JPH07238540A - 引張り鋼材が除去可能なグランドアンカー - Google Patents
引張り鋼材が除去可能なグランドアンカーInfo
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- JPH07238540A JPH07238540A JP2998094A JP2998094A JPH07238540A JP H07238540 A JPH07238540 A JP H07238540A JP 2998094 A JP2998094 A JP 2998094A JP 2998094 A JP2998094 A JP 2998094A JP H07238540 A JPH07238540 A JP H07238540A
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- ground
- anchor
- tensile steel
- steel material
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 作業能率が良く、除去作業に広い作業スペー
スを必要とせずかつ大きな定着力のアンカーや長尺のア
ンカーにも適用が可能な引張り鋼材の除去装置を提供す
る。 【構成】 PC鋼より線1の溶断により生じた収縮ばね
力は、衝撃力26となって楔収容板14を破壊し、楔4
の雌楔5からの分離、PC鋼より線1からの離脱を生じ
させる。これによりPC鋼より線1は、楔方式地盤内定
着機構3から解放されるが、残存している衝撃力26に
より鋼線キャップ15が先端部に被覆された状態で衝撃
力緩和装置17に激突する。この激突で、衝撃力26
は、PC鋼より線1にほぐれを発生させない程度まで緩
和される。
スを必要とせずかつ大きな定着力のアンカーや長尺のア
ンカーにも適用が可能な引張り鋼材の除去装置を提供す
る。 【構成】 PC鋼より線1の溶断により生じた収縮ばね
力は、衝撃力26となって楔収容板14を破壊し、楔4
の雌楔5からの分離、PC鋼より線1からの離脱を生じ
させる。これによりPC鋼より線1は、楔方式地盤内定
着機構3から解放されるが、残存している衝撃力26に
より鋼線キャップ15が先端部に被覆された状態で衝撃
力緩和装置17に激突する。この激突で、衝撃力26
は、PC鋼より線1にほぐれを発生させない程度まで緩
和される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種土木、建築工事で
の切土工事において、地盤崩落抑止に好適なグランドア
ンカーに係り、特に、引張り鋼線が除去可能なグランド
アンカーに関する。
の切土工事において、地盤崩落抑止に好適なグランドア
ンカーに係り、特に、引張り鋼線が除去可能なグランド
アンカーに関する。
【0002】
【従来の技術】グランドアンカー工法は、グランドアン
カーを用いて地盤崩落を防止する工法であり、地盤崩落
に対し強大な抑止力を有する。そのため、上記工法は、
近年では、道路、地下鉄、ダム、治山等の各種土木工事
での切土工事や、高層建築物の地下室、地下駐車場の建
築工事での切土工事において、地盤崩落抑止の工法とし
て盛んに用いられている。
カーを用いて地盤崩落を防止する工法であり、地盤崩落
に対し強大な抑止力を有する。そのため、上記工法は、
近年では、道路、地下鉄、ダム、治山等の各種土木工事
での切土工事や、高層建築物の地下室、地下駐車場の建
築工事での切土工事において、地盤崩落抑止の工法とし
て盛んに用いられている。
【0003】上記工法に採用されるアンカーは、例え
ば、数メートル〜数十メートル程度の長さを有してお
り、比較的長尺である。そのため、このアンカーにより
地下掘削工事での仮設山留壁を支持しようとする場合
は、仮設山留壁から外側に向って斜下向きに地盤内に打
込まれたアンカーが隣地の地下や道路敷の地下等、敷地
外に飛び出てしまうことがある。このアンカーは、地下
構造物の完成による該アンカー解体時に、該アンカーを
構成するアンカー鋼材(引張鋼材)が除去される必要が
ある。このような場合に、アンカーを除去できる構造を
有するアンカーを除去アンカーという。この種の除去ア
ンカーにあっては、アンカー鋼材を除去するための機構
を具備している。
ば、数メートル〜数十メートル程度の長さを有してお
り、比較的長尺である。そのため、このアンカーにより
地下掘削工事での仮設山留壁を支持しようとする場合
は、仮設山留壁から外側に向って斜下向きに地盤内に打
込まれたアンカーが隣地の地下や道路敷の地下等、敷地
外に飛び出てしまうことがある。このアンカーは、地下
構造物の完成による該アンカー解体時に、該アンカーを
構成するアンカー鋼材(引張鋼材)が除去される必要が
ある。このような場合に、アンカーを除去できる構造を
有するアンカーを除去アンカーという。この種の除去ア
ンカーにあっては、アンカー鋼材を除去するための機構
を具備している。
【0004】上記アンカー除去機構には、ねじ付き鋼棒
からなるアンカー鋼材を除去するものと、ピアノ線(高
張力鋼線)を束ねたPC鋼より線からなるアンカー鋼材
を除去するものとがある。
からなるアンカー鋼材を除去するものと、ピアノ線(高
張力鋼線)を束ねたPC鋼より線からなるアンカー鋼材
を除去するものとがある。
【0005】前者を利用したアンカー鋼材除去機構は、
アンカー内に埋込まれたナットを利用してねじを逆転さ
せて外すことにより、ねじ付き鋼棒を地中から除去する
ものである。
アンカー内に埋込まれたナットを利用してねじを逆転さ
せて外すことにより、ねじ付き鋼棒を地中から除去する
ものである。
【0006】後者を利用したアンカー鋼材除去機構に
は、種々のものがある。その一つは、アンカー鋼材の除
去時に、アンカーの中央部分に空洞が形成されるような
材料を予め設置しておき、除去時に、先ず、その材料を
地上に回収して空洞を形成し、この空洞の周辺のドーナ
ツ状のグラウト材内に埋込まれているPC鋼より線を、
梃を応用した方法で空洞内に剥がして、地表に除去する
ものである。
は、種々のものがある。その一つは、アンカー鋼材の除
去時に、アンカーの中央部分に空洞が形成されるような
材料を予め設置しておき、除去時に、先ず、その材料を
地上に回収して空洞を形成し、この空洞の周辺のドーナ
ツ状のグラウト材内に埋込まれているPC鋼より線を、
梃を応用した方法で空洞内に剥がして、地表に除去する
ものである。
【0007】別の一つは、Uターン加工と称される方法
により180°に折曲げられたPC鋼より線から成るア
ンカー体を、ボーリング孔中に充填したグラウト材中に
挿入してグランドアンカーとして使用した後、該アンカ
ー体除去時に、上記PC鋼より線の片方を、クレーンで
引張って引抜いて、地表に回収するものである。なお、
上記アンカー体は、グリス(油脂)が塗られたPC鋼よ
り線にポリホースが被覆され上記加工法により180°
に折曲げられたアンカー鋼材と、折曲げられた部位の先
端に取付けられた耐荷体とを有する。
により180°に折曲げられたPC鋼より線から成るア
ンカー体を、ボーリング孔中に充填したグラウト材中に
挿入してグランドアンカーとして使用した後、該アンカ
ー体除去時に、上記PC鋼より線の片方を、クレーンで
引張って引抜いて、地表に回収するものである。なお、
上記アンカー体は、グリス(油脂)が塗られたPC鋼よ
り線にポリホースが被覆され上記加工法により180°
に折曲げられたアンカー鋼材と、折曲げられた部位の先
端に取付けられた耐荷体とを有する。
【0008】上記以外にも類似した機構が、数種類存在
する。
