JP2005048956A - 遊星歯車装置のピニオンギヤの表面処理方法 - Google Patents

遊星歯車装置のピニオンギヤの表面処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005048956A
JP2005048956A JP2004275757A JP2004275757A JP2005048956A JP 2005048956 A JP2005048956 A JP 2005048956A JP 2004275757 A JP2004275757 A JP 2004275757A JP 2004275757 A JP2004275757 A JP 2004275757A JP 2005048956 A JP2005048956 A JP 2005048956A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pinion gear
thrust washer
pinion
lubricating oil
end faces
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004275757A
Other languages
English (en)
Inventor
Hirotada Suwa
裕忠 諏訪
Kazuyoshi Yuge
和義 弓削
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JATCO Ltd
Original Assignee
JATCO Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JATCO Ltd filed Critical JATCO Ltd
Priority to JP2004275757A priority Critical patent/JP2005048956A/ja
Publication of JP2005048956A publication Critical patent/JP2005048956A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H57/00General details of gearing
    • F16H57/04Features relating to lubrication or cooling or heating
    • F16H57/042Guidance of lubricant
    • F16H57/043Guidance of lubricant within rotary parts, e.g. axial channels or radial openings in shafts

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Gears, Cams (AREA)
  • General Details Of Gearings (AREA)

Abstract

【課題】 遊星歯車装置のピニオンギヤの耐久性の向上を図った表面処理方法を提供する。
【解決手段】 キャリア3のプレート部7の各シャフト支持孔7aに支持されたピニオンシャフト10に、ピニオンギヤ2がニードルベアリング12を介して回転可能に支持され、ピニオンギヤの両端面2aとプレート部の間に、突出部21aを有する座付きスラストワッシャ21と、突出部の外周面で支持されるリング状スラストワッシャ20とが夫々設けられている。潤滑油がピニオンシャフト内の油路を通ってピニオンシャフトの外周面に導かれ、ニードルベアリング12及びスラストワッシャ20、21を潤滑する。ピニオンギヤの両端面2aは研削して浸炭処理を行なった後ショットピーニングを行なう。
【選択図】 図2

