JP2005049427A - 撮像レンズ - Google Patents
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Abstract
【課題】F値2.8程度の明るさを持ちながら、2枚構成と少ないレンズ枚数で構成され、極端に小さくかつ短く、高性能なCCD用,CMOS用のカメラ,モニター,TV用等に利用できる撮像レンズを提供する。
【解決手段】物体側から像面側へと順に、開口絞り、正のパワーを有する第1レンズと、物体側に凹面を向けた負のパワーを有するメニスカス状の第2レンズからなる撮像レンズであって、下記条件式(1)及び(2)を満足している。
(1)1.5 < L / f < 2.0
(2)−1.55 < f/ f 2< − 0.26
但し、f:全レンズ系の合成焦点距離
L :絞りから像面までの距離
f2 :第2レンズの焦点距離
【選択図】 図1
【解決手段】物体側から像面側へと順に、開口絞り、正のパワーを有する第1レンズと、物体側に凹面を向けた負のパワーを有するメニスカス状の第2レンズからなる撮像レンズであって、下記条件式(1)及び(2)を満足している。
(1)1.5 < L / f < 2.0
(2)−1.55 < f/ f 2< − 0.26
但し、f:全レンズ系の合成焦点距離
L :絞りから像面までの距離
f2 :第2レンズの焦点距離
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、CCDやCMOS等の受光素子を用いた携帯電話搭載カメラ,PCカメラ,監視カメラ,ディジタルスチルカメラ等に用いられるコンパクトな2枚構成の撮像レンズに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の小型カメラモジュールに用いられる撮像レンズとしてガラス枚数を少なくし、またプラスチックレンズを使用してコスト低減とコンパクト化を図ったレンズ系が提案されている(特許文献1および特許文献2)。
しかしながら、今後ますますCCDやCMOSが小型化し、携帯電話,モバイル等の小型機用に使用されるレンズ系は、従来のこの種のレンズよりも外径、全長ともに極端に小さく、また、短くしなければ使用することができない。また、受光素子のシェーディングによる光量低下を防ぐため、テレセントリック性を良好に保たなければならない。
【0003】
特許文献1は口径が小さく、軽量化が図られているが、レンズ全長またはバックフォーカスが長すぎるため小型化を達成するという要求をかならずしも満足するものではない。
また、特許文献2はレンズ全長は短く小型化を達成できているが、適度なテレセントリック性を維持できないため、シェーディンクや色ずれ等が発生するという欠点があった。
【特許文献1】特開平10−90597 号公報
【特許文献2】特願2002−215745号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情を鑑みなされたものであり、その目的は明るさもF値2.8程度の明るさを持ちながら、2枚構成と少ないレンズ枚数で構成され、極端に小さくかつ短く、高性能なCCD用、CMOS用のカメラ,モニタ,TV用等に利用できる撮像レンズを提供することにある。
本発明の他の目的は、前記レンズの全てをプラスチック材料で構成することによって、軽量化およびローコスト化を図った撮像レンズを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために請求項1記載の発明は、物体側から像面側へ、開口絞り,正のパワーを有する第1レンズおよび物体側に凹面を向けた負のパワーを有するメニスカス状の第2レンズの順に配置してなり、下記条件式(1)式及び(2)を満足することを特徴とする。
1.5 < L / f < 2.0 …(1)
−1.55 <f/ f 2 < − 0.26 …(2)
但し、f:全レンズ系の合成焦点距離
L :絞りから像面までの距離
f2 :第2レンズの焦点距離
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の撮像レンズにおいて、前記第1レンズ及び第2レンズがともにプラスチック材から構成されることを特徴とする。
さらに請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載の撮像レンズにおいて、前記第1レンズ及び第2レンズのアッベ数は下記条件式(3)式及び(4)を満足することを特徴とする。
