JP2005043572A - 反射防止層を有する光学部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】湿式法による反射防止層形成時に発生する膜厚ムラをなくした、反射防止機能と外観に優れた光学部品を提供することを目的とする。
【解決手段】透明基材上に、湿式法により、内部空洞を有するシリカ系微粒子と
SiX 3−n
で表される有機ケイ素化合物(式中、Rは重合可能な反応基を有する有機基であり、Rは炭素数1〜6の炭化水素基であり、Xは加水分解基であり、nは0または1である。)からなる反射防止層を形成した光学部品において、内部空洞を有するシリカ系微粒子の粒径が以下の式である光学部品である。
平均粒径(nm)=(設計波長(nm)/反射防止膜屈折率)×(1/4)
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、低コストで加工でき、耐熱性に優れ、かつ十分な外観と反射防止機能を持つ光学部品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光学部品において、表面反射によるゴーストやちらつきを低減するために、反射防止層を設けることは広く行われている。特に湿式法による反射防止層形成は、装置が簡単で低コストなことから、加工例が増えている。しかし反射防止機能を十分発揮するには、設計膜厚での均一塗布の必要があり、もし膜厚が大きく変化すると干渉色の変化として現れ、反射防止機能低下、外観低下となる。湿式による反射防止層形成では、膜厚の制御がもっとも重要かつ困難な課題である。
【0003】
たとえば特許文献1にあるように、スピンコートする際の回転軸を傾けることで塗布ムラを防ぎ、均一な膜厚を得る方法が提案されている。しかしこの方法は、塗布方法がスピンコートに限られ、塗布装置も特殊なものを用意する必要がある。ディッピングコートのような大量生産に適した塗布方法には適用できない。
【0004】
また特許文献2では、超音波でコート液を霧状にし、基板に成膜する方法が提案されている。しかしこの方法ではコート液の使用効率が低く、無駄が発生する。形状が複雑な基板だと均一塗布が困難になる問題がある。
【0005】
また塗布液の改良方法として特許文献3には沸点の異なる溶剤を複数混合使用する提案がされている。しかし気泡やしわといった欠陥は改善できるが、膜厚の均一性には効果が薄い。
【0006】
また塗布方法として特許文献4には、ディップコーティング時に塗布液の粘度を測定しながら引き上げ速度を制御することで、均一塗布をおこなう提案がされている。しかしこの方法によって塗布液は均一に塗れるが、その後の乾燥工程で発生する膜厚ムラを防ぐことはできない。すなわち塗布直後の塗膜は流動性をもち、乾燥するまでの時間に風、重力の影響でムラを生じてしまう。
【0007】
【特許文献1】
特開平3−65530号公報
【特許文献2】
特開平5−224001号公報
【特許文献3】
特開平7−224274号公報
【特許文献4】
特開平10−31101号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明では、湿式法による反射防止層形成時に発生する膜厚ムラをなくした、反射防止機能と外観に優れた光学部品を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するべく本発明者らは鋭意研究を続けた結果、透明基材上に、湿式法により、内部空洞を有するシリカ系微粒子と
SiX 3−n
で表される有機ケイ素化合物からなる反射防止層を形成した光学部品において、内部空洞を有するシリカ系微粒子の粒径が以下の式であることにより上記課題を解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
平均粒径(nm)=(設計波長(nm)/反射防止膜屈折率)×(1/4)
第一の発明の構成によれば、透明基材上に、湿式法により、内部空洞を有するシリカ系微粒子と
SiX 3−n
で表される有機ケイ素化合物(式中、Rは重合可能な反応基を有する有機基であり、Rは炭素数1〜6の炭化水素基であり、Xは加水分解基であり、nは0または1である。)からなる反射防止層を形成した光学部品において、内部空洞を有するシリカ系微粒子の粒径が以下の式であることを特徴とする光学部品である。
平均粒径(nm)=(設計波長(nm)/反射防止膜屈折率)×(1/4)
内部空洞を有するシリカ系微粒子は、分散媒たとえば水や、アルコール類、セロソルブ類などの有機溶媒にコロイド状に分散させたものが使用されることが多い。
【0010】
