明 細 書
医薬組成物
枝術分野
本発明は、 ホスホジエステラーゼ IV阻害剤 (PDE— IV阻害剤) と^刺激剤と を含有する医薬組成物に関する。
背景技術
従来、 PDE— IV阻害剤と/?刺激剤の併用投与が、 喘息または慢性閉塞性肺疾患 (COPD) などの閉塞性肺疾患に有用であることが知られている (WO 00/ 12078号) 。
一方、 7― [2 - (3, 5—ジクロロー 4一ピリジル) - 1一才キソェチル] 一 4—メトキシースピロ [1, 3一べンゾジォキソ一ルー 2 , 1, 一シクロペンタン] またはその薬理学的に許容される塩を P D E— I V阻害剤として用いることが知られ ている (W〇 96/36624号) 。
発明の開示
本発明の目的は、 7— [2 - (3, 5—ジクロロ一 4一ピリジル) 一 1—ォキソェ チル] 一 4ーメトキシースピロ [1, 3—ペンゾジォキソール一 2, 1, —シクロぺ ンタン] またはその薬理学的に許容される塩と/?刺激剤とを含有する医薬組成物など を提供することにある。
本発明は、 以下の (1)〜(31) に関する。
(1) (a)式 (I)
で表される 7— [2 - (3, 5—ジクロロー 4—ピリジル) 一 1一才キソェチル] 一 4—メトキシースピロ [ 1 , 3—ベンゾジォキソ一ルー 2 , 1, ーシクロペンタン] またはその薬理学的に許容される塩と (b) ?刺激剤とを含有する医薬組成物。
( 2 ) ?刺激剤が、 塩酸エフェドリン、 d 1—塩酸メチルエフヱドリン、 塩酸メ ト キシフエナミン、硫酸ィソプレナリン、塩酸ィソプレナリン、硫酸オルシプレナリン、 塩酸クロルプレナリン、 塩酸トリメ トキノール、 硫酸サルブ夕モール、 硫酸テルブ夕 リン、 硫酸へキソプレナリン、 塩酸ヅロブテロール、 塩酸プロ力テロール、 臭化水素 酸フエノテロール、 フマル酸ホルモテロ一ル、 塩酸クレンプテロールおよび塩酸マブ テロ一ルからなる群から選ばれる化合物である (1)記載の医薬組成物。
(3) (a) 式 (I)
(I)
で表される 7— [2— (3, 5—ジクロロ一 4—ピリジル) 一1ーォキソェチル] 一 4ーメトキシースピロ [1, 3—ベンゾジォキソ一ルー 2 , 1' —シクロペンタン] またはその薬理学的に許容される塩と (b) ?刺激剤を有効成分とする同時にまたは 時間を置いて別々に投与するための肺疾患の治療および Zまたは予防剤。
( 4 ) ^刺激剤が、 塩酸エフヱドリン、 d 1—塩酸メチルエフヱドリン、 塩酸メ ト キシフエナミン、硫酸ィソプレナリン、塩酸ィソプレナリン、硫酸オルシプレナリン、 塩酸クロルプレナリン、 塩酸トリメ トキノ一ル、 硫酸サルブ夕モール、 硫酸テルブ夕 リン、 硫酸へキソプレナリン、 塩酸ヅロブテロール、 塩酸プロ力テロール、 臭化水素 酸フエノテロール、 フマル酸ホルモテロール、 塩酸クレンブテロールおよび塩酸マプ テロールからなる群から選ばれる化合物である (3)記載の肺疾患の治療および Zま たは予防剤。
(5) 肺疾患が、 COPD、 肺気腫、 慢性気管支炎、 慢性急性呼吸窮迫症候群 (ARDS)ヽ 急性肺損傷 (ALI)、 喘息、 気管支喘息、 急性好酸球性肺炎および 慢性好酸球性肺炎からなる群から選ばれる疾患である (3) または (4)記載の肺疾 患の治療および/または予防剤。
(6) 肺疾患が、 COPD、 肺気腫、 慢性気管支炎、 ARDSおよび AL Iからな
る群から選ばれる疾患である (3) または (4) 記載の肺疾患の治療および Zまたは 予防剤。
(7) 肺疾患が、 喘息および気管支喘息からなる群から選ばれる疾患である (3) または (4) 記載の肺疾患の治療および/または予防剤。
(8) (a) 式 (I)
で表される 7— [2 - (3, 5—ジクロロ一 4一ピリジル) — 1—ォキソェチル] 一 4ーメトキシースピロ [1, 3—ベンゾジォキソ一ルー 2 , 1, 一シクロペンタン] またはその薬理学的に許容される塩を含有する第 1成分と (b) ^刺激剤を含有する 第 2成分を有することを特徴とするキット。
(9) 刺激剤が、 塩酸エフェドリン、 d l—塩酸メチルエフェドリン、 塩酸メト キシフエナミン、硫酸イソプレナリン、塩酸イソプレナリン、硫酸オルシプレナリン、 塩酸クロルプレナリン、 塩酸トリメ トキノール、 硫酸サルブ夕モール、 硫酸テルブ夕 リン、 硫酸へキソプレナリン、 塩酸ヅロブテロ一ル、 塩酸プロ力テロール、 臭化水素 酸フエノテロール、 フマル酸ホルモテロール、 塩酸クレンプテロールおよび塩酸マブ テロールからなる群から選ばれる化合物である (8) 記載のキット。
(10) (a) 式 (I)
で表される 7— [2- (3 -ォキソェチル]
4ーメトキシースピロ [ 1, 3一ベンゾジォキソールー 2, 1, ーシクロペンタン] またはその薬理学的に許容される塩を含有する第 1成分と (b) ^刺激剤を含有する 第 2成分を有することを特徴とする肺疾患の治療および/または予防用キット。
