JP2005048088A - 分枝化された高分子化合物及びその製造方法、高耐久性固体高分子電解質膜及びその製造方法、並びに燃料電池 - Google Patents

分枝化された高分子化合物及びその製造方法、高耐久性固体高分子電解質膜及びその製造方法、並びに燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】燃料電池等に用いる固体高分子電解質の耐酸化を向上した高分子化合物の提供。
【解決手段】下記式(1)で表される基本骨格が、下記式(2)で表される4価の架橋モノマー単位によって分枝化されたことを特徴とする高分子化合物。
Figure 2005048088

Figure 2005048088

(式(1)中のモノマーは左から順に、tert−ブチル基を有する重合性モノマー、単独重合物の相転移温度が5−100℃の重合性モノマー、2次元的広がりをもつ化学構造に重合性ビニル基が結合したモノマー、イオン伝導性官能基を有するビニルモノマー、弱酸性官能基を含むビニルモノマー、式(2)中のモノマーは2次元的広がりをもつ化学構造に重合性ビニル基が結合したモノマー。)
【選択図】なし

Description

本発明は、新規な分枝化された高分子化合物及びその製造方法に関する。また、本発明は、その分枝化された高分子化合物からなる、酸化安定性とプロトン伝導性に優れた高耐久性固体高分子電解質膜とその製造方法に関する。さらに、本発明は、その高耐久性固体高分子電解質膜を含有する固体高分子型燃料電池に関する。
燃料電池は、水の電気分解の逆動作に基づく動作原理により電気エネルギーを得る装置である。燃料電池では、一般に、天然ガス、メタノール、石炭などの燃料を改質して得られる水素と、空気中の酸素とを送り込むことによって、水が生成するとともに、直流電力が得られる。このように、発電効率が高く、クリーンなエネルギーを供給できることから、燃料電池発電が注目されている。
燃料電池は、使用される電解質の種類によって、リン酸型、溶融炭酸塩型、固体酸化物型、固体高分子型などに分類される。これらの中でも、イオン交換膜(固体高分子電解質膜)を電解質として使用する固体高分子型燃料電池は、本質的に固体だけからなるセルであるため、電解質の散逸や保持の問題がないこと、100℃以下の低温で作動すること、起動時間が極めて短いこと、高エネルギー密度化や小型軽量化が可能であること、などの長所を有している。
そのため、固体高分子型燃料電池は、自動車用電源、家庭用やビル用の分散型電源、宇宙船用電源、可搬型電源などとして開発が進められている。特に、地球温暖化などの環境問題や自動車排ガス対策の観点から、固体高分子型燃料電池は、自動車搭載用の燃料電池として期待を集めている。
固体高分子電解質は、高分子鎖中にスルホン酸基等の電解質基を有する固体高分子材料であり、特定のイオンと強固に結合したり、陽イオン又は陰イオンを選択的に透過する性質を有していることから、粒子、繊維、あるいは膜状に成形し、電気透析、拡散透析、電池隔膜等、各種の用途に利用されているものである。
例えば、固体高分子型燃料電池は、プロトン伝導性の固体高分子電解質膜の両面に一対の電極を設け、水素ガスを燃料ガスとして一方の電極(燃料極)へ供給し、酸素ガスあるいは空気を酸化剤として異なる電極(空気極)へ供給し、起電力を得るものである。また、水電解は、固体高分子電解質膜を用いて水を電気分解することにより水素と酸素を製造する方法である。
燃料電池や水電解の場合、固体高分子電解質膜と電極の界面に形成された触媒層において過酸化物が生成し、生成した過酸化物が拡散しながら過酸化物ラジカルとなって劣化反応を起こすので、耐酸化性に乏しい炭化水素系電解質膜を使用することが困難である。そのため、燃料電池や水電解においては、一般に、高いプロトン伝導性を有し、高い耐酸化性を有するパーフルオロスルホン酸膜が用いられている。
また、食塩電解は、固体高分子電解質膜を用いて塩化ナトリウム水溶液を電気分解することにより、水酸化ナトリウムと、塩素と、水素を製造する方法である。この場合、固体高分子電解質膜は、塩素と高温、高濃度の水酸化ナトリウム水溶液にさらされるので、これらに対する耐性の乏しい炭化水素系電解質膜を使用することができない。そのため、食塩電解用の固体高分子電解質膜には、一般に、塩素及び高温、高濃度の水酸化ナトリウム水溶液に対して耐性があり、さらに、発生するイオンの逆拡散を防ぐために表面に部分的にカルボン酸基を導入したパーフルオロスルホン酸膜が用いられている。
ところで、パーフルオロスルホン酸膜に代表されるフッ素系電解質は、C−F結合を有しているために化学的安定性が高く、上述した燃料電池用、水電解用、あるいは食塩電解用の固体高分子電解質膜の他、ハロゲン化水素酸電解用の固体高分子電解質膜としても用いられ、さらにはプロトン伝導性を利用して、湿度センサ、ガスセンサ、酸素濃縮器等にも広く応用されているものである。
特に、Nafion(登録商標、デュポン社製)の商品名で知られるパーフルオロスルホン酸膜に代表されるフッ素系電解質膜は、化学的安定性が非常に高いことから、過酷な条件下で使用される電解質膜として賞用されている。しかしながら、フッ素系電解質は製造が困難で、非常に高価であるという欠点がある。
このパーフルオロスルホン酸膜は、フッ素原子がもつ疎水性とスルホン酸基がもつ親水性の両作用により、マクロ的にはイオンクラスター網目構造をとっている。即ち、疎水相の中に球状の親水相が存在し、親水相同士は連結管によりつながっているクラスター構造をとっている。この親水相中のスルホン酸基上を水素イオンが伝導することにより当該膜は高分子としては比較的大きいイオン伝導性を発現することが可能である。したがって、この性質により、固体高分子型燃料電池や電気化学センサーあるいはフラットパネル用のイオン伝導膜などとして用いられて来た。
しかしながら、このパーフルオロスルホン酸膜は、未だ電気抵抗が大きいために、目的とするシステム中に組み込んだ場合の電気エネルギーの損失が大きいことが問題であった。
パーフルオロスルホン酸膜に対し、炭化水素系電解質膜は、Nafionに代表されるフッ素系電解質膜と比較すると、製造が容易で低コストである上に、分子設計上の自由度が高く、イオン交換容量の調節が容易であるという利点がある。
下記特許文献1には、膜を形成する高分子体の分子設計を行うことによってイオン交換基相互の距離が小さく且つイオン交換基自身が配向したマクロ構造を有する新たなイオン伝導性高分子を得ることにより、従来のパーフルオロスルホン酸膜が示すイオン伝導性よりも大きいイオン伝導性を安定して示す配向型イオン交換膜が開示されている。具体的には、親油性系単位と、ヘテロ環系単位と、カルボン酸系単位と、強酸基系単位からなる化学結合主鎖が架橋剤単位により架橋された高分子化合物のイオン交換体が開示されている。
