JP2005048127A - カルボジイミド化合物および重合体、ゲル状組成物、イオン伝導性組成物、電気化学素子および表面修飾基材 - Google Patents
カルボジイミド化合物および重合体、ゲル状組成物、イオン伝導性組成物、電気化学素子および表面修飾基材 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】カルボジイミド基と重合性不飽和炭化水素基とが同一分子内に共存している化合物、および該化合物を重合してなる重合体。この重合体によって、安定なゲル状組成物、イオン伝導性組成物、電気化学素子を提供することができる。
【選択図】 なし
Description
(1)下記一般式[I]で示されるカルボジイミド化合物、
(2)重合成分の一成分として、上記(1)記載の化合物を重合してなる重合体、
(3)上記(2)記載の重合体を含有してなるゲル状組成物、
(4)上記(2)記載の重合体を含有してなるイオン伝導性組成物、
(5)上記(4)記載のイオン伝導性組成物を含有してなる電気化学素子、
(6)一般式[I]で示される化合物がグラフト重合されていることを特徴とする表面修飾基材、
を発明するに至った。
本発明のカルボジイミド化合物は、重合性不飽和炭化水素基を有するイソシアネート化合物と、単官能イソシアネート化合物とをカルボジイミド化反応させることで得ることができる。
(イ)本発明の重合体に電解質をドープし、絶縁性多孔質薄膜に直接塗布する方法、
(ロ)本発明の重合体と電解液を混合した溶液に、絶縁性多孔質薄膜に直接塗工・含浸させる方法、
(ハ)本発明のカルボジイミド化合物、その他の重合体原料、電解質を絶縁性多孔質薄膜に直接塗工・含浸させた後、重合反応を行う方法、
(ニ)本発明のカルボジイミド化合物、その他の重合体原料を絶縁性多孔質薄膜に直接塗工・含浸させた後、重合反応を行い、次いで電解液で膨潤させる方法、
(ホ)本発明のカルボジイミド化合物、その他の重合体原料を電解液に溶解し、絶縁性多孔質薄膜に直接塗工・含浸させた後、重合反応を行う方法、
等を上げることができる。
2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(商品名;カレンズMOI、昭和電工(株)) 20.0gと、シクロヘキシルイソシアネート 16.2gと、4−メトキシフェノール 0.060g、3−メチル−1−フェニル−2−フォスフォレン1−オキシド 0.40gとを、ジメチルカーボネート200mlに溶解し、窒素気流中で24時間加熱還流した。加熱還流後の反応液のGC/MASSスペクトルを測定し、生成したカルボジイミド化合物のGCピークを検出した。MASSスペクトルからは、カルボジイミド化合物(分子量 236)に対応した分子イオンピーク;M+−1(235)を検出した。反応液を室温まで冷却後、ロータリーエバポレータで、35℃に加熱しながらジメチルカーボネートを減圧留去した。残留した油状物をジエチルエーテル600mlに溶解し、5質量%の水酸化ナトリウム水溶液100mlで6回洗浄後、ジエチルエーテル溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾別後、ロータリーエバポレータで、25℃に加熱しながらジエチルエーテルを減圧留去して、目的のN−(2−メタクリロイルオキシエチル)−N′−シクロヘキシルカルボジイミド 13.0gを油状物として得た。
IR(neat);ν(C=N=C)=2135cm−1
2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(商品名;カレンズMOI、昭和電工(株)) 20.0gと、n−ブチルイソシアネート 12.8gと、4−メトキシフェノール 0.060g、3−メチル−1−フェニル−2−フォスフォレン1−オキシド 0.40gとを、ジメチルカーボネート200mlに溶解し、窒素気流中で24時間加熱還流した。加熱還流後の反応液のGC/MASSスペクトルを測定し、生成したカルボジイミド化合物のGCピークを検出した。MASSスペクトルからは、カルボジイミド化合物(分子量 210)に対応した分子イオンピーク;M+(210)を検出した。反応液を室温まで冷却後、ロータリーエバポレータで、35℃に加熱しながらジメチルカーボネートを減圧留去した。残留した油状物をジエチルエーテル600mlに溶解し、5質量%の水酸化ナトリウム水溶液100mlで6回洗浄後、ジエチルエーテル溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾別後、ロータリーエバポレータで、25℃に加熱しながらジエチルエーテルを減圧留去して、目的のN−(2−メタクリロイルオキシエチル)−N′−n−ブチルカルボジイミド 7.0gを油状物として得た。