(1 1) ^刺激剤が、 塩酸エフヱドリン、 d 1—塩酸メチルエフヱドリン、 塩酸メ トキシフエナミン、 硫酸イソプレナリン、 塩酸イソプレナリン、 硫酸オルシプレナリ ン、 塩酸クロルプレナリン、 塩酸トリメ トキノール、 硫酸サルブ夕モール、 硫酸テル プ夕リン、 硫酸へキソプレナリン、 塩酸ヅロブテロール、 塩酸プロ力テロール、. 臭化 水素酸フエノテロール、 フマル酸ホルモテロール、 塩酸クレンプテロールおよび塩酸 マブテ口ールからなる群から選ばれる化合物である ( 1 0 ) 記載の肺疾患の治療およ びダまたは予防用キット。 '
(12) 肺疾患が、 COPD、 肺気腫、 慢性気管支炎、 ARDS、 AL I、 喘息、 気管支喘息、 急性好酸球性肺炎および慢性好酸球性肺炎からなる群から選ばれる疾患 である (10) または ( 1 1) 記載の肺疾患の治療および zまたは予防用キヅト。 '
(13) 肺疾患が、 COPD、 肺気腫、 慢性気管支炎、 八1 03ぉょび八 1から なる群から選ばれる疾患である ( 10) または (1 1) 記載の肺疾患の治療および Z または予防用キット。
(14) 肺疾患が、 喘息および気管支喘息からなる群から選ばれる疾患である (10) または (1 1) 記載の肺疾患の治療および Zまたは予防用キヅト。
(15) ?刺激剤と同時にまたは時間を置いて別々に投与するための式 (I)
)
で表される 7— [2 - (3 5—ジクロ口一 4—ピリジル) 一 才キソェチル] ― 4ーメトキシースピロ [ 1 3—ベンゾジォキソールー 2, 1 シクロペン夕ン] またはその薬理学的に許容される塩。
( 16) 刺激剤が、 塩酸エフヱドリン、 d 1—塩酸メチルエフヱドリン、 塩酸メ
トキシフエナミン、 硫酸イソプレナリン、 塩酸イソプレナリン、 硫酸オルシプレナリ ン、 塩酸クロルプレナリン、 塩酸トリメ トキノール、 硫酸サルプ夕モール、 硫酸テル プ夕リン、 硫酸へキソプレナリン、 塩酸ヅ口プテ口一ル、 塩酸プロ力テロ一ル、 臭ィ匕 水素酸フヱノテロール、 フマル酸ホルモテロール、 塩酸クレンプテロールおよび塩酸 マプテロ一ルからなる群から選ばれる化合物である (15)記載の 7— [2— (3, 5—ジクロロー 4一ピリジル) 一 1—ォキソェチル] 一 4ーメトキシースピロ [1, 3—ベンゾジォキソ一ル一 2, 1, 一シクロペンタン] またはその薬理学的に許容さ れる塩。
(17) ^刺激剤と同時にまたは時間を置いて別々に投与するための式 (I)
で表される 7— [2- (3 5—ジクロ口— 4—ピリジル) 一 1—ォキソェチル] ― 4—メトキシースピロ [ 1 3—ベンゾジォキソ一ル一 2 , 1, ーシクロペンタン] またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物。
(18) ?刺激剤が、 塩酸ェフヱドリン、 d 1—塩酸メチルェフエドリン、 塩酸メ トキシフエナミン、 硫酸イソプレナリン、 塩酸イソプレナリン、 硫酸オルシプレナリ ン、 塩酸クロルプレナリン、 塩酸トリメ トキノ一ル、 硫酸サルブ夕モール、 硫酸テル ブ夕リン、 硫酸へキソプレナリン、 塩酸ヅロブテロール、 塩酸プロ力テロール、 臭化 水素酸フエノテロ一ル、 フマル酸ホルモテロール、 塩酸クレンブテロールおよび塩酸 マブテロールからなる群から選ばれる化合物である (17)記載の医薬組成物。
(ェ)
で表される 7— [2 - (3, 5—ジクロロー 4—ピリジル) 一 1一才キソェチル] ― 4ーメ トキシースピロ [1, 3一ベンゾジォキソ一ル一 2 , 1, ーシクロペンタン] またはその薬理学的に許容される塩および (b) 刺激剤を同時にまたは時間を置い て別々に投与することを特徴とする肺疾患の治療および/または予防方法。
(20) ?刺激剤が、 塩酸エフヱドリン、 d 1—塩酸メチルエフヱドリン、 塩酸メ トキシフエナミン、 硫酸イソプレナリン、 塩酸イソプレナリン、 硫酸オルシプレナリ ン、 塩酸クロルプレナリン、 塩酸トリメ トキノ一ル、 硫酸サルブ夕モール、 硫酸テル ブ夕リン、 硫酸へキソプレナリン、 塩酸ヅロブテロール、 塩酸プロ力テロ一ル、 臭化 水素酸フエノテロール、 フマル酸ホルモテロール、 塩酸クレンプテロ一ルおよび塩酸 マブテロールからなる群から選ばれる化合物である (19)記載の肺疾患の治療およ び/または予防方法。
(21) 肺疾患が、 COPD、 肺気腫、 慢性気管支炎、 ARDS、 ALI、 喘息、 気管支喘息、 急性好酸球性肺炎および慢性好酸球性肺炎からなる群から選ばれる疾患 である (19) または (20)記載の肺疾患の治療および Zまたは予防方法。 ,
(22) 肺疾患が、 C 0 P D、 肺気腫、 慢性気管支炎、 ARDSおよび ALIから なる群から選ばれる疾患である (19) または (20)記載の肺疾患の治療および Z または予防方法。
(23) 肺疾患が、 喘息および気管支喘息からなる群から選ばれる疾患である
(19) または (20)記載の肺疾患の治療および/または予防方法。
(24) ( 1) または (2)記載の医薬組成物を投与することを特徴とする肺疾患 の治療および/または予防方法。
