JP2005048469A - アンカー支持体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 アンカー体のアンカー孔に対する定着を確実に行わせるグラウンドアンカー工法におけるアンカー支持体を提供することを課題としている。
【解決手段】 定着対象地盤に定着される不安定地盤から定着対象地盤まで形成されるアンカー孔2内に注入されるグラウト材から形成されるアンカー体3とアンカー孔2の入口側の地盤表面とを繋ぐアンカー支持体1を、アンカー体3内に位置する定着体7と、該定着体7をアンカー孔2の入口側に牽引移動させる連結体4とから構成し、定着体7を地表側に向かう楔状の拡径体13を軸心方向に複数重ねて設けて構成し、アンカー体3の形成後、アンカー孔2の入口側に移動することによって、アンカー体3をアンカー孔2に押圧させるように割り広げ、アンカー体3をアンカー孔2に定着させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、グラウンドアンカー工法におけるアンカー体を支持するアンカー支持体に関する。
従来地盤中に設置したアンカー体と構造物に取り付けたアンカー頭部をテンドンと呼ばれる引張材で連結し、アンカー体の引き抜き抵抗によって地滑り土塊の滑動を引き止め、構造物の安定を図るグラウンドアンカー工法が公知となっている(例えば非特許文献1参照)。
そして上記グラウンドアンカー工法は、テンドンにプレストレスをかけることによって、テンドンの伸びの少ない段階、すなわち地すべり等による変形量が少ない段階での滑動抑止効果を向上させることができるという特徴を持ち、斜面安定,構造物の転倒・浮き上り防止,仮設山留め・土留め等土木建築分野において広く利用されている。
上記グラウンドアンカー工法を、上記ウェブサイトのグラウンドアンカー施工手順に従って簡単に説明すると、
1.図11(a)に示されるように、不安定地盤表面に形成された構造物(擁壁)A から定着対象地盤(基盤)Bまで削孔機等によって掘削した削孔Cに、ケーシン グパイプDを挿入する
2.図11(b)に示されるように、ケーシングパイプD内にセメントミルク又はモ ルタル等からなるグラウト材Gを充填し、さらにテンドンFを挿通する
3.図11(c)に示されるように、ケーシングパイプDを一部引き抜き、グラウト 材Gを加圧注入し、基盤Bにアンカー体G’を形成せしめ、ケーシングを引き抜 く
4.図11(d)に示されるように、アンカー体G’と構造物Aとの間で、テンドン Fにプレストレスをかけ、アンカー体G’を介して基盤Bと構造物Aとによって 不安定地盤層を圧縮する
というものである。
"施工手順"、[online]、社団法人 日本アンカー協会、[平成15年7月29日検索]、インターネット<URL: http://www.japan-anchor.or.jp/002koho/index_tejyun.htm>
上記グラウンドアンカー工法においては、アンカー体を定着対象地盤に定着させることが重要な用件となる。そして一般的には上記図11に示されるような、摩擦型グラウンドアンカータイプと呼ばれ、アンカー体G’を削孔(アンカー孔)Cの周面に押接させ、アンカー孔Cに対して軸心に垂直な方向の力をかけてアンカー体をアンカー孔Cに定着させる工法が採用されている。この摩擦型グラウンドアンカーは、アンカー体G’の形成を容易に行うことができ、定着対象地盤が安定した地盤の場合、十分な効果を得ることができるという利点があり、幅広く採用されている。
しかし上記摩擦型グラウンドアンカーは、アンカー体G’の定着が定着対象地盤のせん断強度に依存し、亀裂が発達した不均一な定着対象地盤の場合、定着力が安定しない。特にテンドンFによってプレストレスをかける場合、アンカー体G’において均一な荷重分散が困難であるため、図12に示されるように、引張り荷重の集中するアンカー体G’のアンカー孔Cの入口に近い部分からアンカー孔Cの底側に向かって順次アンカー孔C(定着対象地盤)が破壊されやすいという欠点がある。
