JP2005043619A - トナー定着装置、トナー定着方法、そのプログラム及び印刷装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】消費エネルギー及び駆動音を低減することができる。
【解決手段】カラーレーザプリンタ10は、通常モードであるか低温低速定着モードであるかを低温低速定着モード選択ボタン17aなどによりユーザから指定され、低温低速定着モードに指定されたときに、CPU12は、通常より遅い低昇温速度RLで通常より低い低定着温度TL(少なくともトナーの溶融する範囲内の温度)となるようにヒータ通電回路33aにより定着ローラ31を加熱制御し、通常よりも遅い低搬送速度SL(低定着温度TLにおいてトナー像を定着し得る範囲内の速度)となるように駆動回路32aによりモータ32を制御して用紙36上に転写されたトナー像を定着ローラ31及び加圧ローラ35により融着定着させる。
【選択図】 図2
【解決手段】カラーレーザプリンタ10は、通常モードであるか低温低速定着モードであるかを低温低速定着モード選択ボタン17aなどによりユーザから指定され、低温低速定着モードに指定されたときに、CPU12は、通常より遅い低昇温速度RLで通常より低い低定着温度TL(少なくともトナーの溶融する範囲内の温度)となるようにヒータ通電回路33aにより定着ローラ31を加熱制御し、通常よりも遅い低搬送速度SL(低定着温度TLにおいてトナー像を定着し得る範囲内の速度)となるように駆動回路32aによりモータ32を制御して用紙36上に転写されたトナー像を定着ローラ31及び加圧ローラ35により融着定着させる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トナー定着装置、トナー定着方法、そのプログラム及び印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、紙などの記録媒体にトナー像を定着させるトナー定着装置としては、熱エネルギーで定着させる熱非接触方式、熱エネルギーを主体に圧力を加える熱接触方式、圧力で定着させる加圧ローラ方式などのトナー定着方式が知られているが、最も一般的に使用されているのは熱接触方式である。この熱接触方式のトナー定着装置は、加熱エネルギーを消費するため、エネルギー消費量を低減させる様々な提案がなされている(例えば、特許文献1参照)。このトナー定着装置は、部数の少ない印刷であると判定した場合、通常よりも低速・低温度でトナー定着装置を作動させ紙などの記録媒体にトナー像を定着させてファーストプリント時間を早くし、エネルギー消費を低減させる。また、これとは別に、同様の構成を含むトナー定着装置も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平13−356616号公報
【特許文献2】
特開平12−075584号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1のトナー定着装置では、印刷する部数の多い少ないに関わらずファーストプリントアウト時間を早くするため、待機温度から印刷温度までの昇温速度は早く設定され、印刷速度をさほど求めないような場合であっても必要以上にエネルギーを消費していた。また、印刷速度をさほど求めないような場合であっても、定着装置を速く作動させることがあり、必要以上の駆動音が発生する場合があった。
【0005】
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、消費エネルギーを低減することができるトナー定着装置、トナー定着方法、そのプログラム及び印刷装置を提供することを目的の一つとする。また、駆動音を低減させることができるトナー定着装置、トナー定着方法、そのプログラム及び印刷装置を提供することを目的の一つとする。
【0006】
【課題を解決するための手段及びその作用・効果】
本発明のトナー定着装置、トナー定着方法、そのプログラム及び印刷装置は、上述の目的の少なくとも一つを達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本発明のトナー定着装置は、トナー像が転写された紙などの記録媒体を搬送手段によって搬送しながら加熱手段によって加熱することにより該記録媒体に該トナー像を定着させる定着手段と、
第1モード及び第2モードを含む複数のモードのうちのいずれかのモードに設定するモード設定手段と、
前記モード設定手段によって第1モードに設定されたとき通常の昇温速度で通常の定着温度に前記定着手段が達するよう前記加熱手段を制御すると共に通常の搬送速度で前記記録媒体が搬送されるよう前記搬送手段を制御して前記通常の定着温度で前記記録媒体にトナー像を定着させ、前記モード設定手段によって第2モードに設定されたとき前記通常の昇温速度より遅い所定の低昇温速度で前記通常の定着温度より低い所定の低定着温度に前記定着手段が達するよう前記加熱手段を制御すると共に前記通常の搬送速度より遅い所定の低搬送速度で前記記録媒体が搬送されるよう前記搬送手段を制御して前記所定の低定着温度で前記記録媒体にトナー像を定着させる定着制御手段と、
を備えたものである。
【0008】
このトナー定着装置では、第1モード(通常モード)であるか、第2モードであるかを設定し、第2モードに設定されたとき通常よりも遅い低昇温速度で通常よりも低い低定着温度に定着手段を加熱し、通常よりも遅い低搬送速度で記録媒体にトナー像を定着させる。したがって、第2モードつまり低温低速定着モードに設定されたときに昇温速度、定着温度及び搬送のための駆動力の面から通常モードに比べて消費エネルギーを低減することができるし、定着の際の駆動音を低減させることもできる。
【0009】
本発明のトナー定着装置において、前記低搬送速度は、前記低定着温度で定着させたときに前記記録媒体にトナー像を定着し得る速度範囲内に設定されていてもよい。こうすれば、トナー像の定着を確保しつつ、上述の効果を奏することができる。ここで、「低搬送速度」は、トナー像を定着し得る速度範囲内にあればよいが、その速度範囲の上限付近に設定されていてもよい。こうすれば、必要以上に遅い搬送速度とすることなくトナー像の定着を行うことができる。
【0010】
本発明のトナー定着装置において、前記定着手段は、前記記録媒体を加熱する前記加熱手段と前記記録媒体を搬送する前記搬送手段とを兼ね備えたヒートローラ方式の定着手段であってもよい。こうすれば、ヒートローラが記録媒体を搬送し加熱するときの消費エネルギーを低減することができるし、定着の際の駆動音を低減させることもできる。
【0011】
本発明のトナー定着装置において、前記モード設定手段は、前記複数のモードのうちユーザから指示されたモードに設定してもよい。こうすれば、ユーザが望むときに低温低速定着モードで動作させることができる。
【0012】
本発明の印刷装置は、感光体を帯電させたあと露光して該感光体上に静電潜像を形成させる帯電露光手段と、前記感光体に形成された静電潜像をトナー像に現像する現像手段と、前記現像手段によって現像された前記トナー像を転写する記録媒体を定着手段まで移送する記録媒体移送手段と、前記記録媒体移送手段によって移送された前記記録媒体に前記現像手段によって現像されたトナー像を転写させる転写手段と、前記転写手段によって転写されたトナー像を前記記録媒体に定着させる上述したトナー定着装置の各手段を備えたものである。トナー定着装置は、印刷装置(プリンタ、コピー機、ファクシミリ機等を含む)に通常用いられるため、本発明の意義が大きい。
【0013】
本発明の印刷装置は、前記モード設定手段によって第1モードに設定されたとき前記帯電露光手段、前記現像手段、前記転写手段及び前記記録媒体移送手段を通常の速度で動作するよう制御し、前記モード設定手段によって第2モードに設定されたとき前記帯電露光手段、前記現像手段、前記転写手段及び前記記録媒体移送手段の少なくとも1つの手段を通常の速度よりも遅い速度で動作するよう制御する印刷動作制御手段、を備えていてもよい。こうすれば、低温低速定着モードでトナー定着装置が動作する際、これに合わせて印刷に関係する他の手段等の動作も遅い速度に制御するため、印刷装置の消費エネルギーを低減することができるし、印刷の際の駆動音を低減させることもできる。
【0014】