(25) 肺疾患が、 C0PD、 肺気腫、 慢性気管支炎、 ARDS、 ALI、 喘息、 気管支喘息、 急性好酸球性肺炎および慢性好酸球性肺炎からなる群から選ばれる疾患
である (24)記載の肺疾患の治療および Zまたは予防方法。
(26) 肺疾患が、 C 0 P D、 肺気腫、 慢性気管支炎、 ARDSおよび ALIから なる群から選ばれる疾患である ( 24)記載の肺疾患の治療および Zまたは予防方法。 (27) 肺疾患が、 喘息および気管支喘息からなる群から選ばれる疾患である (24)記載の肺疾患の治療および Zまたは予防方法。
(28) 肺疾患の治療および Zまたは予防剤の製造のための (1) または (2) 記 載の (a) および (b) の使用。
(29) 肺疾患が、 COPD、 肺気腫、 慢性気管支炎、 ARDS、 ALI、 喘息、 気管支喘息、 急性好酸球性肺炎および慢性好酸球性肺炎からなる群から選ばれる疾患 である (28)記載の使用。
(30) 肺疾患が、 C 0 P D、 肺気腫、 慢性気管支炎、 A R D Sおよび A L Iから なる群から選ばれる疾患である (28)記載の使用。
(31) 肺疾患が、 喘息および気管支喘息からなる群から選ばれる疾患である (28)記載の使用。
以下、 式 ( I )
(I)
で表される 7— [2 - ('3, 5—ジクロ口一 4—ピリジル) —ォキソェチル] 一 4ーメトキシースピロ [1, 3—ペンゾジォキソールー 2, ーシクロペンタンを 化合物 (I) という。
化合物 (I) の薬理学的に許容される塩は、 薬理学的に許容される酸付加塩、 金属 塩、 アンモニゥム塩、 有機アミン付加塩、 アミノ酸付加塩などを包含する。
化合物 (I) の薬理学的に許容される酸付加塩としては、 塩酸塩、 硫酸塩、 臭ィ匕水 素酸塩、 硝酸塩、 リン酸塩などの無機酸塩、 酢酸塩、 メシル酸塩、 コハク酸塩、 マレ イン酸塩、 フマル酸塩、 クェン酸塩、 酒石酸塩などの有機酸塩があげられ、 薬理学的
に許容される金属塩としては、 ナトリウム塩、 カリウム塩などのアルカリ金属塩、 マ グネシゥム塩、 カルシウム塩などのアルカリ土類金属塩、 アルミニウム塩、 亜鉛塩な どがあげられ、 薬理学的に許容されるアンモニゥム塩としては、 アンモニゥム塩、 テ トラメチルアンモニゥム塩などの塩があげられ、 薬理学的に許容される有機アミン付 加塩としては、 モルホリン、 ピぺリジンなどの付加塩があげられ、 薬理学的に許容さ れるァミノ酸付加塩としては、 グリシン、 フエ二ルァラニン、 リジン、 ァスパラギン 酸、 グルタミン酸などの付加塩があげられる。
次に、 化合物 (I) の製造方法について説明する。
ィ匕合物(I)は、 WO 96/36624に記載の方法により製造することができる。 化合物 (I) には、 互変異性体などの立体異性体が存在し得るが、 本発明の医薬組 成物、 肺疾患の治療および/または予防剤、 キット、 肺疾患の治療および Zまたは予 防用キットならびに肺疾患の治療および/または予防方法には、 これらを含め、 全て の可能な異性体およびそれらの混合物を使用することができ、 本発明の化合物 (I) には、 これらを含め、 全ての可能な異性体およびそれらの混合物が包含される。 化合物 (I) の塩を取得したいとき、 化合物 (I) が塩の形で得られるときはその まま精製すればよく、 また、 遊離の形で得られるときは、 化合物 (I) を適当な溶媒 に溶解または懸濁し、 酸または塩基を加えて単離、 精製すればよい。
また、 化合物 (I)およびその薬理学的に許容される塩は、 水または各種溶媒との 付加物の形で存在することもあるが、 これらの付加物も本発明の医薬組成物、 肺疾患 の治療および/または予防剤、 キット、 肺疾患の治療および/または予防用キットな らびに肺疾患の治療および/または予防方法に使用することができ、 本発明の化合物 (I) またはその薬理学的に許容される塩に包含される。
刺激剤としては、 /?受容体に作用するかまたは/? 2受容体に選択的に作用して交換 神経を刺激するものであればいずれでもよいが、 例えば
式 (A) で表されるエフェドリン (ephedr ine)s
式 (B) で表されるメチルェフエドリン (methylephedrine), 式 (C) で表されるサルブ夕モール (s a 1 but amo 1)、
式 (D) で表されるプロ力テロール (procat ero l)s
式 (E) で表されるテルブ夕リン (t erbut al ine)、
式- (F)で表されるヅロブテロール (tulobut er«ol)、
式 (G) で表されるトリメ トキノール (t rimet oquinol)、
式 (H) で表されるホルモテロール (f 0 rmo t e r o 1 )、
式 ( J ) で表さ iるオレシプレナリン o r c i p r e n a 1 i n e )、
式 (K) で表されるィソプレナリン (isoprenal ine)s
式 (L) で表されるクレンブテロ一ル (c lenbut ero l)
式 (M)で表されるマブテロール (mabu t e r o 1)、
式 (N) で表されるメ トキシフエナミン (me t hoxyphenamine)s 式 (〇) で表されるへキソプレナリン ( ine)ヽ