またアンカー孔Cの掘削時にアンカー孔Cの内周壁が粘土化するような定着対象地盤の場合は、アンカー体G’のアンカー孔Cへの付着切れが容易に発生し、さらにアンカー孔Cが帯水層区間にあたった場合、地下水によってグラウト材が劣化し、アンカー体G’の引き抜けが容易に発生するという問題点もあった。
上記課題を解決するための本発明のアンカー支持体は、定着対象地盤に定着される不安定地盤から定着対象地盤まで形成されるアンカー孔2内に注入されるグラウト材から形成されるアンカー体3と、アンカー体3と一体的に設けられ、アンカー体3とアンカー孔2の入口側の地盤表面とを繋ぐアンカー支持体1とからなるグラウンドアンカー工法用のアンカーにおいて、アンカー支持体1を、アンカー体3内に位置する定着体7と、該定着体7をアンカー孔2の入口側に牽引移動させる連結体4とから構成し、上記定着体7を、アンカー体3の形成後の上記移動によって、アンカー体3をアンカー孔2の内周面に押圧させるように割り広げて定着させる楔状の拡径体13を軸心方向に複数段重ねることによって構成したことを特徴とする。
第2に拡径体13の外周面に、径方向に突出して長さ方向に延出するガイド突起17を設けたことを特徴とする。
第3に定着体7の先端側に、最先端に位置する拡径体13のアンカー体3内の移動を案内するガイド部19を設けたことを特徴とする。
第4に定着体7の周面とアンカー体3との間に位置し、アンカー体3に対する定着体7の移動を助長するように、定着体7の周面を覆う滑動層18を設けたことを特徴とする。
第5にアンカー支持体におけるアンカー形成部分を覆う袋体21をアンカー支持体に一体的に設け、グラウト材が袋体内に注入されてアンカー体3を形成する構成としたことを特徴とする。
以上のように構成される本発明の構造によると、定着体をアンカー体内においてアンカー孔の入口側に向かって軸心方向に移動せしめることによって、楔状の各拡径体の外周面が、該外周面に対して垂直な力によってアンカー体を割り広げ、割り広げられたアンカー体がアンカー孔の内周面に押し付けられ、アンカー体がアンカー孔に定着せしめられる。
このときアンカー体は、上記拡径体が軸心方向に複数段重ねて構成されていることによって、拡径体が位置する部分がアンカー孔への有効な加圧範囲となり、各拡径体によって加圧範囲内において定着荷重が概ね均一に分散され、安定した定着力を得ることができる。これにより亀裂が発達した不均一な定着対象地盤や、アンカー孔の内周壁が粘土化するような定着対象地盤、アンカー孔が帯水層区間にあたった場合等においても、アンカー体は安定してアンカー孔に定着され、グラウンドアンカー工法を有効に行うことができる。
なお拡径体の外周面に、径方向に突出して長さ方向に延出するガイド突起を設けることによって、定着体の移動時にアンカー体を容易に割ることができ、アンカー体の割りひろげを円滑に行うことができるという利点がある。
また定着体の先端側に、最先端に位置する拡径体の移動を案内するガイド部を設けることによって、最先端の楔体の端面が、アンカー体を形成せしめるべく固まったグラウト材と当接して移動開始が円滑に行われないという不都合を、ガイド部が防止し、定着体の移動開始を円滑に行うことができる。特に定着体の周面に滑動層を設けることによって、定着体は滑動層を介してグラウト材(アンカー体)に対して移動するので、定着体の移動が円滑に行われる。
一方アンカー体が袋体に覆われるように構成することによって、アンカー体が全体でアンカー孔に押接されることになり、亀裂の多い定着対象地盤において、安定した定着力を得ることができる。なおアンカー体を袋体内に充填されるグラウト材から形成させることによって、亀裂の多い定着対象地盤においても、グラウト材の注入時に、グラウト材が定着対象地盤内に吸収されるという不都合が防止され、アンカー体を安定して形成させることができるという利点もある。
