一酸化炭素濃度との変化を、改質ガスの温度に応じて示すグラフ図である。
【図15】 高出力時における第3選択酸化除去部での触媒温度と一酸化炭素濃度との変化を、改質ガスの温度に応じて示すグラフ図である。
【図16】 低出力時における第1選択酸化除去部に供給される空気量と一酸化炭素濃度との変化を、改質ガスの温度に応じて示すグラフ図である。
【図17】 低出力時における第1選択酸化除去部での触媒温度と一酸化炭素濃度との変化を、改質ガスの温度に応じて示すグラフ図である。
【図18】 低出力時における第2選択酸化除去部に供給される空気量と一酸化炭素濃度との変化を、改質ガスの温度に応じて示すグラフ図である。
【図19】 低出力時における第2選択酸化除去部での触媒温度と一酸化炭素濃度との変化を、改質ガスの温度に応じて示すグラフ図である。
【図20】 低出力時における第3選択酸化除去部に供給される空気量と一酸化炭素濃度との変化を、改質ガスの温度に応じて示すグラフ図である。
【図21】 低出力時における第3選択酸化除去部での触媒温度と一酸化炭素濃度との変化を、改質ガスの温度に応じて示すグラフ図である。
【符号の説明】
10 一酸化炭素選択酸化除去装置
11 熱交換部(ガス温度調整部)
12 空気供給部
14a 触媒層(一酸化炭素選択酸化触媒層)
34a 第1触媒層(一酸化炭素選択酸化触媒層)
44a 第2触媒層(一酸化炭素選択酸化触媒層)
54a 第3触媒層(一酸化炭素選択酸化触媒層)
ステップS04、ステップS08 第1工程
ステップS08、ステップS12 第2工程
Claims (6)
- 一酸化炭素を含むガスから前記一酸化炭素を酸化することにより低減除去する一酸化炭素選択酸化触媒層を多段かつ直列に配置した一酸化炭素選択酸化除去装置であって、
前記ガスの流れ方向の上流側に位置する前記一酸化炭素選択酸化触媒層ほど含有する触媒金属量を低減して、
前記上流側から離間するに連れて前記触媒金属量を増大してなり、
前記一酸化炭素選択酸化触媒層毎の上流側に、上流側から下流側に向かい順次、前記ガスの温度を調整するガス温度調整部と、前記ガスに空気を導入する空気導入部と、前記ガス中に前記空気を拡散させるガス混合部とを設けた
ことを特徴とする一酸化炭素選択酸化除去装置。 - 一酸化炭素を含むガスから前記一酸化炭素を酸化することにより低減除去する一酸化炭素選択酸化触媒層を多段かつ直列に配置した一酸化炭素選択酸化除去装置であって、
前記ガスの流れ方向の上流側に位置する前記一酸化炭素選択酸化触媒層ほど前記ガスの流れ方向長さを短くして、
前記上流側から離間するに連れて前記ガスの流れ方向長さを長くしてなり、
前記一酸化炭素選択酸化触媒層毎の上流側に、上流側から下流側に向かい順次、前記ガスの温度を調整するガス温度調整部と、前記ガスに空気を導入する空気導入部と、前記ガス中に前記空気を拡散させるガス混合部とを設けた
ことを特徴とする一酸化炭素選択酸化除去装置。 - 前記触媒金属を貴金属としたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の一酸化炭素選択酸化除去装置。
- 複数の一酸化炭素選択酸化触媒層に、ガスを流通させて前記ガス中の一酸化炭素を酸化することにより低減除去する一酸化炭素選択酸化除去方法であって、
含有する触媒金属量が相対的に少なくされた前記一酸化炭素選択酸化触媒層に前記ガスを流通させる第1工程と、
含有する触媒金属量が相対的に多くされた前記一酸化炭素選択酸化触媒層に、少なくとも前記第1工程を終了した前記ガスを流通させる第2工程と
を含み、
前記第1工程および前記第2工程よりも前に順次、前記ガスの温度を調整する工程と、前記ガスに空気を導入する工程と、前記ガス中に前記空気を拡散させる工程とを施す
ことを特徴とする一酸化炭素選択酸化除去方法。 - 複数の一酸化炭素選択酸化触媒層に、ガスを流通させて前記ガス中の一酸化炭素を酸化することにより低減除去する一酸化炭素選択酸化除去方法であって、
前記ガスの流れ方向長さが相対的に短くされた前記一酸化炭素選択酸化触媒層に前記ガスを流通させる第1工程と、
前記ガスの流れ方向長さが相対的に長くされた前記一酸化炭素選択酸化触媒層に、少なくとも前記第1工程を終了した前記ガスを流通させる第2工程と
を含み、
前記第1工程および前記第2工程よりも前に順次、前記ガスの温度を調整する工程と、前記ガスに空気を導入する工程と、前記ガス中に前記空気を拡散させる工程とを施すことを特徴とする一酸化炭素選択酸化除去方法。 - 前記触媒金属を貴金属としたことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の一酸化炭素選択酸化除去方法。
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