する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前者を利用
した除去アンカー、即ち、ねじ付き鋼棒(PC鋼棒)か
らなるアンカー鋼材を除去するための除去アンカーは、
簡便であるという利点がある。しかし、この除去アンカ
ーは、大きな定着力を必要とするアンカーには適用が困
難であり、また、長尺のアンカーには施工性が悪く、施
工中に除去アンカーが破損したりして、アンカー鋼材の
除去が不能になるという不具合がある。そのため、上記
除去アンカーは、その適用範囲が、小さな定着力のアン
カーや短尺のアンカーに限定されることとなり、適用範
囲が極めて狭いという欠点がある。
した除去アンカー、即ち、ねじ付き鋼棒(PC鋼棒)か
らなるアンカー鋼材を除去するための除去アンカーは、
簡便であるという利点がある。しかし、この除去アンカ
ーは、大きな定着力を必要とするアンカーには適用が困
難であり、また、長尺のアンカーには施工性が悪く、施
工中に除去アンカーが破損したりして、アンカー鋼材の
除去が不能になるという不具合がある。そのため、上記
除去アンカーは、その適用範囲が、小さな定着力のアン
カーや短尺のアンカーに限定されることとなり、適用範
囲が極めて狭いという欠点がある。
【0010】一方、後者を利用した除去アンカー、すな
わち、ピアノ線(高張力鋼線)を束ねたPC鋼より線か
らなるアンカー鋼材を除去するための除去アンカーは、
アンカー鋼材を除去するために、重い引抜きジャッキを
必要とするものと、引抜きジャッキの代りにクレーンを
必要とするものとがある。引抜きジャッキを必要とする
工法は、アンカー体組立時の工程が多いために手間が掛
かり過ぎ、しかも、作業能率が悪いという欠点がある。
また、クレーンを必要とする工法は、アンカー体組立時
の工程が多いために手間が掛かり過ぎるという欠点を有
するの点は、上記工法と同様である。この工法は、さら
に、最小でも15ton吊りのクレーンを必要とするの
で、広い作業スペースが必要であり、適用現場が限定さ
れるという欠点がある。
わち、ピアノ線(高張力鋼線)を束ねたPC鋼より線か
らなるアンカー鋼材を除去するための除去アンカーは、
アンカー鋼材を除去するために、重い引抜きジャッキを
必要とするものと、引抜きジャッキの代りにクレーンを
必要とするものとがある。引抜きジャッキを必要とする
工法は、アンカー体組立時の工程が多いために手間が掛
かり過ぎ、しかも、作業能率が悪いという欠点がある。
また、クレーンを必要とする工法は、アンカー体組立時
の工程が多いために手間が掛かり過ぎるという欠点を有
するの点は、上記工法と同様である。この工法は、さら
に、最小でも15ton吊りのクレーンを必要とするの
で、広い作業スペースが必要であり、適用現場が限定さ
れるという欠点がある。
【0011】従って、本発明は、上記欠点を解消するた
めになされたもので、アンカー体組立時の工程の手間が
少なくて作業能率が良く、除去作業に広い作業スペース
を必要とせず、かつ、大きな定着力のアンカーや長尺の
アンカーにも適用できる、引張り鋼材の除去可能なグラ
ンドアンカーを提供することを目的とする。
めになされたもので、アンカー体組立時の工程の手間が
少なくて作業能率が良く、除去作業に広い作業スペース
を必要とせず、かつ、大きな定着力のアンカーや長尺の
アンカーにも適用できる、引張り鋼材の除去可能なグラ
ンドアンカーを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の第1の態様によれば、地中に形成された孔
に充填されたグラウト材と、緊張荷重が加えられた状態
で、地上に露出する地上側端部近傍部分を残して他の部
分が該グラウト材中に収容されている引張り鋼材とを備
えるグランドアンカーにおいて、前記引張り鋼材を、緊
張荷重が加えられた状態で定着するために設けられ、前
記引張り鋼材の地上側端部近傍に配置される地上側定着
機構と、前記グラウト材内の、引張り鋼材の地中側端部
近傍に配置される地中側定着機構とを有し、前記地中側
定着機構は、前記引張り鋼材をはさみ込むための第1の
部材と、この第1の部材を前記引張り鋼材断面の中心方
向に押圧するための第2の部材とを備え、前記第2の部
材は、地上側への移動を抑止し、地中側への移動を許容
する状態で、第1の部材を保持するものであることを特
徴とするグランドアンカーが提供される。
に、本発明の第1の態様によれば、地中に形成された孔
に充填されたグラウト材と、緊張荷重が加えられた状態
で、地上に露出する地上側端部近傍部分を残して他の部
分が該グラウト材中に収容されている引張り鋼材とを備
えるグランドアンカーにおいて、前記引張り鋼材を、緊
張荷重が加えられた状態で定着するために設けられ、前
記引張り鋼材の地上側端部近傍に配置される地上側定着
機構と、前記グラウト材内の、引張り鋼材の地中側端部
近傍に配置される地中側定着機構とを有し、前記地中側
定着機構は、前記引張り鋼材をはさみ込むための第1の
部材と、この第1の部材を前記引張り鋼材断面の中心方
向に押圧するための第2の部材とを備え、前記第2の部
材は、地上側への移動を抑止し、地中側への移動を許容
する状態で、第1の部材を保持するものであることを特
徴とするグランドアンカーが提供される。
【0013】前記地中側定着機構は、第1の部材として
楔を有し、第2の部材として、該楔と嵌合する雌楔とを
有する構成とすることができる。
楔を有し、第2の部材として、該楔と嵌合する雌楔とを
有する構成とすることができる。
【0014】前記孔の、前記引張り鋼材の地中側先端の
延長方向に配置され、前記引張り鋼材切断時に生じる衝
撃力を緩和する衝撃力緩和機構をさらに備えることがで
きる。この衝撃力緩和機構は、前記引張り鋼材の衝撃力
を吸収する抵抗材を少なくとも備えるものである。
延長方向に配置され、前記引張り鋼材切断時に生じる衝
撃力を緩和する衝撃力緩和機構をさらに備えることがで
きる。この衝撃力緩和機構は、前記引張り鋼材の衝撃力
を吸収する抵抗材を少なくとも備えるものである。
【0015】衝撃力緩和機構は、例えば、前記抵抗材と
して薄肉抵抗板を用い、該薄肉抵抗板を複数枚積層して
構成されることができる。
して薄肉抵抗板を用い、該薄肉抵抗板を複数枚積層して
構成されることができる。
【0016】また、衝撃力緩和機構は、前記抵抗材とし
て、衝撃を受けると変形および/または破壊する小片を
多数個有し、かつ、該多数個の小片を、前記引張り鋼材
の地中側先端の延長方向の空間に充填したもので構成さ
れることができる。ここで、小片としては、先ず、固体
が挙げられるが、これに限定されない。例えば、水等の
流体を内包するカプセルであってもよい。
て、衝撃を受けると変形および/または破壊する小片を
多数個有し、かつ、該多数個の小片を、前記引張り鋼材
の地中側先端の延長方向の空間に充填したもので構成さ
れることができる。ここで、小片としては、先ず、固体
が挙げられるが、これに限定されない。例えば、水等の
流体を内包するカプセルであってもよい。
【0017】さらに、衝撃力緩和機構は、前記抵抗材と
して、多数の粒体の集合である粒状体を有し、この粒状
体を前記引張り鋼材の地中側先端の延長方向の空間に充
填したもので構成されることができる。この場合、多数
の粒状体は、衝撃力が加わる前は単体で構成され、衝撃
力が加わった当初に、衝撃力の作用で破壊されて、粒状
となることにより形成されるものであってもよい。
して、多数の粒体の集合である粒状体を有し、この粒状
体を前記引張り鋼材の地中側先端の延長方向の空間に充
填したもので構成されることができる。この場合、多数
の粒状体は、衝撃力が加わる前は単体で構成され、衝撃
力が加わった当初に、衝撃力の作用で破壊されて、粒状
