JP2005047835A - 医薬組成物 - Google Patents
医薬組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005047835A JP2005047835A JP2003204048A JP2003204048A JP2005047835A JP 2005047835 A JP2005047835 A JP 2005047835A JP 2003204048 A JP2003204048 A JP 2003204048A JP 2003204048 A JP2003204048 A JP 2003204048A JP 2005047835 A JP2005047835 A JP 2005047835A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- steroid
- pharmaceutical composition
- acceptable salt
- copd
- prednisolone
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Landscapes
- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ホスホジエステラーゼIV阻害剤(PDE−IV阻害剤)とステロイド剤とを含有する医薬組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、含酸素複素環化合物またはその薬理学的に許容される塩をPDE−IV阻害剤として用いることが知られている(特許文献1、2参照)。
一方、PDE−IV阻害剤とステロイド剤との併用が、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの呼吸器疾患の治療に有用であることが知られている(特許文献3参照)。
【0003】
【特許文献1】
国際公開第98/22455号パンフレット
【0004】
【特許文献2】
国際公開第00/14085号パンフレット
【0005】
【特許文献3】
国際公開第01/32127号パンフレット
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、含酸素複素環化合物またはその薬理学的に許容される塩とステロイド剤とを含有する医薬組成物などを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下の(1)〜(21)に関する。
(1) (a)一般式(I)
【0008】
【化3】
【0009】
{式中、mは0〜4の整数を表し、R1、R2、R3およびR4は同一または異なって、水素原子、低級アルキル、シクロアルキル、低級アルケニル、シクロアルケニル、アリールまたはアラルキルを表すか、R1、R2、R3およびR4の中で同一炭素原子上に存在する2つの基がその炭素原子と一緒になってスピロ飽和炭素環を形成するか、R1、R2、R3およびR4の中で隣接する炭素原子上に存在する2つの基が該隣接する2つの炭素原子と一緒になって飽和炭素環を形成するか、R1、R2、R3およびR4の中で隣接する炭素原子上に存在する2つの基が一緒になって結合を表し(既に存在する結合と一緒になって二重結合を形成する)、R5は非置換またはハロゲン置換の低級アルコキシを表し、R6は水素原子またはハロゲンを表し、Yは式(II)
【0010】
【化4】
【0011】
[式中、R7はシアノ、エチニルまたはカルバモイルを表し、R8は水素原子を表すか、またはR7とR8が一緒になって結合を表し(既に存在する結合と一緒になって二重結合を形成する)]または4−カルボキシフェニルを表す}で表される含酸素複素環化合物またはその薬理学的に許容される塩と(b)ステロイド剤とを含有する医薬組成物。
(2) mが0〜2の整数であり、R1、R2、R3およびR4が水素原子であるか、R1、R2、R3およびR4の中で同一炭素原子上に存在する2つの基がその炭素原子と一緒になってスピロ飽和炭素環を形成し、R6が水素原子である(1)記載の医薬組成物。
(3) mが1であり、R1、R2、R3およびR4が水素原子である(1)または(2)記載の医薬組成物。
(4) R5がメトキシである(1)〜(3)のいずれかに記載の医薬組成物。
(5) Yが式(II)である(1)〜(4)のいずれかに記載の医薬組成物。
(6) Yが4−カルボキシフェニルである(1)〜(4)のいずれかに記載の医薬組成物。
(7) R7がシアノであり、R8が水素原子である(1)〜(5)のいずれかに記載の医薬組成物。
(8) ステロイド剤がプレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾン、デキサメサゾン、プロピオン酸フルチカゾン、プロピオン酸ベクロメタゾン、ブデソニドまたはフランカルボン酸モメタゾンである(1)〜(7)のいずれかに記載の医薬組成物。
(9) (a)(1)〜(7)のいずれかに記載の含酸素複素環化合物またはその薬理学的に許容される塩を有効成分とする第1成分と(b)ステロイド剤を有効成分とする第2成分とからなる、これら2つの成分を同時にまたは時間を置いて別々に投与するための喘息もしくはCOPDの治療および/または予防剤。
(10) ステロイド剤がプレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾン、デキサメサゾン、プロピオン酸フルチカゾン、プロピオン酸ベクロメタゾン、ブデソニドまたはフランカルボン酸モメタゾンである(9)記載の喘息もしくはCOPDの治療および/または予防剤。
(11) (a)(1)〜(7)のいずれかに記載の含酸素複素環化合物またはその薬理学的に許容される塩を含有する第1成分と、(b)ステロイド剤を含有する第2成分を含有することを特徴とする薬物キット。
(12) ステロイド剤がプレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾン、デキサメサゾン、プロピオン酸フルチカゾン、プロピオン酸ベクロメタゾン、ブデソニドまたはフランカルボン酸モメタゾンである(11)記載の薬物キット。
(13) (a)(1)〜(7)のいずれかに記載の含酸素複素環化合物またはその薬理学的に許容される塩を含有する第1成分と、(b)ステロイド剤を含有する第2成分を含有することを特徴とする喘息もしくはCOPDの治療および/または予防用薬物キット。
(14) ステロイド剤がプレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾン、デキサメサゾン、プロピオン酸フルチカゾン、プロピオン酸ベクロメタゾン、ブデソニドまたはフランカルボン酸モメタゾンである(13)記載の喘息もしくはCOPDの治療および/または予防用薬物キット。
(15) ステロイド剤と同時にまたは時間を置いて別々に投与するための(1)〜(7)のいずれかに記載の含酸素複素環化合物またはその薬理学的に許容される塩。
(16) ステロイド剤がプレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾン、デキサメサゾン、プロピオン酸フルチカゾン、プロピオン酸ベクロメタゾン、ブデソニドまたはフランカルボン酸モメタゾンである(15)記載の含酸素複素環化合物またはその薬理学的に許容される塩。
(17) ステロイド剤と同時にまたは時間を置いて別々に投与するための、(1)〜(7)のいずれかに記載の含酸素複素環化合物またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物。
(18) ステロイド剤がプレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾン、デキサメサゾン、プロピオン酸フルチカゾン、プロピオン酸ベクロメタゾン、ブデソニドまたはフランカルボン酸モメタゾンである(17)記載の医薬組成物。
(19) (a)(1)〜(7)のいずれかに記載の含酸素複素環化合物またはその薬理学的に許容される塩および(b)ステロイド剤を同時にまたは時間を置いて別々に投与することを特徴とする喘息もしくはCOPDの治療および/または予防方法。
(20) ステロイド剤がプレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾン、デキサメサゾン、プロピオン酸フルチカゾン、プロピオン酸ベクロメタゾン、ブデソニドまたはフランカルボン酸モメタゾンである(19)記載の喘息もしくはCOPDの治療および/または予防方法。
(21) (1)〜(8)、(17)および(18)のいずれかに記載の医薬組成物を投与することを特徴とする喘息もしくはCOPDの治療および/または予防方法。
【0012】
以下、一般式(I)で表される化合物を化合物(I)という。
【0013】
【発明の実施の形態】
一般式(I)の各基の定義において、低級アルキルおよび低級アルコキシの低級アルキル部分としては、例えば直鎖または分岐状の炭素数1〜8のアルキル、具体的にはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチルなどがあげられる。
【0014】
シクロアルキルとしては、例えば炭素数3〜10のシクロアルキル、具体的にはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシルなどがあげられる。
低級アルケニルとしては、例えば直鎖または分岐状の炭素数2〜8のアルケニル、具体的にはビニル、1−プロペニル、アリル、メタクリル、1−ブテニル、クロチル、ペンテニル、イソプレニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニルなどがあげられる。
【0015】
シクロアルケニルとしては、例えば炭素数4〜10のシクロアルケニル、具体的にはシクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニル、シクロノネニル、シクロデセニルなどがあげられる。
アリールとしては、例えば炭素数6〜18のアリール、具体的にはフェニル、ナフチル、アントラニルなどがあげられ、アラルキルとしては、例えば炭素数7〜15のアラルキル、具体的にはベンジル、フェネチル、ベンズヒドリル、ナフチルメチルなどがあげられる。
【0016】
同一炭素原子上に存在する2つの基がその炭素原子と一緒になって形成するスピロ飽和炭素環および隣接する炭素原子上に存在する2つの基が該隣接する2つの炭素原子と一緒になって形成する飽和炭素環としては、例えば炭素数3〜10の飽和炭素環、具体的にはシクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン、シクロデカンなどがあげられる。
【0017】
ハロゲンおよびハロゲン置換の低級アルコキシにおけるハロゲンは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素の各原子を意味する。