特開2000−277131号公報
特許文献1に記載の技術は、膜マトリックス相中の含金属基の配列を幾重にも重ねた状態で存在させ、含金属基間は疎水結合で会合させ、イオン交換基は親水結合によりイオン交換基同士が比較的近い距離に存在するため、イオン伝導が比較的大きい速度で起きる技術である。この技術によれば、イオン伝導度は向上するが、耐酸化性に対する対策はなされていないという問題があった。
炭化水素系電解質膜の耐酸化性が低い理由は、炭化水素化合物は一般にラジカルに対する耐久性が低く、炭化水素骨格を有する電解質はラジカルによる劣化反応(過酸化物ラジカルによる酸化反応)を起こしやすいためである。そこで、電解質膜の耐酸化性を向上させた高耐久性の電解質膜が求められていた。同時に、高分子電解質膜を固体高分子型燃料電池に用いた場合加湿状態で運転されることから、加湿条件下においてもイオン伝導度の低下を抑制すことが求められていた。
上記問題に鑑み、本発明は、燃料電池等に用いられる固体高分子電解質の耐酸化を飛躍的に向上させることを目的として、新規な高分子化合物を提供する。耐酸化性を向上させることによって、高耐久性の高分子電解質膜とし、同時に、成膜性に優れ、高イオン伝導性とすることで、固体高分子型燃料電池のイオン交換膜として好適な高分子電解質膜とその製造方法を提供する。また、本発明は、このような優れた特性を有する高耐久性高分子電解質膜を固体高分子電解質膜として含有する固体高分子型燃料電池を提供する。
本発明者らは、鋭意研究した結果、上記特許文献1に開示された高分子電解質膜の骨格がスチレン単位を有していることが耐酸化性を低下させる原因であることを突き止め、このスチレン単位を特定のものに代替させることによって前記課題が解決されることを見出し、本発明に至った。
即ち、第1に本発明は、分枝化された高分子化合物の発明であり、下記式(1)で表される基本骨格が、下記式(2)で表される4価の架橋モノマー単位によって分枝化されたことを特徴とする。
Figure 2005048088
Figure 2005048088
以下、本発明の分枝化された高分子化合物を構成する各繰返し単位について説明する。
本発明の分枝化された高分子化合物を構成する各繰返し単位の内、tert−ブチル基を有する重合性モノマーからなる繰返し単位である膜形成モノマー単位Iは、本発明を最も特徴付ける繰返し単位であり、単にスチレン等の膜形成モノマー単位を有する場合に比べて、芳香族核からtert−ブチル基に広がる電子対がラジカルを捕捉し、本発明の高分子化合物が酸化されることを防止し、ラジカル安定性を発揮する強度保持成分として機能する。
式(1)中の膜形成モノマーI(tert−ブチル基を有する重合性モノマー)の具体例としては、tert−ブチルスチレン、N‐tert‐ブチルアクリルアミド、tert‐ブチルアクリレート、N‐tert‐ブチル−N−アリルカルバメート、2−(tert‐ブチルアミノ)エチルメタクリレート、tert−ブチルビニルナフタレン、tert−ブチルヒドロキシアニソール、N−ビニル−tert−ブチルエステル塩酸塩、N−tert−ブチルαフェニルニトロンビニルモノマー、N−ビニル−O−tert−ブチルヒドロキシルアミン塩酸塩、2−(3−ヒドロキシ−2,6−ジメチル−4−tert−ブチルベンジル)−2−イミダゾリノ−5−ビニルモノマー塩酸塩などが好ましく挙げられるが、これらに限定されるものではない。
式(1)中、膜形成モノマーIの重合度pは1から1000である。
本発明の分枝化された高分子化合物を構成する各繰返し単位の内、単独重合物の相転移温度(Tg)が5℃から100℃を示す重合性モノマーからなる繰返し単位である膜形成モノマー単位IIは、本発明の分枝化された高分子化合物に柔軟性を付与するとともに、その製膜性を向上させる。
式(1)中の膜形成モノマーII(単独重合物の相転移温度(Tg)が5℃から100℃を示す重合性モノマー)の具体例としては、アクリロニトリル、ビニルアセテート(Tg,30℃)、ビニルメチルケトン(Tg,28℃)、ビニルプロピオネイト(Tg,10℃)、5−ビニル−3−ピリジンカルボニトリル、ビニルマデロニトリル、O−P−ビニルトシル−イソニトロソマロノニトリル、アリル−2−アセチルアセトアセテートなどが好ましく挙げられるが、これらに限定されるものではない。
式(1)中、膜形成モノマーIIは任意成分であり、その重合度qは0から1000である。
本発明の分枝化された高分子化合物を構成する各繰返し単位の内、2個以上の芳香族環が共通の炭素間結合を介することによって平面構造の連続性を保持した形をとった縮合により2次元的な広がりをもった化学構造に重合性ビニル基が結合したモノマーからなる繰返し単位である配向性モノマー単位は、規則性を有して集積する性質を有することから、本発明の分枝化された高分子化合物に配向性を付与する。
式(1)中の配向性モノマー(2個以上の芳香族環が共通の炭素間結合を介することによって平面構造の連続性を保持した形をとった縮合により2次元的な広がりをもった化学構造に重合性ビニル基が結合したモノマー)の具体例としては、2−ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、ビニルフェナントレン、ビニルナフチルアミン、4−ビニルナフタレン−1−カルボジチオ酸メチルエステル、ビニル(2−ナフチル)エタノール、ビニルアントラセン−2,3−ジカルボキサルデハイド、ビニル−2,3,6,7−テトラメトキシアントラセンなどが好ましく挙げられるが、これらに限定されるものではない。
式(1)中、配向性モノマー単位は任意成分であり、その重合度rは0から1000である。但し、下記述べる理由から、重合度rは1以上であることが好ましい。
図1に模式的に示すように、各高分子鎖中の配向性モノマー単位は互いに配列して配向部を生成する。酸、アルカリ等の加水分解性物質や、過酸化物、ラジカル等の酸化分解性物質は、配向部により、侵入が阻止される。又、図2に模式的に示すように、各高分子鎖中の配向性モノマー単位が互いに配列して配向部を生成すると、同時に各高分子鎖にペンダントしているスルホン酸基等のプロトン伝導部位もまた配向し、そのプロトン伝導性を向上させる。
本発明の分枝化された高分子化合物を構成する各繰返し単位の内、ビニル基からスルホン酸基までの距離が0.1nmから10nmであるイオン伝導性官能基を有するビニルモノマーからなる繰返し単位であるイオン伝導性モノマー単位は、強解離性を有することから、本発明の分枝化された高分子化合物にイオン伝導性、特にスルホン酸基の場合はプロトン伝導性を付与する。
