JP2005045892A - 圧電アクチュエータ及び液体吐出装置 - Google Patents

圧電アクチュエータ及び液体吐出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】マイグレーションの発生を抑制した圧電アクチュエータ及び液体吐出装置を提供する。
【解決手段】圧電セラミック層と電極層とが交互に積層されてなる圧電積層体の主面に表面電極を具備するとともに、前記圧電積層体の側面に、前記電極層が実質的に露出していないことを特徴とし、特に、前記圧電積層体が、振動板2上に、共通電極5、圧電セラミック層4および複数の個別電極6がこの順に積層されてなり、前記共通電極5と前記個別電極6とで前記圧電セラミック層4を挟持してなる圧電変位素子7が、前記圧電積層体の表面に複数設けられていることが好ましい。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧電アクチュエータ、液体吐出装置及び電子機器に関し、より詳しくは例えば加速度センサ、ノッキングセンサ、AEセンサ等の圧電センサ、圧力ポンプ、燃料噴射用インクジェクター、インクジェットプリンタ用印圧電アクチュエータ1の印刷ヘッド、圧電共振子、発振器、超音波モーター、超音波振動子、フィルタ等に適し、特に広がり振動、伸び振動、厚み縦振動を利用した印刷ヘッドとして好適に用いられる圧電アクチュエータ、及び微細なインク吐出孔からインク滴を吐出して文字や画像を印刷する各種プリンタや記録計、ファクシミリ、あるいは捺染分野や窯業分野で文様形成等に用いられる印刷機等の記録装置に好適に使用される印刷ヘッド、接着剤やインク等の精密吐出・液体搬送に用いられるポンプ等に好適に用いられるそれを用いた液体吐出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、圧電セラミックスを利用した製品としては、例えば圧電アクチュエータ、フィルタ、圧電共振子(発信子を含む)、超音波振動子、超音波モーター、圧電センサ、圧力ポンプ等がある。
【0003】
これらの中で、圧電アクチュエータは、電気信号に対する応答速度が10−6秒台と非常に高速であるため、半導体製造装置のXYステージの位置決め用圧電アクチュエータやインクジェットプリンタの印刷ヘッドに用いられる圧電アクチュエータ等に応用されている。
【0004】
かかるインクジェット方式の記録装置には、印刷ヘッドが搭載されており、この種の印刷ヘッドには、インクが充填されたインク流路内に加圧手段としてのヒーターを備え、ヒーターによりインクを加熱、沸騰させ、インク流路内に発生する気泡によってインクを加圧し、インク吐出孔より、インク滴として吐出させるサーマルヘッド方式と、インクが充填されるインク流路の一部の壁を変位素子によって屈曲変位させ、機械的にインク流路内のインクを加圧し、インク吐出孔よりインク滴として吐出させる圧電方式が一般的に知られている。
【0005】
圧電方式を利用したインクジェット記録装置に用いられる印刷ヘッドは、PZT等のPbを含むペロブスカイト系セラミックスからなる圧電変位素子を備え、該圧電変位素子に両側から駆動電圧を印加した時の圧電変位素子の変位を利用して微小な液滴を液体吐出口から吐出させるものである(例えば、特許文献1)。
【0006】
具体的には、圧電変位素子を複数備える圧電アクチュエータが、液体導入口と、液体加圧室と、液体吐出口とを具備する流路部材の上に、液体加圧室の直上に圧延変位素子が配置されるように、構成されている。
【0007】
このような圧電アクチュエータは、全面に内部電極導体を被着形成された圧電セラミックシートを複数枚積層した後、切断加工層を行って内部電極が側面に露出構造を有し、圧電セラミック層と電極層とが交互に設けられ、各電極層は一つおきに左右の側面に設けられた外部電極に接続されている(例えば、特許文献2参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開平11−34321号公報
【0009】
【特許文献2】
特開平2−272781号公報第4図