化合物(I)の薬理学的に許容される塩は、薬理学的に許容される酸付加塩、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン付加塩、アミノ酸付加塩などを包含する。
化合物(I)の薬理学的に許容される酸付加塩としては、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩などの無機酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩などの有機酸塩があげられ、薬理学的に許容される金属塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩などのアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩などのアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、亜鉛塩などがあげられ、薬理学的に許容されるアンモニウム塩としては、アンモニウム、テトラメチルアンモニウムなどの塩があげられ、薬理学的に許容される有機アミン付加塩としては、モルホリン、ピペリジンなどの付加塩があげられ、薬理学的に許容されるアミノ酸付加塩としては、グリシン、フェニルアラニン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸などの付加塩があげられる。
【0018】
次に、化合物(I)の製造方法について説明する。
化合物(I)は、国際公開第98/22455号パンフレットもしくは国際公開第00/14085号パンフレットに記載の方法またはそれらに準じて製造することができる。
化合物(I)には、互変異性体などの立体異性体が存在し得るが、本発明の医薬組成物、喘息もしくはCOPDの治療および/または予防剤、薬物キット、喘息もしくはCOPDの治療および/または予防用薬物キットならびに喘息もしくはCOPDの治療および/または予防方法には、これらを含め、全ての可能な異性体およびそれらの混合物を使用することができ、本発明の化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩には、これらを含め全ての可能な異性体およびそれらの混合物が包含される。
【0019】
化合物(I)の塩を取得したいとき、化合物(I)が塩の形で得られるときはそのまま精製すればよく、また、遊離の形で得られるときは、化合物(I)を適当な溶媒に溶解または懸濁し、酸または塩基を加えて単離、精製すればよい。
また、化合物(I)およびその薬理学的に許容される塩は、水または各種溶媒との付加物の形で存在することもあるが、これらの付加物も本発明の医薬組成物、喘息もしくはCOPDの治療および/または予防剤、薬物キット、喘息もしくはCOPDの治療および/または予防用薬物キットならびに喘息もしくはCOPDの治療および/または予防方法に使用することができ、本発明の化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩に包含される。
【0020】
化合物(I)の具体例を第1表に示す。
【0021】
【表1】
【0022】
ステロイド剤としては、炎症起因物質であるサイトカイン、マスト細胞、好酸球などの減少作用、炎症細胞の遊走または活性化の抑制作用などを有するステロイド誘導体またはその薬理学的に許容される塩であればいずれでもよいが、それぞれ式(A)〜(E)で表されるプレドニゾロン(prednisolone)、メチルプレドニゾロン(methylprednisolone)、リン酸プレドニゾロンナトリウム(prednisolone soduim phophate)、酢酸メチルプレドニゾロン(prednisolone acetate)、コハク酸メチルプレドニゾロン(prednisolone succinate)などのプレドニゾロン類、
【0023】
【化5】
【0024】
式(F)で表されるプロピオン酸フルチカゾン(fluticasone propinate)、式(G)で表されるプロピオン酸ベクロメタゾン(beclometasone dipropionate)、式(H)で表されるブデソニド(budesonide)、式(J)で表されるフルニソリド(flunisolide)、式(K)で表されるフランカルボン酸モメタゾン(mometasone furoate)、
【0025】
【化6】
【0026】
式(L)〜(O)で表される酢酸コルチゾン(cortisone acetate)、ヒドロコルチゾン(hydrocortisone)、コハク酸ヒドロコルチゾン(hydrocortisone succinate)、酢酸フルドロコルチゾン(fludrocortisone acetate)などのコルチゾン類、
【0027】
【化7】
【0028】
式(P)〜(S)で表されるデキサメタゾン(dexamethazone)、プロピオン酸デキサメタゾン(dexamethazone propionate)、リン酸デキサメタゾンナトリウム(dexamethazone sodium phosphate)、パルミチン酸デキサメタゾン(dexamethazone palmitate)などのデキサメタゾン類、
【0029】
【化8】
【0030】
式(T)〜(U)で表されるベタメタゾン(betametasone)、ジプロピオン酸ベタメタゾン(betametasone dipropionate)などのベタメタゾン類、式(V)で表されるトリアムシノロン(tiramcinolone)、式(W)で表されるトリアムシノロンアセトニド(triamcinolone acetonide)、式(X)で表される酢酸パラメタゾン(parametasone acetate)、式(Y)で表されるプレドノゾン(prednisone)、酢酸ハロプレドン(halopredone acetate)などがあげられ、好ましくはプレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾン、デキサメサゾン、プロピオン酸フルチカゾン、プロピオン酸ベクロメタゾン、ブデソニド、フランカルボン酸モメタゾンなどがあげられる。また、これらは単独でも組み合わされていてもよい。
【0031】
【化9】
【0032】
これらのステロイド剤は、薬理学的に許容される塩(該薬理学的に許容される塩としては、前記化合物(I)の薬理学的に許容される塩として例示した塩などがあげられる)またはそれらの水和物として存在することもあるが、本発明の医薬組成物、喘息もしくはCOPDの治療および/または予防剤、薬物キット、喘息もしくはCOPDの治療および/または予防用薬物キットならびに喘息もしくはCOPDの治療および/または予防方法には、これらも使用することができる。また、これらステロイド剤には、1つまたはそれ以上の不斉炭素などが存在し、2つ以上の立体異性体として存在するものもあるが、本発明の医薬組成物、喘息もしくはCOPDの治療および/または予防剤、薬物キット、喘息もしくはCOPDの治療および/または予防用薬物キットならびに喘息もしくはCOPDの治療および/または予防方法には、これらを含め、全ての可能な異性体およびそれらの混合物を使用することができる。
【0033】
本発明の医薬組成物および薬物キットは、例えば呼吸器疾患の治療などに使用することができ、より具体的には喘息、気管支喘息、COPD、肺気腫、慢性気管支炎、成人呼吸促迫症候群、間質性肺炎、肺繊維症、好酸球性肺炎などの治療に使用することができる。
本発明の医薬組成物、薬物キット、喘息もしくはCOPDの治療および/または予防剤あるいは喘息もしくはCOPDの治療および/または予防用薬物キットで使用される化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩とステロイド剤は、これらの有効成分をそれぞれ含有するように製剤化したものであれば、単剤(合剤)としてでも複数の製剤の組み合わせとしてでも使用または投与することができるが、中でも2つ以上の製剤の組み合わせが好ましい。複数の製剤の組み合わせとして使用または投与する際には、これら複数の製剤を同時にまたは時間を置いて別々に使用または投与することができる。これら製剤は、例えば錠剤、注射剤、またはドライパウダー、エアロゾルなどの吸入剤などの形態で用いることが好ましい。
【0034】
複数の製剤の組み合わせとして投与する際には、例えば(a)化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩を含有する第1成分と、(b)ステロイド剤を含有する第2成分とを、それぞれ上記のように別途製剤化し、それぞれの製剤からなる薬物キットとして作成しておき、このキットを用いてそれぞれの成分を同時にまたは時間を置いて、同一対象に対して同一経路または異なった経路で投与することもできる。
【0035】
該キットは、例えば保存する際に外部の温度や光による内容物の変性、容器からの化学成分の溶出などがみられない容器であれば材質、形状などは特に限定されない2つ以上の容器(例えばバイアル、バッグなど)と内容物とからなり、内容物である上記第1成分と第2成分が別々の経路(例えばチューブなど)または同一の経路を介して経口投与、または注射、吸入などによる非経口投与可能な形態を有するものが好ましい。具体的には、錠剤、注射剤、吸入剤などのキットが例示される。また、吸入剤のキットにおいては、一般的に使用される定量噴霧式吸入器(MDI)、粉末吸入器などと組み合わせることもでき、上記第1成分と第2成分の投与のための1つまたはそれ以上の吸入装置が含まれていてもよい。例えば、上記第1成分の有効用量単位を含むドライパウダーを含むカプセルおよび上記第2成分の有効用量単位を含むドライパウダーを含むカプセルと共に、カプセルからのドライパウダーの送達に適合する1つまたはそれ以上のドライパウダー吸入装置などが含まれていてもよい。また、薬剤貯蔵部分が上記第1成分のドライパウダーを含む薬剤貯蔵部分と上記第2成分のドライパウダーを含む薬剤貯蔵部分からなる多用量ドライパウダー吸入器(MDPI)も当該キットに含まれる。
【0036】
また、本発明の喘息もしくはCOPDの治療および/または予防方法は、上記で記載した化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩とステロイド剤の使用または投与方法と同様にして実施できる。すなわち、化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩とステロイド剤を、それぞれの有効成分を含有するように製剤化し、例えば単剤としてまたは複数の製剤の組み合わせとして、好ましくは2つ以上の製剤を組み合わせて投与することにより実施できる。複数の製剤を組み合わせて投与する際には、これら製剤は、同時にまたは時間を置いて別々に投与することができ、上記で記載したような薬物キットを用いて投与することもできる。
【0037】
次に、化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩とステロイド剤の双方を投与することによる喘息もしくはCOPDの治療および/または予防効果について試験例により具体的に説明する。