式(1)中のイオン伝導性モノマー(ビニル基からスルホン酸基までの距離が0.1nmから10nmであるイオン伝導性官能基を有するビニルモノマー)の具体例としては、アクリルアミドスルホン酸、ビニルスルホン酸、メタリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸などが好ましく挙げられるが、これらに限定されるものではない。
式(1)中、イオン伝導性モノマーの重合度xは1から1000である。
本発明の分枝化された高分子化合物を構成する各繰返し単位の内、炭素数3から12を有する弱酸性官能基を含むビニルモノマーからなる繰返し単位である両親媒性モノマー単位は、弱解離性を有することから、本発明の分枝化された高分子化合物に相溶性性を付与する。
式(1)中の両親媒性モノマー(炭素数3から12を有する弱酸性官能基を含むビニルモノマー)の具体例としては、アクリル酸、ビニルテレフタル酸、ビニル乳酸、1−ビニル−2−オキソ−4−チアゾリジンカルボン酸、1−ビニル−2−ピロリドン−5−カルボン酸、1−ビニル−2−アゼチジンカルボン酸、2−ビニル−1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸、ビニル−1,4−ベンゾジオキサン−カルボン酸、などが好ましく挙げられるが、これらに限定されるものではない。
式(1)中、両親媒性モノマーは任意成分であり、その重合度yは0から1000である。
基本骨格式(1)は架橋性モノマー単位によって架橋されるが、分枝された本発明の高分子化合物中の基本骨格式(1)の個数は4から1000である。
本発明の分枝化された高分子化合物を構成する各繰返し単位の内、2個以上の芳香族環が共通の炭素間結合を介することによって平面構造の連続性を保持した形をとった縮合により2次元的な広がりをもった化学構造に2個の重合性ビニル基が結合したモノマーからなる繰返し単位である架橋性モノマー単位は、上記配向性モノマー単位と同様に、規則性を有して集積する性質を有することから、本発明の分枝化された高分子化合物に配向性を付与するとともに、架橋性を付与している。
式(2)中の架橋性モノマー(2個以上の芳香族環が共通の炭素間結合を介することによって平面構造の連続性を保持した形をとった縮合により2次元的な広がりをもった化学構造に2個の重合性ビニル基が結合したモノマー)の具体例としては、2,6−ジビニルナフタレン、ジビニルアントラセン、ジビニルフェナントレン、ジビニルナフチルアミン、4−ジビニルナフタレン−1−カルボジチオ酸メチルエステル、ジビニル(2−ナフチル)エタノール、ジビニルアントラセン−2,3−ジカルボキサルデハイド、ジビニル−2,3,6,7−テトラメトキシアントラセンなどが好ましく挙げられるが、これらに限定されるものではない。
分枝された本発明の高分子化合物1分子中の、式(2)で表される架橋性モノマーの個数tは1から200である。
前記式(1)で表される基本骨格は、上記各繰返し単位からなるランダム共重合体鎖、ブロック共重合体鎖、または一部ブロック共重合体鎖であり、共重合体の形態は制限されない。
本発明の高分子化合物の具体例として、前記式(1)で表される基本骨格が下記式(3)で表される基本骨格であり、前記式(2)で表される基本骨格が下記式(4)で表される4価の架橋単位である場合が好ましく例示される。
Figure 2005048088
Figure 2005048088
図3に、本発明の高分子化合物の各繰返し単位が奏する物理的諸特性、化学的諸特性等をカテゴリー毎に示す。
第2に、本発明は、上記第1の本発明である分枝化された高分子化合物の製造方法の発明であり、tert−ブチル基を有する重合性モノマーからなる膜形成モノマーIと、所望により単独重合物の相転移温度(Tg)が5℃から100℃を示す重合性モノマーからなる膜形成モノマーIIと、所望により2個以上の芳香族環が共通の炭素間結合を介することによって平面構造の連続性を保持した形をとった縮合により2次元的な広がりをもった化学構造に重合性ビニル基が結合したモノマーからなる配向性モノマーと、ビニル基からスルホン酸基までの距離が0.1nmから10nmであるイオン伝導性官能基を有するビニルモノマーからなるイオン伝導性モノマーと、所望により炭素数3から12を有する弱酸性官能基を含むビニルモノマーからなる両親媒性モノマーと、2個以上の芳香族環が共通の炭素間結合を介することによって平面構造の連続性を保持した形をとった縮合により2次元的な広がりをもった化学構造に2個の重合性ビニル基が結合したモノマーからなる架橋性モノマーとを共重合することを特徴とする。
この反応により、第1の本発明の高分子化合物である、前記式(1)で表される基本骨格が、前記式(2)で表される4価の架橋単位で架橋された高分子化合物が製造される。
本発明の分枝化された高分子化合物の製造方法に用いられる各モノマーは上記の通りである。重合方法は限定されず、熱重合の他、光重合、電子線重合を行って良い。
重合開始剤としては疎水性開始剤および親水性開始剤を併用することができる。この内、疎水性開始剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、ベンゾフェノン、過酸化−t−ブチルなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、水溶性開始剤としては、例えば、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸カリウム、ペルオキソ二硫酸ナトリウム、2,2−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩などが挙げられるが、特にこれらに限られるものではない。
疎水性重合開始剤の濃度は、疎水性モノマーの全重量に対して0.04wt%から26wt%であり、好適には0.15〜20wt%である。0.04wt%よりも小さい場合はラジカル発生量が重合反応を開始するのに十分ではない。26wt%よりも大きい場合は、重合速度が大き過ぎ、短時間内に高分子量に達してしまうため、生成する高分子構造が無秩序に三次元網目構造を呈してしまう。これにより下記に述べる製膜時にキャスト法を用いることが困難となり、好ましくない。
又、親水性重合開始剤の濃度は、親水性モノマーの全重量に対して0.01wt%から22wt%であり、好ましくは0.05〜18wt%である。0.01wt%よりも小さいときは溶剤中に溶解した酸素によりラジカルが消失させられる。22wt%よりも大きいときは多量に発生するラジカルにより親水性ポリマーの分子構造が破壊されてしまう。