有機ケイ素化合物のRは重合可能な反応基をもつ有機基であり、ここでの重合可能な反応基の具体例としては、ビニル基、アリル基、アクリル基、メタクリル基、エポキシ基、メルカプト基、シアノ基、アミノ基等が挙げられる。Rの具体例としては、メチル基、エチル基、ブチル基、ビニル基、フェニル基等が挙げられる。また、Xは加水分解可能な官能基であり、その具体例は、メトキシ基、エトキシ基、メトキシエトキシ基等のアルコキシ基、クロロ基、ブロモ基等のハロゲン基、アシルオキシ基等が挙げられる。具体例としては、ビニルトリアルコキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリ(β−メトキシ−エトシキ)シラン、アリルトリアルコキシシラン、アクリルオキシプロピルトリアルコキシシラン、メタクリルオキシプロピルトリアルコキシシラン、メタクリルオキシプロピルジアルコキシメチルシラン、γ−グリシドオキシプロピルトリアルコキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチルトリアルコキシシラン、メルカプトプロピルトリアルコキシシラン、γ−アミノプロピルトリアルコキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジアルコキシシラン等が挙げられる。これらは2種以上を混合して用いてもかまわない。また、加水分解を行ってから用いた方が、より有効である。
【0011】
この発明の効果として、上記の平均粒径とすることで湿式法により反射防止層を形成した際の膜厚を所望の値で均一塗布できる。すなわち、単層反射防止膜の膜厚は、設計波長を反射防止膜の屈折率で割った値の1/4に調整する必要があり、その膜厚がずれると反射防止機能が低下してしまう。一般に湿式での成膜は、蒸着法やスパッタ方式といった乾式成膜に比べ、膜厚制御に困難さを持っている。塗布液の粘度や固形分濃度の変動、塗布時の塗りムラ、乾燥時の風の影響などで膜厚が変動し、所望の反射防止膜を成膜することが困難になる。数十nmの変化が外観を損ねる場合もある。しかし微粒子の粒径が所望の膜厚であれば、すなわち平均粒径(nm)=(設計波長(nm)/反射防止膜屈折率)×(1/4)を満たす粒径であれば、安定した膜厚で成膜できる。
【0012】
すなわち、微粒子の粒径以下の膜厚にはなりにくく、数十nmといった膜厚変化を起こしにくい。塗りムラが生じても、微粒子の粒径に全体の膜厚が均一化され、外観への影響を最小にできる。
【0013】
反射防止層にはポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹脂等の各種樹脂や、これらの樹脂原料となるメタアクリレート類、アクリレート類、エポキシ類、ビニル類等の各種モノマーを、添加することも可能である。これらの添加により、基材との密着性向上、耐擦傷性向上が得られる。
【0014】
さらに上記成分の他に、必要に応じて、少量の硬化触媒、界面活性剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、ヒンダートアミン・ヒンダートフェノール等の光安定剤、分散染料・油溶染料・蛍光染料・顔料、等を添加し、塗布性の向上、耐候性向上をはかることもできる。
このような、低屈折率層用のコーティング組成物は、必要に応じ、溶剤に希釈して用いることができる。溶剤としては、水、アルコール類、エステル類、ケトン類、エーテル類、芳香族類等の溶剤が用いられる。本発明における、低屈折率層の成膜方法としては、湿式法であれば特に制限はされず、具体的には、ディッピング法、スピンコート法、スプレー法、フロー法などの公知の方法が使用可能である。
【0015】
具体的には、以下の様な手順をとり作製することが可能である。まず、有機ケイ素化合物を、有機溶剤で希釈し、必要に応じて水または薄い塩酸、酢酸等を添加して加水分解を行う。さらに、内部空洞を有するシリカ系微粒子が5〜50重量%の分率で有機溶剤中にコロイド状に分散した品を添加する。その後、必要に応じ、界面活性剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤などを添加し、十分に撹拌した後にコーティング液として用いる。このとき、硬化後の固形分に対して、コーティング液の希釈する濃度は、好ましくは固形分濃度として1〜15重量%であり、より好ましくは1〜10重量%である。固形分濃度が15重量%を越えた場合には、ディッピング法で引き上げ速度を遅くしたり、スピンコート法で回転数を早くしたりしても、所定の膜厚を得ることが困難であり、膜厚が必要以上に厚くなってしまう。
【0016】
本発明における低屈折率層は、前記コーティング液を光学基材に塗布後、熱または紫外線によって硬化させることによって得られるが、加熱処理によって硬化させることが好ましい。この際に、加熱温度はコーティング組成物の組成、光学基材の耐熱性等を考慮して適宜決定されるが、50℃〜250℃が好ましく、より好ましくは80℃〜150℃である。