IR(neat);ν(C=N=C)=2135cm−1
トルエン100質量部に、実施例1で得られたN−(2−メタクリロイルオキシエチル)−N′−シクロヘキシルカルボジイミド 99.5質量部、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)(商品名;V−60、和光純薬(株)製) 0.5質量部を添加し、窒素雰囲気下、80℃で3時間保持したところ、透明の粘状重合体を得た。
2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(商品名;カレンズMOI、昭和電工(株))40gと、3−メチル−1−フェニル−2−フォスフォレン1−オキシド40gとを、ジメチルカーボネート200mlに溶解し、窒素気流中で24時間加熱還流した。加熱還流後の反応液のGC/MASSスペクトルを測定し、生成したカルボジイミド化合物のGCピークを検出した。MASSスペクトルからは、カルボジイミド化合物(分子量 266)に対応した分子イオンピーク;M+−1(265)を検出した。反応液を室温まで冷却後、ロータリーエバポレータで、35℃に加熱しながらジメチルカーボネートを減圧留去した。残留した油状物をジエチルエーテル600mlに溶解し、5質量%の水酸化ナトリウム水溶液100mlで6回洗浄後、ジエチルエーテル溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾別後、ロータリーエバポレータで、25℃に加熱しながらジエチルエーテルを減圧留去して、N,N′−ビス(2−メタクリロイルオキシエチル)カルボジイミド 13gを油状物として得た。
IR(neat);ν(C=N=C)=2134cm−1
下記構成で非水系電解液iを調製した。
六フッ化リン酸リチウム 12.7質量部
エチレンカーボネート 31.9質量部
ジエチルカーボネート 55.4質量部
コバルト酸リチウム20質量部、アセチレンブラック2質量部、PVDFのN−メチルピロリドン溶液(呉羽化学工業製、クレハKFポリマー L♯1120)18質量部、N−メチルピロリドン12質量部を混合して、アルミニウム箔上に塗布し、乾燥して、リチウムイオン二次電池用正極を得た。
実施例2で得られたN−(2−メタクリロイルオキシエチル)−N′−n−ブチルカルボジイミド 8.5質量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(NKエステル A−DPH、新中村化学工業(株)製) 1.5質量部、非水系電解液i 89質量部、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル) 1質量部とを、均一混合した。該混合液に、ポリプロピレン製微多孔膜(15g/m2、厚み50μm、空隙率67%)を含浸・絞液し、露点−80℃のアルゴン雰囲気下で、アルミ袋に入れ密封した後、90℃で2時間保持した後、室温まで冷却して、電気絶縁性薄膜とイオン伝導性組成物を一体化させた複合型ポリマー電解質を調製した。得られた複合型ポリマー電解質は、59g/m2、厚み53μmであった。
実施例5と同様の方法で調製したリチウム電池用正極および負極を用いて、正極、上記複合型ポリマー電解質、負極を積層し、電池用セル缶に組み込み、セル缶を封じた。得られたリチウムポリマー電池に対して、0.1Cで充放電を行ったところ、容量は352mAhであった。また、このリチウムポリマー電池を80℃で2週間保存した後の容量は273mAhであった。
イオン伝導性組成物の調製
ポリエチレンオキサイド基含有メタクリレート(商品名;130A、共栄社化学(株)製) 5質量部、ポリエチレンオキサイド基含有メタクリレート(商品名;TMP−6EO−3A、共栄社化学(株)製) 5質量部、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル) 0.2質量部、非水電解液i 89.8質量部に溶解し、反応液aを得た。反応液aを窒素雰囲気下、80℃に6時間保持して、透明なイオン伝導性ゲル状組成物を得た。このイオン伝導性ゲル状組成物を密閉容器に入れ、80℃で加熱したが、1日でゲルは崩壊した。
実施例5と同様の方法で調製したリチウム電池用正極および負極を用いて、正極、市販リチウム電池用セパレータ、負極を積層し、電池用セル缶に組み込んだ後、反応液aを注入した。セル缶を封じた後、80℃で4時間加熱して、リチウムポリマー二次電池を得た。得られたリチウムポリマー二次電池に対して、0.1Cで充放電を行ったところ、容量は385mAhであった。また、このリチウムポリマー電池を80℃で2週間保存した後の容量は193mAhであった。
イオン伝導性組成物の調製
ポリエチレンオキサイド基含有メタクリレート(商品名;130A、共栄社化学(株)製) 5質量部、ポリエチレンオキサイド基含有メタクリレート(商品名;TMP−6EO−3A、共栄社化学(株)製) 5質量部、ジシクロヘキシルカルボジイミド 1質量部、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル) 0.2質量部、非水電解液i 89質量部に溶解し、反応液bを得た。反応液bを窒素雰囲気下、80℃に6時間保持して、透明なイオン伝導性ゲル状組成物を得た。このイオン伝導性ゲル状組成物を密閉容器に入れ、80℃で加熱したが、7日間でゲルは崩壊した。
実施例5と同様の方法で調製したリチウム電池用正極および負極を用いて、正極、市販リチウム電池用セパレータ、負極を積層し、電池用セル缶に組み込んだ後、反応液bを注入した。セル缶を封じた後、80℃で4時間加熱して、リチウムポリマー二次電池を得た。得られたリチウムポリマー二次電池に対して、0.1Cで充放電を行ったところ、容量は371mAhであった。また、このリチウムポリマー電池を80℃で2週間保存した後の容量は198mAhであった。
下記構成で非水系電解液iiを調製した。
(C2H5)4NBF4 18.1質量部
プロピレンカーボネート 81.9質量部
非表面積が2000m2/g、平均粒径が8μmの高活性活性炭80g、アセチレンブラック10g、及び12%濃度のPVDF溶液(溶媒:N−メチルピロリドン、呉羽化学工業(株)製)100g、N−メチルピロリドン150gを混合して活性炭含有液を作製した。この液をアルミニウム箔上に塗布して、キャパシタ用電極を作製した。
実施例4の方法で得られたN、N′−ビス(2−メタクリロイルオキシエチル)カルボジイミド 2質量部、実施例2で得られたN−(2−メタクリロイルオキシエチル)−N′−n−ブチルカルボジイミド 8質量部とを、非水電解液ii 89.8質量部に溶解し、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル) 0.2質量部を添加し、反応液Cとした。反応液Cを窒素雰囲気下、80℃に3時間保持して、透明なイオン伝導性ゲル状組成物を得た。このイオン伝導性ゲル状組成物を密閉容器に入れ、80℃で14日間加熱したが、ゲルの崩壊は確認されなかった。また、このイオン伝導性ゲル状組成物のイオン伝導度は、2.0×10―4S/cm(室温)であった。
実施例7と同様に調製した電気二重層キャパシタ用電極と市販のキャパシタ用セパレータを積層し、角形セルに組み込んだ後、反応液Cを注入して、セル缶を封じた後、80℃で3時間加熱して、積層型電気二重層キャパシタを得た。電気二重層キャパシタの静電容量は、19Fであった。この電気二重層キャパシタに3mmφの金属棒を突き刺したが、液漏れは無かった。また、80℃で2週間保存した後の容量は、17Fであった。
フィブリル化セルロース 10質量部、少なくとも一部が繊維径1μm以下のフィブリル化ポリエチレン繊維 20質量部、繊度0.1dtex、繊維長3mm、融点255℃のポリエステル繊維 40質量部、繊度0.8dtex、繊維長10mmのポリプロピレン/ポリエチレン芯鞘短繊維 30質量部を分散助剤と共にパルパーを用いて水中に分散し、次いで水で所定濃度に希釈してスラリーを調製した。このスラリーから、円網抄紙機を用いて、坪量30g/m2、厚み80μmの湿式不織布を作製した。この湿式不織布に対して、180℃で熱カレンダー処理を行った。得られた不織布は、坪量30g/m2、厚さ50μm、密度0.59g/cm3であった。
実施例1で得られたN−(2−メタクリロイルオキシエチル)−N′−シクロヘキシルカルボジイミド 14質量部、ポリエチレンオキサイド基含有メタクリレート(商品名;130MA、共栄社化学(株)製)2質量部、実施例4で得られたN、N′−ビス(2−メタクリロイルオキシエチル)カルボジイミド 4質量部、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル) 0.1質量部を、トルエン 79.9質量部に溶解し、窒素雰囲気下、80℃で6時間保持して、重合反応を行った。 白色の重合体液に、上記不織布を含浸・絞液し、90℃で8時間真空乾燥を行った。不織布の質量増加率は、35質量%であった。
イオン伝導性組成物の調製
ポリエチレンオキサイド基含有メタクリレート(商品名;130A、共栄社化学(株)製) 5質量部、ポリエチレンオキサイド基含有メタクリレート(商品名;TMP−6EO−3A、共栄社化学(株)製) 5質量部、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル) 0.2質量部、非水電解液ii 89.8質量部に溶解し、反応液cを得た。反応液cを窒素雰囲気下、80℃に6時間保持して、透明なイオン伝導性ゲル状組成物を得た。このイオン伝導性ゲル状組成物を密閉容器に入れ、80℃で加熱したが、10日目に電解液の浸みだしが確認された。
イオン伝導性組成物の調製
ポリエチレンオキサイド基含有メタクリレート(商品名;130A、共栄社化学(株)製) 5質量部、ポリエチレンオキサイド基含有メタクリレート(商品名;TMP−6EO−3A、共栄社化学(株)製) 5質量部、ジシクロヘキシルカルボジイミド 3質量部、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル) 0.2質量部、非水電解液ii 86.8質量部に溶解し、反応液dを得た。反応液dを窒素雰囲気下、80℃に6時間保持して、透明なイオン伝導性ゲル状組成物を得た。このイオン伝導性ゲル状組成物を密閉容器に入れ、80℃で加熱したが、14日間ゲルの崩壊は見られなかった。
下記構成で非水電解液iiiを調製した。
フタル酸テトラメチルアンモニウム 24.07質量部
γ−ブチロラクトン 75.93質量部
厚さ0.05mm、エッチング孔の直径1〜5μmのアルミニウム箔で作られた電極の片面に陽極用コネクタをスポット溶接した後、90℃の温度に保たれたホウ酸用水溶液(濃度80g/l)に浸漬し、30Aの電流で15分間、アルミニウム箔面を酸化して、酸化アルミニウム誘電体層を形成し、電解キャパシタ用陽極を作製した。厚さ0.05mm、エッチング孔の直径1〜5μmのアルミニウム箔で作られた電極の片面に陰極用コネクタをスポット溶接することで、電解キャパシタ用陰極を作製した。
実施例2で得られたN−(2−メタクリロイルオキシエチル)−N′−n−ブチルカルボジイミド 30質量部、実施例4で得られたN,N′−ビス(2−メタクリロイルオキシエチル)カルボジイミド 10質量部、ポリエチレンオキサイド基含有アクリレート(商品名;130A、共栄社化学(株)製) 9質量部、トルエン 150質量部に、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)1質量部を添加し、窒素雰囲気下、80℃で3時間、強制撹拌して、乳白色の重合体溶液を得た。該重合体溶液に市販のポリエチレンシート(厚さ 200μm)を浸漬した後、90℃で2時間、真空乾燥し、カルボジイミド基含有重合体で被覆されたシートを得た(質量増加率 6.2質量%)。
実施例1で得られたN−(2−メタクリロイルオキシエチル)−N′−シクロヘキシルカルボジイミド 50質量部、光重合開始剤(商品名;IRGACURE 651、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製) 0.1質量部、トルエン 49.9質量部とからなる処理液に、市販のポリエチレンシート(厚み 200μm)を浸漬したあと、脱酸素下で低圧水銀灯を用いて、低波長紫外線を1分間照射し、次いで90℃で2時間、真空乾燥して、グラフト重合による表面処理を施したシートを得た。グラフト重合による質量増は、10.5質量%であった。
実施例2で得られたN−(2−メタクリロイルオキシエチル)−N′−n−ブチルカルボジイミド 50質量部、トルエン 49質量部に、光重合開始剤(商品名;IRGACURE 651、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ) 1質量部を添加し、市販のリチウム電池用セパレータ(ポリエチレン微多孔膜、空隙率60%、膜厚25μm)を浸漬した後、脱酸素下で低圧水銀灯を用いて低波長紫外線を1分間照射し、次いで90℃で2時間、真空乾燥し、グラフト重合による表面処理を施したリチウム電池用セパレータを得た。グラフト重合による質量増は、8.9質量%であった。
実施例5と同様の方法で調製したリチウム電池用正極および負極を用いて、正極、上記グラフト重合による表面処理を施したリチウム電池用セパレータ、負極を積層し、電池用セル缶に組み込んだ後、非水電解液iを注入し、セル缶を封じて、リチウムイオン二次電池を得た。得られたリチウムイオン二次電池に対して、0.1Cで充放電を行ったところ、容量は450mAhであった。また、このリチウムイオン二次電池を80℃で2週間保存した後の容量は429mAhであった。
実施例5と同様の方法で調製したリチウム電池用正極および負極を用いて、正極、市販のリチウム電池用セパレータ(ポリエチレン微多孔膜、空隙率60%、膜厚25μm)、負極を積層し、電池用セル缶に組み込んだ後、非水電解液iを注入し、セル缶を封じて、リチウムイオン二次電池を得た。得られたリチウムイオン二次電池に対して、0.1Cで充放電を行ったところ、容量は450mAhであった。また、このリチウムイオン二次電池を80℃で2週間保存した後の容量は410mAhであった。
グラフト重合多孔質膜の作製
ポリエチレンオキサイド基含有アクリレート(商品名;130A、共栄社化学(株)製) 25質量部、エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート(商品名;NKエステル A−9300、新中村化学工業(株)製)5質量部、ポリエチレンオキサイド基含有アクリレート(商品名;M−40G、新中村化学工業(株)製) 19質量部、トルエン 49質量部に、光重合開始剤(商品名;IRGACURE 651、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ) 1質量部を添加し、市販のリチウム電池用セパレータ(ポリエチレン微多孔膜、空隙率60%、膜厚25μm)を浸漬した後、脱酸素下で低圧水銀灯を用いて低波長紫外線を1分間照射し、次いで90℃で2時間、真空乾燥し、グラフト重合による表面処理を施したリチウム電池用セパレータを得た。グラフト重合による質量増は、7.5質量%であった。
実施例5と同様の方法で調製したリチウム電池用正極および負極を用いて、正極、上記グラフト重合による表面処理を施したリチウム電池用セパレータ、負極を積層し、電池用セル缶に組み込んだ後、非水電解液iを注入し、セル缶を封じて、リチウムイオン二次電池を得た。得られたリチウムイオン二次電池に対して、0.1Cで充放電を行ったところ、容量は450mAhであった。また、このリチウムイオン二次電池を80℃で2週間保存した後の容量は203mAhであった。
実施例4で得られたN,N′−ビス(2−メタクリロイルオキシエチル)カルボジイミド 5質量部、実施例1で得られたN−(2−メタクリロイルオキシエチル)−N′−シクロヘキシルカルボジイミド44質量部、トルエン 150質量部に、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)1質量部を添加し、窒素雰囲気下、80℃で3時間、強制撹拌して、乳白色の重合体分散液を得た。該重合体溶液に市販のセルロース含有キャパシタ用セパレータ(厚さ 50μm、密度 0.4g/cm3)を浸漬した後、90℃で2時間、真空乾燥し、カルボジイミド基含有重合体で被覆されたキャパシタ用セパレータを得た(質量増加率 5.8質量%)。
実施例7と同様に調製した電気二重層キャパシタ用電極と上記カルボジイミド基含有重合体で被覆されたキャパシタ用セパレータを積層し、角形セルに組み込んだ後、非水系電解液iiを注入して、セル缶を封じ、積層型電気二重層キャパシタを得た。電気二重層キャパシタの静電容量は、21Fであった。80℃で2週間保存した後の容量は、19Fであった。
実施例7と同様に調製した電気二重層キャパシタ用電極と市販のキャパシタ用セパレータ(厚み 50μm、密度 0.4g/cm3)を積層し、角形セルに組み込んだ後、非水系電解液iiを注入して、セル缶を封じ、積層型電気二重層キャパシタを得た。電気二重層キャパシタの静電容量は、21Fであった。80℃で2週間保存した後の容量は、16Fであった。
Claims (7)
- 重合成分の一成分として、請求項1記載の化合物を重合してなる重合体。
- 請求項2記載の重合体を含有してなるゲル状組成物。
- 請求項2記載の重合体を含有してなるイオン伝導性組成物。
- 請求項4記載のイオン伝導性組成物を含有してなる電気化学素子。
- 請求項2記載の重合体で表面が被覆されていることを特徴とする表面修飾基材。
- 一般式[I]で示される化合物がグラフト重合されていることを特徴とする表面修飾基材。
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