Description

本発明は、車両用の自動変速機などに用いられる遊星歯車装置のとくにその潤滑構造に用いるピニオンギヤの表面処理方法に関する。
従来、この種の遊星歯車装置の潤滑構造として、たとえば、図10に示すようなものが知られている。すなわち、この遊星歯車装置の潤滑構造では、キャリア101の2つのプレート部102の各シャフト支持孔に支持されたピニオンシャフト103に、ピニオンギヤ104がニードルベアリング105を介して回転可能に支持されている。ピニオンギヤ104の両端面104aと両プレート部102の間に、その端面104aに摺接するリング状スラストワッシャ106と、プレート部102の端面に摺接するリング状の座付きスラストワッシャ107がそれぞれ設けられている。この座付きスラストワッシャ107は、ニードルベアリング105側に突出した突出部107aを内周側に有し、この突出部107aの外周面でスラストワッシャ106の内周面を支持している。また、潤滑油が、図示を省略した入力軸、プレート部102、及びピニオンシャフト103内の各油路を順に通って該シャフトの外周面に導かれ、ニードルベアリング105及びスラストワッシャ106、107を潤滑するようになっている。
また、上述したような遊星歯車装置の潤滑構造に用いる従来のピニオンギヤの表面処理方法としては、ピニオンギヤ104の両端面104aを研削し、この研削後にその両端面104aに浸炭処理を行うものが知られている。
上記従来の遊星歯車装置の潤滑構造では、上述したようにピニオンシャフト103の外周面に導かれた潤滑油が、ピニオンシャフト103、ニードルベアリング105、及び座付きスラストワッシャ107で囲まれる空間に溜るため、ピニオンギヤ104の端面104aとスラストワッシャ106の摺動部には、図10のラインAで示す方向に多量の潤滑油が流れる。しかし、両スラストワッシャ106、107の摺動部及びスラストワッシャ107とプレート部102の端面の摺動部では、同図のラインB及びCでそれぞれ示す方向に流れる潤滑油が不足ぎみになる。これによって、スラストワッシャ106、107などの焼き付きを招くおそれがあった。
一方、上記従来のピニオンギヤの表面処理方法では、浸炭処理を行ったピニオンギヤ104の両端面104aに、表面がエッジ状になった異常層が残ってしまう。この異常層はスラストワッシャ106の摺動により剥離しやすい。そのため、ピニオンギヤ104の両端面104aに摺接するスラストワッシャ106に異常摩耗が発生し、その耐久性が低下してしまうとともに、ピニオンギヤ104の両端面104aとスラストワッシャ16の間で流れる潤滑油の一部が異常層により阻止され、その間で潤滑油が流れにくく、スラストワッシャなどの焼き付きを招くおそれがあった。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたもので、耐久性の向上を図った遊星歯車装置のピニオンギヤの表面処理方法を提供することである。
上記課題を解決するため、請求項1記載の本発明は、キャリアの2つのプレート部の各シャフト支持孔に支持されたピニオンシャフトに、ピニオンギヤが軸受を介して回転可能に支持され、ピニオンギヤの両端面と両プレート部の間に複数のスラストワッシャがそれぞれ設けられ、潤滑油が入力軸、プレート部、及びピニオンシャフト内の各油路を順に通って該シャフトの外周面に導かれ、軸受及びスラストワッシャを潤滑するように構成された遊星歯車装置に用いるピニオンギヤの表面処理方法であって、ピニオンギヤの両端面を研削して浸炭処理を行った後に、その両端面にショットピーニングの処理を行うものとした。
ピニオンギヤの両端面を研削して浸炭処理を行った後に、その両端面にショットピーニングの処理を行うことにより、浸炭処理によりその両端面にできた異常層が除去される。これによって、ピニオンギヤの両端面に摺接するスラストワッシャに異常摩耗が発生するのを防止できるとともに、その両端面とスラストワッシャの間で潤滑油が流れやすくなり、その両端面とスラストワッシャの摺動部への潤滑油の供給が促進される。
また、ショットピーニングの処理により、ピニオンギヤの両端面の残留応力が大きくなり、ピニオンギヤの耐久性が向上するとともに、その両端面に、ショットピーニングの処理で用いる粒子(たとえば鋼製の小球、いわゆるショット)による多数のくぼみができる。これらのくぼみに潤滑油が溜り、油膜ができるので、ピニオンギヤの両端面とスラストワッシャの摺動部が十分に潤滑される。
また、浸炭処理を行う工程とショットピーニングの処理を行う工程との間で、ピニオンギヤの両端面を研磨することにより、浸炭処理によりピニオンギヤの両端面にできた異常層が除去され、その両端面が平坦になる。これによって、スラストワッシャがピニオンギヤの両端面とより滑らかに摺接し、そのスラストワッシャに異常摩耗が発生するのをより確実に防止できるとともに、その両端面とスラストワッシャの間で潤滑油がより流れやすくなり、その両端面とスラストワッシャの摺動部への潤滑油の供給がより一層促進される。