となることにより形成されるものであってもよい。
【0018】衝撃力緩和機構は、また、前記抵抗材とし
て、発泡体を有し、該発泡体を前記引張り鋼材の地中側
先端の延長方向の空間に充填したもので構成されること
ができる。
て、発泡体を有し、該発泡体を前記引張り鋼材の地中側
先端の延長方向の空間に充填したもので構成されること
ができる。
【0019】この他、衝撃力緩和機構は、前記抵抗材と
して棒状体を用い、この棒状体を複数本たばねて構成さ
れることができる。
して棒状体を用い、この棒状体を複数本たばねて構成さ
れることができる。
【0020】本発明は、前記地中側定着機構の地上側に
隣接して設けられ、前記定着機構の第2部材の地上側へ
の変位を抑止する抑止機構をさらに備えることができ
る。
隣接して設けられ、前記定着機構の第2部材の地上側へ
の変位を抑止する抑止機構をさらに備えることができ
る。
【0021】
【作用】上記構成によれば、地上側および地中側の定着
機構により、緊張荷重がかけられた引張り鋼材が保持さ
れる。そして、引張り鋼材を除去する際には、地上側定
着機構の近傍において、引張り鋼材を、例えば、溶断に
より切断すると、引張り鋼材に、引張り荷重に対する反
力が作用して、地中側に方向に変位させる力が作用す
る。これにともなって、地中側定着機構において、第1
部材が地中側に方向に変位して、第2部材から外れる。
従って、引張り鋼材は、地中側定着機構の定着作用から
開放される。このため、孔内から引き抜くことができ
る。
機構により、緊張荷重がかけられた引張り鋼材が保持さ
れる。そして、引張り鋼材を除去する際には、地上側定
着機構の近傍において、引張り鋼材を、例えば、溶断に
より切断すると、引張り鋼材に、引張り荷重に対する反
力が作用して、地中側に方向に変位させる力が作用す
る。これにともなって、地中側定着機構において、第1
部材が地中側に方向に変位して、第2部材から外れる。
従って、引張り鋼材は、地中側定着機構の定着作用から
開放される。このため、孔内から引き抜くことができ
る。
【0022】なお、上記引張り鋼材には、上記切断時に
大きな衝撃力が発生する。この衝撃力は、衝撃力緩和機
構により緩和することができる。すなわち、衝撃力緩和
機構の抵抗材の変形、破壊、変位等により衝撃力を吸収
する。そのため、衝撃力に起因して引張り鋼材がほぐれ
ることが防止される。これにより、引張り鋼材の引抜き
時に、引張り鋼材の自由長部シースとの間に摩擦等の抵
抗が生じにくく、例えば、人力により容易に引抜くこと
ができる。
大きな衝撃力が発生する。この衝撃力は、衝撃力緩和機
構により緩和することができる。すなわち、衝撃力緩和
機構の抵抗材の変形、破壊、変位等により衝撃力を吸収
する。そのため、衝撃力に起因して引張り鋼材がほぐれ
ることが防止される。これにより、引張り鋼材の引抜き
時に、引張り鋼材の自由長部シースとの間に摩擦等の抵
抗が生じにくく、例えば、人力により容易に引抜くこと
ができる。
【0023】
【実施例】以下、図面により本発明の一実施例について
説明する。
説明する。
【0024】図1は、本発明の一実施例のグランドアン
カーおよび該アンカーを用いた根切り工事完了時の工事
箇所の断面を示す。
カーおよび該アンカーを用いた根切り工事完了時の工事
箇所の断面を示す。
【0025】本実施例のグランドアンカーは、主に、グ
ラウト材10を始め、PC鋼より線1、PC鋼より線自
由長部シース2、一対の腹起し材18、ブラケット1
9、台座20、アンカープレート21および頭部PCよ
り線定着具22等を備えている。また、本実施例のグラ
ンドアンカーは、楔4と雌楔5とを有した楔方式地盤内
定着機構(以下、「定着機構」という)3を始め、耐圧
体9、先端キャップ12、ねじ13、楔収容板14、鋼
線キャップ15および衝撃力緩和装置17を備えてい
る。
ラウト材10を始め、PC鋼より線1、PC鋼より線自
由長部シース2、一対の腹起し材18、ブラケット1
9、台座20、アンカープレート21および頭部PCよ
り線定着具22等を備えている。また、本実施例のグラ
ンドアンカーは、楔4と雌楔5とを有した楔方式地盤内
定着機構(以下、「定着機構」という)3を始め、耐圧
体9、先端キャップ12、ねじ13、楔収容板14、鋼
線キャップ15および衝撃力緩和装置17を備えてい
る。
【0026】上記構成につき、さらに詳述すれば、グラ
ウト材10は、山留壁6に対して所定の角度で交差し地
中に向って斜方向に設けられた孔内に充填されて設けら
れる。グラウト材10の最奥部には、先端キャップ12
と、鋼線キャップ15と、楔収容板14とが設けられて
いる。楔収容板14は、中央部に、PC鋼より線1を挿
通するための孔が設けられている。
ウト材10は、山留壁6に対して所定の角度で交差し地
中に向って斜方向に設けられた孔内に充填されて設けら
れる。グラウト材10の最奥部には、先端キャップ12
と、鋼線キャップ15と、楔収容板14とが設けられて
いる。楔収容板14は、中央部に、PC鋼より線1を挿
通するための孔が設けられている。
【0027】先端キャップ12は、上記内部空間最奥部
の端面に当接した状態で設けられ、鋼線キャップ15
は、PC鋼より線1のほぐれを防止するためにPC鋼よ
り線1の先端部を被覆した状態で、先端キャップ12内
に臨まされている。鋼線キャップ15は、楔収容板14
と一体的に形成されている。
の端面に当接した状態で設けられ、鋼線キャップ15
は、PC鋼より線1のほぐれを防止するためにPC鋼よ
り線1の先端部を被覆した状態で、先端キャップ12内
に臨まされている。鋼線キャップ15は、楔収容板14
と一体的に形成されている。
【0028】楔収容板14は、楔4を雌楔5内に押し込
めて収容する目的の押板で、先端キャップ12と雌楔5
との間に介在し、先端キャップ12と共に複数本のねじ
13により雌楔5と連結固定されている。
めて収容する目的の押板で、先端キャップ12と雌楔5
との間に介在し、先端キャップ12と共に複数本のねじ
13により雌楔5と連結固定されている。
【0029】耐圧体9は、PC鋼より線1に生ずる定着
荷重8(緊張荷重7と等しい)によってPC鋼より線1
が定着機構3ごと図1斜右上方向にずり上がるのを防止
すべく、定着機構3野上部に接して設けられている。す
なわち、耐圧体9は、定着機構3が、地上側に変位する
ことを抑止する作用を果たす抑止機構として機能する。
なお、耐圧体9は、荷重が小さい場合のように、定着機
構3自身で変位を抑止できる場合には、省略することも
できる。
荷重8(緊張荷重7と等しい)によってPC鋼より線1
が定着機構3ごと図1斜右上方向にずり上がるのを防止
すべく、定着機構3野上部に接して設けられている。す
なわち、耐圧体9は、定着機構3が、地上側に変位する
ことを抑止する作用を果たす抑止機構として機能する。
なお、耐圧体9は、荷重が小さい場合のように、定着機
構3自身で変位を抑止できる場合には、省略することも
できる。
【0030】定着機構3は、PC鋼より線1を締め付け
固定することにより定着させるべく機能するもので、既
述のように楔4と雌楔5とからなっている。
固定することにより定着させるべく機能するもので、既
述のように楔4と雌楔5とからなっている。
【0031】楔4は、全体として円錐体状に形成され、
かつ、2個の部材に分割可能となっている。これによ
り、PC鋼より線1の拘束力の有効性を高めることがで
きる。また、楔4は、PC鋼より線1との接触面に、鋸
歯状の歯(図示せず)が設けられている。これにより、
楔4の歯がPC鋼より線1に食い込んで、拘束力をより
大きくすることができる。
かつ、2個の部材に分割可能となっている。これによ
