JP2005044859A - マルチチップモジュール構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】フリップチップ実装により積層回路基板にMMIC等の素子を接合したとき、素子の接地電極を熱拡散板に接合し、熱拡散と接地電極の接地との双方を実現し、MMICの配線と積層回路基板の配線とをバンプまたはスルーホールにて接続する構造を提供する。
【解決手段】本発明の構造は、接地され、所定の深さの溝部が実装面に形成された導電性の熱拡散板1と、積層回路基板50と、積層回路基板にフリップチップ実装されたチップ2とを有し、チップが溝部に対応して係合され、チップの裏面である接地電極2Cと、溝部の底部1Cとを密着させ、積層回路基板の実装面と熱拡散板の実装面とが接合された構造である。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の構造は、接地され、所定の深さの溝部が実装面に形成された導電性の熱拡散板1と、積層回路基板50と、積層回路基板にフリップチップ実装されたチップ2とを有し、チップが溝部に対応して係合され、チップの裏面である接地電極2Cと、溝部の底部1Cとを密着させ、積層回路基板の実装面と熱拡散板の実装面とが接合された構造である。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロ波帯からミリ波帯にわたる電磁波が利用される複数のマイクロ波・ミリ波集積回路(以下、MMIC:Monolithic Microwave Integrated Circuit:とする)が実装された集積回路基板と、MMIC等からの熱を大気に発散させる熱拡散板とからなるマルチチップモジュール構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、複数のMMICが実装されたマルチチップモジュールでは、増幅器や発振器などの単一回路、または逓倍器・増幅器などの複合回路、ミキサと増幅器等の複合回路が金属導波管回路や立体配線構造により相互に接続されている。
しかしながら、上記各回路は高い周波数で動作させるため、発熱量が大きくなるものがあり、この発熱に基づいた温度上昇により、回路の破壊及び誤動作の要因となる。
このため、マルチチップモジュールは、上記複合回路からの発熱を大気に放射して発散させるため、複合回路に対して放熱手段が設けられ、放熱面積を大きくして、放熱効率を向上させる構造が採られている(特許文献1,2)。
【0003】
【特許文献1】
特許第3129288号公報
【特許文献2】
特許第2616698号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述の特許文献1のマルチチップモジュールは、図4に示すように、チップを熱拡散板(放熱手段)上の積層回路基板にフリップチップ実装した場合、このチップに発生する熱が直接に熱拡散板へ伝達されないため、この熱を効率良く大気中に放射することができない。
このため、上記チップ裏面にフィン付き放熱板やサーマルビアを設けて、チップの発生する熱量を大気中に放射する必要がある。
さらに、フリップチップは実装されている表面とすると、裏面を接地する必要があり、放熱板に加えて別途、接地のための配線を考慮する必要がある。
したがって、上述したマルチチップモジュールは、実装における工程数が増加することにより、コストが上昇し、また、放熱板やサーマルビアを設けることにより、全体的にモジュールの厚さが増加し、モジュール全体のサイズが大きくなるという欠点がある。
【0005】
また、上述の特許文献2のマルチチップモジュールは、図5に示すように、MMIC積層回路基板に実装した場合、熱拡散板(放熱手段)表面に、MMICの設置電極である裏面を貼着し、MMICの表面の配線と積層回路基板の配線とをワイヤードボンディングにより接続される。
そして、このマルチチップモジュールは、ワイヤーのリアクタンス、すなわちワイヤーに起因する寄生インダクタンスにより、実質的なMMICの周波数特性等が変化し、素子特性上の問題となる。
また、このマルチチップモジュールは、MMICだけでなく、抵抗やコンデンサ等などの受動素子を含めると、積層回路基板が厚くなり、この素子の厚さの違いによりワイヤー条件が変わってしまい、実装における工程数が増加することにより、コストが上昇すると言う欠点がある。