JP2005053346A - 車両の緩衝装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 障害物の衝突位置に拘わらず効率よく衝突エネルギを吸収し、さらに構造を簡素化して、軽量化を図ることができる車両の緩衝装置を提供する。
【解決手段】 車両の車体台枠1の前部に設けられる緩衝装置4であって、走行方向前方に凸に湾曲した形状を有する、障害物が排障板3を介して衝突したときのエネルギを吸収する緩衝板5と、この緩衝板5の両辺の内側の面にそれぞれ取り付けられた、緩衝板5から伝達される衝撃エネルギを吸収するための衝撃吸収材6と、各衝撃吸収材6の緩衝板5側と反対側の部位6cの変位をそれぞれ拘束するようにこの部位6cに取り付けられた支持部材7とを備える。
【選択図】 図2

Description

本発明は、車両の前部に取り付けられる緩衝装置に関する。
従来より、新幹線など高速車両が障害物と衝突したときに高速車両の車体に損傷を与えないように、障害物による衝撃エネルギを吸収するための緩衝装置が高速車両の先頭車の車体台枠の前部に取り付けられている。
このような緩衝装置として、アルミ板または鋼板などの緩衝板を積層(例えば、4層積層)して構成されたものが多く使用されている。
しかしながら、この緩衝装置では、車両が高速になるに連れて大きくなる衝撃エネルギに対応するために、各緩衝板の板厚を増加させる必要がある。そのため、緩衝板が車両台枠より厚い鋼板になってしまい、障害物が車両の先頭部の排障板に衝突し、その後方の緩衝板に荷重が伝達された際に、緩衝板が変形しにくく、しかも車体に大きな衝撃荷重を与える虞がある。また、緩衝装置の重量が増えるため、軽量化の要求が強い高速車両には適さない。
そこで、従来より、車両が高速になるに連れて大きくなる衝撃エネルギに対応でき、しかも軽量化の要望にも対応することができる緩衝装置が種々提案されている。
例えば、特許文献1に示される緩衝装置は、走行方向前方に凸に湾曲した排障板の両辺を連結する横梁と、排障板のレール方向中心線上で排障板と横梁との間に設けた角筒などの衝撃吸収部材とから構成される。
この緩衝装置は、障害物と衝突したときに衝撃吸収部材を軸方向に連続的に座屈させることにより、衝撃エネルギを吸収するものである。
しかしながら、この緩衝装置では、障害物が排障板のレール方向中心線上から外れた部分に衝突した場合、衝撃吸収部材を折り曲げる力が発生するため衝撃吸収部材が軸方向に連続的に座屈(圧壊)されず、衝突時の衝撃エネルギを十分に吸収することができないことも想定される。そのため、横梁および衝撃吸収部材の個数を増したり、衝撃エネルギを十分に吸収することができるように横梁および衝撃吸収部材を配置する必要がある。その結果、緩衝装置が複雑な構造になるとともに緩衝装置の重量が増加するという問題が生じる。
また、特許文献2に示される緩衝装置は、両側に直線部、中央部に円弧部を備えてV字形状をなす受障板(排障板)と、この受障板の円弧部裏側に設置されるハニカム構造の前面緩衝材と、この受障板の直線部裏側に設置されるハニカム構造の側面緩衝材と、この前面緩衝材および側面緩衝材を支持する支持部材とを備える。
この緩衝装置も、上記特許文献1に示される緩衝装置と同様に、高速車両が障害物と衝突したときに緩衝材を軸方向に連続的に座屈させることにより、衝撃エネルギを吸収するものである。
しかしながら、この緩衝装置は、受障板(排障板)と一体的に形成されており、かつ、受障板の内側全面に緩衝材が設置されており、その緩衝材を支持部材で支える構造となっている。そのため、障害物が受障板に衝突したときに受障板が撓みにくい。そのため、受障板の変形による衝撃エネルギの吸収が期待できない。また、緩衝材を軸方向に容易に座屈させることの抵抗となっている。これにより、車体に大きな反力が作用し、車体に損傷を与えることも予想される。また、この緩衝装置は、受障板の内側全面に緩衝材を設置する必要があるので、複雑な構造になるとともに重量が増す虞がある。
特開2001−55141号公報 (第2−3頁、第1図) 特開2000−6806号公報 (第1−2図)
