JP2005048090A - プリント配線板樹脂組成物及びその用途 - Google Patents
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Abstract
【課題】 リン化合物系難燃剤を用いる非ハロゲン系樹脂組成物でありながら、優れた難燃性と優れた耐熱性との両方を満足させる樹脂組成物等を提供する。
【解決手段】 エポキシ樹脂、硬化剤及び難燃剤を含むプリント配線板用樹脂組成物であって、(a)エポキシ樹脂が、シアネート変性ビスフェノールF型エポキシ樹脂であり、(b)硬化剤が、分子構造中に窒素原子を含有するフェノール樹脂であり、そして(c)難燃剤が、リン原子含有率が8%以上25%以下のリン化合物であることを特徴とするプリント配線板用樹脂組成物及びその用途である。
【選択図】 なし
【解決手段】 エポキシ樹脂、硬化剤及び難燃剤を含むプリント配線板用樹脂組成物であって、(a)エポキシ樹脂が、シアネート変性ビスフェノールF型エポキシ樹脂であり、(b)硬化剤が、分子構造中に窒素原子を含有するフェノール樹脂であり、そして(c)難燃剤が、リン原子含有率が8%以上25%以下のリン化合物であることを特徴とするプリント配線板用樹脂組成物及びその用途である。
【選択図】 なし
Description
本発明は、プリント配線板用樹脂組成物、及びこれを用いた樹脂ワニス、プリプレグ及び積層板に関する。
電気・電子機器等に使用される金属張積層板は、例えば、ガラスクロス等の基材にエポキシ樹脂組成物等の熱硬化性樹脂ワニスを含浸した後、加熱して半硬化させることによってプリプレグを作製し、このプリプレグを所要枚数重ねると共に、銅箔等の金属箔をその片側又は両側に配して積層し、加熱加圧して成形を行うことによって製造されている。また、多層の金属張積層板は、上記の方法で得られた金属張積層板の表面の金属箔をエッチングして導体回路を形成した後、その導体回路を形成した積層板の表裏に、上記と同様のプリプレグを所要枚数重ねると共に、金属箔をその片側又は両側に配して積層し、加熱加圧して成形を行うことによって製造されている。エポキシ樹脂組成物としてはエポキシ当量が100〜1000程度の低分子量のエポキシ樹脂とアミン系硬化剤及び硬化促進剤が一般的に使用されている。
近年、電子機器に組み込むエポキシ樹脂プリント配線板には、燃え難いこと、燃え広がり難いことといった安全性が求められている。そこで、臭素化エポキシ樹脂やエポキシ樹脂の硬化剤として臭素付加フェノールノボラック樹脂等を使用し、難燃性を付与している。しかし、臭素・塩素のようなハロゲン含有材を高温下で長時間使用するとハロゲン化物が解離する懸念があり、ハロゲン含有材を焼却処理すると有害なハロゲン化物が発生する心配がある。近年は、環境安全の面から、非ハロゲン系難燃剤を用いて難燃性を付与する方向に変わりつつある。
ハロゲン化合物に代わる難燃剤として、リン化合物が注目されている。リン化合物は、殆どがリン酸エステル系である、したがって低融点(80〜100℃)の化合物であるので、樹脂燃焼時に曝されるような高温では容易に熱分解する。この熱分解で生成するポリリン酸の炭化被膜が樹脂を酸素及び熱から遮蔽することによって、難燃効果が発揮される。そして、難燃性をより向上させるために、リン酸エステル系難燃剤は充填材等と併用されるケースが多い。充填材としては特に水酸化物が多く使用されている。
しかし、プリント配線板や多層プリント配線板は、部品実装のための半田付工程や270℃程度のリフロー工程で高温に曝される。難燃性付与のために低融点のリン化合物を多く添加すると、前記工程でリン化合物が熱分解し、プリント配線と樹脂との界面でふくれが発生するという耐熱性低下の問題がある。また、難燃性付与のためリン化合物と充填材を併用すると、加工性が著しく低下し、更には誘電特性等をも悪化するという問題がある。
例えば、特許文献1には、ビスフェノールA型ノボラックエポキシ樹脂のような有機樹脂と、金属水酸化物又は金属水和物からなる無機系難燃剤と、リン化合物系難燃剤(トリフェニルフォスフェート(TPP))のような有機系難燃剤とを含む難燃性樹脂組成物が開示されている。しかし、難燃性は要求水準を満たしているが、リン化合物系難燃剤の添加により耐熱性が低下し、また難燃性付与のため充填材を併用することで加工性が著しく低下し、更には誘電特性等も悪化している。
また、特許文献2には、フェノールノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性ノボラックエポキシ樹脂のようなエポキシ樹脂と、アミン系硬化剤、10−(2,5−ジヒドロキシフェニル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド(HCA)のようなリン化合物系難燃剤及び有機溶剤を含む樹脂組成物が開示されている。しかし、難燃性は要求水準を満たしているが、リン化合物系難燃剤の添加により耐熱性が低下している。
したがって、プリント配線板や多層プリント配線板に用いる非ハロゲン系樹脂組成物に対し難燃性を付与する場合、リン化合物系難燃剤等を添加しながらも、得られる樹脂組成物が難燃性の要求水準を満たし、更に耐熱性の要求水準をも併せて満たすことが要求されている。
本発明は、リン化合物系難燃剤を用いる非ハロゲン系樹脂組成物でありながら、優れた難燃性と優れた耐熱性との両方を満足させる樹脂組成物、並びに積層板及びこの積層板を用いたプリント配線板を提供することを目的とする。
本発明は、エポキシ樹脂、硬化剤及び難燃剤を含むプリント配線板用樹脂組成物であって、
(a)エポキシ樹脂が、シアネート変性ビスフェノールF型エポキシ樹脂であり、
(b)硬化剤が、分子構造中に窒素原子を含有するフェノール樹脂であり、そして
(c)難燃剤が、リン原子含有率が8%以上25%以下のリン化合物である、プリント配線板用樹脂組成物に関する。
(a)エポキシ樹脂が、シアネート変性ビスフェノールF型エポキシ樹脂であり、
(b)硬化剤が、分子構造中に窒素原子を含有するフェノール樹脂であり、そして
(c)難燃剤が、リン原子含有率が8%以上25%以下のリン化合物である、プリント配線板用樹脂組成物に関する。
本発明は、リン化合物系難燃剤を用いる非ハロゲン系樹脂組成物でありながら、優れた難燃性と優れた耐熱性との両方を満足させる樹脂組成物、並びに積層板及びこの積層板を用いたプリント配線板を提供する。本発明の積層板は、部品実装のための半田付工程や270℃程度のリフロー工程で高温に曝された場合にも、回路安定性に優れるため、信頼性に優れたプリント配線板を製造することができる。
本発明の(a)のシアネート変性ビスフェノールF型エポキシ樹脂とは、ビスフェノールF型エポキシの分子構造を芳香族ジイソシアネートで変性したものである。成分(a)は、例えば、エポキシ当量が100〜1000以下であることが好ましく、エポキシ当量が200〜600以下であることがより好ましい。また、成分(a)中の窒素成分の含有量は2〜4%であることが好ましく、窒素成分の含有量が3〜3.5%であることがより好ましい。成分(a)の分子量Mnは、200〜2000であることが好ましく、400〜1200であることがより好ましい。
成分(a)は、ビスフェノールF型エポキシ樹脂を、オキサゾリン環形成触媒の存在下に芳香族ジイソシアネートで変性させて製造することができる。触媒としては、例えば塩化リチウム、ブトキシリチウム等が好ましい。
本発明によれば、シアネート変性に使用する芳香族ジイソシアネート又は原料イソシアネート化合物としては、例えば、メタンジイソシアネート、ブタン−1,1−ジイソシアネート、エタン−1,2−ジイソシアネート、ブタン−1,2−ジイソシアネート、トランスビニレンジイソシアネート、プロパン−1,3−ジイソシアネート、ブタン−1,4−ジイソシアネート、2−ブテン−1,4−ジイソシアネート、2−メチルプテン−1,4−ジイソシアネート、2−メチルブタン−1,4−ジイソシアネート、ペンタン−1,5−ジイソシアネート、2,2−ジメチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、ヘキサン−1,6−ジイソシアネート、ヘプタン−1,7−ジイソシアネート、オクタン−1,8−ジイソシアネート、ノナン−1,9−ジイソシアネート、デカン−1,10−ジイソシアネート、ジメチルシランジイソシアネート、ジフェニルシランジイソシアネート、N,N−1,3−ジメチルベンゼンジイソシアネート、N