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、フリップチップ実装により積層回路基板にMMIC等の素子を接合した構成において、素子の接地電極を熱拡散板に接合することで、熱拡散と接地電極の接地との双方を実現し、MMICの配線と積層回路基板の配線とをバンプまたはスルーホールにて接続するマルチチップモジュール構造を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のマルチチップモジュール構造は、接地され、所定の深さの溝部が実装面に形成された導電性の熱拡散板と、積層回路基板と、前記積層回路基板にフリップチップ実装されたチップとを有し、前記チップが前記溝部に対応して係合され、前記チップの裏面である接地電極と、前記溝部の底部とを密着させ、前記積層回路基板の実装面と前記熱拡散板の実装面とが接合され、チップを積層回路基板に実装している構成のため、チップの配線のコンタクトと積層回路基板の配線のコンタクトとがバンプを介し、対向して接続されるので、ワイヤボンディングによる配線接続を行う必要が無く、従来例における寄生インダクタンスによる信号の伝達特性の劣化を抑えることができ、また、チップの接地電極が熱拡散板に密着して接続されているため、発生する熱を効率よくチップの接地と放熱手段へ接続の双方が同一処理で行われることにより、実装の工程数が減少し、製造コストを低下させることができ、かつ、チップに対して従来例のような特別な接地手段を必要としなくなるため、モジュールサイズが大きくなることを防止する。
【0008】
本発明のマルチチップモジュール構造は、前記積層回路基板の裏面に形成した配線と、前記チップとの配線が、前記積層回路基板を貫通するスルーホールを介して接続されているため、ワイヤーボンディングに対してリアクタンス成分を少なくすることができ、従来のワイヤーボンディングを使用した場合に比較し、寄生インダクタンスに起因する信号伝達特性の劣化を抑えることができる。
【0009】
本発明のマルチチップモジュール構造は、前記積層回路基板の裏面の配線とチップの配線とが、バンプ(金バンプやハンダバンプ)により接続されることにより、上記スルーホールによる接続と同様に、ワイヤーボンディングに対してリアクタンス成分を少なくすることができ、従来のワイヤーボンディングを使用した場合に比較し、寄生インダクタンスに起因する信号伝達特性の劣化を抑えることができる。
なお、ここでチップはアクティブチップのみならず、バンプチップにも適用可能である。
【0010】
本発明のマルチチップモジュール構造は、前記積層回路基板が低誘電率及び低低誘電損失の電気的特性を有する樹脂で構成されており、これらの電気特性を有する樹脂は高周波領域における周波数特性を向上させ、電力輸送の効率を向上させるため、ミリ波帯においても対応可能なモジュールを構成することができる。
【0011】
誘電損失 ∝ f・tanδ・√ε
ここで、fが周波数であり、εが比誘電率であり、tanδが誘電正接である。
この式が示すように、周波数を高くした場合、誘電損失を増加させないために、比誘電率及び誘電正接を低下させる必要のあることが判る。
【0012】
本発明のマルチチップモジュール構造においては、前記樹脂がポリ4フッ化エチレン樹脂(例えば、テフロン(登録商標)樹脂)またはBT樹脂もしくはLCP樹脂のいずれかが用いられる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図を用いて、本発明の一実施形態によるマルチチップモジュールの説明を行う。図1は、本発明の一実施形態によるマルチチップモジュールの断面を示す概念図である。
本発明のマルチチップモジュール構造は、接地され、所定の深さの溝部1aが実装面1bに形成された導電性の熱拡散板1と、素子2がフリップチップ実装されている積層回路基板50とから構成されている。
ここで、溝部1aの所定の深さは、積層回路基板50の厚さと、素子2(チップ)の厚さに対応した深さに形成されている。
また、熱拡散板1と積層回路基板50とが、素子2を溝部1aに対応して(熱拡散板1と積層回路基板50と双方の実装面が対向するように)係合させて、素子2の裏面である接地電極2cと、溝部の底部1cとが密着するように、重ね合わせられて接合された構造となっている。
【0014】
上記熱拡散板1は、実装面1b及び上記底部1c表面が金(Au)メッキ(例えば500nmの厚さ)された銅(Cu、例えば、700μm)であり、MMIC等の素子2を埋め込む所定の深さの溝1aが形成されており、電気的に接地電位とされている。以下この熱拡散板1の実装面1b及び上記底部1c表面の金メッキを導体3として説明する。
この溝1aは、表面からの深さが埋め込む素子2の厚さに応じて設定されるものであり、埋め込んだ状態で素子2の表面と熱拡散1の表面との高さが、ほぼ一致する程度の深さにエッチング等により構成される。
【0015】
次に、図2を用いて、図1において、熱拡散板1に接合されている積層回路基板50(MMIC等の素子2が実装されている)の構成を説明する。図2は、図1における積層回路基板50の断面図である。
ポリ4フッ化エチレン樹脂フィルム(以下、フィルムとする)7(誘電体層)と、片面に導体6の層が形成され、他面の導体9が形成されたフィルム8(誘電体層)とは、導体6がフィルム7とフィルム8との間に挟まれる構成となるように接合されている。
