JP2005048395A - 外装下地パネルおよびその製作方法 - Google Patents

外装下地パネルおよびその製作方法 Download PDF

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Abstract

【課題】鉄骨構造物の外断熱に用いる外装下地パネルを提供する。
【解決手段】一対の縦胴縁2a,2bと、前記一対の縦胴縁の間に架設される複数の横胴縁3cとからなる枠組と,前記枠組の屋内側となる面に設けられる面板4と、前記縦胴縁と前記横胴縁に囲まれた領域に断熱材5を有し、前記枠組はその高さが、上下の梁の内法高さ以下、且つその幅が前記柱の中心間距離以下、かつ内法間隔以上で前記面板はその高さが、前記枠組の枠組の上下に突出する延長部を有し、前記延長部は下方側が下梁の下端までの長さ以下で、上方側が上梁のせいから前記下方への延長部長さを減じた長さ以下、となる高さで、且つその幅を前記枠組の幅以上、間口の柱の中心間距離以下とし、必要に応じて外装下地パネルの屋外面に、樹脂シート、通気用縦胴縁を鉛直方向に設ける。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築外装用にその寸法が標準化されて用いられる断熱パネル材およびその製作方法に関し、特に鉄骨造建築物の外断熱工法に適した外装下地パネルおよびその製作方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
省エネルギーや居住環境の質的向上の観点から、住居の断熱構造に対して関心が高まっている。木造住宅の場合、その外壁は内装材、外装下地材、外装材からなり、断熱法として内装材と外装下地材とで構成される壁体内に断熱材を施工する充填断熱が最も一般的だが、近年になって、外装下地材の屋外面に断熱材を配した外張り断熱が増加してきている。
【0003】
一般的に断熱材の施工は手間がかかるため、断熱材を組み込んだパネルを用いるパネル工法が開発されている。パネル工法は、外周枠と縦胴縁(間柱)からなる枠組、面板、枠組の内外に配置される断熱材を基本構成としたパネルを柱、梁に囲まれた範囲に嵌めこんで取りつけることによって、耐力壁を構成し、パネルの枠組が躯体の間柱を兼用する。
【0004】
鉄骨住宅においては、近年、柱、梁、ブレースの鉄骨プレカット部材と、接合金物をキット化した鉄骨住宅用フレーム(以下、フレームキット(JFEスチール登録商標))が販売されている。
【0005】
フレームキットを用いると、現場での鉄骨の切断や溶接加工が不要となり、ボルト、ナットで木造感覚で組立ができ、これまで、鉄骨造になじみのない木造工務店でも扱えることを特徴とする。その他の二次部材や内外装は、木造住宅の納まりを踏襲して組み立ている場合が多い。
【0006】
鉄骨住宅の場合、構造体の熱伝導率が高く、ヒートブリッジによる熱損失の増加や、表面温度低下による結露が生じるため、柱の内外面が断熱されない充填工法は不適で、外張り断熱が好ましく、外張り形式のパネルが用いられる。
フレームキットの場合、柱は角形鋼管あるいは軽量形鋼、土台および梁はH形鋼、ブレースはターンバックルブレースからなり、柱の外面が梁フランジの外面と同じ位置あるいは梁フランジよりも屋外側となるように計画されている。柱の断面寸法が小さい場合には、梁の屋外側に寄せて設置する、あるいは柱の外面にスペーサーを配置する等の方法を用いる。ブレースは壁体内の梁芯を中心に対象形で配置される。
【0007】
特許文献1、2は外張り形式のパネルに関し、特許文献1には枠材内部に断熱材が配置され、屋外側に気密層、面板と積層して構成された、軸組の屋外側に取り付けられるパネルが記載されている。
【0008】
特許文献2には、フレームキット用に開発された外張り形式のパネルであってLVLによる外周枠に枠の内法寸法よりもやや大きな外形寸法の一体ものの断熱材が嵌めこまれ、その屋外側表面に防水シートが接着され、鉄骨梁に設けてあるブラケットに固定する取り付け金具を一体化して備えているものが記載されている。開口部では隣接して設置するパネルの開口枠の高さ位置にパネル裏面から横桟材を付加して補強を行う。
