JP2005051687A - 圧電型超音波センサ及びその共振周波数調節方法 - Google Patents

圧電型超音波センサ及びその共振周波数調節方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005051687A
JP2005051687A JP2003283846A JP2003283846A JP2005051687A JP 2005051687 A JP2005051687 A JP 2005051687A JP 2003283846 A JP2003283846 A JP 2003283846A JP 2003283846 A JP2003283846 A JP 2003283846A JP 2005051687 A JP2005051687 A JP 2005051687A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ultrasonic
resonance frequency
piezoelectric
receiving element
thin film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2003283846A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4228827B2 (ja
Inventor
Hiroshi Yamanaka
山中  浩
Yasushi Masaki
康史 正木
Xiong Si-Bei
四輩 熊
Kosaku Kitada
耕作 北田
Koushi Aketo
甲志 明渡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Works Ltd filed Critical Matsushita Electric Works Ltd
Priority to JP2003283846A priority Critical patent/JP4228827B2/ja
Publication of JP2005051687A publication Critical patent/JP2005051687A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4228827B2 publication Critical patent/JP4228827B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Transducers For Ultrasonic Waves (AREA)
  • Measurement Of Velocity Or Position Using Acoustic Or Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

【課題】 超音波受信素子がアレイ状に配列された圧電型超音波センサにおいて、各超音波受信素子の共振周波数をほぼ同じ値に揃えて、圧電型超音波センサによる物体の位置の確認精度を向上させる。
【解決手段】 複数のダイアフラム5が形成された基板3と、基板3の一面に形成された圧電材料の薄膜7と、圧電材料の薄膜7のうち、1つのダイアフラム5に対応する部分の両面にそれぞれ形成された金属薄膜の下部電極6及び上部電極8を備えた圧電型超音波センサ1において、各超音波受信素子2の共振周波数がほぼ同じ値となるように、下部電極6と上部電極8の間に所定の直流電圧を印加し、圧電材料の薄膜7に歪みを生じさせ、ダイアフラム5の見かけの縦弾性係数を所望する値に変化させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、圧電素子を用いて計測対象物までの距離を検出する圧電型超音波センサに関する。
従来から、計測対象物の位置や形状を計測するセンサとして、計測対象物からの反射超音波を受信する圧電型超音波センサが知られている。このセンサは、圧電素子を用いた超音波受信素子により、超音波の発射から反射波を受信するまでの時間によって、計測対象物までの距離を検出する。超音波は、光に比べて伝搬速度が遅いため、距離計測が容易である。また、例えば特許文献1に記載されているように、圧電素子を用いた超音波受信素子をアレイ状に配列し、各超音波受信素子の出力に対して遅延処理を行うことにより、電気的に走査を行うことにより、計測対象物までの距離だけでなく、その形状なども検出することが可能である。
これら従来の圧電型超音波センサでは、例えばシリコン基板上に凹部を形成して、ダイアフラムを設け、さらに、ダイアフラムの片面に、圧電材料の薄膜及び圧電材料の薄膜の両面に形成された電極で構成された超音波受信素子を設けている。計測対象物からの反射波を受けると、ダイアフラムが振動し、その振動に応じて圧電材料が電圧を発生する。従って、電極間の電圧を測定することにより、測定対象物からの反射波を受信したことがわかる。


