また、フィルム7は、片面に導体12が形成されており、他面には導体が形成されていない。
【0016】
ここで、フィルム6及び7は、各々100μmの厚さを有し、比誘電率εが2.6であり、誘電正接tanδ(誘電体損失を示しており、値が低いと誘電体損失が小さい)が0.002であるものを使用する。
また、導体6の層は、パターンニング工程及びエッチング工程を経て、回路に対応したパターンに加工されている。
説明のため、以下、積層回路基板50において、フィルム7の接合面に対して反対の面を、積層回路基板50の実装面とし、フィルム8の接合面に対して反対の面を、積層回路基板50の裏面とする。
【0017】
フィルム7と8との接合された積層回路基板50において、これらフィルム7及び8に挟まれた導体6と、積層回路基板50の実装面及び裏面に形成される導体12,9各々の配線パターンとを電気的に接続するため、導体6に達するスルホール20,21がそれぞれフィルム7及び8に、エッチング等の加工処理により形成されている。
例えば、導体6,9,12が、Cu/Ni/Auの複数の導体の積層により構成され、各層の厚さが9μm/3μm/0.5μmで形成されている。
【0018】
また、スルホール20及び21が直径250μmで形成され、このスルホール20,21各々には、Cu/Ni/Au等の複数の積層された導体10,11がそれぞれ充填されている。
積層回路基板50(フィルム7面)実装面に導体12の層が形成され、積層回路基板50(フィルム8面)裏面に導体9が形成され、導体9及び12はともに、パターンニング工程及びエッチング工程を経て、回路に対応した配線パターンに加工されている。
【0019】
導体12と導体10と導体6とは、熱処理等により電気的に接続されており、同様に、導体9と導体11と導体6とは熱処理等により電気的に接続されており、積層回路基板50の実装面の導体12と裏面の導体9とは、上記スルホール20,21に充填された各導体を介して電気的に接続されている。
これにより、素子2の配線パターン2aのコンタクト部分は、スルホール20及びスルホール21に各々充填されている導体10,11を介して、積層回路基板50の裏面の導体9による配線パターンと電気的に接続されている。
【0020】
また、積層回路基板50においては、素子2を実装面の導体12へ接続させ、実装するとき、素子2の配線パターン2aに対向する部位に、パンチング(くり抜き加工)の機械加工により、フィルム7及び8の双方を貫通する貫通孔30が形成されている。
この貫通孔30は、フィルム7と素子2との接合界面に、素子2の発熱により熱が蓄積されないように、配線パターン2aにより発生した熱量を、大気中に放射するために設けられている。
【0021】
素子2は、フリップチップであり、例えば、サイドカップル型U字共振器BPF(バンドパスフィルタ)等とすると、アルミナ等の厚さ250μmの絶縁体2bの表面に、配線パターン2aが形成されており、この絶縁体2bの裏面に接地電極2cが形成されている。
そして、素子2は、積層回路基板50(フィルム7側)の実装面にフリップチップ実装され、すなわち、積層回路基板50実装面の導体12のパターンのコンタクト部分と、配線パターン2aのコンタクト部分とが対向して接合され、バンプ5、例えばAuスタッドバンプ(またはハンダバンプ)により電気的に接続されている。
ここで、Auスタッドバンプを用いた場合、接合条件としては、295℃に過熱した状態で18秒の間、100g/cm2の圧力を印加して加圧処理を行う。
【0022】
配線パターン2a及び接地電極2cは、例えば、Ti(チタン)/Ni(ニッケル)/Au(金)の積層構造で形成されており、例えば各層の厚さ50nm/2μm/50nm/250nmで形成されている。
素子2の側壁と溝1aの側壁との間には、素子2を固定するため、樹脂などが絶縁体4として設けられている。
【0023】
溝1aの底部と素子2の接地電極2cとは、Ag(銀)ペースト3を介して、電気的に接続されている。
ここで、Agペースト3を用いた場合、接合条件としては、N2雰囲気のオーブン焼成において、150℃に過熱した状態で30分の間、150g/cm2の圧力を印加して加圧処理を行う。
【0024】
図1に戻り、積層回路基板50の実装面は熱拡散板1の実装面に接続されて、導体12が導体3に電気的に接続され、接地電位となる。
しかしながら、導体12を1部パターンニングにより分割して、配線パターンまたは電源線として用いる場合、導体12をパターンニングした後、積層回路基板50と熱拡散板1とを接合させ、モジュール構造としたときに、この配線パターンまたは電源線が導体3及び熱拡散板1と電気的に絶縁される必要があるため、導体12による配線パターンと導体3(及び熱拡散板1)との間に絶縁層13が形成されている。
【0025】
上述したように、本発明のマルチチップモジュール構造は、従来のワイヤーボンディングにより、素子2と積層回路基板50との配線パターンを接続する従来の場合に比較して、電気的接続におけるリアクタンス成分を削減することができ、高周波特性が向上することになる。
また、本発明のマルチチップモジュール構造は、積層回路基板50にフリップチップ実装された素子2の接地電極2cが、溝1aの底部1cにおいて接地され、かつ放熱板としての積層回路基板50に熱的に接続されているため、十分な放熱が可能であり、従来のフリップチップ実装した場合に用いるヒートシンク等の余分な部品が必要なく、モジュールを小型化することが出来るとともに、実装の工程数を減少させ、製造コストを低減させることができる。
さらに、本発明のマルチチップモジュール構造は、導体12を配線パターンまたは電源線として用いることが可能なため、電源線及び配線の配線位置の自由度を向上させることができるため、配線密度を高くすることができ、よりモジュールのサイズを小さくすることが可能である。
【0026】
以上、この発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
図3は、本発明の他の実施形態であるマルチチップモジュールの一構造例を示す断面図である。同様の構成に対しては、同一の符号を付し、この構成の説明を省略する。
一実施形態と異なる点は、熱拡散板1の実装面1bと積層回路基板50の実装面とを接合したモジュール構造において、熱拡散板1の裏面と、素子2の配線パターン2aとの高さが同様となる深さに溝1aが形成されていることである。
【0027】
すなわち、素子2は、一実施形態のように、積層回路基板50の実装面と、配線パターン2aとが対向してフリップ実装されておらず、積層回路基板50に配線パッドを残して形成された貫通孔30に挿入されて係合されおり、積層回路基板50の裏面の導体9による配線パターンと電気的に接続されている。
これにより、素子2の配線パターン2aは、スルホール20,21に充填された導体10,11を介して積層回路基板50の裏面の導体9と接続されるのではなく、バンプ5を介して直接接続される構成となる。
【0028】
このため、この他の実施形態によるマルチチップモジュール構造は、素子2の配線パターン2aがバンプ5のみを介して導体9による配線パターンに接続されているため、一実施形態の効果に加えて、より信号線と素子2との接続間における寄生インダクタンスが低下することになり、モジュールとしての高周波特性を向上させ、素子2の配線パターン2aが貫通孔30の底でなく、積層回路基板50の裏面において直接大気と接することになり、素子2の発生する熱量を、より大気中に放射し易い構造とすることが可能となる。
【0029】
上述の一実施形態及び他の実施形態において、素子チップとしてMMICを例にとり説明したが、抵抗やコンデンサ等の受動素子についても同様の構成として応用することが可能である。
また、積層回路基板における誘電体層をポリ4フッ化エチレン樹脂のフィルムにより構成するとして説明してきたが、BT樹脂(ビススレイドトリアジン樹脂)またはLCP樹脂(液晶ポリマー樹脂)のフィルムを使用することも可能である。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によるマルチチップモジュール構造によれば、チップが溝部に対応して係合され、チップの裏面である接地電極と、溝部の底部とを密着させ、積層回路基板の実装面と熱拡散板の実装面とが接合され、チップを積層回路基板に実装している構成のため、ワイヤボンディングによる配線接続を行う必要が無く、従来例における寄生インダクタンスによる信号の伝達特性の劣化を抑えることができ、また、チップの接地電極が熱拡散板に密着して接続されているため、チップの接地と放熱手段へ接続の双方が同一処理で行われることになり、従来例に比較して、実装の工程数が減少し、製造コストを低下させることができ、かつ、チップに対して従来例のような特別な接地手段を必要としなくなるため、モジュールサイズが大きくなることを防止する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるマルチチップモジュール構造の構成例の断面を示す概念図である。
【図2】図1における積層回路基板50の構成例の断面を示す概念図である。
【図3】本発明の他の実施形態によるマルチチップモジュール構造の構成例の断面を示す概念図である。
【図4】従来例によるマルチチップモジュール構造の構成の断面を示す概念図である。
【図5】従来例によるマルチチップモジュール構造の構成の断面を示す概念図である。
【符号の説明】
1 熱拡散板 1b 実装面
1a 溝部 1c 溝部の底部
2 素子 2a 配線パターン
2b,4,13 絶縁体 2c 接地電極
3,6,9,10,11,12 導体
5 バンプ 7,8 フィルム
20,21 スルホール 50 積層回路基板
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロ波帯からミリ波帯にわたる電磁波が利用される複数のマイクロ波・ミリ波集積回路(以下、MMIC:Monolithic Microwave Integrated Circuit:とする)が実装された集積回路基板と、MMIC等からの熱を大気に発散させる熱拡散板とからなるマルチチップモジュール構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、複数のMMICが実装されたマルチチップモジュールでは、増幅器や発振器などの単一回路、または逓倍器・増幅器などの複合回路、ミキサと増幅器等の複合回路が金属導波管回路や立体配線構造により相互に接続されている。
しかしながら、上記各回路は高い周波数で動作させるため、発熱量が大きくなるものがあり、この発熱に基づいた温度上昇により、回路の破壊及び誤動作の要因となる。
このため、マルチチップモジュールは、上記複合回路からの発熱を大気に放射して発散させるため、複合回路に対して放熱手段が設けられ、放熱面積を大きくして、放熱効率を向上させる構造が採られている(特許文献1,2)。
【0003】
【特許文献1】
特許第3129288号公報
【特許文献2】
特許第2616698号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述の特許文献1のマルチチップモジュールは、図4に示すように、チップを熱拡散板(放熱手段)上の積層回路基板にフリップチップ実装した場合、このチップに発生する熱が直接に熱拡散板へ伝達されないため、この熱を効率良く大気中に放射することができない。
このため、上記チップ裏面にフィン付き放熱板やサーマルビアを設けて、チップの発生する熱量を大気中に放射する必要がある。
さらに、フリップチップは実装されている表面とすると、裏面を接地する必要があり、放熱板に加えて別途、接地のための配線を考慮する必要がある。
したがって、上述したマルチチップモジュールは、実装における工程数が増加することにより、コストが上昇し、また、放熱板やサーマルビアを設けることにより、全体的にモジュールの厚さが増加し、モジュール全体のサイズが大きくなるという欠点がある。
【0005】
また、上述の特許文献2のマルチチップモジュールは、図5に示すように、MMIC積層回路基板に実装した場合、熱拡散板(放熱手段)表面に、MMICの設置電極である裏面を貼着し、MMICの表面の配線と積層回路基板の配線とをワイヤードボンディングにより接続される。
そして、このマルチチップモジュールは、ワイヤーのリアクタンス、すなわちワイヤーに起因する寄生インダクタンスにより、実質的なMMICの周波数特性等が変化し、素子特性上の問題となる。
また、このマルチチップモジュールは、MMICだけでなく、抵抗やコンデンサ等などの受動素子を含めると、積層回路基板が厚くなり、この素子の厚さの違いによりワイヤー条件が変わってしまい、実装における工程数が増加することにより、コストが上昇すると言う欠点がある。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、フリップチップ実装により積層回路基板にMMIC等の素子を接合した構成において、素子の接地電極を熱拡散板に接合することで、熱拡散と接地電極の接地との双方を実現し、MMICの配線と積層回路基板の配線とをバンプまたはスルーホールにて接続するマルチチップモジュール構造を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のマルチチップモジュール構造は、接地され、所定の深さの溝部が実装面に形成された導電性の熱拡散板と、積層回路基板と、前記積層回路基板にフリップチップ実装されたチップとを有し、前記チップが前記溝部に対応して係合され、前記チップの裏面である接地電極と、前記溝部の底部とを密着させ、前記積層回路基板の実装面と前記熱拡散板の実装面とが接合され、チップを積層回路基板に実装している構成のため、チップの配線のコンタクトと積層回路基板の配線のコンタクトとがバンプを介し、対向して接続されるので、ワイヤボンディングによる配線接続を行う必要が無く、従来例における寄生インダクタンスによる信号の伝達特性の劣化を抑えることができ、また、チップの接地電極が熱拡散板に密着して接続されているため、発生する熱を効率よくチップの接地と放熱手段へ接続の双方が同一処理で行われることにより、実装の工程数が減少し、製造コストを低下させることができ、かつ、チップに対して従来例のような特別な接地手段を必要としなくなるため、モジュールサイズが大きくなることを防止する。
【0008】
本発明のマルチチップモジュール構造は、前記積層回路基板の裏面に形成した配線と、前記チップとの配線が、前記積層回路基板を貫通するスルーホールを介して接続されているため、ワイヤーボンディングに対してリアクタンス成分を少なくすることができ、従来のワイヤーボンディングを使用した場合に比較し、寄生インダクタンスに起因する信号伝達特性の劣化を抑えることができる。
【0009】
本発明のマルチチップモジュール構造は、前記積層回路基板の裏面の配線とチップの配線とが、バンプ(金バンプやハンダバンプ)により接続されることにより、上記スルーホールによる接続と同様に、ワイヤーボンディングに対してリアクタンス成分を少なくすることができ、従来のワイヤーボンディングを使用した場合に比較し、寄生インダクタンスに起因する信号伝達特性の劣化を抑えることができる。
なお、ここでチップはアクティブチップのみならず、バンプチップにも適用可能である。
【0010】
本発明のマルチチップモジュール構造は、前記積層回路基板が低誘電率及び低低誘電損失の電気的特性を有する樹脂で構成されており、これらの電気特性を有する樹脂は高周波領域における周波数特性を向上させ、電力輸送の効率を向上させるため、ミリ波帯においても対応可能なモジュールを構成することができる。
【0011】
誘電損失 ∝ f・tanδ・√ε
ここで、fが周波数であり、εが比誘電率であり、tanδが誘電正接である。
この式が示すように、周波数を高くした場合、誘電損失を増加させないために、比誘電率及び誘電正接を低下させる必要のあることが判る。
【0012】
本発明のマルチチップモジュール構造においては、前記樹脂がポリ4フッ化エチレン樹脂(例えば、テフロン(登録商標)樹脂)またはBT樹脂もしくはLCP樹脂のいずれかが用いられる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図を用いて、本発明の一実施形態によるマルチチップモジュールの説明を行う。図1は、本発明の一実施形態によるマルチチップモジュールの断面を示す概念図である。
本発明のマルチチップモジュール構造は、接地され、所定の深さの溝部1aが実装面1bに形成された導電性の熱拡散板1と、素子2がフリップチップ実装されている積層回路基板50とから構成されている。
ここで、溝部1aの所定の深さは、積層回路基板50の厚さと、素子2(チップ)の厚さに対応した深さに形成されている。
また、熱拡散板1と積層回路基板50とが、素子2を溝部1aに対応して(熱拡散板1と積層回路基板50と双方の実装面が対向するように)係合させて、素子2の裏面である接地電極2cと、溝部の底部1cとが密着するように、重ね合わせられて接合された構造となっている。
【0014】
上記熱拡散板1は、実装面1b及び上記底部1c表面が金(Au)メッキ(例えば500nmの厚さ)された銅(Cu、例えば、700μm)であり、MMIC等の素子2を埋め込む所定の深さの溝1aが形成されており、電気的に接地電位とされている。以下この熱拡散板1の実装面1b及び上記底部1c表面の金メッキを導体3として説明する。
この溝1aは、表面からの深さが埋め込む素子2の厚さに応じて設定されるものであり、埋め込んだ状態で素子2の表面と熱拡散1の表面との高さが、ほぼ一致する程度の深さにエッチング等により構成される。
【0015】
次に、図2を用いて、図1において、熱拡散板1に接合されている積層回路基板50(MMIC等の素子2が実装されている)の構成を説明する。図2は、図1における積層回路基板50の断面図である。
ポリ4フッ化エチレン樹脂フィルム(以下、フィルムとする)7(誘電体層)と、片面に導体6の層が形成され、他面の導体9が形成されたフィルム8(誘電体層)とは、導体6がフィルム7とフィルム8との間に挟まれる構成となるように接合されている。
また、フィルム7は、片面に導体12が形成されており、他面には導体が形成されていない。
【0016】
ここで、フィルム6及び7は、各々100μmの厚さを有し、比誘電率εが2.6であり、誘電正接tanδ(誘電体損失を示しており、値が低いと誘電体損失が小さい)が0.002であるものを使用する。
また、導体6の層は、パターンニング工程及びエッチング工程を経て、回路に対応したパターンに加工されている。
説明のため、以下、積層回路基板50において、フィルム7の接合面に対して反対の面を、積層回路基板50の実装面とし、フィルム8の接合面に対して反対の面を、積層回路基板50の裏面とする。
【0017】
フィルム7と8との接合された積層回路基板50において、これらフィルム7及び8に挟まれた導体6と、積層回路基板50の実装面及び裏面に形成される導体12,9各々の配線パターンとを電気的に接続するため、導体6に達するスルホール20,21がそれぞれフィルム7及び8に、エッチング等の加工処理により形成されている。
例えば、導体6,9,12が、Cu/Ni/Auの複数の導体の積層により構成され、各層の厚さが9μm/3μm/0.5μmで形成されている。
【0018】
また、スルホール20及び21が直径250μmで形成され、このスルホール20,21各々には、Cu/Ni/Au等の複数の積層された導体10,11がそれぞれ充填されている。
積層回路基板50(フィルム7面)実装面に導体12の層が形成され、積層回路基板50(フィルム8面)裏面に導体9が形成され、導体9及び12はともに、パターンニング工程及びエッチング工程を経て、回路に対応した配線パターンに加工されている。
【0019】
導体12と導体10と導体6とは、熱処理等により電気的に接続されており、同様に、導体9と導体11と導体6とは熱処理等により電気的に接続されており、積層回路基板50の実装面の導体12と裏面の導体9とは、上記スルホール20,21に充填された各導体を介して電気的に接続されている。
これにより、素子2の配線パターン2aのコンタクト部分は、スルホール20及びスルホール21に各々充填されている導体10,11を介して、積層回路基板50の裏面の導体9による配線パターンと電気的に接続されている。
【0020】
また、積層回路基板50においては、素子2を実装面の導体12へ接続させ、実装するとき、素子2の配線パターン2aに対向する部位に、パンチング(くり抜き加工)の機械加工により、フィルム7及び8の双方を貫通する貫通孔30が形成されている。
この貫通孔30は、フィルム7と素子2との接合界面に、素子2の発熱により熱が蓄積されないように、配線パターン2aにより発生した熱量を、大気中に放射するために設けられている。
【0021】
素子2は、フリップチップであり、例えば、サイドカップル型U字共振器BPF(バンドパスフィルタ)等とすると、アルミナ等の厚さ250μmの絶縁体2bの表面に、配線パターン2aが形成されており、この絶縁体2bの裏面に接地電極2cが形成されている。
そして、素子2は、積層回路基板50(フィルム7側)の実装面にフリップチップ実装され、すなわち、積層回路基板50実装面の導体12のパターンのコンタクト部分と、配線パターン2aのコンタクト部分とが対向して接合され、バンプ5、例えばAuスタッドバンプ(またはハンダバンプ)により電気的に接続されている。
ここで、Auスタッドバンプを用いた場合、接合条件としては、295℃に過熱した状態で18秒の間、100g/cm2の圧力を印加して加圧処理を行う。
【0022】
配線パターン2a及び接地電極2cは、例えば、Ti(チタン)/Ni(ニッケル)/Au(金)の積層構造で形成されており、例えば各層の厚さ50nm/2μm/50nm/250nmで形成されている。
素子2の側壁と溝1aの側壁との間には、素子2を固定するため、樹脂などが絶縁体4として設けられている。
【0023】
溝1aの底部と素子2の接地電極2cとは、Ag(銀)ペースト3を介して、電気的に接続されている。
ここで、Agペースト3を用いた場合、接合条件としては、N2雰囲気のオーブン焼成において、150℃に過熱した状態で30分の間、150g/cm2の圧力を印加して加圧処理を行う。
【0024】
図1に戻り、積層回路基板50の実装面は熱拡散板1の実装面に接続されて、導体12が導体3に電気的に接続され、接地電位となる。
しかしながら、導体12を1部パターンニングにより分割して、配線パターンまたは電源線として用いる場合、導体12をパターンニングした後、積層回路基板50と熱拡散板1とを接合させ、モジュール構造としたときに、この配線パターンまたは電源線が導体3及び熱拡散板1と電気的に絶縁される必要があるため、導体12による配線パターンと導体3(及び熱拡散板1)との間に絶縁層13が形成されている。
【0025】
上述したように、本発明のマルチチップモジュール構造は、従来のワイヤーボンディングにより、素子2と積層回路基板50との配線パターンを接続する従来の場合に比較して、電気的接続におけるリアクタンス成分を削減することができ、高周波特性が向上することになる。
また、本発明のマルチチップモジュール構造は、積層回路基板50にフリップチップ実装された素子2の接地電極2cが、溝1aの底部1cにおいて接地され、かつ放熱板としての積層回路基板50に熱的に接続されているため、十分な放熱が可能であり、従来のフリップチップ実装した場合に用いるヒートシンク等の余分な部品が必要なく、モジュールを小型化することが出来るとともに、実装の工程数を減少させ、製造コストを低減させることができる。
さらに、本発明のマルチチップモジュール構造は、導体12を配線パターンまたは電源線として用いることが可能なため、電源線及び配線の配線位置の自由度を向上させることができるため、配線密度を高くすることができ、よりモジュールのサイズを小さくすることが可能である。
【0026】
以上、この発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
図3は、本発明の他の実施形態であるマルチチップモジュールの一構造例を示す断面図である。同様の構成に対しては、同一の符号を付し、この構成の説明を省略する。
一実施形態と異なる点は、熱拡散板1の実装面1bと積層回路基板50の実装面とを接合したモジュール構造において、熱拡散板1の裏面と、素子2の配線パターン2aとの高さが同様となる深さに溝1aが形成されていることである。
【0027】
すなわち、素子2は、一実施形態のように、積層回路基板50の実装面と、配線パターン2aとが対向してフリップ実装されておらず、積層回路基板50に配線パッドを残して形成された貫通孔30に挿入されて係合されおり、積層回路基板50の裏面の導体9による配線パターンと電気的に接続されている。
これにより、素子2の配線パターン2aは、スルホール20,21に充填された導体10,11を介して積層回路基板50の裏面の導体9と接続されるのではなく、バンプ5を介して直接接続される構成となる。
【0028】
このため、この他の実施形態によるマルチチップモジュール構造は、素子2の配線パターン2aがバンプ5のみを介して導体9による配線パターンに接続されているため、一実施形態の効果に加えて、より信号線と素子2との接続間における寄生インダクタンスが低下することになり、モジュールとしての高周波特性を向上させ、素子2の配線パターン2aが貫通孔30の底でなく、積層回路基板50の裏面において直接大気と接することになり、素子2の発生する熱量を、より大気中に放射し易い構造とすることが可能となる。
【0029】
上述の一実施形態及び他の実施形態において、素子チップとしてMMICを例にとり説明したが、抵抗やコンデンサ等の受動素子についても同様の構成として応用することが可能である。
また、積層回路基板における誘電体層をポリ4フッ化エチレン樹脂のフィルムにより構成するとして説明してきたが、BT樹脂(ビススレイドトリアジン樹脂)またはLCP樹脂(液晶ポリマー樹脂)のフィルムを使用することも可能である。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によるマルチチップモジュール構造によれば、チップが溝部に対応して係合され、チップの裏面である接地電極と、溝部の底部とを密着させ、積層回路基板の実装面と熱拡散板の実装面とが接合され、チップを積層回路基板に実装している構成のため、ワイヤボンディングによる配線接続を行う必要が無く、従来例における寄生インダクタンスによる信号の伝達特性の劣化を抑えることができ、また、チップの接地電極が熱拡散板に密着して接続されているため、チップの接地と放熱手段へ接続の双方が同一処理で行われることになり、従来例に比較して、実装の工程数が減少し、製造コストを低下させることができ、かつ、チップに対して従来例のような特別な接地手段を必要としなくなるため、モジュールサイズが大きくなることを防止する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるマルチチップモジュール構造の構成例の断面を示す概念図である。
【図2】図1における積層回路基板50の構成例の断面を示す概念図である。
【図3】本発明の他の実施形態によるマルチチップモジュール構造の構成例の断面を示す概念図である。
【図4】従来例によるマルチチップモジュール構造の構成の断面を示す概念図である。
【図5】従来例によるマルチチップモジュール構造の構成の断面を示す概念図である。
【符号の説明】
1 熱拡散板 1b 実装面
1a 溝部 1c 溝部の底部
2 素子 2a 配線パターン
2b,4,13 絶縁体 2c 接地電極
3,6,9,10,11,12 導体
5 バンプ 7,8 フィルム
20,21 スルホール 50 積層回路基板
Claims (5)
- 接地され、所定の深さの溝部が実装面に形成された導電性の熱拡散板と、
積層回路基板と、
前記積層回路基板にフリップチップ実装されたチップとを有し、
前記チップが前記溝部に対応して係合され、
前記チップの裏面である接地電極と、前記溝部の底部とを密着させ、
前記積層回路基板の実装面と前記熱拡散板の実装面とが接合された構造であることを特徴とするマルチチップモジュール構造。 - 前記積層回路基板の裏面に形成した配線と、前記チップとの配線が、前記積層回路基板を貫通するスルーホールを介して接続されていることを特徴とする請求項1記載のマルチチップモジュール構造。
- 前記積層回路基板の裏面の配線とチップの配線とが、バンプにより接続されていることを特徴とする請求項1記載のマルチチップモジュール構造。
- 前記積層回路基板が低誘電率及び低誘電損失の電気的特性を有する樹脂で構成されていることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載のマルチチップモジュール構造。
- 前記樹脂がポリ4フッ化エチレン樹脂またはBT樹脂もしくはLCP樹脂のいずれかであることを特徴とする請求項4記載のマルチチップモジュール。
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