JP4212322B2 - 燃料電池とマイクロガスタービンのコンバインド発電設備とその起動方法 - Google Patents

燃料電池とマイクロガスタービンのコンバインド発電設備とその起動方法 Download PDF

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    • Y02E60/50Fuel cells

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池とマイクロガスタービンのコンバインド発電設備とその起動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
溶融炭酸塩型燃料電池は、高効率かつ環境への影響が少ないなど、従来の発電装置にはない特徴を有しており、水力・火力・原子力に続く発電システムとして注目を集め、現在世界各国で鋭意研究開発が行われている。
【0003】
図4は、例えば天然ガスを燃料とする溶融炭酸塩型燃料電池発電設備の一例を示す構成図である。この図において溶融炭酸塩型燃料電池発電設備は、改質器10、燃料電池11、ターボチャージャー12、排熱回収熱交換器15等を備え、天然ガス等の燃料1を燃料予熱器13で予熱して改質器10の改質室Refに供給し、ここで燃料1を水素を含むアノードガス2に改質する。
燃料電池11では、アノードガス2と酸素を含むカソードガス3とから電気化学的に発電する。燃料電池11を出たアノード排ガス4とカソード排ガス7の一部7aは、燃焼器17に供給されて燃焼して高温の燃焼排ガス5を発生する。この燃焼排ガス5は、改質器10の燃焼室に供給され、ここで改質反応に必要な熱を改質室Refに供給する。
【0004】
改質器10を出た燃焼排ガス5は、CO2ブロア16(以下、カソードブロアと呼ぶ)でカソード入口側にリサイクルされ、ターボチャージャー12から供給される加圧空気6と合流し、カソードガス3となって燃料電池11のカソード側に供給される。反応後のカソード排ガス7の一部7bは、カソードリサイクルライン18を介してカソードブロア16の吸引側にリサイクルされ、残り7cはターボチャージャー用の燃焼器14に供給される。燃焼器14は、起動時や部分負荷時に用いられ、天然ガスをカソード排ガスで燃焼し燃焼排ガスでターボチャージャーを駆動する。
【0005】
ターボチャージャー12は、カソード排ガス7c及び燃焼器14で発生した燃焼排ガスでタービンTを駆動して圧縮機Cで空気を圧縮し、この加圧空気6は前述の燃料電池11のカソード側上流に供給される。タービンTを出た排ガスは、排熱回収熱交換器15に供給され、ここで水蒸気を発生させたのち系外に放出される。発生した水蒸気8は燃料1に混合され改質器10における改質反応に用いられる。
なお、図3において、18aはカソードリサイクルライン18の流量を制御するための高温流量調節弁、12aはタービンTをバイパスしてガスを流すための流量調節弁である。その他の流量調節弁の説明は省略する。
【0006】
上述した燃料電池発電設備において、燃料電池11(溶融炭酸塩型燃料電池、以下単にMCFCという)はアノード側とカソード側とからなり、次のような電極反応が行われる。
アノード反応(負極反応)H2+CO3 2-→H2O+CO2+2e..(1)
カソード反応(正極反応)CO2+1/2O2+2e→CO3 2-..(2)
【0007】
すなわちアノード側では、(1)式により水素ガスとCO3 2-とから水と炭酸ガスと電荷が生成され、カソード側では、(2)式により炭酸ガスと酸素と電荷とからCO3 2-が生成される。(1)式右辺はアノードから排出されるアノード排ガス4の成分を表しており、炭酸ガスが含まれている。また(2)式左辺はカソードに供給されるカソードガスの成分を表しており、同じく炭酸ガスが含まれている。このため上述したカソードブロア16により、改質器で発生したCO2ガスを燃料電池のカソード側に供給してカソード反応に利用するようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
MCFCは、運転温度が600〜700℃と高いため排ガスが高温となり、この高温ガスのエネルギーを回収するためにタービンへ供給している。タービン動力はMCFCの反応に必要な空気を供給するためのコンプレッサー動力に変えられる。
この場合、既存のガスタービン発電機は発電出力が100kWを超えるため、発電出力が数百kW級のMCFCの場合、組み合わせるための数十kW級のガスタービン発電機の代用として、上述したように車両用ターボチャージャーを転用していた。このため、単独起動ができないため、起動時は別途設置する空気コンプレッサーまたは起動用の空気貯槽等が必要であった。また、ターボチャージャーは発電機を備えないため余剰エネルギーが発生する場合でも、発電して発電効率を向上させることができなかった。
【0009】
一方、近年、発電出力が100kWに満たない超小型のガスタービン発電機が開発されている。以下、かかる超小型ガスタービン発電機を「マイクロガスタービン」又は単に「μGT」と略称する。
マイクロガスタービンは、大型のガスタービン発電機と同様に、圧縮機、燃焼器、タービン、及び発電機を備えるが、タービン回転数が相対的に高く(例えば3〜10万rpm)、圧縮比が比較的小さく(例えば4〜6程度)永久磁石型同期高速発電機に代表される回転数可変型の発電機を使用する等の特徴を有する。
【0010】
上述したμGTをMCFCと組み合わせたコンバインド発電設備を、以下「MCFC/μGTシステム」と呼ぶ。かかるMCFC/μGTシステムは、μGTの発電機を電動機として用いてμGTの単独起動ができるため、ターボチャージャーを用いる場合に比較して、起動用の余分な設備が不要となり、かつ発電により発電効率を向上させることができるメリットがある。
【0011】
上述した改質器10における反応(改質反応)は吸熱反応であり、熱源が必要である。この熱源を供給するため改質器の上流側の燃焼器17には触媒燃焼器が用いられている。触媒燃焼器は、比較的低温で自己着火ができる特徴を有するが、それにもかかわらずメタンを主成分の燃料ガス(都市ガス等)の場合、触媒燃焼器を400℃以上まで加熱しなければ自己着火ができない。
そのため、MCFC/μGTシステムの起動時には、μGTを最初に単独で起動し、その後、くうきを抽気してMCFCに空気を供給し、かつこの空気を加熱して触媒燃焼器を400℃以上まで加熱する必要がある。
しかし、触媒燃焼器の昇温速度を速めるため、μGTの圧縮機からの抽気空気で燃料を燃焼させて燃焼ガスを触媒燃焼器に導入すると、燃料を触媒燃焼器の加熱のために余分に消費することとなり、その分、エネルギー損失が増加し、システムの熱効率が低下する。
【0012】
本発明はかかる問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、起動時に余分な燃料を消費することなく触媒燃焼器を短時間に所望の温度(自己着火可能な約400℃以上)まで加熱でき、これにより、熱効率を損なうことなしに起動時間を短縮することができる燃料電池とマイクロガスタービンのコンバインド発電設備とその起動方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、水素を含むアノードガスと酸素を含むカソードガスにより発電する燃料電池(11)と燃料電池で反応後のアノード排ガス(4)を燃焼させる触媒燃焼器(17)とを有する燃料電池モジュール(20)と、圧縮機、燃焼器、タービン及び回転数可変型発電機を有するマイクロガスタービン(22)と、マイクロガスタービンから圧縮空気を抽気し前記燃料電池モジュールに供給する空気供給ライン(24)と、マイクロガスタービンのタービン排ガスライン(28)とを備え、前記空気供給ライン(24)は、触媒燃焼器(17)に圧縮空気を供給する触媒用空気供給ライン(24b)を有し、更に、前記タービン排ガスライン(28)と触媒用空気供給ライン(24b)との間で熱交換する起動用空気予熱器(30)を備える、ことを特徴とする燃料電池とマイクロガスタービンのコンバインド発電設備が提供される。
【0014】
上記本発明の構成によれば、マイクロガスタービンの発電機を電動機として用いてμGTの単独起動ができるため、起動用の余分な設備が不要である。また、起動後は、μGTの発電を併用でき、発電効率を向上することができる。
また、起動用空気予熱器(30)で、タービン排ガスライン(28)と触媒用空気供給ライン(24b)との間で熱交換し、マイクロガスタービンの排ガスで触媒燃焼器(17)に供給する圧縮空気を予熱できるので、起動時に余分な燃料を消費することなく触媒燃焼器を短時間に所望の温度(自己着火可能な約400℃以上)まで加熱でき、これにより、熱効率を損なうことなしに起動時間を短縮することができる。
【0015】
本発明の好ましい実施形態によれば、前記タービン排ガスライン(28)は、排ガスから熱回収する排熱回収熱交換器(15)に排ガスを供給する排熱回収ライン(28a)と、排熱回収熱交換器をバイパスするバイパスライン(28b)とを有し、該バイパスラインに前記起動用空気予熱器(30)は設けられており、排熱回収ライン(28a)とバイパスライン(28b)にはそれぞれの排ガス流量を調節する排熱回収弁(32a)とバイパス弁(32b)が設けられている。
この構成により、排熱回収弁(32a)とバイパス弁(32b)の開度を調節して、触媒燃焼器を短時間に加熱して着火し、次いで触媒燃焼器(17)における触媒燃焼により、改質器と燃料電池を加熱して短時間に昇温することができる。
【0016】
また、本発明によれば、水素を含むアノードガスと酸素を含むカソードガスにより発電する燃料電池(11)と燃料電池で反応後のアノード排ガス(4)を燃焼させる触媒燃焼器(17)とを有する燃料電池モジュール(20)と、圧縮機、燃焼器、タービン及び回転数可変型発電機を有するマイクロガスタービン(22)と、マイクロガスタービンから圧縮空気を抽気し前記燃料電池モジュールに供給する空気供給ライン(24)と、マイクロガスタービンのタービン排ガスライン(28)とを備え、マイクロガスタービンを起動し、圧縮空気を抽気し、マイクロガスタービンの排ガスで予熱して触媒燃焼器(17)に供給することを特徴とする燃料電池とマイクロガスタービンのコンバインド発電設備の起動方法が提供される。
【0017】
上記本発明の方法によれば、マイクロガスタービンを単独で起動し、その圧縮空気の一部を抽気し、マイクロガスタービンの排ガスで予熱して触媒燃焼器(17)に供給することにより、起動時に余分な燃料を消費することなく触媒燃焼器を短時間に所望の温度(自己着火可能な約400℃以上)まで加熱でき、これにより、熱効率を損なうことなしに起動時間を短縮することができる。
【0018】
本発明の好ましい実施形態によれば、排熱回収装置(15)にタービン排ガスを供給する排熱回収弁(32a)を全閉にし、起動用空気予熱器(30)にタービン排ガスを供給するバイパス弁(32b)を全開にするバイパス準備ステップ(A)と、マイクロガスタービン(22)を起動して単独運転するタービン起動ステップ(B)と、起動したマイクロガスタービンから圧縮空気を抽気し、起動用空気予熱器(30)で予熱して燃料電池モジュール(20)の触媒燃焼器(17)に供給する抽気予熱ステップ(C)と、排熱回収弁(32a)及びバイパス弁(32b)を調節して改質器反応部の昇温速度を調整する昇温調整ステップ(D)とを備える。
【0019】
この方法によれば、バイパス準備ステップ(A)で排熱回収弁(32a)を全閉にしかつバイパス弁(32b)を全開にするので、起動用空気予熱器(30)にマイクロガスタービンの排ガス全量を供給するように切り換えることができる。また、タービン起動ステップ(B)でマイクロガスタービンの単独運転をし、この排ガス全量を起動用空気予熱器(30)に供給できる。更に抽気予熱ステップ(C)で圧縮空気を抽気しこれを起動用空気予熱器(30)で予熱して触媒燃焼器(17)に供給して触媒燃焼器を急速加熱できる。次いで、昇温調整ステップ(D)で排熱回収弁(32a)及びバイパス弁(32b)を調節して改質器反応部の昇温速度を調整し、触媒燃焼器(17)における触媒燃焼により、改質器と燃料電池を加熱して短時間に昇温することができる。
【0020】
また、前記タービン起動ステップ(B)において、マイクロガスタービンの発電機を電動機として圧縮機を回転駆動し、圧縮した空気を燃焼器に供給し、燃焼器に燃料を供給して着火し、その燃焼ガスによりタービンを回転駆動して自立運転する。この方法により、マイクロガスタービン単独で、余分な設備を必要とせずに起動して自立運転することができる。
【0021】
また、前記抽気予熱ステップ(C)において、マイクロガスタービンの発電機を無負荷かつ回転数一定制御し、抽気可能な最大空気流量を燃料電池モジュール(20)に供給してこれを昇圧・昇温する。
この方法により、無負荷状態で回転数一定制御するので、圧縮空気の流量を一定に保持したままで燃料流量を最小限度にすることができる。また、抽気可能な最大空気流量(例えば3割程度)を燃料電池モジュール(20)に供給するので、徐々に昇圧ができると共に、その間の触媒燃焼器(17)での発熱により昇温もできる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態を図面を参照して説明する。なお、各図において共通の部材には同一の符号を付し重複した説明を省略する。
【0023】
図1は、本発明によるコンバインド発電設備の実施形態を示す図である。この図に示すように、本発明のコンバインド発電設備は、燃料電池モジュール20、マイクロガスタービン22、空気供給ライン24、カソード排ガスライン26、及びマイクロガスタービンのタービン排ガスライン28を備える。
【0024】
燃料電池モジュール20は、水素を含むアノードガスと酸素を含むカソードガスにより発電する燃料電池11と、燃料電池11で反応後のアノード排ガス4とカソード排ガス7の一部7aを混合する混合器19と、混合した燃料ガスを燃焼させる触媒燃焼器17と、触媒燃焼器17の燃焼排ガス5を燃料電池11のカソード入口側に循環させるリサイクルブロワ16とを備える。
燃料電池11はこの例では、溶融炭酸塩型燃料電池である。しかし、本発明はこれに限定されず、高温高圧下が作動するその他の形式の燃料電池でもよい。
触媒燃焼器17には、燃焼触媒が充填されている。この燃焼触媒は、例えばNiを主成分とする触媒であり、比較的低い温度(例えば400℃前後)で自己着火でき、かつ燃料の流量範囲が非常に広くかつ低酸素濃度でも安定燃焼できる特性を有している。
なお、図1において、燃料電池モジュール20は、その他に、改質器10、燃料予熱器13等を備えている。
【0025】
マイクロガスタービン22は、回転数可変型発電機を有するガスタービン発電装置である。このマンクロガスタービン22は、通常のガスタービン発電装置と同様に、機械的に連結された圧縮機C、タービンT及び発電機Gと燃焼器22aを備える。燃焼器22aには、圧縮機Cで圧縮した圧縮空気と燃料が供給され、図示しない着火装置により着火して燃料を燃焼させることができる。また、発電機Gは、起動時に電動機として短時間用いることができる。
従って、このマイクロガスタービンは、発電機を電動機として用いて単独起動し、燃焼器で燃焼させて、単独で自立運転することができる。
【0026】
空気供給ライン24は、マイクロガスタービン22から圧縮空気を抽気し、燃料電池モジュール20に供給する。この空気供給ライン24は、燃料電池のカソードライン3に圧縮空気を供給する電池用空気供給ライン24aと、電池用触媒燃焼器17に圧縮空気を供給する触媒用空気供給ライン24bとからなる。それぞれのライン24a,24bには、流量調節弁25a,25bが設けられ、それぞれ独立に流量調節することができる。
【0027】
カソード排ガスライン26は、燃料電池11のカソード側とマイクロガスタービン22のタービン入口とを連通するラインであり、燃料電池モジュール20からマイクロガスタービン22にカソード排ガス7の一部を供給する。このカソード排ガス7には、通常5〜15%程度の酸素が含まれる。
【0028】
マイクロガスタービンのタービン排ガスライン28は、排ガスから熱回収する排熱回収熱交換器15に排ガスを供給する排熱回収ライン28aと、排熱回収熱交換器をバイパスするバイパスライン28bとを有する。
【0029】
排熱回収熱交換器15は、マイクロガスタービンを出た燃焼排ガスから熱回収して水蒸気を発生させる。発生した水蒸気8は燃料1に混合され改質器10における改質反応に用いられる。また、熱回収後の燃焼排ガスは、水回収熱交換器33で冷却・凝縮され、水回収タンク34で気液分離し、分離した排ガスは大気中に排気され、回収して水は水処理装置35で水処理した、排熱回収熱交換器15の給水として用いられる。
【0030】
図1に示すように、バイパスライン28bの途中には、起動用空気予熱器30が設けられている。この起動用空気予熱器30は、ガスガスの間接熱交換器であり、タービン排ガスライン28を流れる高温の燃焼排ガスと触媒用空気供給ライン24bを流れる抽気空気との間で熱交換し、抽気空気を予熱するようになっている。
更に、排熱回収ライン28aとバイパスライン28bにはそれぞれの排ガス流量を調節する排熱回収弁32aとバイパス弁32bが設けられている。
【0031】
すなわち、本発明のコンバインド発電設備では、マイクロガスタービン22の圧縮機から触媒燃焼器17(改質器)へ抽気する空気を積極的に予熱する熱源としてマイクロガスタービンの燃焼排ガスを利用するため、排熱回収弁32aをマイクロガスタービンのタービン出口から水回収熱交換器33の間の排気ラインに設けて、マイクロガスタービンの燃焼排ガスが直接大気放出するのを防ぐ。排熱回収弁32aの取付位置は、耐熱性を考慮して最適には排熱回収装置15の下流側がよい。
また、タービンの燃焼排ガスにより触媒燃焼器17に抽気する空気を加熱するための起動用空気予熱器30を設ける。更に、マイクロガスタービンのタービン出口から排熱回収弁32aまでのラインの任意の位置より、起動用空気予熱器30にマイクロガスタービンの燃焼排ガスを導入するライン28bを設ける。
また、マイクロガスタービンの燃焼排ガスの起動用空気予熱器30への適正な流量調整を行うため、起動用空気予熱器30から排熱回収弁32aと水回収熱交換器33の間のラインに接続するライン28bにバイパス弁32bを設ける。
一方、マイクロガスタービンの圧縮機から吐出する圧縮空気の一部を起動用空気予熱器30へ導入し暖めるためのライン24bを設ける。更に、起動用空気予熱器30で予熱した圧縮空気を燃料電池11のカソードと混合器19を結ぶラインに導入し、触媒燃焼器17の加熱を補助するライン24bを設ける。
【0032】
図2は、本発明による起動方法を示すフロー図である。この図に示すように、本発明のコンバインド発電設備の起動方法は、バイパス準備ステップ(A)、タービン起動ステップ(B)、抽気予熱ステップ(C)、昇温調整ステップ(D)、排熱回収ステップ(E)及びコンバインド発電ステップ(F)からなり、マイクロガスタービンを起動し、圧縮空気を抽気し、マイクロガスタービンの排ガスで予熱して触媒燃焼器17に供給することにより、燃料電池モジュールを昇温・昇圧する。
【0033】
バイパス準備ステップ(A)では、排熱回収装置15にタービン排ガスを供給する排熱回収弁32aを全閉にし、起動用空気予熱器30にタービン排ガスを供給するバイパス弁32bを全開にして、起動用空気予熱器30にマイクロガスタービン22の排ガス全量を供給するように切り換える。
【0034】
タービン起動ステップ(B)では、マイクロガスタービン22を起動して単独運転する。このタービン起動ステップ(B)において、マイクロガスタービン22の発電機Gを電動機として圧縮機Cを回転駆動し、圧縮した空気を燃焼器22aに供給し、燃焼器22aに燃料を供給して着火し、その燃焼ガスによりタービンTを回転駆動して自立運転するのがよい。
【0035】
抽気予熱ステップ(C)では、起動したマイクロガスタービン22から圧縮空気を抽気し、ライン24bを介して起動用空気予熱器30で燃焼排ガスにより圧縮空気を予熱し、燃料電池モジュール20の触媒燃焼器17に供給する。
この抽気予熱ステップ(C)において、マイクロガスタービン22の発電機を無負荷かつ回転数一定制御し、抽気可能な最大空気流量(例えば3割程度)を燃料電池モジュール20に供給してこれを昇圧・昇温する。この燃料電池モジュール20の昇圧・昇温の初期には、触媒用空気供給ライン24bから加圧空気を供給して触媒燃焼器17の触媒燃焼により昇温を積極的に行う。
【0036】
昇温調整ステップ(D)では、排熱回収弁32a及びバイパス弁32bを調節して改質器反応部の昇温速度を調整し、触媒燃焼器の着火後の急激な昇温速度を抑制し、改質器10と燃料電池11を加熱して短時間に昇温する。また、並行して、排熱回収装置15にも高温の燃焼排ガスを供給して、この装置を予熱し、改質用水蒸気を回収できるようにする。
【0037】
排熱回収ステップ(E)では、排熱回収装置15により排熱回収して改質用水蒸気を発生させ、この水蒸気8を燃焼ガス1に混合して、改質可能な状態とする。
【0038】
コンバインド発電ステップ(F)では、燃料電池モジュール20での発電を開始し、並行してマイクロガスタービン22でも発電する。すなわち、このステップでは、マイクロガスタービン22の燃焼器22aが消火されており、マイクロガスタービンは燃料電池モジュール20からの排ガスで駆動され、排ガスの持つ圧力エネルギーを回収して発電する。
【0039】
図3は、本発明の実施例を示す温度変化図である。この図において、横軸は起動時のステップであり、縦軸は、各部の温度である。以下、この図に基づき、本発明の起動方法を以下に示す。
ステップ1:マイクロガスタービン22を起動し、定格回転数の無負荷運転状態に移行する。回転数はタービン入口または出口温度制御により行う。
ステップ2:燃料電池モジュール20にマイクロガスタービンからの抽気最大空気量を供給し、燃料電池系統の昇圧、昇温を行う。
ステップ3:触媒燃焼器17の昇温速度の調整はタービン入口または出口温度の設定値を変更して行う。
ステップ4:触媒燃焼器400℃以上で燃料ガスの燃焼を開始する。
ステップ5:排熱回収装置15(HRSG)の出口側の排熱回収弁32aを開けて通ガスする。
ステップ6:排熱回収装置15の起動(昇温)を完了し蒸気供給可能な状態となる。
ステップ7:400℃以上でカソードブロワ16のブロワ軸シール冷却用の蒸気供給を開始する。
ステップ8:改質器反応部温度450〜500℃にてプロセス蒸気供給開始する。
ステップ9:燃料ガスのプロセス系統への供給により改質開始する。
ステップ10:燃料電池の電解質の溶融温度(490℃)に達する。
ステップ11:燃料電池の昇温完了(600℃)。
【0040】
上述したステップ1〜11により、燃料電池とマイクロガスタービンのコンバインド発電設備を短時間に円滑に起動することができる。また、本発明の構成によれば、マイクロガスタービンの発電機を電動機として用いてμGTの単独起動ができるため、起動用の余分な設備が不要である。また、起動後は、μGTの発電を併用でき、発電効率を向上することができる。
また、起動用空気予熱器30で、タービン排ガスライン28と触媒用空気供給ライン24bとの間で熱交換し、マイクロガスタービンの排ガスで触媒燃焼器17に供給する圧縮空気を予熱できるので、起動時に余分な燃料を消費することなく触媒燃焼器を短時間に所望の温度(自己着火可能な約400℃以上)まで加熱でき、これにより、熱効率を損なうことなしに起動時間を短縮することができる。
【0041】
なお本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0042】
【発明の効果】
上述したように本発明の燃料電池とマイクロガスタービンのコンバインド発電設備とその起動方法によれば、起動時に余分な燃料を消費することなく触媒燃焼器を短時間に所望の温度(自己着火可能な約400℃以上)まで加熱でき、これにより、熱効率を損なうことなしに起動時間を短縮することができる、等の優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるコンバインド発電設備の実施形態を示す図である。
【図2】本発明による起動方法を示す図である。
【図3】本発明の実施例を示す温度変化図である。
【図4】従来の燃料電池発電設備の全体構成図である。
【符号の説明】
1 燃料、2 アノードガス、3 カソードガス、
4 アノード排ガス、5 燃焼排ガス、6 空気、
7,7a,7b,7c カソード排ガス、8 水蒸気、
9 CO2濃縮ガス、10 改質器、11 燃料電池、
12 ターボチャージャー、12a 流量調節弁、
13 燃料予熱器、14 ガスタービン用燃焼器、
15 排熱回収熱交換器、16 リサイクルブロア、
17 触媒燃焼器、18 カソードリサイクルライン、
18a 高温流量調節弁、19 混合器、
20 燃料電池モジュール、22 マイクロガスタービン、
24 空気供給ライン、24a 電池用空気供給ライン、
24b 触媒用空気供給ライン、26 カソード排ガスライン、
28 タービン排ガスライン、30 起動用空気予熱器、
32a 排熱回収弁、32b バイパス弁
33 水回収熱交換器、34 水回収タンク、
35 水処理装置

Claims (6)

  1. 水素を含むアノードガスと酸素を含むカソードガスにより発電する燃料電池(11)と燃料電池で反応後のアノード排ガス(4)を燃焼させる触媒燃焼器(17)とを有する燃料電池モジュール(20)と、圧縮機、燃焼器、タービン及び回転数可変型発電機を有するマイクロガスタービン(22)と、マイクロガスタービンから圧縮空気を抽気し前記燃料電池モジュールに供給する空気供給ライン(24)と、マイクロガスタービンのタービン排ガスライン(28)とを備え、
    前記空気供給ライン(24)は、触媒燃焼器(17)に圧縮空気を供給する触媒用空気供給ライン(24b)を有し、
    更に、前記タービン排ガスライン(28)と触媒用空気供給ライン(24b)との間で熱交換する起動用空気予熱器(30)を備える、ことを特徴とする燃料電池とマイクロガスタービンのコンバインド発電設備。
  2. 前記タービン排ガスライン(28)は、排ガスから熱回収する排熱回収熱交換器(15)に排ガスを供給する排熱回収ライン(28a)と、排熱回収熱交換器をバイパスするバイパスライン(28b)とを有し、該バイパスラインに前記起動用空気予熱器(30)は設けられており、
    排熱回収ライン(28a)とバイパスライン(28b)にはそれぞれの排ガス流量を調節する排熱回収弁(32a)とバイパス弁(32b)が設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池とマイクロガスタービンのコンバインド発電設備。
  3. 水素を含むアノードガスと酸素を含むカソードガスにより発電する燃料電池(11)と燃料電池で反応後のアノード排ガス(4)を燃焼させる触媒燃焼器(17)とを有する燃料電池モジュール(20)と、圧縮機、燃焼器、タービン及び回転数可変型発電機を有するマイクロガスタービン(22)と、マイクロガスタービンから圧縮空気を抽気し前記燃料電池モジュールに供給する空気供給ライン(24)と、マイクロガスタービンのタービン排ガスライン(28)とを備え、
    マイクロガスタービンを起動し、圧縮空気を抽気し、マイクロガスタービンの排ガスで予熱して触媒燃焼器(17)に供給する、ことを特徴とする燃料電池とマイクロガスタービンのコンバインド発電設備の起動方法。
  4. 排熱回収装置(15)にタービン排ガスを供給する排熱回収弁(32a)を全閉にし、起動用空気予熱器(30)にタービン排ガスを供給するバイパス弁(32b)を全開にするバイパス準備ステップ(A)と、
    マイクロガスタービン(22)を起動して単独運転するタービン起動ステップ(B)と、
    起動したマイクロガスタービンから圧縮空気を抽気し、起動用空気予熱器(30)で予熱して燃料電池モジュール(20)の触媒燃焼器(17)に供給する抽気予熱ステップ(C)と、
    排熱回収弁(32a)及びバイパス弁(32b)を調節して改質器反応部の昇温速度を調整する昇温調整ステップ(D)とを備える、ことを特徴とする請求項3に記載の起動方法。
  5. 前記タービン起動ステップ(B)において、マイクロガスタービンの発電機を電動機として圧縮機を回転駆動し、圧縮した空気を燃焼器に供給し、燃焼器に燃料を供給して着火し、その燃焼ガスによりタービンを回転駆動して自立運転する、ことを特徴とする請求項4に記載の起動方法。
  6. 前記抽気予熱ステップ(C)において、マイクロガスタービンの発電機を無負荷かつ回転数一定制御し、抽気可能な最大空気流量を燃料電池モジュール(20)に供給してこれを昇圧・昇温する、ことを特徴とする請求項4に記載の起動方法。
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