式 (P) で表されるフヱノテロール (f en ero l)、
ビトルテロール (bit olt erol)、 クロルプレナリン (clorpren— al ine)、 メ夕プロテノール (metapr*ot eno l) 、 ィソプロテノ一レ
( i s o p r o t e n o l ) などがあげられ、 これらは単独でも組み合わされていて もよい。
これらの 5刺激剤は、 薬理学的に許容される塩 (該薬理学的に許容される塩として は、 前記化合物 ( I ) の薬理学的に許容される塩として例示した塩などがあげられ る) またはそれらの水和物として存在することもあるが、 本発明の医薬組成物、 肺疾 患の治療および/または予防剤、 キット、 肺疾患の治療および Zまたは予防用キット ならびに肺疾患の治療および/または予防方法には、 これらも使用することができる。 また、 これら/?刺激剤には、 1つまたはそれ以上の不斉炭素などが存在し、 2つ以上 の立体異性体が存在するものもあるが、 本発明の医薬組成物、 肺疾患の治療および/ または予防剤、 キット、 肺疾患の治療および Zまたは予防用キットならびに肺疾患の 治療および/または予防方法には、 これらを含め、 全ての可能な異性体およびそれら の混合物を使用することができる。
好ましく使用される^刺激剤としては、 塩酸エフェドリン、 d l—塩酸メチルエフ エドリン、 塩酸メトキシフヱナミン、 硫酸イソプレナリン、 塩酸イソプレナリン、 硫 酸オルシプレナリン、 塩酸クロルプレナリン、 塩酸トリメトキノ一ル、 硫酸サルブ夕 モール、 硫酸テルブ夕リン、 硫酸へキソプレナリン、 塩酸ヅロブテロール、 塩酸プロ 力テロール、 臭化水素酸フエノテロ一ル、 フマル酸ホルモテロール、 塩酸クレンブテ ロール、 塩酸マブテロールなどがあげられる。
本発明の医薬組成物およびキットは、 例えば肺疾患の治療などに使用することがで き、 より具体的には C O P D、 肺気腫、 慢性気管支炎、 AR D S、 A L I、 喘息、 気 管支喘息、 急性好酸球性肺炎、 慢性好酸球性肺炎、 間質性肺炎、 肺繊維症などの治療 に使用することができる。
本発明の医薬組成物、 または肺疾患の治療および Zまたは予防剤で使用される化合 物 (I ) またはその薬理学的に許容される塩と^刺激剤は、 これらそれそれの有効成 分を含有するように製剤化したものであれば、 単剤 (合剤) としてでも複数の製剤の 組み合わせとしてでも使用または投与することができるが、 中でも 2つ以上の製剤の 組み合わせが好ましい。 複数の製剤の組み合わせとして使用または投与する際には、 同時にまたは時間を置いて別々に使用または投与することができる。 なお、 これら製 剤は、 例えば錠剤、 注射剤、 またはドライパウダ一、 エアロゾルなどの吸入剤などの
形態として用いることが好ましい。
化合物 (I) またはその薬理学的に許容される塩と ?刺激剤との用量比 (重量/重 量) は、 使用する 刺激剤との組み合わせ、 ?刺激剤の効力などに応じて適宜調整す れぱよいが、 具体的には例えば 1Z50 (化合物 (I) またはその薬理学的に許容さ れる塩// 5刺激剤) -50000/1, 好ましくは 1/30〜; L 0000/1、 より 好ましくは 1/20〜5000Ζ1、 さらに好ましくは 1Z10〜: I 000ノ1の間 の比である。
複数の製剤の組み合わせとして投与する際には、 例えば (a)化合物 (I) または その薬理学的に許容される塩を含有する第 1成分と、 (b) 刺激剤を含有する第 2 成分とを、 それそれ上記のように別途製剤化し、 キヅトとして作成しておき、 このキ ットを用いてそれそれの成分を同時にまたは時間を置いて、 同一対象に対して同一経 路または異なった経路で投与することもできる。
該キットとしては、 例えば保存する際に外部の温度や光による内容物である成分の 変性、 容器からの化学成分の溶出などがみられない容器であれば材質、 形状などは特 に限定されない 2つ以上の容器 (例えばバイアル、 バッグなど) と内容物からなり、 内容物である上記第 1成分と第 2成分が別々の経路 (例えばチューブなど) または同 一の経路を介して投与可能な形態を有するものが用いられる。 具体的には、 錠剤、 注 射剤、 吸入剤などのキットがあげられる。 吸入剤のキットにおいては、 一般的に使用 される定量噴霧式吸入器 (MDI)、 粉末吸入器などと組み合わせることもでき、 上 記第 1成分と第 2成分の投与のための 1またはそれ以上の吸入装置が含まれていても よい。 例えば、 上記第 1成分の有効用量単位を含むドライパウダ一を含むカプセルお よび上記第 2成分の有効用量単位を含むドライパウダーを含むカプセルと共に、 カブ セルからのドライパウダーの送達に適合する 1またはそれ以上のドライパウダー吸入 装置などが含まれていてもよい。 また、 薬剤貯蔵部分が上記第 1成分のドライパウダ 一を含む薬剤貯蔵部分と上記第 2成分のドライパゥダーを含む薬剤貯蔵部分からなる 多用量ドライパウダー吸入器 (MDP I) も当該キットに含まれる。