従来の圧電型超音波センサでは、媒質中を伝播する音波の周波数によって、さまざまな振動形態を示す。例えば、単層ダイヤフラムの超音波受信素子の共振周波数frは式1で与えられる。
Figure 2005051687
式1から分かるように、超音波受信素子の共振周波数frは、ダイアフラムの形状のばらつきや、圧電材料の薄膜の厚さのばらつきなどの影響を受ける。特に、複数の超音波受信素子をアレイ状に配列した圧電型超音波センサでは、各超音波受信素子の共振周波数が同じになるように製作することは非常に困難であり、一般的に、各超音波受信素子の共振周波数にばらつきが生じている。また、単一の超音波受信素子を有する超音波センサにおいても、量産される各超音波センサの共振周波数特性を揃えることは困難である。共振周波数のばらつきは、特定の周波数の音波が入力されたときに、その周波数に対する電気変換効率(感度)の違いとなって現れる。そのため、仮に全ての各超音波受信素子の共振周波数が揃っていると仮定した場合に比べて、物体の位置の確認精度が低いという問題点を有していた。この点に関しては、特許文献1の超音波センサであっても同様である。
特開2002−156451号公報
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、複数の超音波受信素子をアレイ状に配列し、各超音波受信素子がほぼ同じ共振周波数を有する圧電型超音波センサ及びその共振周波数調節方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1の発明は、圧電型超音波センサであって、1又は複数のダイアフラムが形成された基板と、前記基板の一面に形成された圧電材料の薄膜と、前記圧電材料の薄膜のうち1つのダイアフラムに対応する部分の両面にそれぞれ形成された金属薄膜の電極を備え、1つのダイアフラムに対応し、前記圧電材料の薄膜及び互いに対向する2つの電極の領域で構成される超音波受信素子に対して、外力を加えることにより、その超音波受信素子におけるダイアフラムの形状又は内部応力を変化させる。
請求項2の発明は、請求項1の圧電型超音波センサにおいて、前記超音波受信素子に対して、直流電圧を印加することにより、その超音波受信素子におけるダイアフラムの形状又は内部応力を変化させる。
請求項3の発明は、請求項2の圧電型超音波センサにおいて、前記直流電圧を、一旦所定の電圧よりも高い電圧まで上げた後、徐々に所定の電圧まで下げるようにして印加する。
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかの圧電型超音波センサにおいて、所望する共振周波数よりも共振周波数の高い超音波受信素子を形成し、その超音波受信素子に圧縮応力を加えて、前記所望する共振周波数とする。
請求項5の発明は、請求項1の圧電型超音波センサにおいて、前記ダイアフラムを境として、その両側の部分の気圧に差を設けることにより、その超音波受信素子におけるダイアフラムの形状又は内部応力を変化させる。
請求項6の発明は、請求項5の圧電型超音波センサにおいて、前記基板のダイアフラムを形成するための凹部をガラス板で覆い、前記凹部内の圧力を外部の気圧とは異なる値とする。
請求項7の発明は、複数のダイアフラムが形成された基板と、前記基板の一面に形成された圧電材料の薄膜と、前記圧電材料の薄膜のうち1つのダイアフラムに対応する部分の両面にそれぞれ形成された金属薄膜の電極を備え、1つのダイアフラムに対応し、前記圧電材料の薄膜及び互いに対向する2つの電極の領域で構成される超音波受信素子がアレイ状に配列された圧電型超音波センサの共振周波数調節方法であって、いずれかの超音波受信素子の共振周波数を基準とし、前記基準の共振周波数床となる共振周波数を有する超音波受信素子に対して外力を加えることにより、各超音波受信素子の共振周波数をほぼ同じ値とする。
請求項8の発明は、請求項7の圧電型超音波センサの共振周波数調節方法において、各超音波受信素子の共振周波数のうち最も小さい値を基準値とし、前記基準値よりも大きい共振周波数を有する超音波受信素子に対して、圧縮応力を加える。
請求項9の発明は、圧電型超音波センサの共振周波数調節方法であって、1又は複数のダイアフラムが形成された基板と、前記基板の一面に形成された圧電材料の薄膜と、前記圧電材料の薄膜のうち1つのダイアフラムに対応する部分の両面にそれぞれ形成された金属薄膜の電極を備え、1つのダイアフラムに対応し、前記圧電材料の薄膜及び互いに対向する2つの電極の領域で構成される超音波受信素子に対して、外力を加えることにより、その超音波受信素子の共振周波数を変化させる。