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、障害物の衝突位置に拘わらず効率よく衝撃エネルギを吸収し、さらに構造を簡素化して、軽量化を図ることができる車両の緩衝装置を提供することを目的とする。
本発明装置は、車両の車体台枠の前部に設けられる緩衝装置であって、走行方向前方に凸に湾曲した形状を有する、障害物が衝突したときのエネルギを吸収する緩衝板と、該緩衝板の各辺の内側の面にそれぞれ取り付けられた、緩衝板から伝達される衝撃エネルギを吸収するための衝撃吸収材と、各衝撃吸収材の緩衝板側と反対側の部位の変位を拘束するように当該部位に取り付けられた支持部材とを備えている。
この構成では、以下のメカニズムにより、緩衝装置が衝撃エネルギを吸収する。具体的には、例えば、障害物が緩衝装置に正面衝突した場合、緩衝板の先端部は走行方向後方に窪み、変形する。これにより、衝突時の衝撃エネルギの一部が吸収される。同時に、緩衝板がいわゆるアーチ形状をなし、且つ、衝撃吸収材を介して支持部材に支持されているので、緩衝板の各辺内に、長手方向後方に向かう圧縮荷重(衝撃荷重)がそれぞれ生じ、これによりこの衝撃荷重が衝撃吸収材の緩衝板側の部位に伝達される。その結果、緩衝板の各辺が長手方向後方にそれぞれ移動するとともに、各衝撃吸収材の緩衝板側の部位は、この部位に対応する各緩衝板の移動方向と同じ方向にそれぞれ変位する。これは、各衝撃吸収材の緩衝板側の部位が緩衝板の各辺の内側の面にそれぞれ取り付けられているからである。しかし、各衝撃吸収材の緩衝板側と反対側の部位は、その変位が支持部材によりそれぞれ拘束されているので、変位しない。その結果、各衝撃吸収材は剪断座屈する。もちろん、衝撃吸収材に作用する衝撃荷重の方向によっては、同時に圧壊が各衝撃吸収材に生じることもある。
障害物が緩衝板の一辺の外側から緩衝板を介して衝撃吸収材の緩衝板側の部位に対して略垂直に衝突した場合、緩衝板の一辺は、衝撃吸収材側に窪み、変形し、これに対応する衝撃吸収材の緩衝板側の部位を押圧する。しかし、衝撃吸収材の緩衝板側と反対側の部位は、その変位が支持部材により拘束されているので、変位しない。その結果、衝撃吸収材は、剪断座屈することなく圧壊する。もちろん、この衝撃吸収材に作用する衝撃荷重の方向によっては、同時に剪断座屈が衝撃吸収材に生じる場合もある。
障害物が緩衝板の先端部から何れか一方の衝撃吸収材の取付部位までの中間部位に走行方向前方から衝突した場合、この中間部位には、上記2つの変形、すなわち圧壊と剪断座屈とを組み合わせた変形が生ずる。具体的には、緩衝板の中間部位に、その長手方向およびこれに垂直な方向の衝撃荷重がそれぞれ作用し、これにより緩衝板の中間部位が窪み、変形し、同時に、この中間部位を含む緩衝板の一辺が長手方向に移動するとともに内側に移動する。これに伴い、衝撃吸収材の緩衝板側の部位は、この部位に対応する緩衝板の移動方向と同じ方向に変位するとともに、この移動方向に略垂直な方向に押圧される。しかし、衝撃吸収材の緩衝板側と反対側の部位は、その変位が支持部材により拘束されているので、変位しない。その結果、この衝撃吸収材の緩衝板側の部位には、圧壊と剪断座屈とが同時に起こる。
以上のように、本発明装置は、障害物が緩衝板に衝突したときに、緩衝板が変形することと、衝撃吸収材が、障害物が緩衝板に衝突する方向、すなわち、緩衝板から伝達される衝撃荷重の作用方向に応じて、圧壊若しくは剪断座屈、または、圧壊および剪断座屈を起こすことにより、衝突時の衝撃エネルギを吸収する。すなわち、本発明装置は、障害物の衝突位置によらず、衝突時の衝撃エネルギを吸収する。これに対して、従来は、圧壊のみで衝突時の衝撃エネルギを吸収するものであったので、衝撃荷重の方向によっては衝突時の衝撃エネルギを十分に吸収することができなかった。そのため、衝撃吸収材を緩衝板の内側全面に設けたり、衝撃荷重を衝撃吸収材を圧壊させる方向に負荷するための部材を新たに追加するなどにより対応していた。しかし、本発明では上述したようにその必要がない。これにより、緩衝装置の構造を簡素化し、緩衝装置の軽量化を図ることができる。