り、PC鋼より線1の拘束力の有効性を高めることがで
きる。また、楔4は、PC鋼より線1との接触面に、鋸
歯状の歯(図示せず)が設けられている。これにより、
楔4の歯がPC鋼より線1に食い込んで、拘束力をより
大きくすることができる。
【0032】雌楔5は、前記楔が嵌合する円錐形状の穴
を有する。この雌楔5と係合する楔4が、PC鋼より線
1の地中側先端部に嵌合されることで、PC鋼より線1
を定着させる。
を有する。この雌楔5と係合する楔4が、PC鋼より線
1の地中側先端部に嵌合されることで、PC鋼より線1
を定着させる。
【0033】定着機構3の定着力は、楔4を雌楔5に喰
い込ませることとなるPC鋼より線1に印加された引張
力の大きさに比例し、上記定着力は、引張力が零になっ
た時点でも楔4および雌楔5の双方に残存している。残
存定着力は、上記喰い込みによって生じた両者の弾性歪
の残存分の大きさに比例する。すなわち、残存定着力
は、後述するようにPC鋼より線1を溶断することによ
り生ずる衝撃力によって除去可能である。
い込ませることとなるPC鋼より線1に印加された引張
力の大きさに比例し、上記定着力は、引張力が零になっ
た時点でも楔4および雌楔5の双方に残存している。残
存定着力は、上記喰い込みによって生じた両者の弾性歪
の残存分の大きさに比例する。すなわち、残存定着力
は、後述するようにPC鋼より線1を溶断することによ
り生ずる衝撃力によって除去可能である。
【0034】さらに、先端キャップ12、楔収容板14
および鋼線キャップ15により画定される先端キャップ
内空間16には、衝撃力緩和装置17が配置されてい
る。衝撃力緩和装置17は、抵抗材として、薄肉抵抗板
を備え、これらを数枚乃至十数枚積層して構成される。
および鋼線キャップ15により画定される先端キャップ
内空間16には、衝撃力緩和装置17が配置されてい
る。衝撃力緩和装置17は、抵抗材として、薄肉抵抗板
を備え、これらを数枚乃至十数枚積層して構成される。
【0035】上記各々の薄肉抵抗板は、その耐衝撃力
が、PC鋼より線1の溶断に起因して生ずる衝撃力26
の数分の1から十数分の1程度に設定されており、それ
以上の力が印加されると破壊するように製作されてい
る。
が、PC鋼より線1の溶断に起因して生ずる衝撃力26
の数分の1から十数分の1程度に設定されており、それ
以上の力が印加されると破壊するように製作されてい
る。
【0036】図19および図20は、薄肉抵抗板の一例
を示す。これらの図に示す薄肉抵抗板170は、支持部
171と、薄板部172とで、一定に形成されている。
これらは、例えば、金属製で形成される。
を示す。これらの図に示す薄肉抵抗板170は、支持部
171と、薄板部172とで、一定に形成されている。
これらは、例えば、金属製で形成される。
【0037】PC鋼より線1は、グラウト材10の軸線
方向に沿って延在していて、その先端部は、既述のよう
に鋼線キャップ15により被覆されており、先端部近傍
の部位に、上記楔4が嵌合されている。
方向に沿って延在していて、その先端部は、既述のよう
に鋼線キャップ15により被覆されており、先端部近傍
の部位に、上記楔4が嵌合されている。
【0038】PC鋼より線1は、その定着機構3と鋼線
キャップ15内への挿入部分を除く部分が、例えば、ポ
リエチレン等の材料によって形成されたPC鋼より線自
由長部シース2により被覆されている。上記シース2と
PC鋼より線1との間隙の、上記シース2の地上側端部
附近には、シース2内への雨水の流入を防止するため
に、防水材23が充填されている。この防水材23の充
填により、錆によるPC鋼より線1の破断が防止され
る。
キャップ15内への挿入部分を除く部分が、例えば、ポ
リエチレン等の材料によって形成されたPC鋼より線自
由長部シース2により被覆されている。上記シース2と
PC鋼より線1との間隙の、上記シース2の地上側端部
附近には、シース2内への雨水の流入を防止するため
に、防水材23が充填されている。この防水材23の充
填により、錆によるPC鋼より線1の破断が防止され
る。
【0039】なお、図1に示したグランドアンカーが長
期間に亘って使用されるものである場合は、PC鋼より
線1とPC鋼より線自由長部シース2との間隙にグリス
(油脂)を充填し、防錆した「アンボンド鋼線」と称さ
れる市販のPC鋼より線を使用しても差支えない。
期間に亘って使用されるものである場合は、PC鋼より
線1とPC鋼より線自由長部シース2との間隙にグリス
(油脂)を充填し、防錆した「アンボンド鋼線」と称さ
れる市販のPC鋼より線を使用しても差支えない。
【0040】PC鋼より線1は、地上側において一対の
腹起し材18とブラケット19とにより支持された台座
20と台座20上のアンカープレート21とを通り、頭
部PCより線定着具22により端部が定着される。
腹起し材18とブラケット19とにより支持された台座
20と台座20上のアンカープレート21とを通り、頭
部PCより線定着具22により端部が定着される。
【0041】上記構成において、地上のPC鋼より線1
に加えられた緊張荷重7は、山留壁6を定着すると共
に、定着荷重8として、PC鋼より線1→楔方式地盤内
定着機構3→耐圧体9→グラウト材10→地盤の摩擦抵
抗11の順序で地盤に伝達される。これにより、グラン
ドアンカーとしての機能が果たされる。
に加えられた緊張荷重7は、山留壁6を定着すると共
に、定着荷重8として、PC鋼より線1→楔方式地盤内
定着機構3→耐圧体9→グラウト材10→地盤の摩擦抵
抗11の順序で地盤に伝達される。これにより、グラン
ドアンカーとしての機能が果たされる。
【0042】上記構成のグランドアンカーは、工事現場
若しくは工場等において、以下のような手順を経て組立
てられる。まず、所定長さに切断されたPC鋼より線1
が、所定長さに切断されたPC鋼より線自由長部シース
2により被覆される。次いで、このPC鋼より線1の先
端部が、雌楔5に係合されている楔4に嵌合され、雌楔
5が、ねじ13により鋼線キャップ15と一体形成され
ている楔収容板14とともに先端キャップ12に締結固
定される。これにより、PC鋼より線1が、楔方式地盤
内定着機構3で軽く固定される。このとき、PC鋼より
線1の先端側に、衝撃力緩和装置17が設置される。な
お、PC鋼より線自由長部シース2も、楔方式地盤内定
着機構3に固定される。
若しくは工場等において、以下のような手順を経て組立
てられる。まず、所定長さに切断されたPC鋼より線1
が、所定長さに切断されたPC鋼より線自由長部シース
2により被覆される。次いで、このPC鋼より線1の先
端部が、雌楔5に係合されている楔4に嵌合され、雌楔
5が、ねじ13により鋼線キャップ15と一体形成され
ている楔収容板14とともに先端キャップ12に締結固
定される。これにより、PC鋼より線1が、楔方式地盤
内定着機構3で軽く固定される。このとき、PC鋼より
線1の先端側に、衝撃力緩和装置17が設置される。な
お、PC鋼より線自由長部シース2も、楔方式地盤内定
着機構3に固定される。
【0043】上記のような工程を経て組立てられた各部
は、ボーリング孔内に充填されたグラウト材10内に挿
入され、全体として定着体を構成することとなる。この
定着体が、グラウト材の硬化後にPC鋼より線1がジャ
ッキ(図示しない)によって緊張せしめられて、緊張力
が導入される際の反力となる。この状態で、上記定着体
は、山留壁6等の構造物に定着され、土圧等の水平力に
対抗することとなる。なお、上記各部の結合部分には、
グラウト材が流入するのを防止するために、止水材でパ
ッキンされている。
は、ボーリング孔内に充填されたグラウト材10内に挿
