JP2005047789A - 製鋼スラグの安定化処理方法および安定化製鋼スラグ - Google Patents

製鋼スラグの安定化処理方法および安定化製鋼スラグ Download PDF

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Abstract

【課題】 製鉄所などで発生する転炉スラグ、予備処理スラグあるいは二次精錬スラグなどの製鋼スラグを安定に処理する。
【解決手段】 大気雰囲気下、加圧雰囲気下または水蒸気雰囲気下でエージング処理を施された製鋼スラグに、自由水が存在し始める水分値未満で、かつ、該水分値よりも10質量%少ない値以上の範囲となるように添加する炭酸水量を調整した後に、炭酸ガスを含有する相対湿度が75〜100%のガスを流すことを特徴とする製鋼スラグの安定化処理方法。
【選択図】 図2

Description

本発明は、製鉄所などで発生する転炉スラグ、予備処理スラグまたは二次精錬スラグなどの製鋼スラグの安定化処理方法に関するものである。
製鉄所などで、転炉、予備処理炉または二次精錬炉といった精錬炉から発生する製鋼スラグは、精錬処理中に完全に溶融しきれない未さい化とも称されるCaO成分などを始めとする水和性成分(遊離CaOや遊離MgO)を有しており、これらの成分が水分と接触して水和する際に体積が約2倍に増加することに起因するスラグの膨張現象、あるいは、とりわけ遊離CaO成分が水に溶出することに起因するpHの上昇や、同じく海水に溶出してpHが増加しMg(OH)2が析出することに起因する白濁現象を生じさせることから、路盤材や骨材、石材といった土木工事用材料として利用を図る際の阻害要因となっている。
このような製鋼スラグの有する問題のうち、前者の膨張現象については、その原因である遊離CaOや遊離MgOを減少させてスラグの膨張性を安定化させるための処理方法として、大気雰囲気下に数ヶ月から数年暴露させて、十分に水和反応を施す「大気エージング」処理や、大気圧下または加圧下で強制的に水蒸気と反応させて、水和処理反応を促進させる「蒸気エージング」や、「加圧エージング」処理が広く知られている。
しかしながら、後者のpH上昇や白濁といったアルカリ溶出現象については、上記のエージング処理を施しても、残存する遊離CaOのみならずエージング後の水和処理生成物であるCa(OH)2も同じく可溶性で、アルカリ溶出源としては何ら変化がなく存在するため解決に至らない。そこで、この可溶性の石灰成分を不溶性化させる安定化方法のひとつとして、古くから炭酸化処理が検討されてきた。
この製鋼スラグを炭酸化させる技術として、例えば、特許文献1に開示された方法や、特許文献2に開示された方法がある。
特許文献1に開示された方法は、スラグを粒滴化して凝固させた後、800〜300℃の温度領域をCO2雰囲気下に保持し、遊離のCaOをCaCO3に炭酸化させ、膨張を安定化させるものである。
また、特許文献2に開示された方法は、粒径40mm以下の塊状の製鋼スラグを、まず、大気圧下において水蒸気雰囲気下でエージング処理して膨張性を安定化させた後、水蒸気とCO2ガスの混合雰囲気下で1時間以上保持することで、炭酸化させるものである。
また、製鋼スラグの炭酸化による土木工事用の材料およびその製造方法として、例えば、特許文献3に開示された方法や、特許文献4に開示された方法もある。
特許文献3に開示された方法は、粉粒状または粗粒状のスラグを主原料とする路盤材に係るものであって、スラグを炭酸化反応で生成させたCaCO3またはCaCO3とMgCO3をバインダーとして固結させ、塊状化したことを特徴とし、その製法は、粉粒状または粗粒上のスラグによる積み山または任意の空間内での充填層を形成させ、これを炭酸ガス存在下で炭酸化反応を生じさせることによりスラグを固結させ、スラグが塊状化した石材とし、これを破砕処理して所定の路盤材粒度とするものである。
また、特許文献4に開示された方法は、鉄鋼製造プロセスで発生したスラグと、これに必要に応じて添加される添加材とを主原料とする、主に海中沈設用を目的とした石材に係るものであって、前記スラグが粉粒状スラグ、粗粒状スラグ、小塊状スラグのうちの1種以上からなり、このスラグを炭酸化反応で生成させたCaCO3またはCaCO3とMgCO3をバインダーとして固結させ塊状化したことを特徴とし、その製法は、上記主原料を所望の密度に山積み、または充填して、この積み山または充填層に炭酸ガス存在下で炭酸化反応を生じさせることにより粉粒状または粗粒状のスラグを固結させ、スラグが塊状化した石材を得るものである。
