JP2005044571A - ハイブリッド型燃料電池システム - Google Patents

ハイブリッド型燃料電池システム Download PDF

Info

Publication number
JP2005044571A
JP2005044571A JP2003201502A JP2003201502A JP2005044571A JP 2005044571 A JP2005044571 A JP 2005044571A JP 2003201502 A JP2003201502 A JP 2003201502A JP 2003201502 A JP2003201502 A JP 2003201502A JP 2005044571 A JP2005044571 A JP 2005044571A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel cell
air
exhaust gas
cell system
electrode exhaust
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2003201502A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4578787B2 (ja
Inventor
Masaru Ogawa
賢 小川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kansai Electric Power Co Inc
Original Assignee
Kansai Electric Power Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kansai Electric Power Co Inc filed Critical Kansai Electric Power Co Inc
Priority to JP2003201502A priority Critical patent/JP4578787B2/ja
Publication of JP2005044571A publication Critical patent/JP2005044571A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4578787B2 publication Critical patent/JP4578787B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E20/00Combustion technologies with mitigation potential
    • Y02E20/16Combined cycle power plant [CCPP], or combined cycle gas turbine [CCGT]
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Fuel Cell (AREA)

Abstract

【課題】高温型燃料電池の高温排気ガスのエネルギーと、加圧型燃料電池の高圧排気ガスのエネルギーとを、それぞれ有効に活用する。
【解決手段】ハイブリッド型燃料電池システムは、常圧高温型燃料電池1と、改質器22を備える加圧低温型燃料電池2と、ターボコンプレッサー発電機3とを併設して構成される。常圧高温型燃料電池1の燃料極排ガス101G及び空気極排空気102Gは、加圧低温型燃料電池2の改質器バーナ221の燃料として活用される。なお燃料極排ガス101G及び空気極排空気102Gを燃焼させた燃焼排ガスで改質器22を加熱するようにしても良い。一方、加圧低温型燃料電池2の燃料極排ガス201G及び空気極排空気202Gは、ターボコンプレッサー発電機3のタービン32を駆動させるためのバーナ31の燃料として活用される。これにより、システムを高効率で運用性の高いものとすることができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、発電容量が数kWから数百MW級の業務用や自家用発電設備、および電気事業用電源として、常圧型の高温型燃料電池と加圧型の低温型燃料電池をハイブリット化することにより、高い発電効率と幅広い負荷運用性を兼ね備えたハイブリッド型燃料電池システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池を分類するカテゴリーの一つとして電池の作動温度による区分があり、大きく分けて作動温度が600〜1000℃程度以上である高温型燃料電池(例えば特許文献1)と、作動温度が200℃程度以下の低温型燃料電池とがある。また、電池スタックへ供給する燃料ガスおよび空気を加圧状態で供給するか否かによる区分があり、加圧供給を行う加圧型燃料電池と、特に加圧を行わずに供給する常圧型(低圧型)燃料電池とがある。
【0003】
図7は、高温型燃料電池の代表である固体電解質型燃料電池(SOFC)のシステム構成概要を示すブロック図であり、図7(a)は加圧型SOFCを、図7(b)は常圧型SOFCをそれぞれ示している。図7(a)において、都市ガス等の燃料NGは、脱硫器71でイオウ分を除去して水蒸気を加えられ、続いて予熱器72で加温状態とされ、作動温度が700〜1000℃のSOFC電池スタック70へ導入される。電池スタック70内部で水素、一酸化炭素、二酸化炭素に改質されながら、水素と一酸化炭素の大部分は、その燃料極701で酸素イオンと反応して電気を発生する。一方、電池スタック70の空気極702では、空気中の酸素を取り込んでこれをイオン化し、この酸素イオンは電解質703を拡散して燃料極701へ移動する。なお、加圧型の場合、空気極702へは加圧空気を送る必要があるが、この例では後述するタービン741によりコンプレッサー743を動作させ、これを空気極702へ送気する構成とされている。
【0004】
図7(b)に示す常圧型SOFCも、基本構成は加圧型SOFCとほぼ同じである。ただ、空気極702へ加圧された空気を送らないので、電動機760とブロワー761とからなる送気装置76により常圧空気を空気極702へ送る点で相違している。
【0005】
このようなSOFCにおいて、一般に燃料極701での水素の利用率は70〜80%でであって、残りの水素は燃料極排ガスとして排出される。また、空気極702での空気中の酸素利用率は50〜60%で、残りの空気は空気極排空気として排出される。これらの燃料極排ガスや空気極排空気は、電池スタックに内蔵されている燃焼室や外部設置のバーナにおいて燃焼し、電池スタックを高温に維持するために使用され、その後400〜600℃の高温ガスとして排出される。而して、これら燃料極排ガスや空気極排空気、あるいはこれらの燃焼排ガスの活用が、燃料電池の運用性や経済性を高める上で重要となる。
【0006】
ところで図7(b)に示す常圧型SOFCの場合は、これらの燃料極排ガスと空気極排空気、或いはこれらの燃焼排ガスも常圧であり、従ってこれら燃料極排ガス及び空気極排空気、或いは燃焼排ガスも、熱交換器73を介して排熱回収ボイラー75へ送られ、該ボイラーのバーナ燃料や加熱用熱源として使用し、蒸気や高温水を製造する程度の用途に止まる。しかし、ボイラーの加熱用熱源として使用する場合は、電気に対して価値の低い熱の発生しかできない。また、夏季等の熱需要が低い時期には熱利用自体の必要性がなくなり、経済性に乏しいという問題がある。
【0007】
一方、図7(a)に示す加圧型SOFCの場合は、燃料極排ガスと空気極排空気、或いはこれらの燃焼排ガスも高圧であり、例えばガスタービン発電機のバーナ燃料や高温・高圧の駆動ガスとして使用することができる。図7(a)はこのような発電装置74を、電池スタック70の後段側に配置した例を示している。電池スタック70から排出された燃料極排ガスと空気極排空気は、電池スタック70内の燃焼室704のバーナで燃焼して燃焼排ガスとされ、熱交換器73を経由して発電装置74へ供給され、そのガスタービン741を駆動させるエネルギー源として用いられる。なお75は、ガスタービン741の排気エネルギーを回収するための排熱回収ボイラーである。前記ガスタービン741は発電機742を作動させて電気を発生させると共に、コンプレッサー743も作動させて加圧空気を生成し、電池スタック70の空気極702にこの加圧空気を供給する。このように加圧型SOFCにあっては、余剰の燃料極排ガスと空気極排空気、或いはこれらの燃焼排ガスから電気と空気極702での反応用加圧空気を得ることが可能となり、前記燃料極排ガス及び空気極排空気、或いはこれらの燃焼排ガスを効果的に利用することができる。
【0008】
他の高温型燃料電池の例として、溶融炭酸塩形燃料電池(MCFC)が挙げられる。MCFCの場合、燃料電池からの燃料極排ガスと空気極排空気の温度が400〜500℃程度と、若干SOFCのそれ(500〜1000℃)より低くなる。システム構成については、電池動作温度が低いために、燃料極排ガスと空気極排空気を燃焼させて電池スタックの保温をする必要性がないため、電池スタックから燃料極排ガスと空気極排空気とを別々に取り出して利用することが可能である。
【0009】