本発明に係るピニオンギヤの表面処理方法によれば、ピニオンギヤの両端面を研削して浸炭処理を行った後に、その両端面にショットピーニングの処理を行うことにより、浸炭処理によりその両端面にできた異常層が除去される。これによって、ピニオンギヤの両端面に摺接するスラストワッシャに異常摩耗が発生するのを防止できるとともに、その両端面とスラストワッシャの間で潤滑油が流れやすくなり、その両端面とスラストワッシャの摺動部への潤滑油の供給が促進される。また、ショットピーニングの処理により、ピニオンギヤの両端面の残留応力が大きくなり、ピニオンギヤの耐久性が向上するとともに、その両端面に多数のくぼみができる。これらのくぼみに潤滑油が溜り、油膜ができるので、ピニオンギヤの両端面とスラストワッシャの摺動部が十分に潤滑される。
したがって、スラストワッシャの焼き付きを防止してその耐久性を向上させることができるとともに、ピニオンギヤの耐久性も向上させることができる。
また、浸炭処理を行う工程とショットピーニングの処理を行う工程との間で、ピニオンギヤの両端面を研磨することにより、浸炭処理によりピニオンギヤの両端面にできた異常層が除去され、その両端面が平坦になる。これによって、スラストワッシャがピニオンギヤの両端面とより滑らかに摺接し、そのスラストワッシャに異常摩耗が発生するのをより確実に防止できるとともに、その両端面とスラストワッシャの間で潤滑油がより流れやすくなり、その両端面とスラストワッシャの摺動部への潤滑油の供給がより一層促進される。
したがって、スラストワッシャの焼き付きをより確実に防止してその耐久性をより一層向上させることができる。
次に本発明の実施の形態を実施例により説明する。
図1は本発明の実施例に係る遊星歯車装置の潤滑構造を示す縦断面図、図2は図1のスラストワッシャ部分の拡大図、図3はリング状スラストワッシャの平面図、図4は座付きスラストワッシャの縦断面図、そして図5はキャリアの一方のプレート部をピニオンギヤ側から見た正面図、図6は図5の潤滑油排出溝部分の拡大図である。
図1では、車両用の自動変速機の変速機構を構成する複数の遊星歯車機構、複数のクラッチ、及び複数のブレーキのうち、1つの遊星歯車装置のみが示されている。
図1で示すように、遊星歯車装置は、サンギヤ1、複数(この実施例では4つ)のピニオンギヤ2、これらのピニオンギヤ2を支持するキャリア3、及び不図示のリングギヤによって構成されている。
サンギヤ1は、ブレーキドラム4に溶接により固定されている。このブレーキドラム4は、入力軸5にニードルベアリング23を介して回転可能に支持された回転体6の外周に回転可能に支持されている。これによって、サンギヤ1は、入力軸5の軸心を中心にブレーキドラム4と一体に回転するようになっている。
キャリア3は、図1に示すように、互いに離間し、一体に連結された2つのリング状のプレート部7、8を有する。一方のプレート部7には、4つのシャフト支持孔7aが円周方向にほぼ等間隔で設けられている(図5参照)。他方のプレート部8にも、プレート部7の4つのシャフト支持孔7aに対応する位置に4つのシャフト支持孔8aが設けられている。また、一方のプレート部7の内周には、回転体6のスプライン6aと噛み合う歯7bが設けられている(図5参照)。これによって、キャリア3が回転体6と共に入力軸5の軸心を中心に回転可能である。また、他方のプレート部8の外周部に設けられた歯8bは回転体9の内周部に設けられたスプライン9aと噛み合っている。
各プレート部7、8の4つのシャフト支持孔7a、8aに、ピニオンシャフト10がそれぞれ支持されている。4つのピニオンシャフト10は、ピン11によってプレート部7にそれぞれ固定されている。各ピニオンシャフト10に、ピニオンギヤ2がニードルベアリング(軸受)12を介して回転可能に支持されている。各ピニオンギヤ2は、サンギヤ1に噛み合っているとともに、不図示のリングギヤに噛み合っている。
図1及び図2に示すように、各ピニオンギヤ2の両端面2aと両プレート部7、8の間には、その端面2aに摺接するリング状スラストワッシャ20(図3参照)と、プレート部7、8のピニオンギヤ側端面7c、8cに摺接するリング状の座付きスラストワッシャ21(図4参照)とがそれぞれ設けられている。
スラストワッシャ20の内周部には、図3に示すように、3つの円弧状の切り欠き部20aが円周方向にほぼ等間隔で設けられている。
一方、座付きスラストワッシャ21は、図4に示すように、ニードルベアリング12側に突出した突出部21aを内周側に有し、この突出部21aの外周面21bでスラストワッシャ20の内周面を支持している。すなわち、突出部21aの外周面21bがスラストワッシャ20の内周面に対する座面になっている。
図5及び図6に示すように、一方のプレート部7のスラストワッシャ側端面7cには、4つのシャフト支持孔7aの各内周面からプレート部7の外周面7dまで延びた4つの潤滑油排出溝30が設けられている。