さらに、非特許文献1には、特許文献4に開示された方法を用いて、1m角の大形ブロックを実際に製作した例が紹介されている。
特開昭52−129672号公報 特開平8−259282号公報 特開平11−21153号公報 特開平11−71160号公報 日本鉄鋼協会の講演論文集、CAMP-ISIJ、vol.12、p-828 (1999)
しかし、上記の従来技術においては、以下のような問題点がある。
特許文献1に開示された方法においては、粒滴化後、高温で炭酸化処理して得られるスラグは、その粒径が0.1〜10.3mmであり、例えば、路盤材として必要な粒径40mm以下のスラグを得ることは困難であり、また、製鋼スラグ中の遊離CaOや遊離MgOは、スラグ粒の表面だけでなく内部にも取り囲まれて、その存在状態は様々であるため、仮に40mmのスラグ塊が得られたとしても、粒子内部まで炭酸化するには極めて長時間を要し、かつ、300℃以上の高温雰囲気下にしなければならないためコストがかかる。
また、特許文献2に開示された方法においては、路盤材に必要な粒径40mm以下の塊状の製鋼スラグを蒸気エージング処理した後に、水蒸気とCO2ガスの混合雰囲気下で1時間以上保持するものであるが、この処理によってスラグの膨張性の改善は図られるものの、安定化処理後のスラグ中の遊離CaOや遊離MgOがどれだけ炭酸化されたかは定かでなく、上記と同様に、スラグ表層の遊離CaOや遊離MgOだけが炭酸化し、内部には遊離CaOやCa(OH)2が残存し得るため、路盤材として路面に敷設時にローラー等で転圧する際に割れなどが発生すると、内部のCa(OH)2が露出する状態となって、アルカリの溶出が生じ得る。
また、水蒸気とCO2ガスを混合する理由として、雰囲気温度が80℃以下になると炭酸化が促進されにくいためと記述されており、スラグ全体をこの温度に維持するためには、それなりのコストを要する。
一方、特許文献3に開示された方法においては、17mm以下の粉粒状および/または粗粒状のスラグに炭酸ガスを流して、炭酸化反応で生成するCaCO3またはCaCO3とMgCO3をバインダーとしてスラグを固結させ塊状化させるものであり、スラグの粒度が小さいためにスラグ内部まで炭酸化がなされ、スラグ内部には遊離CaOやCa(OH)2が殆ど残存しないという画期的な方法であるが、その実施例によれば、7×10×1.5mに山積みしたスラグ(約200t)に、炭酸ガス含有ガスを5日間もの長い間流しつづけなければならない。
また、目的とする粒度調整の路盤材を得るために、このように固結させたものから石材を切り出し、さらに、破砕処理後に篩い分けを行なわなければならないという複雑な工程を必要とする。
同様に、特許文献4に開示された方法においても、最大粒度が約30mmで、ある粒度分布をもつスラグに、上記と同様に炭酸ガスを流して炭酸化反応で生成するCaCO3またはCaCO3とMgCO3をバインダーとしてスラグを固結させ塊状化させて石材を得るものであり、これでも、実施例によれば、4×6×1.5mに山積みしたスラグ(約70t)に、炭酸ガス含有ガスを3日間の間、流しつづけなければならないとある。
非特許文献1には、特許文献4に開示された方法を用いて、1m角の大型ブロックを実際に製作した例が紹介されているが、これによれば、1m角の型枠にスラグを充填した後に、底部から炭酸ガスを吹き込み、完全に反応を行なわせるために12日間保持したとあり、このような大型ブロックを多数、成形するには、打設後、2日程度で型枠から脱型できる通常のコンクリートブロックに比較して、それなりの型枠数の確保や、個々にガス配管を設置する必要があり、生産性は必ずしも高いとは言えない。
本発明者らは、この製鋼スラグの炭酸化の速度に影響を及ぼす各種要因の分離に関する研究室レベルでの実験や机上検討を経て、さらに、工業的にこの炭酸化による製鋼スラグの安定化処理方法を行うための現場での実機レベルにおける実験を重ねて、以下の発明にて上記の課題が解決される知見を得た。
第1の発明に係る製鋼スラグの安定化処理方法は、大気雰囲気下、加圧雰囲気下または水蒸気雰囲気下でエージング処理が施された製鋼スラグに、自由水が存在し始める水分値未満で、かつ、該水分値よりも10質量%少ない値以上の範囲となるように添加する炭酸水量を調整した後に、炭酸ガスを含有し相対湿度75〜100%のガスを流すことを特徴としている。