入され、全体として定着体を構成することとなる。この
定着体が、グラウト材の硬化後にPC鋼より線1がジャ
ッキ(図示しない)によって緊張せしめられて、緊張力
が導入される際の反力となる。この状態で、上記定着体
は、山留壁6等の構造物に定着され、土圧等の水平力に
対抗することとなる。なお、上記各部の結合部分には、
グラウト材が流入するのを防止するために、止水材でパ
ッキンされている。
【0044】図2は、本発明の一実施例に従うグランド
アンカーにおけるPC鋼より線除去時の断面を示したも
ので、山留壁6と隣接する掘削された箇所には、地下室
等の地下構造物24が建造されている。
アンカーにおけるPC鋼より線除去時の断面を示したも
ので、山留壁6と隣接する掘削された箇所には、地下室
等の地下構造物24が建造されている。
【0045】次に、本実施例のグランドアンカーのPC
鋼より線1の除去について、説明する。
鋼より線1の除去について、説明する。
【0046】除去は、図2において、PC鋼より線1が
符号25で示す位置において、溶断することにより行
う。PC鋼より線1が符号25で示すように溶断される
ことにより、前記緊張荷重7は、PC鋼より線1のアン
カー内への収縮ばね力に変化し、この収縮ばね力は、前
記楔方式地盤内定着機構3に対する衝撃力26として作
用する。この衝撃力26、すなわち、収縮ばね力は、上
記溶断(加熱)時間が短かい方が伸び変形が小さいから
大きい値となる。
符号25で示す位置において、溶断することにより行
う。PC鋼より線1が符号25で示すように溶断される
ことにより、前記緊張荷重7は、PC鋼より線1のアン
カー内への収縮ばね力に変化し、この収縮ばね力は、前
記楔方式地盤内定着機構3に対する衝撃力26として作
用する。この衝撃力26、すなわち、収縮ばね力は、上
記溶断(加熱)時間が短かい方が伸び変形が小さいから
大きい値となる。
【0047】この衝撃力26は、前記残存定着力より充
分に大きいから、前記楔収容板14および楔方式地盤内
定着機構3における楔4と雌楔5との結合を破壊し、こ
の破壊により楔4が雌楔5から分離されるとともに、P
C鋼より線1から離脱して、上記空間16内に落下す
る。この分離および離脱により、前記PC鋼より線1の
定着荷重8(この定着荷重8は、前記緊張荷重7と等し
い)は零になる。
分に大きいから、前記楔収容板14および楔方式地盤内
定着機構3における楔4と雌楔5との結合を破壊し、こ
の破壊により楔4が雌楔5から分離されるとともに、P
C鋼より線1から離脱して、上記空間16内に落下す
る。この分離および離脱により、前記PC鋼より線1の
定着荷重8(この定着荷重8は、前記緊張荷重7と等し
い)は零になる。
【0048】上記分離および離脱により、PC鋼より線
1は、楔方式地盤内定着機構3から解放されるが、この
PC鋼より線1は、残存している収縮ばね力(すなわ
ち、衝撃力26)により、前記鋼線キャップ15が先端
部に被覆された状態で、前記衝撃力緩和装置17に激突
する。上記激突により、衝撃力26は、前記衝撃力緩和
装置17を構成する複数枚の薄肉抵抗板を破壊する毎
に、これら抵抗板の抵抗力により段階的に分散、減殺さ
れて小さな衝撃力となる。このとき、この分散、減殺さ
れた衝撃力は、前記PC鋼より線1にほぐれを発生させ
るには至らない。
1は、楔方式地盤内定着機構3から解放されるが、この
PC鋼より線1は、残存している収縮ばね力(すなわ
ち、衝撃力26)により、前記鋼線キャップ15が先端
部に被覆された状態で、前記衝撃力緩和装置17に激突
する。上記激突により、衝撃力26は、前記衝撃力緩和
装置17を構成する複数枚の薄肉抵抗板を破壊する毎
に、これら抵抗板の抵抗力により段階的に分散、減殺さ
れて小さな衝撃力となる。このとき、この分散、減殺さ
れた衝撃力は、前記PC鋼より線1にほぐれを発生させ
るには至らない。
【0049】よって、前記PC鋼より線1は、鋼線キャ
ップ15のほぐれ防止効果がさらに重畳されるために、
先端部のほぐれ現象の発生が抑止される。その結果、前
記PC鋼より線1は、PC鋼より線自由長部シース2内
を抵抗なく通過することが可能であり、これによって、
人力等の小さな引張力でも、図3に示したように、グラ
ウト材10中から完全に除去することができる。
ップ15のほぐれ防止効果がさらに重畳されるために、
先端部のほぐれ現象の発生が抑止される。その結果、前
記PC鋼より線1は、PC鋼より線自由長部シース2内
を抵抗なく通過することが可能であり、これによって、
人力等の小さな引張力でも、図3に示したように、グラ
ウト材10中から完全に除去することができる。
【0050】なお、上記図2および図3において、図1
に示したものと同一物には同一符号を付してそれらの説
明を省略した。
に示したものと同一物には同一符号を付してそれらの説
明を省略した。
【0051】ここで、上述した衝撃力26につき、さら
に説明する。衝撃力26は、上記PC鋼より線1の溶断
等により減衰し、上述した定着力よりも小さくなる。直
径が12.7mmのPC鋼より線1を用いた場合、その
1本当りの定着力は、最大で12ton前後である。こ
の定着力は、PC鋼より線1の伸びに比例するから、溶
断時の加熱によりPC鋼より線1が鈍って緩む分だけ、
伸びが減少しそれに伴って低減する。例えば、長さ15
m程度のPC鋼より線では、当初荷重の70%ほどの荷
重となり、12tonの定着力が8ton程度になると
推定される。また、長さ6m程度のPC鋼より線では、
12tonの定着力が4ton程度になると推定され
る。
に説明する。衝撃力26は、上記PC鋼より線1の溶断
等により減衰し、上述した定着力よりも小さくなる。直
径が12.7mmのPC鋼より線1を用いた場合、その
1本当りの定着力は、最大で12ton前後である。こ
の定着力は、PC鋼より線1の伸びに比例するから、溶
断時の加熱によりPC鋼より線1が鈍って緩む分だけ、
伸びが減少しそれに伴って低減する。例えば、長さ15
m程度のPC鋼より線では、当初荷重の70%ほどの荷
重となり、12tonの定着力が8ton程度になると
推定される。また、長さ6m程度のPC鋼より線では、
12tonの定着力が4ton程度になると推定され
る。
【0052】上記衝撃力26は、上記以外にPC鋼より
線1とPC鋼より線自由長部シース2との間の摩擦抵抗
力や前述した定着機構3の残存定着力によっても減少す
る。本発明の一実施例では、衝撃緩和装置17等を設け
ることによって、衝撃力26を、PC鋼より線1の先端
部にほぐれが生じない程度まで小さくすることとしたも
のである。
線1とPC鋼より線自由長部シース2との間の摩擦抵抗
力や前述した定着機構3の残存定着力によっても減少す
る。本発明の一実施例では、衝撃緩和装置17等を設け
ることによって、衝撃力26を、PC鋼より線1の先端
部にほぐれが生じない程度まで小さくすることとしたも
のである。
【0053】図4、図5および図6は、本発明の他の実
施例のグランドアンカーの構成を示した断面図である。
施例のグランドアンカーの構成を示した断面図である。
【0054】上記各図に示したグランドアンカーは、図
1に示したPC鋼より線1が1本の構成のグランドアン
カーを2本1組として構成したものである。上記構成の
グランドアンカーでは、図5に示すように雌楔5′が2
個1組に形成されている点が前掲の実施例と相違する。
上記各図において、図1に示したものと同一物には同一
符号を付してそれらの説明を省略する。
1に示したPC鋼より線1が1本の構成のグランドアン
カーを2本1組として構成したものである。上記構成の
グランドアンカーでは、図5に示すように雌楔5′が2
個1組に形成されている点が前掲の実施例と相違する。
