JP2005044466A - 球面収差補正装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】球面収差エラー信号をより簡単に検出する。
【解決手段】レーザービームを対物レンズを介して光記録媒体に照射して情報信号を記録又は再生する際に、光記録媒体からの反射光を複数の受光領域を有する光検出器で検出し、この光検出器で検出した各検出信号から球面収差エラー信号を演算により生成して球面収差エラー信号を球面収差補正手段にフィードバックする球面収差補正装置において、光検出器29A内で光記録媒体からの反射光によるビームを受光する一つの受光面の内周に4分割した内周受光領域A〜Dを形成し、且つ、この内周受光領域A〜Dの外側に4分割した外周受光領域E〜Hを形成して受光面を8分割した際に、光検出器29A内に形成した外周受光領域E〜Hからの各検出信号のみを用いて球面収差エラー信号を球面収差補正回路30内で演算する。
【選択図】図2

Description

本発明は、光記録媒体と光ピックアップ内の光学系との間で球面収差が生じた際に、光記録媒体からの反射光によるビームを8分割型光検出器により検出して、この8分割型光検出器からの各検出信号を演算して得た球面収差エラー信号に基づいて球面収差補正手段をフィードバック制御しながら球面収差を良好に補正できる球面収差補正装置に関するものである。
一般的に、円盤状の光ディスクやカード状の光カードなどの光記録媒体は、映像情報とか音声情報やコンピュータデータなどの情報信号を透明基板上で螺旋状又は同心円状に形成したトラックに高密度に記録し、且つ、記録済みのトラックを再生する際に所望のトラックを高速にアクセスできることから多用されている。
この種の光記録媒体となる光ディスクとして例えばCD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)などは既に市販されているが、最近になって光ディスクに対してより一層高密度化を図るために、上記したCD,DVDよりも狭トラック化を図って情報信号を超高密度に記録又は再生できる超高密度光ディスク(Blu Ray Disc)の開発が盛んに行われている。
上記した超高密度光ディスクは、波長が450nm以下のレーザー光を開口数(NA)が0.75以上の対物レンズで絞って得たレーザービームを照射して、ビーム入射面から略0.1mm隔てた位置にある信号面上に情報信号を超高密度に記録又は再生できるように開発が進められている。この際、超高密度光ディスクの記録容量はディスク基板の直径が12cmの時に片面で25GB(ギガバイト)前後である。
ところで、高密度化した光ディスクを記録又は再生するための光ピックアップ装置は各種の構造形態があるものの、一例として、対物レンズで絞り込んだレーザービームを光ディスクの信号面に照射して、光ディスクからの反射光を8分割型の光検出器により検出して、この8分割型の光検出器からの各検出信号を演算して得た球面収差エラー信号に基づいて液晶を制御しながら球面収差を補正できる光ピックアップ,情報再生装置及び情報記録装置がある(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−57616号公報(第5−9頁、第4図、第5図、第8図)。
図12は従来の情報記録再生装置の概略構成を示したブロック図、
図13は従来の情報記録再生装置において、光ピックアップ内に設けた8分割型の光検出器の分割形態を説明するための図、
図14は図12に示した信号処理部の細部構成を示したブロック図である。
図12に示した従来の情報記録再生装置100は、上記した特許文献1(特開2000−57616号公報)に開示されているものであり、ここでは特許文献1を参照して簡略に説明する。
図12に示した如く、従来の情報記録再生装置100の内部には、光ディスク101を記録又は再生するための光ピックアップ110が設けられている。
上記した光ピックアップ110は、記録再生用のレーザー光Lを出射するレーザーダイオード111と、レーザーダイオード111から出射したレーザー光Lを反射して略90°方向を転じさせると共に光ディスク101からの反射光を透過させる偏光ビームスプリッタ112と、偏光ビームスプリッタ112で反射されたレーザーダイオード111からのレーザー光Lを平行光に変換するコリメータレンズ113と、後述する球面収差エラー信号に基づいて球面収差を補正する液晶114と、コリメータレンズ113で平行光となったレーザー光Lの偏波面及び光ディスク101からの反射光の偏波面を夫々回転させるλ/4板115と、λ/4板115を通過したレーザー光Lを絞り込んで得たレーザービームLBを光ディスク101内の保護層101aを経て信号面101bに集光させる対物レンズ116とで往路の光学系が構成されていると共に、対物レンズ116を内蔵したレンズホルダ(図示せず)に対物レンズ116を光ディスク101に対してフォーカス方向に制御するアクチュエータ117が取り付けられている。
一方、光ディスク101の信号面101bで反射された反射光は、上記とは逆にλ/4板115,液晶114,コリメータレンズ113,偏光ビームスプリッタ112を順に通過した後に、集光レンズ118,シリンドリカルレンズ119を経て8分割型の光検出器(以下、8分割型光検出器と記す)120で検出されることで復路の光学系が構成されている。
更に、光ディスク101からの反射光を8分割型光検出器120により検出した各検出信号を演算して球面収差エラー信号Ske,フォーカスエラー信号Sfe,RF信号Srfを生成するための信号処理部121が8分割型光検出器120に接続されていると共に、信号処理部121で演算して得た球面収差エラー信号Skeをアンプ122,ドライバ123を介して液晶114に供給し、且つ、信号処理部121で演算したフォーカスエラー信号Sfeをアンプ124,ドライバ125を介してアクチュエータ117に供給し、且つ、信号処理部121で演算したRF信号Srfを再生部126に供給している。