第2の発明に係る製鋼スラグの安定化処理方法は、第1の発明において、炭酸水量を調整後、炭酸ガスを含むガスを流して炭酸化処理する際の製鋼スラグを含む周辺の雰囲気温度が、常温以上、80℃以下となるようにガスの流量を制御することを特徴としている。
第3の発明に係る製鋼スラグの安定化処理方法は、第1〜第2の発明において、製鋼スラグに添加する炭酸水量、炭酸ガスを含有するガスの流量、そのガスの相対湿度の1種または2種以上を制御することにより、製鋼スラグ粒同士を固結させることなく炭酸化処理することを特徴としている。
第4の発明に係る製鋼スラグの安定化処理方法は、第1〜第3のいずれかの発明において、炭酸化処理後の製鋼スラグ中の遊離CaOおよびCa(OH)2を、合計で0.9質量%以下とすることを特徴としている。
第5の発明に係る安定化製鋼スラグは、粒径25mm以下、遊離CaOおよびCa(OH)2が合計で0.9質量%以下である製鋼スラグ粒からなる擬似粒子体であることを特徴としている。
第6の発明に係る安定化製鋼スラグは、第5の発明において、粒径75μm以下の粉分が当該粒径超のスラグ粒に付着していることを特徴としている。
第7の発明に係る安定化製鋼スラグは、第5または第6の発明において、路盤材用材料であることを特徴としている。
本発明によれば、従来、水や海水と反応してpHを高めたり白濁を生じさせることから、なかなか利用が図れなかった製鋼スラグを、従来よりもはるかに短時間で、常温下で安価にかつ大量に安定化処理することが可能である。
安定化処理に用いる炭酸ガス含有ガスとして、工場から排出しているガス中の炭酸ガスを用いることができるために、このガス中のCO2の大気への放散を抑制できるといった地球環境的な副次効果もある。
この安定化処理された製鋼スラグは、従来の炭酸化処理されたスラグと全く同様に、遊離CaOや遊離MgOに起因する膨張・崩壊や粉化もなく、あるいは、遊離CaOやCa(OH)2が溶出して、地下水のような水のpHや海水のpHを上昇させる問題を生じさせることもなく、各種骨材や路盤材、天然砂の代替原料としての利用が可能になる。
以下、本発明を詳細に説明する。
製鋼スラグからの遊離CaOやCa(OH)2の水や海水への溶出を、炭酸化処理によって抑制する効率的な安定化処理方法を開発するにあたって、まず、十分にエージングされた製鋼スラグを篩いで分級して、各粒度ごとのこれら遊離CaOやCa(OH)2の含有量を調査したところ、エージングによって遊離CaO分が水和する際に膨張や崩壊が生じるため、結果的に、未反応分の遊離CaOや水和後のCa(OH)2は、2mm以下の粉状の部分に比較的多く偏在していることがわかった。
そこで、この粉状の製鋼スラグを1kg程度用いて、炭酸化処理の速度に及ぼす様々な要因の影響を分離する基礎検討を行なった。
まず、始めに、製鋼スラグに添加する炭酸水添加量の影響から調査した。製鋼スラグに任意量の炭酸水を添加した後に、炭酸ガスを含有するガス(炭酸ガスの濃度:100体積%、相対湿度100%)を一定量(5Nm3/hr・tonスラグ)流して、炭酸化反応に伴うスラグの質量変化から、炭酸化率を観察した。
ここで、炭酸化率は以下の式で算出した。
炭酸化率(%)
=増加質量/{元のスラグ質量×(%f−CaO)×0.786}×100
図1は、添加する炭酸水分を0〜30質量%に変化させた場合のスラグ質量変化からみた炭酸化率の経時変化を示したものであるが、この図から、炭酸水を添加しないと、ほとんど変化は生じず、炭酸水を添加すると、ガスを流し始めた直後から炭酸化が円滑に始まり、炭酸水添加量の増加に伴い炭酸化の速度も増加していくものの、さらに炭酸水添加量を増加しても、途中から炭酸化の速度が減少することが確認された。
図2は、この図1の結果に基づき、炭酸水添加量に対して、任意時間後の炭酸化率を示したものであるが、同図からも、炭酸化の促進には、ある最適な炭酸水の添加量(本スラグ条件例の場合には15質量%程度)が存在することを知見した。
なぜこのように最適な炭酸水添加量が存在するのかを明らかとするため、炭酸水を添加した状態のスラグを観察したところ、炭酸水添加量が10質量%以下の場合は、スラグを握っても湿り気がないこと、また、炭酸水添加量が25質量%を超える場合は、スラグの表面が湿潤し、明らかに表面に炭酸水が存在していることがわかった。