ν2 > 45
ν4 < 50
但し、ν2 :第1レンズのd線に対するアッベ数
ν4 :第2レンズのd線に対するアッベ数
【0006】
【作用】
請求項1記載の発明の構成によれば、所定の条件式(1)および(2)を満足するように構成したことによりペッツバール和および像面湾曲を小さくすることが可能となり、良好な像面を得ることが可能となる。また、球面収差や歪曲収差等の各種収差を適正に補正することが可能となり、小型でかつ光学特性の良好な撮像レンズを得ることが可能となる。
また、請求項2記載の発明によれば、第1レンズと第2レンズをプラスチック材とすることにより、一層の軽量化およびローコスト化が可能となる。さらにレンズ面の非球面化が容易となり、諸収差が良好な撮像レンズを得ることが可能となる。
さらには、請求項3記載の発明によれば、第1レンズと第2レンズのアッベ数に関する所定の条件式(3)および(4)を満足するように構成したことにより、色収差を適正に補正することが可能となり、より光学特性の良好な撮像レンズを得ることが可能となる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳しく説明する。
図1は、本発明による撮像レンズの構成を示す断面図である。
物体側に開口絞り1が配置され、その後ろに正のパワーを有する第1レンズである凸レンズ2,物体側に凹面を向けた負のパワーを有する第2レンズであるメニスカス状のレンズ3が配置され、さらにその後ろにカバーガラス4が配置されている。
全レンズ系の合成焦点距離をf,絞りから像面までの距離をL ,メニスカス状のレンズ3の焦点距離をf2 とすると、下記の条件式(1)および(2)を満足している。
1.5 < L / f < 2.0 …(1)
−1.55 <f/ f 2 < − 0.26 …(2)
【0008】
条件式(1)は、レンズ全系の合成焦点距離に対するレンズ全長の比を規定する式であり、レンズの大きさと共に画角,周辺光量比を保つことに関与する。条件式(1)の下限を超えると、焦点距離が長くなるため、画角を広げることができない。また、レンズ全長を短くすることは第1レンズのパワーを強くしてバックフォーカスを短くすることと同等である。したがって、第1レンズで発生する球面収差,歪曲収差の補正が困難になる。
一方、上限を超えると、レンズ全体が長くなり、本発明の目的に反する。また、焦点距離が短くなると、周辺光量比を十分に確保することが困難となる。
条件式(2)はメニスカス状のレンズ3の焦点距離に対するレンズ全系の合成焦点距離の比を規定するメニスカス状のレンズ3のパワーに関する式であり、この下限を超えると、メニスカス状のレンズ3のパワーが強くなり、テレセントリック性を良好に維持することが困難になる。そのためメニスカス状のレンズ3の像面側の面が極端な非球面形状となってしまい、製造が困難になる。
一方、上限を超えると、色収差および歪曲収差の補正ができなくなる。また、レンズ全長が大きくなり、コンパクト性を維持できなくなる。
【0009】
凸レンズ2およびメニスカス状のレンズ3はプラスチック材料を使用している。ガラスを用いた場合に比較し軽くて安価なレンズを実現している。
さらに、凸レンズ2およびメニスカス状のレンズ3のd線に対するアッベ数は、凸レンズ2およびメニスカス状のレンズ3のd線に対するアッベ数をそれぞれν2 ,ν4 とすると、下記条件式(3)および(4)を満たしている。
ν2 > 45 …(3)
ν4 < 50 …(4)
【0010】
凸レンズ2およびメニスカス状のレンズ3は、共に同一の材質のレンズで構成してもよいが、凸レンズ2は正のパワーを有するレンズであるため、アッベ数ν2 は大きい値の方が光線のバラツキが少ない。また、メニスカス状のレンズ3は負のパワーを有するレンズであるため、アッベ数ν4 は小さい値の方が光線のばらつきが少ない。すなわち、条件式(3)の下限を超えると、軸上および倍率の色収差が大きくなり、光線のばらつきが大きくなる。また条件式(4)の上限を超えると、軸上および倍率の色収差が大きくなり、光線のばらつきが大きくなる。
【0011】
尚、さらに好ましいものとして上記条件式(1)〜(4)の数値範囲を次の如く設定するのがよい。
1.64 < L / f < 1.95 …(1a)
−1.0 <f/ f2 < −0.45 …(2a)
ν2 > 50 …(3a)
ν4 < 33 …(4a)