図1は、本発明のアンカー支持体1をアンカー孔2内に挿入してアンカー体3を形成せしめた状態を示す断面図である。なおアンカー孔2は従来同様グラウンドアンカー工法によって定着対象地盤に定着される不安定地盤から定着対象地盤まで削孔によって形成されるものであり詳細については割愛する。
アンカー支持体1は、PC鋼より線等からなる引張材(テンドン)4と、アンカー孔2内にグラウト材を注入するグラウトパイプ6と、グラウト材からなるアンカー体3を定着対象地盤に定着させる定着体7とからなる。なお上記グラウトパイプ6は、テンドン4が内部に挿通される中空パイプ状をなし、内部にグラウト材を注入することによって後述するようにアンカー孔2内にグラウト材を注入することができる。
上記定着体7は、アンカー体3をアンカー孔2の内周面側に押し付けるスライダ8,スライダ8とテンドン4とを連結せしめる連結パイプ9,定着体7の先端に設けられる先端ガイドバー11,該先端ガイドバー11とスライダ8とを連結せしめる固定具12とから構成されている。なお本明細書においては、アンカー孔2の入口側を基端側,アンカー孔2の底側を先端側と表現する。
上記スライダ8は、図2に示されるスライダユニット14が2つ組み合わされた構造となっており、シースカバー18によって外周が覆われ、該シースカバー18を介してアンカー体3(グラウト材)に接する。上記スライダユニット14は、基端側が小径且つ先端側が大径となるように地表側に向かう中空円錐台形状の楔(クサビ)状をなす拡径体13を軸心方向に複数段連結した構造となっている。なお上記拡径体13は、内周面も円錐形(楔状)をなし、軸心方向の長さは約100mmである。
そしてスライダユニット14は、拡径体13が5つ連結されてなり、拡径体ユニット14を2つ軸心方向に連結してスライダ8が構成されている。このためスライダ8は、上記拡径体13が10個連結されることになり、長さが概ね1000mm程度となる。なお拡径ユニット14の両端はネジ加工されたネジ部16をなしており、2つの拡径ユニット14の連結と、上記連結パイプ9及び固定具12の取付けに使用される。
そして1つのスライダユニット14や1つの定着体7に設ける拡径体13の数は、グラウンドアンカーを行う地盤等に対応して適宜調節される。また図3に示されるように、各拡径体13の外周面には、径方向に突出して長さ方向に延出するガイド突起17が、周方向に90°間隔で、複数(4つ)設けられている。
上記スライダ8の内部には、テンドン4が挿通され、スライダ8の内部にエポキシ系の接着剤を充填することによって、テンドン4とスライダ8とが一体化される。なお上記接着剤はスライダ8の内部に楔状に充填されるため、接着剤とスライダ8との離反が防止され、テンドン4とスライダ8との固定が確実に行われる。そしてテンドン4の先端は固定具12に至る。
上記連結パイプ9は、図4に示されるように、基端側に、グラウトパイプ6が接着によって固定されており、先端側がスライダ8の先端にスライダ8のネジ部16を介して螺合して取り付けられている。グラウトパイプ6の概ね連結パイプ9に取り付けられている先端部分には、シースパイプ19が外嵌されており、該シースパイプ19は、グラウトパイプ6の先端から突出している。
上記固定具12は、図5に示されるように、基端側がスライダ8の先端側にネジ部16を介して螺合して取り付けられ、先端に、先端ガイドバー11が接着によって固定されている。グラウトパイプ6から連結パイプ9とスライダ8の内部を通過して固定具12の内部に至るテンドン4の先端は、固定具12内に接着剤を充填することによって固定具12に固定される。
上記先端ガイドバー11は、定着体7の先端に上記のように突出して設けられる棒体であり、先端ガイドバー11の先端が、アンカー孔2の底に接することによって、スライダ8がアンカー孔2の底に沈殿するスライムに埋没することを防止する。