粉末に水を添加していくと、しばらくの間は粉分が水を吸収し、粉体工学的に、この状態の水は拘束水と称される。添加水量がある程度以上になると、もはや粉末が水を吸収しきれずに粉末のまわりに存在する状態となり、この状態の水は自由水と称される。この自由水が存在すると、粉体群がペースト状の流動性を有する状態となる。
セメント、コンクリートや流し込みの不定形耐火物においては、これらの施工に、この自由水が関与する流動性が重要となるため、これを定量的に把握する指標として「フロー値」(JIS R2521 耐火物用アルミナセメントの物理試験方法またはJIS R5201 セメントの物理試験方法)、ないしは、「スランプ値」(JIS A1101 コンクリートのスランプ試験方法)の測定方法が基準化されている。
そこで、このJIS R2521 耐火物用アルミナセメントの物理試験方法に基づいて、今回のスラグに炭酸水を添加した場合のフロー値を測定したところ、図3に示すように、炭酸水添加量が23質量%以上でスラグの集合体が流動性を示し、自由(炭酸)水が存在する領域が明らかとなった。
すなわち、この自由(炭酸)水が存在する領域では、炭酸ガス含有ガスがこれらのスラグの集合体を通過しにくくなるため、炭酸化速度が遅くなるものと考えられる。
従来技術の特許文献3または特許文献4に開示された方法でも、水分の重要性や最適水分量が示されているが、これらの従来技術によれば、スラグの粒子同士を固結させて強固な塊の状態とするために、「吸水率(JIS A1109またはA1110で規定される細骨材または粗骨材の吸水率)以上の任意の量の水分を加える」ことが必要であり、これでは、明らかに自由水が存在する状態となってしまい、炭酸化処理効率は低下する。
このような考察から、スラグ内部の空隙表面や外表面が湿り気を帯びる程度の拘束(炭酸)水として存在する範囲で、炭酸化速度が極大を示し、効率的な炭酸化処理が行なえるものと考えられ、今回の実験結果から、自由水が存在し始める水分値未満で、かつ、該水分値よりも10質量%少ない値以上の範囲に、炭酸水の添加量を調整することが有効であることが判明した。
自由(炭酸)水が存在し始める水分値以上となるように炭酸水の添加量を調整すると炭酸化速度が低下し、自由(炭酸)水が存在し始める水分値よりも10質量%超少ない範囲に炭酸水の添加量を調整しても炭酸化処理効率が低下するので、上記の範囲に規定する。好ましくは自由(炭酸)水が存在し始める水分値よりも2〜9質量%少ない範囲に、さらに好ましくは5〜8質量%少ない範囲に炭酸水の添加量を調整することが好適である。
この炭酸水を添加した場合と通常の水を添加した場合の炭酸化の挙動についても比較してみたが、通常の水の場合は、炭酸ガスを含有するガスを流し始め、水にある程度の炭酸ガスが溶解するまでは炭酸化が遅く、しばらく時間が経ってから炭酸化が進行し始めるが、炭酸水を用いた場合には、炭酸ガス含有ガスを流すと同時に円滑に炭酸化が進行し、反応効率が良いこともわかった。
ここで、製鋼スラグに添加する炭酸水としては、実験室的には、市販の炭酸水(ソーダ水、20℃、1気圧下における炭酸ガス溶解量約3g/l−H2O)を用いたが、実際に現場で用いるものとしては、各種の工業的な炭酸水製造装置で製造されたものや、場合によっては、通常の水に工場にて排出される各種排ガスを吹き込み、排ガス中のCO2成分を溶解させたことによる炭酸ガスが溶解した水でもかまわない。
本発明では、炭酸水として、炭酸水の温度における1気圧下での炭酸ガスの飽和溶解度の0.5倍以上、炭酸ガスを含有する水を使用することが好ましい。炭酸ガスの溶解量がそれより低いと、炭酸化反応を充分に短時間化する効果が得にくいからである。但し、炭酸化反応をより効率的に行うには、炭酸水中の炭酸ガスの溶解量が多い(過飽和度が高い)ものが好ましい。
実際の製鋼スラグは均一な粒度ではなく、40mm程度以下の各種粒径のスラグが集合しており、この粒度分布は、精錬プロセスや冷却プロセス、地金処理除去プロセスといったスラグが発生するプロセスによっても異なる。