上記各図において、図1に示したものと同一物には同一
符号を付してそれらの説明を省略する。
【0055】図7、図8および図9は、本発明のさらに
他の実施例のグランドアンカーの構成を示した断面図で
ある。上記図4乃至図6に記載されているグランドアン
カーでは、円形断面の雌楔5′を2ケ1組にして構成す
るのに対し、図7、図8および図9の雌楔5′は、耐圧
体9と同形断面の形状体1ケの内に雌楔5′を2ケ設置
した構成である。また前者が、雌楔5′と先端キャップ
12′との結合が、雌楔5′の外周側に形成された螺状
溝と先端キャップ12′の取付部の内周側に形成された
螺状溝との螺合によって行われるのに対し、本実施例の
グランドアンカーでは、雌楔5″と先端キャップ12″
との結合が、雌楔5″の取付部の内周側に形成された螺
状溝と先端キャップ12″の外周側に形成された螺状溝
との螺合によって行われる点で、上記図4乃至図6に記
載されているグランドアンカーと相違している。その他
の構成は、上記図4乃至図6に記載されているグランド
アンカーおよび図1に示したグランドアンカーと同様で
あるので、図1に示したものと同一物には、同一符号を
付してそれらの説明を省略する。
他の実施例のグランドアンカーの構成を示した断面図で
ある。上記図4乃至図6に記載されているグランドアン
カーでは、円形断面の雌楔5′を2ケ1組にして構成す
るのに対し、図7、図8および図9の雌楔5′は、耐圧
体9と同形断面の形状体1ケの内に雌楔5′を2ケ設置
した構成である。また前者が、雌楔5′と先端キャップ
12′との結合が、雌楔5′の外周側に形成された螺状
溝と先端キャップ12′の取付部の内周側に形成された
螺状溝との螺合によって行われるのに対し、本実施例の
グランドアンカーでは、雌楔5″と先端キャップ12″
との結合が、雌楔5″の取付部の内周側に形成された螺
状溝と先端キャップ12″の外周側に形成された螺状溝
との螺合によって行われる点で、上記図4乃至図6に記
載されているグランドアンカーと相違している。その他
の構成は、上記図4乃至図6に記載されているグランド
アンカーおよび図1に示したグランドアンカーと同様で
あるので、図1に示したものと同一物には、同一符号を
付してそれらの説明を省略する。
【0056】なお、図10および図11は、図4乃至図
6に記載されているグランドアンカーの耐圧体9′の構
造図を示し、図12および図13は図7乃至図9に記載
されているグランドアンカーの耐圧体9′の構造図を示
している。
6に記載されているグランドアンカーの耐圧体9′の構
造図を示し、図12および図13は図7乃至図9に記載
されているグランドアンカーの耐圧体9′の構造図を示
している。
【0057】また、図14、図15、図16および図1
7は、図10および図11の耐圧体9′と異なる構造の
耐圧体である柱状形の耐圧体9″の構造図である。
7は、図10および図11の耐圧体9′と異なる構造の
耐圧体である柱状形の耐圧体9″の構造図である。
【0058】柱状形耐圧体9″は、H形をした柱に図示
したように四角の窓を複数配置してある。四角の窓9″
aは、H形をした鋼製の板で両側に分けられたモルタル
を窓の部分で一体化することによって耐圧力を増加させ
る目的であけてある。グランドアンカーの定着地盤が比
較的軟かいときには、この柱状耐圧体を長くすると定着
力を増加させることができる。
したように四角の窓を複数配置してある。四角の窓9″
aは、H形をした鋼製の板で両側に分けられたモルタル
を窓の部分で一体化することによって耐圧力を増加させ
る目的であけてある。グランドアンカーの定着地盤が比
較的軟かいときには、この柱状耐圧体を長くすると定着
力を増加させることができる。
【0059】なお、上記した各実施例において、PC鋼
より線1の先端部に、PC鋼より線がほどけにくくなる
ように、拘束処理を施すことができる。拘束処理として
は、例えば、先端部において、各PC鋼線を溶接する処
理、PC鋼より線1の先端部に締め付け材を装着して、
締め付ける処理が挙げられる。
より線1の先端部に、PC鋼より線がほどけにくくなる
ように、拘束処理を施すことができる。拘束処理として
は、例えば、先端部において、各PC鋼線を溶接する処
理、PC鋼より線1の先端部に締め付け材を装着して、
締め付ける処理が挙げられる。
【0060】図18は、本発明のさらに他の実施例のグ
ランドアンカーの構成を示した断面図である。
ランドアンカーの構成を示した断面図である。
【0061】すなわち、図18は、図7、図8および図
9に示した地中側定着機構、除去機構等(以下地中側ア
ンカー機構という)を使用したグランドアンカーの実施
例である。図1の実施例と異なるのは、地中側アンカー
機構を1本のグランドアンカー内に2個配置した点、お
よび、おのおのの地中側アンカー機構にPC鋼より線1
を2本1組として配置した点にある。実施例の下位地中
側アンカー機構は上位のものに対し90゜回転させた配
置で組立ててあるために、2本1組のPC鋼より線1は
断面的に重なるため図示のように1本で表現してある。
9に示した地中側定着機構、除去機構等(以下地中側ア
ンカー機構という)を使用したグランドアンカーの実施
例である。図1の実施例と異なるのは、地中側アンカー
機構を1本のグランドアンカー内に2個配置した点、お
よび、おのおのの地中側アンカー機構にPC鋼より線1
を2本1組として配置した点にある。実施例の下位地中
側アンカー機構は上位のものに対し90゜回転させた配
置で組立ててあるために、2本1組のPC鋼より線1は
断面的に重なるため図示のように1本で表現してある。
【0062】また、本実施例のグランドアンカーのそれ
ぞれの構成は、上記した図1に示す実施例と同様である
ので、図1と共通する構成要素には、同一符号を付し
て、重複した説明を省略する。
ぞれの構成は、上記した図1に示す実施例と同様である
ので、図1と共通する構成要素には、同一符号を付し
て、重複した説明を省略する。
【0063】なお、上記のように地中側アンカー機構の
配置の角度を変えることによって、本発明のグランドア
ンカー1本内には複数個の地中側アンカー機構の設置が
可能であり、それに伴い多数のPC鋼より線1を設置で
きる。
配置の角度を変えることによって、本発明のグランドア
ンカー1本内には複数個の地中側アンカー機構の設置が
可能であり、それに伴い多数のPC鋼より線1を設置で
きる。
【0064】次に、本発明で用いられる衝撃力緩和装置
において用いることができる抵抗材の他の例について説
明する。
において用いることができる抵抗材の他の例について説
明する。
【0065】積重ねて、上部よりつぎつぎと破壊して抵
抗し、衝撃力を緩和させる抵抗材は、棒状体、例えば、
細径の抵抗棒を積重ねる機構に変えることも可能であ
る。図21および図22にその一例を示す。これらの図
に示す抵抗材180は、細径の抵抗棒182と、それを
支持する支持部181とで構成される。抵抗棒として
は、例えば、金属製等の棒を用いることができる。
抗し、衝撃力を緩和させる抵抗材は、棒状体、例えば、
細径の抵抗棒を積重ねる機構に変えることも可能であ
る。図21および図22にその一例を示す。これらの図
に示す抵抗材180は、細径の抵抗棒182と、それを
支持する支持部181とで構成される。抵抗棒として
は、例えば、金属製等の棒を用いることができる。
【0066】また、長さを変えた多数の細径抵抗棒を束
ねて、縦軸方向に設置し、長い抵抗棒から短い抵抗棒へ
と順次破壊を進行させて、衝撃力を次第に減衰させ同様
な効果を得る機構も可能である。図23および図24に
その一例を示す。これらの図に示す抵抗材190は、長