条件式(1a)は、レンズの大きさに関する条件式であり、この条件式(1a)の下限を超えると、各々のレンズの肉厚を十分に確保することができず、製造が困難になる。また、凸レンズ2のパワーを強くしなければならないので、球面収差がアンダーになり、補正が困難になる。
一方上限を超えると、レンズ全長が大きくなり、コンパクト性が失われてしまう。
【0012】
条件式(2a)は、メニスカス状のレンズ3のパワーに関する条件式であり、この下限を超えると、メニスカス状のレンズ3のパワーが強くなり、メニスカス状のレンズ3で発生するコマ収差,歪曲収差の補正が困難となる。
一方上限を超えると、メニスカス状のレンズ3のパワーが弱くなるため、凸レンズ2で発生する球面収差,コマ収差および歪曲収差の補正が困難となる 。
条件式(3a)および(4a)は、各レンズのd線に対するアッベ数に関する式であり、特に倍率の色収差の補正に関与している。条件式(3a)および(4a)を満足するように凸レンズ2,メニスカス状のレンズ3をそれぞれ別々の材質のレンズで構成した方が、倍率の色収差を良好に補正することができる。条件式(3a)の下限を超えると、倍率の色収差が大きくなる。また条件式(4a)の上限を超えると、倍率の色収差が大きくなる。
【0013】
【実施例】
以下、表1から表5に本発明の第1〜第5の実施例の構成データを示す。
各実施例とも凸レンズ2の物体側の直前に絞りが配備されている。各実施例において、物体側から数えて第i 番目の面(絞り面を含む)の曲率半径をri ,第i 番目と第i +1 番目の面の光軸上の面間隔をdi ,物体側から数えて第j番目のレンズの屈折率およびアッベ数をそれぞれni ,νi で表す。屈折率およびアッベ数はd線(587.56nm)における値を示す。*の面は非球面を表し、それら各非球面は下記〔数1〕に示す非球面式により表される。またf はレンズ全体の焦点距離,F/NOは明るさ,ωは画角をそれぞれ表す。
【0014】
(数1)
非球面式 Z = CY2 / ( 1 + ( 1− ( K + 1 )C2Y2)1/2 ) + a4Y4 + a6Y6 + a8Y8 + a10Y10
但し C :非球面頂点の曲率
K :円錐定数
a I :非球面定数
Y :光軸からの高さ
Z :非球面上の点のレンズ面頂点における接平面からの距離
〔実施例1〕
【表1】
〔実施例2〕
【表2】
〔実施例3〕
【表3】
〔実施例4〕
【表4】
〔実施例5〕
【表5】
【0015】
実施例1では、凸レンズ2およびメニスカス状のレンズ3に耐熱樹脂であるゼオネックス(日本ゼオン株式会社の登録商標)を用いている。条件式(1)および(2a)を満足することにより、諸収差が図2に示すデータのようになっており、球面収差,非点収差,歪曲収差のいずれもほぼ満足できる値となり、十分な光学特性を得ることができることが分かる。
実施例2では、凸レンズ2にゼオネックス,メニスカス状のレンズ3にPC(ポリカーボネイト)を用いている。凸レンズ2,メニスカス状のレンズ3をそれぞれ別々の材質のレンズで構成したため、色収差を良好に補正することができる。また、条件式(1)および(2)を満足することにより、諸収差が図3に示すデータのようになっており、球面収差,非点収差,歪曲収差のいずれもほぼ満足できる値となり、十分な光学特性を得ることができることが分かる。
【0016】
実施例3では、凸レンズ2にゼオネックス、メニスカス状のレンズ3にPCを用いている。凸レンズ2,メニスカス状のレンズ3をそれぞれ別々の材質のレンズで構成したため、色収差を良好に補正することができる。また、条件式(1a)および(2) を満足することにより、諸収差が図4に示すデータのようになっており、球面収差,非点収差,歪曲収差のいずれもほぼ満足できる値となり、十分な光学特性を得ることができることが分かる。
実施例4,5では、凸レンズ2にゼオネックス、メニスカス状のレンズ3にPCを用いている。凸レンズ2,メニスカス状のレンズ3にそれぞれ別々の材質のレンズで構成したため、色収差を良好に補正することができる。また、実施例4では上記条件式(1)および(2a)を、実施例5では上記条件式(1a)および(2a)をそれぞれ満足することにより、諸収差が図5,6に示すデータのようになっており、球面収差,非点収差,歪曲収差のいずれもほぼ満足できる値となり、十分な光学特性を得ることができることが分かる。
【0017】