本発明装置の衝撃吸収材が中空体であることが望ましい。これにより、衝撃吸収材は、緩衝板から伝達される衝撃荷重の作用方向に応じた変形、すなわち圧壊若しくは剪断座屈、または、圧壊および剪断座屈を容易になし得るので、衝撃吸収材への衝撃荷重の作用方向によらず、衝突時の衝撃エネルギを吸収することが可能となる。また、衝撃吸収材を中空体にすることにより、衝撃吸収材の軽量化、すなわち緩衝装置の軽量化を図ることも可能となる。
上記衝撃吸収材の内部に、障害物が緩衝板に衝突したときの衝撃エネルギを吸収するための内部吸収材をさらに設けてもよい。この構成によれば、衝撃吸収材の衝撃吸収能力を向上させることができる。その結果、衝撃吸収材をコンパクトにすることができる。これにより、緩衝装置の軽量化を図ることができる。
上記内部吸収材が発泡材であってもよい。発泡材は、軽く、衝撃を緩和する能力も大きい。従って、衝撃吸収材をコンパクトにすることができる。これにより、緩衝装置の軽量化を図ることができる。なお、発泡材としては、発泡ウレタンおよび発泡金属などを用いることができる。
上記内部吸収材が、衝撃吸収材の内壁面に取り付けられた、衝撃吸収材の内部空間を仕切るための仕切部材であってもよい。この構成では、衝撃吸収材の内壁面に仕切部材を取り付けるので、衝撃吸収材の衝撃吸収能力を向上させることができる。具体的には、例えば、衝撃吸収材の断面形状が日の字状、田の字状またはハニカム状になるような仕切部材を設けることができる。その結果、緩衝装置をコンパクトにすることができる。これにより、緩衝装置の軽量化を図ることができる。
本発明によれば、障害物が緩衝板に衝突する位置によらず、衝突時の衝撃エネルギを吸収することができる。従って、従来のように、衝撃吸収材を圧壊させるために、衝撃吸収材を緩衝板の内側全面に設けたり、衝撃荷重を衝撃吸収材の軸方向に負荷するための部材を新たに追加することが不要となる。これにより、緩衝装置の構造が簡素化され、緩衝装置の軽量化を図ることが可能になる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る緩衝装置が車両に取り付けられた状態における側面図である。図2は、本発明の一実施形態に係る緩衝装置の平面図である。図3は、緩衝装置に障害物が正面衝突した場合の変形を示す図である。図4は、緩衝装置の緩衝能力を調査するために実施した、緩衝装置に質量100kgの障害物が時速200km/hで正面衝突したときの有限要素解析による変形図である。図5は、緩衝装置に質量100kgの障害物が時速200km/hで正面衝突したときの車体に作用する荷重の経時変化を示す図である。図6は、緩衝装置に障害物が正面からずれて衝突した場合の変形図である。図7は、緩衝装置の緩衝能力を調査するために実施した、緩衝装置に質量100kgの障害物が時速200km/hで正面からずれて衝突したときの有限要素解析による変形図である。図8は、緩衝装置に質量100kgの障害物が時速200km/hで正面からずれて衝突したときの車体に作用する荷重の経時変化を示す図である。
図1に示すように、新幹線など高速車両の先頭車の車体台枠1の前方下部1aには、障害物と衝突した際に車体に損傷を与えないように排障装置2が取り付けられている。この排障装置2には、比較的小さい障害物をはねのける排障板3と、この排障板3では排除することができない大きな障害物と衝突したときに、自ら変形することにより衝突時の衝撃エネルギを吸収し、車体に損傷を与えることを防止する緩衝装置4とが設けられている。
本発明は、この排障装置2のうち緩衝装置4に対してなされたものである。以下、詳細に説明する。
緩衝装置4は、障害物が排障板3を介して衝突したときに障害物から受ける衝撃荷重を後述の衝撃吸収材6に伝達する緩衝板5と、この緩衝板5から伝達された衝撃荷重により変形することにより衝突時の衝撃エネルギを吸収するための衝撃吸収材6と、この衝撃吸収材6を支持するための支持部材7とを備える。
緩衝板5は、図1および2に示すように、上述した排障板3の内側に配置され、車両の走行方向前方の矢符X1方向に凸に湾曲している。この緩衝板5の各辺の内側の面5aに、衝撃吸収材6がそれぞれ固着されている。これにより、衝突時の衝撃荷重が緩衝板5から各衝撃吸収材6へ確実に伝達される。この詳細は後述する。なお、ここでは、緩衝板5は排障板3と別体に形成されているがこれに限定するものではない。例えば、緩衝板5が排障板3の機能も兼ね備えるように構成されてもよい。これにより、排障装置2のうち排障板3を省略することができる。
各衝撃吸収材6は、車両の長手方向中心線に対して略対称に配置されている。これにより、緩衝板5の、一方の衝撃吸収材6の取付位置から他方の衝撃吸収材6の取付位置までの範囲で、障害物を受けることが可能となる。この範囲は、車両の損傷を防ぐ観点より広い方が好ましい。従って、両衝撃吸収材6の離間距離は車両の車幅に近づけるとよい。実際には、各衝撃吸収材6の配置は、排障板3、緩衝板5および衝撃吸収材6の材質、形状および寸法などに基づいて適宜設定される。
また、衝撃吸収材6は、箱状または円筒状などの中空体からなる。これは、衝撃吸収材6が、緩衝板5から伝達される衝撃荷重の作用方向に応じた変形、すなわち圧壊若しくは剪断座屈、または、圧壊および剪断座屈を容易になし得る、すなわち衝撃吸収材6への衝撃荷重の作用方向によらず、衝突時の衝撃エネルギを吸収し得るからである。また、衝撃吸収材6を中空体にすることにより、衝撃吸収材6の軽量化、すなわち緩衝装置4の軽量化を図ることも可能となるからである。
ここでは、衝撃吸収材6を中空体としているが、これに限定するものではない。例えば、各衝撃吸収材6の内部空間6bに、衝突時の衝撃エネルギを吸収する発泡材を充填してもよい。このような発泡材としては、例えば、発泡ウレタンまたは発泡金属など気泡入り材料を用いることができる。または、各衝撃吸収材6の内壁面に、各衝撃吸収材6の内部空間6bを仕切る仕切部材を取り付けてもよい。具体的には、例えば、各衝撃吸収材6の内壁面に、仕切部材を、各衝撃吸収材6が断面視日の字状または田の字状などになるように取り付けることができる。これにより、各衝撃吸収材6をコンパクトにすることが可能となり、緩衝装置4の軽量化を図ることが可能となる。
なお、緩衝板5および衝撃吸収材6の材質、形状および寸法などは、実験または有限要素法による構造解析などにより予め設定される。このうち、緩衝板5および衝撃吸収材6の材質として、例えば、比較的高剛性の鋼またはアルミニウム合金などを用いることができる。
支持部材7は、各衝撃吸収材6の緩衝板5側と反対側の部位6cの変位を拘束するためのものである。
この支持部材7は、各衝撃吸収材6の緩衝板5側と反対側の部位6cの上下方向の変位を拘束するための第1支持部材71と、各衝撃吸収材6の緩衝板5側と反対側の部位6cの走行方向の変位を拘束するための第2支持部材72と、各衝撃吸収材6の緩衝板5側と反対側の部位6cの車幅方向の変位を拘束するための第3支持部材73と、これらの支持部材71〜73を各衝撃吸収材6に取り付けるための取付部材74とをそれぞれ備える。
具体的には、各取付部材74は略三角柱であって、平面視では略直角三角形状をなしている。各取付部材74は、その軸心が上下方向に一致するようにそれぞれ配置されており、各取付部材74の長辺側の壁面74aが各衝撃吸収材6の緩衝板5側と反対側の部位6cにそれぞれ固着されている。そして、各取付部材74の長辺側の壁面74aが各衝撃吸収材6の緩衝板5側と反対側の部位6cにそれぞれ固着されたときに、取付部材74の短辺側の壁面74bが車両の走行方向X1に対してそれぞれ略垂直になるように、残りの壁面74cが車両の長手方向中心線に対して略対称に且つ略平行になるように、また、取付部材74の上端面74dが上下方向に対して略垂直になるように配されている。
第1支持部材71は、鋼などの剛体からなり、一端が取付部材74の上端面74dに取り付けられており、取付部材74の上方に延び、他端が車体枠台1の下部1aに取り付けられている。
第2支持部材72は、鋼などの剛体からなり、一端が、取付部材74の短辺側の壁面74bに取り付けられ、取付部材74の斜め上方に、かつ、車両の走行方向後方に延び、他端が車体台枠1の下部1aに取り付けられている。
第3支持部材73は、鋼などの剛体からなり、上述した各取付部材74の相対向する壁面74cの間を渡すように水平に取り付けられている。
以上の構成により、各衝撃吸収材6の緩衝板5側と反対側の部位6cの各方向の変位を拘束することが可能になる。
次に、以上のように構成される緩衝装置4が奏する作用について図1、および、図3乃至図8を用いて説明する。
障害物が高速車両の先頭車の前部に衝突したとき、図1に示す排障板3が座屈して変形する。そのあと、障害物が排障板3とともにその後方に位置する緩衝装置4の緩衝板5に衝突し、緩衝板5が変形する。そして、緩衝板5から衝撃吸収材6に衝撃荷重が伝達され、衝撃吸収材6が圧壊若しくは剪断座屈、または圧壊および剪断座屈する。その結果、衝突時の衝撃エネルギが吸収される。以上のように、衝撃吸収材6により衝突時の衝撃エネルギが吸収されるので、車体台枠1に衝撃荷重が直接伝達されない。その結果、高速車両の車体への衝撃を大幅に緩和することができる。
具体的には、例えば、図3に示すように、緩衝装置4に障害物Bが正面衝突する場合、緩衝板5の先端部に走行方向後方の矢符X2方向に衝撃荷重が作用する。この衝撃荷重により、緩衝板5の先端部が陥没して、その部分に窪み部H1が形成される。これにより、衝突時の衝撃エネルギの一部が吸収される。同時に、緩衝板5が、いわゆるアーチ形状をなし、且つ、衝撃吸収材6を介して支持部材7に支持されているので、緩衝板5の各辺内に、長手方向後方の矢符Y方向に向かう圧縮荷重(衝撃荷重)がそれぞれ生じ、これによりこの衝撃荷重が衝撃吸収材6の緩衝板5側の部位6aに伝達される。その結果、緩衝板5の各辺が長手方向後方の矢符Y方向にそれぞれ移動するとともに、各衝撃吸収材6の緩衝板5側の部位6aは、この部位6aに対応する各緩衝板5の移動方向と同じ方向にそれぞれ所定量Y1変位する。しかしながら、各衝撃吸収材6の緩衝板5側と反対側の部位6cは、取付部材74を介して支持部材7により走行方向、車幅方向および上下方向の変位が拘束されているので、ほとんど変位しない。その結果、衝撃吸収材6は、断面視長方形(図3(a)中の破線で示す)から断面視菱形(図3(a)中の実線で示す)に変形する。これが、剪断座屈である。これにより、衝突時の衝撃エネルギを吸収することができる。
さらに、上述した衝撃吸収材6の変形状態を有限要素解析すると図4のようになる。図4より、上述したように、緩衝板5に窪み部H1が形成され、衝撃吸収部材6に剪断座屈が生じることがわかる。また、緩衝装置4が下方に垂れ下がっていないことがわかる。従って、この場合、高速車両はそのまま走行することも可能となる。また、この場合の車体に作用する荷重の経時変化を示すと図5のようになる。図5に示すように、車体に作用する荷重P1は、衝突から0.005秒後に最大となり、0.015秒後にほぼ無負荷状態になる。この時の最大荷重は約1000kNである。これは、現在多用されている緩衝装置(鋼板などの緩衝板を積層(例えば、4枚)して構成された緩衝装置)の場合(P2)の最大荷重約2000kNに比べると約半分である。これにより、車体に作用する荷重は上記従来の緩衝装置に比べて大幅に緩和される。
また、図6に示すように、障害物Bが緩衝板5の外側から緩衝板5を介して衝撃吸収材6の緩衝板5側の部位6aに対して略垂直に衝突した場合、緩衝板5の一辺には、その長手方向に略垂直な方向の矢符Z方向に衝撃荷重が作用する。この衝撃荷重により、緩衝板5の一辺は衝撃吸収材6側に陥没し、その部分に窪み部H2が形成される。これに従い、衝撃吸収材6の緩衝板5側の部位6aは、緩衝板5が窪む方向に押圧される。しかし、衝撃吸収材6の緩衝板5側と反対側の部位6cは、取付部材74を介して支持部材7により走行方向、車幅方向および上下方向の変位が拘束されているので、ほとんど変位しない。その結果、衝撃吸収材6はその軸方向に圧縮される。これが圧壊である。これにより、衝突時の衝撃エネルギを吸収することができる。