,N−ジメチルベンゼンジイソシアネート、N,N−1,3−ジメチルシクロヘキサンジイソシアネート、N,N−1,4−ジメチルシクロヘキサンジイソシアネート、N,N−1,4−ジメチルナフタレンジイソシアネート、N,N−1,5−ジメチルナフタレンジイソシアネート、シクロヘキサシ−1,3−ジイソシアネート、シクロヘキサシ−1,4−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4−ジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、1−メチルベンセン−2,4−ジイソシアネート、1−メチルベンセン−2,5−ジイソシアネート、1−メチルベンセン−2,6−ジイソシアネート、1−メチルベンセン−3,5−ジイソシアネート、ジフェニルエーテル−4,4−ジイソシアネート、ジフェニルエーテル−2,4−ジイソシアネート、ナフタレン−1,4−ジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、ビフェニル−4,4−ジイソシアネート、3,3−ジメチルビフェニル−4,4−ジイソシアネート、2,3−ジメトキシビフェニル−4,4−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4−ジイソシアネート、3,3−ジメトキシジフェニルメタン−4,4−ジイソシアネート、4,4−ジメトキシジフェニルメタン−3,3−ジイソシアネート、ジフェニルサルファイト−4,4−ジイソシアネート、ジフェニルスルフォン−4,4−ジイソシアネート等の2官能イソシアネート化合物、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(4−フェニルイソシアネートチオホスフェート)−3,3,4,4−ジフェニルメタンテトライソシアネート等の多官能イソシアネート化合物、上記イソシアネート化合物の2量体又は3量体等のような多量体、アルコールやフェノールによりマスクされたブロックイソシアネート及びビスウレタン化合物等が挙げられるが、これらに限定されない。これらのイソシアネート化合物を2種以上組み合わせて用いてもよい。イソシアネート化合物は、2又は3官能イソシアネート化合物であることが好ましく、2官能イソシアネート化合物であることが更に好ましい。
本発明の(a)のシアネート変性ビスフェノールF型エポキシ樹脂として、市販されている化合物を用いることができ、例えば、シアネート変性ビスフェノールF型エポキシ樹脂(大日本インキ(株)製、エポキシ当量415、N含有率3%)を挙げることができる。
本発明の(b)硬化剤として、分子構造中に窒素原子を含有するフェノール樹脂であり、好ましくは12%〜25%の窒素原子を含有しているものが挙げられる。例えば、ノボラック樹脂、メラミン変性フェノールノボラック樹脂、メラミン変性クレゾールノボラック樹脂が挙げられる。
成分(b)として、市販されている化合物を用いることができ、例えば、メラミン変性フェノールノボラック樹脂(大日本インキ(株)製CA−3018、OH当量146、N含有率19%)を挙げることができる。
本発明の(c)難燃剤(難燃性付与剤)は、リン原子含有率が8%以上25%以下のリン化合物であり、フェノキシホスファゼン化合物又は縮合型リン酸エステル化合物、ジホスフィン酸塩等が挙げられ、特にこれらを併用することが有効である。
成分(c)のリン原子含有率が8%以上25%以下のリン化合物として、市販されている化合物を用いることができ、例えば、縮合リン酸エステルPX−200(大八化学工業(株)製、リン含有率9.1%)、6−(2,5−ジヒドロキシフェニル)−6−H−ジベンゾ[c,e][1,2]オキサホスホリン−6−オキシド(HCA−HQ)(三光化学(株)製、リン含有率9.5%)を挙げることができる。
本発明によれば、樹脂組成物の全重量に対するリン原子含有率が3%以下であることが好ましく、0.2〜3.0%であることがより好ましく、0.5〜3.0%が特に好ましい。
本発明によれば、樹脂組成物の全重量に対する窒素原子含有率が3%以上であることが好ましく、3〜5%であることがより好ましい。
本発明によれば、(a)エポキシ樹脂100重量部当たり、
(b)硬化剤が、18〜38重量部、好ましくは30〜36重量部
(c)難燃剤が、30〜80重量部、好ましくは40〜70重量部
であることが好ましい、但し、樹脂組成物の全重量に対するリン原子含有率は3%以下である。
(b)硬化剤が、18〜38重量部、好ましくは30〜36重量部
(c)難燃剤が、30〜80重量部、好ましくは40〜70重量部
であることが好ましい、但し、樹脂組成物の全重量に対するリン原子含有率は3%以下である。
本発明によれば、打ち抜き加工性やドリル加工性及び誘電特性を考慮しながら、更に充填材を加えることができる。充填剤としては、例えばシリカ、ガラスパウダー、マイカ等が挙げられる。
本発明によれば、上記(a)、(b)、(c)は本発明の樹脂組成物の必須成分であるが、本発明の目的の範囲内において、その他に所望により、慣用の添加剤、例えば着色剤、酸化防止剤、還元剤、紫外線不透過剤等を加えることができる。
本発明によれば、上記(a)、(b)、(c)を溶剤中で配合して得たエポキシ樹脂ワニスをガラス織布又はガラス不織布に含浸させて、乾燥することによりプリプレグを得ることができる。ここで使用するガラス織布又はガラス不織布の種類には特に指定はなく、厚さ0.02〜0.4mmまでのものを、目的のプリプレグ又は積層板の厚さに合わせて使用することができる。プリプレグを製造する時の乾燥条件は乾燥温度60〜200℃、乾燥時間1〜30分間の間で目的のプリプレグ特性に合わせて自由に選択することができる。
本発明によれば、目的とする積層板の厚みに合わせて得られたプリプレグを積層し、その片側又は両側に金属箔を重ね、加熱加圧して積層板を製造する。金属箔としては主に銅箔やアルミ箔を用いるが、他の金属箔を用いてもよい。金属箔の厚みは通常5〜200μmである。
本発明によれば、積層板製造時の加熱温度は130〜200℃、より好ましくは160〜180℃で、圧力は0.5〜10MPa、より好ましくは1〜4MPaであり、プリプレグ特性や、プレス機の能力、目的の積層板の厚み等により決定する。
以下の実施例により本発明をより詳細に説明するが、これらの例は本発明をいかなる意味においても限定するものではない。「部」は「重量部」を示し、「%」は「重量%」を示す。
実施例1
メチルエチルケトン170部に、エポキシ樹脂として、シアネート変性ビスフェノールF型エポキシ樹脂(大日本インキ(株)製、エポキシ当量415、N含有率3%)100部、硬化剤として、メラミン変性フェノールノボラック(大日本インキ(株)製CA−3018、OH当量146、N含有率19%)35.2部、難燃剤として、PX−200(大八化学工業(株)製、リン含有率9.1%)32部とHCA−HQ(三光化学(株)製、リン含有率9.5%)32部とを溶解させ、不揮発分65%のワニスを作製した。
このワニスをガラス織布(厚み0.2mm、坪量210g/m2)に樹脂分が45%になるように含浸、乾燥させて、プリプレグを得た。
このプリプレグと18μm厚さの銅箔を交互に積層し、その積層の最外面が銅箔となるように配し、170℃、90分、4MPaでプレス成形し厚さ0.8mmのFR−4積層板を得た。
この銅張積層板を銅エッチング液に浸漬することにより銅箔を取り除いた評価基板を作製し、難燃性、耐熱性の評価を行った。
表1に結果を示す。
メチルエチルケトン170部に、エポキシ樹脂として、シアネート変性ビスフェノールF型エポキシ樹脂(大日本インキ(株)製、エポキシ当量415、N含有率3%)100部、硬化剤として、メラミン変性フェノールノボラック(大日本インキ(株)製CA−3018、OH当量146、N含有率19%)35.2部、難燃剤として、PX−200(大八化学工業(株)製、リン含有率9.1%)32部とHCA−HQ(三光化学(株)製、リン含有率9.5%)32部とを溶解させ、不揮発分65%のワニスを作製した。
このワニスをガラス織布(厚み0.2mm、坪量210g/m2)に樹脂分が45%になるように含浸、乾燥させて、プリプレグを得た。
このプリプレグと18μm厚さの銅箔を交互に積層し、その積層の最外面が銅箔となるように配し、170℃、90分、4MPaでプレス成形し厚さ0.8mmのFR−4積層板を得た。