さの異なる抵抗棒191を複数本束ねて構成される。抵
抗棒としては、例えば、コンクリート製、金属製等の棒
を用いることができる。
ねて、縦軸方向に設置し、長い抵抗棒から短い抵抗棒へ
と順次破壊を進行させて、衝撃力を次第に減衰させ同様
な効果を得る機構も可能である。図23および図24に
その一例を示す。これらの図に示す抵抗材190は、長
さの異なる抵抗棒191を複数本束ねて構成される。抵
抗棒としては、例えば、コンクリート製、金属製等の棒
を用いることができる。
【0067】その他の例では、抵抗材として小片を用い
ることが挙げられる。衝撃力緩和装置は、この小片を先
端キャップ12内に多数充填して構成される。小片の例
としては、例えば、チップ、粒などのソリッドな小体、
筒体、中空体等が挙げられる。
ることが挙げられる。衝撃力緩和装置は、この小片を先
端キャップ12内に多数充填して構成される。小片の例
としては、例えば、チップ、粒などのソリッドな小体、
筒体、中空体等が挙げられる。
【0068】筒体としては、具体的には、図25に示す
ように、パイプが挙げられる。このパイプとしては、例
えば、直径5−10mm程度の金属パイプを、10mm
程度の長さに切断したものが挙げられる。
ように、パイプが挙げられる。このパイプとしては、例
えば、直径5−10mm程度の金属パイプを、10mm
程度の長さに切断したものが挙げられる。
【0069】また、ソリッドな小体としては、例えば、
ボール、チップ、粒などの形態を有するものが挙げられ
る。材料としては、コンクリート、金属、石材等が挙げ
られる。ここで、小体は、衝撃力が加わる前は単体で形
成され、衝撃力が加わると、その当初で破壊されて形成
されるものであってもよい。
ボール、チップ、粒などの形態を有するものが挙げられ
る。材料としては、コンクリート、金属、石材等が挙げ
られる。ここで、小体は、衝撃力が加わる前は単体で形
成され、衝撃力が加わると、その当初で破壊されて形成
されるものであってもよい。
【0070】さらに、中空体としては、内部に空間を有
し、空間内に流体、具体的には、空気、水等の流体が充
填されたものが挙げられる。例えば、プラスチック製の
カプセル内に水を充填したしたもの等が例示される。
し、空間内に流体、具体的には、空気、水等の流体が充
填されたものが挙げられる。例えば、プラスチック製の
カプセル内に水を充填したしたもの等が例示される。
【0071】このような構成の抵抗材を用いると、衝撃
力が加わった際、これらの小片が変形したり、破壊した
りすることによりエネルギを吸収して、衝撃を緩和す
る。また、変形、破壊が伴って、または、伴わないで、
衝撃力を受けて、各小片がそれぞれ変位し、その結果、
それらの集合が全体として変形することで、エネルギを
吸収して、衝撃を緩和する。
力が加わった際、これらの小片が変形したり、破壊した
りすることによりエネルギを吸収して、衝撃を緩和す
る。また、変形、破壊が伴って、または、伴わないで、
衝撃力を受けて、各小片がそれぞれ変位し、その結果、
それらの集合が全体として変形することで、エネルギを
吸収して、衝撃を緩和する。
【0072】また、このような構成の抵抗材を用いる
と、緩衝すべき衝撃力の大きさが区々でも、充填する抵
抗材の量を変えることで、対応できる利点がある。ま
た、特定の構造とすることがないので、安価に製作で
き、コストが低減できる。
と、緩衝すべき衝撃力の大きさが区々でも、充填する抵
抗材の量を変えることで、対応できる利点がある。ま
た、特定の構造とすることがないので、安価に製作で
き、コストが低減できる。
【0073】次に、衝撃力緩和装置の他の例について説
明する。
明する。
【0074】図26に示す衝撃力緩和装置は、先端キャ
ップ12内に、発泡性のセメントモルタルを充填したも
のである。このセメントの強度は、気泡の密度で調整す
ることができる。例えば、50−150kg/cm2の
範囲に調整することができる。
ップ12内に、発泡性のセメントモルタルを充填したも
のである。このセメントの強度は、気泡の密度で調整す
ることができる。例えば、50−150kg/cm2の
範囲に調整することができる。
【0075】この例は、抵抗材を簡単に設けることがで
きる利点がある。
きる利点がある。
【0076】上記した各実施例では、それぞれ衝撃緩和
装置17を備えている。しかし、本発明は、これに限定
されない。例えば、緊張荷重が比較的小さいグランドア
ンカーの場合には、土壌そのものを干渉材(抵抗材)と
して利用する構成とすることができる。また、バネ材を
設置する最も常識的な装置もある。ただし、この方法
は、反発力でPC鋼が地表部へ飛びだすのを防護する危
険防止装置が、さらに必要である。
装置17を備えている。しかし、本発明は、これに限定
されない。例えば、緊張荷重が比較的小さいグランドア
ンカーの場合には、土壌そのものを干渉材(抵抗材)と
して利用する構成とすることができる。また、バネ材を
設置する最も常識的な装置もある。ただし、この方法
は、反発力でPC鋼が地表部へ飛びだすのを防護する危
険防止装置が、さらに必要である。
【0077】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
アンカー体組立時の工程の手間が少なくて作業能率が良
く、除去作業に広い作業スペースを必要としないという
効果がある。また、大きな定着力のアンカーや長尺のア
ンカーであっても、引張り鋼材の除去が容易に行える。
アンカー体組立時の工程の手間が少なくて作業能率が良
く、除去作業に広い作業スペースを必要としないという
効果がある。また、大きな定着力のアンカーや長尺のア
ンカーであっても、引張り鋼材の除去が容易に行える。
【図1】本発明の一実施例のグランドアンカーおよび該
アンカーによる根切り工事完了時の工事箇所の断面図。
アンカーによる根切り工事完了時の工事箇所の断面図。
【図2】本発明の一実施例のグランドアンカーにおける
PC鋼より線除去作業時の断面図。
PC鋼より線除去作業時の断面図。
【図3】本発明の一実施例のグランドアンカーにおける
PC鋼より線除去作業完了時の断面図。
PC鋼より線除去作業完了時の断面図。
【図4】本発明の他の実施例のグランドアンカーの側断
面図。
面図。
【図5】図4のA−A線切断断面を同図左方向から見た
断面図。
断面図。
【図6】図4のB−B線切断断面を同図右方向から見た
断面図。
断面図。
【図7】本発明のさらに他の実施例のグランドアンカー
の側断面図。
の側断面図。
【図8】図7のA−A線切断断面を同図左方向から見た
断面図。
断面図。
【図9】図7のB−B線切断断面を同図右方向から見た
断面図。
断面図。
【図10】図5および図6に示したグランドアンカーが
備える耐圧体の側断面図。
備える耐圧体の側断面図。
【図11】図10のA−A線切断断面を同図左方向から
見た断面図。
見た断面図。
【図12】図8および図9に示したグランドアンカーが
備える耐圧体の側断面図。
備える耐圧体の側断面図。
【図13】図12のA−A線切断断面を同図左方向から
見た断面図。
見た断面図。
【図14】図10、図11、図12および図13に示し
た耐圧体と異なる構造の耐圧体である柱状形の耐圧体の
側断面図。
た耐圧体と異なる構造の耐圧体である柱状形の耐圧体の
側断面図。
【図15】図14を上方向A−A線から見た側断面図。
【図16】図14のC−C線切断断面を同図左方向から
見た断面図。
見た断面図。
【図17】図15のD−D線切断断面を同図左方向から
見た断面図。
見た断面図。
【図18】本発明のさらに他の実施例のグランドアンカ
ーの側断面図。
ーの側断面図。
【図19】本発明において用いられる衝撃力緩和機構を