このように、SOFCやMCFCの電池スタックからの燃料極排ガスと空気極排空気、或いはこれらの燃焼排ガスをガスタービンに利用して発電するには加圧型を採用する必要がある。しかしながら、加圧型にするとSOFCやMCFCの燃料電池本体の発電効率も常圧型よりも高くなるものの、電池スタックにおけるシール部の耐圧について厳格性が求められること、及びシステムが複雑となり制御が困難になること等の別観点の課題が発生するので、一概に加圧型が常圧型より優越しているとは言い難い。特に、十数kW程度の業務用や数百kW程度の工場の自家発電用設備は加圧型を採用してもメリットが少ないため、製造コストや技術の難易度を考えると、このクラスでは常圧型が主力となっている。現在、高温型燃料電池としては3〜5kW,数十kW,200kW級が開発され、逐次市場に投入されようとしている。
【0010】
次に、低温型燃料電池としては、りん酸形燃料電池(PAFC)や固体高分子形燃料電池(PEFC)が挙げられる。図8はPAFCのシステム構成を示すブロック図である。都市ガス等の燃料NGは、脱硫器81でイオウ分を除去して水蒸気を加えられ、700〜800℃とされた改質器82内部で改質されながら水素、一酸化炭素、二酸化炭素に分離される。熱交換器83を経て、一酸化炭素は一酸化炭素変成器84で水素と二酸化炭素とに変換され、一酸化炭素濃度は一定値(数%)以下とされる。その後、該混合気体はPAFC電池スタック80へ導入され、導入された水素の大部分は燃料極801で水素イオンになり、この水素イオンは電解質803を通って空気極802に移動する。空気極802には加圧空気が導入され、空気中の酸素を取り込んでこれをイオン化し、該酸素イオンと空気極802に移動してきた前記の水素イオンとが反応して電気を発生するものである。
【0011】
一般に、PAFCにおいては、前記燃料極801での水素の利用率は70〜80%で残りは燃料極排ガス801Gとして排出される。また、空気極802での空気中の酸素利用率は50〜60%で、残りは空気極排空気802Gとして排出される。これらの燃料極排ガス801Gと空気極排空気802Gとは、改質器82のバーナ821に導入され、改質器82の加熱用燃料として使用することで、有効活用が図られている。
【0012】
一方PEFCは、電池の作動温度がPAFCは180〜200℃であるのに対して,PEFCは80〜100℃程度と、低温型燃料電池の中でも比較的低温であり、またPEFCの場合は燃料電池セルに入る改質ガス組成中の一酸化炭素濃度を10ppm以下にする必要があるといった相違はあるが、基本的にはPAFCと同じシステム構成である。
【0013】
なお、PAFCやPEFCにも加圧型と常圧型があり、送電端発電効率(HHV)面で比較すると、常圧型が36〜38%であるのに対して、加圧型は41〜42%であるため、電気事業用電源や電気主体の発電設備とする場合は加圧型が好ましいと言える。しかし、加圧型はシステムが複雑となり制御が困難である等の課題があり、製造コストや技術の難易度が高い。従って、十数kW程度の業務用や数百kW程度の工場の自家発電用設備として加圧型を採用してもメリットが少なく、一般的に普及しているのは常圧型である。
【0014】
近年、業務用PEFCとして3〜5kW,30kW,200kW級のものが開発され、逐次市場に投入されようとしている。また、工場用PAFCとしては50kW,100kW,200kW,500kW,さらには1000kW級のものが開発されているのが現状である。
【0015】
【特許文献1】
特開2001−76750号公報
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
需要家の電気や熱負荷需要量は、需要家の業種や規模、昼夜、或いは季節により様々なものになる。その一例として、図9に事務所ビルの一日の電力・熱負荷需要量の変化を季節別に示す。このように、夏季、冬季、中間期等の季節や一日の間でも時間帯によっても負荷は変化しており、数kW〜数百kWの燃料電池を経済的に運用するには、このような負荷変動にうまく追従させて運転し、余剰となる電気や熱の発生を極力少なくさせる必要がある。
【0017】
このような要請があるのに拘わらず、高温型燃料電池はその構造上、負荷変化や起動停止が極めて制限されてしまうという特質がある。すなわち、固体電解質電池(SOFC)の場合、電池の作動温度は700〜1000℃もの高温になることから、その電池スタックはセラミック材等の耐熱材料で構成する必要があるが、もし起動停止を繰り返すと、常温〜1000℃にも及ぶ広範囲の温度変化が生じることとなり、これを繰り返すとセラミック材に割れが発生する恐れがあることから、間欠的に運転と停止を繰り返すといった運用は基本的には行えない。また、負荷変化についても、負荷を下げると電池温度が下がるために75〜100%程度の負荷変化しか許容できないとされている。
【0018】
これは溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC)の場合も事情はほぼ同じで、起動・停止や負荷変化に対する許容は極めて少ない。実際、定期点検等で高温型燃料電池の運転を停止した場合、再起動に数十時間から数日を要しており、総じて高温型燃料電池は、発電効率は高効率であるが臨機応変に起動停止や負荷変動に対応できないと評価される。
【0019】
このため、高温型燃料電池を設置する場合は、需要家の最低負荷相当容量の燃料電池を設置するものとし、年間を通してほぼ一定負荷で運転できるような燃料電池システムの設計を目指すこととなる。しかしながら、現実には、休日や深夜においては電気や熱負荷需要は極めて少なくなるので、前記のように最低負荷に合わせるとなると、設置できる燃料電池容量は極めて小容量機にならざるを得ない。例えば、図9に示した事務所ビルの電力負荷パターンを見ると、昼間の電力負荷は30kW超程度あるにもかかわらず、夜間若しくは休日では5kW程度しかなく、従って5kW程度の高温型燃料電池しか設置できないという不都合がある。
【0020】
これに対して、りん酸型燃料電池(PAFC)や固体高分子型燃料電池(PEFC)のような低温型燃料電池においては、起動停止や負荷変化に対して強い耐力を持っていると言える。PAFCの場合、電池作動温度が200℃程度と低温であるため、起動停止を行ってもさほど大きな熱変化が電池スタックに付加されず、また負荷変化の許容幅は30〜100%と広範であり、例えば週一回程度の起動停止を行う「WSS運用」にも十分対応可能である。また、PEFCの場合は、動作温度が80〜100℃程度とさらに低く、負荷変化の許容幅も30〜100%であり、毎日一回程度の起動停止を行う「DSS運用」にも対応可能である。ただ、低温型燃料電池は一般に発電効率は高温型よりもかなり低いという根本的な問題があり、低温型燃料電池単体では燃料電池システムの経済的な運用は図り難いという問題があった。
【0021】
他方、上述の通り常圧型燃料電池の場合は、燃料極排ガスと空気極排空気、或いはこれらの燃焼排ガスはせいぜい各種ボイラーのバーナ燃料として用いる程度の活用しかできないが、加圧型燃料電池にあっては、前記燃料極排ガス及び空気極排空気、或いはこれらの燃焼排ガスも高圧であり、例えばガスタービン発電機のバーナ燃料として使用しコージェネレーションシステムを構築することも可能である。
【0022】
本発明者はこのような事情に鑑み、高効率の高温型燃料電池と、発電効率は低いが運用性の高い低温型燃料電池とを、並びに比較的簡易にシステムを構成できる常圧型と、燃料極排ガス及び空気極排空気を有効に活用できる加圧型とを、それぞれの特徴を生かして効果的に組み合わせ、発電システム全体として経済的運用することを着想し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、高温型燃料電池と低温型燃料電池とをハイブリッド化すると共に、高温型燃料電池の高温排気ガスのエネルギーと、加圧型燃料電池の高圧排気ガスのエネルギーとを、それぞれ有効に活用した、高効率で運用性の高いハイブリッド型燃料電池システムを提供することを目的としている。
【0023】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1記載のハイブリッド型燃料電池システムは、常圧高温型燃料電池、加圧低温型燃料電池、及びタービン発電機を備えるハイブリッド型燃料電池システムであって、前記常圧高温型燃料電池の燃料極排ガスと空気極排空気とを、前記加圧低温型燃料電池が具備する改質器の炉内加熱用燃料として用い、さらに前記加圧低温型燃料電池の燃料極排ガスと空気極排空気とを、前記タービン発電機のタービン駆動源として用いるべく構成したことを特徴とするものである。
【0024】
また、請求項2記載のハイブリッド型燃料電池システムは、常圧高温型燃料電池、加圧低温型燃料電池、及びタービン発電機を備えるハイブリッド型燃料電池システムであって、前記常圧高温型燃料電池の燃料極排ガスと空気極排空気とを燃焼して生成させた燃焼排ガスを、前記加圧低温型燃料電池が具備する改質器の炉内加熱用熱源として用い、さらに前記加圧低温型燃料電池の燃料極排ガスと空気極排空気とを、前記タービン発電機のタービン駆動源として用いるべく構成したことを特徴とするものである。
【0025】