ここで、光ディスク101内の保護層101aの厚みが異なる場合に、対物レンズ116からのレーザービームLBが保護層101aを通過することにより球面収差が発生した時に、信号処理部121で演算した球面収差エラー信号Skeを液晶114に供給して、球面収差エラー信号Skeに基づいてコリメータレンズ113を通過したレーザー光Lに対して液晶114で位相差を与えて球面収差を打ち消す方向に制御している。
また、信号処理部121で演算して得たフォーカスエラー信号Sfeをアクチュエータ117に供給し、フォーカスエラー信号Sfeに基づいて対物レンズ116を光ディスク101に対してフォーカス方向に制御している。
更に、信号処理部121で演算して得たRF信号Srfを再生部126に供給して、RF信号Srfに基づいて光ディスク101の信号面101bに記録されたメインデータを再生している。
ところで、上記した球面収差エラー信号Ske,フォーカスエラー信号Sfe,RF信号Srfを得るために光ピックアップ110内に設けた8分割型光検出器120は、図13(a)に拡大して示した如く、正方形状に形成した受光面を8分割しており、具体的には外周を正方形状に4分割して4箇所の外周領域120a〜120dを形成し、且つ、外周領域120a〜120d内の中央部で反射光の照射強度が強い領域を正方形状に4分割して4箇所の内周領域120e〜120hを形成している。この際、8分割型光検出器120内で内周領域120e〜120hを合わせた領域の広さは、光ディスク101からの反射光の照射強度分布における中央部の照射強度が強くなる領域の広さとほぼ等しくなるように設定されている。
尚、上記した公報中には、図13(a)に示したような内周領域120e〜120hが正方形である8分割型光検出器120に代えて、図13(b)又は図13(c)に示したように内周領域が円形又は八角形である8分割型光検出器120’又は8分割型光検出器120’’を用いる場合も開示されている。
そして、8分割型光検出器120内に形成した外周領域120a〜120d及び内周領域120e〜120hでそれぞれ検出した各検出信号は、図14に示した信号処理部121に送られ、この信号処理部121内に設けた加算器130〜138及び減算器139,140を用いてRF信号Srf,球面収差エラー信号Ske,フォーカスエラー信号Sfeが演算されている。
例えば、球面収差エラー信号Skeは、8分割型光検出器120内に形成した外周領域120a〜120d及び内周領域120e〜120hでそれぞれ検出した各検出信号を全て用いて、下記の式に基づいて図14に示した回路図により求めている。 Ske=(「120a」+「120c」+「120f」+「120h」) −(「120b」+「120d」+「120e」+「120g」)。
また、RF信号Srf,フォーカスエラー信号Sfeも図14に示した回路図により求めている。
従って、従来の情報記録再生装置100では、とくに、光ディスク101と光ピックアップ110内の光学系との間で球面収差が生じた際に、光ディスク101からの反射光を8分割型光検出器120により検出して、この8分割型光検出器120からの各検出信号を演算して得た球面収差エラー信号Skeに基づいて液晶114を制御しながら球面収差を補正しているので、光ディスク101の保護層101aの厚みが異なる場合に発生する球面収差を補正できる。
解決しようとする問題点は、光ディスク101と光ピックアップ110内の光学系との間で生じた球面収差を補正するための球面収差エラー信号Skeを求める際に、前述したように、8分割型光検出器120内に形成した外周領域120a〜120d及び内周領域120e〜120hでそれぞれ検出した各検出信号を全て用いているために、信号処理部121で球面収差エラー信号Skeを演算する場合に図14に示したように6個の加算器130〜135と、1個の減算器139を使用している。
一方、現在開発が進んでいる超高密度光ディスクに対応して情報記録再生装置及び光ピックアップを小型軽量化を図って開発するに当たって、各構成部品の小型軽量化と共に使用する部品点数の削減が要求されており、上記したように球面収差エラー信号Skeを演算するために合計7個の演算器を用いた場合には小型軽量化が達成できないし、合計7個の演算器を使用するために装置がコトスアップになってしまう。
また、上記した従来の情報記録再生装置100では、対物レンズ116をトラッキング方向に制御する際の光検出器については何等の考慮もされていない。
そこで、光記録媒体と光ピックアップ内の光学系との間で生じた球面収差を補正するための球面収差エラー信号をより簡単に得ることができ、且つ、演算器の個数を削減しても球面収差を正確に得ることができると共に、更に、フォーカエラー信号や各種のトラッキングエラー信号(PP信号,DPP信号,DPD信号)にも対応できる光検出器を備えた球面収差補正装置が望まれている。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、第1の発明は、光記録媒体に対応した波長のレーザー光を出射するレーザー光源と、前記レーザー光源からの前記レーザー光を入射し、前記レーザー光に対して前記レーザー光源と前記光記録媒体との間で発生する球面収差を補正するように制御する球面収差補正手段と、前記球面収差補正手段を通った前記レーザー光を絞り込んで得たレーザービームを前記光記録媒体の信号面に照射する対物レンズと、前記光記録媒体の信号面で反射した反射光を検出するために内部に複数の受光領域を設けた光検出器と、前記光検出器内に設けた前記複数の受光領域で検出した各検出信号から球面収差エラー信号を演算により生成して前記球面収差エラー信号を前記球面収差補正手段にフィードバックする球面収差補正回路とを少なくとも備えた球面収差補正装置において、