この態様を採用した本発明の印刷装置において、前記印刷動作制御手段は、前記第2モードに設定されたとき、前記搬送手段による前記記録媒体の前記低搬送速度と前記記録媒体移送手段による前記記録媒体の移送速度が略同じ速度となるように制御し、前記記録媒体に前記トナー像を転写するときに転写される前記トナー像の移動速度と前記記録媒体の移送速度とが略同じ速度となる所定の低転写速度で前記転写手段を動作させるよう切り替えて制御してもよい。こうすれば、トナー像を記録媒体に転写するときにトナー像の移動速度と記録媒体の移送速度(搬送手段による記録媒体の搬送速度と略同じ)とが略同じ速度になるように制御するため、トナー像を記録媒体に転写する以前の帯電、露光、現像等の各工程に関わる各手段の動作速度を通常の動作速度とすることもでき、その結果、これらの工程を複数回繰り返して複数の色のトナー像を形成するための時間を長引かせることなく上述の本発明の効果を得ることができる。
【0015】
本発明のトナー定着方法は、トナー像が転写された紙などの記録媒体を搬送手段によって搬送しながら加熱手段によって加熱することにより該記録媒体に該トナー像を定着させるコンピュータ・ソフトウエアによるトナー定着方法であって、
(a)第1モード及び第2モードを含む複数のモードのうちのいずれかのモードに設定するステップと、
(b)前記ステップ(a)によって第1モードに設定されたとき通常の昇温速度で通常の定着温度に前記定着手段が達するよう前記加熱手段を制御すると共に通常の搬送速度で前記記録媒体が搬送されるよう前記搬送手段を制御して前記通常の定着温度で前記記録媒体にトナー像を定着させ、前記ステップ(a)によって第2モードに設定されたとき前記通常の昇温速度より遅い所定の低昇温速度で前記通常の定着温度より低い所定の低定着温度に前記定着手段が達するよう前記加熱手段を制御すると共に前記通常の搬送速度より遅い所定の低搬送速度で前記記録媒体が搬送されるよう前記搬送手段を制御して前記所定の低定着温度で前記記録媒体にトナー像を定着させるステップと、
を含むものである。
【0016】
このトナー定着方法は、第1モード(通常モード)であるか、第2モードであるかを設定し、第2モードに設定されたとき通常よりも遅い低昇温速度で通常よりも低い低定着温度に定着手段を加熱し、通常よりも遅い低搬送速度で記録媒体にトナー像を定着させる。したがって、第2モードつまり低温低速定着モードに設定されたときに昇温速度、定着温度及び搬送のための駆動力の面から通常モードに比べて消費エネルギーを低減することができるし、定着の際の駆動音を低減させることもできる。なお、このトナー定着方法において、上述したトナー定着装置の種々の態様を採用してもよいし、また、上述したトナー定着装置の機能を実現するようなステップを追加してもよい。
【0017】
本発明は、上述したトナー定着方法の各ステップを1又は複数のコンピュータに実行させるためのプログラムとしてもよい。このプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体(例えばハードディスク、ROM、FD、CD、DVDなど)に記録されていてもよいし、伝送媒体(インターネットやLANなどの通信網)を介してあるコンピュータから別のコンピュータへ配信されてもよいし、その他どのような形で授受されてもよい。このプログラムを一つのコンピュータに実行させるか複数のコンピュータに分散して実行させれば、上述のトナー定着方法の各ステップが実行されるため、上述のトナー定着方法と同様の作用効果が得られる。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態であるトナー定着装置を備えたカラーレーザプリンタ10の構成の概略を示す構成図であり、図2は、本発明のトナー定着装置の構成の概略を示す構成図である。
【0019】
トナーカートリッジ40が取り付けられるカラーレーザプリンタ10は、単一感光体方式と中間転写方式とを採用したフルカラーの電子写真方式の画像形成装置として構成されており、図1に示すように、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色に色分解された画像を現像器61に装着された各色のトナーカートリッジ40C,40M,40Y,40Kから供給される各色のトナーを用いて、各色ごとに帯電体42により帯電し露光器62により静電潜像が形成された感光体63上にトナー像を形成し、形成したトナー像を中間転写体としての転写ベルト64に重ねて一次転写し、この転写ベルト64上に重ねて転写された4色のトナー像を用紙カセット65から供給され移送ユニット66により移送された用紙に二次転写ユニット67で転写し、用紙上に転写されたトナー像をトナー定着装置30により用紙に融着定着させてカラー像を用紙上に形成する。なお、帯電体42は、導電性ゴムローラにより感光体63を帯電するローラ帯電方式のものであり、露光器62は、モータで回転駆動されるポリゴンミラーによってスキャニングされるレーザ光により感光体63を露光するものであり、帯電体42、現像器61及び感光体63は、図示しないモータによって回転駆動される。
【0020】
また、図2に示すように、本実施形態のカラーレーザプリンタ10は、更にコントローラ11及び操作パネル15を備えている。コントローラ11は、周知のCPU12を中心としたマイクロプロセッサとして構成されており、処理プログラムを記憶したROM13と、一時的にデータを記憶するRAM14とを備えている。操作パネル15は、各種情報をディスプレイに表示する表示部16と、ボタン操作又はパネルタッチにより各種情報をコントローラ11に入力可能な操作部17とを備えたパネルであり、低温低速定着モードを実行させる低温低速定着モード選択ボタン17aが設置されている。この低温低速定着モードは、通常よりも低い低定着温度まで通常よりも遅い低昇温速度で昇温し、通常よりも遅い低搬送速度で用紙上に転写されたトナー像を用紙に融着定着させるモードである。コントローラ11は、表示部16、定着ローラ31の回転を制御する駆動回路32a、定着ローラを加熱するヒータ33を制御するヒータ通電回路33a、図1に示した露光器62、移送ユニット66、二次転写ユニット67及びトナー定着装置30等と電気的に接続され、これらに制御信号を出力したり、操作部17からの入力情報を入力したりする。
【0021】
トナー定着装置30は、図2に示すように、定着ローラ31、モータ32、ヒータ33、温度センサ34、加圧ローラ35などから構成されるヒートローラ方式のものである。定着ローラ31は、ヒータ33を内部に有する円筒形の金属コア31aの外周にゴム層31bを設けたものであり、駆動回路32aによって制御されたモータ32の駆動力により回転し、用紙36を搬送すると共に用紙上に形成されたトナー像を融着定着する。ヒータ33は、通電により発熱するハロゲンランプなどのヒータであり、ヒータ通電回路33aによって加熱制御される。温度センサ34は、ヒータ33により加熱された定着ローラ31の表面温度を検出するサーミスタ等のセンサであり、検出された表面温度は信号ラインにより図示しない入力ポートを介してコントローラ11に入力され、この情報をもとに定着ローラ31の表面温度が制御される。加圧ローラ35は、金属製の軸35aの周囲にゴムなどの弾性層35bが設けられて形成されると共に定着ローラ31と接するように回転可能に支持されたものである。こうして構成されたトナー定着装置30では、図中矢印方向に回転する定着ローラ31と摩擦により従動する加圧ローラ35との間のニップ部37に図中矢印方向からカラートナー像が転写された用紙36が供給されると、ヒータ33により設定された温度に加熱された定着ローラ31及び加圧ローラ35により加熱,加圧され、その表面に転写されたトナー像が用紙36に融着定着する。
【0022】
次に、こうして構成された本実施形態のカラーレーザプリンタ10の動作について説明する。図3は、コントローラ11のCPU12により実行される印刷ルーチンのフローチャートである。このルーチンは、ROM13に記憶され、図示しないカラーレーザプリンタ10に接続された外部機器から印刷情報を受信することによりCPU12によって実行される。ここで、本実施形態のカラーレーザプリンタ10は、通常の印刷を行う通常モードと印刷速度は遅くなるが省消費電力で静粛に印刷を行う低温低速定着モードとを有し、低温低速定着モードでの印刷を低温低速定着モード選択ボタン17aによりユーザから指定されることもできるし、図示しないカラーレーザプリンタ10に接続された外部機器(例えば、コンピュータ)のディスプレイ上に表示される印刷命令画面に含まれたセルによりユーザから指定されることもできる。なお、説明の便宜のために、印刷画像データはカラー画像であり、印刷開始直前のカラーレーザプリンタ10は、定着ローラ31をトナーの融着温度よりも十分低い温度Tiにして消費電力を低減させる待機モードで待機している場合について説明する。
【0023】
図3のルーチンが開始されると、CPU12は、受信した印刷画像データを低温低速定着モードで印刷するか否かを、ユーザから低温低速定着モードでの印刷が指定されたか否かにより判定する(ステップS100)。低温低速定着モードで印刷を行わないと判定されたときには、CPU12は、ステップS110〜S160の通常モードでの処理を実行する。
【0024】
まず、CPU12は、ヒータ33が通常の昇温速度RHで昇温して通常の定着温度THに定着ローラ31が達するよう、温度センサ34から入力される検出信号に基づいてヒータ通電回路33aを制御する(ステップS110)。続いて、CPU12は、C,M,Y,Kの4色のうちの1色の画像データを読み込み(ステップS120)、帯電体42により感光体63を帯電させ、読み込んだ画像データに基づいて感光体63の表面に露光器62によりレーザ光を当て画像データの部分だけ電荷を弱めて静電潜像を形成し(露光)、トナーに電圧を印加し、帯電したトナーを感光体63上の静電潜像に付着させて感光体63上にトナー像を形成し(現像)、感光体63上に形成されたトナー像を転写ベルト64上に転写する(一次転写)(ステップS130)。続いて、次の色があるか否か、つまりC,M,Y,Kの4色のうちステップS120〜S130の処理を行っていないものがあるか否かを判定し(ステップS140)、次の色があるときには、その色についてステップS120〜S130の処理を行う。このとき、現像器61を90度ずつ切り替えて、各色のトナー像を順次現像させ、転写ベルト64上に重ね合わせる。一方、ステップS140で次の色がないとき、4色のトナー像が転写ベルト64上に重ねて形成された状態になっているため、CPU12は、用紙36の移送速度が通常の移送速度SHになるように移送ユニット66を制御して用紙36を移送し、二次転写ユニット67により転写ベルト64上の4色のトナー像を用紙36上へ通常の速度で二次転写する(ステップS150)。
【0025】
次に、CPU12は、駆動回路32aにより定着ローラ31を通常の回転数で回転させ用紙36の搬送速度が通常の搬送速度SHとなるよう制御し、定着ローラ31と摩擦により従動する加圧ローラ35との間のニップ部37にトナー像が形成された用紙36を搬送させ、温度THにヒータ33により加熱された定着ローラ31及び加圧ローラ35により加熱,加圧させ、その表面に転写されたトナー像を用紙36上に融着定着し(ステップS160)、この処理を終了する。なお、印刷すべき次のページがあるときにはそのページについてS120〜S160の処理を繰り返し行う。
【0026】
一方、ステップS100において、低温低速定着モードで印刷を行うと判定されたときには、CPU12は、ステップS210〜S260の低温低速定着モードでの処理を実行する。まず、CPU12は、ヒータ33が通常よりも遅い所定の低昇温速度RLで昇温して通常よりも低い低定着温度TLに定着ローラ31が達するよう、温度センサ34から入力される検出信号に基づいてヒータ通電回路33aを制御する(ステップS210)。ここで、低定着温度TLは、少なくともトナーの溶融する範囲の温度とし、低昇温速度RLは、省消費電力となる昇温速度であって低定着温度TLへの到達時間が過度にかからない程度の昇温速度となるように設定する。例えば、図4に示すように、通常モードでの昇温速度RHで昇温して通常の定着温度TH(例えば、180℃)まで時間tを要する場合、低温低速定着モードにおいて、低定着温度TL(例えば、160℃)まで時間tで到達するような昇温速度RLとしてもよい。こうした場合、低定着温度TLへの到達時間を通常モードと変えることなく消費電力を低減させることができる。
【0027】
次に、CPU12は、C,M,Y,Kの4色のうちの1色の画像データを読み込み(ステップS220)、その画像データに基づいて前出のステップS130と同様にして帯電、露光、現像、一次転写を行う(ステップS230)。続いて、次の色があるか否かを判定し(ステップS240)、次の色があるときにはその色についてステップS220〜S230の処理を行い、次の色がないときには、CPU12は、用紙36の移送速度が通常の移送速度SHになるように移送ユニット66を制御して用紙36を用紙カセット65から移送し、二次転写ユニット67により転写ベルト64上の4色のトナー像を用紙36上へ二次転写する(ステップS250)。なお、ステップS220〜S250の動作は通常モードの動作と同じである。
【0028】
ここで、本実施形態のカラーレーザプリンタ10において、低温低速定着モードを実行するとき、CPU12は、帯電体42、現像器61、露光器62、感光体63、転写ベルト64及び移送ユニット66を通常の速度で動作するように制御し、トナー定着装置30の搬送速度のみ通常よりも遅い低搬送速度SLとするように制御している。したがって、複数の部数を印刷するとき、CPU12は、トナー定着装置30によって定着された先の用紙がトナー定着装置30から排出されたとき次の用紙がトナー定着装置30に供給されるタイミングとなるように、移送ユニット66によって用紙カセット65から二次転写ユニット67まで移送して二次転写を行い、トナー定着装置30まで用紙36を移送するように制御する。
【0029】
さて、ステップS250のあと、CPU12は、駆動回路32aにより定着ローラ31を通常の回転数よりも遅い回転数で回転させ用紙36の搬送速度が通常よりも遅い所定の低搬送速度SLとなるよう制御し、トナー像が形成された用紙36を加熱、加圧させ、その表面に転写されたトナー像を用紙36上に融着定着し(ステップS260)、この処理を終了する。なお、印刷すべき次のページがあるときにはそのページについてS220〜S260の処理を繰り返し行う。
【0030】
ここで、通常よりも遅い低搬送速度SLは、印刷する媒体に少なくともトナー像を定着し得る速度範囲内つまりヒータ33により設定された通常よりも低い低定着温度TLに加熱された定着ローラ31と摩擦により従動する加圧ローラ35との間のニップ部37でトナーが十分に用紙36に融着定着し得る速度範囲内に設定する。例えば、トナー定着装置30を用いて、低定着温度TLにおいて搬送速度を徐々に低下させながらトナー像を形成させた用紙36の定着を繰り返し行い、用紙上にトナーが溶け残らないような速度の範囲として設定してもよい。また、低搬送速度SLは、この速度範囲の上限付近に設定されていてもよい。こうすれば、必要以上に遅い搬送速度とすることなくトナー像の定着を行うことができる。
【0031】
ここで、本実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態の定着ローラ31、モータ32、駆動回路32a、ヒータ33、ヒータ通電回路33a及び加圧ローラ35が本発明の定着手段に相当し、このうち、定着ローラ31、モータ32及び駆動回路32aが搬送手段に相当し、定着ローラ31、ヒータ33及びヒータ通電回路33aが加熱手段に相当する。また、コントローラ11が、モード設定手段及び定着制御手段に相当し、帯電体42、露光器62及び感光体63が帯電露光手段に相当し、現像器61が現像手段に相当し、移送ユニット66が記録媒体移送手段に相当し、転写ベルト64及び二次定着ユニット67が転写手段に相当する。また、通常モードが第1モードに相当し、低温低速定着モードが第2モードに相当する。なお、本実施形態では、トナー定着装置の動作を説明することにより本発明のトナー定着方法の一例も明らかにしている。
【0032】
以上詳述した本実施形態のトナー定着装置30によれば、通常モードであるか低温低速定着モードであるかをユーザが指定し、低温低速定着モードに指定されたときに、通常より遅い低昇温速度RLで通常より低い低定着温度TLに定着ローラ31を加熱し、通常よりも遅い低搬送速度SLで用紙36上に転写されたトナー像を融着定着させる。したがって、昇温速度、定着温度及び搬送のための駆動力の面から通常モードに比べて消費エネルギーを低減することができるし、定着の際の駆動音を低減させることもできる。また、ユーザが望むときに低温低速定着モードで動作させることができる。
【0033】
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【0034】
例えば、上述した実施形態では、低温低速定着モードを実行するとき、ステップS230〜S250において、帯電体42、現像器61、露光器62、感光体63、転写ベルト64及び移送ユニット66を通常の速度で動作するように制御するとしたが、これらのうち少なくとも1つを通常よりも遅い速度に制御してもよいし、これらすべてを通常よりも遅い速度で動作するように制御してもよい。こうすれば、低温低速定着モードでトナー定着装置30が動作する際、これに合わせて印刷に関係するこれらの動作も遅い速度に制御されるため、印刷装置の消費エネルギーをより低減することができるし、印刷の際の駆動音をより低減させることもできる。ここで、「通常よりも遅い速度」は、印刷が円滑に行われるような速度に設定してもよく、例えば、トナー定着装置30の低搬送速度SLで用紙36を搬送して印刷を連続して行うことができるような帯電体42、現像器61、露光器62、感光体63、転写ベルト64及び移送ユニット66の動作速度としてもよい。
【0035】
また、上述した実施形態の印刷ルーチンにおいて、低温低速定着モードに設定されたステップS230〜S250において、移送ユニット66によって移送される用紙36の移送速度とトナー定着装置30の低搬送速度SLとを同じ低速度SLで用紙36を移送するように制御し、転写ベルト64上に形成されたトナー像を用紙36に2次転写するときに、通常の速度で動作するよう制御された転写ベルト64及び転写ユニット67を低移送速度SLに合わせた通常の速度よりも遅い低速度で動作するように転写ベルト64及び転写ユニット67の動作速度を切り替えて制御してもよい。こうすれば、トナー像を用紙36に転写する以前の帯電、露光、現像等の各工程に関わるものの動作速度を通常の動作速度とすることもでき、その結果、これらの工程を複数回繰り返して複数の色のトナー像を転写ベルト64上に形成するための時間を長引かせることなく上述の本発明の効果を得ることができる。ここで、転写ベルト64及び転写ユニット67の動作速度は、通常の速度で動作するよう制御されたのちに用紙36の移送速度と合わせた動作速度に切り替えるとしたが、移送ユニット66によって移送される用紙36の移送速度と異なる速度であれば特に限定されず、通常の速度よりも遅い動作速度に制御されたのちに用紙36の移送速度と合わせた動作速度に切り替えてもよい。また、動作速度を切り替えるのは転写ベルト64及び転写ユニット67の動作速度であるとしたが、これらと共に帯電、露光、現像の各工程に関わるものの動作速度(例えば、感光体63の回転速度など。)を切り替えてもよい。
【0036】
更に、カラーレーザプリンタ10を動作させるモードを複数のモードとして設定してもよく、例えば、通常モード、低速低温定着モード、最低速最低温定着モードなどとして、操作部17に最低速最低温定着モード選択ボタンを設けてモードを段階的に選択可能としてもよい。こうすれば、消費エネルギーをより低減することができるし、定着の際の駆動音をより低減させることもできる。ここで、最低速最低温定着モードは、低速低温定着モードよりも省消費電力であるか静粛性が高くなるように設定すればよく、例えば、定着ローラ31の表面温度をトナーの溶融する温度付近に設定し、搬送速度はこの温度でトナー像が融着定着可能な速度の範囲とし、帯電体42、現像器61、露光器62、感光体63、転写ベルト64及び移送ユニット66のすべての動作をこれに合わせて遅い速度で制御するようにしてもよい。
【0037】
更にまた、上述した実施形態では、用紙36を搬送する定着ローラ31及び用紙36を加熱するヒータ33とを兼ね備えたヒートローラ方式のトナー定着装置30としたが、特にこれに限定されず、非接触加熱方式のフラッシュ方式や赤外線ランプ方式などであってもよいし、接触加熱方式のSURF方式や熱板方式などであってもよい。こうしても、本発明の効果が得られる。
【0038】
そしてまた、上述した実施形態では、本発明の印刷装置は4サイクル方式の多重転写中間体転写方式のカラーレーザプリンタ10であるとしたが、これに限られず、多重転写タンデム方式や中間体タンデム方式などの複数の色のトナーを用いてカラー画像を形成するカラーレーザプリンタであってもよいし、黒色のトナーを用いるモノクロプリンタであってもよいし、ファクシミリ機、コピー機などの複合機などであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態のカラーレーザプリンタを表す説明図である。
【図2】本実施形態のトナー定着装置の構成を表す説明図である。
【図3】本実施形態の印刷ルーチンである。
【図4】昇温速度を表す模式図である。
【符号の説明】
10 カラーレーザプリンタ、11 コントローラ、12 CPU、13 ROM、14 RAM、15 操作パネル、16 表示部、17 操作部、17a低温低速定着モード選択ボタン、30 トナー定着装置、31 定着ローラ、31a 金属コア、31b ゴム層、32 モータ、32a 駆動回路、33 ヒータ、33a ヒータ通電回路、34 温度センサ、35 加圧ローラ、35a 軸、35b 弾性層、36 用紙、37 ニップ部、40,40C,40M,40Y,40K トナーカートリッジ、42 帯電体、61 現像器、62 露光器、63 感光体、64 転写ベルト、65 用紙カセット、66 移送ユニット、67 二次転写ユニット。
【発明の属する技術分野】
本発明は、トナー定着装置、トナー定着方法、そのプログラム及び印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、紙などの記録媒体にトナー像を定着させるトナー定着装置としては、熱エネルギーで定着させる熱非接触方式、熱エネルギーを主体に圧力を加える熱接触方式、圧力で定着させる加圧ローラ方式などのトナー定着方式が知られているが、最も一般的に使用されているのは熱接触方式である。この熱接触方式のトナー定着装置は、加熱エネルギーを消費するため、エネルギー消費量を低減させる様々な提案がなされている(例えば、特許文献1参照)。このトナー定着装置は、部数の少ない印刷であると判定した場合、通常よりも低速・低温度でトナー定着装置を作動させ紙などの記録媒体にトナー像を定着させてファーストプリント時間を早くし、エネルギー消費を低減させる。また、これとは別に、同様の構成を含むトナー定着装置も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平13−356616号公報
【特許文献2】
特開平12−075584号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1のトナー定着装置では、印刷する部数の多い少ないに関わらずファーストプリントアウト時間を早くするため、待機温度から印刷温度までの昇温速度は早く設定され、印刷速度をさほど求めないような場合であっても必要以上にエネルギーを消費していた。また、印刷速度をさほど求めないような場合であっても、定着装置を速く作動させることがあり、必要以上の駆動音が発生する場合があった。
【0005】
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、消費エネルギーを低減することができるトナー定着装置、トナー定着方法、そのプログラム及び印刷装置を提供することを目的の一つとする。また、駆動音を低減させることができるトナー定着装置、トナー定着方法、そのプログラム及び印刷装置を提供することを目的の一つとする。
【0006】
【課題を解決するための手段及びその作用・効果】
本発明のトナー定着装置、トナー定着方法、そのプログラム及び印刷装置は、上述の目的の少なくとも一つを達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本発明のトナー定着装置は、トナー像が転写された紙などの記録媒体を搬送手段によって搬送しながら加熱手段によって加熱することにより該記録媒体に該トナー像を定着させる定着手段と、
第1モード及び第2モードを含む複数のモードのうちのいずれかのモードに設定するモード設定手段と、
前記モード設定手段によって第1モードに設定されたとき通常の昇温速度で通常の定着温度に前記定着手段が達するよう前記加熱手段を制御すると共に通常の搬送速度で前記記録媒体が搬送されるよう前記搬送手段を制御して前記通常の定着温度で前記記録媒体にトナー像を定着させ、前記モード設定手段によって第2モードに設定されたとき前記通常の昇温速度より遅い所定の低昇温速度で前記通常の定着温度より低い所定の低定着温度に前記定着手段が達するよう前記加熱手段を制御すると共に前記通常の搬送速度より遅い所定の低搬送速度で前記記録媒体が搬送されるよう前記搬送手段を制御して前記所定の低定着温度で前記記録媒体にトナー像を定着させる定着制御手段と、
を備えたものである。
【0008】
このトナー定着装置では、第1モード(通常モード)であるか、第2モードであるかを設定し、第2モードに設定されたとき通常よりも遅い低昇温速度で通常よりも低い低定着温度に定着手段を加熱し、通常よりも遅い低搬送速度で記録媒体にトナー像を定着させる。したがって、第2モードつまり低温低速定着モードに設定されたときに昇温速度、定着温度及び搬送のための駆動力の面から通常モードに比べて消費エネルギーを低減することができるし、定着の際の駆動音を低減させることもできる。
【0009】
本発明のトナー定着装置において、前記低搬送速度は、前記低定着温度で定着させたときに前記記録媒体にトナー像を定着し得る速度範囲内に設定されていてもよい。こうすれば、トナー像の定着を確保しつつ、上述の効果を奏することができる。ここで、「低搬送速度」は、トナー像を定着し得る速度範囲内にあればよいが、その速度範囲の上限付近に設定されていてもよい。こうすれば、必要以上に遅い搬送速度とすることなくトナー像の定着を行うことができる。
【0010】
本発明のトナー定着装置において、前記定着手段は、前記記録媒体を加熱する前記加熱手段と前記記録媒体を搬送する前記搬送手段とを兼ね備えたヒートローラ方式の定着手段であってもよい。こうすれば、ヒートローラが記録媒体を搬送し加熱するときの消費エネルギーを低減することができるし、定着の際の駆動音を低減させることもできる。
【0011】
本発明のトナー定着装置において、前記モード設定手段は、前記複数のモードのうちユーザから指示されたモードに設定してもよい。こうすれば、ユーザが望むときに低温低速定着モードで動作させることができる。
【0012】
本発明の印刷装置は、感光体を帯電させたあと露光して該感光体上に静電潜像を形成させる帯電露光手段と、前記感光体に形成された静電潜像をトナー像に現像する現像手段と、前記現像手段によって現像された前記トナー像を転写する記録媒体を定着手段まで移送する記録媒体移送手段と、前記記録媒体移送手段によって移送された前記記録媒体に前記現像手段によって現像されたトナー像を転写させる転写手段と、前記転写手段によって転写されたトナー像を前記記録媒体に定着させる上述したトナー定着装置の各手段を備えたものである。トナー定着装置は、印刷装置(プリンタ、コピー機、ファクシミリ機等を含む)に通常用いられるため、本発明の意義が大きい。
【0013】
本発明の印刷装置は、前記モード設定手段によって第1モードに設定されたとき前記帯電露光手段、前記現像手段、前記転写手段及び前記記録媒体移送手段を通常の速度で動作するよう制御し、前記モード設定手段によって第2モードに設定されたとき前記帯電露光手段、前記現像手段、前記転写手段及び前記記録媒体移送手段の少なくとも1つの手段を通常の速度よりも遅い速度で動作するよう制御する印刷動作制御手段、を備えていてもよい。こうすれば、低温低速定着モードでトナー定着装置が動作する際、これに合わせて印刷に関係する他の手段等の動作も遅い速度に制御するため、印刷装置の消費エネルギーを低減することができるし、印刷の際の駆動音を低減させることもできる。
【0014】
この態様を採用した本発明の印刷装置において、前記印刷動作制御手段は、前記第2モードに設定されたとき、前記搬送手段による前記記録媒体の前記低搬送速度と前記記録媒体移送手段による前記記録媒体の移送速度が略同じ速度となるように制御し、前記記録媒体に前記トナー像を転写するときに転写される前記トナー像の移動速度と前記記録媒体の移送速度とが略同じ速度となる所定の低転写速度で前記転写手段を動作させるよう切り替えて制御してもよい。こうすれば、トナー像を記録媒体に転写するときにトナー像の移動速度と記録媒体の移送速度(搬送手段による記録媒体の搬送速度と略同じ)とが略同じ速度になるように制御するため、トナー像を記録媒体に転写する以前の帯電、露光、現像等の各工程に関わる各手段の動作速度を通常の動作速度とすることもでき、その結果、これらの工程を複数回繰り返して複数の色のトナー像を形成するための時間を長引かせることなく上述の本発明の効果を得ることができる。
【0015】
本発明のトナー定着方法は、トナー像が転写された紙などの記録媒体を搬送手段によって搬送しながら加熱手段によって加熱することにより該記録媒体に該トナー像を定着させるコンピュータ・ソフトウエアによるトナー定着方法であって、
(a)第1モード及び第2モードを含む複数のモードのうちのいずれかのモードに設定するステップと、
(b)前記ステップ(a)によって第1モードに設定されたとき通常の昇温速度で通常の定着温度に前記定着手段が達するよう前記加熱手段を制御すると共に通常の搬送速度で前記記録媒体が搬送されるよう前記搬送手段を制御して前記通常の定着温度で前記記録媒体にトナー像を定着させ、前記ステップ(a)によって第2モードに設定されたとき前記通常の昇温速度より遅い所定の低昇温速度で前記通常の定着温度より低い所定の低定着温度に前記定着手段が達するよう前記加熱手段を制御すると共に前記通常の搬送速度より遅い所定の低搬送速度で前記記録媒体が搬送されるよう前記搬送手段を制御して前記所定の低定着温度で前記記録媒体にトナー像を定着させるステップと、
を含むものである。
【0016】
このトナー定着方法は、第1モード(通常モード)であるか、第2モードであるかを設定し、第2モードに設定されたとき通常よりも遅い低昇温速度で通常よりも低い低定着温度に定着手段を加熱し、通常よりも遅い低搬送速度で記録媒体にトナー像を定着させる。したがって、第2モードつまり低温低速定着モードに設定されたときに昇温速度、定着温度及び搬送のための駆動力の面から通常モードに比べて消費エネルギーを低減することができるし、定着の際の駆動音を低減させることもできる。なお、このトナー定着方法において、上述したトナー定着装置の種々の態様を採用してもよいし、また、上述したトナー定着装置の機能を実現するようなステップを追加してもよい。
【0017】
本発明は、上述したトナー定着方法の各ステップを1又は複数のコンピュータに実行させるためのプログラムとしてもよい。このプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体(例えばハードディスク、ROM、FD、CD、DVDなど)に記録されていてもよいし、伝送媒体(インターネットやLANなどの通信網)を介してあるコンピュータから別のコンピュータへ配信されてもよいし、その他どのような形で授受されてもよい。このプログラムを一つのコンピュータに実行させるか複数のコンピュータに分散して実行させれば、上述のトナー定着方法の各ステップが実行されるため、上述のトナー定着方法と同様の作用効果が得られる。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態であるトナー定着装置を備えたカラーレーザプリンタ10の構成の概略を示す構成図であり、図2は、本発明のトナー定着装置の構成の概略を示す構成図である。
【0019】
トナーカートリッジ40が取り付けられるカラーレーザプリンタ10は、単一感光体方式と中間転写方式とを採用したフルカラーの電子写真方式の画像形成装置として構成されており、図1に示すように、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色に色分解された画像を現像器61に装着された各色のトナーカートリッジ40C,40M,40Y,40Kから供給される各色のトナーを用いて、各色ごとに帯電体42により帯電し露光器62により静電潜像が形成された感光体63上にトナー像を形成し、形成したトナー像を中間転写体としての転写ベルト64に重ねて一次転写し、この転写ベルト64上に重ねて転写された4色のトナー像を用紙カセット65から供給され移送ユニット66により移送された用紙に二次転写ユニット67で転写し、用紙上に転写されたトナー像をトナー定着装置30により用紙に融着定着させてカラー像を用紙上に形成する。なお、帯電体42は、導電性ゴムローラにより感光体63を帯電するローラ帯電方式のものであり、露光器62は、モータで回転駆動されるポリゴンミラーによってスキャニングされるレーザ光により感光体63を露光するものであり、帯電体42、現像器61及び感光体63は、図示しないモータによって回転駆動される。
【0020】
また、図2に示すように、本実施形態のカラーレーザプリンタ10は、更にコントローラ11及び操作パネル15を備えている。コントローラ11は、周知のCPU12を中心としたマイクロプロセッサとして構成されており、処理プログラムを記憶したROM13と、一時的にデータを記憶するRAM14とを備えている。操作パネル15は、各種情報をディスプレイに表示する表示部16と、ボタン操作又はパネルタッチにより各種情報をコントローラ11に入力可能な操作部17とを備えたパネルであり、低温低速定着モードを実行させる低温低速定着モード選択ボタン17aが設置されている。この低温低速定着モードは、通常よりも低い低定着温度まで通常よりも遅い低昇温速度で昇温し、通常よりも遅い低搬送速度で用紙上に転写されたトナー像を用紙に融着定着させるモードである。コントローラ11は、表示部16、定着ローラ31の回転を制御する駆動回路32a、定着ローラを加熱するヒータ33を制御するヒータ通電回路33a、図1に示した露光器62、移送ユニット66、二次転写ユニット67及びトナー定着装置30等と電気的に接続され、これらに制御信号を出力したり、操作部17からの入力情報を入力したりする。
【0021】
トナー定着装置30は、図2に示すように、定着ローラ31、モータ32、ヒータ33、温度センサ34、加圧ローラ35などから構成されるヒートローラ方式のものである。定着ローラ31は、ヒータ33を内部に有する円筒形の金属コア31aの外周にゴム層31bを設けたものであり、駆動回路32aによって制御されたモータ32の駆動力により回転し、用紙36を搬送すると共に用紙上に形成されたトナー像を融着定着する。ヒータ33は、通電により発熱するハロゲンランプなどのヒータであり、ヒータ通電回路33aによって加熱制御される。温度センサ34は、ヒータ33により加熱された定着ローラ31の表面温度を検出するサーミスタ等のセンサであり、検出された表面温度は信号ラインにより図示しない入力ポートを介してコントローラ11に入力され、この情報をもとに定着ローラ31の表面温度が制御される。加圧ローラ35は、金属製の軸35aの周囲にゴムなどの弾性層35bが設けられて形成されると共に定着ローラ31と接するように回転可能に支持されたものである。こうして構成されたトナー定着装置30では、図中矢印方向に回転する定着ローラ31と摩擦により従動する加圧ローラ35との間のニップ部37に図中矢印方向からカラートナー像が転写された用紙36が供給されると、ヒータ33により設定された温度に加熱された定着ローラ31及び加圧ローラ35により加熱,加圧され、その表面に転写されたトナー像が用紙36に融着定着する。
【0022】
次に、こうして構成された本実施形態のカラーレーザプリンタ10の動作について説明する。図3は、コントローラ11のCPU12により実行される印刷ルーチンのフローチャートである。このルーチンは、ROM13に記憶され、図示しないカラーレーザプリンタ10に接続された外部機器から印刷情報を受信することによりCPU12によって実行される。ここで、本実施形態のカラーレーザプリンタ10は、通常の印刷を行う通常モードと印刷速度は遅くなるが省消費電力で静粛に印刷を行う低温低速定着モードとを有し、低温低速定着モードでの印刷を低温低速定着モード選択ボタン17aによりユーザから指定されることもできるし、図示しないカラーレーザプリンタ10に接続された外部機器(例えば、コンピュータ)のディスプレイ上に表示される印刷命令画面に含まれたセルによりユーザから指定されることもできる。なお、説明の便宜のために、印刷画像データはカラー画像であり、印刷開始直前のカラーレーザプリンタ10は、定着ローラ31をトナーの融着温度よりも十分低い温度Tiにして消費電力を低減させる待機モードで待機している場合について説明する。
【0023】
図3のルーチンが開始されると、CPU12は、受信した印刷画像データを低温低速定着モードで印刷するか否かを、ユーザから低温低速定着モードでの印刷が指定されたか否かにより判定する(ステップS100)。低温低速定着モードで印刷を行わないと判定されたときには、CPU12は、ステップS110〜S160の通常モードでの処理を実行する。
【0024】
まず、CPU12は、ヒータ33が通常の昇温速度RHで昇温して通常の定着温度THに定着ローラ31が達するよう、温度センサ34から入力される検出信号に基づいてヒータ通電回路33aを制御する(ステップS110)。続いて、CPU12は、C,M,Y,Kの4色のうちの1色の画像データを読み込み(ステップS120)、帯電体42により感光体63を帯電させ、読み込んだ画像データに基づいて感光体63の表面に露光器62によりレーザ光を当て画像データの部分だけ電荷を弱めて静電潜像を形成し(露光)、トナーに電圧を印加し、帯電したトナーを感光体63上の静電潜像に付着させて感光体63上にトナー像を形成し(現像)、感光体63上に形成されたトナー像を転写ベルト64上に転写する(一次転写)(ステップS130)。続いて、次の色があるか否か、つまりC,M,Y,Kの4色のうちステップS120〜S130の処理を行っていないものがあるか否かを判定し(ステップS140)、次の色があるときには、その色についてステップS120〜S130の処理を行う。このとき、現像器61を90度ずつ切り替えて、各色のトナー像を順次現像させ、転写ベルト64上に重ね合わせる。一方、ステップS140で次の色がないとき、4色のトナー像が転写ベルト64上に重ねて形成された状態になっているため、CPU12は、用紙36の移送速度が通常の移送速度SHになるように移送ユニット66を制御して用紙36を移送し、二次転写ユニット67により転写ベルト64上の4色のトナー像を用紙36上へ通常の速度で二次転写する(ステップS150)。
【0025】
次に、CPU12は、駆動回路32aにより定着ローラ31を通常の回転数で回転させ用紙36の搬送速度が通常の搬送速度SHとなるよう制御し、定着ローラ31と摩擦により従動する加圧ローラ35との間のニップ部37にトナー像が形成された用紙36を搬送させ、温度THにヒータ33により加熱された定着ローラ31及び加圧ローラ35により加熱,加圧させ、その表面に転写されたトナー像を用紙36上に融着定着し(ステップS160)、この処理を終了する。なお、印刷すべき次のページがあるときにはそのページについてS120〜S160の処理を繰り返し行う。
【0026】
一方、ステップS100において、低温低速定着モードで印刷を行うと判定されたときには、CPU12は、ステップS210〜S260の低温低速定着モードでの処理を実行する。まず、CPU12は、ヒータ33が通常よりも遅い所定の低昇温速度RLで昇温して通常よりも低い低定着温度TLに定着ローラ31が達するよう、温度センサ34から入力される検出信号に基づいてヒータ通電回路33aを制御する(ステップS210)。ここで、低定着温度TLは、少なくともトナーの溶融する範囲の温度とし、低昇温速度RLは、省消費電力となる昇温速度であって低定着温度TLへの到達時間が過度にかからない程度の昇温速度となるように設定する。例えば、図4に示すように、通常モードでの昇温速度RHで昇温して通常の定着温度TH(例えば、180℃)まで時間tを要する場合、低温低速定着モードにおいて、低定着温度TL(例えば、160℃)まで時間tで到達するような昇温速度RLとしてもよい。こうした場合、低定着温度TLへの到達時間を通常モードと変えることなく消費電力を低減させることができる。
【0027】
次に、CPU12は、C,M,Y,Kの4色のうちの1色の画像データを読み込み(ステップS220)、その画像データに基づいて前出のステップS130と同様にして帯電、露光、現像、一次転写を行う(ステップS230)。続いて、次の色があるか否かを判定し(ステップS240)、次の色があるときにはその色についてステップS220〜S230の処理を行い、次の色がないときには、CPU12は、用紙36の移送速度が通常の移送速度SHになるように移送ユニット66を制御して用紙36を用紙カセット65から移送し、二次転写ユニット67により転写ベルト64上の4色のトナー像を用紙36上へ二次転写する(ステップS250)。なお、ステップS220〜S250の動作は通常モードの動作と同じである。
【0028】
ここで、本実施形態のカラーレーザプリンタ10において、低温低速定着モードを実行するとき、CPU12は、帯電体42、現像器61、露光器62、感光体63、転写ベルト64及び移送ユニット66を通常の速度で動作するように制御し、トナー定着装置30の搬送速度のみ通常よりも遅い低搬送速度SLとするように制御している。したがって、複数の部数を印刷するとき、CPU12は、トナー定着装置30によって定着された先の用紙がトナー定着装置30から排出されたとき次の用紙がトナー定着装置30に供給されるタイミングとなるように、移送ユニット66によって用紙カセット65から二次転写ユニット67まで移送して二次転写を行い、トナー定着装置30まで用紙36を移送するように制御する。
【0029】
さて、ステップS250のあと、CPU12は、駆動回路32aにより定着ローラ31を通常の回転数よりも遅い回転数で回転させ用紙36の搬送速度が通常よりも遅い所定の低搬送速度SLとなるよう制御し、トナー像が形成された用紙36を加熱、加圧させ、その表面に転写されたトナー像を用紙36上に融着定着し(ステップS260)、この処理を終了する。なお、印刷すべき次のページがあるときにはそのページについてS220〜S260の処理を繰り返し行う。
【0030】
ここで、通常よりも遅い低搬送速度SLは、印刷する媒体に少なくともトナー像を定着し得る速度範囲内つまりヒータ33により設定された通常よりも低い低定着温度TLに加熱された定着ローラ31と摩擦により従動する加圧ローラ35との間のニップ部37でトナーが十分に用紙36に融着定着し得る速度範囲内に設定する。例えば、トナー定着装置30を用いて、低定着温度TLにおいて搬送速度を徐々に低下させながらトナー像を形成させた用紙36の定着を繰り返し行い、用紙上にトナーが溶け残らないような速度の範囲として設定してもよい。また、低搬送速度SLは、この速度範囲の上限付近に設定されていてもよい。こうすれば、必要以上に遅い搬送速度とすることなくトナー像の定着を行うことができる。
【0031】
ここで、本実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態の定着ローラ31、モータ32、駆動回路32a、ヒータ33、ヒータ通電回路33a及び加圧ローラ35が本発明の定着手段に相当し、このうち、定着ローラ31、モータ32及び駆動回路32aが搬送手段に相当し、定着ローラ31、ヒータ33及びヒータ通電回路33aが加熱手段に相当する。また、コントローラ11が、モード設定手段及び定着制御手段に相当し、帯電体42、露光器62及び感光体63が帯電露光手段に相当し、現像器61が現像手段に相当し、移送ユニット66が記録媒体移送手段に相当し、転写ベルト64及び二次定着ユニット67が転写手段に相当する。また、通常モードが第1モードに相当し、低温低速定着モードが第2モードに相当する。なお、本実施形態では、トナー定着装置の動作を説明することにより本発明のトナー定着方法の一例も明らかにしている。
【0032】
以上詳述した本実施形態のトナー定着装置30によれば、通常モードであるか低温低速定着モードであるかをユーザが指定し、低温低速定着モードに指定されたときに、通常より遅い低昇温速度RLで通常より低い低定着温度TLに定着ローラ31を加熱し、通常よりも遅い低搬送速度SLで用紙36上に転写されたトナー像を融着定着させる。したがって、昇温速度、定着温度及び搬送のための駆動力の面から通常モードに比べて消費エネルギーを低減することができるし、定着の際の駆動音を低減させることもできる。また、ユーザが望むときに低温低速定着モードで動作させることができる。
【0033】
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【0034】
例えば、上述した実施形態では、低温低速定着モードを実行するとき、ステップS230〜S250において、帯電体42、現像器61、露光器62、感光体63、転写ベルト64及び移送ユニット66を通常の速度で動作するように制御するとしたが、これらのうち少なくとも1つを通常よりも遅い速度に制御してもよいし、これらすべてを通常よりも遅い速度で動作するように制御してもよい。こうすれば、低温低速定着モードでトナー定着装置30が動作する際、これに合わせて印刷に関係するこれらの動作も遅い速度に制御されるため、印刷装置の消費エネルギーをより低減することができるし、印刷の際の駆動音をより低減させることもできる。ここで、「通常よりも遅い速度」は、印刷が円滑に行われるような速度に設定してもよく、例えば、トナー定着装置30の低搬送速度SLで用紙36を搬送して印刷を連続して行うことができるような帯電体42、現像器61、露光器62、感光体63、転写ベルト64及び移送ユニット66の動作速度としてもよい。
【0035】
また、上述した実施形態の印刷ルーチンにおいて、低温低速定着モードに設定されたステップS230〜S250において、移送ユニット66によって移送される用紙36の移送速度とトナー定着装置30の低搬送速度SLとを同じ低速度SLで用紙36を移送するように制御し、転写ベルト64上に形成されたトナー像を用紙36に2次転写するときに、通常の速度で動作するよう制御された転写ベルト64及び転写ユニット67を低移送速度SLに合わせた通常の速度よりも遅い低速度で動作するように転写ベルト64及び転写ユニット67の動作速度を切り替えて制御してもよい。こうすれば、トナー像を用紙36に転写する以前の帯電、露光、現像等の各工程に関わるものの動作速度を通常の動作速度とすることもでき、その結果、これらの工程を複数回繰り返して複数の色のトナー像を転写ベルト64上に形成するための時間を長引かせることなく上述の本発明の効果を得ることができる。ここで、転写ベルト64及び転写ユニット67の動作速度は、通常の速度で動作するよう制御されたのちに用紙36の移送速度と合わせた動作速度に切り替えるとしたが、移送ユニット66によって移送される用紙36の移送速度と異なる速度であれば特に限定されず、通常の速度よりも遅い動作速度に制御されたのちに用紙36の移送速度と合わせた動作速度に切り替えてもよい。また、動作速度を切り替えるのは転写ベルト64及び転写ユニット67の動作速度であるとしたが、これらと共に帯電、露光、現像の各工程に関わるものの動作速度(例えば、感光体63の回転速度など。)を切り替えてもよい。
【0036】
更に、カラーレーザプリンタ10を動作させるモードを複数のモードとして設定してもよく、例えば、通常モード、低速低温定着モード、最低速最低温定着モードなどとして、操作部17に最低速最低温定着モード選択ボタンを設けてモードを段階的に選択可能としてもよい。こうすれば、消費エネルギーをより低減することができるし、定着の際の駆動音をより低減させることもできる。ここで、最低速最低温定着モードは、低速低温定着モードよりも省消費電力であるか静粛性が高くなるように設定すればよく、例えば、定着ローラ31の表面温度をトナーの溶融する温度付近に設定し、搬送速度はこの温度でトナー像が融着定着可能な速度の範囲とし、帯電体42、現像器61、露光器62、感光体63、転写ベルト64及び移送ユニット66のすべての動作をこれに合わせて遅い速度で制御するようにしてもよい。
【0037】
更にまた、上述した実施形態では、用紙36を搬送する定着ローラ31及び用紙36を加熱するヒータ33とを兼ね備えたヒートローラ方式のトナー定着装置30としたが、特にこれに限定されず、非接触加熱方式のフラッシュ方式や赤外線ランプ方式などであってもよいし、接触加熱方式のSURF方式や熱板方式などであってもよい。こうしても、本発明の効果が得られる。
【0038】
そしてまた、上述した実施形態では、本発明の印刷装置は4サイクル方式の多重転写中間体転写方式のカラーレーザプリンタ10であるとしたが、これに限られず、多重転写タンデム方式や中間体タンデム方式などの複数の色のトナーを用いてカラー画像を形成するカラーレーザプリンタであってもよいし、黒色のトナーを用いるモノクロプリンタであってもよいし、ファクシミリ機、コピー機などの複合機などであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態のカラーレーザプリンタを表す説明図である。
【図2】本実施形態のトナー定着装置の構成を表す説明図である。
【図3】本実施形態の印刷ルーチンである。
【図4】昇温速度を表す模式図である。
【符号の説明】
10 カラーレーザプリンタ、11 コントローラ、12 CPU、13 ROM、14 RAM、15 操作パネル、16 表示部、17 操作部、17a低温低速定着モード選択ボタン、30 トナー定着装置、31 定着ローラ、31a 金属コア、31b ゴム層、32 モータ、32a 駆動回路、33 ヒータ、33a ヒータ通電回路、34 温度センサ、35 加圧ローラ、35a 軸、35b 弾性層、36 用紙、37 ニップ部、40,40C,40M,40Y,40K トナーカートリッジ、42 帯電体、61 現像器、62 露光器、63 感光体、64 転写ベルト、65 用紙カセット、66 移送ユニット、67 二次転写ユニット。
Claims (9)
- トナー像が転写された紙などの記録媒体を搬送手段によって搬送しながら加熱手段によって加熱することにより該記録媒体に該トナー像を定着させる定着手段と、
第1モード及び第2モードを含む複数のモードのうちのいずれかのモードに設定するモード設定手段と、
前記モード設定手段によって第1モードに設定されたとき通常の昇温速度で通常の定着温度に前記定着手段が達するよう前記加熱手段を制御すると共に通常の搬送速度で前記記録媒体が搬送されるよう前記搬送手段を制御して前記通常の定着温度で前記記録媒体にトナー像を定着させ、前記モード設定手段によって第2モードに設定されたとき前記通常の昇温速度より遅い所定の低昇温速度で前記通常の定着温度より低い所定の低定着温度に前記定着手段が達するよう前記加熱手段を制御すると共に前記通常の搬送速度より遅い所定の低搬送速度で前記記録媒体が搬送されるよう前記搬送手段を制御して前記所定の低定着温度で前記記録媒体にトナー像を定着させる定着制御手段と、
を備えたトナー定着装置。 - 前記低搬送速度は、前記低定着温度で定着させたときに前記記録媒体にトナー像を定着し得る速度範囲内に設定されている、
請求項1に記載のトナー定着装置。 - 前記定着手段は、前記記録媒体を加熱する前記加熱手段と前記記録媒体を搬送する前記搬送手段とを兼ね備えたヒートローラ方式の定着手段である、
請求項1又は2に記載のトナー定着装置。 - 前記モード設定手段は、前記複数のモードのうちユーザから指示されたモードに設定する、
請求項1〜3のいずれかに記載のトナー定着装置。 - 感光体を帯電させたあと露光して該感光体上に静電潜像を形成させる帯電露光手段と、
前記感光体に形成された静電潜像をトナー像に現像する現像手段と、
前記現像手段によって現像された前記トナー像を転写する記録媒体を定着手段まで移送する記録媒体移送手段と、
前記記録媒体移送手段によって移送された前記記録媒体に前記現像手段によって現像されたトナー像を転写させる転写手段と、
前記転写手段によって転写されたトナー像を前記記録媒体に定着させる請求項1〜4のいずれかに記載のトナー定着装置と、
を備えた印刷装置。 - 請求項5に記載の印刷装置であって、
前記モード設定手段によって第1モードに設定されたとき前記帯電露光手段、前記現像手段、前記転写手段及び前記記録媒体移送手段を通常の速度で動作するよう制御し、前記モード設定手段によって第2モードに設定されたとき前記帯電露光手段、前記現像手段、前記転写手段及び前記記録媒体移送手段の少なくとも1つの手段を通常の速度よりも遅い速度で動作するよう制御する印刷動作制御手段、
を備えた印刷装置。 - 前記印刷動作制御手段は、前記第2モードに設定されたとき、前記搬送手段による前記記録媒体の前記低搬送速度と前記記録媒体移送手段による前記記録媒体の移送速度が略同じ速度となるように制御し、前記記録媒体に前記トナー像を転写するときに転写される前記トナー像の移動速度と前記記録媒体の移送速度とが略同じ速度となる所定の低転写速度で前記転写手段を動作させるよう切り替えて制御する、
請求項6に記載の印刷装置。 - トナー像が転写された紙などの記録媒体を搬送手段によって搬送しながら加熱手段によって加熱することにより該記録媒体に該トナー像を定着させるコンピュータ・ソフトウエアによるトナー定着方法であって、
(a)第1モード及び第2モードを含む複数のモードのうちのいずれかのモードに設定するステップと、
(b)前記ステップ(a)によって第1モードに設定されたとき通常の昇温速度で通常の定着温度に前記定着手段が達するよう前記加熱手段を制御すると共に通常の搬送速度で前記記録媒体が搬送されるよう前記搬送手段を制御して前記通常の定着温度で前記記録媒体にトナー像を定着させ、前記ステップ(a)によって第2モードに設定されたとき前記通常の昇温速度より遅い所定の低昇温速度で前記通常の定着温度より低い所定の低定着温度に前記定着手段が達するよう前記加熱手段を制御すると共に前記通常の搬送速度より遅い所定の低搬送速度で前記記録媒体が搬送されるよう前記搬送手段を制御して前記所定の低定着温度で前記記録媒体にトナー像を定着させるステップと、
を含むトナー定着方法。 - 請求項8に記載のトナー定着方法の各ステップを1又は複数のコンピュータに実現させるためのプログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003202434A JP2005043619A (ja) | 2003-07-28 | 2003-07-28 | トナー定着装置、トナー定着方法、そのプログラム及び印刷装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003202434A JP2005043619A (ja) | 2003-07-28 | 2003-07-28 | トナー定着装置、トナー定着方法、そのプログラム及び印刷装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005043619A true JP2005043619A (ja) | 2005-02-17 |
Family
ID=34262154
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003202434A Pending JP2005043619A (ja) | 2003-07-28 | 2003-07-28 | トナー定着装置、トナー定着方法、そのプログラム及び印刷装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005043619A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7783217B2 (en) | 2006-02-20 | 2010-08-24 | Sharp Kabushiki Kaisha | Fixing apparatus, image forming apparatus, method for controlling temperature of fixing apparatus, and computer-readable storage medium storing program for controlling temperature of fixing apparatus in accordance with transport speed of recording medium |
-
2003
- 2003-07-28 JP JP2003202434A patent/JP2005043619A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US7783217B2 (en) | 2006-02-20 | 2010-08-24 | Sharp Kabushiki Kaisha | Fixing apparatus, image forming apparatus, method for controlling temperature of fixing apparatus, and computer-readable storage medium storing program for controlling temperature of fixing apparatus in accordance with transport speed of recording medium |
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