また、 本発明の肺疾患の治療および/または予防方法は、 上記で記載した医薬組成 物または肺疾患の治療および/または予防剤で使用される化合物 (I) またはその薬 理学的に許容される塩と/?刺激剤の使用または投与方法と同様にして実施できる。 す
なわち、 化合物 (I) またはその薬理学的に許容される塩と ?刺激剤を、 それぞれの 有効成分を含有するように製剤化し、 例えば単剤としてまたは複数の製剤の組み合わ せとして、好ましくは 2つ以上の製剤を組み合わせて投与することにより実施できる。 複数の製剤を組み合わせて投与する際には、 これら製剤は、 同時にまたは時間を置い て別々に投与することができ、 上記で記載したようなキットを用いて投与することも できる。
次に、 化合物 (I) またはその薬理学的に許容される塩および β刺激剤を同時投与 することによる肺疾患の治療効果について試験例により具体的に説明する。
試験例 1 摘出気管支収縮弛緩試験
モルモット (350— 500 g) をェ一テル麻酔下で放血致死させた後、 気管支を 摘出し、 ジグザグ標本を作製する。 栄養液としてクレープス一ヘンゼライト
(Kr ebs-Hens e l e i t) 液 (37 °C) を満たしたマグヌスバス中に、 ジ グザグ標本を懸垂する。 ヒスタミンを添加することにより生じる収縮反応を、 ブリア ンプ (AP— 621G、 日本光電) を介してレコーダ一に記録する。 なお、 ヒス夕ミ ン添加による収縮 (ヒスタミン収縮) が惹起された後、 栄養液でジグザグ標本を洗浄 し、 ベースラインに戻ったところの差を 100%最大弛緩とする。 再度ヒスタミン収 縮を惹起させ、 試験化合物 (化合物 (I) および Zまたは/?刺激剤) を添カ卩し、 弛緩 率を求める。 この実験によって、 ヒスタミン誘発による気管支平滑筋収縮に対する化 合物 (I) またはその薬理学的に許容される塩と ?刺激剤の併用効果 (気管支平滑筋 収縮抑制または弛緩促進) を確認できる。
試験例 2 ラットリポポリサッカライド( L P S )誘発気道好中球浸潤に対する化合 物 ( I ) と^刺激剤の併用投与による抑制作用
試験は、 公知の方法 [パルマナリー ·フアルマコロジー ·セラピューティヅク
(Pulm. Pharmac o l. Ther.)、 14卷、 157— 164ページ
(2001年)] に準じて行った。
試験には 7週齢の雄性 SDラヅ ト (日本チャールズリバ一社) を使用した。 なお、 ラヅトは室温 19〜25° 湿度 30~70%、 1日 12時間照明(午前 7時〜午後 7時)の飼育室にて、 アルミケージに 5〜6匹ずつ収容し、 市販の固形飼料と水を自 由に摂取させて飼育した。
化合物 (I) lmgに対し乳糖 (DVM社製) 5mgからなる製剤 (化合物 (I)一乳糖製剤) を作製し、 0. 125重量/容量%チロキサポール水溶液(ァレ ペール:登録商標、 ァズゥエル社製) に化合物 (I)の濃度が 1. 5ingZniLとな るように上記製剤を懸濁することにより化合物( I )投与用懸濁液を調製した。また、 0. 125重量 Z容量%チ口キサポール水溶液に乳糖およびサルブ夕モール (シグマ 社製)をそれぞれの濃度が 7. 5mg/mLおよび 5〃g/mLになるように懸濁す ることによりサルプ夕モール投与用懸濁液を調製した。 さらに、 0. 125重量/容 量%チロキサポール水溶液にサルブ夕モールおよび化合物 (I)のそれそれの濃度が 5〃g/mLおよび 1. 5mg/mLとなるように、サルブ夕モールおよび上記で調 製した化合物 (I) 一乳糖製剤を懸濁させ併用投与用懸濁液を調製した。 また、 0. 125重量ノ容量%チロキサポール水溶液に乳糖を 7. 5mg/mLとなるよう に溶解したものを投与溶媒とした。 '
プラスチックチャンバ一 (30x50x30 c m) 内にラヅトを入れ、 5〃 g/ mL LPS (シグマ社製)の生理食塩液を 15分間、超音波ネプライザ一(ォム口 ン社製) を用い噴霧することにより吸入させた。 LPS噴霧の 30分前に、 上記で調 製したそれそれの投与用懸濁液をラットの左右の気管支にそれそれ 100 Lずつ、 計 200〃L気管支内投与した (薬物投与群)。 一方、 同様に LPS噴霧の 30分前 に、 投与溶媒を気管支内投与した群を設けた (溶媒投与群)。 また、 投与溶媒を気管 支内投与し、 LPSの生理食塩液の代わりに生理食塩液を噴霧した群を設けた(生理 食塩液投与群)。
LP Sの生理食塩液または生理食塩液噴霧の 4時間後に気管支肺胞洗浄 (B AL) を実施した。すなわち、 ラットをペントバルビタール(大日本製薬社製)腹腔内投与 により麻酔し、気管力ニューレを介して生理食塩液で肺胞腔内を洗浄し、気管支肺胞 洗浄液 (BALF) を得た。
BALF中の総白血球数は自動血球カウン夕一(日本光電社製)を用いて測定した。 また、 細胞の塗抹標本を作成し、 ギムザ染色をした後、 光学顕微鏡にて観察し、好中 球の細胞数を数えて比率を算出した。好中球数は総白血球数に好中球の細胞数比率を 掛け合わせて算出した。 BALF中の好中球数の増加に対する抑制率(%)は下記に したがって計算した。 .
溶媒投与群の好中球数一薬物投与群の好中球数
抑制率 (%) = X 100 溶媒投与群の好中球数一生理食塩液投与群の好中球数
結果を第 1表に示す。 なお好中球数の各値は平均値士標準誤差で示してある。
第 1表
投与群 個体数 好中球数 抑制率"
(lOVBALF) (%) 化合物 C I) サルプ夕モール
生理食塩液 5 0.15±0.07
5 0.45±0.19
化合物 ( I ) 300 5 0.74±0.34 N.E. サルブタモール 5 0.47±0.15 N.E. 併用 300 5 0.16±0.03 97
*: N.E.作用なし 溶媒投与群では、生理食塩液投与群より B A L F中の好中球数が 3倍まで増加した。 化合物 (I)およびサルブ夕モールをそれそれ単独投与しても、 LPSにより誘発さ れる好中球数の増加に影響を及ぼさなかった。一方、化合物(I) とサルブ夕モール を併用投与した群では、 LP Sによる好中球数の増加を 97%抑制した。
LPSを吸入させることで、 肺における好中球浸潤、 炎症性サイ トカインである腫 瘍壊死因子 (TNF—ひ) や強力な好中球遊走因子であるマクロファージ炎症蛋白質
(MI P-2) などの増加などが観察されている [アメリカン 'ジャ一ナル 'ォブ- フィジオロジー (Am. J. Ph s i o l. ) 276卷、 L 736ぺ一ジ
( 1999年) ] 。 これらの症状は、 COPD患者で見られる症状と同様の症状であ る [トレンズ ·イン ·フアルマコロジカル ·サイェンシス (Tr end s in Pharma c o l. S c i. ) 、 19卷、 415ページ ( 1998年) ]。従って、 上記試験は C 0 P Dの動物モデルとして有効であると考えられている。
COPD患者から得られる BALFや喀痰中には、 多くの好中球が認められ、 喀痰 中または気管支粘膜中の好中球数が多い患者ほど気道閉塞は悪化している [ァメリカ ン · レビュー ·ォブ ·レスビラトリ一 'ディジィズ (Am. Rev. Re sp i r. D i s. )、 140巻、 1527ページ (1 989年) ;アメリカン 'ジャーナル · ォブ · レスビラトリ一 ·アンド ·クリティカル ·ケア 'メディシン (Am. J.
Re s i r. C r i t . Car e Med. ) s 153巻、 530ページ
( 1996年) ;アメリカン ·ジャーナル ,ォブ · レスビラトリ一 ·アンド ·クリテ
ィカル ·ケア ·メディシン (Am. J . R e s p i r . C r i t . Car e
Med. ) , 158卷、 1277ページ ( 1998年) ] 。 また、 好中球が放出する エラス夕ーゼを動物に投与すると肺気腫様の症状を誘導する [ユーロビアン ·レスピ ラトリ一ジャーナル (Eur. R e s p i r . J . ) 、 132卷ヽ 1 155ページ
( 1985年) ] 。 これらのことから、 好中球の肺への浸潤を抑制することにより、 例えば COPD、 肺気腫、 慢性気管支炎などの治療が可能であると考えられる。 また、 LP S誘発肺障害モデルは好中球性の炎症を呈することから ARDSまたは AL Iの動物モデルとしても有効であると考えられている [ラボラトリ一 'アニマル ズ (Lab. Anim. ) 、 26卷、 29ページ ( 1992年) ;アメリカン ·ジャ —ナル 'ォブ ·レスビラトリ一 'セル 'アンド 'モレキュラー'バイオロジー (Am. J. Re sp i r. Ce l l Mo 1. B i o l. ) 16卷、 267ぺ一ジ
(1997年) ;インフラメ一シヨン ( I nf 1 amma t i o n) 、 23巻、 263ページ ( 1999年) ] 。
一方、喘息の病態においても、肺胞内で好中球数が上昇していることが報告されて いる [クリニカル'アンド'ェクスペリメンタル'アレルギー (C l ini c a l & Exper iment a l Al l e rgy) 、 33卷、 1622ページ
(2003年) ]
従って、 化 物 (I) またはその薬理学的に許容される塩と ?刺激剤との併用は、 C0PD、 肺気腫、 慢性気管支炎、 ARDS、 AL I 喘息、 気管支喘息などの肺疾 患の治療および/または予防に有効であると考えられる。
刺激剤は、 喘息、 気管支喘息、 慢性気管支炎、肺気腫などの治療に用いられてい るが、その副作用として、重篤な血清カリウム値の低下を誘発することが報告されて おり、過度に使用を続けた場合、 不整脈、場合によっては心停止を起こす可能性のあ ることが指摘されている (「1996年 10月版 医療薬 日本医薬品集」、 日本医薬 情報センター編、 薬業時報社、 1996年)。
本発明の医薬組成物、肺疾患の治療および/もしくは予防剤、 キヅト、 または肺疾 患の治療および/もしくは予防用キットにより、 従来、 喘息、 気管支喘息、慢性気管 支炎、肺気腫などの肺疾患の治療に用いられている 5刺激剤の投与量を低減でき、作 用の向上だけでなく、 上記の副作用を軽減できることも期待される。
上述したように、 本発明に使用される医薬組成物または肺疾患の治療および/また は予防剤は、 化合物 ( I ) またはその薬理学的に許容される塩と^刺激剤それそれの 有効成分を含有するように製剤化したものであれば、 単剤としてでも複数の製剤の組 み合わせとしてでも使用、 投与または製造することができる。 これらの医薬組成物ま たは肺疾患の治療および Zまたは予防剤は、 錠剤などの経口的投与または吸入剤、 注 射剤などの非経口的投与に対して適する単位服用形態にあることが望ましい。 また、 複数の製剤の組み合わせとして使用または投与する際には、 同時にまたは時間を置い て別々に使用または投与することができる。
これら製剤は、 それそれ有効成分の他に製剤学的に許容される希釈剤、 賦形剤、 崩 壊剤、 滑沢剤、 結合剤、 界面活性剤、 水、 生理食塩水、 植物油可溶化剤、 等張化剤、 保存剤、 抗酸化剤などを適宜用いて常法により作成することができる。
錠剤の調製にあたっては、 例えば乳糖などの賦形剤、 澱粉などの崩壊剤、 ステアリ ン酸マグネシゥムなどの滑沢剤、 ヒドロキシプロビルセルロースなどの結合剤、 脂肪 酸エステルなどの界面活性剤、 グリセリンなどの可塑剤などを常法に従って用いれば よい。
注射剤の調製にあたっては、 水、 生理食塩水、 大豆油などの植物油、 各種の溶剤、 可溶化剤、 等張化剤、 保存剤、 抗酸化剤などを常法により用いればよい。
また、 吸入剤は活性成分を粉末または液状にして、 吸入噴射剤または担体中に配合 し、 適当な吸入容器に充填することにより製造される。 また上記活性成分が粉末の場 合は通常の機械的粉末吸入器を、 液状の場合はネブラィザ一などの吸入器をそれそれ 使用することもできる。 ここで吸入噴射剤としては従来公知のものを広く使用でき、 フロン一 1 1、 フロン一 1 2、 フロン一 2 1、 フロン一 2 2、 フロン一 1 1 3、 フロ ンー 1 1 4、 フロン一 1 2 3、 フロン一 1 4 2 c、 フロン一 1 3 4 a、 フロン一 2 2 7、 フロン一 C 3 1 8、 1 , 1, 1 , 2—テトラフルォロェタンなどのフロン系化合 物、 プロパン、 イソブタン、 n—ブタンなどの炭化水素類、 ジェチルェ一テルなどの エーテル類、 窒素ガス、 炭酸ガスなどの圧縮ガスなどがあげられる。 さらに必要に応 じて、 各種の希釈剤、 防腐剤、 フレーバー類、 上記で例示した賦形剤、 崩壊剤、 滑沢 剤、 結合剤、 界面活性剤、 可塑剤などから選択される 1種もしくはそれ以上の補助成 分を添加することもできる。
上記の目的で、 化合物 (I) またはその薬理学的に許容される塩と 5刺激剤を複数 の製剤の組み合わせとして使用または投与する場合には、 それそれの用量および投与 回数は投与形態、 患者の年齢、 体重、 症状などにより異なるが、 通常一日当たり、 ィ匕 合物 (I) またはその薬理学的に許容される塩と 5刺激剤を、 それそれ以下の用量で 投与するのが好ましい。
経口的に、 例えば錠剤として投与する場合、 化合物 (I) またはその薬理学的に許 容される塩と/?刺激剤を、 成人一人当たり、 それそれ 0. 01〜1000mgと 0. 01〜: L OO Omg、好ましくは 0. 05〜300mgと 0. 05〜 500m g:、 さらに好ましくは 0. 1〜20 Omgと 1〜300mg、 通常一日一回ないし数回に わけて、 同時にまたは時間を置いて別々に投与する。
非経口的に、 例えば注射剤または吸入剤として投与する場合、 化合物 (I) または その薬理学的に許容される塩と/?刺激剤を、 成人一人当たり、 それそれ l zg〜 50 Omgと l /g〜50 Omg、 好ましくは 5〃g〜30 Omgと 0. 04〜 30 Omg、 さらに好ましくは 10〃 〜100111 と0. 05〜1 Omg、 通常一 日一回ないし数回にわけて、 同時にまたは時間を置いて別々に投与する。
また上記の目的で、 化合物 (I) またはその薬理学的に許容される塩と ^刺激剤を 単剤として使用または投与する場合には、それそれの用量および投与回数は投与形態、 患者の年齢、 体重、 症状などにより異なるが、 上記の複数の製剤の組み合わせとして 使用または投与する場合のそれそれの用量で 1つの製剤として調製し、 使用または投 与するのが好ましい。
以下に、 本発明の態様を実施例で説明するが、 本発明の範囲はこれら実施例により 限定されることはない。
発明を実施するための最良の形態 .
実施例 1 :錠剤 (化合物 (I) )
常法により、 次の組成からなる錠剤を調製する。 化合物 (I) 40 , 乳糖
286. 8 gおよび馬鈴薯澱粉 60 gを混合し、 これにヒドロキシプロピルセル口一 スの 10%水溶液 120 gを加える。 この混合物を常法により練合し、 造粒して乾燥 させた後、 整粒し打錠用顆粒とする。 これにステアリン酸マグネシウム 1. 2 gをカロ えて混合し、径 8 mmの杵をもった打錠機(菊水社製 RT— 15型)で打錠を行って、
錠剤 (1錠あたり活性成分 2 Omgを含有する) を得る <
処方 化合物 ( I ) 20 mg- 乳糖 143 4 mg
粉 30 mg
ヒドロキシプロピルセルロース 6 mg
ステアリン酸マグネシウム ― 0 6
200 mg
実施例 2 :錠剤 (硫酸サルブ夕モール)
常法により、 次の組成からなる錠剤を調製する。 硫酸サルブ夕モール 8 g、 乳糖 306 8 gおよび馬鈴薯澱粉 72 gを混合し、 これにヒドロキシプロピルセルロー スの 10%水溶液 120 gを加える。 この混合物を常法により練合し、 造粒して乾燥 させた後、 整粒し打錠用顆粒'とする。 これにステアリン酸マグネシウム 1. 2gを加 えて混合し、径 8 mmの杵をもった打錠機(菊水社製 RT— 15型)で打錠を行って、 錠剤 (1錠あたり活性成分 4mgを含有する) を得る。
処方 硫酸サルブ夕モール 4 mg
乳糖 153. 4 mg
馬鈴薯澱粉 36 mg- ヒドロキシプロピルセルロース 6 mg '
ステアリン酸マグネシウム 0. 6 mg:
200 mg
実施例 3 :錠剤 (化合物 (I) と硫酸サルプ夕モ一ルの単剤)
常法により、 次の組成からなる錠剤を調製する。 化合物 (I) 40g、 硫酸サルブ 夕モール 40 g、 乳糖 278. 8 gおよび馬鈴薯澱粉 60 gを混合し、 これにヒドロ キシプロピルセルロースの 10%水溶液 120 gを加える。 この混合物を常法により 練合し、 造粒して乾燥させた後、 整粒し打錠用顆粒とする。 これにステアリン酸マグ ネシゥム 1. 2 gを加えて混合し、 径 8 mmの杵をもった打錠機 (菊水社製 RT— 15型) で打錠を行って、 錠剤 (1錠あたり化合物 (I) 2 Omgおよび硫酸サルブ 夕モール 4 mgを含有する) を得る。
処方 化合物 (I) 20 mg
硫酸サルプ夕モール 4 mg
乳糖 139. 4 mg
馬鈴薯澱粉 30 mg
ヒドロキシプロピルセルロース 6 mg
ステアリン酸マグネシウム 0 · 6 mg.