この粒度分布やスラグの性状によって、スラグが含有できる炭酸水分量は異なることから、自由(炭酸)水が存在し始める水分値については、それぞれのスラグの粒度分布に応じて、粉状または細粒状のスラグが多い場合であれば、前述の「フロー値」(JIS R2521 耐火物用アルミナセメントの物理試験方法またはJIS R5201 セメントの物理試験方法)の測定方法にて、また、40mm程度以下の粗粒状のスラグが含まれる場合には、「スランプ値」(JIS A1101 コンクリートのスランプ試験方法)の測定方法によって求めることができる。
また、上述の炭酸ガスを含有するガスからスラグに水分を継続的に供給する点からも、流すガスの相対湿度は75%以上に規定する。好ましくは、乾燥理論に基づき、部分的に乾燥したスラグへの水分の供給の観点から、相対湿度は高い方がよく、90%以上であることが好適である。
安定化処理に使用される炭酸ガスを含有するガスとしては、実験室的には、市販の炭酸ガスもしくは炭酸ガスに空気や市販の窒素あるいはアルゴンガスを混合したものを用いたが、実際に現場での安定化処理については、例えば、製鉄所内の各種工場から排出されている排ガスを用いることが効率的である。
代表的な排ガスとしては、石灰を焼成するキルン工場の排ガス(CO2濃度として約20体積%)や加熱炉排ガス(CO2濃度約7体積%)や発電工場排ガス(CO2濃度約15体積%)等が挙げられる。
炭酸ガス含有ガス中の炭酸ガス濃度が低いと、当然のことながら炭酸化速度は低下するが、CO2濃度が低いほど炭酸化に用いられる効率は高くなることが実験からも確認できており、炭酸化処理時間が延びる以外に特段の影響はない。
これらの炭酸ガス含有ガスを、事前に、できれば多段の水槽などに吹き込んで水蒸気を飽和させる、ないしは、専用の容器内でミスト状の水蒸気と混合するなどにより、ガスの相対湿度は容易に調整できる。
以上のことから、前記(1)に係る発明は、製鋼スラグの安定化処理方法において、大気雰囲気下、加圧雰囲気下または水蒸気雰囲気下でエージング処理が施された製鋼スラグに、自由水が存在し始める水分値未満で、かつ、該水分値よりも10質量%少ない値以上の範囲となるように炭酸水の添加量を調整した後に、炭酸ガスを含有し相対湿度75〜100%のガスを流すことと規定した。
2番目に、この最適量の炭酸水を添加した状態で、炭酸ガス含有ガスの流量や温度の影響に関する調査を行なった。炭酸水として、20℃、1気圧下における炭酸ガスの飽和溶解度1.75g/l−H2Oに対して約2.5倍の炭酸ガスを含有する水を用いた。
図4は、炭酸ガスの濃度:100体積%、相対湿度100%の炭酸ガス含有ガスの流量(5Nm3/hr・tonスラグを1とした)と任意時間後の炭酸化率を示したものであるが、この図から、まず、ガスを流さない(炭酸ガス含有ガス雰囲気下に静置)場合は極端に炭酸化が遅く、ガスを流すことによって炭酸化が進行して、流量の増加に伴い炭酸化率も増加するが、ある流量以上になると、また炭酸化率が低下してくることを知見した。
この原因を明らかとするために、ガス流量が多い場合の炭酸化挙動を調べると、実は、初期の炭酸化速度はガス流量が大きいほど速いが、途中で炭酸化が停滞し、また、ガス流量が大きいほどスラグ周辺の雰囲気温度が上昇していることがわかった。
この炭酸化反応は発熱反応であり、初期に急速に炭酸化が進行すると、スラグの温度があがり、局所的に炭酸水が蒸発してしまうことがうかがわれる。
また、スラグを含む周辺の温度が高くなることが炭酸化反応そのものにどのように影響するかを明確とするために、炭酸ガス含有ガスそのものならびにスラグ周辺の温度を変化させて、同じく、炭酸化挙動を観察した結果を図5に示す。
このスラグ処理時の温度については、従来技術の特許文献2に開示された方法において、雰囲気の温度が80℃以下に下がると炭酸化が促進されにくい、あるいは、特許文献3または特許文献4に開示された方法においても、ガスが常温よりも高温であればそれだけ反応性が高まるため有利とされているが、図5から見る限り、常温(20℃)以上に温度を高めても、温度が高いほど炭酸化の速度が低下することを本発明者らは知見した。
この原因としては、次の二つの要因が考えられる。まず、第1に、炭酸化反応は前述のように発熱反応であるため、熱力学的観点からは、低温の方が有利と考えられることである。また、第2に、スラグに含まれる炭酸水への炭酸ガスの溶解量への影響がある。この水への炭酸ガス(イオン)溶解度も、実は、低温の方が大きく、温度の上昇に伴い指数的に減少するため、反応に伴って減少する炭酸イオンの水への溶解速度は、低温のほうが速いことが考えられる。