この銅張積層板を銅エッチング液に浸漬することにより銅箔を取り除いた評価基板を作製し、難燃性、耐熱性の評価を行った。
表1に結果を示す。
(1)難燃性試験
難燃性はJIS−C−6481に準拠し測定した。着火試験は、1セット(5個)の試料につき各2回行い、計10回の試験結果における燃焼時間(秒)の最大値、及び平均値を算出した。
難燃性はJIS−C−6481に準拠し測定した。着火試験は、1セット(5個)の試料につき各2回行い、計10回の試験結果における燃焼時間(秒)の最大値、及び平均値を算出した。
(2)耐熱性試験(はんだ耐熱性試験)
耐熱性については表面の銅箔をエッチングで除去し、280℃のはんだ槽に20秒間浸漬させて、試料を作製した。試料3個を1セットとして、ミーズリングやフクレの有無について目視にてそれぞれ評価した。評価基準は○は異常なし、△はミーズリング発生あり、×はフクレの発生ありとした。
耐熱性については表面の銅箔をエッチングで除去し、280℃のはんだ槽に20秒間浸漬させて、試料を作製した。試料3個を1セットとして、ミーズリングやフクレの有無について目視にてそれぞれ評価した。評価基準は○は異常なし、△はミーズリング発生あり、×はフクレの発生ありとした。
比較例1
エポキシ樹脂として、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(東都化成(株)製 エポキシ当量475)100部、硬化剤として、メラミン変性ノボラック(大日本インキ(株)製 OH当量146、N含有率19%)30.7部、難燃剤として、PX−200(大八化学工業(株)製、リン含有率9.1%)31部とHCA−HQ(三光化学(株)製、リン含有率9.5%)31部とを用いた以外は、実施例1と同様にして、厚さ0.8mmのFR−4積層板を比較積層板として得た。
この積層板につき、難燃性、耐熱性の評価を行った。
表1に結果を示す。
エポキシ樹脂として、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(東都化成(株)製 エポキシ当量475)100部、硬化剤として、メラミン変性ノボラック(大日本インキ(株)製 OH当量146、N含有率19%)30.7部、難燃剤として、PX−200(大八化学工業(株)製、リン含有率9.1%)31部とHCA−HQ(三光化学(株)製、リン含有率9.5%)31部とを用いた以外は、実施例1と同様にして、厚さ0.8mmのFR−4積層板を比較積層板として得た。
この積層板につき、難燃性、耐熱性の評価を行った。
表1に結果を示す。
比較例2
エポキシ樹脂として、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(東都化成(株)製 エポキシ当量475)100部、硬化剤として、メラミン変性ノボラック(大日本インキ(株)製 OH当量146、N含有率19%)30.7部、難燃剤として、PX−200(大八化学工業(株)製、リン含有率9.1%)35部と、HCA−HQ(三光化学(株)製、リン含有率9.5%)35部とを用いた以外は、実施例1と同様にして、厚さ0.8mmのFR−4積層板を比較積層板として得た。
この積層板につき、難燃性、耐熱性の評価を行った。
表1に結果を示す。
エポキシ樹脂として、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(東都化成(株)製 エポキシ当量475)100部、硬化剤として、メラミン変性ノボラック(大日本インキ(株)製 OH当量146、N含有率19%)30.7部、難燃剤として、PX−200(大八化学工業(株)製、リン含有率9.1%)35部と、HCA−HQ(三光化学(株)製、リン含有率9.5%)35部とを用いた以外は、実施例1と同様にして、厚さ0.8mmのFR−4積層板を比較積層板として得た。
この積層板につき、難燃性、耐熱性の評価を行った。
表1に結果を示す。
比較例3
エポキシ樹脂として、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(東都化成(株)製 エポキシ当量475)100部、硬化剤として、メラミン変性ノボラック(大日本インキ(株)製 OH当量146、N含有率19%)30.7部、難燃剤として、PX−200(大八化学工業(株)製、リン含有率9.1%)40部と、HCA−HQ(三光化学(株)製、リン含有率9.5%)40部とを用いた以外は、実施例1と同様にして、厚さ0.8mmのFR−4積層板を比較積層板として得た。