スラストワッシャ20、21がピニオンギヤ2の回転により図5の矢印Gで示す方向に潤滑油排出溝30に対して回転したときに、潤滑油排出溝30内を通る潤滑油がその外方へ抜けやすくするために、各潤滑油排出溝30は、プレート部7の中心と各シャフト支持孔7aの中心とを結ぶ方向に対して、図5で右方へ傾けて設けられている。
なお、図6の斜線で示すD部は、座付きスラストワッシャ21がプレート部7のスラストワッシャ側端面7c上で摺接する領域を示している。
次に、上記構成を有する遊星歯車装置の潤滑構造を説明する。
まず、ニードルベアリング12及びスラストワッシャ20、21の各摺動部を潤滑する構造を、図1及び図2に基づいて説明する。
入力軸5の軸心に設けられた軸方向の油路5aに供給される潤滑油は、この油路5aと連通した入力軸5の径方向の油路5bを通ってニードルベアリング23に供給されるようになっている。
また、油路5aに供給される潤滑油は、この油路5aと連通した入力軸5の径方向の油路5c、入力軸5と回転体6の間の空間、回転体6の油路6b、この油路6bと連通したプレート部7の径方向の油路7e及び7fを順に通ってピニオンシャフト10の径方向の油路10aに供給される。さらに、この油路10aに供給される潤滑油は、ピニオンシャフト10の軸心に設けられた軸方向の油路10b及びこの油路と連通した径方向の油路10cを通ってピニオンシャフト10の外周面に導かれ、ニードルベアリング12及びスラストワッシャ20、21を潤滑するようになっている。なお、図1の符号24は、油路10bの開口端を閉塞するためのプラグである。
次に、キャリア3のプレート部8とブレーキドラム4の間及びブレーキドラム4と回転体6の間にそれぞれ介挿されたスラストベアリング41、42、及びピニオンギヤ2の左側端面2aとプレート部8との間に介挿されたスラストワッシャ20、21の各摺動部を潤滑する構造を、図1、図7及び図8に基づいて説明する。図8は図7のE部を拡大した図である。
これらの図で示すように、ブレーキドラム4の中心孔4aの内周面をサンギヤ1の端部に形成した段付き部1aの外周面に嵌合させ、図7及び図8の斜線で示すF部を溶接することにより、サンギヤ1がブレーキドラム4に固定されている。
回転体6には、図1に示すように、上記油路6bのほかに、ニードルベアリング23に供給された潤滑油をサンギヤ1側に通すための油路6c、6dが設けられている。これらの油路6c、6dから回転体6とサンギヤ1の間の空間に供給される潤滑油の一部は、回転体6及びサンギヤ1の回転によって攪袢されて飛散し、スラストベアリング42に供給されるようになっている。
その空間に供給される潤滑油の残りは、サンギヤ1に設けられた複数の油路1bを通ってサンギヤ1の歯面側に供給される。
各油路1bは、図7及び図8に示すように、サンギヤ1の円周上に所定の間隔で配置されている。各油路1bは、その一部がサンギヤ1の1つの歯面1cの端部に臨むとともに、その他の部分が油留め凹部(サンギヤ1の加工逃げ穴)1dに臨んでいる。
各油路1bを通ってサンギヤ1の歯面側に供給される潤滑油が、サンギヤ1の各歯面、スラストベアリング41、及びプレート部8側にあるスラストワッシャ20、21に供給されるようになっている。
以上のような構成を有する本実施例では、入力軸5の軸方向の油路5aに供給される潤滑油の一部は、入力軸5の径方向の油路5c、入力軸5と回転体6の間の空間、回転体6の油路6b、プレート部7の径方向の油路7e及び7f、ピニオンシャフト10の径方向の油路10a、軸方向の油路10b及び径方向の油路10cを順に通ってピニオンシャフト10の外周面に導かれ、ピニオンシャフト10、ニードルベアリング12、スラストワッシャ20の内周部及びスラストワッシャ21の突出部21aで囲まれる空間に溜まる。
この空間に溜まる潤滑油は、ピニオンギヤ2の両端面2aとスラストワッシャ20の摺動部に、そのワッシャ20の内周側から外周側へ流れる(図2で示すラインAを参照)。これによって、その摺動部が潤滑される。
また、その空間に溜まる潤滑油は、スラストワッシャ20に設けた3つの切り欠き部20aのおのおのと座付きスラストワッシャ21の突出部21aの外周面21bとの間にできる油路を通ってスラストワッシャ20、21の摺動部に流入し、この摺動部で両ワッシャの内周側から外周側へ流れる(図2で示すラインBを参照)。これによって、その摺動部が潤滑される。
さらに、その空間に溜まる潤滑油は、座付きスラストワッシャ21の突出部21aの内周面とピニオンシャフト10の間の隙間からスラストワッシャ21と両プレート部7、8の摺動部にそれぞれ流入し、この摺動部で、プレート部7、8のスラストワッシャ側端面7c、8cにそれぞれ設けた潤滑油排出溝30を通って、スラストワッシャ21の内周側から外周側へ流れる(図2で示すラインCを参照)。これによって、その摺動部が潤滑される。