また、別の要因としてガスの流れそのものによるスラグの乾燥も懸念されるため、同一条件で炭酸ガス含有ガスの代わりに水蒸気飽和の窒素ガスを流してみたところ、やはり、ガス流量が多いとスラグ質量の減少が見られ、ガスそのものがスラグから炭酸水を奪っているということもわかった。
すなわち、大量に炭酸ガス含有ガスを流すと、反応初期に起こる炭酸化による発熱と同時に、ガス流れそのものによるスラグの乾燥が同時に進行して、スラグから炭酸水を奪ってしまうために、炭酸化反応が停滞してしまうことが考えられる。
以上の検討結果から、炭酸ガス含有ガスを流す流量は、あまり極端に炭酸化が進行せず、付随的にスラグを含む周辺の温度上昇も小さく、また、ガスそのものによるスラグの乾燥を防ぎ、逆に、水蒸気を含むガスからスラグに水分の供給が行なわれるように制御することが好ましい。
乾燥理論に基づけば、粉体周囲の風速が20cm/sec以上に確保されると安定に乾燥できるとの知見があり、本発明では、逆に、スラグ粒周囲のガス流速は20cm/sec以下、ガスからの炭酸水分供給の観点から好ましくは10cm/sec以下に制御することが望まれるが、実際には、スラグの充填状況に伴う圧力損失やガス流れの不均一性などから、このガス流速を制御することは非常に難しいため、安定化処理中のスラグを含む雰囲気の温度を測定し、この温度を常温以上、80℃以下、炭酸水への炭酸ガスの溶解度の観点からいえば、好ましくは40℃以下となるように、ガスの流量を制御することが現実的である。
ここで、常温とは、地域によって、また、四季を通じて変化するものであるが、基本的には、北部で氷点下10℃以上、南部で40℃以下である。
以上の検討結果から、前記(2)に係る発明は、前記(1)の発明において、炭酸水の添加量を調整後、炭酸ガスを含むガスを流して炭酸化処理する際の製鋼スラグを含む周辺の雰囲気温度が常温以上、80℃以下となるようにガスの流量を制御することとした。
製鋼スラグを含む周囲の雰囲気温度は、熱電対ないしは市販の温度センサー等によって測定することができる。製鋼スラグを含む周辺の温度が常温未満になった場合には、炭酸ガス含有ガスの流量を増加し、その温度が80℃を超えた場合は、炭酸ガス含有ガスの流量を減少させるように制御することが好ましい。上記ガス流量を増加させると発熱反応が進行し、上記ガス流量を減少させると反応速度が小さくなり、温度が下降するからである。
以上に述べたことから、実際に現場で大量に製鋼スラグの安定化処理を行なう場合には、炭酸ガス含有ガスを底部または側部から吹き込めるようにした専用の場所あるいは設備内に、粒度分布に応じて自由水が存在し始める水分値未満で、かつ、該水分値よりも10質量%少ない値以上の範囲の中で最適範囲に炭酸水添加を調整した製鋼スラグを積んで、あるいは、安定化処理後スラグの搬出を容易にするために通気性の確保が可能な網状の可動式コンベア等の上にスラグを配置し設備内を徐々に移動させながら、製鋼スラグへの炭酸水の添加量、炭酸ガス含有ガスの流量、1または複数の箇所における製鋼スラグを含む周辺の雰囲気の温度、炭酸ガス含有ガスの相対湿度の1種または2種以上を測定した上で、製鋼スラグを含む周辺の雰囲気の温度を、常温以上80℃以下と制御することが理想的である。
また、これに代えまたはこれに加え、自由水が存在し始める水分値未満で、かつ、該水分よりも10質量%少ない値以上の範囲となるように製鋼スラグの炭酸水添加量を調整すること、炭酸ガス含有ガスの流量を増減すること、炭酸ガス含有ガスの相対湿度を75〜100%の範囲に制御することの1種または2種以上を行いながら、炭酸ガス含有ガスを流すことが理想的である。
この際に、安定化処理開始直後から、定期的に製鋼スラグを含む周辺の雰囲気温度を測定し、製鋼スラグを含む周辺の雰囲気の温度が高くなるようであれば、炭酸ガス含有ガスのガス流量や相対湿度の1種または2種を制御し、必要に応じて、これらに代えまたはこれらと共にスラグへ炭酸水もしくは水分を散布し、製鋼スラグの炭酸水含有量を制御するといった手段を通じて、製鋼スラグの粒同士を固結させることのない状態にすることによって、さらに、従来よりもはるかに短い時間で製鋼スラグを安定化することができる。