【0009】
【特許文献1】特開2000−170277号公報
【0010】
【特許文献2】特開2000−104368号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1、2記載の外張り形式のパネルを、フレームキットに適用する場合、以下に述べる問題点を解決しなければならない。
【0012】
特許文献1記載の発明に係るパネルは、枠材内部に断熱材が配置され、屋外側に気密層、面板と積層して構成され、軸組の屋外側にとりつけられるため、フレームキットのブレースと干渉しない。
【0013】
しかし、枠構成が縦枠中心のため、それぞれの縦枠の上下端部を連結する上下枠部分を梁部に強固に接合する必要があるが、開断面となるフレームキットの梁への取り付けは困難で、風圧力に対して耐力を保持できないことが懸念される。また、パネル構成上、外装材裏面に侵入した水分が面板に染み込み耐久性が懸念される。
【0014】
更に、パネル相互の接合構造が、枠材とパネル板の端部を幅方向にずらし、一方に張出部、他方に縦枠露出部を設け、相互に勘合させる形式であり、片側から順に施工しなければならない。
【0015】
一般的に一つの建物では細部の異なる複数のパネルを使用しなければならないため、このような接合構造ではパネル割り付け、製造管理、施工管理の手間が大きくなることが懸念される。
また、開断面である梁部に対する断熱材および通気用縦胴縁の取り付け方法についての記載はない。
【0016】
特許文献2記載の発明に係るパネルは、フレームキット用であり、ブレースとの干渉、梁部の取り付け、上下パネルの接合、および開口部まで考慮されている。
【0017】
しかし、パネル枠内に補強縦枠や横桟材が配置されていないため、ALCのように厚い外装材を用いる場合を除いて、耐風設計上、幅は500mm内外に制約される。その結果、部品点数が増えるため施工効率が阻害されることが懸念される。
【0018】
断熱材が一体もので大型であり、枠の内法寸法よりも大きいため、枠に嵌めこむ手間は非常に大きい。さらに、記載されている取り付け方法では開口部下部への取り付けは不可能なため、新しいパネルを別途開発しない限り、現場合わせの施工を余儀なくされる。
【0019】
パネルの高さ寸法を階高としているため、標準パネルとして現場に搬入した場合、オーバーハング、ベランダ、など、上部に床梁が突出する部分では、パネルの構造強度を担う枠上部を切除しなければならず、パネルの強度が著しく損なわれ、強風時には外装材が崩落することが懸念される。
特許文献1、2には、入隅、オーバハング、セットバック、ベランダ、バルコニーなど標準化された寸法のパネルの適用が困難な個所へ、これら特許文献に記載の発明に係るパネルをどのように適用施工するか一切記載されていない。
【0020】
本発明は、上述した問題点、すなわち1.パネルの耐風強度、2.パネル相互の接合性、3.標準寸法のパネルの入隅部等への対応性、4.パネルの製造性、5.施工性をそれぞれを向上させた外張り断熱パネルおよび施工方法を提供することを課題とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明の課題は以下の手段により解決される。
1.上下の梁と、柱を備えた間口の屋外側に設置される外装下地パネルであって、一対の縦胴縁と、前記一対の縦胴縁の間に架設される複数の横胴縁とからなる枠組と、前記枠組の屋内側となる面に設けられる面板と、前記縦胴縁と前記横胴縁に囲まれた領域に断熱材を有し、
前記枠組はその高さが、上下の梁の内法高さ以下、且つその幅が前記柱の中心間距離以下、かつ内法間隔以上で
前記面板はその高さが、前記枠組の枠組の上下に突出する延長部を有し、前記延長部は下方側が下梁の下端までの長さ以下で、上方側が上梁のせいから前記下方への延長部長さを減じた長さ以下、となる高さで、且つその幅が前記枠組の幅以上、間口の柱の中心間距離以下であることを特徴とする外装下地パネル。