アンカー支持体1は、上記のように各パーツによって構成され、図1に示されるように、グラウトパイプ6の連結パイプ9側の一部から先端ガイドバー11にかけて、袋状をなす布製の袋体(パッカ)21によって覆われている。そしてグラウトパイプ6における、パッカー21の取付位置から先端にかけて、グラウト材をグラウトパイプ6内から外部に吐出させるグラウト孔22が穿設されている。該グラウト孔22は、約10cmピッチで螺旋状に配置されている。
なお上記グラウトパイプ6は、直径5cm程度のパイプであり、グラウト孔22は、パイプの強度を低下させない程度のサイズ(Φ15mm程度)となっている。またグラウトパイプ6は、それ自体がシースパイプとなっている。
アンカー支持体1は、以上のような構造をなし、図6(a)に示されるように、アンカー支持体1を孔内洗浄後のアンカー孔2内に挿入し、アンカー孔2の外部からグラウトパイプ6内にグラウト材Gを注入すると、図6(b)に示されるように、グラウト孔22からグラウト材Gがパッカ21内に吐出され、パッカ21内にグラウト材Gが充填される。
これによりグラウトパイプ6の先端側と定着体7の外側にパッカ21に覆われた状態でグラウト材Gが充填されて、パッカ21に包まれたアンカー体3が形成される。つまりアンカー体3は、パッカ21を介してアンカー孔2の内周面に接する。
そしてこの状態から図6(c)に示されるように、テンドン4をアンカー孔2の外側に向かって引き、プレストレス(引張り荷重)をかけると、テンドン4に牽引され、テンドン4と一体的に定着体7がアンカー体3内において基端側(アンカー孔2の入口側)に向かって軸心方向に移動せしめられる。これによりスライダ8を構成する各拡径体13のテーパ状の外周面が、該外周面に対して垂直な力によってアンカー体3を割り広げ、アンカー体3をアンカー孔2の内周面に押圧し、アンカー孔2内に定着せしめる。なお図7は、1つの拡径体13によるアンカー体3の割り広げ状態を示す写真図である。
このとき各拡径体13がアンカー体3をアンカー孔2の内周面に押圧させるため、アンカー体3においては、拡径体13が位置する部分(概ね500mm程度)がアンカー孔2への有効な加圧範囲となり、アンカー体3をアンカー孔2に定着させる定着荷重は、加圧範囲内において各拡径体13によって軸心方向に概ね均一に分散される。これによりアンカー体3のアンカー孔2に対する安定した定着力を得ることができ、アンカー孔2の内周壁が粘土化するような定着対象地盤、アンカー孔2が帯水層区間にあたった場合等においても、アンカー体3は安定してアンカー孔2に定着され、グラウンドアンカー工法を有効に行うことができる。
なお各拡径体13には、前述のようにガイド突起17が設けられているため、定着体7の移動時にガイド突起17がアンカー体3に食い込み、これによってアンカー体3の割り広げ(拡径)が容易に行われ、拡径体13による定着力をアンカー孔2に確実に伝達させることができる。
また前述のようにパッカ21が設けられているため、グラウト材Gはパッカー21内に充填され、アンカー体3はパッカー21を介してアンカー孔2に押圧される。このため定着対象地盤が亀裂の多い地盤等である場合も、グラウト材Gが定着地盤に吸収されるという不都合が防止され、またアンカー体3がパッカー21によって全体でアンカー孔2を押すことになるため、上記のような地盤にも安定して定着する。
なお上記のようにテンドン4を引く(引張り荷重をかける)ことによって、アンカー体3内において定着体7を移動させる場合、グラウトパイプ6と定着体7とを一体的に周囲に位置するグラウト材Gに対して移動させる必要がある。このためグラウト材Gに対するグラウトパイプ6と定着体7の摩擦力を、テンドン4に引張り荷重をかける前のアンカー体3とアンカー孔2との間の摩擦力より小さくする必要がある。
これに対して本実施形態においては、前述のようにグラウトパイプ6をシースパイプとし、定着体7におけるスライダ8の外周を滑動層となるシースカバー18によって覆い、グラウトパイプ6の先端側にシースパイプ19を設けている。これによってスライダ8と周囲のグラウト材とはシースカバー18を介して接するため、シースカバー18がグラウト材側となり、スライダ8はシースカバー18に対して低μで円滑にスライドする。またグラウトパイプ6は、自身がシースパイプであるため、グラウト材に対して低μで円滑にスライドし、これにより定着体7とグラウト材との摩擦力を小さくし、定着体7が円滑に移動するように構成されている。
特にグラウトパイプ6と連結パイプ9との連結部分は、連結パイプ9の外周側にシースパイプ19が設けられており、シースパイプ19の外側にグラウト材Gが位置するため、シースパイプ19がグラウト材側となり、定着体7の移動時に連結パイプ9及びグラウトパイプ6の先端部分は、シースパイプ19に対してスライド移動する。
これによって最基端の拡径体13の端面が、アンカー体3を形成せしめるべく固まったグラウト材Gと当接して移動開始が円滑に行われないという不都合が防止され、定着体7の移動開始が円滑に行われる。
次に本アンカー支持体によって形成されるアンカー体3のアンカー孔2に対する定着力について説明する。
図8は1つの楔形をなす拡径体13によってアンカー体3をアンカー孔2の内周面に押圧した状態での力関係を示すモデル図であり、拡径体13の引っ張り力Pは、アンカー孔2に楔力Wあるいは楔水平力Wとして作用し、アンカー孔2の地盤圧縮強度範囲内での、アンカー体3とアンカー孔2との摩擦抵抗Rによって、アンカー体3がアンカー孔2に支持される。
引っ張り力Pと楔力W、楔水平力Wの関係は、
楔力 W=P/(2sin(θ+δ)) ---------------------------------(1)
楔水平力 WH=Wcos(θ+δ)=(P/2)・cot(θ+δ)-------------------(2)
ただしδ:壁面摩擦角、δ=2/3φ(φ:定着地盤の基本摩擦角)
であり、
(2)式より図8に示す楔頭頂角θが小さいほど、楔力Wは楔水平力Wに近づく。
また、一般に岩石の基本摩擦角φは25〜40°であり、例えばφ=30°、θ=3°と仮定すると、
(1)式より
W=P/(2sin(2+30))=P/1.09
(2)式より
WH=P/1.09×cos(3+30)=P/1.09×0.84=0.77P
となり、引っ張り荷重Pの80%程度が楔水平力としてアンカー孔2の内周面(内周壁)に作用する。
一方、アンカー体3におけるアンカー孔2の内周面に対する摩擦抵抗Rは、
R=f・WH
f:摩擦係数,f=tanφ
上記のようにφ=30°と仮定すると、
R=tan30・0.77P=0.44P
となり、引っ張り力の40%程度がアンカー孔2の内周面にせん断力として作用する。
上記によりアンカー体3が引き抜けないための条件は、
P≦2・R=2・f・WH=P・tanφ・cot(θ+δ)--------------------(3)
tan(θ+δ)≦tanφ
∴θ+δ≦φ
ここでδ=2/3φとすれば
θ+2/3φ≦φ
θ≦1/3φ-------------------------------------------------(4)
定着地盤の一般的な基本摩擦角φは30〜40°程度であり、従って楔の頭頂角を概ね10°程度以下にしておけば安全であるといえる。本発明ではθ=2.86°と十分小さく設定しており、従って本発明のアンカー支持体1を使用して形成されるアンカー体3は設計荷重対応の楔水平力に対して、定着地盤の圧縮強度が満たされれば安全に支持される。
本アンカー体3の定着長lは次式で示される。
l=f・WH/(d・π・σ)------------------------------------------(5)
l:定着長 f:安全率 WH:楔水平力(=(P/2)・cot(θ+δ))
d:グランドアンカー孔径 σs:拘束された定着地盤の一軸圧縮強度(一般にテス
トピースで得られる値よりはるかに大きい値)
一方摩擦型グランドアンカーの定着長lは次式で示される。