この積層板につき、難燃性、耐熱性の評価を行った。
表1に結果を示す。
エポキシ樹脂として、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(東都化成(株)製 エポキシ当量475)100部、硬化剤として、メラミン変性ノボラック(大日本インキ(株)製 OH当量146、N含有率19%)30.7部、難燃剤として、PX−200(大八化学工業(株)製、リン含有率9.1%)40部と、HCA−HQ(三光化学(株)製、リン含有率9.5%)40部とを用いた以外は、実施例1と同様にして、厚さ0.8mmのFR−4積層板を比較積層板として得た。
この積層板につき、難燃性、耐熱性の評価を行った。
表1に結果を示す。
表1の結果より明らかなように、本発明の実施例1はシアネート変性ビスフェノールF型エポキシを使用し、樹脂組成物の全重量に対するP含有率を3%以内にすることで、難燃性がV−0と優れ、かつ耐熱性にも優れる積層板を得ることができる。また、本発明の実施例1は、N含有率は3.0%以上である。
一方、比較例1〜3のように、ビスフェノールF型エポキシ樹脂を使用し、樹脂組成物の全重量に対するP含有率は3.0%を超えるため、比較例1は、耐熱性に優れるが、難燃性がV−1と劣る。比較例2及び3は、難燃性はV−0とよいが、ミーズリング及び/又はフクレが発生し耐熱性に劣る。
一方、比較例1〜3のように、ビスフェノールF型エポキシ樹脂を使用し、樹脂組成物の全重量に対するP含有率は3.0%を超えるため、比較例1は、耐熱性に優れるが、難燃性がV−1と劣る。比較例2及び3は、難燃性はV−0とよいが、ミーズリング及び/又はフクレが発生し耐熱性に劣る。
本発明は、リン化合物系難燃剤を用いる非ハロゲン系樹脂組成物でありながら、優れた難燃性を有し、かつ優れた耐熱性の両方を満足する樹脂組成物、積層板並びにこの積層板を用いたプリント配線板を提供する。本発明の積層板は、部品実装のための半田付工程や270℃程度のリフロー工程で高温に曝された場合にも、回路安定性に優れるため、信頼性に優れたプリント配線板を製造することができる。
Claims (6)
- エポキシ樹脂、硬化剤及び難燃性を付与する難燃剤を含むプリント配線板用樹脂組成物であって、
(a)エポキシ樹脂が、シアネート変性ビスフェノールF型エポキシ樹脂であり、
(b)硬化剤が、分子構造中に窒素原子を含有するフェノール樹脂であり、そして
(c)難燃剤が、リン原子含有率が8%以上25%以下のリン化合物であることを特徴とするプリント配線板用樹脂組成物。 - 樹脂組成物の全重量に対するリン原子含有率が3%以下である、請求項1記載のプリント配線板用樹脂組成物。
- 樹脂組成物の全重量に対する窒素原子含有率が3%以上である、請求項1又は2記載のプリント配線板用樹脂組成物。
- 請求項1〜3のいずれか1項記載の樹脂組成物を、溶媒に溶解又は分散させて得られるプリント配線用樹脂ワニス。
- 請求項4記載のプリント配線板ワニスをガラス織布又はガラス不織布に含浸し、加熱して、Bステージ化して得られるプリント配線板用プリプレグ。
- 請求項5記載のプリント配線板用プリプレグを1枚以上重ね、少なくともその片面に金属箔を積層し、加熱加圧して得られる金属張積層板。
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JP2006291098A (ja) * | 2005-04-13 | 2006-10-26 | Hitachi Chem Co Ltd | 熱硬化性樹脂組成物及びそれを用いたプリプレグ、金属張積層板、配線板 |
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2003
- 2003-07-30 JP JP2003282576A patent/JP2005048090A/ja active Pending
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