試験例1:抗原抗体反応により誘発される好酸球および好中球浸潤に対する抑制作用
5−7週齢のBrown Norway(BN)ラット(雌性;日本チャールスリバー、神奈川)を実験に用いた。少なくとも1週間の検疫・馴化の後、6−8週齢で試験を開始した。動物は室温19〜25℃、湿度30〜70%、一日12時間照明(午前7時〜午後7時)の飼育環境条件下で飼育した。
【0038】
上記BNラットを、卵白アルブミン(OVA;Sigma、St.Louis、MO、USA)1mgおよび水酸化アルミニウム(和光純薬工業、大阪)100mgを含む生理食塩水溶液1mLを腹腔内投与し、さらに2日目に同様に腹腔内投与することにより感作した。1回目の感作後14日目に、感作したラットを噴霧用プラスチックケージに入れ、超音波ネブライザー(NE−U12、オムロン、東京)を用いて1重量/容量%のOVA生理食塩水溶液を25分間噴霧することにより反応を惹起した。化合物2を、ミキサーおよびソニケーターを用いて0.5重量/容量%メチルセルロース400(MC)水溶液に懸濁し、2mg/mLの濃度の懸濁液(化合物2懸濁液)として、OVA生理食塩水溶液の噴霧1時間前に5mL/kg経口投与した(化合物2単独投与群)。プレドニゾロンは、乳鉢を用いて0.5重量/容量%MC水溶液に懸濁し、0.6mg/mLの濃度の懸濁液(プレドニゾロン懸濁液)として、OVA生理食塩水溶液の噴霧1時間前に5mL/kg経口投与した(プレドニゾロン単独投与群)。さらに、上記の化合物2懸濁液および0.6mg/mLのプレドニゾロン懸濁液をOVA生理食塩水溶液の噴霧1時間前にそれぞれ5mL/kg経口投与する群を設けた(化合物2+プレドニゾロン併用群)。また、溶媒投与群として、各薬物懸濁液の代りに0.5重量/容量%MC水溶液をOVA生理食塩水溶液の噴霧1時間前に10mL/kg経口投与した群を設けた。一方、非抗原刺激群としてOVA生理食塩水溶液の代りに生理食塩水溶液のみを同様に噴霧し、0.5重量/容量%MC水溶液を5mL/kgまたは10mL/kg経口投与した群を設けた。OVA生理食塩水溶液または生理食塩水溶液の噴霧24時間後に気管支肺胞洗浄(BAL)を行った。すなわち、ラットをペントバルビタールの腹腔内投与により麻酔した後、気管カニューレを介して0.01重量/容量%のエチレンジアミン四酢酸−二ナトリウム塩(EDTA−2Na)を含むハンクス液(Hanks balanced salt solution(HBSS、Life Technologies、ニューヨーク、USA)を4mL注入し、約15秒後に回収した。この操作を計2回繰り返して、気管支肺胞洗浄液(BALF)とした。BALFを遠心(毎分950回転(200x g)、10分間、4℃)した後、取得した細胞を上記のハンクス液(0.5mL)に懸濁した。BALF中の総白血球数を自動血球カウンター(Celltacα MEK−6158、日本光電、東京)を用いて計数した。また、サイトスピンIII(Cytospin III;Shandon,Pittsburgh,PA,USA)を用いて塗抹標本を作製し、ライト染色を行い、光学顕微鏡にて細胞300個を観察し、この中の好酸球数および好中球数を計数した。
【0039】
BALF中の好酸球数は次の計算式で求めた。
【0040】
【数1】
【0041】
化合物2単独投与、プレドニゾロン単独投与および化合物2+プレドニゾロン併用投与による肺胞内への好酸球浸潤の抑制率(%)は次の計算式から算出した。
【0042】
【数2】
【0043】
結果を第2表に示す。
【0044】
【表2】
【0045】
化合物2(10mg/kg)とプレドニゾロン(3mg/kg)の併用投与により、それぞれの単独投与の場合と比較して、より強い好酸球浸潤抑制作用が確認された。
一方、BALF中の好中球数は次の計算式で求めた。
【0046】
【数3】
【0047】
化合物2単独投与、プレドニゾロン単独投与および化合物2+プレドニゾロン併用投与による肺胞内への好中球浸潤の抑制率(%)は次の計算式から算出した。
【0048】
【数4】
【0049】
いずれの投与群においても、好中球浸潤の抑制効果が認められ、その抑制率はプレドニゾロン投与群では、48.2%であったのに対し、化合物2+プレドニゾロン併用投与群では80.7%であった。
気管支喘息は好酸球性の気道炎症を特徴とした疾患であり[クリニカル・エクスペリメンタル・アラージー(Clin.Exp.All.)、2002年、32巻、p.162]、肺組織およびBALFへの著明な好酸球浸潤が認められることが知られている。
【0050】
上記試験の結果は、化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩とステロイド剤を併用投与することにより気管支喘息に伴う肺胞内への炎症性細胞(好酸球)の浸潤を抑制できることを示している。すなわち、化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩とステロイド剤の併用投与は、気管支喘息など気管支疾患の治療および/または予防に有効であると考えられる。
【0051】
また、慢性気管支炎患者から得られるBALF中には、多くの好中球が認められること[アメリカン・レビュー・オブ・レスピラトリー・ディジーズ(Am.Rev.Respir.Dis.)、1989年、第140巻、p.1527]、肺気腫の発症には、好中球が放出するエラスターゼが重要な役割を担っていること[ユーロピアン・レスピラトリー・ジャーナル(Eur.Respir.J.)、1985年、第132巻、p.1155]などから、化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩とステロイド剤の併用投与は、慢性気管支炎や肺気腫などのCOPDの治療および/または予防に対しても有用であると考えられる。
【0052】
一方、ステロイド剤は強力な抗炎症作用を示し、気管支喘息などの治療剤として優れた薬剤であるが、口腔咽頭、骨代謝などへの悪影響、小児での成長障害などの重篤な副作用が報告されている[「アメリカン・ジャーナル・オブ・レスピラトリー・アンド・クリティカル・ケアー・メディシン(Am.J.Respir.Crit.Care Med.)」、1998年、157巻、p.S1]。
【0053】
上記試験の結果は、化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩とステロイド剤の併用により、従来喘息またはCOPDなどの呼吸器疾患の治療に用いられているステロイド剤の用量を低減できることを示している。すなわち、本発明の、医薬組成物、喘息もしくはCOPDの治療および/または予防剤、薬物キットあるいは喘息もしくはCOPDの治療および/または予防用薬物キットにより、喘息またはCOPDなどの呼吸器疾患の治療に用いるステロイド剤の投与量を低減でき、従来単剤で得られていた作用の向上だけでなく、上記の副作用を軽減できることが期待される。
【0054】
上述したように、本発明に使用される医薬組成物あるいは喘息もしくはCOPDの治療および/または予防剤は、化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩とステロイド剤それぞれの有効成分を含有するように製剤化したものであれば、単剤としてでも複数の製剤の組み合わせとしてでも使用、投与または製造することができる。これらの医薬組成物あるいは喘息もしくはCOPDの治療および/または予防剤は、錠剤などの経口的または吸入剤、注射剤などの非経口的投与に対して適する単位服用形態にあることが望ましい。また、複数の製剤の組み合わせとして使用または投与する際には、これら複数の製剤を同時にまたは時間を置いて別々に使用または投与することができる。
【0055】
これら製剤は、それぞれ有効成分の他に製剤学的に許容される希釈剤、賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、結合剤、界面活性剤、水、生理食塩水、植物油可溶化剤、等張化剤、保存剤、抗酸化剤などを適宜用いて常法により製造することができる。
例えば、錠剤の調製にあたっては、例えば乳糖などの賦形剤、澱粉などの崩壊剤、ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤、ヒドロキシプロピルセルロースなどの結合剤、脂肪酸エステルなどの界面活性剤、グリセリンなどの可塑剤などを常法に従って用いればよい。
【0056】
注射剤の調製にあたっては、水、生理食塩水、大豆油などの植物油、溶剤、可溶化剤、等張化剤、保存剤、抗酸化剤などを常法により用いればよい。
また、吸入剤は活性成分を粉末または液状にして、吸入噴射剤または担体中に配合し、適当な吸入容器に充填することにより製造される。また上記活性成分が粉末の場合は通常の機械的粉末吸入器を、液状の場合はネブライザーなどの吸入器をそれぞれ使用することもできる。ここで吸入噴射剤としては、従来公知のものを広く使用することができ、例えばフロン−11、フロン−12、フロン−21、フロン−22、フロン−113、フロン−114、フロン−123、フロン−142c、フロン−134a、フロン−227、フロン−C318、1,1,1,2−テトラフルオロエタンなどのフロン系ガス、HFA−227、HFA−134aなどの代替フロンガス、プロパン、イソブタン、n−ブタンなどの炭化水素系ガス、ジエチルエーテル、窒素ガス、炭酸ガスなどがあげられる。担体としては、従来公知のものを広く使用でき、例えば糖類、糖アルコール類、アミノ酸類などがあげられ、乳糖、D−マンニトールなどが好ましい。さらに必要に応じて、上記に例示した希釈剤、防腐剤、フレーバー類、賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、結合剤、界面活性剤、可塑剤などから選択される1種もしくはそれ以上の補助成分を添加することもできる。
【0057】
本発明の医薬組成物、薬物キット、喘息もしくはCOPDの治療および/または予防剤、喘息もしくはCOPDの治療および/または予防用薬物キットあるいは喘息もしくはCOPDの治療および/または予防方法で使用される(a)化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩と(b)ステロイド剤との用量比(重量/重量)は、使用するステロイド剤との組み合わせ、ステロイド剤の効力、投与形態、患者の年齢、体重、症状などに応じて適宜調整すればよいが、具体的には例えば1/50000(化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩/ステロイド剤)〜100000/1、好ましくは1/10000〜50000/1、より好ましくは1/10000〜10000/1の間の比である。
【0058】
上記の目的で、化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩とステロイド剤を複数の製剤の組み合わせとして使用または投与する場合には、それぞれの用量および投与回数は、投与形態、患者の年齢、体重、症状などにより異なるが、通常一日当たり、化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩とステロイド剤を、以下の用量で投与するのが好ましい。