l=f・P/(d・π・τ)------------------------------------------(6)
l:定着長 f:安全率 P:設計荷重 d:アンカー孔径 τ:グラウト材と定着地盤の
付着強度。
(6)式において、付着強度τは一般に岩盤の一軸圧縮強度σに対してτ=σ/10の関係(σ<σs)にあり、また前述のようにWH≒0.8・Pといった関係にあることによって、本発明のアンカー支持体1を使用して形成されるアンカー体3の定着長は摩擦型の概ね1/10程度に抑えることができる。
アンカー孔2の内周壁が安定している場合は、特にパッカー21を使用する必要は無く、図9,図10に示されるように、パッカー21を取り付けることなくアンカー支持体1を構成し、グラウト材Gを直接アンカー孔2内に充填するようにしても良い。この場合も前述と同様の効果を得ることができ、アンカー体3はアンカー孔2に安定して支持される。なお図9,図10において、図1〜図6と同一符号は同一構造であり、同一機能については説明を割愛する。
本アンカー支持体のアンカー孔内への挿入状態を示す断面図である。 スライダユニットの断面図である。 スライダユニットのA−A断面図である。 連結パイプ部分の断面図である。 固定具部分の断面図である。 (a)〜(c)は、本アンカー支持体を使用したアンカー体の形成状態を順次説明した断面図である。 1つの拡径体によるアンカー体の割り広げ状態をモデル的に示す平面写真図である。 1つの拡径体によってアンカー体をアンカー孔に押圧した状態での力関係を示すモデル図である。 他の実施形態のアンカー支持体のアンカー孔内への挿入状態を示す断面図である。 (a)〜(c)は、他の実施形態のアンカー支持体を使用したアンカー体の形成状態を順次説明した断面図である。 (a)〜(d)は、従来のグラウンドアンカー工法を順次示した概要図である。 摩擦型グラウンドアンカーによるアンカー体のアンカー孔に対する力関係を示すモデル図である。
符号の説明
1 アンカー支持体
2 アンカー孔
3 アンカー体
4 テンドン(連結体)
7 定着体
13 拡径体
17 ガイド突起
18 シースカバー(滑動)
19 シースパイプ(ガイド部)
21 パッカ(袋体)

Claims (5)

  1. 定着対象地盤に定着される不安定地盤から定着対象地盤まで形成されるアンカー孔(2)内に注入されるグラウト材から形成されるアンカー体(3)と、アンカー体(3)と一体的に設けられ、アンカー体(3)とアンカー孔(2)の入口側の地盤表面とを繋ぐアンカー支持体(1)とからなるグラウンドアンカー工法用のアンカーにおいて、アンカー支持体(1)を、アンカー体(3)内に位置する定着体(7)と、該定着体(7)をアンカー孔(2)の入口側に牽引移動させる連結体(4)とから構成し、上記定着体(7)を、アンカー体(3)の形成後の上記移動によって、アンカー体(3)をアンカー孔(2)の内周面に押圧させるように割り広げて定着させる楔状の拡径体(13)を軸心方向に複数段重ねることによって構成したアンカー支持体。
  2. 拡径体(13)の外周面に、径方向に突出して長さ方向に延出するガイド突起(17)を設けた請求項1のアンカー支持体。
  3. 定着体(7)の先端側に、最先端に位置する拡径体(13)のアンカー体(3)内の移動を案内するガイド部(19)を設けた請求項1又は2のアンカー支持体。
  4. 定着体(7)の周面とアンカー体(3)との間に位置し、アンカー体(3)に対する定着体(7)の移動を助長するように、定着体(7)の周面を覆う滑動層(18)を設けた請求項1又は2又は3のアンカー支持体。
  5. アンカー支持体におけるアンカー形成部分を覆う袋体(21)をアンカー支持体に一体的に設け、グラウト材が袋体内に注入されてアンカー体(3)を形成する構成とした請求項1又は2又は3のアンカー支持体。

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