このような構成によれば、第一に運用性に関し、(常圧)高温型燃料電池と(加圧)低温型燃料電池とを組み合わせる構成であるので、前述した高温型燃料電池の欠点である起動停止や負荷変動に対する硬直性の問題を、低温型燃料電池が柔軟に補うことが可能になる。例えば、高温型燃料電池には需要家の最低負荷相当の容量分を担持させ、低温型燃料電池にはピーク負荷から前記最低負荷を引いた容量分を担持させるようにすれば、常時は双方を運転し、休日や深夜には低温型燃料電池の運転を停止するといったシステムの能率的な運用が可能となる。
【0026】
第二にエネルギー回収の効率に関し、本発明によれば、常圧(高温)型燃料電池と加圧(低温)型燃料電池とを組み合わせる構成であるので、
(1)常圧(高温)型燃料電池の燃料極排ガスと空気極排空気、或いはこれらの燃焼排ガスで改質器を動作させ、加圧低温型燃料電池の燃料極へ供給する改質ガスを生成し、これにより加圧(低温)型燃料電池が発電する。
(2)加圧(低温)型燃料電池の燃料極排ガスと空気極排空気を駆動源としてタービン発電機を動作させ発電する。
という利用関係が構築される。つまり、常圧高温型燃料電池の燃料極排ガスと空気極排空気、或いはこれらの燃焼排ガスは、それ自身は高温ではあるが常圧なので、例えばターボコンプレッサー発電機等は直ちに駆動できないものの、改質器の加熱熱源として用いることで加圧低温型燃料電池の燃料極用改質ガスを生成し、その排ガスで発電機を駆動するという、因果的な連繋関係が創設され、エネルギーの効率的な回収が行い得るものである。
【0027】
請求項3記載のハイブリッド型燃料電池システムは、請求項1又は請求項2のシステムにおいて、前記タービン発電機がターボコンプレッサー発電機であり、前記加圧低温型燃料電池の燃料極排ガスを、前記ターボコンプレッサー発電機のタービンを駆動させるバーナの燃料として用い、前記加圧低温型燃料電池の空気極排空気を、前記バーナの燃焼用酸化剤として用いることを特徴とするものである。
【0028】
このように構成すれば、前記加圧低温型燃料電池の燃料極排ガス及び空気極排空気を用いて、ターボコンプレッサー発電機を動作させることができ、前記燃料極排ガス及び空気極排空気に基づいた大出力発電を行うことができる。
【0029】
また請求項4記載のハイブリッド型燃料電池システムは、請求項3のシステムにおいて、前記ターボコンプレッサー発電機は少なくともタービン、発電機、及び加圧気体を発生するコンプレッサーを備え、これらは一つの駆動軸上に配置されており、且つ、前記コンプレッサーはクラッチを介して前記駆動軸による動力伝達系から離脱自在とされていることを特徴とする。
【0030】
この構成のように、発電機にコンプレッサーを併設しておけば、例えば前記加圧低温型燃料電池の空気極へ送るべき加圧空気を当該コンプレッサーで生成することが可能である。しかし本発明のシステムにあっては、前述の通り加圧低温型燃料電池は負荷に応じて停止させることを想定しているため、停止時においては前記コンプレッサーは動作不要となる。そこでクラッチを用いて動作不要時には該コンプレッサーを駆動系から外せるようにし、動力損失を低減させ得るよう構成したものである。
【0031】
請求項5記載のハイブリッド型燃料電池システムは、請求項1のシステムにおいて、排熱回収ボイラーをさらに備え、前記常圧高温型燃料電池の燃料極排ガス及び空気極排空気の一部を、前記排熱回収ボイラーの駆動バーナにバイパス供給して燃料として用いることを特徴とする。
【0032】
また請求項6記載のハイブリッド型燃料電池システムは、請求項2のシステムにおいて、排熱回収ボイラーをさらに備え、前記常圧高温型燃料電池の燃料極排ガスと空気極排空気とを燃焼して生成させた燃焼排ガスの一部を、前記排熱回収ボイラーにバイパス供給して、該排熱回収ボイラーの加熱用熱源として用いることを特徴とする。
【0033】
上記請求項5又は請求項6記載の構成によれば、余剰の燃料極排ガス及び空気極排空気、或いはこれらの燃焼排ガスを用い、排熱回収ボイラーにて蒸気、高温水、或いは低温水が製造できるばかりでなく、ハイブリッド化している加圧低温型燃料電池の負荷変化や停止をさせる場合(改質器のパワー変動や停止を行う場合)に、適宜前記燃料極排ガス及び空気極排空気、或いはこれらの燃焼排ガスを迂回させることができ、運用性の高いシステムを構築することができる。
【0034】
請求項7記載のハイブリッド型燃料電池システムは、請求項1又は請求項2のシステムにおいて、前記加圧低温型燃料電池が水蒸気分離器を備えており、前記水蒸気分離器が発生する蒸気を、前記タービン発電機のタービン駆動源の一部として用いることを特徴とする。
【0035】
このように水蒸気分離器を具備させれば、生成される蒸気を蒸気吸収式冷凍機暖房装置などに活用できるのは勿論のこと、本発明のシステムにおいてターボコンプレッサー発電機のタービンにこの蒸気を投入するようにすれば、当該発電機の動力源として有効活用できる。加えて、電力需要があるが熱負荷がないような夏季には発電量を増加させ、熱発生量を極力少なくするといった運用が行えるので、このような蒸気系統を設けておけば、季節や時刻により発生する熱需要の変化に柔軟に対応できるシステムを構築することができる。
【0036】
請求項8記載のハイブリッド型燃料電池システムは、請求項5のシステムにおいて、前記排熱回収ボイラーが水蒸気分離器を備えており、前記水蒸気分離器が発生する蒸気を、前記タービン発電機のタービン駆動源の一部として用いることを特徴とする。
【0037】
本構成においても、生成される蒸気をタービン発電機の動力源として有効に活用することができる。
【0038】
請求項9記載のハイブリッド型燃料電池システムは、請求項1又は請求項2のシステムにおいて、蒸気タービン式発電機を追加して設け、さらに前記加圧低温型燃料電池には水蒸気分離器を具備させ、前記水蒸気分離器が発生する蒸気を、前記蒸気タービン発電機のタービン駆動源として用いることを特徴とする。
【0039】
かかる構成とすれば、追加的に設けた蒸気タービン式発電機を、例えば加圧低温型燃料電池の水蒸気分離器が発生した蒸気のうちの余剰分を用いて運転させる如き運用を行うことができる。すなわち熱負荷需要がさほど無い場合に、余剰の排熱を用いてボトミングサイクルとしての蒸気タービンを作動させることで、排熱を電気として回収するもので、発電効率をさらに向上させたハイブリッド型燃料電池システムとすることができる。
【0040】
請求項10記載のハイブリッド型燃料電池システムは、請求項1又は請求項2のシステムにおいて、蒸気タービン式発電機を追加して設けると共に、さらに水蒸気分離器を有する排熱回収ボイラーを設け、前記排熱回収ボイラーの水蒸気分離器が発生する蒸気を、前記蒸気タービン発電機のタービン駆動源として用いることを特徴とする。
【0041】
この構成においても、排熱回収ボイラーの余剰蒸気を有効活用して排熱を電気として回収でき、発電効率をさらに向上させたハイブリッド型燃料電池システムを構築することができる。
【0042】
請求項11記載のハイブリッド型燃料電池システムは、請求項1〜請求項10のいずれかに記載のハイブリッド型燃料電池システムにおいて、加圧低温型燃料電池が加圧変圧運転を実行可能としたことを特徴とする。
【0043】
加圧低温型燃料電池は加圧変圧運転を行うようにすれば、最低負荷が下がり、部分負荷運転をせざるを得ない場合でも高い発電効率を維持できる。従って、加圧変圧運転を実行可能としておけば、本発明のシステム全体として広い負荷範囲で高効率に運用できるシステムとすることができる。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。
[第一実施例]
図1は本発明のハイブリッド型燃料電池システムにかかる基本的なシステムの一例として、常圧高温型燃料電池1と加圧低温型燃料電池2とを併設し、これらに加え、ターボコンプレッサー発電機3と排熱回収ボイラー4とをハイブリッド化したシステムに関するものであり、これらの要素を効果的に連係運用をすることにより、従来の加圧高温型燃料電池とターボコンプレッサー発電機の結合方式よりも高い運用性と経済的を持つシステムを提供するものである。
【0045】
図1において、常圧高温型燃料電池1は電池本体部としての電池スタック10、脱硫器11、及び電池スタック10の空気極102へ空気を送るための、電動機130及びブロワー131からなる送気装置13を備えている。まず天然ガスなど(プロパンガス、ナフサ、灯油等でもよい)の燃料源NGから供給された燃料NG1は、脱硫器11で燃料中に含まれる付臭材としてのイオウ分が除去された後、常圧で電池スタック10の燃料極101へ供給される。
【0046】
ここで常圧高温型燃料電池1として、例えば溶融炭酸塩形燃料電池(MCFC)を採用した場合で説明すると、電池スタック10の作動温度は約650℃とされ、水蒸気と共に電池スタック10へ送られた燃料NG1は、電池スタック10内部で水素、一酸化炭素、二酸化炭素に改質されながら、水素と一酸化炭素の大部分は、その燃料極101で炭酸イオンと反応して水と二酸化炭素を生成すると共に電気を発生する。一方、電池スタック10の空気極102では、空気中の酸素と二酸化炭素を取り込んでこれを炭酸イオンとし、この炭酸イオンは電解質103を通って燃料極101へ移動し、前記反応源としての炭酸イオンを供給する。
【0047】
前述の通り、MCFCにおいては、一般に燃料極101での水素の利用率は70〜80%程度であって、残りの水素は燃料極排ガス101Gとして排出される。また、空気極102での空気中の酸素利用率は50〜60%程度で、残りの空気は空気極排空気102Gとして排出される。MCFCの場合、燃料極排ガス101Gと空気極排空気102Gは電池スタック10から別々に排出される。この排出された燃料極排ガス101Gと空気極排空気102Gは、再循環ブロワーによりそれぞれ燃料系統や空気系統に返され有効利用される。また、燃料極排ガス101Gの一部は空気系統に送られ、二酸化炭素を空気極102に供給して再利用されている。また、余剰となる燃料極排ガス101Gと空気極排空気102Gについては、ガスタービンの駆動源として使用することもできる。
【0048】
本発明においては、これら燃料極排ガス101G及び空気極排空気102Gを有効活用する。すなわち、前記電池スタック10から排出される燃料極排ガス101Gと空気極排空気102Gとは、それぞれ配管路101M,102Mを経由して、加圧低温型燃料電池2用の改質ガスを生成する改質器22の炉内加熱用バーナ221に燃料として供給されるよう構成されている。
【0049】
これに加えて、該バーナ221の燃焼排ガス22Gをも活用すべく、該燃焼排ガス22Gは熱交換器222を経由して排熱回収ボイラー4へ送られ、熱回収がなされる。排熱回収ボイラー4の内部では、蒸気発生器41、高温水発生器42、及び低温水発生器43にて、それぞれ蒸気、高温水(90℃程度)、低温水(40℃程度)が生成され、冷凍機や暖房、給湯などの用途に供される。一方、熱回収された前記燃焼排ガス22Gは、排熱回収ボイラー4を出た後に水回収器44へ導出され、水回収器44にて燃焼排ガス22G中に含まれている水分を回収して排気筒45から排出されることになる。
【0050】
次に、加圧低温型燃料電池2は、基本構成として脱硫器21、改質器22、熱交換器23,26、一酸化炭素変成器24、気水分離器25、及び電池本体部としての電池スタック20を備えている。かかる構成において、燃料源NGから供給された燃料NG2は、燃料昇圧コンプレッサー2Cで加圧され、脱硫器21へ送られてイオウ分が除去され、水蒸気と共に、前記の通り常圧高温型燃料電池の燃料極排ガス101G及び空気極排空気102Gで作動される改質器22へ、500℃程度に予熱されてから送られる。なお、この改質器22の改質側は加圧反応とし、燃焼炉側は常圧燃焼の構造をとる。
【0051】
改質器22へ導入された脱硫後燃料と水蒸気は、改質温度まで昇温された改質器22内部で加熱・反応され、水素、一酸化炭素、二酸化炭素に分離されて改質ガスが生成される。続いて、熱交換器23を経て、一酸化炭素は一酸化炭素変成器24で水素と二酸化炭素とに変換され、該改質ガスは、気水分離器25で余分な水分を除去した後に、熱交換器26を経て電池スタック20の燃料極201へ導入される。
【0052】
導入された水素の約80%程度は燃料極201で水素イオンになり、この水素イオンは空気極202に移動する。空気極202には後述するコンプレッサー34から加圧空気が導入され、該空気中の酸素を取り込んでこれをイオン化し、この酸素イオンと空気極202に移動してきた前記の水素イオンとが反応して電気を発生するものである。ここでも、燃料極201及び空気極202で水素や酸素が完全に利用されず、利用されなかった分は余剰の燃料極排ガス201G及び空気極排空気202Gとして電池スタック20から排出される。
【0053】
本発明においては、この燃料極排ガス201G及び空気極排空気202も有効活用する。すなわち、加圧低温型燃料電池2の後段にターボコンプレッサー発電機3を配置し、該発電機を電池スタック20から排出される燃料極排ガス201Gと空気極排空気202Gとを利用して駆動させ、電気を発生させる構成としている。具体的には、ターボコンプレッサー発電機3は発電機30とタービン32を備え、該タービン32はバーナ31の燃焼ガスにて回転されるものであって、前記燃料極排ガス201Gをバーナ燃料として、空気極排空気202Gを燃焼用酸化剤として、両者を該バーナ31において燃焼反応させて、その燃焼ガスによりタービン32を駆動するものである。
【0054】
前記ターボコンプレッサー発電機3は、タービン32及び発電機30と一つの駆動軸上に配置されたコンプレッサー34をさらに備え、該コンプレッサー34は外気を取り入れ、タービン32の回転に伴い駆動されて加圧空気Aを製造する。かかる加圧空気Aは、電池スタック20の空気極202へ送られ、該空気極202の動作源として活用される。なお、タービン32の回転軸とコンプレッサー34の回転軸との間にはクラッチ33が介装されており、加圧空気Aを必要としない場合(加圧低温型燃料電池2の運転を停止している場合)にコンプレッサー34のみを回転軸系から離脱自在とし、動力損失が軽減できるよう構成されている。また、前記タービン32を駆動させた後のバーナ31の燃焼排ガス32Gは、配管路により排熱回収ボイラー4に導かれ熱回収される。
【0055】
ところで、電池スタック20には、セルの冷却のために水蒸気分離器28が付設されている。この水蒸気分離器28はその容器280内に冷却水Wを備え、電池スタック20内に敷設された循環配管路に前記冷却水Wを流通させることで冷却を行う。電池スタック10内の熱を吸熱して蒸気化した冷却水Wは容器280内に戻され容器280の外へ逃がされるのであるが、本実施例では容器280からタービン32へ至る配管路28Mにて、前記蒸気をタービン32へ導き、その駆動源として活用している。
【0056】
これに加えて本実施例では、排熱回収ボイラー4の蒸気発生器(水蒸気発生器)41の蒸気口から配管路41Mを延出させて前記配管路28Mと合流接続し、蒸気発生器41が発生する蒸気を、ターボコンプレッサー発電機3のタービン32へ供給可能としている。これにより蒸気発生器41からの蒸気によりターボコンプレッサー発電機3が駆動され得ることになり、加圧低温型燃料電池2の運転が停止されバーナ31の燃焼ガスや水蒸気分離器からの蒸気の供給がなくとも、発電機3が運転できるものである。このような場合に、前記クラッチ33を操作してコンプレッサー34を駆動軸系から外し、タービン32の回転負荷を軽減することが望ましい。
【0057】
以上のように常圧高温型燃料電池1と加圧低温型燃料電池2とを併置したハイブリッド型燃料電池システムによれば、高効率である(常圧)高温型燃料電池1、起動停止性や負荷変化性に優れる(加圧)低温型燃料電池2の特性をそれぞれ生かし、夜間や休日は常圧高温型燃料電池1のみを運転して加圧低温型燃料電池2は停止し、それ以外は負荷に応じて常圧低温型燃料電池2も併用運転するという如き運用が可能となる。
【0058】
そこで、加圧低温型燃料電池2を停止している間は、改質器22による改質ガスの生成は不要となることから、常圧高温型燃料電池1の燃料極排ガス101Gと空気極排空気102Gとは余剰となる。そこで、電池スタック10と改質器バーナ221とを繋ぐ配管路101M,102Mの途中に制御弁101B,102Bを介在し、排熱回収ボイラー4のバーナ40に至るバイパス配管路101S,102Sを設け、前記の燃料極排ガス101G及び空気極排空気102Gを排熱ボイラー4の駆動用に活用できるよう構成している。
【0059】
ここで、加圧低温型燃料電池2を停止し、改質器22が常温まで冷却されてしまうと、加圧低温型燃料電池2を再起動させる際に改質器22が相当温度に昇温されるまで発電がスタートできず、再起動のために長時間を要することになる。かかる不都合を解消するためには、常圧高温型燃料電池1の燃料極排ガス101Gと空気極排空気102Gが具備するエネルギーを活用し、加圧低温型燃料電池2の停止時において改質器22をホットバンキング状態に保ち、再起動に要する時間を大幅に短縮させるようにすることが望ましい。
【0060】
そこで本実施例においては、余剰の燃料極排ガス101G及び空気極排空気102Gの全てを排熱回収ボイラー4のバーナ40へ供給するのではなく、その一部を加圧低温型燃料電池2の改質器バーナ221に導入して燃焼させ、その燃焼ガスを改質器22の炉内へ導入することで、加圧低温型燃料電池2の停止時において改質器22をホットバンキング状態に維持可能なように構成している。このようなホットバンキング運転を行う場合は、前記制御弁101B,102Bは、加圧低温型燃料電池2の運転時にあっては、バイパス配管路101S,102Sへの流路を「閉」として改質器バーナ221にのみ燃料極排ガス101G及び空気極排空気102Gを供給し、加圧低温型燃料電池2の停止時にあっては、バイパス配管路101S,102Sへの流路を「開」として、改質器バーナ221と排熱回収ボイラー4のバーナ40とへ前記の燃料極排ガス101G及び空気極排空気102Gを分岐供給するよう制御される。
【0061】
勿論、加圧低温型燃料電池2を運転している場合でも、加圧低温型燃料電池2の負荷が小さくてもよい場合や、熱需要が多いときは、前記制御弁101B,102Bを調整して、改質器バーナ221へ供給する燃料極排ガス101G及び空気極排空気102Gの量を少なくすると共に、排熱ボイラー4のバーナ40に送る燃料の量を増やし、蒸気、高温水、低温水の発生量を増加させるようにしても良い。
【0062】
[第二実施例]