【0059】
経口的に例えば錠剤として投与する場合、化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩とステロイド剤を、成人一人当たり、それぞれ0.01〜1000mgと0.01〜500mg、好ましくは0.01〜500mgと0.01〜100mg、さらに好ましくは0.01〜100mgと0.01〜100mgを、通常一日一回ないし数回にわけて、同時にまたは時間を置いて別々に投与する。
【0060】
非経口的に例えば注射剤または吸入剤として投与する場合、化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩とステロイド剤を、成人一人当たり、それぞれ1μg〜1000mgと0.1μg〜50mg、好ましくは1μg〜300mgと0.1μg〜30mg、さらに好ましくは1μg〜100mgと0.1μg〜30mgを通常一日一回ないし数回にわけて、同時にまたは時間を置いて別々に投与する。
【0061】
また、化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩とステロイド剤をそれぞれ異なる投与形態で投与することも可能である。
さらに、上記の目的で、化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩とステロイド剤を含有する組成物を単剤として使用または投与する場合には、それぞれの用量および投与回数は含まれるステロイド剤の効力、投与形態、患者の年齢、体重、症状などにより異なるが、上記の複数の製剤の組み合わせとして使用または投与する場合のそれぞれの用量で1つの製剤として調製し、使用または投与するのが好ましい。
【0062】
以下に、本発明の態様を実施例で説明するが、本発明の範囲はこれら実施例により限定されることはない。
【0063】
【実施例】
実施例1:錠剤(化合物1)
常法により、次の組成からなる錠剤を調製する。化合物1、40g、乳糖286.8gおよび馬鈴薯澱粉60gを混合し、これにヒドロキシプロピルセルロースの10%水溶液120gを加える。この混合物を常法により練合し、造粒して乾燥させた後、整粒し打錠用顆粒とする。これにステアリン酸マグネシウム1.2gを加えて混合し、径8mmの杵をもった打錠機(菊水社製RT−15型)で打錠を行って、錠剤(1錠あたり活性成分20mgを含有する)を得る。
実施例2:錠剤(プレドニゾロン)
常法により、次の組成からなる錠剤を調製する。プレドニゾロン40g、乳糖286.8gおよび馬鈴薯澱粉60gを混合し、これにヒドロキシプロピルセルロースの10%水溶液120gを加える。この混合物を常法により練合し、造粒して乾燥させた後、整粒し打錠用顆粒とする。これにステアリン酸マグネシウム1.2gを加えて混合し、径8mmの杵をもった打錠機(菊水社製RT−15型)で打錠を行って、錠剤(1錠あたり活性成分20mgを含有する)を得る。
実施例3:錠剤(化合物2とプレドニゾロンの単剤)
常法により、次の組成からなる錠剤を調製する。化合物2、40g、プレドニゾロン40g、乳糖246.8gおよび馬鈴薯澱粉60gを混合し、これにヒドロキシプロピルセルロースの10%水溶液120gを加える。この混合物を常法により練合し、造粒して乾燥させた後、整粒し打錠用顆粒とする。これにステアリン酸マグネシウム1.2gを加えて混合し、径8mmの杵をもった打錠機(菊水社製RT−15型)で打錠を行って、錠剤(1錠あたり化合物2、20mgおよびプレドニゾロン20mgを含有する)を得る。
実施例4:注射剤(化合物3)
常法により、次の組成からなる注射剤を調製する。化合物3、1gおよびD−マンニトール5gを注射用蒸留水に添加して混合し、さらに塩酸水溶液および水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを6に調整した後、注射用蒸留水で全量を1000mLとする。得られた混合液をガラスバイアルに2mLずつ無菌的に充填して、注射剤(1バイアルあたり活性成分2mgを含有する)を得る。
実施例5:注射剤(メチルプレドニゾロン)
常法により、次の組成からなる注射剤を調製する。メチルプレドニゾロン1gおよびD−マンニトール5gを注射用蒸留水に添加して混合し、さらに塩酸水溶液および水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを6に調整した後、注射用蒸留水で全量を1000mLとする。得られた混合液をガラスバイアルに2mLずつ無菌的に充填して、注射剤(1バイアルあたり活性成分2mgを含有する)を得る。
実施例6:注射剤(化合物4とメチルプレドニゾロンの単剤)
常法により、次の組成からなる注射剤を調製する。化合物4、1g、メチルプレドニゾロン1gおよびD−マンニトール5gを注射用蒸留水に添加して混合し、さらに塩酸水溶液および水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを6に調整した後、注射用蒸留水で全量を1000mLとする。得られた混合液をガラスバイアルに2mLずつ無菌的に充填して、注射剤(1バイアル当たり、化合物4、2mgおよびメチルプレドニゾロン2mgを含有する)を得る。
実施例7:ドライパウダー吸入剤(化合物2)
常法により、次の組成からなるドライパウダー吸入剤を調製する。ジェットミルを用いて、化合物2を粉砕する(体積平均粒子径:5〜20μm)。得られた化合物2の粉砕物と乳糖(Pharmatose325M;登録商標、DMV社製)とを重量比1:5で混合し、ドライパウダー製剤を得る。該製剤は慣用のドライパウダー吸入器により、投与が可能である。
実施例8:ドライパウダー吸入剤(ブデソニド)
常法により、次の組成からなるドライパウダー吸入剤を調製する。ジェットミルを用いて、ブデソニドを粉砕する(体積平均粒子径:5〜20μm)。得られたブデソニドの粉砕物と乳糖(Pharmatose325M;登録商標、DMV社製)とを重量比1:10で混合し、ドライパウダー製剤を得る。該製剤は慣用のドライパウダー吸入器により、投与が可能である。
実施例9:ドライパウダー吸入剤(化合物1とブデソニドの単剤)
常法により、次の組成からなるドライパウダー吸入剤を調製する。ジェットミルを用いて、化合物1とブデソニドをそれぞれ粉砕する(体積平均粒子径:共に5〜20μm)。得られた化合物1とブデソニドのそれぞれの粉砕物と乳糖(Pharmatose325M;登録商標、DMV社製)とを重量比2:1:10で混合し、ドライパウダー製剤を得る。該製剤は慣用のドライパウダー吸入器により、投与が可能である。
【0064】
【発明の効果】
本発明により、化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩とステロイド剤とを含有する医薬組成物などが提供される。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ホスホジエステラーゼIV阻害剤(PDE−IV阻害剤)とステロイド剤とを含有する医薬組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、含酸素複素環化合物またはその薬理学的に許容される塩をPDE−IV阻害剤として用いることが知られている(特許文献1、2参照)。
一方、PDE−IV阻害剤とステロイド剤との併用が、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの呼吸器疾患の治療に有用であることが知られている(特許文献3参照)。
【0003】
【特許文献1】
国際公開第98/22455号パンフレット
【0004】
【特許文献2】
国際公開第00/14085号パンフレット
【0005】
【特許文献3】
国際公開第01/32127号パンフレット
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、含酸素複素環化合物またはその薬理学的に許容される塩とステロイド剤とを含有する医薬組成物などを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下の(1)〜(21)に関する。
(1) (a)一般式(I)
【0008】
【化3】
【0009】
{式中、mは0〜4の整数を表し、R1、R2、R3およびR4は同一または異なって、水素原子、低級アルキル、シクロアルキル、低級アルケニル、シクロアルケニル、アリールまたはアラルキルを表すか、R1、R2、R3およびR4の中で同一炭素原子上に存在する2つの基がその炭素原子と一緒になってスピロ飽和炭素環を形成するか、R1、R2、R3およびR4の中で隣接する炭素原子上に存在する2つの基が該隣接する2つの炭素原子と一緒になって飽和炭素環を形成するか、R1、R2、R3およびR4の中で隣接する炭素原子上に存在する2つの基が一緒になって結合を表し(既に存在する結合と一緒になって二重結合を形成する)、R5は非置換またはハロゲン置換の低級アルコキシを表し、R6は水素原子またはハロゲンを表し、Yは式(II)
【0010】
【化4】
【0011】
[式中、R7はシアノ、エチニルまたはカルバモイルを表し、R8は水素原子を表すか、またはR7とR8が一緒になって結合を表し(既に存在する結合と一緒になって二重結合を形成する)]または4−カルボキシフェニルを表す}で表される含酸素複素環化合物またはその薬理学的に許容される塩と(b)ステロイド剤とを含有する医薬組成物。
(2) mが0〜2の整数であり、R1、R2、R3およびR4が水素原子であるか、R1、R2、R3およびR4の中で同一炭素原子上に存在する2つの基がその炭素原子と一緒になってスピロ飽和炭素環を形成し、R6が水素原子である(1)記載の医薬組成物。
(3) mが1であり、R1、R2、R3およびR4が水素原子である(1)または(2)記載の医薬組成物。
(4) R5がメトキシである(1)〜(3)のいずれかに記載の医薬組成物。
(5) Yが式(II)である(1)〜(4)のいずれかに記載の医薬組成物。
(6) Yが4−カルボキシフェニルである(1)〜(4)のいずれかに記載の医薬組成物。
(7) R7がシアノであり、R8が水素原子である(1)〜(5)のいずれかに記載の医薬組成物。
(8) ステロイド剤がプレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾン、デキサメサゾン、プロピオン酸フルチカゾン、プロピオン酸ベクロメタゾン、ブデソニドまたはフランカルボン酸モメタゾンである(1)〜(7)のいずれかに記載の医薬組成物。
(9) (a)(1)〜(7)のいずれかに記載の含酸素複素環化合物またはその薬理学的に許容される塩を有効成分とする第1成分と(b)ステロイド剤を有効成分とする第2成分とからなる、これら2つの成分を同時にまたは時間を置いて別々に投与するための喘息もしくはCOPDの治療および/または予防剤。
(10) ステロイド剤がプレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾン、デキサメサゾン、プロピオン酸フルチカゾン、プロピオン酸ベクロメタゾン、ブデソニドまたはフランカルボン酸モメタゾンである(9)記載の喘息もしくはCOPDの治療および/または予防剤。