前記光検出器内に設けた複数の受光領域は、前記反射光によるビームを受光する一つの受光面の内周を4分割した内周受光領域と、この内周受光領域の外周を4分割した外周受光領域とからなり、
前記球面収差補正回路は、前記外周受光領域からの各検出信号のみを用いて前記球面収差エラー信号を演算することを特徴とする球面収差補正装置である。
また、第2の発明は、上記した第1の発明の球面収差補正装置において、
前記光検出器内の前記内周受光領域を、前記球面収差がない前記ビームを受光した時に得られるスポット径よりも内側に形成したことを特徴とする球面収差補正装置である。
また、第3の発明は、上記した第1又は第2の発明の球面収差補正装置において、
前記球面収差エラー信号の値が前記球面収差の量に対して略リニアに変化するリニア領域をS字状スロープ中の中間部に有する時に、前記S字状スロープ中の前記リニア領域以外の前記球面収差に対して前記リニア領域内に向かって補正することを特徴とする球面収差補正装置である。
本発明に係る球面収差補正装置によれば、請求項1記載によれば、とくに、光検出器内に設けた複数の受光領域は、反射光によるビームを受光する一つの受光面の内周を4分割した内周受光領域と、この内周受光領域の外周を4分割した外周受光領域とからなり、球面収差補正回路は、外周受光領域からの各検出信号のみを用いて球面収差エラー信号を演算しているため、球面収差補正回路内での演算器の数を従来例に比較して大幅に削減でき、且つ、球面収差エラー信号を簡単に求めることができると共に、コスト低減にも寄与できる。
また、請求項2記載によれば、とくに、光検出器内の内周受光領域を、球面収差がないビームを受光した時に得られるスポット径よりも内側に形成したため、光検出器内に形成した外周受光領域だけを用いて球面収差エラー信号を演算する場合に、ビームのスポットと内周受光領域との間の領域に僅かに光量が存在している状態で減算されてこの領域内の減算値が零となるためにノイズのない球面収差エラー信号が得られ、球面収差エラー信号のS/N比が低下することを避けることができる。
また、請求項3記載によれば、とくに、球面収差エラー信号の値が球面収差の量に対して略リニアに変化するリニア領域をS字状スロープ中の中間部に有する時に、S字状スロープ中のリニア領域以外の球面収差に対してリニア領域内に向かって補正しているために、リニア領域以外の球面収差に対する球面収差量がリニア領域外からリニア領域内に迅速に移行できるので、球面収差の補正をリニア領域内で通常のサーボ理論に基づいて確実に行うことができる。
以下に本発明に係る球面収差補正装置の一実施例を図1乃至図11を参照して詳細に説明する。
本発明に係る球面収差補正装置は、CD,DVDよりも狭トラック化を図って現在開発が進んでいる超高密度光記録媒体として円盤状の超高密度光ディスク(Blu Ray Disc)や、カード状の光カードに適用可能に構成されていると共に、超高密度光記録媒体と光ピックアップ内の光学系との間で球面収差が生じた際に、超高密度光記録媒体からの反射光によるビームを8分割型光検出器により検出して、この8分割型光検出器からの各検出信号を演算して得た球面収差エラー信号に基づいて球面収差補正手段を制御しながら球面収差を良好に補正できるように構成されており、とくに、8分割型光検出器内に形成した4箇所の外周受光領域のみを用いて球面収差エラー信号をより簡単に検出することを特徴とするものである。
図1は本発明に係る球面収差補正装置を示した構成図、
図2は図1に示した光検出器の内部構成を拡大して示した平面図、
図3は図1に示した球面収差補正回路の内部構成を示したブロック図、
図4は図1に示したフォーカス・トラッキング制御回路の内部構成を示したブロック図である。
図1に示した如く、本発明に係る球面収差補正装置10の内部には、超高密度光ディスク(Blu Ray Disc)11を記録又は再生するための光ピックアップ20が超高密度光ディスク11の径方向に移動自在に設けられている。
この際、超高密度光ディスク11は、ビーム入射面11aと信号面11bとの間のディスク基板厚さtが略0.1mmに薄く設定されて、この上に略1.1mmの補強板(図示せず)を貼り合せて合計厚さが略1.2mmに形成されている。
また、上記した光ピックアップ装置20では、超高密度光ディスク11に対応して半導体を用いたレーザー光源(以下、半導体レーザーと記す)21から波長が450nm以下のレーザー光Lが出射されており、この実施例ではレーザー光Lの基準波長が例えば405nmに設定されている。
そして、半導体レーザー21から出射されたレーザー光Lは直線偏光の発散光であり、この発散光が回折格子(グレーティング)22に入射され、この回折格子22内に形成された凹凸状格子(図示せず)のピッチと傾斜の角度に応じて0次回折光と±1次回折光とからなる3本のビーム(以下、3ビームと記す)に分離された後に、3ビームが偏光ビームスプリッタ23に入射される。
尚、この実施例では、回折格子22により3ビームを生成しているが、回折格子22を設けない構成もあり、この場合には半導体レーザー21から出射されたレーザー光を1ビームのままで偏光ビームスプリッタ23に直接入射させれば良い。
上記した偏光ビームスプリッタ23は、回折格子22からの3ビームを透過させ、且つ、超高密度光ディスク11からの反射光を反射させて略90°方向を転じさせるために偏光性を有する半透過反射膜23aが膜付けされている。
この後、偏光ビームスプリッタ23内の半透過反射膜23aを透過した3ビームは、コリメーターレンズ24で平行光に変換されて、球面収差補正手段25に入射される。