共重合反応のための溶液は、水の容積を1部としたときに、非プロトン性溶媒を0.1部から35部までの容積比となるように混合した水と有機溶媒との混合溶媒を用いることが好ましい。非プロトン性溶媒として、具体的には、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、スルホラン、ジメチルスルホキシドなどがあるが、これらに限定されるものではない。好ましい混合比としては、水の容積1部に対して、0.5から28部である。0.1部より小さくなると疎水性モノマーが溶解せずに共重合反応が起こらない。また、35部より大きくなると親水性モノマーが凝集沈殿してしまうので膜形成に必要な高分子の分子量に到達できない。
本発明の分枝化された高分子化合物を共重合するに際しては、疎水性モノマーに疎水性ラジカル重合開始剤を添加して重合する工程と、親水性モノマーに親水性ラジカル重合開始剤を添加して重合する工程に分けても良いし、疎水性モノマーに疎水性ラジカル重合開始剤を添加するとともに、親水性モノマーに親水性ラジカル重合開始剤を添加した後、全モノマーを共重合しても良い。酸化分解後も形状を保持させ、本発明の高分子化合物の諸物性を発現させるためには、全モノマーを均一溶解後に共重合を行うのが好ましい。
本発明の分枝化された高分子化合物の製造方法の具体例として、tert−ブチル基を有する重合性モノマーからなる膜形成モノマーIがtert−ブチルスチレンであり、単独重合物の相転移温度(Tg)が5℃から100℃を示す重合性モノマーからなる膜形成モノマーIIがアクリロニトリルであり、2個以上の芳香族環が共通の炭素間結合を介することによって平面構造の連続性を保持した形をとった縮合により2次元的な広がりをもった化学構造に2個の重合性ビニル基が結合したモノマーからなる架橋性モノマーが2,6−ジビニルナフタレンであり、2個以上の芳香族環が縮合することによって2次元的な広がりをもった化学構造に重合性ビニル基が結合したモノマーからなる配向性モノマーが2−ビニルナフタレンであって、これら疎水性モノマーに疎水性ラジカル重合開始剤を添加する工程と、ビニル基からスルホン酸基までの距離が0.1nmから10nmであるイオン伝導性官能基を有するビニルモノマーからなるイオン伝導性モノマーがアクリルアミドスルホン酸であり、炭素数3から12を有する弱酸性官能基を含むビニルモノマーからなる両親媒性モノマーがアクリル酸であり、これら親水性モノマーに親水性ラジカル重合開始剤を添加する工程、及び上記工程で得られた全モノマーと重合開始剤の溶解物を共重合する工程とを含む場合が好ましく例示される。
この反応により、第1の本発明の高分子化合物の具体例である、前記式(3)で表される基本骨格が、前記式(4)で表される4価の架橋単位で架橋された高分子化合物が製造される。
第3に、本発明は高耐久性固体高分子電解質膜の発明であり、上記式(1)で表される基本骨格が、上記式(2)で表される4価の架橋モノマー単位によって分枝化された高分子化合物と、所望により繊維集合体又は多孔質膜とから製膜された高耐久性固体高分子電解質膜である。
分枝化された高分子化合物を構成する各繰返し単位及びそれらが奏する機能等は上述の通りである。又、その製造方法である重合条件等も上述の通りである。特に、本発明の高分子電解質膜は、単位プロトン伝導部位の膜重量を示すEW値が800程度であり、従来のフッ素系高分子電解質膜のEW値が1100程度であることと比べて、高いプロトン伝導性が期待できる。
本発明の高分子電解質膜は、ビニル系炭化水素系の比較的汎用性を有するモノマー原料が用いられており、コスト的に従来のフッ素系高分子電解質膜の1/20以下とすることができる。また、フッ素系でなく、炭化水素系であることから、環境適応性の点においても優れている。
本発明の高耐久性固体高分子電解質膜は、単独製膜されても良く,繊維集合体又は多孔質膜と複合化されて製膜されても良い。
製膜方法は限定されないが、高分子化合物を溶媒に溶解した溶液をシート状に流延した後、溶媒を乾燥除去するキャスト法が好ましく例示される。キャスト法は、高分子化合物を加熱溶融する必要がないので、熱履歴によるポリマー構造が酸化分解を受ける危険性を回避できるとともに、ポリマー溶液を瀘過することにより不純物を完全に除去することができる。また、膜の厚みやマクロ構造を均一にすることができる点でも樹脂を溶融してシート状に成形する方法よりも優れている。
製膜時に、所望により、イオン交換樹脂と複合化されるシート状の芯材としては、有機又は無機化合物の繊維集合体又は多孔質膜を用いることができる。有機材にはプラスチック樹脂を選択できる。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリイミドなどであるが、これらに限定されるものではない。また、無機化合物としては、金属、非金属、それらの合金化合物、又はセラミックスを採用することができる。非金属としては、ガラス、窒化ほう素、カーボン、グラファイトが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
イオン交換樹脂と複合化されるシートの形状は、網状、織物状、不織布状などの繊維集合体又は多孔質膜状などを選択できるが、これらに限定されるものではない。繊維集合体としては、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、フッ素樹脂等が単独または混合された樹脂ネット、織物、不織布等が例示される。これらシートの真密度は、0.02g/cm3から40g/cm3、好適には0.3g/cm3から30g/cm3である。そして、真密度が0.02g/cm3よりも小さい場合はイオン交換樹脂中に気泡が混入し易くなるので、イオン伝導性が低下する。また、40g/cm3よりも大きい場合はキャスト時に膜の表面に出過ぎるので白金担持カーボンからなる触媒相との密着性が低下する。
芯材シートの空孔率は5%から98%であり、好適には20%から80%である。そして、空孔率が5%より低下するとイオン伝導に使用される樹脂部分が少なくなるので、イオン伝導性が低下する。また、98%よりも大きくなると芯材としての効果がなくなるので、イオン交換膜としての強度がなくなる。
分枝化された高分子電解質の溶液は、製膜した場合の各種物性改良を目的として、通常の高分子に使用される可塑剤、安定剤、離型剤等も含有することができる。また、複合アロイ化等を目的として、他のポリマーも含有することもできる。さらに、イオン伝導性の向上などを目的として、低分子電解質や酸化合物、あるいは他の高分子電解質を含有することもできる。さらに、燃料電池用途における水管理の容易化のために、無機あるいは有機の微粒子を保水剤として含有することもできる。