すなわち、従来技術では、自由水が存在する状態でスラグを炭酸化することで、スラグの外周部に生成するCaCO3またはCaCO3とMgCO3がバインダーとしてスラグ粒同士を固結させてきたが、本発明では、自由水を存在させない状態でスラグを炭酸化させることから、スラグの外周部にバインダーとなるべきCaCO3またはCaCO3とMgCO3が生成し得ないので、上記の通り、スラグ粒同士が固結することのないようにできるわけである。
以上のように、前記(3)に係る発明は、前記(1)または(2)の発明において、製鋼スラグに添加する炭酸水の添加量、炭酸ガスを含有するガスの流量、そのガスの相対湿度の1種または2種以上を制御することにより、製鋼スラグ粒同士を固結させることなく炭酸化処理することを特徴とする。
このようにして、炭酸化によって安定化された製鋼スラグの各粒を樹脂に埋め込んで、研磨によって断面を観察したところ、内部に比較的、気孔を有する状態の遊離CaOまたはCa(OH)2を含むスラグは、ほとんど全面が炭酸カルシウムに安定化しており、また、気孔率が低く緻密なほとんどが遊離CaOと考えられる粒でも、外周から内部にわたって0.5〜2mm程度の層状の炭酸カルシウムに反応していることが確認できた。
これは、まさに内部に浸透した炭酸水を介して炭酸化反応が進んだ結果であり、このような状態まで遊離CaOもしくはCa(OH)2が炭酸カルシウムに変化していれば、安定化処理後の遊離CaOおよびCa(OH)2の合計は、0.9質量%以下になっており、このようなスラグであれば、水もしくは海水に相当な量を投入しても、pHの上昇や白濁の抑制が十分に可能であることも確認できた(前記(4)に係る発明)。
また、本発明によって安定化処理された製鋼スラグは、構成する各スラグ粒同士が固結しておらず、指で触れる程度の少しの外力でもばらばらとなる、単に凝集している擬似粒子体であるため、例えば、路盤材に適用できる最大粒径25mm以下の粒度分布を持つスラグの集合体(JIS A5015 道路用鉄鋼スラグにて規定される上層路盤材向けの粒度調整鉄鋼スラグMS−25や、下層路盤材向けのクラッシャラン鉄鋼スラグCS−20などに相当)にも、特別な破砕工程などを用いることなく対応が可能である(前記(5)および(7)に係る発明)。
さらに、本発明方法によって安定化処理された製鋼スラグ粒と安定化処理前の製鋼スラグ粒について、1mm以下の粒径分布(質量累積率)を測定した一例を図6に示すが、この図6から粒径200μm程度以下のスラグの比率が減少していることも知見した。
この原因を明らかとするために、これらスラグ粒を詳細に観察すると、安定化処理前と比較して最大粒径75μm以下の粉分が、当該粒径超のスラグ粒に篩いによる分級工程では剥離しない程度に、当該粒径超のスラグ粒に付着しているためであることがわかった。
これら最大粒径75μm以下の微粉末は、一般に、各種土木工事用の骨材等として用いられる際に、その量がある一定限度を超えると、コンクリートの単位水量の増加や乾燥時の収縮の増加などにつながり有害なことから、例えば、JIS A5308 レディーミクストコンクリート 等にて、その量が規定されているが、本発明による安定化処理によれば、これら微粉末の影響を緩和することが可能であり、さらには、安定化処理後の安定化スラグの輸送作業といった工程における粉塵の抑制や、例えば、天然砂の代替として水中に投入した際にも、長時間懸濁する微粉末分が少ないことから、比較的速やかに濁度が回復するなどといった副次的な利点をも有する。(前記(6)に係る発明)
水和性石灰(f−CaOすなわち遊離CaOとCa(OH)2の合計)を3.5質量%含む、表1に示す成分の製鋼スラグ50tonを、大気圧下、100℃の水蒸気雰囲気の中で36時間、エージング処理を施した。エージング処理後の製鋼スラグの粒径は25mm以下であった。水和性石灰の量は、化学分析法(エチレングリコール抽出−原子吸光光度法)により分析した。
このエージング処理後の製鋼スラグを約2tonずつに小分けし、表2に示す条件に炭酸水の添加量を調整した。炭酸水として、20℃、1気圧下における炭酸ガスの飽和溶解度1.75g/l−H2Oに対して約1.5倍炭酸ガスを含有する水を用いた。炭酸水の添加量は、JIS A1101 コンクリートのスランプ試験方法により自由水0%となる水分値を求め、表2の水準に振った。
底にメッシュ状の鉄板を配置した幅1m、奥行き1mのスペースに、この炭酸水の添加量を調整したスラグを配置し、内部、約10箇所の温度・湿度を測定できるようにセンサーをセットしながら、高さ1mに山積みした上で、全体をシートで覆った。
この準備の整った製鋼スラグに、同じく表2に示す条件で、相対湿度を調整した炭酸ガスを含有するガスを底部から流した。本発明例1、2においては、製鋼スラグを含む雰囲気温度を制御せずに、所定量の炭酸ガスを含有するガスを流すだけの安定化処理を行ったが、本発明例3〜8においては、製鋼スラグの雰囲気温度が設定温度に極力一定となるように炭酸ガス含有ガス流量、ガス中の相対湿度ないしはスラグの炭酸水分含有量のいずれか1つ以上を制御しながら安定化処理を行った。
試験結果を表3に示す。
本発明例である実施例1〜8は、いずれも炭酸化処理後の製鋼スラグが固結することなく、元の製鋼スラグの粒径のまま10時間以内に安定化処理が完了し、圧縮強度が測定不可能な、手で触れれば分離するほどの擬似粒子体である安定化製鋼スラグを得ることができた。また、いずれも、遊離CaOおよびCa(OH)2の合計は0.9質量%以下にすることができた。
特に、実施例3〜8のように、相対湿度100%(水蒸気飽和)の炭酸ガスを含有するガスを使用することにより、ないしは、製鋼スラグの雰囲気温度を40℃以下に制御することにより、遊離CaOおよびCa(OH)2の合計を、さらに0.6質量%以下に低減することができた。
一方、本発明の範囲を外れる比較例1は、製鋼スラグへの炭酸水添加量が少なすぎるため炭酸化がさほど進行せず、10時間の炭酸化処理後でも、遊離CaOおよびCa(OH)2の合計が2.2質量%と高かった。
製鋼スラグの炭酸水分添加量が多すぎる比較例2は、炭酸化処理時間も36時間と長時間を要し、安定化処理後のスラグが強固に固化した結果、圧縮強度が20MPaを有するため、粒度分布が必要な路盤材や、天然砂の代替材料として使用するためには破砕工程を必要とするものしか得られなかった。
Figure 2005047789
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本発明は、これまで、なかなか利用が図れなかった製鋼スラグを安定化処理し、該スラグの利用可能性や範囲を拡大するものであるから、産業上の利用可能性が極めて大きいものである。
炭酸水添加量を変化させた場合の炭酸化の挙動を示す図である。 本発明による炭酸水添加量と任意時間後の炭酸化率の関係を示す図である。 フロー値測定による自由水が存在する領域を示す図である。 炭酸ガス含有ガスの流量と任意時間後の炭酸化率の関係を示す図である。 炭酸ガス含有ガスならびにスラグを含む周辺の温度を変化させた場合の炭酸化の挙動を示す図である。 本発明による安定化処理前後の粒径1mm以下のスラグの粒度分布を示す図である。

Claims (7)

  1. 大気雰囲気下、加圧雰囲気下または水蒸気雰囲気下でエージング処理が施された製鋼スラグに、自由水が存在し始める水分値未満で、かつ、該水分値よりも10質量%少ない値以上の範囲となるように添加する炭酸水量を調整した後に、炭酸ガスを含有し相対湿度が75〜100%のガスを流すことを特徴とする製鋼スラグの安定化処理方法。
  2. 炭酸水量を調整後、炭酸ガスを含有するガスを流す際の製鋼スラグを含む周辺の雰囲気温度が、常温以上、80℃以下となるように前記ガスの流量を制御することを特徴とする請求項1記載の製鋼スラグの安定化処理方法。
  3. 製鋼スラグに添加する炭酸水量、炭酸ガスを含有するガスの流量、前記ガスの相対湿度の1種または2種以上を制御することにより、製鋼スラグの粒同士を固結させることなく炭酸化処理することを特徴とする請求項1または2記載の製鋼スラグの安定化処理方法。
  4. 前記炭酸化処理後の製鋼スラグ中の遊離CaOおよびCa(OH)2を、合計で0.9質量%以下とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の製鋼スラグの安定化処理方法。
  5. 粒径25mm以下、遊離CaOおよびCa(OH)2が合計で0.9質量%以下である製鋼スラグ粒からなる擬似粒子体であることを特徴とする安定化製鋼スラグ。
  6. 粒径75μm以下の粉分が当該粒径超のスラグ粒に付着していることを特徴とする請求項5記載の安定化製鋼スラグ。
  7. 路盤材用材料であることを特徴とする請求項5または6に記載の安定化製鋼スラグ。
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