上記した球面収差補正手段25は、半導体レーザー21と超高密度光ディスク11の信号面11bとの間に配置された光学系によって発生する球面収差を補正するものであり、半導体レーザー21側に設けた凹レンズ(負レンズ)25Aと、後述の対物レンズ26側に設けた凸レンズ(正レンズ)25Bと、凸レンズ25Bを光軸方向に沿って変位させるアクチュエータ25Cとから構成されている。そして、後述するように球面収差エラー信号SAEに基づいて凸レンズ25Bをアクチュエータ25Cによって凹レンズ25Aに対して光軸方向に変位させ、凹レンズ25Aと凸レンズ25Bとの間隔を制御して、対物レンズ26に入射する3ビームの平行度を調整して、対物レンズ26の倍率誤差による球面収差を発生させて他の球面収差と相殺することで球面収差が零になるように補正することで、クローズドループで制御している。
尚、凹レンズ(負レンズ)25Aを凸レンズ25Bに対して光軸方向に変位させる方法でも良い。
尚更に、球面収差補正手段として、実施例では凹レンズ25Aと凸レンズ25Bとアクチュエータ25Cとの組み合わせを用いたが、これに代えて従来例で説明しような液晶などを用いた波面変調素子を適用することも可能である。
この後、球面収差補正手段25を通った3ビームは、超高密度光ディスク用として設計した対物レンズ26に入射される。上記した対物レンズ26は、超高密度光ディスク11に対応して開口数(NA)が0.75以上に設定され、且つ、互いに対向する第1,第2面のうちで少なくとも1面が非球面に形成されたものである。この実施例における対物レンズ26は、開口数(NA)が0.85の単玉レンズを用いている。この際、対物レンズ26は不図示のレンズホルダ内の上方部位に取り付けられていると共に、このレンズホルダの外周に対物レンズ26を超高密度光ディスク11のフォーカス方向とトラッキング方向とに制御するためのアクチュエータ27が取り付けられている。
そして、対物レンズ26でここに入射した3ビームを絞ってO次光によるメインビームと±1次光による一対のサブビームとを得て、メインビームと一対のサブビームとを超高密度光ディスク11のビーム入射面11aから入射させて、超高密度光ディスク11の信号面11b上に照射している。
従って、半導体レーザー21と、回折格子22と、偏光ビームスプリッタ23と、コリメーターレンズ24と、球面収差補正手段25と、対物レンズ26とで往路の光学系が構成されている。
この後、超高密度光ディスク11の信号面11bで反射された反射光は、上記とは逆に、対物レンズ26,球面収差補正手段25,コリメーターレンズ24を通った後に、偏光ビームスプリッタ23内の偏光性を有する半透過反射膜23aで反射されて略90°方向を転じられた後にシリンドリカルレンズ28を通過して光検出器29に達することで復路の光学系が構成されている。
そして、光検出器29で超高密度光ディスク11の信号面11bからの反射光を基にして、球面収差補正回路30で球面収差エラー信号SAEを得てこの球面収差エラー信号SAEを球面収差補正手段25にフィードバックして球面収差を制御し、且つ、フォーカス・トラッキング制御回路40でフォーカスエラー信号FE及び各種のトラッキングエラー信号(PP,DPP,DPD)を得て各信号をアクチュエータ27にフィードバックして対物レンズ26をフォーカス方向及びトラッキング方向に制御し、更に、RF信号処理回路60でメインデータ信号RFを超高密度光ディスク11の信号フォーマットに応じて適宜処理している。
ここで、本発明の要部を構成する光検出器29は、図2に拡大して示した如く、回折格子22で得られた0次回折光によるメインビームMBを検出するための8分割型光検出器29Aと、回折格子22で得られた±1次回折光による一対のサブビームSB1,SB2を検出するための一対の2分割型光検出器29B,29Cとで構成されており、且つ、8分割型光検出器29Aの左右両側に一対の2分割型光検出器29B,29Cが8分割型光検出器29Aに対してそれぞれ分離して不図示の半導体基板上に一体的に配置されている。
上記した8分割型光検出器29Aは、互いに直交するX軸とY軸とで形成されるXY面内に正方形状の一つの受光面を形成し、且つ、球面収差のないメインビームMBを受光面の中心部で受光した時に円形のスポットが得られるものとした場合に、正方形の受光面内にメインビームMBのスポットに外接し且つX軸とY軸とを頂点とする正方形を形成して、この正方形内をX軸とY軸とを堺に4分割して内周受光領域A〜Dを形成すると共に、更に、内周受光領域A〜Dの外側にX軸とY軸とを堺に4分割して外周受光領域E〜Hを形成している。
上記した一対の2分割型光検出器29B,29Cは、正方形に形成された受光面の中心部に円形のサブビームSB1,SB2がそれぞれ照射された場合に、サブビームSB1,SB2を超高密度光ディスク上でのトラック方向に沿って2分割するように2分割型光検出器29Bに領域I,Gが形成され、且つ、2分割型光検出器29Cに領域K,Lが形成されている。
次に、上記した8分割型光検出器29Aと、一対の2分割型光検出器29B,29Cとを用いて球面収差エラー信号SAE,フォーカスエラー信号FE,各種のトラッキングエラー信号(PP,DPP,DPD),メインデータ信号RFを得る場合について以下説明する。
まず、超高密度光ディスク11と光ピックアップ20内の光学系との間で生じた球面収差を球面収差補正手段25(図1)を介して補正するための球面収差エラー信号SAE(Spherical Aberration Error)を得る場合には、8分割型光検出器29A内に形成した4箇所の外周受光領域E〜Hのみを用いて、下記の式に基づいて図3に示した球面収差補正回路30内で演算している。 SAE=(E+G)−(F+H)。
即ち、球面収差が発生した場合には、後述する図6,図8からも明白なように、8分割型光検出器29A内でメインビームMBによるスポット形状が右対角方向(E,A,C,G)側又は左対角方向(F,B,D,H)側に延出されると共に、内周受光領域A〜Dではスポット形状が左右の対角方向(±45°方向)に対してほとんど検出値差がないので、球面収差エラー信号SAEを求める時には外周受光領域E〜Hだけを用いて、右対角方向(E,G)側と左対角方向(F,H)側との検出値差を検出している。
従って、球面収差エラー信号SAEを演算して求める場合には、球面収差補正回路30内で2個の加算器31,32と、1個の減算器33を用いれば良いので、先に図14を用いて従来例1で説明した回路構成よりも球面収差補正回路30内での演算器の数を従来例に比較して大幅に削減でき、且つ、球面収差エラー信号SAEを簡単に求めることができると共に、コスト低減にも寄与できる。
次に、対物レンズ26(図1)をフォーカス方向に制御するためのフォーカスエラー信号FE(Focus Error)を得る場合には、周知の非点収差法により8分割型光検出器29A内の内周受光領域A〜D及び外周受光領域E〜Hを用いて、下記の式に基づいて図4(a)に示したフォーカス・トラッキング制御回路40内のフォーカス回路部40Aで演算している。 FE=(A+C+E+G)−(B+D+F+H)。
即ち、フォーカスエラー信号FEを求める場合には、メインビームMBによるスポット形状の右対角方向(E,A,C,G)側と左対角方向(F,B,D,H)側との検出値差をフォーカス回路部40A内に設けた6個の加算器41〜46と、1個の減算器47とにより演算している。
次に、対物レンズ26(図1)をトラッキング方向に制御するために、ここでは下記する各種のトラッキングエラー信号のうちいずれか一つを選択的に適用可能になっている。 上記した各種のトラッキングエラー信号としては、プッシュプル信号PP(Push Pull)と、差動プッシュプル信号DPP(Differential Push Pull)と、位相差信号DPD((Differential Phase Detection)とがあり、これら各種の信号を演算するために8分割型光検出器29Aと、一対の2分割型光検出器29B,29Bとを用いている。
上記したプッシュプル信号PPによるトラッキングエラー信号を得る場合には、周知の非点収差法により8分割型光検出器29A内の内周受光領域A〜D及び外周受光領域E〜Hを用いて、下記の式に基づいて図4(b)に示したフォーカス・トラッキング制御回路40内のトラッキング回路部40Bで演算している。 FE=(A+D+E+H)−(B+C+F+H)。
即ち、プッシュプル信号PPによるトラッキングエラー信号を求める場合には、メインビームMBによるスポット形状の上方(E,A,D,H)側と下方(F,B,C,G)側との検出値差をトラッキング回路部40B内に設けた6個の加算器48〜53と、1個の減算器54とにより演算している。この際、プッシュプル信号PPによるトラッキングエラー信号は、8分割型光検出器29Aのみを用いているために、回折格子22(図1)を設けない構成による1ビーム方式にも適用できる。
一方、上記した差動プッシュプル信号DPPによるトラッキングエラー信号を得る場合には、上記したプッシュプル信号PPの結果と、一対の2分割型光検出器29B,29Cとを用いているので、回折格子22(図1)を設けた実施例の構成による3ビーム方式に適しており、下記の式に基づいてフォーカス・トラッキング制御回路40内のトラッキング回路部40B(図3)で演算しているものの、ここでも回路構成の図示を省略する。
DPP=PP−α×{(I+K)−(J+L)} 但し、αは係数である。
更に、上記した位相差信号DPDによるトラッキングエラー信号を得る場合には、8分割型光検出器29Aのみを用いて、下記の式に基づいてフォーカス・トラッキング制御回路40内のトラッキング回路部40B(図3)で演算しているものの、ここでも回路構成の図示を省略する。 DPD=(A+E)+(C+G)と、(B+F)+(D+H)との位相差。
この位相差信号DPDによるトラッキングエラー信号も8分割型光検出器29Aのみを用いているために、回折格子22(図1)を設けない構成による1ビーム方式にも適用できる。
次に、メインデータ信号RFを得る場合には、8分割型光検出器29A内の内周受光領域A〜D及び外周受光領域E〜Hを用いて、下記の式に基づいて図1に示したRF信号処理回路60内で演算しているものの、ここでは回路構成の図示を省略する。 RF=A+B+C+D+E+F+G+H。
次に、球面収差についてより具体的に先に用いた図1,図2と、新たな図5〜図10とを併用して説明する。
図5は球面収差がない場合に、8分割型光検出器で受光したメインビームのスポット形状の変化に対するフォーカスエラー依存性を示した図、
図6は球面収差がある場合に、8分割型光検出器で受光したメインビームのスポット形状の変化に対するフォーカスエラー依存性を示した図、
図7はフォーカスエラー信号にオフセットがない場合に、フォーカスエラー信号と、球面収差エラー信号とに対してフォーカス位置の依存性を示した図、
図8は超高密度光ディスクがフォーカスの最良点にある時に、8分割型光検出器で受光したメインビームに対して球面収差が補正オーバーの場合と、球面収差がない場合と、球面収差が補正アンダーの場合とを示した図、
図9は球面収差量が0.05λ・rmsの場合に、フォーカスエラー信号と、球面収差エラー信号が補正オーバーの場合と、球面収差エラー信号が補正アンダーの場合とに対してフォーカス位置の依存性を示した図、
図10は球面収差量に対する球面収差エラー信号を示した図である。
まず、図5(a)〜(c)には、光ピックアップ20内に設けた対物レンズ26が超高密度光ディスク11に対応して設計された状態で、球面収差が無い場合について、8分割型光検出器29Aで受光したメインビームMBのスポット形状の変化を光線追跡法により計算して、フォーカスエラー依存性を検討した。
ここで、図5(b)に示したように、対物レンズ26が超高密度光ディスク11に対してフォーカス最良点にあるとき、8分割型光検出器29Aの中心部上でメインビームMBによるスポットが略円形となる。一方、図5(a)に示したように、対物レンズ26の合焦点に対して超高密度光ディスク11が1μm対物レンズ26に近い場合、又は、図5(c)に示したように、対物レンズ26の合焦点に対して超高密度光ディスク11が1μm対物レンズ26から遠い場合に、8分割型光検出器29A上でメインビームMBによる非点収差の焦線の方向が左対角方向(−45°方向)又は右対角方向(+45°方向)に変化することで、フォーカスエラー信号FEが検出される。尚、非点収差は45°の方向に与えられている。
次に、図6(a)〜(c)には、光ピックアップ20内に設けた対物レンズ26が超高密度光ディスク11に対応して設計された状態で、球面収差がある場合について、上記した図5(a)〜(c)の場合と同様に、8分割型光検出器29Aで受光したメインビームMBのスポット形状の変化を光線追跡法により計算して、フォーカスエラー依存性を検討した。
この場合に、レーザー光Lの波長λ=405nmとすると、球面収差量は0.05λ・rmsである。この球面収差量は、超高密度光ディスク11のディスク基板厚さtが略0.1mmに薄く設定されている時に、ディスク基板厚さ誤差Δtが約5μmある場合に相当するものである。ここでは、後述するように球面収差の補正量がアンダー(補正不足)の状態で対物レンズ26をフォーカス方向に振っており、図6(b)に示したように、対物レンズ26が超高密度光ディスク11に対してフォーカス最良点にあるとき、8分割型光検出器29Aの中心部上でメインビームMBによるスポットが右対角方向に延出されるので図5(b)に対して略楕円状になる。一方、図6(a)に示したように、対物レンズ26の合焦点に対して超高密度光ディスク11が1μm対物レンズ26に近い場合、又は、図6(c)に示したように、対物レンズ26の合焦点に対して超高密度光ディスク11が1μm対物レンズ26から遠い場合に、球面収差があると、メインビームMBによるスポットは図5(a)又は図5(c)に示した左対角方向(−45°方向)又は右対角方向(+45°方向)と同じ方向であるものの、図5(a)又は図5(c)に対して膨らみのある形状となる。
そして、図7には、フォーカスエラー信号FEにオフセットがない場合に、フォーカスエラー信号FEと、球面収差エラー信号SAEとに対してフォーカス位置の依存性を計算して評価した。ここでは、8分割型光検出器29A内の各領域A〜Hに入る光線の本数を計算によりカウントしており、横軸はフャーカス誤差(μm)を示し、縦軸はフォーカスエラー信号FEと、球面収差エラー信号SAEとをそれぞれ演算する時に前述した各式の減算結果に対応した光線本数差(エラー出力)を示している。この図7から明らかなように、8分割型光検出器29A上に照射されたメインビームMBのスポット形状の変化にもかかわらず、フォーカスエラー信号FEへのオフセットの発生は極めて軽微であり、且つ、フォーカスエラー信号FEが零との時に球面収差エラー信号SAEも零となり、フォーカスエラーー信号FEの検出には問題が生じないことがわかった。
次に、図8(a)〜(c)には、超高密度光ディスク11がフォーカスの最良点にある時に、球面収差が補正オーバー(補正過剰)の場合と、球面収差がない場合と、球面収差が補正アンダー(補正不足)の場合とにおいて、8分割型光検出器29A上で受光したメインビームMBのスポット形状の変化をそれぞれ示している。この場合も、レーザー光の波長λ=405nmとすると、球面収差量は0.05λ・rmsである。この球面収差量は、超高密度光ディスク11のディスク基板厚さtが略0.1mmに薄く設定されている時に、ディスク基板厚さ誤差Δtが約5μmある場合に相当するものである。
この図8(a)〜(c)から明らかなように、球面収差の存在により、メインビームMBによる非点収差の焦線の方向へスポット形状の変化が生じることがわかる。更に、メインビームMBのスポット形状の変化の方向が、球面収差補正オーバーであるか、あるいは、球面収差補正アンダーであるかの極性により、非点収差の方向である対角方向に変化することがわかる。
このように、8分割型光検出器29A上でメインビームMBのスポット形状は、前述した図3に示した球面収差補正回路30内での球面収差エラー信号SAEの演算により上記した球面収差補正オーバーであるか、あるいは、球面収差補正アンダーであるかの極性の変化を検出することを定性的に示している。
次に、図9には、球面収差量が0.05λ・rmsの場合に、フォーカスエラー信号FEと、球面収差エラー信号SAEが補正オーバーの場合と、球面収差エラー信号SAEが補正アンダーの場合とに対してフォーカス位置の依存性を示している。ここでの計算は、図7と同じ条件で球面収差量のみが異なっている。この図9によれば、フォーカスエラー信号FEは、デフォーカスが無い状態で零であり、且つ、フォーカスエラー信号FEが零の点で球面収差エラー信号SAEが補正オーバーの場合には正の出力が発生する一方、球面収差エラー信号SAEが補正アンダーの場合には負の出力が発生している。
次に、図10に、球面収差量に対する球面収差エラー信号SAEの依存性について計算した結果を示している。横軸は、球面収差量λ・rms値であり、便宜的に、球面収差が補正アンダーである場合にはマイナス値で表示し、一方、球面収差が補正オーバーである場合はプラス値で表示している。また、縦軸は、球面収差エラー信号SAE(相対値)を示している。
この図10から明らかなように、球面収差エラー信号SAEの値は球面収差の量(球面収差量)に対して略リニアに変化するリニア領域をS字状スロープ中の中間部に有していると共に、S字状スロープの両端近傍で球面収差量に対して球面収差エラー信号SAEの値が飽和し、これに続いて球面収差量が+側に大きくなると球面収差エラー信号SAEの値が小さくなる方向に傾斜する一方、球面収差量が−側に大きくなると球面収差エラー信号SAEの値が大きくなる方向に傾斜している。即ち、球面収差エラー信号SAEのS字状スロープ中で球面収差量が略−0.1λ・rms〜+略1.1λ・rmsの範囲内では球面収差エラー信号SAEが正(プラス)の傾斜で略リニアに変化するリニア領域となっている共に、前記リニア領域を越えて球面収差量が±側でそれぞれ大きくなると、球面収差エラー信号の値は飽和してより大きな球面収差量のリニア外領域で球面収差エラー信号が反転して負(マイナス)の傾斜になる。この際、球面収差エラー信号SAEのS字状スロープ中でリニア領域以内ではフォーカスエラー信号FEのオフセットは発生していないことがわかる。
そして、信号面11bが単層型の超高密度光ディスク11の場合は、球面収差量は球面収差エラー信号SAEのS字状スロープ中のリニア領域内で充分小さいが、ここでの図示を省略するものの信号面が2層型の超高密度光ディスクや多層型の超高密度光ディスクの場合にはリニア領域外の球面収差が発生する。そして、リニア領域外に球面収差エラー信号SAEがある場合、単純に球面収差エラー信号SAEのS字状スロープに従って、球面収差を球面補正回路30及び球面収差補正手段25(図1)を介して補正しようと制御すると、発振する等して制御がうまくいかないことが懸念される。これは例えば、下記の(a),(b)に記載した様に解決できる。
(a).上記したように球面収差エラー信号SAEの値が球面収差の量(球面収差量)に対して略リニアに変化するリニア領域をS字状スロープ中の中間部に有する時に、S字状スロープ中のリニア領域以外の球面収差に対してリニア領域内に向かって補正している。具体的には、球面収差量に対して球面収差エラー信号SAEの値が正(プラス)で且つS字状スロープ中で負の傾斜領域に居る場合には正の傾斜を有するリニア領域に向かって球面収差を補正し、また、球面収差量に対して球面収差エラー信号SAEの値が負(マイナス)で且つS字状スロープ中で負の傾斜領域に居る場合には正の傾斜を有するリニア領域に向かって球面収差を補正する。これにより、球面収差量がリニア領域外からリニア領域内に迅速に移行できる。そして、S字状スロープ中のリニア領域に入った後には、球面収差の補正をリニア領域内で通常のサーボ理論に基づいて確実に行うことができる。この場合、リニア領域に入ったことを判定する必要があるが、球面収差エラー信号SAEのゼロクロスを利用するか、あるいは、球面収差エラー信号SAEに対して閾値を設定しておき判定するか、もしくは、メインデータ信号RFの振幅が増加する限り、球面収差エラー信号SAEのS字状スロープを無視する等の判定方法がある。
(b).別な対応方法として、球面収差を補正する際に、最初に粗調整として、大きく球面収差の補正量を変化させて、リニア領域を検出した後に、精調性を行う方法もある。この方法の場合、超高密度光ディスク11中の球面収差の変動はリニア領域に比べて小さいと期待できるので、超高密度ディスク11を一回装着した時に一度の粗調整で良い。
次に、本発明に係る球面収差補正装置10において、光ピックアップ20に設けた光検出器29内の8分割型光検出器29Aに対して領域分割形態のみを変形させた変形例について図11を用いて簡略に説明する。
図11は光検出器内の8分割型光検出器に対して領域分割形態のみを変形させた変形例を拡大して示した平面図である。
図11(a),(b)には、先に図2を用いた説明した光検出器29内に設けた8分割型光検出器29Aに対して領域分割形態のみを変形させた変形例の8分割型光検出器29A’,29A’’を示している。尚、図2に示した一対の2分割光検出器29B,29Cの領域分割形態は先の実施例と同じであるのでここでの図示を省略する。
まず、図11(a)に示した変形例の8分割型光検出器29A’は、互いに直交するX軸とY軸とで形成されるXY面内に正方形状の一つの受光面を形成し、且つ、球面収差のないメインビームMBを受光面の中心部で受光した時に円形のスポットが得られるものとした場合に、メインビームMBのスポットの内側にスポット径より僅かに小面積(スポット径より一回り小径)の円形を形成し、この円形内をX軸とY軸とを堺に4分割して内周受光領域A’〜D’を形成すると共に、更に、内周受光領域A’〜D’の外側にX軸とY軸とを堺に4分割して外周受光領域E’〜H’を形成している。この際、X軸上の左右に検出信号を引き出すための一対の信号線引出用領域29a,29bが幅狭く形成されている。
次に、図11(b)に示した変形例の8分割型光検出器29A’’は、互いに直交するX軸とY軸とで形成されるXY面内に正方形状の一つの受光面を形成し、且つ、球面収差のないメインビームMBを受光面の中心部で受光した時に円形のスポットが得られるものとした場合に、メインビームMBのスポットの内側にスポット径より僅かに小面積で且つX軸とY軸とを頂点とする正方形を形成して、この正方形内をX軸とY軸とを堺に4分割して内周受光領域A’’〜D’’を形成すると共に、更に、内周受光領域A’’〜D’’の外側にX軸とY軸とを堺に4分割して外周受光領域E’’〜H’’を形成している。ここでも、X軸上の左右に検出信号を引き出すための一対の信号線引出用領域29a,29bが幅狭く形成されている。
上記のように形成した変形例の8分割型光検出器29’又は8分割型光検出器29A’’によれば、メインビームMBのスポットの内側にスポット径よりも僅かに小面積な円形又は正方形を4分割した内周受光領域A’〜D’又は内周受光領域A’’〜D’’を形成することで、8分割型光検出器29’内又は8分割型光検出器29A’’内に形成した外周受光領域E’〜H’又は外周受光領域E’’〜H’’だけを用いて球面収差エラー信号SAEを演算する場合に、メインビームMBのスポットと内周受光領域A’〜D’又は内周受光領域A’’〜D’’との間の領域に僅かに光量が存在している状態で減算されてこの領域内の減算値が零となるためにノイズのない球面収差エラー信号SAEが得られ、球面収差エラー信号SAEのS/N比が低下することを避けることができる。また、8分割型光検出器29’内又は8分割型光検出器29A’’内を上記のように領域分割することにより、メインビームMBのスポット形状が、現実の光学系の誤差(例えば検出系のレンズの焦点距離)等により変化した場合に、内周受光領域よりもメインビームMBのスポット径が小さくなり、球面収差検出時に不感帯ができてしまうことを防ぐことができる。
本発明に係る球面収差補正装置を示した構成図である。 図1に示した光検出器の内部構成を拡大して示した平面図である。 図1に示した球面収差補正回路の内部構成を示したブロック図である。 図1に示したフォーカス・トラッキング制御回路の内部構成を示したブロック図である。 球面収差がない場合に、8分割型光検出器で受光したメインビームのスポット形状の変化に対するフォーカスエラー依存性を示した図である。 球面収差がある場合に、8分割型光検出器で受光したメインビームのスポット形状の変化に対するフォーカスエラー依存性を示した図である。 フォーカスエラー信号にオフセットがない場合に、フォーカスエラー信号と、球面収差エラー信号とに対してフォーカス位置の依存性を示した図である。 超高密度光ディスクがフォーカスの最良点にある時に、8分割型光検出器で受光したメインビームに対して球面収差が補正オーバーの場合と、球面収差がない場合と、球面収差が補正アンダーの場合とを示した図である。 球面収差量が0.05λ・rmsの場合に、フォーカスエラー信号と、球面収差エラー信号が補正オーバーの場合と、球面収差エラー信号が補正アンダーの場合とに対してフォーカス位置の依存性を示した図である。 球面収差量に対する球面収差エラー信号を示した図である。 光検出器内の8分割型光検出器に対して領域分割形態のみを変形させた変形例を拡大して示した平面図である。 従来の情報記録再生装置の概略構成を示したブロック図である。 従来の情報記録再生装置において、光ピックアップ内に設けた8分割の型光検出器の分割形態を説明するための図である。 図12に示した信号処理部の細部構成を示したブロック図である。
符号の説明
10…球面収差補正装置、
11…超高密度光ディスク、11a…ビーム入射面、11b…信号面、
20…光ピックアップ、
21…レーザー光源(半導体レーザー)、22…回折格子(グレーティング)、
23…偏光ビームスプリッタ、24…コリメーターレンズ、
25…球面収差補正手段、25A…凹レンズ(負レンズ)、
25B…凸レンズ(正レンズ)、25C…アクチュエータ、
26…対物レンズ、27…アクチュエータ、28…シリンドリカルレンズ、
29…光検出器、
29A,29’A,29A’’…8分割型光検出器、
A〜D,A’〜D’,A’’〜D’’…内周領域、
E〜H,E’〜H’,E’’〜H’’…内周領域、
29B,29C…一対の2分割型光検出器、
30…球面収差補正回路、
40…フォーカス・トラッキング制御回路、
40A…フォーカス回路部、40B…トラッキング回路部、
60…RF信号処理回路、
FE…フォーカスエラー信号、SAE…球面収差エラー信号、
PP…プッシュプル信号、DPP…差動プッシュプル信号、DPD…位相差信号、
RF…メインデータ信号、
L…レーザー光、MB…メインビーム、SB1,SB2…一対のサブビーム。

Claims (3)

  1. 光記録媒体に対応した波長のレーザー光を出射するレーザー光源と、前記レーザー光源からの前記レーザー光を入射し、前記レーザー光に対して前記レーザー光源と前記光記録媒体との間で発生する球面収差を補正するように制御する球面収差補正手段と、前記球面収差補正手段を通った前記レーザー光を絞り込んで得たレーザービームを前記光記録媒体の信号面に照射する対物レンズと、前記光記録媒体の信号面で反射した反射光を検出するために内部に複数の受光領域を設けた光検出器と、前記光検出器内に設けた前記複数の受光領域で検出した各検出信号から球面収差エラー信号を演算により生成して前記球面収差エラー信号を前記球面収差補正手段にフィードバックする球面収差補正回路とを少なくとも備えた球面収差補正装置において、
    前記光検出器内に設けた複数の受光領域は、前記反射光によるビームを受光する一つの受光面の内周を4分割した内周受光領域と、この内周受光領域の外周を4分割した外周受光領域とからなり、
    前記球面収差補正回路は、前記外周受光領域からの各検出信号のみを用いて前記球面収差エラー信号を演算することを特徴とする球面収差補正装置。
  2. 請求項1記載の球面収差補正装置において、
    前記光検出器内の前記内周受光領域を、前記球面収差がない前記ビームを受光した時に得られるスポット径よりも内側に形成したことを特徴とする球面収差補正装置。
  3. 請求項1又は請求項2記載の球面収差補正装置において、
    前記球面収差エラー信号の値が前記球面収差の量に対して略リニアに変化するリニア領域をS字状スロープ中の中間部に有する時に、前記S字状スロープ中の前記リニア領域以外の前記球面収差に対して前記リニア領域内に向かって補正することを特徴とする球面収差補正装置。

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