(11) (a)(1)〜(7)のいずれかに記載の含酸素複素環化合物またはその薬理学的に許容される塩を含有する第1成分と、(b)ステロイド剤を含有する第2成分を含有することを特徴とする薬物キット。
(12) ステロイド剤がプレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾン、デキサメサゾン、プロピオン酸フルチカゾン、プロピオン酸ベクロメタゾン、ブデソニドまたはフランカルボン酸モメタゾンである(11)記載の薬物キット。
(13) (a)(1)〜(7)のいずれかに記載の含酸素複素環化合物またはその薬理学的に許容される塩を含有する第1成分と、(b)ステロイド剤を含有する第2成分を含有することを特徴とする喘息もしくはCOPDの治療および/または予防用薬物キット。
(14) ステロイド剤がプレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾン、デキサメサゾン、プロピオン酸フルチカゾン、プロピオン酸ベクロメタゾン、ブデソニドまたはフランカルボン酸モメタゾンである(13)記載の喘息もしくはCOPDの治療および/または予防用薬物キット。
(15) ステロイド剤と同時にまたは時間を置いて別々に投与するための(1)〜(7)のいずれかに記載の含酸素複素環化合物またはその薬理学的に許容される塩。
(16) ステロイド剤がプレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾン、デキサメサゾン、プロピオン酸フルチカゾン、プロピオン酸ベクロメタゾン、ブデソニドまたはフランカルボン酸モメタゾンである(15)記載の含酸素複素環化合物またはその薬理学的に許容される塩。
(17) ステロイド剤と同時にまたは時間を置いて別々に投与するための、(1)〜(7)のいずれかに記載の含酸素複素環化合物またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物。
(18) ステロイド剤がプレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾン、デキサメサゾン、プロピオン酸フルチカゾン、プロピオン酸ベクロメタゾン、ブデソニドまたはフランカルボン酸モメタゾンである(17)記載の医薬組成物。
(19) (a)(1)〜(7)のいずれかに記載の含酸素複素環化合物またはその薬理学的に許容される塩および(b)ステロイド剤を同時にまたは時間を置いて別々に投与することを特徴とする喘息もしくはCOPDの治療および/または予防方法。
(20) ステロイド剤がプレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾン、デキサメサゾン、プロピオン酸フルチカゾン、プロピオン酸ベクロメタゾン、ブデソニドまたはフランカルボン酸モメタゾンである(19)記載の喘息もしくはCOPDの治療および/または予防方法。
(21) (1)〜(8)、(17)および(18)のいずれかに記載の医薬組成物を投与することを特徴とする喘息もしくはCOPDの治療および/または予防方法。
【0012】
以下、一般式(I)で表される化合物を化合物(I)という。
【0013】
【発明の実施の形態】
一般式(I)の各基の定義において、低級アルキルおよび低級アルコキシの低級アルキル部分としては、例えば直鎖または分岐状の炭素数1〜8のアルキル、具体的にはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチルなどがあげられる。
【0014】
シクロアルキルとしては、例えば炭素数3〜10のシクロアルキル、具体的にはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシルなどがあげられる。
低級アルケニルとしては、例えば直鎖または分岐状の炭素数2〜8のアルケニル、具体的にはビニル、1−プロペニル、アリル、メタクリル、1−ブテニル、クロチル、ペンテニル、イソプレニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニルなどがあげられる。
【0015】
シクロアルケニルとしては、例えば炭素数4〜10のシクロアルケニル、具体的にはシクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニル、シクロノネニル、シクロデセニルなどがあげられる。
アリールとしては、例えば炭素数6〜18のアリール、具体的にはフェニル、ナフチル、アントラニルなどがあげられ、アラルキルとしては、例えば炭素数7〜15のアラルキル、具体的にはベンジル、フェネチル、ベンズヒドリル、ナフチルメチルなどがあげられる。
【0016】
同一炭素原子上に存在する2つの基がその炭素原子と一緒になって形成するスピロ飽和炭素環および隣接する炭素原子上に存在する2つの基が該隣接する2つの炭素原子と一緒になって形成する飽和炭素環としては、例えば炭素数3〜10の飽和炭素環、具体的にはシクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン、シクロデカンなどがあげられる。
【0017】
ハロゲンおよびハロゲン置換の低級アルコキシにおけるハロゲンは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素の各原子を意味する。
化合物(I)の薬理学的に許容される塩は、薬理学的に許容される酸付加塩、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン付加塩、アミノ酸付加塩などを包含する。
化合物(I)の薬理学的に許容される酸付加塩としては、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩などの無機酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩などの有機酸塩があげられ、薬理学的に許容される金属塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩などのアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩などのアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、亜鉛塩などがあげられ、薬理学的に許容されるアンモニウム塩としては、アンモニウム、テトラメチルアンモニウムなどの塩があげられ、薬理学的に許容される有機アミン付加塩としては、モルホリン、ピペリジンなどの付加塩があげられ、薬理学的に許容されるアミノ酸付加塩としては、グリシン、フェニルアラニン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸などの付加塩があげられる。
【0018】
次に、化合物(I)の製造方法について説明する。
化合物(I)は、国際公開第98/22455号パンフレットもしくは国際公開第00/14085号パンフレットに記載の方法またはそれらに準じて製造することができる。
化合物(I)には、互変異性体などの立体異性体が存在し得るが、本発明の医薬組成物、喘息もしくはCOPDの治療および/または予防剤、薬物キット、喘息もしくはCOPDの治療および/または予防用薬物キットならびに喘息もしくはCOPDの治療および/または予防方法には、これらを含め、全ての可能な異性体およびそれらの混合物を使用することができ、本発明の化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩には、これらを含め全ての可能な異性体およびそれらの混合物が包含される。
【0019】
化合物(I)の塩を取得したいとき、化合物(I)が塩の形で得られるときはそのまま精製すればよく、また、遊離の形で得られるときは、化合物(I)を適当な溶媒に溶解または懸濁し、酸または塩基を加えて単離、精製すればよい。
また、化合物(I)およびその薬理学的に許容される塩は、水または各種溶媒との付加物の形で存在することもあるが、これらの付加物も本発明の医薬組成物、喘息もしくはCOPDの治療および/または予防剤、薬物キット、喘息もしくはCOPDの治療および/または予防用薬物キットならびに喘息もしくはCOPDの治療および/または予防方法に使用することができ、本発明の化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩に包含される。
【0020】
化合物(I)の具体例を第1表に示す。
【0021】
【表1】
【0022】
ステロイド剤としては、炎症起因物質であるサイトカイン、マスト細胞、好酸球などの減少作用、炎症細胞の遊走または活性化の抑制作用などを有するステロイド誘導体またはその薬理学的に許容される塩であればいずれでもよいが、それぞれ式(A)〜(E)で表されるプレドニゾロン(prednisolone)、メチルプレドニゾロン(methylprednisolone)、リン酸プレドニゾロンナトリウム(prednisolone soduim phophate)、酢酸メチルプレドニゾロン(prednisolone acetate)、コハク酸メチルプレドニゾロン(prednisolone succinate)などのプレドニゾロン類、
【0023】
【化5】
【0024】
式(F)で表されるプロピオン酸フルチカゾン(fluticasone propinate)、式(G)で表されるプロピオン酸ベクロメタゾン(beclometasone dipropionate)、式(H)で表されるブデソニド(budesonide)、式(J)で表されるフルニソリド(flunisolide)、式(K)で表されるフランカルボン酸モメタゾン(mometasone furoate)、
【0025】
【化6】
【0026】
式(L)〜(O)で表される酢酸コルチゾン(cortisone acetate)、ヒドロコルチゾン(hydrocortisone)、コハク酸ヒドロコルチゾン(hydrocortisone succinate)、酢酸フルドロコルチゾン(fludrocortisone acetate)などのコルチゾン類、
【0027】
【化7】
【0028】
式(P)〜(S)で表されるデキサメタゾン(dexamethazone)、プロピオン酸デキサメタゾン(dexamethazone propionate)、リン酸デキサメタゾンナトリウム(dexamethazone sodium phosphate)、パルミチン酸デキサメタゾン(dexamethazone palmitate)などのデキサメタゾン類、
【0029】
【化8】
【0030】
式(T)〜(U)で表されるベタメタゾン(betametasone)、ジプロピオン酸ベタメタゾン(betametasone dipropionate)などのベタメタゾン類、式(V)で表されるトリアムシノロン(tiramcinolone)、式(W)で表されるトリアムシノロンアセトニド(triamcinolone acetonide)、式(X)で表される酢酸パラメタゾン(parametasone acetate)、式(Y)で表されるプレドノゾン(prednisone)、酢酸ハロプレドン(halopredone acetate)などがあげられ、好ましくはプレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾン、デキサメサゾン、プロピオン酸フルチカゾン、プロピオン酸ベクロメタゾン、ブデソニド、フランカルボン酸モメタゾンなどがあげられる。また、これらは単独でも組み合わされていてもよい。
【0031】
【化9】
【0032】
これらのステロイド剤は、薬理学的に許容される塩(該薬理学的に許容される塩としては、前記化合物(I)の薬理学的に許容される塩として例示した塩などがあげられる)またはそれらの水和物として存在することもあるが、本発明の医薬組成物、喘息もしくはCOPDの治療および/または予防剤、薬物キット、喘息もしくはCOPDの治療および/または予防用薬物キットならびに喘息もしくはCOPDの治療および/または予防方法には、これらも使用することができる。また、これらステロイド剤には、1つまたはそれ以上の不斉炭素などが存在し、2つ以上の立体異性体として存在するものもあるが、本発明の医薬組成物、喘息もしくはCOPDの治療および/または予防剤、薬物キット、喘息もしくはCOPDの治療および/または予防用薬物キットならびに喘息もしくはCOPDの治療および/または予防方法には、これらを含め、全ての可能な異性体およびそれらの混合物を使用することができる。
【0033】
本発明の医薬組成物および薬物キットは、例えば呼吸器疾患の治療などに使用することができ、より具体的には喘息、気管支喘息、COPD、肺気腫、慢性気管支炎、成人呼吸促迫症候群、間質性肺炎、肺繊維症、好酸球性肺炎などの治療に使用することができる。
本発明の医薬組成物、薬物キット、喘息もしくはCOPDの治療および/または予防剤あるいは喘息もしくはCOPDの治療および/または予防用薬物キットで使用される化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩とステロイド剤は、これらの有効成分をそれぞれ含有するように製剤化したものであれば、単剤(合剤)としてでも複数の製剤の組み合わせとしてでも使用または投与することができるが、中でも2つ以上の製剤の組み合わせが好ましい。複数の製剤の組み合わせとして使用または投与する際には、これら複数の製剤を同時にまたは時間を置いて別々に使用または投与することができる。これら製剤は、例えば錠剤、注射剤、またはドライパウダー、エアロゾルなどの吸入剤などの形態で用いることが好ましい。
【0034】
複数の製剤の組み合わせとして投与する際には、例えば(a)化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩を含有する第1成分と、(b)ステロイド剤を含有する第2成分とを、それぞれ上記のように別途製剤化し、それぞれの製剤からなる薬物キットとして作成しておき、このキットを用いてそれぞれの成分を同時にまたは時間を置いて、同一対象に対して同一経路または異なった経路で投与することもできる。
【0035】
該キットは、例えば保存する際に外部の温度や光による内容物の変性、容器からの化学成分の溶出などがみられない容器であれば材質、形状などは特に限定されない2つ以上の容器(例えばバイアル、バッグなど)と内容物とからなり、内容物である上記第1成分と第2成分が別々の経路(例えばチューブなど)または同一の経路を介して経口投与、または注射、吸入などによる非経口投与可能な形態を有するものが好ましい。具体的には、錠剤、注射剤、吸入剤などのキットが例示される。また、吸入剤のキットにおいては、一般的に使用される定量噴霧式吸入器(MDI)、粉末吸入器などと組み合わせることもでき、上記第1成分と第2成分の投与のための1つまたはそれ以上の吸入装置が含まれていてもよい。例えば、上記第1成分の有効用量単位を含むドライパウダーを含むカプセルおよび上記第2成分の有効用量単位を含むドライパウダーを含むカプセルと共に、カプセルからのドライパウダーの送達に適合する1つまたはそれ以上のドライパウダー吸入装置などが含まれていてもよい。また、薬剤貯蔵部分が上記第1成分のドライパウダーを含む薬剤貯蔵部分と上記第2成分のドライパウダーを含む薬剤貯蔵部分からなる多用量ドライパウダー吸入器(MDPI)も当該キットに含まれる。
【0036】
また、本発明の喘息もしくはCOPDの治療および/または予防方法は、上記で記載した化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩とステロイド剤の使用または投与方法と同様にして実施できる。すなわち、化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩とステロイド剤を、それぞれの有効成分を含有するように製剤化し、例えば単剤としてまたは複数の製剤の組み合わせとして、好ましくは2つ以上の製剤を組み合わせて投与することにより実施できる。複数の製剤を組み合わせて投与する際には、これら製剤は、同時にまたは時間を置いて別々に投与することができ、上記で記載したような薬物キットを用いて投与することもできる。
【0037】
次に、化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩とステロイド剤の双方を投与することによる喘息もしくはCOPDの治療および/または予防効果について試験例により具体的に説明する。
試験例1:抗原抗体反応により誘発される好酸球および好中球浸潤に対する抑制作用
5−7週齢のBrown Norway(BN)ラット(雌性;日本チャールスリバー、神奈川)を実験に用いた。少なくとも1週間の検疫・馴化の後、6−8週齢で試験を開始した。動物は室温19〜25℃、湿度30〜70%、一日12時間照明(午前7時〜午後7時)の飼育環境条件下で飼育した。
【0038】
上記BNラットを、卵白アルブミン(OVA;Sigma、St.Louis、MO、USA)1mgおよび水酸化アルミニウム(和光純薬工業、大阪)100mgを含む生理食塩水溶液1mLを腹腔内投与し、さらに2日目に同様に腹腔内投与することにより感作した。1回目の感作後14日目に、感作したラットを噴霧用プラスチックケージに入れ、超音波ネブライザー(NE−U12、オムロン、東京)を用いて1重量/容量%のOVA生理食塩水溶液を25分間噴霧することにより反応を惹起した。化合物2を、ミキサーおよびソニケーターを用いて0.5重量/容量%メチルセルロース400(MC)水溶液に懸濁し、2mg/mLの濃度の懸濁液(化合物2懸濁液)として、OVA生理食塩水溶液の噴霧1時間前に5mL/kg経口投与した(化合物2単独投与群)。プレドニゾロンは、乳鉢を用いて0.5重量/容量%MC水溶液に懸濁し、0.6mg/mLの濃度の懸濁液(プレドニゾロン懸濁液)として、OVA生理食塩水溶液の噴霧1時間前に5mL/kg経口投与した(プレドニゾロン単独投与群)。さらに、上記の化合物2懸濁液および0.6mg/mLのプレドニゾロン懸濁液をOVA生理食塩水溶液の噴霧1時間前にそれぞれ5mL/kg経口投与する群を設けた(化合物2+プレドニゾロン併用群)。また、溶媒投与群として、各薬物懸濁液の代りに0.5重量/容量%MC水溶液をOVA生理食塩水溶液の噴霧1時間前に10mL/kg経口投与した群を設けた。一方、非抗原刺激群としてOVA生理食塩水溶液の代りに生理食塩水溶液のみを同様に噴霧し、0.5重量/容量%MC水溶液を5mL/kgまたは10mL/kg経口投与した群を設けた。OVA生理食塩水溶液または生理食塩水溶液の噴霧24時間後に気管支肺胞洗浄(BAL)を行った。すなわち、ラットをペントバルビタールの腹腔内投与により麻酔した後、気管カニューレを介して0.01重量/容量%のエチレンジアミン四酢酸−二ナトリウム塩(EDTA−2Na)を含むハンクス液(Hanks balanced salt solution(HBSS、Life Technologies、ニューヨーク、USA)を4mL注入し、約15秒後に回収した。この操作を計2回繰り返して、気管支肺胞洗浄液(BALF)とした。BALFを遠心(毎分950回転(200x g)、10分間、4℃)した後、取得した細胞を上記のハンクス液(0.5mL)に懸濁した。BALF中の総白血球数を自動血球カウンター(Celltacα MEK−6158、日本光電、東京)を用いて計数した。また、サイトスピンIII(Cytospin III;Shandon,Pittsburgh,PA,USA)を用いて塗抹標本を作製し、ライト染色を行い、光学顕微鏡にて細胞300個を観察し、この中の好酸球数および好中球数を計数した。
【0039】
BALF中の好酸球数は次の計算式で求めた。
【0040】
【数1】
【0041】
化合物2単独投与、プレドニゾロン単独投与および化合物2+プレドニゾロン併用投与による肺胞内への好酸球浸潤の抑制率(%)は次の計算式から算出した。
【0042】
【数2】
【0043】
結果を第2表に示す。
【0044】
【表2】
【0045】
化合物2(10mg/kg)とプレドニゾロン(3mg/kg)の併用投与により、それぞれの単独投与の場合と比較して、より強い好酸球浸潤抑制作用が確認された。
一方、BALF中の好中球数は次の計算式で求めた。
【0046】
【数3】
【0047】
化合物2単独投与、プレドニゾロン単独投与および化合物2+プレドニゾロン併用投与による肺胞内への好中球浸潤の抑制率(%)は次の計算式から算出した。
【0048】
【数4】
【0049】
いずれの投与群においても、好中球浸潤の抑制効果が認められ、その抑制率はプレドニゾロン投与群では、48.2%であったのに対し、化合物2+プレドニゾロン併用投与群では80.7%であった。
気管支喘息は好酸球性の気道炎症を特徴とした疾患であり[クリニカル・エクスペリメンタル・アラージー(Clin.Exp.All.)、2002年、32巻、p.162]、肺組織およびBALFへの著明な好酸球浸潤が認められることが知られている。
【0050】
上記試験の結果は、化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩とステロイド剤を併用投与することにより気管支喘息に伴う肺胞内への炎症性細胞(好酸球)の浸潤を抑制できることを示している。すなわち、化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩とステロイド剤の併用投与は、気管支喘息など気管支疾患の治療および/または予防に有効であると考えられる。
【0051】
また、慢性気管支炎患者から得られるBALF中には、多くの好中球が認められること[アメリカン・レビュー・オブ・レスピラトリー・ディジーズ(Am.Rev.Respir.Dis.)、1989年、第140巻、p.1527]、肺気腫の発症には、好中球が放出するエラスターゼが重要な役割を担っていること[ユーロピアン・レスピラトリー・ジャーナル(Eur.Respir.J.)、1985年、第132巻、p.1155]などから、化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩とステロイド剤の併用投与は、慢性気管支炎や肺気腫などのCOPDの治療および/または予防に対しても有用であると考えられる。
【0052】
一方、ステロイド剤は強力な抗炎症作用を示し、気管支喘息などの治療剤として優れた薬剤であるが、口腔咽頭、骨代謝などへの悪影響、小児での成長障害などの重篤な副作用が報告されている[「アメリカン・ジャーナル・オブ・レスピラトリー・アンド・クリティカル・ケアー・メディシン(Am.J.Respir.Crit.Care Med.)」、1998年、157巻、p.S1]。
【0053】
上記試験の結果は、化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩とステロイド剤の併用により、従来喘息またはCOPDなどの呼吸器疾患の治療に用いられているステロイド剤の用量を低減できることを示している。すなわち、本発明の、医薬組成物、喘息もしくはCOPDの治療および/または予防剤、薬物キットあるいは喘息もしくはCOPDの治療および/または予防用薬物キットにより、喘息またはCOPDなどの呼吸器疾患の治療に用いるステロイド剤の投与量を低減でき、従来単剤で得られていた作用の向上だけでなく、上記の副作用を軽減できることが期待される。
【0054】
上述したように、本発明に使用される医薬組成物あるいは喘息もしくはCOPDの治療および/または予防剤は、化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩とステロイド剤それぞれの有効成分を含有するように製剤化したものであれば、単剤としてでも複数の製剤の組み合わせとしてでも使用、投与または製造することができる。これらの医薬組成物あるいは喘息もしくはCOPDの治療および/または予防剤は、錠剤などの経口的または吸入剤、注射剤などの非経口的投与に対して適する単位服用形態にあることが望ましい。また、複数の製剤の組み合わせとして使用または投与する際には、これら複数の製剤を同時にまたは時間を置いて別々に使用または投与することができる。
【0055】
これら製剤は、それぞれ有効成分の他に製剤学的に許容される希釈剤、賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、結合剤、界面活性剤、水、生理食塩水、植物油可溶化剤、等張化剤、保存剤、抗酸化剤などを適宜用いて常法により製造することができる。
例えば、錠剤の調製にあたっては、例えば乳糖などの賦形剤、澱粉などの崩壊剤、ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤、ヒドロキシプロピルセルロースなどの結合剤、脂肪酸エステルなどの界面活性剤、グリセリンなどの可塑剤などを常法に従って用いればよい。
【0056】
注射剤の調製にあたっては、水、生理食塩水、大豆油などの植物油、溶剤、可溶化剤、等張化剤、保存剤、抗酸化剤などを常法により用いればよい。
また、吸入剤は活性成分を粉末または液状にして、吸入噴射剤または担体中に配合し、適当な吸入容器に充填することにより製造される。また上記活性成分が粉末の場合は通常の機械的粉末吸入器を、液状の場合はネブライザーなどの吸入器をそれぞれ使用することもできる。ここで吸入噴射剤としては、従来公知のものを広く使用することができ、例えばフロン−11、フロン−12、フロン−21、フロン−22、フロン−113、フロン−114、フロン−123、フロン−142c、フロン−134a、フロン−227、フロン−C318、1,1,1,2−テトラフルオロエタンなどのフロン系ガス、HFA−227、HFA−134aなどの代替フロンガス、プロパン、イソブタン、n−ブタンなどの炭化水素系ガス、ジエチルエーテル、窒素ガス、炭酸ガスなどがあげられる。担体としては、従来公知のものを広く使用でき、例えば糖類、糖アルコール類、アミノ酸類などがあげられ、乳糖、D−マンニトールなどが好ましい。さらに必要に応じて、上記に例示した希釈剤、防腐剤、フレーバー類、賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、結合剤、界面活性剤、可塑剤などから選択される1種もしくはそれ以上の補助成分を添加することもできる。
【0057】
本発明の医薬組成物、薬物キット、喘息もしくはCOPDの治療および/または予防剤、喘息もしくはCOPDの治療および/または予防用薬物キットあるいは喘息もしくはCOPDの治療および/または予防方法で使用される(a)化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩と(b)ステロイド剤との用量比(重量/重量)は、使用するステロイド剤との組み合わせ、ステロイド剤の効力、投与形態、患者の年齢、体重、症状などに応じて適宜調整すればよいが、具体的には例えば1/50000(化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩/ステロイド剤)〜100000/1、好ましくは1/10000〜50000/1、より好ましくは1/10000〜10000/1の間の比である。
【0058】
上記の目的で、化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩とステロイド剤を複数の製剤の組み合わせとして使用または投与する場合には、それぞれの用量および投与回数は、投与形態、患者の年齢、体重、症状などにより異なるが、通常一日当たり、化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩とステロイド剤を、以下の用量で投与するのが好ましい。
【0059】
経口的に例えば錠剤として投与する場合、化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩とステロイド剤を、成人一人当たり、それぞれ0.01〜1000mgと0.01〜500mg、好ましくは0.01〜500mgと0.01〜100mg、さらに好ましくは0.01〜100mgと0.01〜100mgを、通常一日一回ないし数回にわけて、同時にまたは時間を置いて別々に投与する。
【0060】
非経口的に例えば注射剤または吸入剤として投与する場合、化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩とステロイド剤を、成人一人当たり、それぞれ1μg〜1000mgと0.1μg〜50mg、好ましくは1μg〜300mgと0.1μg〜30mg、さらに好ましくは1μg〜100mgと0.1μg〜30mgを通常一日一回ないし数回にわけて、同時にまたは時間を置いて別々に投与する。
【0061】
また、化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩とステロイド剤をそれぞれ異なる投与形態で投与することも可能である。
さらに、上記の目的で、化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩とステロイド剤を含有する組成物を単剤として使用または投与する場合には、それぞれの用量および投与回数は含まれるステロイド剤の効力、投与形態、患者の年齢、体重、症状などにより異なるが、上記の複数の製剤の組み合わせとして使用または投与する場合のそれぞれの用量で1つの製剤として調製し、使用または投与するのが好ましい。
【0062】
以下に、本発明の態様を実施例で説明するが、本発明の範囲はこれら実施例により限定されることはない。
【0063】
【実施例】
実施例1:錠剤(化合物1)
常法により、次の組成からなる錠剤を調製する。化合物1、40g、乳糖286.8gおよび馬鈴薯澱粉60gを混合し、これにヒドロキシプロピルセルロースの10%水溶液120gを加える。この混合物を常法により練合し、造粒して乾燥させた後、整粒し打錠用顆粒とする。これにステアリン酸マグネシウム1.2gを加えて混合し、径8mmの杵をもった打錠機(菊水社製RT−15型)で打錠を行って、錠剤(1錠あたり活性成分20mgを含有する)を得る。
実施例2:錠剤(プレドニゾロン)
常法により、次の組成からなる錠剤を調製する。プレドニゾロン40g、乳糖286.8gおよび馬鈴薯澱粉60gを混合し、これにヒドロキシプロピルセルロースの10%水溶液120gを加える。この混合物を常法により練合し、造粒して乾燥させた後、整粒し打錠用顆粒とする。これにステアリン酸マグネシウム1.2gを加えて混合し、径8mmの杵をもった打錠機(菊水社製RT−15型)で打錠を行って、錠剤(1錠あたり活性成分20mgを含有する)を得る。
実施例3:錠剤(化合物2とプレドニゾロンの単剤)
常法により、次の組成からなる錠剤を調製する。化合物2、40g、プレドニゾロン40g、乳糖246.8gおよび馬鈴薯澱粉60gを混合し、これにヒドロキシプロピルセルロースの10%水溶液120gを加える。この混合物を常法により練合し、造粒して乾燥させた後、整粒し打錠用顆粒とする。これにステアリン酸マグネシウム1.2gを加えて混合し、径8mmの杵をもった打錠機(菊水社製RT−15型)で打錠を行って、錠剤(1錠あたり化合物2、20mgおよびプレドニゾロン20mgを含有する)を得る。
実施例4:注射剤(化合物3)
常法により、次の組成からなる注射剤を調製する。化合物3、1gおよびD−マンニトール5gを注射用蒸留水に添加して混合し、さらに塩酸水溶液および水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを6に調整した後、注射用蒸留水で全量を1000mLとする。得られた混合液をガラスバイアルに2mLずつ無菌的に充填して、注射剤(1バイアルあたり活性成分2mgを含有する)を得る。
実施例5:注射剤(メチルプレドニゾロン)
常法により、次の組成からなる注射剤を調製する。メチルプレドニゾロン1gおよびD−マンニトール5gを注射用蒸留水に添加して混合し、さらに塩酸水溶液および水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを6に調整した後、注射用蒸留水で全量を1000mLとする。得られた混合液をガラスバイアルに2mLずつ無菌的に充填して、注射剤(1バイアルあたり活性成分2mgを含有する)を得る。
実施例6:注射剤(化合物4とメチルプレドニゾロンの単剤)
常法により、次の組成からなる注射剤を調製する。化合物4、1g、メチルプレドニゾロン1gおよびD−マンニトール5gを注射用蒸留水に添加して混合し、さらに塩酸水溶液および水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを6に調整した後、注射用蒸留水で全量を1000mLとする。得られた混合液をガラスバイアルに2mLずつ無菌的に充填して、注射剤(1バイアル当たり、化合物4、2mgおよびメチルプレドニゾロン2mgを含有する)を得る。
実施例7:ドライパウダー吸入剤(化合物2)