一方、入力軸5の油路5aに供給される潤滑油の一部は、入力軸5の油路5b、入力軸5と回転体6の間の空間、回転体6の油路6c、6d、回転体6とサンギヤ1の間の空間に供給される。
この空間に供給される潤滑油の一部は、回転体6及びサンギヤ1の回転によって攪袢されて飛散し、スラストベアリング42に供給される。
回転体6とサンギヤ1の間の空間に供給される潤滑油の残りは、サンギヤ1の複数の油路1bを通ってサンギヤ1の歯面側に供給される。
各油路1bの一部がサンギヤ1の1つの歯面1cの端部(すなわち、隣接する2つの歯面1c間にある1つの溝の端部)に臨んでおり、各油路1bのその他の部分が歯面1cの端部の外側の空間に臨んでいるので、各油路1bからの潤滑油が、その油路に対応する1つの歯面(1つの溝)1cに供給されるとともに、前記外側の空間を通ってサンギヤ1の全ての歯面(すべての歯面)1cにも供給される。これによって、十分な量の潤滑油が必要なプレート部8側にあるスラストワッシャ20、21には、サンギヤ1の回転によりその各歯面1cから飛散した潤滑油が供給される。
また、各油路1bのその他の部分が油留め凹部1dに臨んでいるので、スラストワッシャ20、21ほど多くの量の潤滑油を必要としないスラストベアリング41には、各油路1bを通ってサンギヤ1の歯面側に供給される潤滑油が油留め凹部1dの壁面を伝わって供給される。
このように、本実施例によれば、スラストワッシャ20の内周部に3つの切り欠き部20aを設けてあるとともに、キャリア3の両プレート部7、8の各スラストワッシャ側端面7c、8cに潤滑油排出溝30を設けてあるので、ピニオンギヤ2の両端面2aとスラストワッシャ20の摺動部だけでなく、両スラストワッシャ20、21の摺動部、及びスラストワッシャ21と各プレート部7、8の摺動部にも十分な量の潤滑油が供給される。これによって、これらの各摺動部が十分に潤滑される。
したがって、スラストワッシャ20、21などの焼き付きを防止することができ、スラストワッシャ20、21の耐久性を向上させることができる。
また、本実施例によれば、スラストワッシャ20の内周部に設けた各切り欠き部20aの大きさを変えるとともに、両プレート部7、8の各スラストワッシャ側端面7c、8cに設けた潤滑油排出溝30の大きさを変えることにより、上述した3つの摺動部に供給される潤滑油の量を調整することができる。
さらに、本実施例では、リング状スラストワッシャ20の内周部に3つの切り欠き部20aを設けているが、切り欠き部20aは1つ以上であればよい。スラストワッシャ20の内周部に設ける切り欠き部20aの数を適宜変えることにより、スラストワッシャ20、21の摺動部に供給される潤滑油の量を変更することもできる。
また、本実施例によれば、スラストワッシャ20の内周部に、図3に示すように、3つの円弧状の切り欠き部20aが円周方向にほぼ等間隔で設けてあるので、潤滑油を両スラストワッシャ20、21の摺動部全体に均一に供給することができる。
また、本実施例によれば、各潤滑油排出溝30を、プレート部7の中心と各シャフト支持孔7aの中心とを結ぶ方向に対して、図5で右方へ傾けて設けてあるので、スラストワッシャ20、21がピニオンギヤ2の回転により図5の矢印Gで示す方向に潤滑油排出溝30に対して回転したときに、潤滑油排出溝30内を通る潤滑油がその外方へ抜けやすい。
さらに、本実施例によれば、サンギヤ1に設けられた各油路1bの一部がサンギヤ1の1つの歯面1cの端部に臨んでおり、各油路1bのその他の部分が各油路1bの端部の外側の空間に臨んでいるので、各油路1bからの潤滑油が、サンギヤ1の全ての歯面1cに供給される。これによって、その歯面1cから飛散した十分な量の潤滑油がプレート部8側にあるスラストワッシャ20、21に供給され、両ワッシャなどの焼き付きを防止することができ、両ワッシャの耐久性を向上させることができる。
しかも、各油路1bの他の部分が油留め凹部1dに臨んでいるので、各油路1bを通ってサンギヤ1の歯面側に供給される潤滑油が油留め凹部1dの壁面を伝わってスラストベアリング41に供給される。これによって、スラストワッシャ20、21ほど多くの量の潤滑油を必要としないスラストベアリング41にも、十分な量の潤滑油が供給され、その焼き付きを防止してその耐久性を向上させることができる。
なお、本実施例では、ピニオンギヤ2の両端面2aと両プレート部7、8の間に、座付きスラストワッシャ21と、その突出部21aの外周面21bに内周面が支持されるリング状スラストワッシャ20の2つを設けてあるが、本発明はそのような構成に限定されない。たとえば、ピニオンギヤ2の両端面2aと両プレート部7、8の間に、1つの座付きスラストワッシャ21と、その突出部21aの外周面21bに内周面がそれぞれ支持される2つのリング状スラストワッシャ20の3つを設けてもよい。この場合、2つのリング状スラストワッシャ20の各内周部に複数の切り欠き部20aを設けることにより、上述した本実施例と同様な効果が得られる。
また、本実施例では、プレート部7のスラストワッシャ側端面7cに、4つのシャフト支持孔7aの各内周面からプレート部7の外周面7dまで延びた4つの潤滑油排出溝30を設けているが、各潤滑油排出溝30の外側端部は必ずしも外周面7dまで延びている必要はない。例えば、各潤滑油排出溝30は、スラストワッシャ側端面7c上で、シャフト支持孔7aの内周面(すなわち座付きスラストワッシャ21と摺接する領域D(図6参照)の内周端)から、少なくとも領域Dの外周端付近まで延びていればよい。すなわち、各潤滑油排出溝30の外側端部が、少なくとも図6の符号30aで示す位置に達するように、各潤滑油排出溝30を加工してもよい。
次に、上述した実施例で用いたピニオンギヤ2の表面処理方法を、図1及び図9に基づいて説明する。図9はピニオンギヤ2の両端面2aの表面からの距離(深さ)と残留応力との関係を示すグラフである。同図で、実線はショットピーニングの処理を行った場合、破線はその処理を行わなかった場合をそれぞれ示している。
その表面処理方法の第1は、以下の工程(1)及び(2)からなる。
(1)図1に示すピニオンギヤ2の両端面2aを研削して浸炭処理を行う。
(2)この浸炭処理を行った後に、その両端面2aにショットピーニングの処理を行う。
この第1の表面処理方法によれば、浸炭処理を行ったピニオンギヤ2の両端面2aにショットピーニングの処理を行うことにより、浸炭処理によりその両端面2aにできた異常層(表面がエッジ状になった層)が除去される。これによって、ピニオンギヤ2の両端面2aに摺接するスラストワッシャ20に異常摩耗が発生するのを防止できるとともに、その両端面2aとスラストワッシャ20の間で潤滑油が流れやすくなり、その両端面2aとスラストワッシャ20の摺動部への潤滑油の供給が促進される。
また、ショットピーニングの処理により、ピニオンギヤ2の両端面2aの残留応力が大きくなり(図9参照)、ピニオンギヤ2の耐久性が向上するとともに、その両端面2aに、ショットピーニングの処理で用いる粒子(たとえば鋼製の小球、いわゆるショット)による多数のくぼみができる。これらのくぼみに潤滑油が溜り、油膜ができるので、ピニオンギヤ2の両端面2aとスラストワッシャ20の摺動部が十分に潤滑される。
したがって、スラストワッシャ20の焼き付きを防止してその耐久性を向上させることができるとともに、ピニオンギヤ2の耐久性も向上させることができる。
ピニオンギヤ2の表面処理方法の第2は、以下の工程(1)〜(3)からなる。
(1)ピニオンギヤ2の両端面2aを研削して浸炭処理を行う。
(2)この浸炭処理を行った後に、その両端面2aを研磨する。
(3)この研磨後に、その両端面2aにショットピーニングの処理を行う。
すなわち、第2の表面処理方法は、上記第1の表面処理方法において、浸炭処理を行う工程(1)とショットピーニングの処理を行う工程(2)との間で、両端面2aを研磨するものである。
この第2の表面処理方法によれば、ピニオンギヤ2の両端面2aを研削して浸炭処理を行う工程(1)と、両端面2aにショットピーニングの処理を行う工程(3)との間で、両端面2aを研磨することにより、浸炭処理により両端面2aにできた異常層が除去され、その両端面2aが平坦になる。これによって、スラストワッシャ20がピニオンギヤ2の両端面2aとより滑らかに摺接し、スラストワッシャ20に異常摩耗が発生するのをより確実に防止できるとともに、両端面2aとスラストワッシャ20の間で潤滑油がより流れやすくなり、両端面2aとスラストワッシャ20の摺動部への潤滑油の供給がより一層促進される。
したがって、スラストワッシャ20の焼き付きを防止してその耐久性をより一層向上させることができるとともに、ピニオンギヤ2の耐久性も向上させることができる。
本発明の実施例に係る遊星歯車装置の潤滑構造を示す縦断面図である。 図1のスラストワッシャ部分の拡大図である。 リング状スラストワッシャの平面図である。 座付きスラストワッシャの縦断面図である。 図1で示すキャリアの一方のプレート部をピニオンギヤ側から見た正面図である。 図5の潤滑油排出溝部分の拡大図である。 サンギヤ及びブレーキドラムを示す縦断面図である。 図7のE部の拡大図である。 ピニオンギヤの端面における表面からの距離と残留応力の関係を示すグラフである。 従来例を示す断面図である。
符号の説明
1 サンギヤ
1b 油路
1c 歯面
1d 油溜め凹部
2 ピニオンギヤ
2a 端面
3 キャリア
4 ブレーキドラム
5 入力軸
5a、5b、5c 油路
6、9 回転体
6b、6c、6d 油路
7、8 プレート部
7a、8a シャフト支持孔
7c スラストワッシャ側端面
7e、7f 油路
10 ピニオンシャフト
10a、10b、10c 油路
12 ニードルベアリング(軸受)
20 リング状スラストワッシャ
20a 切り欠き部
21 座付きスラストワッシャ
21a 突出部
21b 突出部の外周面
30 潤滑油排出用溝

Claims (2)

  1. キャリアの2つのプレート部の各シャフト支持孔に支持されたピニオンシャフトに、ピニオンギヤが軸受を介して回転可能に支持され、前記ピニオンギヤの両端面と前記両プレート部の間に複数のスラストワッシャがそれぞれ設けられ、潤滑油が入力軸、前記プレート部、及び前記ピニオンシャフト内の各油路を順に通って該シャフトの外周面に導かれ、前記軸受及び前記スラストワッシャを潤滑するように構成された遊星歯車装置の潤滑構造に用いるピニオンギヤの表面処理方法であって、
    前記ピニオンギヤの両端面を研削して浸炭処理を行った後に、その両端面にショットピーニングの処理を行うことを特徴とするピニオンギヤの表面処理方法。
  2. 前記浸炭処理を行う工程と前記ショットピーニングの処理を行う工程との間で、前記ピニオンギヤの両端面を研磨することを特徴とする請求項1記載のピニオンギヤの表面処理方法。
JP2004275757A 2004-09-22 2004-09-22 遊星歯車装置のピニオンギヤの表面処理方法 Pending JP2005048956A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004275757A JP2005048956A (ja) 2004-09-22 2004-09-22 遊星歯車装置のピニオンギヤの表面処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004275757A JP2005048956A (ja) 2004-09-22 2004-09-22 遊星歯車装置のピニオンギヤの表面処理方法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13579597A Division JP3655987B2 (ja) 1997-05-12 1997-05-12 遊星歯車装置の潤滑構造

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005048956A true JP2005048956A (ja) 2005-02-24

Family

ID=34270274

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004275757A Pending JP2005048956A (ja) 2004-09-22 2004-09-22 遊星歯車装置のピニオンギヤの表面処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005048956A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100655860B1 (ko) 2005-10-18 2006-12-13 주식회사 만도 조향 장치의 코팅 피니언 샤프트
JP2007154911A (ja) * 2005-11-30 2007-06-21 Toyota Motor Corp 歯車構造及びピニオンギヤ
JP2013185619A (ja) * 2012-03-06 2013-09-19 Sumitomo Heavy Ind Ltd 遊星歯車減速機
WO2017174946A1 (fr) * 2016-04-08 2017-10-12 Valeo Equipements Electriques Moteur Démarreur pour moteur thermique de véhicule automobile muni d'un élément de maintien

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100655860B1 (ko) 2005-10-18 2006-12-13 주식회사 만도 조향 장치의 코팅 피니언 샤프트
JP2007154911A (ja) * 2005-11-30 2007-06-21 Toyota Motor Corp 歯車構造及びピニオンギヤ
JP4650632B2 (ja) * 2005-11-30 2011-03-16 トヨタ自動車株式会社 歯車構造及びピニオンギヤ
JP2013185619A (ja) * 2012-03-06 2013-09-19 Sumitomo Heavy Ind Ltd 遊星歯車減速機
WO2017174946A1 (fr) * 2016-04-08 2017-10-12 Valeo Equipements Electriques Moteur Démarreur pour moteur thermique de véhicule automobile muni d'un élément de maintien
FR3049983A1 (fr) * 2016-04-08 2017-10-13 Valeo Equip Electr Moteur Demarreur pour moteur thermique de vehicule automobile muni d'un element de maintien precontraint

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20080268997A1 (en) Lubrication path in a planetary gear unit for a transmission
KR20150115741A (ko) 유성 기어 세트 내의 유성 기어 베어링
US20070175706A1 (en) Positive lubrication of a meshing gear
JP2007218369A (ja) 遊星歯車機構用ころ軸受
JP3522152B2 (ja) 遊星歯車装置の潤滑構造
JP4786482B2 (ja) 円すいころ軸受
JP2005048956A (ja) 遊星歯車装置のピニオンギヤの表面処理方法
KR20180091021A (ko) 베어링용 축 및 베어링
JP2005147306A (ja) ころ軸受用保持器
JP2002250354A (ja) 転がり軸受
JP3655987B2 (ja) 遊星歯車装置の潤滑構造
JP6547620B2 (ja) 差動ギヤ装置の潤滑構造
JP4547999B2 (ja) 無段変速装置
JP5472398B2 (ja) 遊星歯車用支持軸の製造方法
JP4003247B2 (ja) 給油手段付転がり軸受装置
JP2005249052A (ja) 遊星歯車装置
WO2018164014A1 (ja) 保持器付き針状ころおよびそれを備えた遊星歯車機構支持構造
CN209839127U (zh) 行星齿轮机构
KR100774406B1 (ko) 수동변속기의 베어링 윤활을 위한 스페이서 구조
JP2009192072A (ja) ピニオンシャフト
JP2012189202A (ja) 遊星歯車装置
JP2010014184A (ja) 遊星歯車用支持軸及びその製造方法
JP6804341B2 (ja) 保持器付き針状ころおよびそれを備えた遊星歯車機構支持構造
JP2015187464A (ja) 変速機の同期装置
JP2005068461A (ja) 接触部材およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080108

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080513