【0017】
第二の発明の構成によれば、第一の発明の反射防止層を構成する、内部空洞を有するシリカ系微粒子の粒径が、第一の発明記載の平均粒径より10%大きい、あるいは10%小さい範囲に、全粒子の70%が収まる、反射防止層を有する光学部品である。
【0018】
この発明の効果として、10%大きい、あるいは10%小さい粒径の範囲に全粒子の70%が収まれば、反射防止機能、外観に与える影響が小さく、実使用上問題のない反射防止層が得られるようになる。
【0019】
第三の発明の構成によれば、透明基材が、透明な基板にハードコート層を付けた透明基材であることを特徴とする光学部品である。
【0020】
この発明の効果として、光学部品に傷つきにくさを付与し、使用時の光学性能劣化を防止できる。
【0021】
第四の発明の構成によれば、透明基材が、透明な基板にプライマー層およびハードコート層を付けた透明基材であることを特徴とする光学部品である。
【0022】
この発明の効果として、プライマー層およびハードコート層により、透明基材への密着性向上、傷つきにくさ向上が得られる。またプライマー層に衝撃吸収機能を持たせることで、光学部品の耐衝撃性を向上できる。
【0023】
第五の発明の構成によれば、反射防止層に、10重量%以上の有機化合物を含むことを特徴とする光学部品である。
【0024】
この発明の効果として、有機化合物が10重量%未満となると基材との密着性が不足し、耐候性試験等で反射防止層が簡単に剥がれることが多くなる。反射防止層に10重量%以上の有機化合物を含むと密着性が向上し、剥がれを防ぐことができる。
【0025】
有機化合物としては、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、メタアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹脂等の各種樹脂や、これらの樹脂原料となるシリコーン類、アクリレート類、メタアクリレート類、エポキシ類、ビニル類等の各種モノマーがある。これらを、単独、あるいは他の樹脂、原料モノマーと2種以上併用した物が好ましい。耐熱性、耐薬品性、耐擦傷性、などの諸特性を考慮した場合は、中でも、シリコーン系樹脂を含む反射防止膜とすることが好ましい。また表面硬度の向上や、屈折率の調整のため、内部空洞を有するシリカ系微粒子以外の微粒子状無機物などを添加することもできる。この微粒子状無機物としては、コロイド状に分散したゾルなどが挙げられ、具体的には、シリカゾル、フッ化マグネシウムゾル、フッ化カルシウムゾルなどが挙げられる。
第六の発明の構成によれば、反射防止層の最表面にフッ素系撥水膜を形成したことを特徴とする光学部品である。
【0026】
この発明の効果として、汚れのふき取りやすさ向上、水やけ防止、耐水性向上が得られる。フッ素系撥水剤の具体例としては、GE東芝シリコーン株式会社製TSL8233、TSL8257やダイキン工業株式会社製オプツールDSXなどが上げられる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下本発明の詳細について実施例に基づき説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。尚、得られた硬化物の評価は以下の方法で行った。
【0028】
外観試験 :
作製した光学部品の外観を目視で検査し以下のように評価した。
◎ 均一な干渉色が全面で得られた
○ 一部に干渉色のムラがある
× 干渉色ムラが目立つ
【0029】
耐熱性試験(クラック発生温度) :
作製した光学部品を40℃のオーブン中にいれて30分間加熱した。オーブンから取り出した後、室温で30分放置した後、光学部品にクラックが発生していないか、暗箱で目視評価を行った。クラックが発生していない場合は、オーブンの温度を10℃づつ上げて再度30分間加熱し、同様の評価を行い、100℃まで試験を行った。濃いクラックが発生した時の温度をクラック発生温度とし、以下の様に評価した。
◎ 非常に耐熱性が高い(クラック発生温度が100℃、または100℃でもクラックが発生しない。)
○ 耐熱性が高い(クラック発生温度が80℃〜90℃)
× 耐熱性が低い(クラック発生温度が70℃以下)
【0030】
反射防止効果試験 :
作製した光学部品の表面反射率を、分光光度計(日立 U−3500)で測定した。可視光域(400nm〜800nm)の平均反射率(片面)から以下の様に評価した。
◎ 非常に反射防止効果が大きい(平均反射率が2%以下)
○ 十分な反射防止効果がある(平均反射率が3.5%以下)
× 反射防止効果がほとんどない(平均反射率が3.5%を越える)
【0031】
汚れふき取り性試験 :
作製した光学部品に指紋をつけ、布で拭いた際のふき取りやすさを以下のように評価した。
◎ 極簡単にふき取れる
○ よくこすればふき取れる
× ふき取りが困難
【0032】
(1)低屈折率層用コーティング液(L−1)の調整
プロピレングリコールモノメチルエーテル(以下PGME)48.6g、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン14.1gを混合した後、0.1規定塩酸水溶液4.0gを撹拌しながら滴下し、5時間撹拌した。この液にイソプロパノール分散中空シリカゾル(平均粒径91nm、固形分濃度30wt%)33.3gを加えて十分に混合した後、硬化触媒としてAl(Cを0.06g、シリコーン系界面活性剤(日本ユニカー製 L7604)を0.03g添加して撹拌、溶解することにより、固形分濃度が20%のコーティング原液を得た。このコーティング液を希釈するために、300ppm濃度のシリコーン系界面活性剤(日本ユニカー製 L7604)入りPGME溶液を準備し、コーティング原液を35.3g、希釈用界面活性剤入りPGME溶液114.7gを混合して十分に撹拌し、固形分濃度が約4.7%の低屈折率層用のコーティング液を作製した。ここで得られた低屈折率層用のコーティング液をL−1と略す。
【0033】
(2)低屈折率層用コーティング液(L−2)の調製
プロピレングリコールモノメチルエーテル(以下PGME)51.9g、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン8.3g、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン8.5gを混合した後、0.1規定塩酸水溶液4.5gを撹拌しながら滴下し、5時間撹拌した。この液にイソプロパノール分散中空シリカゾル(平均粒径89nm、固形分濃度30wt%)26.7gを加えて十分に混合した後、硬化触媒としてAl(Cを0.07g、シリコーン系界面活性剤(日本ユニカー製 L7604)を0.03g添加して撹拌、溶解することにより、固形分濃度が20%のコーティング原液を得た。このコーティング液を希釈するために、300ppm濃度のシリコーン系界面活性剤(日本ユニカー製 L7604)入りPGME溶液を準備し、コーティング原液を35.3g、希釈用界面活性剤入りPGME溶液114.7gを混合して十分に撹拌し、固形分濃度が約4.7%の低屈折率層用のコーティング液を作製した。ここで得られた低屈折率層用のコーティング液をL−2と略す。
【0034】
(3)低屈折率層用コーティング液(L−3)の調整
イソプロパノール44.1g、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン2.8g、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン2.8g、テトラメトキシシラン4.1gを混合した後、0.1規定塩酸水溶液3.8gを撹拌しながら滴下し、5時間撹拌した。この液にイソプロパノール分散中空シリカゾル(平均粒径91nm、固形分濃度30wt%)40.0g、エポキシ樹脂デナコールEX411(ナガセケムテックス(株)製)2.4gを加えて十分に混合した後、硬化触媒としてAl(Cを0.06g、シリコーン系界面活性剤(日本ユニカー製 L7604)を0.03g添加して撹拌、溶解することにより、固形分濃度が20%のコーティング原液を得た。このコーティング液を希釈するために、300ppm濃度のシリコーン系界面活性剤(日本ユニカー製 L7604)入りイソプロパノール溶液を準備し、コーティング原液を35.3g、希釈用界面活性剤入りイソプロパノール溶液114.7gを混合して十分に撹拌し、固形分濃度が約4.7%の低屈折率層用のコーティング液を作製した。ここで得られた低屈折率層用のコーティング液をL−3と略す。
【0035】
(4)低屈折率層用コーティング液(C−1)の調製
上記L−1液の調整中の、イソプロパノール分散中空シリカゾル(平均粒径91nm、固形分濃度20wt%)を使用する替わりに、粒径50nmの中空シリカ微粒子からなるイソプロパノール分散シリカゾル(固形分濃度20wt%)を用いて、それ以外は上記C−1液の調合と同様に操作を行い、低屈折率層用のコーティング液を得た。この液を以下C−1と略す。
【0036】
(実施例1)
上記L−1液を用いて、セイコーエプソン(株)製スーパーソブリンプラスチックメガネレンズ生地(屈折率約1.67 以下SSV生地)に浸漬法にて塗布を行った。引き上げ速度は10cm/minとし、液温は25℃とした。塗布後、125℃で90分間アニールを行い、低屈折率層付きのレンズを得た。このときの膜厚は約91nmであり、低屈折率層の屈折率は、約1.42であった。このレンズを洗浄し、撥水加工を行った。撥水処理液はダイキン工業株式会社製オプツールDSXを使用した。0.1%溶液(溶媒はパーフロロヘキサン)を調整し、レンズを浸積、1分放置後10cm/minで引き上げた。その後1日室温に放置した。
【0037】
このようにして得られたレンズに、前記の外観、耐熱性、反射防止効果、汚れふき取り性試験を行った。その結果を表1に示す。この実施例1で得られたレンズは、外観、耐熱性、反射防止効果、汚れふき取り性とも満足できる水準であった。
【0038】
(実施例2)
SSV生地に、セイコースーパーソブリン(セイコーエプソン(株)製)用ハードコート加工(セイコーエプソン(株)製、1層タイプ、屈折率約1.67、膜厚約2μm)を行った。このハードコート加工付きのレンズを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、低屈折率層および撥水膜付きのレンズを作製した。このレンズに実施例1と同様の評価を行い、結果を表1に示す。この実施例2で得られたレンズは、外観、耐熱性、反射防止効果、汚れふき取り性とも満足できる水準であった。
【0039】
(実施例3)
SSV生地に、セイコースーパーソブリン(セイコーエプソン(株)製)用ハードコート加工(セイコーエプソン(株)製、1層タイプ、屈折率約1.67、膜厚約2μm)を行った。このハードコート加工付きのレンズを用い、L−2液を浸積法にて塗布をおこなった。引き上げ速度は10cm/minとし、液温は25℃とした。塗布後、125℃で90分間アニールを行い、低屈折率層付きのレンズを得た。このときの膜厚は約89nmであり、低屈折率層の屈折率は、約1.46であった。このレンズを洗浄し、実施例1と同様の撥水加工をおこなった。このレンズに実施例1と同様の評価を行い、結果を表1に示す。この実施例2で得られたレンズは、外観、耐熱性、反射防止効果、汚れふき取り性とも満足できる水準であった。
【0040】
(実施例4)
SSV生地に、セイコースーパーソブリン(セイコーエプソン(株)製)用ハードコート加工(セイコーエプソン(株)製、1層タイプ、屈折率約1.67、膜厚約2μm)を行った。このハードコート加工付きのレンズを用い、L−3液を浸積法にて塗布をおこなった。引き上げ速度は8cm/minとし、液温は10℃とした。塗布後、125℃で120分間アニールを行い、低屈折率層付きのレンズを得た。このときの膜厚は約91nmであり、低屈折率層の屈折率は、約1.42であった。このレンズを洗浄し、実施例1と同様の撥水加工をおこなった。このレンズに実施例1と同様の評価を行い、結果を表1に示す。この実施例2で得られたレンズは、外観、耐熱性、反射防止効果、汚れふき取り性とも満足できる水準であった。
【0041】
(比較例1)
低屈折率層用コーティング液としてC−1液を用いる以外は、実施例1〜2と同様の操作を行い、レンズを得た。各レンズに実施例1と同様の評価を行い、結果を表1に示す。
【0042】
【表1】
Figure 2005043572

Claims (6)

  1. 透明基材上に、湿式法により、
    内部空洞を有するシリカ系微粒子と、
    SiX 3−n
    で表される有機ケイ素化合物(式中、Rは重合可能な反応基を有する有機基であり、Rは炭素数1〜6の炭化水素基であり、Xは加水分解基であり、nは0または1である。)
    とからなる反射防止層を形成した光学部品において、
    内部空洞を有するシリカ系微粒子の平均粒径が以下の式であることを特徴とする光学部品。
    平均粒径(nm)=(設計波長(nm)/反射防止膜屈折率)×(1/4)
  2. 請求項1記載の光学物品において、反射防止層を構成する内部空洞を有するシリカ系微粒子の粒径が、請求項1記載の平均粒径より10%大きい、あるいは10%小さい範囲に、全粒子の70%が収まることを特徴とする、反射防止層を有する光学部品。
  3. 前記透明基材が、透明な基板上にハードコート層を設けた透明基材であることを特徴とする請求項1あるいは請求項2に記載の反射防止層を有する光学部品。
  4. 前記透明基材が、透明な基板にプライマー層およびハードコート層を設けた透明基材であることを特徴とする請求項1あるいは請求項2に記載の反射防止層を有する光学部品。
  5. 前記反射防止層に、10重量%以上の有機化合物を含むことを特徴とする、請求項1あるいは請求項2に記載の記載の反射防止層を有する光学部品。
  6. 反射防止層の最表面にフッ素系撥水膜を形成したことを特徴とする、請求項1乃至請求項5に記載の反射防止層を有する光学部品。
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