常法により、次の組成からなるドライパウダー吸入剤を調製する。ジェットミルを用いて、化合物2を粉砕する(体積平均粒子径:5〜20μm)。得られた化合物2の粉砕物と乳糖(Pharmatose325M;登録商標、DMV社製)とを重量比1:5で混合し、ドライパウダー製剤を得る。該製剤は慣用のドライパウダー吸入器により、投与が可能である。
実施例8:ドライパウダー吸入剤(ブデソニド)
常法により、次の組成からなるドライパウダー吸入剤を調製する。ジェットミルを用いて、ブデソニドを粉砕する(体積平均粒子径:5〜20μm)。得られたブデソニドの粉砕物と乳糖(Pharmatose325M;登録商標、DMV社製)とを重量比1:10で混合し、ドライパウダー製剤を得る。該製剤は慣用のドライパウダー吸入器により、投与が可能である。
実施例9:ドライパウダー吸入剤(化合物1とブデソニドの単剤)
常法により、次の組成からなるドライパウダー吸入剤を調製する。ジェットミルを用いて、化合物1とブデソニドをそれぞれ粉砕する(体積平均粒子径:共に5〜20μm)。得られた化合物1とブデソニドのそれぞれの粉砕物と乳糖(Pharmatose325M;登録商標、DMV社製)とを重量比2:1:10で混合し、ドライパウダー製剤を得る。該製剤は慣用のドライパウダー吸入器により、投与が可能である。
【0064】
【発明の効果】
本発明により、化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩とステロイド剤とを含有する医薬組成物などが提供される。
Claims (21)
- (a)一般式(I)
- mが0〜2の整数であり、R1、R2、R3およびR4が水素原子であるか、R1、R2、R3およびR4の中で同一炭素原子上に存在する2つの基がその炭素原子と一緒になってスピロ飽和炭素環を形成し、R6が水素原子である請求項1記載の医薬組成物。
- mが1であり、R1、R2、R3およびR4が水素原子である請求項1または2記載の医薬組成物。
- R5がメトキシである請求項1〜3のいずれかに記載の医薬組成物。
- Yが式(II)である請求項1〜4のいずれかに記載の医薬組成物。
- Yが4−カルボキシフェニルである請求項1〜4のいずれかに記載の医薬組成物。
- R7がシアノであり、R8が水素原子である請求項1〜5のいずれかに記載の医薬組成物。
- ステロイド剤がプレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾン、デキサメサゾン、プロピオン酸フルチカゾン、プロピオン酸ベクロメタゾン、ブデソニドまたはフランカルボン酸モメタゾンである請求項1〜7のいずれかに記載の医薬組成物。
- (a)請求項1〜7のいずれかに記載の含酸素複素環化合物またはその薬理学的に許容される塩を有効成分とする第1成分と(b)ステロイド剤を有効成分とする第2成分とからなる、これら2つの成分を同時にまたは時間を置いて別々に投与するための喘息もしくは慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療および/または予防剤。
- ステロイド剤がプレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾン、デキサメサゾン、プロピオン酸フルチカゾン、プロピオン酸ベクロメタゾン、ブデソニドまたはフランカルボン酸モメタゾンである請求項9記載の喘息もしくはCOPDの治療および/または予防剤。
- (a)請求項1〜7のいずれかに記載の含酸素複素環化合物またはその薬理学的に許容される塩を含有する第1成分と、(b)ステロイド剤を含有する第2成分を含有することを特徴とする薬物キット。
- ステロイド剤がプレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾン、デキサメサゾン、プロピオン酸フルチカゾン、プロピオン酸ベクロメタゾン、ブデソニドまたはフランカルボン酸モメタゾンである請求項11記載の薬物キット。
- (a)請求項1〜7のいずれかに記載の含酸素複素環化合物またはその薬理学的に許容される塩を含有する第1成分と、(b)ステロイド剤を含有する第2成分を含有することを特徴とする喘息もしくはCOPDの治療および/または予防用薬物キット。
- ステロイド剤がプレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾン、デキサメサゾン、プロピオン酸フルチカゾン、プロピオン酸ベクロメタゾン、ブデソニドまたはフランカルボン酸モメタゾンである請求項13記載の喘息もしくはCOPDの治療および/または予防用薬物キット。
- ステロイド剤と同時にまたは時間を置いて別々に投与するための請求項1〜7のいずれかに記載の含酸素複素環化合物またはその薬理学的に許容される塩。
- ステロイド剤がプレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾン、デキサメサゾン、プロピオン酸フルチカゾン、プロピオン酸ベクロメタゾン、ブデソニドまたはフランカルボン酸モメタゾンである請求項15記載の含酸素複素環化合物またはその薬理学的に許容される塩。
- ステロイド剤と同時にまたは時間を置いて別々に投与するための、請求項1〜7のいずれかに記載の含酸素複素環化合物またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物。
- ステロイド剤がプレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾン、デキサメサゾン、プロピオン酸フルチカゾン、プロピオン酸ベクロメタゾン、ブデソニドまたはフランカルボン酸モメタゾンである請求項17記載の医薬組成物。
- (a)請求項1〜7のいずれかに記載の含酸素複素環化合物またはその薬理学的に許容される塩および(b)ステロイド剤を同時にまたは時間を置いて別々に投与することを特徴とする喘息もしくはCOPDの治療および/または予防方法。
- ステロイド剤がプレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾン、デキサメサゾン、プロピオン酸フルチカゾン、プロピオン酸ベクロメタゾン、ブデソニドまたはフランカルボン酸モメタゾンである請求項19記載の喘息もしくはCOPDの治療および/または予防方法。
- 請求項1〜8、17および18のいずれかに記載の医薬組成物を投与することを特徴とする喘息もしくはCOPDの治療および/または予防方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003204048A JP2005047835A (ja) | 2003-07-30 | 2003-07-30 | 医薬組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003204048A JP2005047835A (ja) | 2003-07-30 | 2003-07-30 | 医薬組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005047835A true JP2005047835A (ja) | 2005-02-24 |
Family
ID=34263197
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003204048A Withdrawn JP2005047835A (ja) | 2003-07-30 | 2003-07-30 | 医薬組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005047835A (ja) |
-
2003
- 2003-07-30 JP JP2003204048A patent/JP2005047835A/ja not_active Withdrawn
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
TWI272106B (en) | New medicament compositions based on anticholinergically-effective compounds and beta-mimetics | |
JP2005539046A (ja) | 特異的な抗コリン作用薬、β−2アゴニスト、および副腎皮質ステロイドを含む、治療薬および組成物 | |
EA023839B1 (ru) | Комбинации антагониста мускариновых рецепторов и агониста бета-2-адренорецепторов | |
JP2010539182A (ja) | 治療剤の新規組み合わせ | |
AU2005281735A1 (en) | Ciclesonide and syk inhibitor combination and methods of use thereof | |
US9119777B2 (en) | Methods and compositions for administration of oxybutynin | |
JP2019531308A (ja) | 肺線維症の治療のためのクロモリン組成物 | |
JP2017515835A (ja) | Copdの治療のためのチオトロピウムブロミド、フォルモテロール及びブデソニドの組み合わせ | |
US8088362B2 (en) | Salmeterol superfine formulation | |
JP2005539042A (ja) | 呼吸器疾患、アレルギー性疾患、喘息及びcopdを処置するためのグルココルチコイド及びpde−4−阻害剤の新規組合せ | |
WO2004096274A1 (ja) | 気道内投与剤 | |
JP2018058881A (ja) | 医薬組成物 | |
AU2008296195A1 (en) | (DHEAS) inhalation compositions | |
JP2005047835A (ja) | 医薬組成物 | |
TWI495466B (zh) | 用於氣喘之吸入性複方組合物 | |
AU2013368298B2 (en) | Methods and compositions for administration of oxybutynin | |
JPWO2004087149A1 (ja) | 医薬組成物 | |
JP2005015394A (ja) | 医薬組成物 | |
JP2005047834A (ja) | 医薬組成物 | |
JP2005047833A (ja) | 医薬組成物 | |
WO2005032540A1 (ja) | N−(ベンゾイル)アミノ酸誘導体を有効成分とする呼吸器疾患治療剤 | |
JPWO2004112791A1 (ja) | 肺疾患の治療および/または予防剤 | |
WO2004087151A1 (ja) | 医薬組成物 | |
JP2005015354A (ja) | 気管支喘息の治療および/または予防剤 | |
WO2005056009A1 (ja) | 肺疾患治療剤 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20061003 |