請求項1の発明によれば、ダイアフラムの形状のばらつきや、圧電材料の薄膜の厚さのばらつきなどによって、超音波受信素子の共振周波数が所望する値とは異なる場合に、外力を加えることにより、その超音波受信素子におけるダイアフラムの形状又は内部応力を変化させ、見かけの縦弾性係数を変化させているので、超音波受信素子の共振周波数をほぼ所望する値に調節することができる。その結果、超音波受信素子がアレイ状に配列された圧電型超音波センサにおいては、各超音波受信素子の共振周波数をほぼ同じ値に揃えることができ、物体の位置の確認精度を向上させることができる。また、単一の超音波受信素子を有する超音波センサにおいても、量産される各超音波センサの共振周波数特性を揃えることができる。
請求項2の発明によれば、超音波受信素子を構成する互いに対向する電極間に直流電圧を印加して電位差を与え、圧電効果により圧電材料の薄膜に歪みを生じさせている。この歪みは、4辺が拘束されたダイアフラムでは、内部応力として働く。電極間に印加する直流電圧の極性により、圧縮応力又は引張り応力とすることが可能である。印加する直流電圧の値及び極性を適宜制御することにより、超音波受信素子の共振周波数を所望する値に調節することが可能である。
請求項3の発明によれば、圧電効果のヒステリシス特性に対して、一旦電圧を所定の電圧よりも高くして飽和領域まで到達させた後、電圧を徐々に所定の電圧まで下げるので、ヒステリシス特性曲線の同じ部分を用いて圧電材料の薄膜の歪みを制御することができ、電圧の値と内部応力との関係を一意的に決定することができる。その結果、超音波受信素子の共振周波数を正確に所望する値に調節することが可能である。
請求項4の発明によれば、一般的に、引張り応力に弱く破損しやすいという圧電材料の性質に対して、圧縮応力を働かせる方向に内部応力を作用させるので、圧電材料の薄膜の破損を防止して、超音波センサの信頼性を向上させつつ、同時に共振周波数を所望する値に調節することができる。
請求項5の発明によれば、ダイアフラムを境として、その両側の部分に気圧差を設けることによりダイアフラムの全体に荷重をかけ、その超音波受信素子におけるダイアフラムの形状又は内部応力を変化させている。そのため、この構成によっても、ダイアフラムの見かけの縦弾性係数を変化させることができ、超音波受信素子の共振周波数をほぼ所望する値に調節することができる。
請求項6の発明によれば、例えば、大気圧とは異なる気圧の状態で、基板のダイアフラムを形成するための凹部をガラス板で覆い、その後大気圧下で使用することにより、容易にダイアフラムを境として、その両側の部分の気圧に差を設けることができる。
請求項7の発明によれば、超音波受信素子がアレイ状に配列された圧電型超音波センサにおいて、いずれかの超音波受信素子の共振周波数を基準とし、前記基準の共振周波数と異なる共振周波数を有する超音波受信素子に対して外力を加えることにより、各超音波受信素子の共振周波数をほぼ同じ値に揃えることができ、超音波センサによる物体の位置の確認精度を向上させることができる。
請求項8の発明によれば、各超音波受信素子の共振周波数のうち最も小さい値を基準値とし、基準値よりも大きい共振周波数を有する超音波受信素子に対して、圧縮応力を加えるので、圧電材料の薄膜の破損を防止して、超音波センサの信頼性を向上させることができる。
請求項9の発明によれば、超音波受信素子がアレイ状に配列された圧電型超音波センサにおいては、各超音波受信素子の共振周波数をほぼ同じ値に揃えることができ、また、単一の超音波受信素子を有する超音波センサにおいても、量産される各超音波センサの共振周波数特性を揃えることができる。
本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。本発明の第1の実施の形態に係る圧電型超音波センサの構成を図1に示す。第1の実施の形態に係る圧電型超音波センサ1は、例えば4×4の計16個の超音波受信素子2がマトリックス状に配列されたアレイ型の超音波センサである。
次に、1つの超音波受信素子2の構成を図2に示す。図2に示すように、シリコン基板3の片面側から、上記マトリックス状配列に対応して、略矩形(正方形)断面を有する凹部4が形成され、凹部4の底に肉厚の薄いダイアフラム5が形成されている。シリコン基板3の平坦面側には、ダイアフラム5に対応して、金属薄膜による略矩形(正方形又は長方形)の下部電極6が形成され、さらに、下部電極6の上から圧電材料の薄膜7が形成されている。さらに、圧電材料の薄膜7を介して下部電極6に対向するように、略矩形(正方形又は長方形)の上部電極8が形成されている。そして、下部電極6と上部電極8に配線を接続し、これらの間から信号を取り出す。
ところで、上記のように、式1で示される超音波受信素子の共振周波数frは、ダイアフラム5の形状のばらつきや、圧電材料の薄膜7の厚さのばらつきなどの影響を受けるので、一般的に、複数の超音波受信素子2をアレイ状に配列した圧電型超音波センサ1では、各超音波受信素子2の共振周波数にばらつきが生じていると考えられる。第1の実施の形態では、圧電材料による圧電効果を利用し、外力として下部電極6と上部電極8の間にあらかじめ直流電圧を印加して電位差を与え、圧電材料の薄膜7に歪みを生じさせる。この圧電材料の薄膜7の歪みは、4辺が拘束されたダイアフラム5では、内部応力として働く。下部電極6と上部電極8の間に印加する直流電圧の極性により、圧縮応力又は引張り応力とすることが可能である。それによって、ダイアフラム5の形状又は内部応力が変化し、見かけの縦弾性係数が変化するので、印加する直流電圧の値及び極性を適宜選択することにより、超音波受信素子2の共振周波数を所望する値に調節することができる。このような共振周波数の調節を各超音波受信素子2に対して行うことにより、全ての超音波受信素子2の共振周波数をほぼ同じ値に揃えることができ、圧電型超音波センサ1による物体の位置の確認精度を向上させることができる。
周知のように、圧電材料に所定の極性の電圧を印加して歪みを発生させた後、逆極性の電圧を印加して逆向きの歪みを発生させても、図3に示すヒステリシス特性により、元の状態には戻らない。そこで、この圧電型超音波センサ1を使用する際、必ず一旦電圧を所定の電圧(所定の共振周波数が得られる電圧)よりも高くして飽和領域まで到達させた後、電圧を徐々に所定の電圧まで下げることが好ましい。このようにすれば、ヒステリシス特性曲線の同じ部分を用いて圧電材料の薄膜7の歪みを制御することができ、下部電極6と上部電極8の間に印加する電圧の値と、ダイアフラム5に発生する内部応力との関係を一意的に決定することができる。その結果、超音波受信素子2の共振周波数を正確に所望する値に調節することができる。なお、このような制御は、必ずしも全ての場合に行う必要はなく、圧電型超音波センサ1に要求される検出精度(物体の位置の確認精度)や、超音波受信素子2の共振周波数のばらつきの範囲などに応じて、必要な場合にのみ行えばよい。
さらに、一般的に、圧電材料は、圧縮応力には強いけれども、引張り応力には弱く、破損しやすいことが知られている。個々の超音波受信素子2についていえば、所望する共振周波数よりも共振周波数の高い超音波受信素子2を形成し、その超音波受信素子に圧縮応力を加えて、所望する共振周波数となるように調節すればよい。このようにすれば、圧電材料の薄膜7に引張り応力が働く可能性がほとんどなくなり、圧電材料の薄膜7の破損を防止しつつ、各超音波受信素子2の共振周波数を調節することができる。また、アレイ状に配列された複数の超音波素子2の全体についていえば、各超音波受信素子2の共振周波数のうち最も小さい値を基準値とし、基準値よりも大きい共振周波数を有する超音波受信素子2に対して圧縮応力を加えるので、特定の超音波受信素子2の破損を防止して、超音波センサ1全体の信頼性を向上させることができると共に、圧電型超音波センサ1による物体の位置の確認精度を向上させることができる。
ここで、複数の超音波受信素子2がアレイ状に配列された圧電型超音波センサ1において、各超音波受信部2の共振周波数が揃っていない場合に、共振周波数の調節を必要とする理由について簡単に説明する。図4に示すように、2つの超音波受信素子2aと2bの距離をL、各超音波受信素子2X及び2Yに入射する反射波の方位角をθとすると、一方の超音波受信素子2bに反射波が到達する時間は、他方の超音波受信素子2aに反射波が到達する時間よりも距離D(D=L・sinθ)分だけ遅くなる。また、各超音波受信素子2aと2bの感度も、共振周波数のばらつきなどによって若干異なっている。超音波受信素子2aによる受信波形をf(t)、超音波受信素子2bによる受信波形をf(t)とすると、各受信波形f(t)及びf(t)は、それぞれ図5(a)に示すような波形となり、以下の式2及び式3で表される。
Figure 2005051687
このような受信波形f(t)とf(t)を合成すると、式4に示すようになる。式4のsin成分に着目すると、式2及び式3と同様の波形を表している。ところが、これにcos成分が掛かっているため、図5(b)に示すように、周波数1/T=(ω−ω)/4πの振幅変動成分によるゴースト(うなり)が発生する。その結果、圧電型超音波センサ1による物体の位置の確認精度が低下する。ここで、2つの超音波受信素子2aと2bの共振周波数を揃えると、ω≒ωとなり、cos成分をほぼ定数にすることができ、振幅変動成分によるゴーストの発生を低減もしくは防止することができる。その結果、圧電型超音波センサ1による物体の位置の確認精度を向上させることができる。従って、各超音波受信部2の共振周波数をほぼ同じ値に揃える必要がある。
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。上記第1の実施の形態では、圧電材料の薄膜7に外力として直流電圧を印加して、圧電素子の薄膜7に歪みを生じさせ、それによってダイアフラム5の見かけの縦弾性係数を変化させたが、第2の実施の形態では、ダイアフラム5の両側に気圧差を設けて、ダイアフラム5の薄肉部の全体に荷重をかけて、見かけの縦弾性係数を変化させている。
第2の実施の形態における圧電型超音波センサ1の1つの超音波受信素子2の構成を図6に示す。図6から分かるように、シリコン基板3に形成された凹部4の開口をガラス板9で塞ぎ、凹部4の内部の気圧P1を大気圧P0とは異なる値(例えば、P0>P1)に設定している。このような構成により、ダイアフラム5の全体に、圧力差による荷重が加えられることになる。
このような超音波センサ1の製造方法としては、例えばシリコン基板3上に下部電極6、圧電材料の薄膜7及び上部電極8を形成した後、製造装置内の圧力をP1に設定し、その状態でガラス板9をシリコン基板3の凹部4が形成されている側に接着などにより固定する。そうすると、凹部4の内部には、気圧P1の気体が封止されることになる。そして、大気圧P0の下で圧電型超音波センサ1を使用することにより、ダイアフラム5の見かけの縦弾性係数が変化され、超音波受信素子2の共振周波数を所望する値にすることができる。
なお、アレイ状に配置された個々の超音波受信素子2について、第2の実施の形態による手法で共振周波数を同じ値に揃えることは、工数及びコストの面で必ずしも有利であるとはいえない。そこで、第2の実施形態による手法を用いて所望する共振周波数よりも共振周波数の高い複数の超音波受信素子2を形成し、各超音波受信素子2に対して上記第1の実施の形態による手法を用いて圧縮応力を加えて、所望する共振周波数を得るようにしてもよい。
さらに、ダイアフラム5の形状を長方形とし、異なる振動モードにおける共振周波数を互いに近づけ、共振点のQ値を下げるように構成してもよい。上記式1におけるaを長方形の短辺とし、bを長辺とする。m=1及びn=2の振動モード(図7中Xで示すモード)とm=2及びn=1の振動モード(図7中Yで示す振動モード)の共振周波数の値が近づき、様々な振動モードに対応して超音波を検出することが可能となる(ブロードバンド化)。
なお、上記各実施の形態では、超音波受信素子2がマトリックス状に配列されたアレイ型の超音波センサを例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、超音波受信素子を1つしか有していない圧電型超音波センサにも適用できることは言うまでもない。その場合、量産される各超音波センサの共振周波数特性を揃えることができる。
本発明の第1の実施の形態に係る圧電型超音波センサの構成を示す正面図 第1の実施の形態における圧電型超音波センサの1つの超音波受信素子の構成を示す側部断面図 圧電材料のヒステリシス特性を示すグラフ 2つの超音波受信素子に入射する反射波の時間的な遅れを説明した図 (a)は単一の超音波受信素子による受信波形を示す波形図、(b)は2つの超音波受信素子による受信波形を合成した波形図 本発明の第2の実施の形態における圧電型超音波センサの1つの超音波受信素子の構成を示す側部断面図 ダイアフラムの形状を長方形とした場合の振動モードと共振周波数の関係を示すグラフ
符号の説明
1 圧電型超音波センサ
2 超音波受信素子
3 シリコン基板
4 凹部
5 ダイアフラム
6 下部電極
7 圧電材料の薄膜
8 上部電極
9 ガラス板

Claims (9)

  1. 1又は複数のダイアフラムが形成された基板と、前記基板の一面に形成された圧電材料の薄膜と、前記圧電材料の薄膜のうち1つのダイアフラムに対応する部分の両面にそれぞれ形成された金属薄膜の電極を備え、
    1つのダイアフラムに対応し、前記圧電材料の薄膜及び互いに対向する2つの電極の領域で構成される超音波受信素子に対して、外力を加えることにより、その超音波受信素子におけるダイアフラムの形状又は内部応力を変化させることを特徴とする圧電型超音波センサ。
  2. 前記超音波受信素子に対して、直流電圧を印加することにより、その超音波受信素子におけるダイアフラムの形状又は内部応力を変化させることを特徴とする請求項1に記載の圧電型超音波センサ。
  3. 前記直流電圧を、一旦所定の電圧よりも高い電圧まで上げた後、徐々に所定の電圧まで下げるようにして印加することを特徴とする請求項2に記載の圧電型超音波センサ。
  4. 所望する共振周波数よりも共振周波数の高い超音波受信素子を形成し、その超音波受信素子に圧縮応力を加えて、前記所望する共振周波数とすることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の圧電型超音波センサ。
  5. 前記ダイアフラムを境として、その両側の部分の気圧に差を設けることにより、その超音波受信素子におけるダイアフラムの形状又は内部応力を変化させることを特徴とする請求項1に記載の圧電型超音波センサ。
  6. 前記基板のダイアフラムを形成するための凹部をガラス板で覆い、前記凹部内の圧力を外部の気圧とは異なる値とすることを特徴とする請求項5に記載の圧電型超音波センサ。
  7. 複数のダイアフラムが形成された基板と、前記基板の一面に形成された圧電材料の薄膜と、前記圧電材料の薄膜のうち1つのダイアフラムに対応する部分の両面にそれぞれ形成された金属薄膜の電極を備え、1つのダイアフラムに対応し、前記圧電材料の薄膜及び互いに対向する2つの電極の領域で構成される超音波受信素子がアレイ状に配列された圧電型超音波センサの共振周波数調節方法であって、
    いずれかの超音波受信素子の共振周波数を基準とし、前記基準の共振周波数床となる共振周波数を有する超音波受信素子に対して外力を加えることにより、各超音波波受信素子の共振周波数をほぼ同じ値とすることを特徴とする圧電型超音波センサの共振周波数調節方法。
  8. 各超音波受信素子の共振周波数のうち最も小さい値を基準値とし、前記基準値よりも大きい共振周波数を有する超音波受信素子に対して、圧縮応力を加えることを特徴とする請求項7に記載の圧電型超音波センサの共振周波数調節方法。
  9. 1又は複数のダイアフラムが形成された基板と、前記基板の一面に形成された圧電材料の薄膜と、前記圧電材料の薄膜のうち1つのダイアフラムに対応する部分の両面にそれぞれ形成された金属薄膜の電極を備え、1つのダイアフラムに対応し、前記圧電材料の薄膜及び互いに対向する2つの電極の領域で構成される超音波受信素子に対して、外力を加えることにより、その超音波受信素子の共振周波数を変化させることを特徴とする圧電型超音波センサの共振周波数調節方法。
JP2003283846A 2003-07-31 2003-07-31 圧電型超音波センサ及びその共振周波数調節方法 Expired - Fee Related JP4228827B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003283846A JP4228827B2 (ja) 2003-07-31 2003-07-31 圧電型超音波センサ及びその共振周波数調節方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003283846A JP4228827B2 (ja) 2003-07-31 2003-07-31 圧電型超音波センサ及びその共振周波数調節方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005051687A true JP2005051687A (ja) 2005-02-24
JP4228827B2 JP4228827B2 (ja) 2009-02-25

Family

ID=34268616

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003283846A Expired - Fee Related JP4228827B2 (ja) 2003-07-31 2003-07-31 圧電型超音波センサ及びその共振周波数調節方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4228827B2 (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007285960A (ja) * 2006-04-19 2007-11-01 Denso Corp 振動センサおよび振動検出方法
JP2007295405A (ja) * 2006-04-26 2007-11-08 Denso Corp 超音波センサ及びその製造方法
JP2007306043A (ja) * 2006-05-08 2007-11-22 Denso Corp 超音波センサ
US7730785B2 (en) 2006-04-26 2010-06-08 Denso Corporation Ultrasonic sensor and manufacture method of the same
JP2010232971A (ja) * 2009-03-27 2010-10-14 Toshiba Corp マイクロホン装置並びにその調整装置及び調整方法
KR20130097655A (ko) * 2012-02-24 2013-09-03 세이코 엡슨 가부시키가이샤 초음파 트랜스듀서 소자 칩 및 프로브, 및 전자 기기 및 초음파 진단 장치
JP2019140672A (ja) * 2018-02-05 2019-08-22 株式会社デンソー 超音波センサ
CN110875110A (zh) * 2018-08-29 2020-03-10 射洪福临磁材有限公司 含vn粒子的钕铁硼磁性材料及其制备方法
JP2020170995A (ja) * 2019-04-05 2020-10-15 株式会社デンソー 超音波センサ
US20210009046A1 (en) * 2019-07-10 2021-01-14 Denso Corporation Ultrasonic sensor
CN112857276A (zh) * 2021-03-21 2021-05-28 中北大学 声表面波应变传感器及其制备方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10111200A (ja) * 1996-09-30 1998-04-28 Motorola Inc センサにおける膜応力を補償する回路および方法
JPH10185727A (ja) * 1996-12-27 1998-07-14 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 圧電変換器
JP2003152235A (ja) * 2001-08-31 2003-05-23 Ngk Insulators Ltd セラミック素子
JP2003284182A (ja) * 2002-03-25 2003-10-03 Osaka Industrial Promotion Organization 超音波センサ素子と超音波アレイセンサ装置とそれらの共振周波数の調整方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10111200A (ja) * 1996-09-30 1998-04-28 Motorola Inc センサにおける膜応力を補償する回路および方法
JPH10185727A (ja) * 1996-12-27 1998-07-14 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 圧電変換器
JP2003152235A (ja) * 2001-08-31 2003-05-23 Ngk Insulators Ltd セラミック素子
JP2003284182A (ja) * 2002-03-25 2003-10-03 Osaka Industrial Promotion Organization 超音波センサ素子と超音波アレイセンサ装置とそれらの共振周波数の調整方法

Cited By (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007285960A (ja) * 2006-04-19 2007-11-01 Denso Corp 振動センサおよび振動検出方法
US7707888B2 (en) 2006-04-19 2010-05-04 Denso Corporation Vibration sensor and method of detecting vibration
JP4552883B2 (ja) * 2006-04-19 2010-09-29 株式会社デンソー 振動検出方法
JP2007295405A (ja) * 2006-04-26 2007-11-08 Denso Corp 超音波センサ及びその製造方法
US7730785B2 (en) 2006-04-26 2010-06-08 Denso Corporation Ultrasonic sensor and manufacture method of the same
JP4702164B2 (ja) * 2006-04-26 2011-06-15 株式会社デンソー 超音波センサ及びその製造方法
JP2007306043A (ja) * 2006-05-08 2007-11-22 Denso Corp 超音波センサ
JP2010232971A (ja) * 2009-03-27 2010-10-14 Toshiba Corp マイクロホン装置並びにその調整装置及び調整方法
US9592534B2 (en) 2012-02-24 2017-03-14 Seiko Epson Corporation Ultrasonic transducer element chip, probe, electronic instrument, and ultrasonic diagnostic device
KR20130097655A (ko) * 2012-02-24 2013-09-03 세이코 엡슨 가부시키가이샤 초음파 트랜스듀서 소자 칩 및 프로브, 및 전자 기기 및 초음파 진단 장치
JP2013175879A (ja) * 2012-02-24 2013-09-05 Seiko Epson Corp 超音波トランスデューサー素子チップおよびプローブ並びに電子機器および超音波診断装置
JP7192510B2 (ja) 2018-02-05 2022-12-20 株式会社デンソー 超音波センサ
JP2019140672A (ja) * 2018-02-05 2019-08-22 株式会社デンソー 超音波センサ
CN110875110A (zh) * 2018-08-29 2020-03-10 射洪福临磁材有限公司 含vn粒子的钕铁硼磁性材料及其制备方法
US11445304B2 (en) 2019-04-05 2022-09-13 Denso Corporation Ultrasonic sensor
JP2020170995A (ja) * 2019-04-05 2020-10-15 株式会社デンソー 超音波センサ
JP7211220B2 (ja) 2019-04-05 2023-01-24 株式会社デンソー 超音波センサ
US20210009046A1 (en) * 2019-07-10 2021-01-14 Denso Corporation Ultrasonic sensor
JP2021016036A (ja) * 2019-07-10 2021-02-12 株式会社デンソー 超音波センサ
JP7226154B2 (ja) 2019-07-10 2023-02-21 株式会社デンソー 超音波センサ
US11667247B2 (en) 2019-07-10 2023-06-06 Denso Corporation Ultrasonic sensor
CN112857276A (zh) * 2021-03-21 2021-05-28 中北大学 声表面波应变传感器及其制备方法
CN112857276B (zh) * 2021-03-21 2023-05-16 中北大学 声表面波应变传感器及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4228827B2 (ja) 2009-02-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4885781A (en) Frequency-selective sound transducer
JP5183640B2 (ja) 超音波撮像装置
US9636709B2 (en) Ultrasonic generation device
US7460439B2 (en) Ultrasonic transducer for ranging measurement with high directionality using parametric transmitting array in air and a method for manufacturing same
JP4635996B2 (ja) 超音波センサ
DE102017223869A1 (de) MEMS-Bauelement und mobiles Gerät mit dem MEMS-Bauelement
JP4228827B2 (ja) 圧電型超音波センサ及びその共振周波数調節方法
CN108931292B (zh) 用于校准至少一个传感器的方法
CN114422923B (zh) 谐振式mems麦克风、声学成像仪和光声光谱检测仪
JP6123171B2 (ja) 超音波トランスデューサー、超音波プローブおよび超音波検査装置
CN209968843U (zh) 用于在传播介质中发射超声声波的设备和电子系统
CN109909140B (zh) 一种压电微机械超声换能器及其制备方法
KR19990083114A (ko) 압전형 가속도센서, 가속도 검출방법 및 압전형 가속도센서의 제조방법
Kim et al. High performance piezoelectric microspeakers and thin speaker array system
US11506772B2 (en) Ultrasonic device and ultrasonic measuring apparatus
JPWO2007091609A1 (ja) 超音波センサ
EP2661102A1 (en) Vibration device and electronic apparatus
CN110944274B (zh) 一种基于Piston-mode的带质量负载可调谐MEMS压电声换能器
Yaacob et al. Modeling of circular piezoelectric micro ultrasonic transducer using CuAl10Ni5Fe4 on ZnO film for sonar applications
Akai et al. Miniature ultrasound acoustic imaging devices using 2-D pMUTs array on epitaxial PZT/SrRuO 3/Pt/³-Al 2 O 3/Si structure
Robinson et al. PVDF reference hydrophone development in the UK-from fabrication and lamination to use as secondary standards
JP6922651B2 (ja) 超音波デバイス、及び超音波測定装置
WO2015137425A1 (ja) 超音波距離測定装置および超音波距離測定方法
JP4254411B2 (ja) 圧電型超音波センサ
Zhu et al. Novel ferroelectrics-based micro-acoustic devices and their ultrasonic applications

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060316

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080722

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080805

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081003

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20081111

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20081124

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111212

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121212

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121212

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131212

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees