JP2005044536A - 導電性ペースト及びセラミック回路基板の製法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ペーストの乾燥温度を低温化し、かつ、印刷工程におけるペーストの粘度の経時変化を抑制して、線幅、膜厚の精度及び位置精度が良好な回路パターンを形成するための導電性ペーストと、セラミック回路基板の製法を提供する。
【解決手段】複数のセラミックグリーンシート表面に、導電性ペーストを塗布して回路パターンを形成し、該回路パターンが形成されたセラミックグリーンシートを複数積層して、積層成形体を作製し、該積層成形体を焼成して、セラミック回路基板を製造するにあたり、導電性ペーストが、導電性金属粉末と、有機バインダーと、有機溶剤を含有し、前記有機溶剤が、主溶剤と、少なくとも1種以上の副溶剤から構成された混合溶剤からなり、前記副溶剤の蒸気圧が1mmHgとなる温度が、前記主溶剤の蒸気圧が1mmHgとなる温度よりも低いことを特徴とする。
【選択図】なし
【解決手段】複数のセラミックグリーンシート表面に、導電性ペーストを塗布して回路パターンを形成し、該回路パターンが形成されたセラミックグリーンシートを複数積層して、積層成形体を作製し、該積層成形体を焼成して、セラミック回路基板を製造するにあたり、導電性ペーストが、導電性金属粉末と、有機バインダーと、有機溶剤を含有し、前記有機溶剤が、主溶剤と、少なくとも1種以上の副溶剤から構成された混合溶剤からなり、前記副溶剤の蒸気圧が1mmHgとなる温度が、前記主溶剤の蒸気圧が1mmHgとなる温度よりも低いことを特徴とする。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、通信機器や電子機器等に搭載される高周波用途の部品を構成する、セラミック回路基板を製造する際に用いられる導電性ペースト、及び内部配線を有するセラミック回路基板の製法に関するものである。
【0002】
【従来技術】
近年、携帯電話をはじめとする移動体通信等の発達及び普及に伴い、通信機器や電子機器等の小型化、高機能化、低価格化、低電力化等が進められ、Au、Ag、Cu、PdやPt等の低融点、低抵抗の導体材料と、ガラスセラミックス等の低温焼成セラミックスにより、共振器、コンデンサ、コイル、フィルタ等の素子が形成されたモジュール用の基板として、セラミック多層回路基板が用いられてきている。
【0003】
このような基板において、基板のダウンサイジングが進み、かつ、形成される素子の数が増加することに伴って、回路を構成する導体、すなわち、ラインやコンデンサパッド等の微細化、小面積化だけでなく、ライン幅や膜厚の精度を向上することが求められている。さらに、内蔵素子の公差を小さくするため、基板の積層方向における、パターンの位置ズレを小さくすることが要求されている。
【0004】
パターンの形成方法として、スクリーン印刷法がよく用いられるが、この方法において、ライン幅や膜厚の精度を向上させるためには、スクリーンマスクの精度を向上する、ペースト粘度特性を適正化するおよび経時変化を抑制することが必要である。特に、量産工程では、ペーストの粘度の経時変化を抑制することが重要である。
【0005】
一方、パターンの位置ズレは、印刷工程における、スクリーンマスクの変形や、乾燥工程及び積層工程における、セラミックグリーンシートの伸縮によって生じる。セラミックグリーンシートの薄層化に伴って、そのハンドリング性を良くするため、セラミックグリーンシートにPETフィルム等のキャリアフィルムを貼り付けるという方法が採用されている(例えば特許文献1)。
【0006】
【特許文献1】
特開1995−86746号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このキャリアフィルムは、乾燥工程において熱が加えられると、内部の歪みを緩和するために大きく収縮するという問題があった。このような問題を解決するため、ペーストの乾燥温度を低温化させることが考えられるが、揮発性の高い溶剤を用いて乾燥温度の低温化を図ると、印刷工程において溶剤が揮発し、ペーストの粘度が経時的に増粘して、印刷性が劣化するという問題があった。
【0008】
本発明は、ペーストの乾燥温度を低温化し、かつ、印刷工程におけるペーストの粘度の経時変化を抑制して、線幅、膜厚の精度及び位置精度が良好な回路パターンを形成するための導電性ペーストと、セラミック回路基板の製法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の導電性ペーストは、導電性金属粉末と、有機バインダーと、有機溶剤を含有し、有機溶剤が、主溶剤と、少なくとも1種以上の副溶剤から構成された混合溶剤からなり、副溶剤の蒸気圧が1mmHgとなる温度が,主溶剤の蒸気圧が1mmHgとなる温度よりも低いことを特徴とする。
【0010】
このような構成を採用することにより、主溶剤のみを用いた場合に対して、ペーストの経時安定性を確保したまま、ペーストの乾燥温度を低温化して、キャリアフィルムの収縮を抑制することができる。
【0011】
また、主溶剤の蒸気圧が1mmHgとなる温度と副溶剤の蒸気圧が1mmHgとなる温度の差が25℃以上であることが望ましい。これにより、乾燥温度を十分に低温化させることができる。
【0012】
さらに、主溶剤及び副溶剤の蒸気圧が1mmHgとなる温度が、40℃〜100℃であることが望ましい。これにより、溶剤の揮発による、ペーストの粘度の経時的増粘を抑制して、良好な印刷性を得ることができ、かつ、ペーストの乾燥温度を低温化して、キャリアフィルムの収縮を抑制することができる。
【0013】
本発明の導電性ペーストは、主溶剤100質量部に対して、副溶剤を10〜50質量部の割合で含むことにより、ペーストの粘度の経時安定性を確保し、かつ、ペーストの乾燥温度を十分に低温化することができる。
【0014】
本発明の導電性ペーストは、主溶剤がジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、2、2、4−トリメチル−1、3−ペンタンジオールモノイソブチレートから選ばれる1種以上であることを特徴とする。これにより、ペーストの粘度が経時的に安定で、良好な印刷性が得られる。
【0015】
また、副溶剤がテルピネオール、1−オクタノール、トリメチレングリコール、プロピレングリコールから選ばれる1種以上であることを特徴とする。これにより、ペーストの乾燥温度を十分に低温化でき、キャリアフィルムの収縮を十分に抑制できる。
【0016】
本発明の導電性ペーストは、ペースト全量を100質量部としたとき、有機溶剤の含有量が5〜17質量部であることを特徴とする。これにより、印刷滲みを抑制した良好な印刷性が得られると共に、ペースト乾燥時間を短縮することができる。
【0017】
本発明のセラミック回路基板の製法は、複数のセラミックグリーンシート表面に、上記した導電性ペーストを塗布して回路パターンを形成し、該回路パターンが形成されたセラミックグリーンシートを複数積層して、積層成形体を作製し、該積層成形体を焼成することを特徴とする。
【0018】
このような製法によれば、線幅や膜厚の精度が良好な回路パターンが形成され、かつ、積層方向の位置ズレを小さくできるため、内蔵素子の特性バラツキが小さく電気的性能の良いセラミック多層回路基板を得ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の導電性ペーストは、導電性金属粉末と、有機バインダーと、有機溶剤を含有し、有機溶剤が主溶剤と少なくとも1種以上の副溶剤から構成された混合溶剤からなり、副溶剤の蒸気圧が1mmHgとなる温度が,主溶剤の蒸気圧が1mmHgとなる温度よりも低いものである。
【0020】
このように、有機溶剤を主溶剤と少なくとも1種以上の副溶剤から構成された混合溶剤とし、副溶剤の蒸気圧が1mmHgとなる温度が,主溶剤の蒸気圧が1mmHgとなる温度よりも低いものとすることによって、揮発性の低い主溶剤により、ペーストの粘度の経時安定性を確保し、揮発性の高い副溶剤を混合することにより、ペーストの乾燥温度を低温化させることができる。
【0021】
また、主溶剤の蒸気圧が1mmHgとなる温度と副溶剤の蒸気圧が1mmHgとなる温度の差を25℃以上とすることによって、副溶剤の添加効果が十分大きくなり、少量の添加で乾燥温度を十分に低温化することができる。乾燥温度の低温化の観点から、蒸気圧が1mmHgとなる温度の差は、30℃以上が望ましい。
【0022】
さらに、主溶剤及び副溶剤の蒸気圧が1mmHgとなる温度は、40℃〜100℃であることが望ましい。主溶剤及び副溶剤の蒸気圧が1mmHgとなる温度が40℃以上であれば、スクリーン印刷時に、ペーストから、溶剤成分が揮発し難くなり、ペーストの粘度の経時的増粘を十分に抑制できるため、精度のよい配線パターンを形成できるからである。一方、100℃以下であれば、スクリーン印刷後のペースト乾燥時に、ペーストから、溶剤が蒸発し易くなり、ペーストの乾燥温度を十分に低温化できるため、キャリアフィルムの収縮を十分に抑制することができるからである。ペースト粘度の安定性及び乾燥温度の低温化及び乾燥時間の短縮化の観点から、主溶剤及び副溶剤の蒸気圧が1mmHgとなる温度は、50〜90℃が望ましい。
【0023】
さらに、主溶剤100質量部に対して、副溶剤を10〜50質量部の割合で含むことが望ましい。副溶剤が10質量部以上であれば、副溶剤を添加する効果が十分に大きくなり、ペーストの乾燥温度を十分に低温化できるからである。一方、50質量部以下であれば、溶剤の揮発を十分に抑制でき、印刷工程における、ペーストの経時的増粘を抑制できるため、良好な印刷性が得られるからである。ペーストの乾燥温度の低温化及び印刷性の観点から、副溶剤の添加量は、20〜40質量%が望ましい。
【0024】
本発明の導電性ペーストは、主溶剤がジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、2、2、4−トリメチル−1、3−ペンタンジオールモノイソブチレートから選ばれる1種以上であることが望ましい。これらは、揮発性が低いだけでなく、セラミックグリーンシートへの浸透性が良く、スクリーン印刷において、安定で良好な印刷性を示すからである。特に、セラミックグリーンシートへのシートアタック及び浸透性の観点から、2、2、4−トリメチル−1、3−ペンタンジオールモノイソブチレートが望ましい。
【0025】
また、副溶剤がテルピネオール、1−オクタノール、トリメチレングリコール、プロピレングリコールから選ばれる1種以上であることが望ましい。これらは、少量で低温化の効果を示し、かつ、ペーストの増粘を比較的抑制できるからである。特に、セラミックグリーンシートへのシートアタック及び浸透性、ペースト粘度の安定性の観点から、テルピネオールが望ましい。
【0026】
本発明の導電性ペーストは、ペースト全量を100質量部としたとき、有機溶剤の含有量が5〜17質量部であることが望ましい。有機溶剤の含有量が5質量部以上であれば、ペーストの粘度が適度に低くなるため、良好な印刷性が得られるからである。一方、17質量部以下であれば、溶剤の絶対量が適度に少ないため、ペーストの乾燥時に、十分に短時間で溶剤を乾燥できるからである。印刷性及びペーストの乾燥時間の観点から、有機溶剤の含有量は8〜15質量部が望ましい。
【0027】
導電性金属粉末としては、単体の金属だけでなく、合金等の金属も考えられるが、Au、Ag、Cu、Pd、Ptの群から選ばれる少なくとも1種の導体を主成分とすることが望ましい。これは、上記のような低抵抗の導体材料を用いることにより、低抵抗の回路が形成できるため、素子の消費電力を低減でき、また、λ/4ストリップライン共振器等の高周波回路を基板内部に形成した場合にも、挿入損失が小さい等の優れた特性の回路を得ることができるからである。とりわけ、回路特性の観点から、Ag、Au、Cuの群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
【0028】
本発明の導電性ペーストでは、他に、基板と導体の接着強度を向上する、あるいは、半田濡れ性を向上するため、Al2O3、BaO、TiO2,MnO2,NiO,CuO,ZrO2,SnO2,Bi2O3,MoO,RuO2,Rhなどの金属または金属化合物、ガラス等を含有しても良く、特に、RuO2、Rh、NiO,BaO,Bi2O3の群から選ばれる少なくとも1種を含有することが望ましい。この場合には、焼成における、導体材料の収縮挙動を基板材料のそれに近づけることができる。
【0029】
また、本発明の導電性ペーストでは、有機溶剤が上記のような構成になっていれば良く、導電性金属粉末、有機バインダー及び有機溶剤の他に、増粘剤、レベリング剤や分散剤等の界面活性剤等他の有機成分を含有しても構わない。
【0030】
上記のような導電性ペーストを用いてセラミック回路基板を製造するには、セラミックグリーンシートの表面に、上記導電性ペーストを塗布、乾燥して回路パターンを形成し、該回路パターンが形成されたグリーンシートを適宜、複数積層して、積層成形体を作製し、該積層成形体を焼成する。
【0031】
より具体的には、例えば、セラミック誘電体粉末と、有機バインダー、有機溶剤を添加してなるスラリーを、PET(ポリエチレンテレフタレート)等のキャリアフィルム上に、ドクターブレード法により薄層化し、キャリアフィルム付きの基板用のセラミックグリーンシートを作製する。そして、このセラミックグリーンシート表面に、スクリーン印刷により、上記した導電性ペーストを乾燥後の厚みが5〜30μmになるように塗布、乾燥して、回路パターンを形成し、この回路パターンが形成されたセラミックグリーンシートを、キャリアフィルムを剥がした後、複数積層し、積層成形体を作製する。この時、表面導体の一部および全部をセラミックペーストやガラスペーストで覆って絶縁膜を形成してもよい。その後、積層成形体を大気あるいは酸化雰囲気中で有機バインダを分解除去した後、大気あるいは還元雰囲気中で焼成してセラミック回路基板を得る。
【0032】
ここで、用いられるセラミック誘電体粉末としては、Al2O3、Si3N4、AlN、ガラス、ガラスセラミックスの群から選ばれる少なくとも1種が選ばれるが、Au、Ag、Cuの群から選ばれる少なくとも1種の導体を主成分とする場合、ガラス、ガラスセラミックスなどの1000℃以下で焼成可能な低温焼成セラミックスによって形成することが望ましい。
【0033】
【実施例】
導電性金属粉末として銀粉末を用いて、銀粉末100質量部に対して、有機バインダーとしてエチルセルロースを1質量部、リン酸エステル系の分散剤を1質量部添加し、これらに対して、ペースト100質量部中の全有機溶剤量、及び、主溶剤100質量部に対する副溶剤量が表1に示された量になるように、表1に示された主溶剤及び副溶剤を添加してペーストを作製した。
【0034】
主溶剤として、2、2、4−トリメチル−1、3−ペンタンジオールモノイソブチレート(以下、TMPDと略す。)、ジエチレングリコールおよびトリプロピレングリコールを、副溶剤として、テルピネオール、1−オクタノール、トリメチレングリコール、プロピレングリコールを用いた。
【0035】
次に、MgO、CaO、TiO2からなる組成物95質量%、ガラス成分としてホウケイ酸ガラス5質量%からなるセラミック誘電体組成物を用い、これにアクリル酸系の有機バインダー、可塑剤、有機溶剤を添加してなるスラリーを、ドクターブレード法により、PETフィルム上に薄層化し、基板用の厚さ50μmのセラミックグリーンシートを作製した。
【0036】
次に、上記のセラミックグリーンシートに所定回路網に応じてビアホール導体を形成すべく直径が200μmのビアホールをパンチングによって形成し、上記の導電性ペーストを、スクリーン印刷法によってこのビアホールに充填し、乾燥した。また、セラミックグリーンシート上に、所定回路網に応じて、上記した導電性ペーストを、メッシュ#400で厚みが48μmのスクリーンを用いて、回路パターンを印刷形成し、これらのセラミックグリーンシートを表1に示す乾燥条件で乾燥した。
【0037】
ここで、導電性ペースト塗布前及び乾燥前後のセラミックグリーンシートの質量を電子天秤で測定し、乾燥前後における質量の変化量から溶剤の乾燥率を計算した。質量の変化量が零である場合を乾燥率0%とし、質量の変化(減少)量が全溶剤量と等しい場合を乾燥率100%とした。60、70、80℃の各温度での乾燥率を表1に記載した。尚、乾燥時間は全ての温度条件で40分間とした。
【0038】
また、粘度測定装置により、23℃で、剪断速度が10[1/sec.]のときの、印刷前及び印刷100ショット後のペーストの粘度をそれぞれ測定し、印刷前の粘度に対する、印刷100ショット後の粘度を、粘度変化量として表1に記載した。
【0039】
60℃で乾燥した印刷100ショット目の回路パターンが形成されたセラミックグリーンシートからPETフィルムを剥がした後、積層して、積層成形体を作製した。
【0040】
その後、一体的に積層した積層成形体を、大気中400℃で脱バインダー処理し、さらに910℃で焼成し、セラミック回路基板を作製した。
【0041】
焼成後のセラミック回路基板において、パターン欠損の有無を倍率40倍の実体顕微鏡で評価し、設計線幅75μmのラインの線幅を測定顕微鏡(×200)で測定し、□0.5mmパターンの表面粗さRmax(JIS B0601に基づく最大高さ)を接触式の表面粗さ計で測定した。パターン欠損の有無、線幅の標準偏差σ及び表面粗さRzを表1に記載した。
【0042】
【表1】
【0043】
この表1から、本発明の導電性ペーストを用いることにより、乾燥温度60℃において90%以上の乾燥率を達成できる。これにより、PETフィルムの熱による収縮を十分に抑制できる60℃でペーストの乾燥が可能となり、位置精度の良いパターン形成ができる。また、印刷時における粘度変化が0〜+15Pa・sと小さい値に抑制できるため、導体パターンの表面粗さRmaxが4μm以下の小さい値に抑制され、パターンの欠損がなく、線幅の標準偏差σが1.5μm以下と小さく、パターン精度の良いセラミック回路基板が得られることが判る。
【0044】
これに対して、単一の溶剤を用いた試料No.12、13、15では、いずれも乾燥温度60℃の場合には、積層時にパターンが欠損し、精度の高いパターンを形成することができなかった。
【0045】
【発明の効果】
以上詳述の通り、本発明の導電性ペーストでは、揮発性の低い主溶剤と揮発性の高い副溶剤を混合して用いることにより、印刷時において、ペーストの粘度が経時的に安定するため、線幅や膜厚の精度が良好な回路パターンが形成でき、ペーストの乾燥温度を低温化できるため、キャリアフィルムの収縮を抑制でき、回路パターンの、設計位置からの位置ズレを抑制できる。このようなペーストを用いることにより、内蔵素子の特性バラツキが小さく電気的性能の良いセラミック多層回路基板を得ることができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、通信機器や電子機器等に搭載される高周波用途の部品を構成する、セラミック回路基板を製造する際に用いられる導電性ペースト、及び内部配線を有するセラミック回路基板の製法に関するものである。
【0002】
【従来技術】
近年、携帯電話をはじめとする移動体通信等の発達及び普及に伴い、通信機器や電子機器等の小型化、高機能化、低価格化、低電力化等が進められ、Au、Ag、Cu、PdやPt等の低融点、低抵抗の導体材料と、ガラスセラミックス等の低温焼成セラミックスにより、共振器、コンデンサ、コイル、フィルタ等の素子が形成されたモジュール用の基板として、セラミック多層回路基板が用いられてきている。
【0003】
このような基板において、基板のダウンサイジングが進み、かつ、形成される素子の数が増加することに伴って、回路を構成する導体、すなわち、ラインやコンデンサパッド等の微細化、小面積化だけでなく、ライン幅や膜厚の精度を向上することが求められている。さらに、内蔵素子の公差を小さくするため、基板の積層方向における、パターンの位置ズレを小さくすることが要求されている。
【0004】
パターンの形成方法として、スクリーン印刷法がよく用いられるが、この方法において、ライン幅や膜厚の精度を向上させるためには、スクリーンマスクの精度を向上する、ペースト粘度特性を適正化するおよび経時変化を抑制することが必要である。特に、量産工程では、ペーストの粘度の経時変化を抑制することが重要である。
【0005】
一方、パターンの位置ズレは、印刷工程における、スクリーンマスクの変形や、乾燥工程及び積層工程における、セラミックグリーンシートの伸縮によって生じる。セラミックグリーンシートの薄層化に伴って、そのハンドリング性を良くするため、セラミックグリーンシートにPETフィルム等のキャリアフィルムを貼り付けるという方法が採用されている(例えば特許文献1)。
【0006】
【特許文献1】
特開1995−86746号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このキャリアフィルムは、乾燥工程において熱が加えられると、内部の歪みを緩和するために大きく収縮するという問題があった。このような問題を解決するため、ペーストの乾燥温度を低温化させることが考えられるが、揮発性の高い溶剤を用いて乾燥温度の低温化を図ると、印刷工程において溶剤が揮発し、ペーストの粘度が経時的に増粘して、印刷性が劣化するという問題があった。
【0008】
本発明は、ペーストの乾燥温度を低温化し、かつ、印刷工程におけるペーストの粘度の経時変化を抑制して、線幅、膜厚の精度及び位置精度が良好な回路パターンを形成するための導電性ペーストと、セラミック回路基板の製法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の導電性ペーストは、導電性金属粉末と、有機バインダーと、有機溶剤を含有し、有機溶剤が、主溶剤と、少なくとも1種以上の副溶剤から構成された混合溶剤からなり、副溶剤の蒸気圧が1mmHgとなる温度が,主溶剤の蒸気圧が1mmHgとなる温度よりも低いことを特徴とする。
【0010】
このような構成を採用することにより、主溶剤のみを用いた場合に対して、ペーストの経時安定性を確保したまま、ペーストの乾燥温度を低温化して、キャリアフィルムの収縮を抑制することができる。
【0011】
また、主溶剤の蒸気圧が1mmHgとなる温度と副溶剤の蒸気圧が1mmHgとなる温度の差が25℃以上であることが望ましい。これにより、乾燥温度を十分に低温化させることができる。
【0012】
さらに、主溶剤及び副溶剤の蒸気圧が1mmHgとなる温度が、40℃〜100℃であることが望ましい。これにより、溶剤の揮発による、ペーストの粘度の経時的増粘を抑制して、良好な印刷性を得ることができ、かつ、ペーストの乾燥温度を低温化して、キャリアフィルムの収縮を抑制することができる。
【0013】
本発明の導電性ペーストは、主溶剤100質量部に対して、副溶剤を10〜50質量部の割合で含むことにより、ペーストの粘度の経時安定性を確保し、かつ、ペーストの乾燥温度を十分に低温化することができる。
【0014】
本発明の導電性ペーストは、主溶剤がジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、2、2、4−トリメチル−1、3−ペンタンジオールモノイソブチレートから選ばれる1種以上であることを特徴とする。これにより、ペーストの粘度が経時的に安定で、良好な印刷性が得られる。
【0015】
また、副溶剤がテルピネオール、1−オクタノール、トリメチレングリコール、プロピレングリコールから選ばれる1種以上であることを特徴とする。これにより、ペーストの乾燥温度を十分に低温化でき、キャリアフィルムの収縮を十分に抑制できる。
【0016】
本発明の導電性ペーストは、ペースト全量を100質量部としたとき、有機溶剤の含有量が5〜17質量部であることを特徴とする。これにより、印刷滲みを抑制した良好な印刷性が得られると共に、ペースト乾燥時間を短縮することができる。
【0017】
本発明のセラミック回路基板の製法は、複数のセラミックグリーンシート表面に、上記した導電性ペーストを塗布して回路パターンを形成し、該回路パターンが形成されたセラミックグリーンシートを複数積層して、積層成形体を作製し、該積層成形体を焼成することを特徴とする。
【0018】
このような製法によれば、線幅や膜厚の精度が良好な回路パターンが形成され、かつ、積層方向の位置ズレを小さくできるため、内蔵素子の特性バラツキが小さく電気的性能の良いセラミック多層回路基板を得ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の導電性ペーストは、導電性金属粉末と、有機バインダーと、有機溶剤を含有し、有機溶剤が主溶剤と少なくとも1種以上の副溶剤から構成された混合溶剤からなり、副溶剤の蒸気圧が1mmHgとなる温度が,主溶剤の蒸気圧が1mmHgとなる温度よりも低いものである。
【0020】
このように、有機溶剤を主溶剤と少なくとも1種以上の副溶剤から構成された混合溶剤とし、副溶剤の蒸気圧が1mmHgとなる温度が,主溶剤の蒸気圧が1mmHgとなる温度よりも低いものとすることによって、揮発性の低い主溶剤により、ペーストの粘度の経時安定性を確保し、揮発性の高い副溶剤を混合することにより、ペーストの乾燥温度を低温化させることができる。
【0021】
また、主溶剤の蒸気圧が1mmHgとなる温度と副溶剤の蒸気圧が1mmHgとなる温度の差を25℃以上とすることによって、副溶剤の添加効果が十分大きくなり、少量の添加で乾燥温度を十分に低温化することができる。乾燥温度の低温化の観点から、蒸気圧が1mmHgとなる温度の差は、30℃以上が望ましい。
【0022】
さらに、主溶剤及び副溶剤の蒸気圧が1mmHgとなる温度は、40℃〜100℃であることが望ましい。主溶剤及び副溶剤の蒸気圧が1mmHgとなる温度が40℃以上であれば、スクリーン印刷時に、ペーストから、溶剤成分が揮発し難くなり、ペーストの粘度の経時的増粘を十分に抑制できるため、精度のよい配線パターンを形成できるからである。一方、100℃以下であれば、スクリーン印刷後のペースト乾燥時に、ペーストから、溶剤が蒸発し易くなり、ペーストの乾燥温度を十分に低温化できるため、キャリアフィルムの収縮を十分に抑制することができるからである。ペースト粘度の安定性及び乾燥温度の低温化及び乾燥時間の短縮化の観点から、主溶剤及び副溶剤の蒸気圧が1mmHgとなる温度は、50〜90℃が望ましい。
【0023】
さらに、主溶剤100質量部に対して、副溶剤を10〜50質量部の割合で含むことが望ましい。副溶剤が10質量部以上であれば、副溶剤を添加する効果が十分に大きくなり、ペーストの乾燥温度を十分に低温化できるからである。一方、50質量部以下であれば、溶剤の揮発を十分に抑制でき、印刷工程における、ペーストの経時的増粘を抑制できるため、良好な印刷性が得られるからである。ペーストの乾燥温度の低温化及び印刷性の観点から、副溶剤の添加量は、20〜40質量%が望ましい。
【0024】
本発明の導電性ペーストは、主溶剤がジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、2、2、4−トリメチル−1、3−ペンタンジオールモノイソブチレートから選ばれる1種以上であることが望ましい。これらは、揮発性が低いだけでなく、セラミックグリーンシートへの浸透性が良く、スクリーン印刷において、安定で良好な印刷性を示すからである。特に、セラミックグリーンシートへのシートアタック及び浸透性の観点から、2、2、4−トリメチル−1、3−ペンタンジオールモノイソブチレートが望ましい。
【0025】
また、副溶剤がテルピネオール、1−オクタノール、トリメチレングリコール、プロピレングリコールから選ばれる1種以上であることが望ましい。これらは、少量で低温化の効果を示し、かつ、ペーストの増粘を比較的抑制できるからである。特に、セラミックグリーンシートへのシートアタック及び浸透性、ペースト粘度の安定性の観点から、テルピネオールが望ましい。
【0026】
本発明の導電性ペーストは、ペースト全量を100質量部としたとき、有機溶剤の含有量が5〜17質量部であることが望ましい。有機溶剤の含有量が5質量部以上であれば、ペーストの粘度が適度に低くなるため、良好な印刷性が得られるからである。一方、17質量部以下であれば、溶剤の絶対量が適度に少ないため、ペーストの乾燥時に、十分に短時間で溶剤を乾燥できるからである。印刷性及びペーストの乾燥時間の観点から、有機溶剤の含有量は8〜15質量部が望ましい。
【0027】
導電性金属粉末としては、単体の金属だけでなく、合金等の金属も考えられるが、Au、Ag、Cu、Pd、Ptの群から選ばれる少なくとも1種の導体を主成分とすることが望ましい。これは、上記のような低抵抗の導体材料を用いることにより、低抵抗の回路が形成できるため、素子の消費電力を低減でき、また、λ/4ストリップライン共振器等の高周波回路を基板内部に形成した場合にも、挿入損失が小さい等の優れた特性の回路を得ることができるからである。とりわけ、回路特性の観点から、Ag、Au、Cuの群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
【0028】
本発明の導電性ペーストでは、他に、基板と導体の接着強度を向上する、あるいは、半田濡れ性を向上するため、Al2O3、BaO、TiO2,MnO2,NiO,CuO,ZrO2,SnO2,Bi2O3,MoO,RuO2,Rhなどの金属または金属化合物、ガラス等を含有しても良く、特に、RuO2、Rh、NiO,BaO,Bi2O3の群から選ばれる少なくとも1種を含有することが望ましい。この場合には、焼成における、導体材料の収縮挙動を基板材料のそれに近づけることができる。
【0029】
また、本発明の導電性ペーストでは、有機溶剤が上記のような構成になっていれば良く、導電性金属粉末、有機バインダー及び有機溶剤の他に、増粘剤、レベリング剤や分散剤等の界面活性剤等他の有機成分を含有しても構わない。
【0030】
上記のような導電性ペーストを用いてセラミック回路基板を製造するには、セラミックグリーンシートの表面に、上記導電性ペーストを塗布、乾燥して回路パターンを形成し、該回路パターンが形成されたグリーンシートを適宜、複数積層して、積層成形体を作製し、該積層成形体を焼成する。
【0031】
より具体的には、例えば、セラミック誘電体粉末と、有機バインダー、有機溶剤を添加してなるスラリーを、PET(ポリエチレンテレフタレート)等のキャリアフィルム上に、ドクターブレード法により薄層化し、キャリアフィルム付きの基板用のセラミックグリーンシートを作製する。そして、このセラミックグリーンシート表面に、スクリーン印刷により、上記した導電性ペーストを乾燥後の厚みが5〜30μmになるように塗布、乾燥して、回路パターンを形成し、この回路パターンが形成されたセラミックグリーンシートを、キャリアフィルムを剥がした後、複数積層し、積層成形体を作製する。この時、表面導体の一部および全部をセラミックペーストやガラスペーストで覆って絶縁膜を形成してもよい。その後、積層成形体を大気あるいは酸化雰囲気中で有機バインダを分解除去した後、大気あるいは還元雰囲気中で焼成してセラミック回路基板を得る。
【0032】
ここで、用いられるセラミック誘電体粉末としては、Al2O3、Si3N4、AlN、ガラス、ガラスセラミックスの群から選ばれる少なくとも1種が選ばれるが、Au、Ag、Cuの群から選ばれる少なくとも1種の導体を主成分とする場合、ガラス、ガラスセラミックスなどの1000℃以下で焼成可能な低温焼成セラミックスによって形成することが望ましい。
【0033】
【実施例】
導電性金属粉末として銀粉末を用いて、銀粉末100質量部に対して、有機バインダーとしてエチルセルロースを1質量部、リン酸エステル系の分散剤を1質量部添加し、これらに対して、ペースト100質量部中の全有機溶剤量、及び、主溶剤100質量部に対する副溶剤量が表1に示された量になるように、表1に示された主溶剤及び副溶剤を添加してペーストを作製した。
【0034】
主溶剤として、2、2、4−トリメチル−1、3−ペンタンジオールモノイソブチレート(以下、TMPDと略す。)、ジエチレングリコールおよびトリプロピレングリコールを、副溶剤として、テルピネオール、1−オクタノール、トリメチレングリコール、プロピレングリコールを用いた。
【0035】
次に、MgO、CaO、TiO2からなる組成物95質量%、ガラス成分としてホウケイ酸ガラス5質量%からなるセラミック誘電体組成物を用い、これにアクリル酸系の有機バインダー、可塑剤、有機溶剤を添加してなるスラリーを、ドクターブレード法により、PETフィルム上に薄層化し、基板用の厚さ50μmのセラミックグリーンシートを作製した。
【0036】
次に、上記のセラミックグリーンシートに所定回路網に応じてビアホール導体を形成すべく直径が200μmのビアホールをパンチングによって形成し、上記の導電性ペーストを、スクリーン印刷法によってこのビアホールに充填し、乾燥した。また、セラミックグリーンシート上に、所定回路網に応じて、上記した導電性ペーストを、メッシュ#400で厚みが48μmのスクリーンを用いて、回路パターンを印刷形成し、これらのセラミックグリーンシートを表1に示す乾燥条件で乾燥した。
【0037】
ここで、導電性ペースト塗布前及び乾燥前後のセラミックグリーンシートの質量を電子天秤で測定し、乾燥前後における質量の変化量から溶剤の乾燥率を計算した。質量の変化量が零である場合を乾燥率0%とし、質量の変化(減少)量が全溶剤量と等しい場合を乾燥率100%とした。60、70、80℃の各温度での乾燥率を表1に記載した。尚、乾燥時間は全ての温度条件で40分間とした。
【0038】
また、粘度測定装置により、23℃で、剪断速度が10[1/sec.]のときの、印刷前及び印刷100ショット後のペーストの粘度をそれぞれ測定し、印刷前の粘度に対する、印刷100ショット後の粘度を、粘度変化量として表1に記載した。
【0039】
60℃で乾燥した印刷100ショット目の回路パターンが形成されたセラミックグリーンシートからPETフィルムを剥がした後、積層して、積層成形体を作製した。
【0040】
その後、一体的に積層した積層成形体を、大気中400℃で脱バインダー処理し、さらに910℃で焼成し、セラミック回路基板を作製した。
【0041】
焼成後のセラミック回路基板において、パターン欠損の有無を倍率40倍の実体顕微鏡で評価し、設計線幅75μmのラインの線幅を測定顕微鏡(×200)で測定し、□0.5mmパターンの表面粗さRmax(JIS B0601に基づく最大高さ)を接触式の表面粗さ計で測定した。パターン欠損の有無、線幅の標準偏差σ及び表面粗さRzを表1に記載した。
【0042】
【表1】
【0043】
この表1から、本発明の導電性ペーストを用いることにより、乾燥温度60℃において90%以上の乾燥率を達成できる。これにより、PETフィルムの熱による収縮を十分に抑制できる60℃でペーストの乾燥が可能となり、位置精度の良いパターン形成ができる。また、印刷時における粘度変化が0〜+15Pa・sと小さい値に抑制できるため、導体パターンの表面粗さRmaxが4μm以下の小さい値に抑制され、パターンの欠損がなく、線幅の標準偏差σが1.5μm以下と小さく、パターン精度の良いセラミック回路基板が得られることが判る。
【0044】
これに対して、単一の溶剤を用いた試料No.12、13、15では、いずれも乾燥温度60℃の場合には、積層時にパターンが欠損し、精度の高いパターンを形成することができなかった。
【0045】
【発明の効果】
以上詳述の通り、本発明の導電性ペーストでは、揮発性の低い主溶剤と揮発性の高い副溶剤を混合して用いることにより、印刷時において、ペーストの粘度が経時的に安定するため、線幅や膜厚の精度が良好な回路パターンが形成でき、ペーストの乾燥温度を低温化できるため、キャリアフィルムの収縮を抑制でき、回路パターンの、設計位置からの位置ズレを抑制できる。このようなペーストを用いることにより、内蔵素子の特性バラツキが小さく電気的性能の良いセラミック多層回路基板を得ることができる。
Claims (8)
- 導電性金属粉末と、有機バインダーと、有機溶剤を含有し、前記有機溶剤が、主溶剤と、少なくとも1種以上の副溶剤から構成された混合溶剤からなり、前記副溶剤の蒸気圧が1mmHgとなる温度が,前記主溶剤の蒸気圧が1mmHgとなる温度よりも低いことを特徴とする導電性ペースト。
- 前記主溶剤の蒸気圧が1mmHgとなる温度と前記副溶剤の蒸気圧が1mmHgとなる温度の差が25℃以上であることを特徴とする請求項1記載の導電性ペースト。
- 前記主溶剤及び前記副溶剤の蒸気圧が1mmHgとなる温度が、40℃〜100℃であることを特徴とする請求項1又は2記載の導電性ペースト。
- 前記主溶剤100質量部に対して、前記副溶剤を10〜50質量部の割合で含むことを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちいずれかに記載の導電性ペースト。
- 前記主溶剤がジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、2、2、4−トリメチル−1、3−ペンタンジオールモノイソブチレートから選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のうちいずれかに記載の導電性ペースト。
- 前記副溶剤がテルピネオール、1−オクタノール、トリメチレングリコール、プロピレングリコールから選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のうちいずれかに記載の導電性ペースト。
- ペースト全量を100質量部としたとき、前記有機溶剤の含有量が5〜17質量部であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のうちいずれかに記載の導電性ペースト。
- 複数のセラミックグリーンシート表面に、請求項1乃至請求項7のうちいずれかに記載の導電性ペーストを塗布して回路パターンを形成し、該回路パターンが形成されたセラミックグリーンシートを複数積層して、積層成形体を作製し、該積層成形体を焼成することを特徴とするセラミック回路基板の製法。
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JP2003200207A JP2005044536A (ja) | 2003-07-23 | 2003-07-23 | 導電性ペースト及びセラミック回路基板の製法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009283362A (ja) * | 2008-05-23 | 2009-12-03 | The Inctec Inc | 導電性組成物 |
EP2410824A3 (en) * | 2006-02-20 | 2012-10-31 | Daicel Chemical Industries, Ltd. | Porous film and layered product including porous film |
-
2003
- 2003-07-23 JP JP2003200207A patent/JP2005044536A/ja active Pending
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