以上、各実施例について説明したが、本発明は前記実施例に限定されるものではなく必要に応じて種々の変更を施すことができる。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、CCDやCMOS等の受光素子を用いた携帯電話搭載カメラ,PCカメラ,監視カメラ,ディジタルスチルカメラ等に適した、小型でかつ軽量の光学特性の良好な撮像レンズを得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明よる撮像レンズの実施の形態を示す外観図である。
【図2】実施例1のd線(587.56nm)における球面収差,非点収差,歪曲収差を示す図である。
【図3】実施例2のd線(587.56nm)における球面収差,非点収差,歪曲収差を示す図である。
【図4】実施例3のd線(587.56nm)における球面収差,非点収差,歪曲収差を示す図である。
【図5】実施例4のd線(587.56nm)における球面収差,非点収差,歪曲収差を示す図である。
【図6】実施例5のd線(587.56nm)における球面収差,非点収差,歪曲収差を示す図である。
【符号の説明】
1 絞り
2 凸レンズ(第1レンズ)
3 メニスカス状のレンズ(第2レンズ)
4 カバーガラス
【発明の属する技術分野】
本発明は、CCDやCMOS等の受光素子を用いた携帯電話搭載カメラ,PCカメラ,監視カメラ,ディジタルスチルカメラ等に用いられるコンパクトな2枚構成の撮像レンズに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の小型カメラモジュールに用いられる撮像レンズとしてガラス枚数を少なくし、またプラスチックレンズを使用してコスト低減とコンパクト化を図ったレンズ系が提案されている(特許文献1および特許文献2)。
しかしながら、今後ますますCCDやCMOSが小型化し、携帯電話,モバイル等の小型機用に使用されるレンズ系は、従来のこの種のレンズよりも外径、全長ともに極端に小さく、また、短くしなければ使用することができない。また、受光素子のシェーディングによる光量低下を防ぐため、テレセントリック性を良好に保たなければならない。
【0003】
特許文献1は口径が小さく、軽量化が図られているが、レンズ全長またはバックフォーカスが長すぎるため小型化を達成するという要求をかならずしも満足するものではない。
また、特許文献2はレンズ全長は短く小型化を達成できているが、適度なテレセントリック性を維持できないため、シェーディンクや色ずれ等が発生するという欠点があった。
【特許文献1】特開平10−90597 号公報
【特許文献2】特願2002−215745号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情を鑑みなされたものであり、その目的は明るさもF値2.8程度の明るさを持ちながら、2枚構成と少ないレンズ枚数で構成され、極端に小さくかつ短く、高性能なCCD用、CMOS用のカメラ,モニタ,TV用等に利用できる撮像レンズを提供することにある。
本発明の他の目的は、前記レンズの全てをプラスチック材料で構成することによって、軽量化およびローコスト化を図った撮像レンズを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために請求項1記載の発明は、物体側から像面側へ、開口絞り,正のパワーを有する第1レンズおよび物体側に凹面を向けた負のパワーを有するメニスカス状の第2レンズの順に配置してなり、下記条件式(1)式及び(2)を満足することを特徴とする。
1.5 < L / f < 2.0 …(1)
−1.55 <f/ f 2 < − 0.26 …(2)
但し、f:全レンズ系の合成焦点距離
L :絞りから像面までの距離
f2 :第2レンズの焦点距離
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の撮像レンズにおいて、前記第1レンズ及び第2レンズがともにプラスチック材から構成されることを特徴とする。
さらに請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載の撮像レンズにおいて、前記第1レンズ及び第2レンズのアッベ数は下記条件式(3)式及び(4)を満足することを特徴とする。
ν2 > 45
ν4 < 50
但し、ν2 :第1レンズのd線に対するアッベ数
ν4 :第2レンズのd線に対するアッベ数
【0006】
【作用】
請求項1記載の発明の構成によれば、所定の条件式(1)および(2)を満足するように構成したことによりペッツバール和および像面湾曲を小さくすることが可能となり、良好な像面を得ることが可能となる。また、球面収差や歪曲収差等の各種収差を適正に補正することが可能となり、小型でかつ光学特性の良好な撮像レンズを得ることが可能となる。
また、請求項2記載の発明によれば、第1レンズと第2レンズをプラスチック材とすることにより、一層の軽量化およびローコスト化が可能となる。さらにレンズ面の非球面化が容易となり、諸収差が良好な撮像レンズを得ることが可能となる。
さらには、請求項3記載の発明によれば、第1レンズと第2レンズのアッベ数に関する所定の条件式(3)および(4)を満足するように構成したことにより、色収差を適正に補正することが可能となり、より光学特性の良好な撮像レンズを得ることが可能となる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳しく説明する。
図1は、本発明による撮像レンズの構成を示す断面図である。
物体側に開口絞り1が配置され、その後ろに正のパワーを有する第1レンズである凸レンズ2,物体側に凹面を向けた負のパワーを有する第2レンズであるメニスカス状のレンズ3が配置され、さらにその後ろにカバーガラス4が配置されている。
全レンズ系の合成焦点距離をf,絞りから像面までの距離をL ,メニスカス状のレンズ3の焦点距離をf2 とすると、下記の条件式(1)および(2)を満足している。
1.5 < L / f < 2.0 …(1)
−1.55 <f/ f 2 < − 0.26 …(2)
【0008】
条件式(1)は、レンズ全系の合成焦点距離に対するレンズ全長の比を規定する式であり、レンズの大きさと共に画角,周辺光量比を保つことに関与する。条件式(1)の下限を超えると、焦点距離が長くなるため、画角を広げることができない。また、レンズ全長を短くすることは第1レンズのパワーを強くしてバックフォーカスを短くすることと同等である。したがって、第1レンズで発生する球面収差,歪曲収差の補正が困難になる。
一方、上限を超えると、レンズ全体が長くなり、本発明の目的に反する。また、焦点距離が短くなると、周辺光量比を十分に確保することが困難となる。
条件式(2)はメニスカス状のレンズ3の焦点距離に対するレンズ全系の合成焦点距離の比を規定するメニスカス状のレンズ3のパワーに関する式であり、この下限を超えると、メニスカス状のレンズ3のパワーが強くなり、テレセントリック性を良好に維持することが困難になる。そのためメニスカス状のレンズ3の像面側の面が極端な非球面形状となってしまい、製造が困難になる。
一方、上限を超えると、色収差および歪曲収差の補正ができなくなる。また、レンズ全長が大きくなり、コンパクト性を維持できなくなる。
【0009】
凸レンズ2およびメニスカス状のレンズ3はプラスチック材料を使用している。ガラスを用いた場合に比較し軽くて安価なレンズを実現している。
さらに、凸レンズ2およびメニスカス状のレンズ3のd線に対するアッベ数は、凸レンズ2およびメニスカス状のレンズ3のd線に対するアッベ数をそれぞれν2 ,ν4 とすると、下記条件式(3)および(4)を満たしている。
ν2 > 45 …(3)
ν4 < 50 …(4)
【0010】
凸レンズ2およびメニスカス状のレンズ3は、共に同一の材質のレンズで構成してもよいが、凸レンズ2は正のパワーを有するレンズであるため、アッベ数ν2 は大きい値の方が光線のバラツキが少ない。また、メニスカス状のレンズ3は負のパワーを有するレンズであるため、アッベ数ν4 は小さい値の方が光線のばらつきが少ない。すなわち、条件式(3)の下限を超えると、軸上および倍率の色収差が大きくなり、光線のばらつきが大きくなる。また条件式(4)の上限を超えると、軸上および倍率の色収差が大きくなり、光線のばらつきが大きくなる。
【0011】
尚、さらに好ましいものとして上記条件式(1)〜(4)の数値範囲を次の如く設定するのがよい。
1.64 < L / f < 1.95 …(1a)
−1.0 <f/ f2 < −0.45 …(2a)
ν2 > 50 …(3a)
ν4 < 33 …(4a)
条件式(1a)は、レンズの大きさに関する条件式であり、この条件式(1a)の下限を超えると、各々のレンズの肉厚を十分に確保することができず、製造が困難になる。また、凸レンズ2のパワーを強くしなければならないので、球面収差がアンダーになり、補正が困難になる。
一方上限を超えると、レンズ全長が大きくなり、コンパクト性が失われてしまう。
【0012】
条件式(2a)は、メニスカス状のレンズ3のパワーに関する条件式であり、この下限を超えると、メニスカス状のレンズ3のパワーが強くなり、メニスカス状のレンズ3で発生するコマ収差,歪曲収差の補正が困難となる。
一方上限を超えると、メニスカス状のレンズ3のパワーが弱くなるため、凸レンズ2で発生する球面収差,コマ収差および歪曲収差の補正が困難となる 。
条件式(3a)および(4a)は、各レンズのd線に対するアッベ数に関する式であり、特に倍率の色収差の補正に関与している。条件式(3a)および(4a)を満足するように凸レンズ2,メニスカス状のレンズ3をそれぞれ別々の材質のレンズで構成した方が、倍率の色収差を良好に補正することができる。条件式(3a)の下限を超えると、倍率の色収差が大きくなる。また条件式(4a)の上限を超えると、倍率の色収差が大きくなる。
【0013】
【実施例】
以下、表1から表5に本発明の第1〜第5の実施例の構成データを示す。
各実施例とも凸レンズ2の物体側の直前に絞りが配備されている。各実施例において、物体側から数えて第i 番目の面(絞り面を含む)の曲率半径をri ,第i 番目と第i +1 番目の面の光軸上の面間隔をdi ,物体側から数えて第j番目のレンズの屈折率およびアッベ数をそれぞれni ,νi で表す。屈折率およびアッベ数はd線(587.56nm)における値を示す。*の面は非球面を表し、それら各非球面は下記〔数1〕に示す非球面式により表される。またf はレンズ全体の焦点距離,F/NOは明るさ,ωは画角をそれぞれ表す。
【0014】
(数1)
非球面式 Z = CY2 / ( 1 + ( 1− ( K + 1 )C2Y2)1/2 ) + a4Y4 + a6Y6 + a8Y8 + a10Y10
但し C :非球面頂点の曲率
K :円錐定数
a I :非球面定数
Y :光軸からの高さ
Z :非球面上の点のレンズ面頂点における接平面からの距離
〔実施例1〕
【表1】
〔実施例2〕
【表2】
〔実施例3〕
【表3】
〔実施例4〕
【表4】
〔実施例5〕
【表5】
【0015】
実施例1では、凸レンズ2およびメニスカス状のレンズ3に耐熱樹脂であるゼオネックス(日本ゼオン株式会社の登録商標)を用いている。条件式(1)および(2a)を満足することにより、諸収差が図2に示すデータのようになっており、球面収差,非点収差,歪曲収差のいずれもほぼ満足できる値となり、十分な光学特性を得ることができることが分かる。
実施例2では、凸レンズ2にゼオネックス,メニスカス状のレンズ3にPC(ポリカーボネイト)を用いている。凸レンズ2,メニスカス状のレンズ3をそれぞれ別々の材質のレンズで構成したため、色収差を良好に補正することができる。また、条件式(1)および(2)を満足することにより、諸収差が図3に示すデータのようになっており、球面収差,非点収差,歪曲収差のいずれもほぼ満足できる値となり、十分な光学特性を得ることができることが分かる。
【0016】
実施例3では、凸レンズ2にゼオネックス、メニスカス状のレンズ3にPCを用いている。凸レンズ2,メニスカス状のレンズ3をそれぞれ別々の材質のレンズで構成したため、色収差を良好に補正することができる。また、条件式(1a)および(2) を満足することにより、諸収差が図4に示すデータのようになっており、球面収差,非点収差,歪曲収差のいずれもほぼ満足できる値となり、十分な光学特性を得ることができることが分かる。
実施例4,5では、凸レンズ2にゼオネックス、メニスカス状のレンズ3にPCを用いている。凸レンズ2,メニスカス状のレンズ3にそれぞれ別々の材質のレンズで構成したため、色収差を良好に補正することができる。また、実施例4では上記条件式(1)および(2a)を、実施例5では上記条件式(1a)および(2a)をそれぞれ満足することにより、諸収差が図5,6に示すデータのようになっており、球面収差,非点収差,歪曲収差のいずれもほぼ満足できる値となり、十分な光学特性を得ることができることが分かる。
【0017】
以上、各実施例について説明したが、本発明は前記実施例に限定されるものではなく必要に応じて種々の変更を施すことができる。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、CCDやCMOS等の受光素子を用いた携帯電話搭載カメラ,PCカメラ,監視カメラ,ディジタルスチルカメラ等に適した、小型でかつ軽量の光学特性の良好な撮像レンズを得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明よる撮像レンズの実施の形態を示す外観図である。
【図2】実施例1のd線(587.56nm)における球面収差,非点収差,歪曲収差を示す図である。
【図3】実施例2のd線(587.56nm)における球面収差,非点収差,歪曲収差を示す図である。
【図4】実施例3のd線(587.56nm)における球面収差,非点収差,歪曲収差を示す図である。
【図5】実施例4のd線(587.56nm)における球面収差,非点収差,歪曲収差を示す図である。
【図6】実施例5のd線(587.56nm)における球面収差,非点収差,歪曲収差を示す図である。
【符号の説明】
1 絞り
2 凸レンズ(第1レンズ)
3 メニスカス状のレンズ(第2レンズ)
4 カバーガラス
Claims (3)
- 物体側から像面側へ、開口絞り,正のパワーを有する第1レンズおよび物体側に凹面を向けた負のパワーを有するメニスカス状の第2レンズの順に配置してなり、
下記条件式(1)及び(2)を満足することを特徴とする撮像レンズ。
1.5 < L / f < 2.0 …(1)
−1.55 <f/ f 2 < − 0.26 …(2)
但し、f:全レンズ系の合成焦点距離
L :絞りから像面までの距離
f2 :第2レンズの焦点距離 - 請求項1記載の撮像レンズにおいて、
前記第1レンズ及び第2レンズがともにプラスチック材から構成されることを特徴とする撮像レンズ。 - 請求項1または請求項2記載の撮像レンズにおいて、
前記第1レンズ及び第2レンズのアッベ数は下記条件式(3)及び(4)を満足することを特徴とする撮像レンズ。
ν2 > 45
ν4 < 50
但し、ν2 :第1レンズのd線に対するアッベ数
ν4 :第2レンズのd線に対するアッベ数
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003203523A JP2005049427A (ja) | 2003-07-30 | 2003-07-30 | 撮像レンズ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003203523A JP2005049427A (ja) | 2003-07-30 | 2003-07-30 | 撮像レンズ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005049427A true JP2005049427A (ja) | 2005-02-24 |
Family
ID=34262841
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003203523A Pending JP2005049427A (ja) | 2003-07-30 | 2003-07-30 | 撮像レンズ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2005049427A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008039886A (ja) * | 2006-08-02 | 2008-02-21 | Sony Corp | 撮像レンズ系及び撮像装置 |
JP2012108449A (ja) * | 2010-11-16 | 2012-06-07 | E-Pin Optical Industry Co Ltd | 2つのレンズからなる光学イメージングレンズ |
JP2016177038A (ja) * | 2015-03-19 | 2016-10-06 | キヤノン株式会社 | ファインダー光学系及びそれを有する撮像装置 |
-
2003
- 2003-07-30 JP JP2003203523A patent/JP2005049427A/ja active Pending
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JP2012108449A (ja) * | 2010-11-16 | 2012-06-07 | E-Pin Optical Industry Co Ltd | 2つのレンズからなる光学イメージングレンズ |
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