本発明の高分子電解質膜は、多孔性のフィルムやシートに含浸複合化したり、ファイバーやパルプを混合してフィルムを補強する他に、機械的強度の向上などを目的として、紫外線・電子線・放射線などを照射して架橋しても良い。
電解質膜の厚みは、特に制限はないが10〜200μmが好ましい。10μmより薄い電解質膜では強度が低下する傾向にあり、200μmより厚い電解質膜では膜抵抗が大きくなり電気化学デバイスの特性が不足する傾向にある。膜厚は溶液濃度あるいは基板上への塗布厚により制御できる。
本発明の高耐久性固体高分子電解質膜の具体例として、前記式(3)で表される基本骨格が、前記式(4)で表される4価の架橋単位で架橋された高耐久性固体高分子電解質膜が好ましく例示される。
第4に、本発明は上記第3の発明の高耐久性固体高分子電解質膜の製造方法の発明であり、上記式(1)で表される基本骨格が、上記式(2)で表される4価の架橋モノマー単位によって分枝化された高分子化合物溶液を、所望により繊維集合体又は多孔質膜と共に、基材上に流延し、該高分子化合物溶液を乾燥させて製膜することを特徴とする。
高耐久性固体高分子電解質膜の製造方法の詳細は上述の通りであり、上記の高分子化合物を適正な方法で製膜したものである。本発明では、上記の高分子化合物を完全な網目構造とならない程度に架橋反応することにより、適当な溶媒に溶解することができる。分枝化された高分子化合物の製膜方法は特に限定されず、溶液を平板上にキャストするキャスト法、バーコータ、ダイコータ、コンマコ一夕等により平板上に溶液を塗布する方法、溶融した高分子材料を延伸等する方法等の一般的な方法が採用できる。溶媒としては、例えばm−クレゾール、DMSO、DMF、NMP、及びそれらの混合溶媒等が例示される。製膜に当たっては、上記の分枝化された高分子化合物を単独で用いるほか、その他の高分子電解質等と混合して用いてもよい。
第5に本発明は、上記第3の本発明の電解質膜と、該電解質膜の両面を挟持する反応極と、該反応極を挟持するセパレータからなる燃料電池セルを単層又は複数積層したことを特徴とする固体高分子型燃料電池である。
本発明の分枝化された高分子電解質膜は、耐酸化性に優れているとともに、高いイオン伝導性を保持し、優れた熱安定性、酸化及び還元に対する耐性、機械的強度などを有している。したがって、本発明の分枝化された高分子電解質膜は、固体高分子型燃料電池のイオン交換膜として好適である。
上記のように耐酸化性に優れた電解質膜及び電解質溶液を採用することで燃料電池全体としても耐久性を向上できる。また、低コストな電解質膜を採用することで燃料電池として低コスト化が達成できる。
本発明の燃料電池は、上記のような高分子電解質膜の両面に、触媒および集電体としての導電性物質を接合することにより製造することができる。該触媒としては、水素または酸素との酸化還元反応を活性化できるものであれば特に制限はなく、公知のものを用いることができるが、白金の微粒子を用いることが好ましい。白金の微粒子はしばしば活性炭や黒鉛などの粒子状または繊維状のカーボンに担持されて用いられ、好ましく用いられる。集電体としての導電性物質に関しても公知の材料を用いることができるが、多孔質性のカーボン不織布またはカーボンペーパーが、原料ガスを触媒へ効率的に輸送するために好ましい。多孔質性のカーボン不織布またはカーボンペーパーに白金微粒子または白金微粒子を担持したカーボンを接合させる方法、およびそれを高分子電解質膜と接合させる方法については公知の方法を用いることができる。
具体的には、本発明の燃料電池はPEFCである。燃料電池システムとしては燃料電池セルを複数積層したスタックを形成しているものが用いられる。そして、電解質膜としては前述した本発明の電解質膜を用いる。電解質膜を挟んだ両側の反応電極にそれぞれ燃料ガスと酸化剤ガスとを供給するガス供給装置がそれぞれ対応する側のセパレ一夕から接続される。そして燃料ガスとしては水素ガスを、酸化剤ガスとしては空気または酸素ガスが好ましく用いられる。
本発明の燃料電池システムに用いられる燃料電池セルは、電解質膜の両側を反応電極で狭持した後にさらに拡散層で狭持したMEAの両側をセパレ一夕で狭持した構造をもつ。反応電極については特に限定されず、通常のものを使用可能である。例えば、カーボン粉末上に白金や白金のアロイを分散させた触媒を用いることが可能である。例えば、この触媒をそのまま若しくは本発明の電解質溶液等の結着剤等と混合して電解質膜表面で製膜することで反応電極を形成できる。拡散層はたとえば一般的なカーボン粉末と擾水性高分子粉末との混合物を用いることができる。本発明の電解質溶液を含有させて形成することもできる。セパレ一夕も一般的に使用されている材質、形態のものが使用できる。セパレ一夕には流路が形成され、その流路には反応ガスを供給するためのガス供給装置が接続されると同時に、反応しなかった反応ガス及び発生した水を除去する手段とが接続される。
本発明の分枝化された高分子電解質膜は、耐酸化性の他、プロトン伝導性、耐熱性、耐加水分解性に優れ、この高分子電解質膜を用いた燃料電池(PEFC)は、高い耐久性を有することができる。
本発明によれば、骨格にtert−ブチル基を有する重合性モノマーからなる繰返し単位を備える高分子化合物、及びそれからなる高分子電解質膜は、耐酸化性に優れ、イオン交換基容量が大きく、低加湿条件でも高いイオン電動性を維持することができる。又、製膜性に優れた分枝化された高分子化合物とその製造方法が提供される。更に、該分枝化された高分子化合物からなり、固体高分子型燃料電池のイオン交換膜として好適な高分子電解質膜と燃料電池が提供される。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明についてより具体的に説明する。
〔分枝された高分子の製造〕
(実施例1)
シール付の水銀温度計、窒素導入口、還流管を付した100mLの四ロフラスコに、膜形成モノマーIとして0.7g(4.4mmo1)のtert−ブチルスチレン(以下「B」と称す)と、膜形成モノマーIIとして0.33g(6.3mmo1)のアクリロニトリル(以下「A」と称す)と、架橋性モノマーとして0.15g(0.71mmo1)の2,6−ジビニルナフタレン(以下「Np」と称す)と、配向性モノマーとして0.3g(1.9mmo1)の2−ビニルナフタレン(以下「N」と称す)と、これら疎水性モノマーに疎水性ラジカル重合開始剤としてDMF6mLに15mgのベンゾフェノンを加えた。次に、イオン伝導性モノマーとして1.3g(6.3mmo1)のアクリルアミドスルホン酸(以下「S」と称す)と、両親媒性モノマーとして0.9g(12.5mmo1)のアクリル酸(以下「C」と称す)と、これら親水性モノマーに親水性ラジカル重合開始剤として水3mLに10mgのペルオキソ二硫酸アンモニウムを加えた。アクリルアミドスルホン酸(S)のモル比を1とした各モノマーの配合モル比は、B:A:Np:N:S:C=0.7:1.0:0.1:0.3:1.0:2.0である。
このようにして、全モノマーを溶解後、85℃で4時間共重合した。得られた共重合体溶液をキャスト法にて製膜した。キャスト法はガラス板上に製造した共重合体溶液を流延した後に、室温で一日自然乾燥を行い製膜した。その後、80℃で12時間常圧乾燥を行った後に、更に80℃で12時間真空減圧乾燥を行った。そして、得られた膜をそれぞれ1N硝酸エタノール溶液400mL中に浸漬し12時間撹拌した(酸処理工程)。酸処理工程を更に2回繰り返した。その後、エタノールで洗浄した。その後、40℃で12時間真空減圧乾燥を行い試験試料とした。
本実施例で合成された共重合体は、下記式(3)で表される基本骨格が下記式(4)で表される4価の架橋単位で架橋されたものである。以下、本実施例で合成された共重合体を、BANpNSC(0.7:1.0:0.1:0.3:1.0:2.0)Rのように表記する。
Figure 2005048088
Figure 2005048088
(実施例2)
配向性モノマーである2−ビニルナフタレン(N)を0.5g(3.15mmo1)とした他は、実施例1と同様にランダム共重合して、キャスト膜を調製した。
(実施例3)
先ず、膜形成モノマーIとして0.7g(4.4mmo1)のtert−ブチルスチレン(B)と、膜形成モノマーIIとして0.33g(6.3mmo1)のアクリロニトリル(A)と、架橋性モノマーとして0.15g(0.71mmo1)の2,6−ジビニルナフタレン(Np)と、配向性モノマーとして0.3g(1.9mmo1)の2−ビニルナフタレン(N)と、これら疎水性モノマーに疎水性ラジカル重合開始剤としてDMF6mLに15mgのベンゾフェノンを加え、85℃に加熱して共重合しながら、次に、イオン伝導性モノマーとして1.3g(6.3mmo1)のアクリルアミドスルホン酸(S)と、両親媒性モノマーとして0.9g(12.5mmo1)のアクリル酸(C)と、これら親水性モノマーに親水性ラジカル重合開始剤として水3mLに10mgのペルオキソ二硫酸アンモニウムを加えた混合物を添加して、ブロック共重合した。実施例1と同様に、アクリルアミドスルホン酸(S)のモル比を1とした各モノマーの配合モル比は、B:A:Np:N:S:C=0.7:1.0:0.1:0.3:1.0:2.0である。
このようにして、疎水性モノマーと親水性モノマーを分割添加して得られたブロック共重合体より、キャスト膜を調製した。本実施例で合成された共重合体を、BANpNSC(0.7:1.0:0.1:0.3:1.0:2.0)Bのように表記する。
〔配向性繰返し単位の分子量に対する効果〕
配向性繰返し単位の分子量に対する効果を見るために、以下のI〜Vの共重合体I〜Vを合成した。ここで、Spは下記式(5)で表されるスピロ環を有する剛直な架橋剤であり、Siは下記式(6)で表されるシラン鎖を有する疎水性の架橋剤である。
Figure 2005048088
Figure 2005048088
共重合体I :BANSCNp(0.8;1.2;1.6;1;2;0.1)R
共重合体II :BANSCNp(0.5;1;1;1;2;0.1)R
共重合体III:BANSCSp(1.5;1;1.6;1;2;0.2)R
共重合体IV :BANSCSp(1.5;1;1.4;1;2;0.1)R
共重合体V :BA‐SCSpSi(1.5;3;−;1;2;0.1;0.02)B
これら共重合体I〜Vの配向性繰返し単位含有率と重量平均分子量の測定結果を図4に示す。図4の結果より、配向性繰返し単位の添加量が増加するにしたがって分子量が増加することが分る。
〔配向性繰返し単位の耐水性に対する効果〕
同様に、共重合体I〜Vの配向性繰返し単位含有率と加水分解還元粘度指数の測定結果を図5に示す。ここで、加水分解還元粘度指数は耐水性、即ち耐加水分解性を示すものである。具体的には、上記I〜Vの共重合体の電解質膜の高温加湿処理(140℃、100%RH、24時間)を行い、還元粘度の減少率により安定性を評価した。図5の結果より、配向性繰返し単位を含まない共重合体の電解質膜(V)が、60%以下に減少したのに対して、配向性繰返し単位を含む共重合体の電解質膜(I〜IV)では、測定前の還元粘度から数%から十数%の減少に留まった。即ち、配向性モノマーの添加量が増加して配向性を付与するにしたがって加水分解還元粘度指数は90以上に大きくなっており、耐加水分解性が向上することが分る。
〔配向性繰返し単位のイオン伝導性に対する効果〕
配向性繰返し単位を含む配向型膜のイオン伝導性の温度依存性を見るために、RH100%、各温度でのイオン伝導度を測定した。結果を図6に示す。イオン伝導度(プロトン伝導度の測定)は、実施例及び比較例の膜を5×40mmの大きさに切り取り、4端子法により交流インピーダンスを測定した。測定は80℃及び120℃で相対湿度100%、電流値として0.005mAの定電流、掃引周波数として10〜20000Hzの条件で行った。得られたインピーダンスと膜端子間距離から伝導度を測定した。
図6の結果より、配向性繰返し単位を含む配向型膜は未配向型膜に比べて高いイオン伝導度を示していることがわかる。しかも、100℃以上の高温になると、未配向型膜のイオン伝導度の伸びが頭打ちか、ナフィオン(商標名)ではむしろ低下しているのに対して、配向型膜ではイオン伝導度が更に向上している。これにより、配向性繰返し単位を含む配向型膜は燃料電池等へ適用した場合に、高温条件でも優れた効果を奏することが分る。
同様に、配向型膜のイオン伝導度の湿度依存性を見るために、セル温度100℃、各相対湿度でのイオン伝導度を測定した。結果を図6に示す。図6の結果より、配向性繰返し単位を含む配向型膜は未配向型膜に比べて高いイオン伝導度を示していることがわかる。しかも、相対湿度が低下すると(乾燥状態に近づくと)、未配向型膜のイオン伝導度の低下が著しいのに対して、配向型膜ではイオン伝導度の低下は少ない。これもまた、配向性繰返し単位を含む配向型膜は燃料電池等へ適用した場合に、加湿が不充分でも優れた効果を奏することを示している。
〔耐熱性〕
本発明の分枝された高分子化合物の耐熱性を見るために、下記式(7)及び(8)の熱分解開始温度を測定した。
Figure 2005048088
Figure 2005048088
測定の結果、上記式(7)の高分子化合物の熱分解開始温度は230℃であり、上記式(8)の高分子化合物の熱分解開始温度は250℃であり、高い耐熱性を有することが分った。
〔燃料電池〕
(ガス拡散層の作製)
1gのカーボンブラックに12gの35質量%トライトン溶液を加え、遊星ボールミルを用いて1136rpmで20分間、568rpmで10分間混合し、カーボンペーストを作製した。このカーボンペーストとポリテトラフルオロエチレン分散溶液とをカーボン元素比で6:4になるように添加し、遊星ボールミルを用いて1136rpmで20分間、568rpmで10分間混合したものを電極拡散層ぺーストとした。この電極拡散層ペーストを撥水化カーボンペーパー上に塗布し、60℃の乾燥機で約1時間乾燥した。乾燥後、冷間プレスを行った。電極中のトライトンを除去するために電極を2−プロパノール中に浸し(30分毎に2−プロパノールを交換し、4回繰り返した後に一晩放置した。)、その後にホットプレス(360℃、2.5MPaで3秒)を行い、水中で急冷した。
(触媒層膜複合体の作製)
白金を30質量%高分散担持したカーボンブラック1gと本発明の上記高分子化合物1・05gとをm−クレゾール10mLで混練した。このペースト0.15mLを上記方法で作成した電解質膜(厚さ50μm、面積10cm2)の片面に均一に塗布し、80℃で1時間乾燥した。その後、電解質膜の反対側にも前述のペースト0,15mLを均一に塗布し、80℃で1時間乾燥した。得られた膜を130℃で2分間ホットプレスした後に、1N硝酸エタノール溶液400mL中に浸漬し12時間撹拌した(酸処理工程)。この酸処理工程を更に2回繰り返した。その後、エタノールで洗浄した。その後、80℃で2時間乾燥を行った。この膜を前述のガス拡散層2枚で挟み触媒層膜複合体を得た。
(触媒層複合体の作製)
白金を30質量%高分散担持したカーボンブラック1gと上記高分子化合物1.05gとを、m−クレゾール10mLで混練した。このペースト0.15mLを前述のガス拡散層(面積10cm2)の片面に均一に塗布し、80℃で2時間乾燥した。これを冷間プレス(1MPa(10kg/cm2))、10秒間)を行った。その後、1N硝酸エタノール溶液400mL中に浸漬し12時間撹拝した(酸処理工程)。この酸処理工程を更に2回繰り返した。その後、エタノールで洗浄した。得られたガス拡散層2枚で、上記電解質膜(厚さ50μm、面積10cm2)を挟み触媒層膜複合体を得た。
(電池の作製及び試験)
上記の触媒層膜複合体を集電部を兼ねるセパレータで狭持して燃料電池を作製した。触媒層膜複合体はポリイミド樹脂からなる電解質膜と、該電解質膜の一方の面に接するアノード側触媒層及びアノード側触媒層の他面に接するアノード側撥水性集電体とからなるアノード側ガス拡散電極と、電解質膜の他方の面に接するカソード側触媒層及びカソード側触媒層の他面に接するカソード側撥水性集電体とからなるカソード側ガス拡散電極とからなる。
セパレ一夕の間を負荷を有する導線で接続し、アノード側のセパレータの反応ガス供給路から水素(200mL/分、90℃温水に通過させ加湿)を供給し、カソード側のセパレ一夕の反応ガス供給路から酸素(100mL/分、60℃温水に通過させ加湿)を供給して電池内部の温度を80℃とした。本発明による燃料電池は充分高い発電性能を有していた。
各高分子鎖中に配向部が生成されることの模式図。 各高分子鎖中に配向部と同時にプロトン伝導部位が配向されることの模式図。 本発明の高分子化合物の各繰返し単位が奏する物理的諸特性、化学的諸特性等をカテゴリー毎に示す図。 共重合体の配向性繰返し単位含有率と重量平均分子量の測定結果を示すグラフ。 共重合体の配向性繰返し単位含有率と加水分解還元粘度指数の測定結果を示すグラフ。 配向性繰返し単位を含む配向型膜のイオン伝導性の温度依存性を示すグラフ。 配向性繰返し単位を含む配向型膜のイオン伝導度の湿度依存性を示すグラフ。

Claims (9)

  1. 下記式(1)で表される基本骨格が、下記式(2)で表される4価の架橋モノマー単位によって分枝化されたことを特徴とする高分子化合物。
    Figure 2005048088
    Figure 2005048088
    (式(1)中、膜形成モノマー単位Iはtert−ブチル基を有する重合性モノマーからなる繰返し単位、膜形成モノマー単位IIは単独重合物の相転移温度(Tg)が5℃から100℃を示す重合性モノマーからなる繰返し単位、配向性モノマー単位は2個以上の芳香族環が共通の炭素間結合を介することによって平面構造の連続性を保持した形をとった縮合により2次元的な広がりをもった化学構造に重合性ビニル基が結合したモノマーからなる繰返し単位、イオン伝導性モノマー単位はビニル基からスルホン酸基までの距離が0.1nmから10nmであるイオン伝導性官能基を有するビニルモノマーからなる繰返し単位、両親媒性モノマー単位は炭素数3から12を有する弱酸性官能基を含むビニルモノマーからなる繰返し単位である。式(2)中、架橋性モノマー単位は2個以上の芳香族環が共通の炭素間結合を介することによって平面構造の連続性を保持した形をとった縮合により2次元的な広がりをもった化学構造に2個の重合性ビニル基が結合したモノマーからなる繰返し単位である。式(1)中、pは1から1000、qは0から1000、rは0から1000、xは1から1000、yは0から1000であり、高分子化合物中の基本骨格式(1)の個数は4から1000である。式(2)中、tは1から200である。)
  2. 前記式(1)で表される基本骨格が下記式(3)で表される基本骨格であり、前記式(2)で表される基本骨格が下記式(4)で表される4価の架橋単位であることを特徴とする請求項1に記載の高分子化合物。
    Figure 2005048088
    Figure 2005048088
    (式(3)中、pは1から1000、qは0から1000、rは0から1000、xは1から1000、yは0から1000であり、高分子化合物中の基本骨格式(3)の個数は4から1000である。式(4)中、tは1から200である。)
  3. tert−ブチル基を有する重合性モノマーからなる膜形成モノマーIと、所望により単独重合物の相転移温度(Tg)が5℃から100℃を示す重合性モノマーからなる膜形成モノマーIIと、所望により2個以上の芳香族環が共通の炭素間結合を介することによって平面構造の連続性を保持した形をとった縮合により2次元的な広がりをもった化学構造に重合性ビニル基が結合したモノマーからなる配向性モノマーと、ビニル基からスルホン酸基までの距離が0.1nmから10nmであるイオン伝導性官能基を有するビニルモノマーからなるイオン伝導性モノマーと、所望により炭素数3から12を有する弱酸性官能基を含むビニルモノマーからなる両親媒性モノマーと、2個以上の芳香族環が共通の炭素間結合を介することによって平面構造の連続性を保持した形をとった縮合により2次元的な広がりをもった化学構造に2個の重合性ビニル基が結合したモノマーからなる架橋性モノマーとを共重合することを特徴とする分枝化された高分子化合物の製造方法。
  4. 前記tert−ブチル基を有する重合性モノマーからなる膜形成モノマーIがtert−ブチルスチレンであり、前記単独重合物の相転移温度(Tg)が5℃から100℃を示す重合性モノマーからなる膜形成モノマーIIがアクリロニトリルであり、前記2個以上の芳香族環が共通の炭素間結合を介することによって平面構造の連続性を保持した形をとった縮合により2次元的な広がりをもった化学構造に2個の重合性ビニル基が結合したモノマーからなる架橋性モノマーが2,6−ジビニルナフタレンであり、前記2個以上の芳香族環が共通の炭素間結合を介することによって平面構造の連続性を保持した形をとった縮合により2次元的な広がりをもった化学構造に重合性ビニル基が結合したモノマーからなる配向性モノマーが2−ビニルナフタレンであって、これら疎水性モノマーに疎水性ラジカル重合開始剤を添加する工程と、前記ビニル基からスルホン酸基までの距離が0.1nmから10nmであるイオン伝導性官能基を有するビニルモノマーからなるイオン伝導性モノマーがアクリルアミドスルホン酸であり、前記炭素数3から12を有する弱酸性官能基を含むビニルモノマーからなる両親媒性モノマーがアクリル酸であり、これら親水性モノマーに親水性ラジカル重合開始剤を添加する工程、及び上記工程で得られた全モノマーと重合開始剤の溶解物を共重合する工程とを含むことを特徴とする請求項3に記載の分枝化された高分子化合物の製造方法。
  5. 下記式(1)で表される基本骨格が、下記式(2)で表される4価の架橋モノマー単位によって分枝化された高分子化合物と、所望により繊維集合体又は多孔質膜とからなることを特徴とする高耐久性固体高分子電解質膜。
    Figure 2005048088
    Figure 2005048088
    (式(1)中、膜形成モノマー単位Iはtert−ブチル基を有する重合性モノマーからなる繰返し単位、膜形成モノマー単位IIは単独重合物の相転移温度(Tg)が5℃から100℃を示す重合性モノマーからなる繰返し単位、配向性モノマー単位は2個以上の芳香族環が共通の炭素間結合を介することによって平面構造の連続性を保持した形をとった縮合により2次元的な広がりをもった化学構造に重合性ビニル基が結合したモノマーからなる繰返し単位、イオン伝導性モノマー単位はビニル基からスルホン酸基までの距離が0.1nmから10nmであるイオン伝導性官能基を有するビニルモノマーからなる繰返し単位、両親媒性モノマー単位は炭素数3から12を有する弱酸性官能基を含むビニルモノマーからなる繰返し単位である。式(2)中、架橋性モノマー単位は2個以上の芳香族環が共通の炭素間結合を介することによって平面構造の連続性を保持した形をとった縮合により2次元的な広がりをもった化学構造に2個の重合性ビニル基が結合したモノマーからなる繰返し単位である。式(1)中、pは1から1000、qは0から1000、rは0から1000、xは1から1000、yは0から1000であり、高分子化合物中の基本骨格式(1)の個数は4から1000である。式(2)中、tは1から200である。)
  6. 前記式(1)で表される基本骨格が下記式(3)で表される基本骨格であり、前記式(2)で表される基本骨格が下記式(4)で表される4価の架橋単位であることを特徴とする請求項5に記載の高耐久性固体高分子電解質膜。
    Figure 2005048088
    Figure 2005048088
    (式(3)中、pは1から1000、qは0から1000、rは0から1000、xは1から1000、yは0から1000であり、高分子化合物中の基本骨格式(3)の個数は4から1000である。式(4)中、tは1から200である。)
  7. 下記式(1)で表される基本骨格が、下記式(2)で表される4価の架橋モノマー単位によって分枝化された高分子化合物溶液を、所望により繊維集合体又は多孔質膜と共に、基材上に流延し、該高分子化合物溶液を乾燥させて製膜することを特徴とする高耐久性固体高分子電解質膜の製造方法。
    Figure 2005048088
    Figure 2005048088
    (式(1)中、膜形成モノマー単位Iはtert−ブチル基を有する重合性モノマーからなる繰返し単位、膜形成モノマー単位IIは単独重合物の相転移温度(Tg)が5℃から100℃を示す重合性モノマーからなる繰返し単位、配向性モノマー単位は2個以上の芳香族環が共通の炭素間結合を介することによって平面構造の連続性を保持した形をとった縮合により2次元的な広がりをもった化学構造に重合性ビニル基が結合したモノマーからなる繰返し単位、イオン伝導性モノマー単位はビニル基からスルホン酸基までの距離が0.1nmから10nmであるイオン伝導性官能基を有するビニルモノマーからなる繰返し単位、両親媒性モノマー単位は炭素数3から12を有する弱酸性官能基を含むビニルモノマーからなる繰返し単位である。式(2)中、架橋性モノマー単位は2個以上の芳香族環が共通の炭素間結合を介することによって平面構造の連続性を保持した形をとった縮合により2次元的な広がりをもった化学構造に2個の重合性ビニル基が結合したモノマーからなる繰返し単位である。式(1)中、pは1から1000、qは0から1000、rは0から1000、xは1から1000、yは0から1000であり、高分子化合物中の基本骨格式(1)の個数は4から1000である。式(2)中、tは1から200である。)
  8. 前記式(1)で表される基本骨格が下記式(3)で表される基本骨格であり、前記式(2)で表される基本骨格が下記式(4)で表される4価の架橋単位であることを特徴とする請求項5に記載の高耐久性固体高分子電解質膜の製造方法。
    Figure 2005048088
    Figure 2005048088
    (式(3)中、pは1から1000、qは0から1000、rは0から1000、xは1から1000、yは0から1000であり、高分子化合物中の基本骨格式(3)の個数は4から1000である。式(4)中、tは1から200である。)
  9. 請求項5又は6に記載の高耐久性固体高分子電解質膜と、該電解質膜の両面を挟持する反応極と、該反応極を挟持するセパレータからなる燃料電池セルを単層又は複数積層したことを特徴とする固体高分子型燃料電池。
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