2.1記載の外装下地パネルの屋外面に、更に、樹脂シートを配して屋外面とした外装下地パネルであって、前記樹脂シートの高さは面板の高さ以上、幅は枠組の幅以上で、その下端部が前記面板の下端部と一致するように、枠組の横胴縁に固定されていることを特徴とする外装下地パネル。
3.1または2記載の外装下地パネルの屋外面に、更に、通気用縦胴縁を鉛直方向に設け、枠組で最上端、最下端となる横胴縁の高さを他の横胴縁の高さよりも高くした外装下地パネルであって、前記通気用縦胴縁はその上部の端面が前記最上端の横胴縁の高さの中間部に位置し、その下部の端面が前記最下端の横胴縁の高さ中間部に位置するように取付けられていることを特徴とする外装下地パネル。
4.3記載の外装下地パネルにおいて通気用縦胴縁が前記枠組の屋外面の幅方向中央部または中央部と両端部に鉛直方向に取り付けられ、両端部に取付けられる通気用縦胴縁は外装下地パネルの幅方向端部で屋外面側となる角部が全長にわたって切り欠きを有していることを特徴とする外装下地パネル。
5.1乃至4の何れか一つに記載の外装下地パネルに、更に、
枠組の下端部横胴縁、上端部横胴縁の少なくとも一つに相当する位置となる面板の屋内側の個所を突起状として、梁に仮設可能としたことを特徴とする外装下地パネル。
6.1乃至5の何れか一つに記載の外装下地パネルにおける断熱材が、断熱材を取付ける領域にビーズ状発泡体を充填し、前記領域の開口面を型枠材で被覆後加熱したものであることを特徴とする外装下地パネル。
7.1乃至6の何れか一つに記載の外装下地パネルを、建具のラフ開口位置および寸法に応じて切断後、切断面の全幅にわたって横胴縁を取付けることを特徴とする外装下地パネルの製作方法。
8.1乃至6の何れか一つに記載の外装下地パネルを、入隅部で相互に干渉しない寸法で切断し、枠組の切断面の全長にわたって縦胴縁を取付けることを特徴とする入隅部外装下地パネルの製作方法。
9.1乃至6の何れか一つに記載の外装下地パネルの上端部となる横胴縁より突出した面板部分を切断し、前記切断した面板を上端部横胴縁上面に、屋外側に突出するように取りつけることを特徴とするオーバハング部外装下地パネルの製作方法。
10.1乃至6の何れか一つに記載の外装下地パネルの下端部となる横胴縁より突出した面板部分を切断し、前記切断した面板を下端部横胴縁下面に、屋外側に突出するように取りつけることを特徴とするセットバック部外装下地パネルの製作方法。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明に係る外装下地パネルは、住宅外壁で入隅、オーバハング、セットバック、ベランダ、バルコニーなどを除いた部分(以下一般部)における、上梁、下梁、柱で構成され、これらの屋外側の面が同一平面上にあり、柱の中心間距離が、910mm〜1000mmの間口を対象とする。
【0023】
住宅の一般部での同じ寸法の複数の間口に適合するように、本発明に係る外装下地パネルは標準化された寸法で用いられる。尚、下梁には土台を含むものとする。以下、本発明について図面を用いて詳細に説明する。
【0024】
図1は請求項1記載の発明に係る外装下地パネルの屋外側の斜視図を示し、図において1は、外装下地パネル、2a,2bは縦胴縁、3aは上端の横胴縁、3bは下端の横胴縁、3cは中間の横胴縁、4は面板、5は断熱材、H1は枠組の高さ、W1は枠組の幅、H2は面板の高さ、W2は面板の幅、hは横胴縁の高さを示す。
【0025】
外装下地パネル1は、一対の縦胴縁2a,2bとその間に架設される複数の横胴縁3a,3b、3cで構成された枠組に、面板4を前記枠組の屋内側に取付けて構成され、縦胴縁と横胴縁に囲まれた領域の全てには断熱材5が充填される。
【0026】
枠材の断面寸法や一対の縦胴縁2a,2bの間に架設する横胴縁3cの間隔は、所望の特性が得られるように構造設計により設定する。例えば、横胴縁3cは、枠組の高さ方向に均等に割り付けたり、製作管理を容易にするため、枠材の高さによらず、予め決めた基準寸法で取付け、余剰部を残しても良い。
【0027】
枠組の高さH1は、外装下地パネル1が適用される間口を構成する上下の梁間の内法高さ以下、枠組の幅W1は前記間口の柱の中心間距離以下、内法間隔以上とする。
【0028】
一対の縦枠と複数の横胴縁を設けた強固な枠組構造とすることにより、柱への固定箇所を通常より少なくすることができ、また、間口において耐風設計上、従来必要とされていた間柱の省略が可能となる。
【0029】
枠材の素材は断熱性に優れた素材であればよく特に規定しないが、現場加工が容易な木材、構造用集成材、LVLなど木質系材料が好ましい。
【0030】
面板4は、柱の屋外側の面に当接するように枠組の屋内側の面に取付け、且つ、枠組の上下に突出する部分(延長部)が生ずるように取付ける。面板4の高さH2は、枠組の下方側にその長さを「枠組の下端から下梁の下端までの長さ以下」とする延長部を突出させ、枠組の上方側にはその長さを「上梁のせいから前記下方側の延長部長さを減じた長さ以下」する延長部を突出させる高さとする。
【0031】
延長部の長さは、最も小さい梁のせいを基準に計画すると、各階共通の標準パネルが得られる。フレームキットの場合、土台のせいが最も小さいため、下方への延長寸法は、土台せいを基準に計画すると良い。
【0032】
上下の延長部の長さを等しくすることも可能で、その場合、現場において上下方向の管理が不要となる。面板4の幅W2は枠組の幅以上、間口の柱の中心間距離以下とする。
【0033】
尚、本発明では、外装パネルを間口に取付ける際、前記枠組の下面が下梁上面の位置に一致するように取付ける。
【0034】
図10〜12は外装パネル1と間口の上梁、下梁との取り合いを説明する図で、これらの図において14は柱、15は下梁(土台)、16は基礎、17は上梁を示す。
【0035】
図10は外装下地パネル1と基礎16の取り合いを示し、面板4の下方への延長部を「枠組の下端から下梁の下端までの長さ以下」の長さとするため、クリアランスが生じ、前記下方延長部は基礎16に干渉せず、断熱材を取付け、下梁(土台)15側面の外断熱が可能となる。
【0036】
図11は上下階に取り付けられた外装下地パネル1a,1bと梁20の取り合いを示し、外装下地パネル1bの上方への延長部を「上梁のせいから前記下方側の延長部長さを減じた長さ以下」の長さとし、外装下地パネル1aの下方への延長部の長さを「枠組の下端から下梁の下端までの長さ以下」とするため、これら延長部は干渉せず、断熱材5を取付け、梁(20)側面の外断熱が可能となる。
【0037】
図12は最上階における外装下地パネル1と梁17の取り合いを示し、上方への延長部に、断熱材5を取付け、梁17の外断熱を行う。
【0038】
面板の素材は、当接する上下の梁や柱と熱橋を形成しないように断熱性に優れ、且つ一定の強度、剛性と現場加工性を有するものであれば良く、特に規定しない。例えば、合板、パーティクルボード、MDF(中質繊維板)、シージングボード(軟質繊維板)、木毛セメント板、木片セメント板などに代表される木質系材料、アクリル板、ポリカーボネート板、ポリエチレン板、ポリプロピレン板、ABS樹脂板などに代表される樹脂系材料、石膏ボード、火山性ガラス質複層板、珪酸カルシウム板などに代表される無機系材料が使用できる。
【0039】
断熱材5は、縦胴縁、横胴縁及び面板に囲まれた箱状の領域に配置する。断熱材の素材は特に限定しないが、グラスウール、ロックウールなどに代表される無機繊維系断熱材、セルロースファイバーなどに代表される有機繊維系断熱材、発泡ポリスチレン、発泡ポリエチレン、フェノールフォーム、ウレタンフォームなどに代表されるプラスチック系断熱材などが使用できる。
【0040】
繊維系断熱材の場合は、面板の屋外側あるいは屋内側にポリエチレンシートなど防湿層を配置するか、面板に非透湿性の材料を選択し、室内からの水蒸気を遮断することが好ましい。プラスチック系断熱材は大きめの寸法のものを嵌めこむ、接着剤、両面テープ、固定金具などにより固定する。
【0041】
図5は、ビーズ状発泡ポリスチレンなどのビーズ状発泡体で断熱材5をパネルと一体に形成する方法を説明する図で、横胴縁と縦胴縁に囲まれた領域にビーズ状発泡体を充填し、開口部分を型枠材11で覆った後、加熱する。
【0042】
本法によれば、断熱材が、容易な施工で、枠材に対し隙間無く強固に固着され、運搬時、施工時の断熱材脱落防止、断熱性向上、耐久性向上がはかられる。
【0043】
以上が本発明に係る外装下地パネルの基本構成であり、更に、防水性や気密性を向上させることが可能である。
【0044】
図2は、防水性、気密性を向上させた外装下地パネル1の屋外側平面図を示し、屋外面側に樹脂シート6がタッカー釘など固定具7または接着材による接着部8により装着されている。
【0045】
上下左右に隣接する外装下地パネルの樹脂シートと重ね合わせられるように、樹脂シート6の高さは面板の下端部から面板の上端部以上とし、幅は面板の幅より広くする。
【0046】
また、重ね合わせが容易なように枠組への取付けは枠組の外周側から所定の長さだけ内側に入った位置で横胴縁に固定具7で取付ける。
【0047】
樹脂シート6の素材は、透湿性、防水性および気密性を有するものが好ましいが、特に規定しない。
【0048】
図14は外装下地パネル1c,1dの隣接部における樹脂シートの取り合いを説明する水平断面図で、外装下地パネル1c,1dの面板4が柱14に当接している。
【0049】
樹脂シート6cは外装下地パネル1cの面板4より、幅が広く、縦胴縁2aより内側となる位置で横胴縁に固着されているので(a)、隣接部で樹脂シート6c,6dを重ね合わせることが可能で(b)(c)、その後、必要に応じて、通気胴縁9cを隣接部に取付ける(d)。
【0050】
図3は、その屋外面に通気用縦胴縁9a,9b,9cを取付けた外装下地パネル1の斜視外観図(a)と水平断面図(b)を示し、通気用縦胴縁は枠組の屋外側正面の中央部または中央部および両端部に鉛直方向に予め取付けられている。
【0051】
通気用縦胴縁を両端部に取付ける場合は、樹脂シートの幅を枠組の幅に一致させる。
【0052】
通気用縦胴縁9a,9b,9cを外装下地パネル1に取付ける場合は、枠組の上端の横胴縁3a,下端の横胴縁3bは、中間の横胴縁3cを2段に重ねたり、中間の横胴縁3cの高さhより高い部材を用いて、その高さhを高くする。
【0053】
通気用縦胴縁9a,9b,9cの長さはその上部の端面が前記上端の横胴縁3aの高さhの中間部に位置し、その下部の端面が前記下端の横胴縁3bの高さhの中間部に位置する長さとする。
【0054】
枠組の上下端面と通気用縦胴縁の上下端面に段差を設けることにより、上下に隣接する外装下地パネル間の、梁部通気用縦胴縁の取付け作業が容易となる。
【0055】
縦胴縁2a,2bに沿って、通気用縦胴縁9b,9cを予め取付けておく場合は、縦胴縁2a,2bの外周側側面と通気用縦胴縁9b,9cの外周側側面が一致するようにし、通気用縦胴縁9b,9cの隅角部全長にシーリング剤の充填用に面取り状の切欠部を設ける(A−A´断面)。
【0056】
図15は柱に左右に隣接して外装下地パネルを取付ける方法を説明する図で水平断面図を示す。外装下地パネル1c、1dを柱14に取付け(a)(b)、左右に隣接する外装下地パネルの通気用縦胴縁9a,9bの切欠部にシーリング剤18を充填する。
【0057】
図13は樹脂シートと通気用縦胴縁を備えた外装下地パネルを、梁部の上下に取付ける方法の一例を説明する図で鉛直断面図を示す。上となる外装下地パネル1aの樹脂シート6aは、面板4aの下端部までの長さで、下となる外装下地パネル1bの樹脂シート6bは面板4bの上端部より長く(a)、上となる外装下地パネル1aの下端部横胴縁中間部に達する長さで、断熱材5を面板4a,4bに掛け渡して梁15の側面を覆った後(b),樹脂シート6bをタッカー釘等の固定具で、上となる外装下地パネル1aの下端部横胴縁に固定し、樹脂シート6aを上から重ね合わせ、重ね合わせ部に気密テープ19を貼る(c)(d)(e)。
【0058】
樹脂シートの処理が終了した後、梁部通気用縦胴縁9dを取付け、上下外装下地パネルの通気用縦胴縁を連続させる。外装下地パネルの、枠組の上下端面と通気用縦胴縁の上下端面の段差により、梁部通気用縦胴縁の取付け作業は容易である(f)。
【0059】
図4は、外装下地パネル1の屋内面側の斜視外観図を示し、間口の下梁上面に外装下地パネル1が仮設できるように、突起部10a,10bが、面板4に下端部横胴縁の下面と前記突起部10a,10bの下面が一致するように設けている。突起部の設置位置は、これに限定するものではなく、上下梁のいずれかに仮設可能なように、枠組の下端部横胴縁、上端部横胴縁の少なくとも一つに相当する位置で、面板の屋内側に設ければよい。
【0060】
次に本発明に係る外装下地パネルから、一般部以外の入隅、オーバハング、セットバック、ベランダ、バルコニーなどの部分に適用するパネルを製作する方法について説明する。
図6は開口部パネルの製作方法を説明する図で、外装下地パネルを建具のラフ開口位置でその寸法に応じて切断し(a)、切断面の全幅に渡って新たに横胴縁12a,12bを取り付ける(b)。
【0061】
図7は入隅部パネルの製作方法を説明する図で、外装下地パネルを入隅部で相互に干渉しない寸法で切断し(a)、必要に応じて枠組の切断面の全長にわたって縦胴縁を取付ける(b)。
【0062】
図8はオーバハング部パネルの製作方法を説明する図で、外装下地パネルの上端部横胴縁より突出した面板部分(上方延長部)を切断し(a),必要に応じて切断した面板を上端部の横胴縁上面に屋外側に突出するように取りつける(b)。
【0063】
図9はセットバック部パネルの製作方法を説明する図で、外装下地パネルの下端部横胴縁より突出した面板部分(下方延長部)を切断し(a)、必要に応じて切断した面板を下端部の横胴縁下面に屋外側に突出するように取付ける(b)。
【0064】
尚、本発明に係る外装下地パネルは、外装材を特に限定せず、ALC,窯業系サイディング、押出し成形セメント板、金属サイディング等を用いることができる。
【0065】
【発明の効果】
本発明によれば、相互に干渉せずに、隣接して配置することが可能で、強度、気密性、防水性、施工性に優れた外装下地パネルが得られるため、鉄骨造住宅に外断熱工法が容易に適用でき、省エネルギー、耐久性向上に極めて有用である。
【0066】
また、本発明に係る外装下地パネルでは、その幅を間柱を必要としない寸法とするため、住宅構造を単純化でき、建設コストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る外装下地パネルの斜視外観図。
【図2】図1の外装下地パネルに取付ける樹脂シートの寸法を説明する図。
【図3】本発明の一実施例に係る外装下地パネルの斜視外観図。
【図4】本発明の一実施例に係る外装下地パネルの斜視外観図。
【図5】ビーズ状発泡体による断熱材の形成方法を示す図。
【図6】本発明の一実施例に係る開口部外装下地パネルの製作方法を説明する図。
【図7】本発明の一実施例に係る入隅部外装下地パネルの製作方法を説明する図。
【図8】本発明の一実施例に係るオーバーハング部外装下地パネルの製作方法を説明する図。
【図9】本発明の一実施例に係るセットバック部外装下地パネルの製作方法を説明する図。
【図10】本発明の一実施例に係る外装下地パネルの施工例を示す図。
【図11】本発明の一実施例に係る外装下地パネルの施工例を示す図。
【図12】本発明の一実施例に係る外装下地パネルの施工例を示す図。
【図13】本発明の一実施例に係る外装下地パネルの施工例を示す図。
【図14】本発明の一実施例に係る外装下地パネルの施工例を示す図。
【図15】本発明の一実施例に係る外装下地パネルの施工例を示す図。
【符号の説明】
1、1a,1b,1c,1d 外装下地パネル
2a,2b 縦胴縁
3a,3b,3c 横胴縁
4、4a,4b 面板
5 断熱材
6、6a,6b、6c,6d 樹脂シート
7 固定金具
8 接着部
9a,9b,9c,9d 通気用縦胴縁
10a,10b 突起部
11 型枠材
12a,12b ラフ開口部横胴縁
13 入隅部縦胴縁
14、14a 柱
15 梁(土台)
16 基礎
17 梁(屋根)
18 シーリング剤
19 気密テープ
H1 枠組の高さ
W1 枠組の幅
H2 面板の高さ
W2 面板の幅
h 横胴縁の高さ

Claims (10)

  1. 上下の梁と、柱を備えた間口の屋外側に設置される外装下地パネルであって、一対の縦胴縁と、前記一対の縦胴縁の間に架設される複数の横胴縁とからなる枠組と、前記枠組の屋内側となる面に設けられる面板と、前記縦胴縁と前記横胴縁に囲まれた領域に断熱材を有し、
    前記枠組はその高さが、上下の梁の内法高さ以下、且つその幅が前記柱の中心間距離以下、かつ内法間隔以上で
    前記面板はその高さが、前記枠組の枠組の上下に突出する延長部を有し、前記延長部は下方側が下梁の下端までの長さ以下で、上方側が上梁のせいから前記下方への延長部長さを減じた長さ以下、となる高さで、且つその幅が前記枠組の幅以上、間口の柱の中心間距離以下であることを特徴とする外装下地パネル。
  2. 請求項1記載の外装下地パネルの屋外面に、更に、樹脂シートを配して屋外面とした外装下地パネルであって、前記樹脂シートの高さは面板の高さ以上、幅は枠組の幅以上で、その下端部が前記面板の下端部と一致するように、枠組の横胴縁に固定されていることを特徴とする外装下地パネル。
  3. 請求項1または2記載の外装下地パネルの屋外面に、更に、通気用縦胴縁を鉛直方向に設け、枠組で最上端、最下端となる横胴縁の高さを他の横胴縁の高さよりも高くした外装下地パネルであって、前記通気用縦胴縁はその上部の端面が前記最上端の横胴縁の高さの中間部に位置し、その下部の端面が前記最下端の横胴縁の高さ中間部に位置するように取付けられていることを特徴とする外装下地パネル。
  4. 請求項3記載の外装下地パネルにおいて通気用縦胴縁が前記枠組の屋外面の幅方向中央部または中央部と両端部に鉛直方向に取り付けられ、両端部に取付けられる通気用縦胴縁は外装下地パネルの幅方向端部で屋外面側となる角部が全長にわたって切り欠きを有していることを特徴とする外装下地パネル。
  5. 請求項1乃至4の何れか一つに記載の外装下地パネルに、更に、
    枠組の下端部横胴縁、上端部横胴縁の少なくとも一つに相当する位置となる面板の屋内側の個所を突起状として、梁に仮設可能としたことを特徴とする外装下地パネル。
  6. 請求項1乃至5の何れか一つに記載の外装下地パネルにおける断熱材が、断熱材を取付ける領域にビーズ状発泡体を充填し、前記領域の開口面を型枠材で被覆後加熱したものであることを特徴とする外装下地パネル。
  7. 請求項1乃至6の何れか一つに記載の外装下地パネルを、建具のラフ開口位置および寸法に応じて切断後、切断面の全幅にわたって横胴縁を取付けることを特徴とする外装下地パネルの製作方法。
  8. 請求項1乃至6の何れか一つに記載の外装下地パネルを、入隅部で相互に干渉しない寸法で切断し、枠組の切断面の全長にわたって縦胴縁を取付けることを特徴とする入隅部外装下地パネルの製作方法。
  9. 請求項1乃至6の何れか一つに記載の外装下地パネルの上端部となる横胴縁より突出した面板部分を切断し、前記切断した面板を上端部横胴縁上面に、屋外側に突出するように取りつけることを特徴とするオーバハング部外装下地パネルの製作方法。
  10. 請求項1乃至6の何れか一つに記載の外装下地パネルの下端部となる横胴縁より突出した面板部分を切断し、前記切断した面板を下端部横胴縁下面に、屋外側に突出するように取りつけることを特徴とするセットバック部外装下地パネルの製作方法。
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