図2は、図1で説明したハイブリッド型燃料電池システムの変形実施例を示すブロック図であり、図1のシステムと相違する点は、常圧高温型燃料電池1で発生した燃料極排ガスと空気極排空気とを燃焼して生成させた燃焼排ガスを、加圧低温型燃料電池2の改質器22の炉内加熱用熱源として用いるようにシステムを構成した点である。以下、この相違点について主に説明し、図1に示したシステムと同一である点については説明を省略する。
【0063】
本実施例においては、常圧高温型燃料電池1の電池スタック10として、その内部に燃焼室105を具備するものが用いられる。燃焼室105の排気口には、燃焼排ガスを改質器22へ導く配管路105Mが接続されている。さらに、配管路105Mの中間には制御弁105Bが介在されると共に、排熱回収ボイラーに至るバイパス配管路105Sが前記制御弁105Bに接続されており、制御弁105Bの操作により燃焼排ガスの一部が排熱回収ボイラー4へ導かれるよう構成されている。
【0064】
このような構成において、電池スタック10の燃料極101及び空気極102においてそれぞれ発生した燃料極排ガスと空気極排空気は、前記燃焼室105へ導入され、この燃焼室105内で燃焼される。かかる燃焼によって、電池スタック10が高温燃料電池の動作温度付近に保温されることになる。
【0065】
このように燃料極排ガスと空気極排空気とが電池スタック10の燃焼室105で燃焼されるが、かかる燃焼により高温(400〜600℃程度)の燃焼排ガス105Gが生成される。本実施例では、この高温燃焼排ガス105Gを、配管路105Mを通して改質器22へ導き、当該改質器22の炉内加熱用熱源として活用する。すなわち燃焼排ガス105Gが保有する熱によって改質器22が動作されるのであるが、もし燃焼熱が改質器22の動作のために十分でない場合は、改質器バーナ221を作動させて追い炊きするようにしても良い。
【0066】
さらに、前記制御弁105Bを制御することで、前記燃焼排ガス105Gの一部又は全部を、バイパス配管路105Sを通して排熱回収ボイラー4へ導入可能な構成としているので、例えば、制御弁105Bを調整して燃焼排ガス105Gの半分を改質器22の炉内加熱用に、残り半分を排熱回収ボイラー4の加温用に導いて、熱回収を図るようにすることができる。或いは、加圧低温型燃料電池2を停止させているときは、燃焼排ガス105Gを全量バイパス配管路105Sに流して排熱回収ボイラー4の加温用へ導いたり、若しくは燃焼排ガス105Gの一部を、再起動時間を短縮するために改質器22をホットバンキング状態に保つための加熱源として用いるようにしても良い。
【0067】
以上説明したハイブリッド型燃料電池システムの実際上の効果を確認すべく、発電効率や排熱効率等について計算した。ここでは、常圧高温型燃料電池1として固体電解質型燃料電池(SOFC)を、加圧低温型燃料電池2としてりん酸形燃料電池(PAFC)を使用した場合に基づいて計算している。なお、SOFCでは、その燃料極排ガス温度及び空気極排空気温度の双方共に500〜600℃となり、一方PAFCの空気極排空気温度は550℃でSOFCとほぼ同等、燃料極排ガス温度は183℃でSOFCの方が高いが燃料流量の空気量に対する割合は約15%と少なく、温度差の影響は僅かであると考えられる。
【0068】
検討条件として、SOFCの容量を5000kWとし、以下の条件の下、その効率に対する排熱量を下記(1),(2)のように定めた。
[条件]
燃料の発熱量;11000kcal/Nm
燃料エネルギーの費消配分;発電=50%、排熱=40%、放熱=10%
排ガスを燃焼させたときの燃焼ガス温度;1200℃
燃焼ガスの改質器出口温度;500℃
(1)SOFCシステムの発電効率が50%の場合
燃料流量;5000×860×100/(11000×50)=782Nm/h
排熱エネルギー;782×11000×0.4=3440Mcal/h
改質器で利用可能なエネルギー量;
3440×(1200−500)/1200×0.9=1806Mcal/h
(2)SOFCシステムの発電効率が45%の場合
燃料流量;5000×860×100/(11000×45)=868Nm/h
排熱エネルギー;868×11000×0.4=3820Mcal/h
改質器で利用可能なエネルギー量;
3820×(1200−500)/1200×0.9=2005Mcal/h
【0069】
上記の通り、SOFCの燃料極排ガス空気極排空気を利用した場合の排熱量は、発電効率が45%の場合は3820Mcal、発電効率が50%の場合は3440Mcalとなる。
【0070】
一方、加圧りん酸形燃料電池(PAFC)としては、国家プロジェクトで実施された都市エネルギーセンター型5000kW容量のPAFCの例があり、このシステムの設計値を採用した。このPAFCシステムの仕様を図3に示す。
【0071】
図4に記載の通り、改質器バーナには燃料極排ガスとして183℃,2360Nm/h、空気極排空気として550℃,15000Nm/h程度の燃料や空気を利用しており、この熱量でPAFCの改質器で必要とする水素ガスを製造している。当該改質器バーナで必要とする熱負荷は約3600Mcalであり、上記SOFCの排熱エネルギーに相対して0.95(発電効率50%)〜1.06(発電効率45%)の容量になり、これを当てはめるとSOFCが5000kW容量のときのPAFC容量は4750(発電効率50%)kW〜5300kW(発電効率45%)程度となる。これは、最大容量であり、実際は1000〜3000kW程度になると予想されるが、ここではSOFCもPAFCも5000kW 容量として検討する。
【0072】
本発明においては、上記PAFC(加圧低温型燃料電池2)から排出される燃料極排ガス201Gと空気極排空気202Gは、ターボコンプレッサー発電機3の駆動エネルギーとして利用される。5000kW容量の加圧PAFCシステムの場合は、タービン32への入口ガス条件として6kg/cm,280℃,13210Nm/hの排ガスを利用して1800kWの発電が可能である。これに対し、本発明のハイブリット型燃料電池システムでは、6kg/cm,190〜200℃の水素を20%含む燃料極排ガス201Gや空気極排空気202Gを、バーナ31で燃焼させて高温排ガスを製造する。従って、1200〜1300℃程度の高温燃焼ガスをガスタービン32に供給して高効率で運転することが可能である。このエネルギーを利用して、1200℃から500℃までガスタービン32にて発電機30を駆動した場合、ガスタービン32に供給されるエネルギーは2508Mcalであり、ガスタービンの効率を約90%、発電機効率98%として計算すると、次式の通り2572kWの発電が可能となる。
2508Mcal×0.9×0.98/860=2572kW (5000kW改質器の場合)
しかしながら、電池スタック20の空気極202へ反応空気を供給するためのコンプレッサー34が必要となり、5000kW級の6kg/cm・PAFCには約1300kW相当の動力を要し、このためターボコンプレッサー発電機3としての正味の発電量は約1270kW相当となる。
【0073】
以上を前提にして5000kW級SOFC−PAFCハイブリッドシステムの発電効率について計算すると、
常圧5000kW SOFCシステム:送電端効率50%(HHV)の必要NG量は782Nm/h、
加圧5000kW PAFCシステム:送電端効率42%(HHV) の必要NG量は862Nm/h、
となり、従って発電効率は、
[5000 kW(SOFC)+5000 kW(PAFC)+1270 kW(TCG)]×860×100/[(782+862)×11000]=53.6%
となる。一方、従来の常圧5000kW級SOFCシステムで送電端効率45%(HHV)の場合の発電効率は、SOFCの燃料量は869Nm/h、PAFCの燃料量は862Nm/hであるから、
[5000 kW(SOFC)+5000 kW(PAFC)+1270 kW(TCG)]×860×100/[(869+862)×11000]=50.9%(1200℃から500℃までガスタービンで利用/効率計算の詳細は図5参照)
であることから、本発明にかかるハイブリッドシステムは、常圧SOFC、又は加圧PAFCの単純システムとほぼ同等の発電効率が得られることがわかる。
【0074】
なお、本実施例では改質器バーナ221の燃焼排ガス22Gやターボコンプレッサー排ガス32Gは排熱回収ボイラー4に送るよう構成している。そして排熱回収ボイラー4で発生する蒸気を、タービン32に導入可能としており、実際に蒸気を導入して発電した場合はさらに発電量が増加する。
【0075】
[第三実施例]
本発明において、加圧低温型燃料電池2で発生する蒸気を活用すべく、前記のターボコンプレッサー発電機3に加えて、ボトミングサイクルとしての蒸気タービン発電システム5を設置して発電するようにすると、発電量をさらに増加することができるので好ましい。図3にこのような蒸気タービン発電システム5を含むハイブリッド型燃料電池システムの構成例を示している。
【0076】
図3において、常圧高温型燃料電池1と加圧低温型燃料電池2とを併設し、これらに加え、ターボコンプレッサー発電機3と排熱回収ボイラー4とをハイブリッド化している点では、前述の図1に示した実施例と同様であるが、本実施例ではこれらに追加して蒸気タービン発電システム5を設置している。該蒸気タービン発電システム5は、蒸気タービン52、発電機50、及び復水器53を備えている。蒸気タービン52へ供給される蒸気としては、電池スタック20の冷却系統を担う水蒸気分離器28が発生する蒸気28Sと、排熱回収ボイラー4の蒸気発生器41が発生する蒸気41Sを利用する。
【0077】
前記蒸気28Sは配管路28Mで、蒸気41Sは配管路41Mで、それぞれ水蒸気分離器28及び蒸気発生器41から導出され、これら配管路28M,41Mが蒸気タービン52へ直結されているメイン配管路5Mへ送られ、これにより蒸気タービン52が回転され、発電機50が駆動されて発電を行う。蒸気タービン52を作動させた後の排出蒸気52Sは、復水器53へ導入される。そこで発生した回収水は、例えば前記蒸気発生器41へ送り、新たな蒸気発生用に用いることができる。
【0078】
このようなハイブリッド型燃料電池システムの発電効率を算出した。
まず、5000kW改質器の必要熱量は前述の通り3440Mcalであるので、1200℃から500℃までタービンで利用するとして、改質器22からの排熱エネルギー量は、有効に利用できる正味の熱量を1/2と仮定すると
3440Mcal/h×1/2×500/1200=716Mcal/h
また、ターボコンプレッサー3からの排熱エネルギー量(500℃)は、1200℃→500℃のエンタルピ変化は2500Mcal/h(5000kW)であるから、
2500Mcal/h×1/2×5/7=892Mcal/h
従って、排熱回収ボイラーでの流入総熱量は、
716Mcal/h+892Mcal/h=1608Mcal/h
となる。この熱量を使用し、蒸気サイクルの発電効率を約30%と仮定すると、発電出力は、
1608000kcal/h×0.3÷860=561kW
であるので、システム全体の発電効率は、
[5000 kW(SOFC)+5000 kW(PAFC)+1270 kW(TCG) +561kW(ST)]×860×100/[(782+862)×11000]=56.3%
となる。この計算では、水蒸気分離器28が発生する蒸気分を加えておらず、この蒸気もボトミングサイクルの蒸気タービン52に導入して発電すると発電量はさらに増加し、加圧SOFCとタービン発電機とのハイブリッドシステムの発電効率である57%とほぼ同レベルを達成できることになる。
【0079】
ところで、図7(a)に示した如き加圧SOFC単体とタービン発電機とを組み合わせたハイブリットシステムは、前述したようにSOFCの性質上、起動停止や負荷変化が困難で年間を通してほぼ一定運転せねばならないという運用上の大きな課題がある。従って、発電効率が高レベルであっても、著しい運用制限が課せられているといえる。この点、本発明のハイブリッドシステムによれば、SOFC(常圧高温型燃料電池1)自体の負荷変化は75〜100%であるものの、PAFC(加圧低温型燃料電池2)については起動停止が可能で、負荷変化幅は30〜100%の範囲で対応可能である。ゆえに、システム全体としては40〜100%の負荷範囲で負荷調整が可能となり、最低負荷が小さくできるために、深夜の燃料電池運用性の向上や設置できるに燃料電池容量が大きくなり、経済的なメリットが生じる。
【0080】
このように高効率であるが負荷変動への対応や起動停止が困難な高温型燃料電池と、効率は若干低いが負荷変化や起動停止を自由に行える低温型燃料電池とを組み合わせることにより、ベース負荷を前者の燃料電池で分担し、ベース負荷よりも高い部分を後者の燃料電池で分担して、システム全体の効率を改善することを可能としているのが本発明の基本構成である。前者の例としては固体電解質形燃料電池(SOFC)、溶融炭酸塩形燃料電池(MCFC)が挙げられ、後者の例としてはりん酸形燃料電池(PAFC)や固体高分子形燃料電池(PEFC)が挙げられる。本発明においては、これらの中から適宜常圧高温型燃料電池1及び加圧低温型燃料電池2を選択してシステムを構築することができる。なお、PEFCを選定する場合、電池に入る燃料ガスを温度は80℃程度、燃料ガス中の一酸化炭素濃度は10ppm以下にする必要があり、一酸化炭素選択酸化器を設置する必要がある。
【0081】
また発電容量に対する適性としては、PAFCが50kW〜11MWと比較的大型の発電容量に適しているのに対し、PEFCは1kW〜250kWと比較的小容量機に適している。このため、数kW〜250kW級の業務用の場合はSOFC−PEFC−TCG(ターボコンプレッサー発電機)ハイブリッドシステムが適している。なお、PEFCはPAFCよりも発電効率は低いが、将来的にはPAFCよりも低コストで製造できる可能性もあり、発電効率よりもコストを重視するならば、大容量機でもPEFCが採用される可能性がある。
【0082】
本発明においては、加圧低温型燃料電池2が加圧変圧運転を実行可能としておくことが望ましい。ここで加圧変圧運転とは、燃料電池の動作圧力を加圧〜常圧へ切り替え可能として運転することをいう。図6に各負荷率における、加圧形と常圧形のりん酸形燃料電池(PAFC)の発電効率を示す。定格負荷での発電効率が高いのは加圧型であるが、加圧型によると本発明のシステムおいてはターボコンプレッサー発電機5のコンプレッサー34の最低負荷が75%負荷に制約されるため、75%以下の負荷では所内動力が増加して発電効率が大幅に低下する。一方、常圧型では、電池スタックに常圧空気を送る空気ブロワーの負荷は小さくできるために、所内動力の大幅な低下は発生せず、部分負荷での発電効率の低下は僅かである。
【0083】
このような両者の特徴を生かすためには、燃料電池の動作圧力を定格では加圧、最低負荷では常圧として、その間は圧力をスライドした変圧運転とすればよい。その結果PAFCの発電効率は図6の一点鎖線に示すように、最低負荷から定格負荷の間で高い状態にでき、経済的な運用が可能となる。従って本発明のシステムにおいても、加圧低温型燃料電池2の電池スタック20内の動作圧力を、このような加圧変圧運転が可能なように制御し、発電効率を高めるよう運用することが望ましい。具体的には、燃料極201へ送る燃料NG1を昇圧する燃料昇圧コンプレッサー2C、及び空気極202へ加圧空気Aを送るコンプレッサー34の出力を、負荷に応じて制御すればよい。
【0084】
【発明の効果】
以上説明した通りの本発明のハイブリッド型燃料電池システムによれば、常圧高温型燃料電池はほぼ一定格負荷運転をし、加圧低温型燃料電池とターボコンプレッサー発電機などのタービン発電機とが、負荷変化や起動停止を行うために、システム全体としては40〜100%程度の幅広い負荷変化に対して対応可能となる。このため、高温型燃料電池設置時の欠点である需要家の最低負荷相当の設置容量に縛られずに、より大容量機の設置が可能となり運用性が向上するという効果を奏する。
【0085】
また、加圧低温形燃料電池の改質器の炉内加熱燃料として、常圧高温型燃料電池の燃料極排ガス及び空気極排空気、或いはこれらの燃焼排ガスを使用する構成であり、つまりハイブリッド化した一方の燃料電池の燃料極排ガス・空気極排空気を用いて他方の燃料電池の発電を行う構成であるから、システムの発電効率を向上させることができる。加えて、ガスタービンや蒸気タービンのボトミングサイクルを組み込むことにより、加圧高温型燃料電池単体とガスタービンとを組み合せた従来方式と同等の発電効率が得られると共に、上記のように負荷変化や起動停止に柔軟に対応できる、高効率で運用性の高いハイブリッドシステムを構築することができるという効果もある。
【0086】
さらに、需要負荷が低いときは加圧低温型燃料電池を停止するよう運用すれば、システム全体での最低負荷が切り下げられ、広い負荷領域での運用が可能となって、システムの経済性を向上させることができる。また、熱需要が多く、電気需要が低いときにも加圧低温型燃料電池を停止し、常圧高温型燃料電池が発する排熱を排熱回収ボイラー等で積極的に利用して蒸気や高温水を多く発生する運転モードにすることにより、システム全体の広い負荷領域で熱需要に応じた熱を発生させることが可能となる。これにより、需要家別の電気・熱需要の変化や、季節による熱需要の変化にも柔軟に対応することが可能となるという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるハイブリッド型燃料電池システムの第一実施例を示すブロック図である。
【図2】本発明にかかるハイブリッド型燃料電池システムの第二実施例を示すブロック図である。
【図3】本発明にかかるハイブリッド型燃料電池システムの第三実施例を示すブロック図である。
【図4】5000kW加圧型PAFCの仕様を示す表形式の図である。
【図5】図4の仕様に基づいたタービン発電機の出力計算をした表形式の図である。
【図6】常圧型と加圧型のりん酸型燃料電池(PAFC)の発電効率を示すグラフ図である。
【図7】従来の高温型燃料電池の一例を示すブロック図である。
【図8】従来の低温型燃料電池の一例を示すブロック図である。
【図9】需要家の負荷パターンの一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 常圧高温型燃料電池
101G 燃料極排ガス
102G 空気極排空気
105G 燃焼排ガス
11,21 脱硫器
2 加圧低温型燃料電池
201G 燃料極排ガス
202G 空気極排空気
22 改質器
221 改質器バーナ
28 水蒸気分離器
3 ターボコンプレッサー発電機(タービン発電機)
31 (タービン回転用)バーナ
32 タービン
33 クラッチ
34 コンプレッサー
4 排熱回収ボイラー
41 蒸気発生器
5 蒸気タービン発電機
51 タービン

Claims (11)

  1. 常圧高温型燃料電池、加圧低温型燃料電池、及びタービン発電機を備えるハイブリッド型燃料電池システムであって、
    前記常圧高温型燃料電池の燃料極排ガスと空気極排空気とを、前記加圧低温型燃料電池が具備する改質器の炉内加熱用燃料として用い、さらに前記加圧低温型燃料電池の燃料極排ガスと空気極排空気とを、前記タービン発電機のタービン駆動源として用いるべく構成したことを特徴とするハイブリッド型燃料電池システム。
  2. 常圧高温型燃料電池、加圧低温型燃料電池、及びタービン発電機を備えるハイブリッド型燃料電池システムであって、
    前記常圧高温型燃料電池の燃料極排ガスと空気極排空気とを燃焼して生成させた燃焼排ガスを、前記加圧低温型燃料電池が具備する改質器の炉内加熱用熱源として用い、さらに前記加圧低温型燃料電池の燃料極排ガスと空気極排空気とを、前記タービン発電機のタービン駆動源として用いるべく構成したことを特徴とするハイブリッド型燃料電池システム。
  3. 前記タービン発電機がターボコンプレッサー発電機であり、
    前記加圧低温型燃料電池の燃料極排ガスを、前記ターボコンプレッサー発電機のタービンを駆動させるバーナの燃料として用い、
    前記加圧低温型燃料電池の空気極排空気を、前記バーナの燃焼用酸化剤として用いることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のハイブリッド型燃料電池システム。
  4. 前記ターボコンプレッサー発電機は少なくともタービン、発電機、及び加圧気体を発生するコンプレッサーを備え、これらは一つの駆動軸上に配置されており、且つ、前記コンプレッサーはクラッチを介して前記駆動軸による動力伝達系から離脱自在とされていることを特徴とする請求項3記載のハイブリッド型燃料電池システム。
  5. 請求項1記載のハイブリッド型燃料電池システムにおいて、排熱回収ボイラーをさらに備え、
    前記常圧高温型燃料電池の燃料極排ガス及び空気極排空気の一部を、前記排熱回収ボイラーの駆動バーナにバイパス供給して燃料として用いることを特徴とするハイブリッド型燃料電池システム。
  6. 請求項2記載のハイブリッド型燃料電池システムにおいて、排熱回収ボイラーをさらに備え、
    前記常圧高温型燃料電池の燃料極排ガスと空気極排空気とを燃焼して生成させた燃焼排ガスの一部を、前記排熱回収ボイラーにバイパス供給して、該排熱回収ボイラーの加熱用熱源として用いることを特徴とするハイブリッド型燃料電池システム。
  7. 請求項1又は請求項2記載のハイブリッド型燃料電池システムにおいて、前記加圧低温型燃料電池が水蒸気分離器を備えており、
    前記水蒸気分離器が発生する蒸気を、前記タービン発電機のタービン駆動源の一部として用いることを特徴とするハイブリッド型燃料電池システム。
  8. 請求項5記載のハイブリッド型燃料電池システムにおいて、前記排熱回収ボイラーが水蒸気分離器を備えており、
    前記水蒸気分離器が発生する蒸気を、前記タービン発電機のタービン駆動源の一部として用いることを特徴とするハイブリッド型燃料電池システム。
  9. 請求項1又は請求項2記載のハイブリッド型燃料電池システムにおいて、蒸気タービン式発電機を追加して設け、さらに前記加圧低温型燃料電池には水蒸気分離器を具備させ、
    前記水蒸気分離器が発生する蒸気を、前記蒸気タービン発電機のタービン駆動源として用いることを特徴とするハイブリッド型燃料電池システム。
  10. 請求項1又は請求項2記載のハイブリッド型燃料電池システムにおいて、蒸気タービン式発電機を追加して設けると共に、さらに水蒸気分離器を有する排熱回収ボイラーを設け、
    前記排熱回収ボイラーの水蒸気分離器が発生する蒸気を、前記蒸気タービン発電機のタービン駆動源として用いることを特徴とするハイブリッド型燃料電池システム。
  11. 請求項1〜請求項10いずれかに記載のハイブリッド型燃料電池システムにおいて、加圧低温型燃料電池が加圧変圧運転を実行可能に構成したことを特徴とするハイブリッド型燃料電池システム。
JP2003201502A 2003-07-25 2003-07-25 ハイブリッド型燃料電池システム Expired - Fee Related JP4578787B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003201502A JP4578787B2 (ja) 2003-07-25 2003-07-25 ハイブリッド型燃料電池システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003201502A JP4578787B2 (ja) 2003-07-25 2003-07-25 ハイブリッド型燃料電池システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005044571A true JP2005044571A (ja) 2005-02-17
JP4578787B2 JP4578787B2 (ja) 2010-11-10

Family

ID=34261542

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003201502A Expired - Fee Related JP4578787B2 (ja) 2003-07-25 2003-07-25 ハイブリッド型燃料電池システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4578787B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100802800B1 (ko) * 2006-06-01 2008-02-12 엘에스전선 주식회사 연료전지 발전시스템 및 방법
KR20120010662A (ko) * 2010-07-23 2012-02-06 현대중공업 주식회사 연료전지 시스템
KR101447335B1 (ko) * 2012-12-24 2014-10-06 포스코에너지 주식회사 배열을 활용한 스팀터빈 연계 고효율 연료전지 하이브리드 시스템
WO2016013091A1 (ja) * 2014-07-24 2016-01-28 日産自動車株式会社 燃料電池システム
CN109148919A (zh) * 2018-10-11 2019-01-04 中国华能集团清洁能源技术研究院有限公司 一种利用煤气高温显热的整体煤气化燃料电池发电系统及方法

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6185773A (ja) * 1984-10-04 1986-05-01 Hitachi Ltd 複合燃料電池発電設備
JPS62208562A (ja) * 1986-03-10 1987-09-12 Hitachi Ltd 燃料電池発電プラント
JPH09129255A (ja) * 1995-10-23 1997-05-16 Us Government 間接燃焼ガスタービンおよび2重化された燃料電池の複合サイクルの電力発生システム
JP2003123818A (ja) * 2001-10-12 2003-04-25 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 燃料電池システム及び複合発電システム
WO2003038934A1 (fr) * 2001-11-01 2003-05-08 Osaka Gas Co., Ltd. Systeme de pile a combustible
JP2005044572A (ja) * 2003-07-25 2005-02-17 Kansai Electric Power Co Inc:The ハイブリッド型燃料電池システム

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6185773A (ja) * 1984-10-04 1986-05-01 Hitachi Ltd 複合燃料電池発電設備
JPS62208562A (ja) * 1986-03-10 1987-09-12 Hitachi Ltd 燃料電池発電プラント
JPH09129255A (ja) * 1995-10-23 1997-05-16 Us Government 間接燃焼ガスタービンおよび2重化された燃料電池の複合サイクルの電力発生システム
JP2003123818A (ja) * 2001-10-12 2003-04-25 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 燃料電池システム及び複合発電システム
WO2003038934A1 (fr) * 2001-11-01 2003-05-08 Osaka Gas Co., Ltd. Systeme de pile a combustible
JP2005044572A (ja) * 2003-07-25 2005-02-17 Kansai Electric Power Co Inc:The ハイブリッド型燃料電池システム

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100802800B1 (ko) * 2006-06-01 2008-02-12 엘에스전선 주식회사 연료전지 발전시스템 및 방법
KR20120010662A (ko) * 2010-07-23 2012-02-06 현대중공업 주식회사 연료전지 시스템
KR101634816B1 (ko) * 2010-07-23 2016-06-29 현대중공업 주식회사 연료전지 시스템
KR101447335B1 (ko) * 2012-12-24 2014-10-06 포스코에너지 주식회사 배열을 활용한 스팀터빈 연계 고효율 연료전지 하이브리드 시스템
WO2016013091A1 (ja) * 2014-07-24 2016-01-28 日産自動車株式会社 燃料電池システム
JPWO2016013091A1 (ja) * 2014-07-24 2017-04-27 日産自動車株式会社 燃料電池システム
CN109148919A (zh) * 2018-10-11 2019-01-04 中国华能集团清洁能源技术研究院有限公司 一种利用煤气高温显热的整体煤气化燃料电池发电系统及方法
CN109148919B (zh) * 2018-10-11 2023-06-09 中国华能集团清洁能源技术研究院有限公司 一种利用煤气高温显热的整体煤气化燃料电池发电系统及方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4578787B2 (ja) 2010-11-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5331819B2 (ja) Mcfc発電システム
KR101352198B1 (ko) 연료전지 하이브리드 시스템
JP2511866B2 (ja) 燃料電池発電システム及びその起動方法
JP6228752B2 (ja) 発電システム及び発電システムの起動方法
CA2094129A1 (en) Process and installation for the combined generation of electrical and mechanical energy
KR20090108123A (ko) 고효율 파워 발생을 위한 일체형 연료전지 및 열엔진 하이브리드 시스템
JP4875246B2 (ja) 固体電解質型燃料電池システム
JP4568486B2 (ja) ハイブリッド型燃料電池システム
JP4578787B2 (ja) ハイブリッド型燃料電池システム
JPH06223851A (ja) 燃料電池とガスタービンとの複合発電システム
JP4192023B2 (ja) 熱電供給システム
JP2005203223A (ja) 高温型燃料電池を用いたコンバインド発電システム
JP5134186B2 (ja) 固体酸化物形燃料電池を用いたコンバインド発電システム
JP4212322B2 (ja) 燃料電池とマイクロガスタービンのコンバインド発電設備とその起動方法
JP2004047395A (ja) タービン発電設備及び複合発電設備
WO2022113397A1 (ja) 燃料電池システム
JPH10223236A (ja) 燃料電池発電装置
JP4424467B2 (ja) 水素製造システム
JP2004111130A (ja) 燃料電池とマイクロガスタービンのコンバインド発電設備の熱電比変更方法
JP2006097638A (ja) 固体酸化物形燃料電池を用いたコンバインド発電システム
JP5550327B2 (ja) 固体酸化物形燃料電池発電システム
JP2000348742A (ja) 燃料電池発電設備
JP2004247116A (ja) 燃料電池発電プラントの起動方法
Macchi et al. Future Potential Developments of Micro-turbine Generators-Hybrid Cycles and Tri-generation
JP2002093437A (ja) 燃料電池発電設備

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060724

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090204

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100209

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100405

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100817

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100825

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130903

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees