JP2005048843A - スラスト針状ころ軸受 - Google Patents

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Masatake Uragami
正剛 浦上
Yoichi Matsumoto
洋一 松本
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NSK Ltd
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Abstract

【課題】過酷な潤滑環境下の使用でも耐摩耗特性に優れたスラスト針状ころ軸受を提供する。
【解決手段】軸方向に互いに対向する一対の軌道輪2,3間に複数の針状ころ4が周方向に転動可能に介装されたスラスト針状ころ軸受1であって、軌道輪2,3は浸炭窒化処理が施されて表面C濃度が0.5重量%以上、表面N濃度が0.2〜0.5重量%、且つ残留オーステナイト量γが3〜10%とされ、針状ころ4は軌道輪2,3よりCr量が多い材料にて浸炭窒化処理が施されて表面C+N濃度が1.8重量%以下で前記軌道輪2,3の表面C+N濃度より高くされ、硬さが該軌道輪2,3より高くされている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、コンプレッサのハウジング内に回転自在に支持された主軸に作用するスラスト荷重を支持するためのスラスト針状ころ軸受に関し、特に、自動車のエアコンディショナ(カーエアコン)等に用いられる斜板式コンプレッサの主軸に作用するスラスト荷重を支持するのに好適なスラスト針状ころ軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】
カーエアコン用コンプレッサの一つの形式である斜板式コンプレッサは、主軸に固定された斜板の回転により、斜板上を摺動するシューを介してピストンが往復作動するようにしたもので、ハウジング内には前記主軸がラジアル軸受を介して回転自在に支持されている。
【0003】
前記ハウジングには円周方向の等間隔位置に複数のシリンダボアが形成され、各ボア内に両頭形のピストンが摺動自在に収容されている。各ピストンの中央部分には斜板の外周部を跨ぐようにして凹陥部が形成され、この凹陥部の軸方向対向面に球面座を形成して球または半球状のシューを着座させてある。シューが斜板とピストンとの間に介在して斜板の回転運動をピストンの往復運動に円滑に変換させる働きをし、斜板は主軸と一体回転する。
そして、上述のように斜板はピストンを往復運動させる働きをするものであるため、主軸の軸方向にスラスト荷重が発生する。それゆえ、スラスト軸受を介在させてあり、このスラスト軸受としては一般に針状ころ軸受が使用される(例えば特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特公平7−88852号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
カーエアコン用コンプレッサにおいては、油をよく融解する特性を有するフルオン系の冷媒の中に冷凍機油が混在しており、これにより、冷媒中に融解している油がサイクル内を循環することで各摩耗個所に供給されて潤滑が行なわれる。
しかし、冷凍機油は冷媒の冷房能力を低下させるので適切な循環油量は必然的に少量となり、コンプレッサに使用する軸受は一般の油潤滑で使用される軸受に比べて過酷潤滑となる。そのため、針状ころの転動面や軌道輪の軌道面に摩耗が生じ、ピーリング損傷や早期剥離に到るといった問題が発生する虞れがある。
本発明はこのような不都合を解消するためになされたものであり、過酷な潤滑環境下の使用でも耐摩耗特性に優れたスラスト針状ころ軸受を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、軸方向に互いに対向する一対の軌道輪間に複数の針状ころが周方向に転動可能に介装されたスラスト針状ころ軸受であって、
前記軌道輪は浸炭窒化処理が施されて表面C濃度が0.5重量%以上、表面N濃度が0.2〜0.5重量%、且つ残留オーステナイト量γが3〜10%とされ、前記針状ころは前記軌道輪よりCr量が多い材料にて浸炭窒化処理が施されて表面C+N濃度が1.8重量%以下で前記軌道輪の表面C+N濃度より高くされ、硬さが該軌道輪より高いことを特徴とする。
【0007】
以下、本発明における作用及び各数値限定の臨界的意義について説明する。
(針状ころについて)
エッジロードを防止するために針状ころにはクラウニングが施してあるが、ころ摩耗が進展すると母線形状が崩れ形伏がストレートになり軌道輪の軌道面端部を異常摩耗させる。それを防止するためには、ころの耐摩耗性を軌道輪の耐摩耗性より高めることが必須となる。そこで、針状ころには、炭化物形成元素であるCr濃度が軌道輪のそれより高い材料を使用し、表面C+N濃度が軌道輪の表面C+N濃度より高くなるように浸炭窒化処理を施し、軌道輪よりも表面硬さを高くすることが必須となる。
但し、針状ころの表面C+N濃度が1.8重量%を超えると炭窒化物が粗大化し、耐フレーキングや耐摩耗性が劣化するため、表面C+N濃度の上限を1.8%とする。また、針状ころの表面硬さは、フレーキングに至った後にころが割損しないよう靭性を付与するため、HRC65以下が好ましい。
【0008】
(軌道輪について)
軌道輪は針状ころにより摩耗されることなく、且つ針状ころを摩耗することのない耐摩耗特性が必要である。浸炭窒化処理を施す際、浸炭窒化層の残留オーステナイト量γは、軌道輪の表面層に高い靭性を付与して、表面起点剥離やその進展を抑えることができるが、10%を超えると耐摩耗特性が低下する。
一方、残留オーステナイト量γが3%未満では軸受運転中に発生する微小摩耗紛により誘発される表面起点型剥離を防止することができないため、残留オーステナイト量γは3〜10%とした。また、軌道輪の表面硬さがHRC58未満では耐摩耗特性が得られ難いので、軌道輪の表面硬さの下限はHRC58が好ましい。
【0009】
(軌道輪:浸炭窒化処理後の表面C濃度について)
軌道輪に対する熱処理は耐摩耗特性に効果のある窒素を添加する浸炭窒化処理を採用し、表面C濃度を0.5重量%以上に調整するものとした。製品表面のC濃度を0.5重量%以上としたのは、製品に必要な転がり疲れ強さを得るためであり、且つ所要の炭化物を形成させるためである。
【0010】
(軌道輪:浸炭窒化処理後の表面N濃度について)
軌道輪に対して浸炭窒化処理を実施し、表面N濃度を0.2重量%以上0.5重量%以下とする。完成品表面層のN濃度が0.2重量%未満であると、Nの固溶不足により十分な表面硬さと残留オーステナイト量γが得られず、耐摩耗特性と寿命が向上しない。また、N量を増加していくと窒化物が析出して耐摩耗性が向上するが、0.5重量%を超えると耐摩耗特性は飽和するため、上限を0.5重量%とした。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の一例を図を参照して説明する。図1は回転摩耗試験機の概略図、図2は実施例及び比較例における軌道輪の平均摩耗量と針状ころの平均摩耗量との関係を示すグラフ図である。
図1に示す回転摩耗試験機を用いてスラスト針状ころ軸受の摩耗試験を行った。摩耗試験に使用したスラスト針状ころ軸受1は、図1に示すように、回転輪(軌道輪)2と静止輪(軌道輪)3との間に保持器(図示せず)を介して針状ころ4が転動可能に配設されたもので、外径69mm、内径40mmとした。また、針状ころ4は、直径3.00mm、長さ6.7mm、平均粗さ0.02Raで38本とし、回転輪2及び静止輪3は平均粗さ0.08Raとした。
表1に各供試軸受である実施例(本発明例)1,2及び比較例3〜5の材料成分、硬さ、残留オーステナイト量γ等を示す。回転輪2、静止輪3及び針状ころ4に対して浸炭窒化処理を施す際には、アンモニア流量を調整することによりC濃度、N濃度を制御した。
【0012】
【表1】
Figure 2005048843
【0013】
試験条件は次のとおりである。
軸受動定格荷重:37632N
試験荷重(アキシャル荷重P):11290N
回転速度:700min−1
潤滑剤:カーエアコンの斜板コンプレッサ用冷凍機油を使用し流量を制御した枯渇潤滑とした。
試験時間:200Hr
試験結果を図2に示す。なお、表1及び図2では軌道輪(回転輪、静止輪)をレースと表示する。摩耗量は平均摩耗量とする。
【0014】
図2から明らかなように、本発明例である実施例1,2では、レース及び針状ころ共にほぼ平均摩耗量が0μmと摩耗は軽微である。これに対し、比較例3はレースに平均摩耗量15μmの摩耗が見られる。これは表1に示すとおりレースが窒化されておらず、耐摩耗性が乏しいためである。また、比較例4は針状ころの摩耗が多くピーリングに至っている。これは針状ころのCr量がレースのそれより少なく、針状ころの硬さよりレース硬さが高くなり、ころ摩耗が増大したと考えられる。また、比較例5は炭窒化物が多すぎるため、レースを摩耗させていると共にころ自身の摩耗も著しくなっている。
【0015】
以上のことから、軌道輪は浸炭窒化処理が施されて表面C濃度が0.5重量%以上、表面N濃度が0.2〜0.5重量%、且つ残留オーステナイト量γが3〜10%とされ、針状ころは前記軌道輪よりCr量が多い材料にて浸炭窒化処理が施されて表面C+N濃度が1.8重量%以下で軌道輪の表面C+N濃度より高くされ、硬さが該軌道輪より高いスラスト針状ころ軸受を使用することにより、コンプレッサといった一般の油潤滑に比べ過酷潤滑下においても優れた耐摩耗性を示し、耐久性を大幅に向上させることができる。
【0016】
【発明の効果】
上記の説明から明らかなように、本発明によれば、一般の油潤滑に比べて過酷な潤滑環境下の使用でも耐摩耗特性に優れ、耐久性を大幅に向上させることができるスラスト針状ころ軸受を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】回転摩耗試験機の概略図である。
【図2】実施例及び比較例における軌道輪の平均摩耗量と針状ころの平均摩耗量との関係を示すグラフ図である。
【符号の説明】
1…スラスト針状ころ軸受
2…回転輪(軌道輪)
3…静止輪(軌道輪)
4…針状ころ

Claims (1)

  1. 軸方向に互いに対向する一対の軌道輪間に複数の針状ころが周方向に転動可能に介装されたスラスト針状ころ軸受であって、
    前記軌道輪は浸炭窒化処理が施されて表面C濃度が0.5重量%以上、表面N濃度が0.2〜0.5重量%、且つ残留オーステナイト量γが3〜10%とされ、前記針状ころは前記軌道輪よりCr量が多い材料にて浸炭窒化処理が施されて表面C+N濃度が1.8重量%以下で前記軌道輪の表面C+N濃度より高くされ、硬さが該軌道輪より高いことを特徴とするスラスト針状ころ軸受。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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