構成する抵抗材の一例を示す側面図。
構成する抵抗材の一例を示す側面図。
【図20】図19を上方からみた平面図。
【図21】本発明において用いられる衝撃力緩和機構を
構成する抵抗材の他の例を示す側面図。
構成する抵抗材の他の例を示す側面図。
【図22】図21を上方からみた平面図。
【図23】本発明において用いられる衝撃力緩和機構を
構成する抵抗材の他の例を示す側面図。
構成する抵抗材の他の例を示す側面図。
【図24】図23を上方からみた平面図。
【図25】本発明において用いられる衝撃力緩和機構を
構成する抵抗材の他の例を示す斜視図。
構成する抵抗材の他の例を示す斜視図。
【図26】本発明において用いられる衝撃力緩和機構を
構成する抵抗材の他の例を示す斜視図。
構成する抵抗材の他の例を示す斜視図。
1 PC鋼より線 2 PC鋼より線自由長部シース 3 楔方式地盤内定着機構 4 楔 5 雌楔 7 緊張荷重 8 定着荷重 9 耐圧体 10 モルタル管体 11 地盤の摩擦抵抗 12 先端キャップ 13 ねじ 14 楔収容板 16 空間 15 鋼線キャップ 17 衝撃力緩和装置 18 腹起し材 19 ブラケット 20 台座 21 アンカープレート 22 頭部PC鋼より線定着具 23 止水材 24 地下構造物 25 溶断部位 26 衝撃力
Claims (10)
- 【請求項1】 地中に形成された孔に充填されたグラウ
ト材と、緊張荷重が加えられた状態で、地上に露出する
地上側端部近傍部分を残して他の部分が該グラウト材中
に収容されている引張り鋼材とを備えるグランドアンカ
ーにおいて、 前記引張り鋼材を、緊張荷重が加えられた状態で定着す
るために設けられ、前記引張り鋼材の地上側端部近傍に
配置される地上側定着機構と、前記グラウト材内の、引
張り鋼材の地中側端部近傍に配置される地中側定着機構
とを有し、 前記地中側定着機構は、前記引張り鋼材をはさみ込むた
めの第1の部材と、この第1の部材を前記引張り鋼材断
面の中心方向に押圧するための第2の部材とを備え、前
記第2の部材は、地上側への移動を抑止し、地中側への
移動を許容する状態で、第1の部材を保持するものであ
ることを特徴とするグランドアンカー。 - 【請求項2】 請求項1において、 前記地中側定着機構は、第1の部材として楔を有し、第
2の部材として、該楔と嵌合する雌楔とを有するグラン
ドアンカー。 - 【請求項3】 請求項2において、 前記孔の、前記引張り鋼材の地中側先端の延長方向の位
置に配置され、前記引張り鋼材切断時に生じる衝撃力を
緩和する衝撃力緩和機構をさらに備えるグランドアンカ
ー。 - 【請求項4】 請求項3において、 衝撃力緩和機構は、前記引張り鋼材の衝撃力を吸収する
抵抗材を少なくとも備えるものであるグランドアンカ
ー。 - 【請求項5】 請求項4において、 衝撃力緩和機構は、前記抵抗材として薄肉抵抗板を用
い、該薄肉抵抗板を複数枚積層して構成されるグランド
アンカー。 - 【請求項6】 請求項4において、 衝撃力緩和機構は、前記抵抗材として、衝撃を受けると
変形および/または破壊する小片を多数個有し、かつ、
該多数個の小片を、前記引張り鋼材の地中側先端の延長
方向の空間に充填してなるものであるグランドアンカ
ー。 - 【請求項7】 請求項4において、 衝撃力緩和機構は、前記抵抗材として、発泡体を有し、
該発泡体を前記引張り鋼材の地中側先端の延長方向の空
間に充填してなるものであるグランドアンカー。 - 【請求項8】 請求項4において、 衝撃力緩和機構は、前記抵抗材として、多数の粒体の集
合である粒状体を有し、該粒状体を前記引張り鋼材の地
中側先端の延長方向の空間に充填してなるものであるグ
ランドアンカー。 - 【請求項9】 請求項4において、前記抵抗材として棒
状体を用い、この棒状体を複数本たばねて構成されるグ
ランドアンカー。 - 【請求項10】 請求項2、3、4、5、6、7、8ま
たは9において、 前記地中側定着機構の地上側に隣接して設けられ、前記
定着機構の第2部材の地上側への変位を抑止する抑止機
構をさらに備えるグランドアンカー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2998094A JPH07238540A (ja) | 1994-02-28 | 1994-02-28 | 引張り鋼材が除去可能なグランドアンカー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2998094A JPH07238540A (ja) | 1994-02-28 | 1994-02-28 | 引張り鋼材が除去可能なグランドアンカー |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07238540A true JPH07238540A (ja) | 1995-09-12 |
Family
ID=12291116
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2998094A Withdrawn JPH07238540A (ja) | 1994-02-28 | 1994-02-28 | 引張り鋼材が除去可能なグランドアンカー |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07238540A (ja) |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001348868A (ja) * | 2000-06-07 | 2001-12-21 | Raito Kogyo Co Ltd | 地盤安定化工法および地盤安定化用補強体 |
KR100447996B1 (ko) * | 2002-08-06 | 2004-09-08 | 신종덕 | 앵커공법용 인장부재 해체방법 |
KR100447967B1 (ko) * | 2002-07-04 | 2004-09-16 | 신종덕 | 앵커공법용 인장부재 해체장치 |
KR100463267B1 (ko) * | 2002-06-26 | 2004-12-23 | 박병구 | 인장재 중심선을 이용한 인장재 제거식 앵커 |
KR100494011B1 (ko) * | 2002-08-21 | 2005-06-13 | 신종덕 | 인장부재 해체장치용 앵커 |
WO2007066860A1 (en) * | 2005-12-05 | 2007-06-14 | Jong Duck Shin | Internal fixer for anchor having releasable tentioning steel wire |
KR100819536B1 (ko) * | 2007-02-02 | 2008-04-08 | 희 봉 김 | 영구형 앵커 |
CN109577347A (zh) * | 2019-01-23 | 2019-04-05 | 辽宁工程技术大学 | 一种深基坑桩锚支护体系中减震预应力锚索及其施工方法 |
CN112252335A (zh) * | 2020-11-19 | 2021-01-22 | 贵州建工集团第一建筑工程有限责任公司 | 一种建筑基坑桩锚联合支护结构 |
-
1994
- 1994-02-28 JP JP2998094A patent/JPH07238540A/ja not_active Withdrawn
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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