200 mg
実施例 4 :注射剤 (化合物 (I) )
常法により、 次の組成からなる注射剤を調製する。 化合物 (I) 1 gを精製大豆油 (こ溶解させ、 精製卵黄レシチン 12 gおよび注射用グリセリン 25 gを加える。 この 混合物を常法により注射用蒸留水で 100 OmLとして練合 ·乳化する。 得られる分 散液を 0. 2〃mのディスポ一ザブル型メンブランフィル夕一を用いて無菌濾過後、 ガラスバイアルに 2 mLずつ無菌的に充填して、 注射剤 (1バイアルあたり活性成分 2 mgを含有する) を得る。
処方 化合物 ( I ) 2 mg
精製大豆油 200 mg
精製卵黄レシチン 24 mg
注射用グリセリン 50 mg
注射用蒸留水 _ 1 72 mL
2. 00 mL
実施例 5 :注射剤 (フマル酸ホルモテロール)
常法により、 次の組成から^る注射剤を調製する。 フマル酸ホルモテロール 0. 25 gを精製大豆油に溶解させ、 精製卵黄レシチン 12 gおよび注射用グリセリ ン 25 gを加える。 この混合物を常法により注射用蒸留水で 100 OmLとして練 合 '乳化する。得られる分散液を 0. 2〃mのディスポ一ザブル型メンプランフィル 夕一を用いて無菌濾過後、 ガラスバイアルに 2 mLずつ無菌的に充填して、 注射剤 (1バイアルあたり活性成分 0. 5 mgを含有する) を得る。
処方 フマル酸ホルモテロール 0. 5 mg
精製大豆油 ' 200 mg
24 mg
注射用グリセリン 50 mg
注射用蒸留水 . 1. 72 mL
2. 00 mL
実施例 6 :注射剤 (化合物 (I) とフマル酸ホルモテ口一ルの単剤)
常法により、 次の組成からなる注射剤を調製する。 化合物 (I) 1 gおよびフマル 酸ホルモテロール 0. 25 gを精製大豆油に溶解させ、 精製卵黄レシチン 12 gおよ び注射用グリセリン 25 gを加える。 この混合物を常法により注射用蒸留水で 100 OmLとして練合 ·乳化する。 得られる分散液を 0. 2〃mのデイスポーザブ ル型メンブランフィル夕一を用いて無菌濾過後、 ガラスバイアルに 2 mLずつ無菌的 に充填して、 注射剤 (1バイアルあたり化合物 (I) 2 mgおよびフマル酸ホルモテ ロール 0. 5 mgを含有する) を得る。
処方 化合物 ( I ) , 2 mg
フマル酸ホルモテロ一ル 0 5 mg
精製大豆油 200 mg
24 mg
注射用グリセリン 50 mg
泮射用蒸留水 1 72 mL
2. 00 mL
実施例 7 : ドライパウダー吸入剤 (化合物 (I) )
常法により、 次の組成からなるドライパウダー吸入剤を調製する。 ジェットミルを 用いて、 化合物 (I) を粉砕する (体積平均粒子径: 5〜20 m)。得られる化合物 (I) の粉砕物と乳糖 (Pharmat o s e 325 M;登録商標、 DMV社製) とを重量比 1 : 5で混合し、 ドライパウダー製剤を得る。 該製剤は慣用のドライパゥ ダー吸入器により、 投与が可能である。
処方 化合物 (I) 16. 7 mg
乳糖 83. 3 mg
100 mg
実施例 8 : ドライパウダー吸入剤 (硫酸プロ力テロール)
常法により、 次の組成からなるドライパゥダー吸入剤を調製する。 ジェットミルを 用いて、 硫酸プロ力テロールを粉砕する (体積平均粒子径: 5〜2 O^m) o 得られ る硫酸プロ力テロールの粉砕物と乳糖 (Pharmat o s e 325M;登録商標、 DMV社製) とを重量比 1 : 30で混合し、 ドライパウダー製剤を得る。 該製剤は慣 用のドライバウダ一吸入器により、 投与が可能である。
処方 硫酸プロ力テロール 3. 2 mg
96. 8 mg_
100 mg
実施例 9 : ドライパウダー吸入剤 (化合物 (I) と硫酸プロ力テロールの単剤) 常法により、 次の組成からなるドライパウダー吸入剤を調製する。 ジェットミルを 用いて、 化合物 (I) と硫酸プロ力テロ一ルをそれぞれ粉碎する (体積平均粒子径: 5〜2 Ojum) 。得られる化合物 (I) と硫酸プロ力テロールのそれそれの粉砕物と 乳糖 (Pharma t 0 s e 325 M;登録商標、 DMV社製) とを重量比 6 : 1 : 30で混合し、 ドライパウダ一製剤を得る。 該製剤は慣用のドライパウダー 吸入器により、 投与が可能である。
処方 化合物 ( I ) 16. 2 mg
硫酸プロ力テロール 2. 7 mg
8 1. 1 m¾.
丄 00 mg
産業上の利用可能性
本発明により、 7- [2 - (3, 5—ジクロ口一 4—ピリジル) 一 1—ォキソェチ ル] —4—メトキシースピロ [1, 3—ペンゾジォキソ一ルー 2 , 1, ーシクロペン タン] またはその薬理学的に許容される塩と/?刺激剤とを含有する医薬組成物などが 提供される。