さらに、上述した衝撃吸収材6の変形状態を有限要素解析すると図7のようになる。図7より、上述したように緩衝板5に窪み部H2が形成され、衝撃吸収部材6に圧壊が生じていることわかる。また、緩衝装置4が下方に垂れ下がっていないことがわかる。従って、この場合、高速車両はそのまま走行することも可能となる。また、この場合の車体に作用する荷重の経時変化を示すと図8のようになる。図8に示すように、車体に作用する荷重P1は、衝突から0.003秒後に最大となり、0.012秒後にほぼ無負荷状態となる。この時の最大荷重は約800kNである。これは、現在多用されている緩衝装置の場合(P2)の最大荷重約1500kNの約半分である。これにより、車体に作用する荷重は上記従来の緩衝装置に比べて大幅に緩和される。
また、障害物Bが緩衝板5の先端部から衝撃吸収材6の緩衝板5側の部位6aまでの中間部位に走行方向前方の矢符X3方向(図6参照)から衝突した場合、緩衝板5の一辺には、緩衝板5の長手方向後方およびこれに垂直な方向の衝撃荷重がそれぞれ作用する。この衝撃荷重により、緩衝板5は窪み、変形する。同時に、緩衝板5は、緩衝板5の長手方向後方に移動するとともに、緩衝板5の内側に撓む。しかし、衝撃吸収材6の緩衝板5側と反対側の部位6cは、取付部材74を介して支持部材7により走行方向、車幅方向および上下方向の変位が拘束されているので、変位しない。その結果、衝撃吸収材6には、圧壊と剪断座屈とが同時に起こる。これにより、衝突時の衝撃エネルギが吸収される。
ところで、上述した実施形態は一例であり、本発明の要旨を損なわない範囲での種々の変更は可能であり、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、本発明に係る車両の緩衝装置は、障害物の衝突位置に拘わらず効率よく衝突エネルギを吸収することが必要な用途、例えば自動車など一般車両にも適用することができる。
本発明の一実施形態に係る緩衝装置が車両に取り付けられた状態における側面図である。 本発明の一実施形態に係る緩衝装置の平面図である。 緩衝装置に障害物が衝突した場合の変形を示す図である。 緩衝装置の緩衝能力を調査するために実施した、緩衝装置に質量100kgの障害物が時速200km/hで正面衝突したときの有限要素解析による変形図である。 緩衝装置に質量100kgの障害物が時速200km/hで正面衝突したときの車体に作用する荷重の経時変化を示す図である。 緩衝装置に障害物が正面からずれて衝突した場合の変形図である。 緩衝装置の緩衝能力を調査するために実施した、緩衝装置に質量100kgの障害物が時速200km/hで正面からずれて衝突したときの有限要素解析による変形図である。 緩衝装置に質量100kgの障害物が時速200km/hで正面からずれて衝突したときの車体に作用する荷重の経時変化を示す図である。
符号の説明
1 車体台枠
4 緩衝装置
5 緩衝板
6 衝撃吸収材
6c 衝撃吸収材の緩衝板側と反対側の部位
7 支持部材

Claims (5)

  1. 車両の車体台枠の前部に設けられる緩衝装置であって、
    走行方向前方に凸に湾曲した形状を有する、障害物が衝突したときのエネルギを吸収する緩衝板と、
    該緩衝板の各辺の内側の面にそれぞれ取り付けられた、緩衝板から伝達される衝撃エネルギを吸収するための衝撃吸収材と、
    各衝撃吸収材の緩衝板側と反対側の部位の変位を拘束するように当該部位に取り付けられた支持部材とを備えた、車両の緩衝装置。
  2. 上記衝撃吸収材が中空体である、請求項1記載の車両の緩衝装置。
  3. 上記衝撃吸収材の内部に、障害物が上記緩衝板に衝突したときの衝撃エネルギを吸収するための内部吸収材をさらに設けた、請求項2記載の車両の緩衝装置。
  4. 上記内部吸収材が発泡材である、請求項3記載の車両の緩衝装置。
  5. 上記内部吸収材が、上記衝撃吸収材の内壁面に取り付けられた、衝撃吸収材の内部空間を仕切るための仕切部材である、請求項3記載の車両の緩衝装置。
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