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献2記載の圧電アクチュエータは、その側面に内部電極導体が露出しているため、圧電焼結体の表面に電極が設けられている場合、電極を構成する成分のマイグレーションによって表面の絶縁抵抗が低下し、所望の圧電特性が得られないという問題があった。これは、特に高温高湿の環境下におかれると顕著であった。
【0011】
従って、本発明は、マイグレーションの発生を抑制した圧電アクチュエータ及び液体吐出装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、圧電セラミックシート上に形成する内部電極層を、圧電アクチュエータの端面に露出させないように形成することにより、端面全周囲に、実質的に電極層が存在しない圧電アクチュエータを構成することができる。このように、外部に露出する電極層が存在しないため、高温高湿の環境下におかれても、焼結体表面への内部電極成分のマイグレーションを抑制し、圧電特性の劣化を抑制することができる。
【0013】
即ち、本発明の圧電アクチュエータは、圧電セラミック層と電極層とが交互に積層されてなる圧電積層体の主面に表面電極を具備するとともに、前記電極層が、前記圧電積層体の側面の一部を形成しないことを特徴とするものである。
【0014】
特に、前記圧電積層体が、振動板上に、共通電極、圧電セラミック層および複数の個別電極がこの順に積層されてなり、前記共通電極と前記個別電極とで前記圧電セラミック層を挟持してなる圧電変位素子が、前記圧電積層体の表面に複数設けられていることが好ましい。これにより、高温高湿の環境下でも、マイグレーションが発生しないため、電極の電気伝導率、絶縁抵抗の変化、圧電特性の劣化を抑制することができる。
【0015】
また、前記側面の高さが、100μm以下であることが好ましい。これにより、圧電アクチュエータの変位を大きくすることができる。
【0016】
さらに、前記圧電セラミック層の端と、前記個別電極との最小距離が1mm以下であることが好ましい。これにより、圧電アクチュエータの性能が安定したまま、小型化に寄与できる。
【0017】
また、本発明の液体吐出装置は、液体加圧室と、液体導入口と、液体吐出口とを具備する流路部材の表面に、上記の圧電アクチュエータが設けられていることを特徴とするものである。これにより、高温高湿の環境下でも、安定した吐出が実現できるので、信頼性の高い液体吐出装置を得ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態にかかる液体吐出装置に用いられた圧電アクチュエータついて、図面を参照して詳細に説明する。
【0019】
図1(a)は本実施形態の液体吐出装置の断面図、図1(b)はその平面図である。図1(a)および(b)に示すように、この液体吐出装置は、流路部材3の上に、圧電アクチュエータ1が設けられた構造を有する。
【0020】
本発明の圧電アクチュエータ1は、例えば図1(a)に示したように、振動板2の上に、共通電極5と、振動に関与する部位である圧電セラミック層4と、表面に設けられた表面個別電極6とが順次形成されている。そして、圧電セラミック層4を、共通電極5と表面個別電極6とで挟持してなる圧電変位素子7が、基板2上に複数設けられている。このような構成にすることで、圧電変位素子7の変位量を大きくすることが可能となる。
【0021】
なお、振動板2を設けることは、圧電変位素子7を保持し、機械的な振動や衝撃から圧電変位素子7を保護するために好ましい。
【0022】
流路部材3には複数の液体加圧室3aが並設され、液体加圧室3aを仕切る壁として隔壁3bが形成されている。液体加圧室3aの開口部の直上に表面個別電極6が配置するように、圧電アクチュエータ1と流路部材3とが接着されている。
【0023】
共通電極5と表面個別電極6との間に駆動電圧を印加すると、共通電極5と表面個別電極6とで挟持された圧電セラミック層4が変形し、圧電変位素子7が変位する。この変位に伴って、圧電変位素子7と一体化されている振動板2も圧電変位素子7と同一方向に変位し、変位領域7aが変位することとなり、その結果、液体加圧室3aの容積を変化させるため、その時に発生する圧力で液体加圧室3aの液体が液体吐出口8から吐出する。
【0024】
このような複数の圧電変位素子7が、振動板2の表面に設けられてなる圧電アクチュエータ1は、各圧電変位素子7を独立して制御し、微細な領域に振動を起こすため、例えば微量のインクを特定の微細領域に吐出する印刷ヘッドに好適な構造を有している。
【0025】
本発明の圧電アクチュエータは、圧電アクチュエータの側面に、電極層が実質的に露出していないことが重要である。圧電アクチュエータの積層成形体上に形成する内部電極層を、圧電アクチュエータの端面に露出しないように印刷形成することで、端面全周囲に、実質的に電極層が存在しない圧電アクチュエータを構成することができる。
【0026】
また、本発明によれば、圧電セラミック層4の上に個別電極6が設けられているが、圧電セラミック層4の端部4aから個別電極6までの最小距離Dが3mm以下、特に2mm以下、更には1mm以下であることが好ましい。このように端部4aから個別電極6までの距離が小さくても、共通電極5が側面9の一部を形成しない、即ち共通電極5が側面9に達し、側壁に共通電極5が露出していないため、共通電極5の露出部から電極が側面9を拡散して表面に達し、更には表面を拡散して個別電極6に至り、電気絶縁性が低下して圧電特性が劣化することがないので、圧電アクチュエータ1を小さくでき、装置の小型化に寄与することができる。
【0027】
また、圧電アクチュエータの側面9は、圧電セラミックス又はその類似の結晶からなることが好ましく、圧電積層体と一体的に焼成されていることが好ましい。例えば、圧電体の積層成形体を焼結前の状態で生カットを行うことにより、側面9が圧電セラミックス又はその類似の結晶で構成することができる。
【0028】
圧電アクチュエータ1の厚みTは、振動板2と圧電変位素子7の総厚みを示すものであり、100μm以下であることが重要である。このように薄層にすることで、大きな変位を得ることができ、低電圧で高効率の駆動を実現できる。特に、80μm以下、更には65μm以下、より好適には50μm以下が望ましい。
また、十分な機械的強度を有し、取扱いおよび作動中の破壊を防止するため、3μm以上、特に5μm以上、更には10μm以上、より好適には20μm以上が望ましい。
【0029】
圧電セラミック層4としては、圧電性を示すセラミックスを用いることができ、具体的には、Bi層状化合物(層状ペロブスカイト型化合物)、タングステンブロンズ型化合物、およびNb系ペロブスカイト型化合物(Nb酸ナトリウム等のNb酸アルカリ化合物(NAC)、Nb酸バリウム等のNb酸アルカリ土類化合物(NAEC))、マグネシウムニオブ酸鉛(PMN系)、ニッケルニオブ酸鉛(PNN系)、亜鉛ニオブ酸鉛、マンガンニオブ酸鉛、アンチモンスズ酸鉛、チタン酸鉛、チタン酸バリウム等を主成分とするもの、Pbを含有するジルコン酸チタン酸鉛(PZT)やPZTにランタン、バリウム、ニオブ、亜鉛、ニッケル、マンガン等の酸化物の1種または2種以上を添加したもの、例えば、PLZT等のPZT系の圧電材料、チタン酸鉛等のペロブスカイト型化合物を含有する物質を例示できる。
【0030】
上記のうち、特に、少なくともPbを含むペロブスカイト型化合物であるのがよい。例えば、マグネシウムニオブ酸鉛(PMN系)、ニッケルニオブ酸鉛(PNN系)、Pbを含有するジルコン酸チタン酸鉛(PZT)やチタン酸鉛等を含有する物質が好ましい。特に、Aサイト構成元素としてPbを含有し、かつBサイト構成元素としてZrおよびTiを含有する結晶であるのがよい。このような組成にすることで、高い圧電定数を有する圧電セラミック層4が得られる。これら中でもPbを含むジルコン酸チタン酸鉛やチタン酸鉛が、大きな変位を付加する上で好適である。
【0031】
上記ペロブスカイト型結晶の一例として、PbZrTiOを好適に使用できる。また、他の酸化物を混合しても良く、さらに、副成分として、特性に悪影響がない範囲であれば、Aサイトおよび/またはBサイトに他元素が置換していてもよい。例えば、副成分としてZn、Sb、NiおよびTeを添加した、Pb(Zn1/3Sb2/3)OおよびPb(Ni1/2Te1/2)Oの固溶体であってもよい。
【0032】
本発明によれば、上記ペロブスカイト型結晶におけるAサイト構成元素として、さらにアルカリ土類元素を含有するのが望ましい。アルカリ土類元素としてはBa、Sr、Ca等が挙げられ、特にBa、Srが高い変位を得られる点で好ましい。これにより、比誘電率が向上する結果、さらに高い圧電定数を得ることが可能となる。
【0033】
具体的には、Pb1−x−ySrBa(Zn1/3Sb2/3(Ni1/2Te1/2Zr1−a−b−cTi+α質量%Pb1/2NbO(0≦x≦0.14、0≦y≦0.14、0.05≦a≦0.1、0.002≦b≦0.01、0.44≦c≦0.50、α=0.1〜1.0)で表される化合物を例示できる。
【0034】
振動板としては、特に限定されるものではなく、金属、合金及びセラミックスのうち少なくとも1種の材料を使用することができる。例えば、金属として、モリブデン、タングステン、タンタル、チタン、白金、鉄及びニッケルを例示でき、合金は上記金属の合金、ステンレス鋼を例示できる。また、セラミック材料として、アルミナ、窒化アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素、ジルコニア及びPZTを例示できる。
【0035】
圧電アクチュエータとして、変位を繰り返すため、変位した際の応力により振動板2と共通電極5、圧電セラミック層7と共通電極5が剥離しないために、振動板2、共通電極5、圧電セラミック層7の同時焼成により一体化できるものが好ましい。例えば、振動板2と圧電セラミック層7とをPZT等のPb含有ペロブスカイト化合物にし、共通電極5を銀−パラジウム合金にすると、これらの積層体を1回の焼成にて焼結させることができ、しかも振動板2、共通電極5、圧電セラミック層7を一体化することができる。
【0036】
また、同時焼成により圧電積層体を作製することにより、圧電セラミック層7に生じる反り変形を矯正することもできる。
【0037】
なお、共通電極5の他に、振動板2の内部には導体層11を設けても良い。これにより、圧電セラミック層7が変位することによって誘導されて発生する振動板3の圧電振動による電力損失を低減することができる。
【0038】
個別電極6、共通電極5の材質としては、導電性を有するものならば何れでも良く、Au、Ag、Pd、Pt、Cu、Alやそれらの合金等が導電性に優れる点で好ましい。共通電極を形成するために、上記の金属粉末を含む導体ペーストを積層成形体の表面に印刷法等により塗布し、積層後に焼成し、導体ペースト中の金属の粉末を焼結又は溶融させ、圧電体と一体化させることができる。
【0039】
また、個別電極は、上記と同様の導電性ペーストを、圧電変位素子となる一方の圧電セラミック層の表面に印刷して形成しても良いし、前記の、導電性に優れた金属から成る箔やめっき皮膜、真空蒸着皮膜等によって形成しても良い。
【0040】
なお、電極の厚みは、導電性を有しつつ、変位を妨げないことが求められ、具体的には、0.1〜5μm、特に0.3〜3μmが好ましい。例えば、モリブデン、タングステン、タンタル、チタン、白金、鉄、ニッケル等の単体金属や、これらの金属の合金、あるいはステンレス鋼等の金属材料にて、所定の厚みを有する板状に形成した、共通電極を兼ねる振動板の片面に、前記と同様の圧電体グリーンシートを積層した状態で焼結して、振動板と圧電体層との積層体を形成した後、この積層体のうち圧電セラミック層の表面に複数の個別電極を形成すると、圧電セラミック層を圧電変位素子とした駆動部が得られる。
【0041】
本発明の圧電アクチュエータは、例えば、図2(a)に示したように、圧電体からなるグリーンシート24aの片面に、焼成によって共通電極となる導体層25を、導電性ペーストを用いて印刷する。一方、グリーンシートに貫通孔を空けてビアホール28を作製し、ビアホール28にビア導体を充填してビア電極29を作成する。そして、印刷されていないグリーンシート24bと、共通電極が印刷されたグリーンシート24aと、ビア電極29を有するグリーンシート24cとを、この順に積層して積層成形体を作製する。次いで、この積層成形体を焼成して積層体30を形成した後、図2(b)に示したように、この積層体30の主面に複数の個別電極26を形成することにより、本発明の圧電アクチュエータを得ることができる。そして、共通電極25と個別電極26とで圧電セラミック層24cを挟持した圧電変位素子が複数振動板の上に形成される。
【0042】
さらに、上記の圧電アクチュエータを、接着剤を用いて基板上に接合することによって固定すると、液体吐出装置を得ることができる。
【0043】
なお、振動板として金属や合金等の導電性材料を用いた場合には、振動板が共通電極を兼ね、共通電極を省略させることができる。
【0044】
本発明の液体吐出装置は、液体加圧室と、液体導入口と、液体吐出口とを具備する流路部材の表面に、請求上記の圧電アクチュエータが設けられていることを特徴とするものである。そして、圧電アクチュエータの圧電変位素子は、液体加圧室の直上に設けられ、共通電極と個別電極間に駆動電圧を印加すると、個別電極を共通電極とに挟まれた駆動領域が収縮する。しかし、圧電変位素子は共通電極を介して振動板に固定されているため、結果的に、圧電変位素子が加圧室の方向に撓み、変位することになる。
【0045】
このため、本発明の液体吐出装置をインクジェットプリンタ用印刷ヘッドに用いた場合、上記の撓みが発生する際の力がインク加圧室内のインクに圧力変化として伝えられ、この圧力変化によって、インク導入口、インク加圧室、インク吐出口内のインクが振動を起こす。そして振動の速度が結果的にインク吐出口の外に向かうことによって、インク吐出口内のインクメニスカスが外部へと押し出されて、いわゆるインク柱が形成される。
【0046】
このインク柱は、やがて振動の速度がノズル部内方向に向かうことによってノズル部内のインクメニスカスに吸収されるが、その際、インク柱の先端部が切り離されて、インク滴となって紙面の方向に飛翔して、紙面にドットを形成する。
【0047】
インク滴が飛翔して減少した分のインクは、ノズル部内のインクメニスカスの表面張力によって、インクカートリッジから、配管、ジョイント部を経由して印刷ヘッドの共通供給路に補給され、さらに個々のインク導入口、インク加圧室、および吐出口に再充填される。
【0048】
【発明の効果】
本発明は、圧電セラミックシート上に形成する内部電極層を、圧電アクチュエータの端面に露出しない範囲で、印刷形成することにより、端面全周囲に、実質的に電極層が存在しない圧電アクチュエータを構成することができ、外部に露出する電極層が存在しないため、高温高湿の環境下でも、マイグレーションが発生しないため、圧電特性の劣化を抑制することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の圧電アクチュエータで、(a)は積層構造を示す概略断面図、(b)は圧電体の上に個別電極を形成した圧電アクチュエータの斜視図である。
【図2】本発明の圧電アクチュエータの積層状態を示す説明図で、(a)は概略断面図、(b)は平面図である。

Claims (5)

  1. 圧電セラミック層と電極層とが交互に積層されてなる圧電積層体の主面に表面電極を具備するとともに、前記電極層が、前記圧電積層体の側面の一部を形成しないことを特徴とする圧電アクチュエータ。
  2. 前記圧電積層体が、振動板上に、共通電極、圧電セラミック層および複数の個別電極がこの順に積層されてなり、前記共通電極と前記個別電極とで前記圧電セラミック層を挟持してなる圧電変位素子が、前記圧電積層体の表面に複数設けられていることを特徴とする請求項1に記載の圧電アクチュエータ。
  3. 前記積層体の高さが、100μm以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の圧電アクチュエータ。
  4. 前記圧電セラミック層の端と、前記個別電極の端との最小距離が3mm以下であることを特徴とする請求項2又は3記載の圧電アクチュエータ。
  5. 液体加圧室と、液体導入口と、液体吐出口とを具備する流路部材の表面に、請求項1〜4のいずれかに記載の圧電アクチュエータが設けられていることを特徴とする液体吐出装置。
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