JP2005043148A - 赤外線センサ及び赤外線撮像素子 - Google Patents

赤外線センサ及び赤外線撮像素子 Download PDF

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Abstract

【課題】雑音が小さく、センサ感度が良く、センサの温度上昇に対する出力信号の線形性が良好な、熱型の赤外線センサ及び赤外線撮像素子を提供することを目的とする。
【解決手段】基板102と、前記基板の表面に設けられた第1及び第2の電極107、108と、前記第1及び第2の電極から離間しこれら電極に対向して前記基板上に設けられた第3の電極と、前記第3の電極103の上に設けられ、入射赤外線を吸収し熱に変換する赤外線吸収層109と、前記第3の電極及び前記赤外線吸収層を前記第1及び第2の電極から前記離間した状態に支持する支持脚104と、を備えたことを特徴とする赤外線センサ101を提供する。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、赤外線センサ及び赤外線撮像素子に関し、特に、冷却装置を必要としない熱型赤外線センサ及び赤外線撮像素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、冷却装置を必要としない熱型赤外線イメージセンサ(撮像素子)として、マイクロマシニング(micromachining)技術を用いた酸化バナジウムのボロメータ型や、BSTO(Barium−Strontium−Titanium Oxide)の焦電型の赤外線センサが実現されている。これらの赤外線センサは、赤外線を吸収して温度を上昇させる感熱部と、この感熱部をシリコン基板と熱的に分離するための支持脚と、画素を選択するための水平アドレス線及び垂直信号線と、によって構成されている。
【0003】
これら熱型赤外線センサは、被写体から放射される赤外線を光熱変換部で吸収し、その温度上昇によって生じる、対向電極の抵抗変化や自発分極変化等を検知することにより赤外線を検出する。
【0004】
抵抗変化を検知するボロメータ型の赤外線センサの場合、最も一般的に用いられている物質である酸化バナジウムを使用すると、その抵抗温度変化がマイナス2パーセント程度であり、信号量が大きいという長所がある。しかし、抵抗変化を検知するためには、赤外線センサに数10マイクロアンペア以上の電流を流す必要があり、センサ自体からの発熱が大きくなる。このため、その発熱によって発生する雑音を除去する必要があり、また、素子温度を一定に保つためにペルチェ素子などによる温度安定器が必要であるという欠点がある。
【0005】
一方、自発分極変化を検知する焦電型の赤外線センサの場合、焦電材料に一定の赤外線が入射する場合には、生じた電荷を中和するために1秒程度の時間が必要であるため、入射光に変調を加えるチョッパーが必要であるという欠点がある。
【0006】
一方、振動周波数変化を検知する赤外線センサも提案されている(例えば、特許文献1参照)。この赤外線センサでは、赤外線の受光部である梁の両端が固定枠に固定されているので、赤外線吸収による受光部の温度変化によって梁が熱膨張するかわりに、梁の内部に応力が発生する。この応力によって梁の軸力が変化し、それに伴う振動子の共振周波数変化やQ値(先鋭度)変化を検出する。受光部にはボロンを高濃度に添加したシリコンを用い、熱絶縁部にはシリコン酸化膜を用いている。
【0007】
無添加のシリコンは、波長8μm以上の赤外線に対して透明である。これに対し、シリコンに不純物を添加すると赤外線の吸収率は向上するが、その厚みを数100μm以上にしないと赤外線を吸収しきれない。したがって、受光部の熱容量が増加してセンサとしての応答速度が低下し、2次元に配列されたイメージャーのように高速にスキャンする用途には使用できないという欠点がある。
【0008】
また検出原理が内部応力を発生させることにあるため、必ず複数の固定点で支持する必要がある。そのために受光部からの熱の「逃げ」が大きくなるという問題があった。またさらに、受光部と応力を生じる部分とが同一であるため、受光面を二次元的に大きくすると、熱膨張による応力が、固定枠で支持する方向とは垂直な方向に逃げ、固定部に軸力として十分生じないという欠点もあった。
【0009】
一方、吸収した赤外線による温度上昇によって、2種類の物質の線熱膨張係数の差による「たわみ」を生じさせ、この「たわみ」を、基板との静電容量の変化として読み取るセンサも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかし2種類の物質の線熱膨張係数の差による「たわみ」を検出するため、撮像素子に要求される早い応答速度に対応できないことと、基板との容量変化がセンサの温度上昇と線形に変化しないことが問題であった。
【0010】
【特許文献1】
特開平7−83756号公報
【特許文献2】
米国特許第6498347号。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
以上、説明したように、従来の熱型赤外線撮像素子では、雑音が大きく、センサ感度が悪く、センサの温度上昇に対する出力信号の線形性が良好でない、などの問題があった。
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたのであり、その目的は、雑音が小さく、センサ感度が良く、センサの温度上昇に対する出力信号の線形性が良好な、熱型の赤外線センサ及び赤外線撮像素子を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、基板と、前記基板の表面に設けられた第1及び第2の電極と、前記第1及び第2の電極から離間しこれら電極に対向して前記基板上に設けられた第3の電極と、前記第3の電極の上に設けられ、入射赤外線を吸収し熱に変換する赤外線吸収層と、前記第3の電極及び前記赤外線吸収層を前記第1及び第2の電極から前記離間した状態に支持する支持脚と、を備えたことを特徴とする赤外線センサを提供する。
【0013】
上記構成によれば、雑音が小さく、センサ感度が良く、センサの温度上昇に対する出力信号の線形性が良好な、熱型の赤外線センサを提供することができる。
【0014】
また、複数のこれら赤外線センサを略マトリクス状に設けることにより、やはり雑音が小さく、感度が良く、温度上昇に対する出力信号の線形性が良好な、熱型の赤外線撮像素子を提供することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0016】
図1は、本発明の実施形態にかかる熱型赤外線撮像素子の一部を表す模式断面図である。
また、図2は、本実施形態の赤外線撮像素子の平面図である。すなわち、これらの図は、赤外線センサが略2次元マトリクス状に配置された撮像素子の一部を表すものである。
【0017】
赤外線撮像素子を構成する赤外線センサ101は、シリコン基板102上に起振用下部電極108と振幅測定用下部電極107とを設置し、空洞106を挟んで赤外線吸収層112を積層した対向電極103が熱伝導の低い支持脚104により支持された構造を有する。対向電極103は、シリコン基板102のアース電極(図示せず)に接続され、アース電位とされている。また、隣接して設けられた垂直信号線105は、振幅測定用電極107と接続され、水平信号線115は、起振用下部電極108と接続されている。起振用下部電極108と振幅測定用下部電極107とは、シリコン基板102の表面に設けられた酸化シリコンなどからなる絶縁層111により互いに絶縁分離されている。
【0018】
対向電極103は、チタン、窒化チタンあるいは多結晶シリコンなどからなり、その表面には、酸化シリコン、窒化シリコンあるいはこれらの積層体などからなる赤外線吸収層112が大きく張り出して積層されている。この赤外線吸収層112によって、できるだけ多くの赤外線109を吸収することができ、吸収した熱によって支持脚104の温度上昇効率を高めることができる。
【0019】
また、チタンや窒化チタンなどからなる対向電極103の一部は、配線部として支持脚104に延在し、支柱110を介してシリコン基板102に電気的に接続されている。対向電極103と起振用下部電極108との間に100kHzから10MHz程度の周波数の交流電圧を印加することにより、対向電極103及びその上に積層された赤外線吸収層112が、支持脚104の固定端104Aを支点として振動する。ちょうど室温付近で100kHzから10MkHzの周波数で共振するように対向電極103の形状と赤外線吸収層112の質量を設計することによって、わずかの静電気力でも大きな振幅が得られる。
【0020】
図3は、本発明において対向電極103の温度と共振周波数との関係の一例を表すグラフ図である。
【0021】
すなわち、対向電極103とその上に積層された赤外線吸収層112は、支持脚104の固定端104Aを支点として振動する。この時に、赤外線吸収層112が入射赤外線を吸収してその温度が変化すると、支持脚104の温度も変化する。支持脚104の温度が変化すると、そのヤング率が変化するため、共振周波数も変化する。図3に表したように、対向電極103及び赤外線吸収層112の共振周波数は、支持脚104の温度に対して負の相関を有する。そして、支持脚104、対向電極103及びその上積層する赤外線吸収層112の材料、サイズ、厚みなどを適宜選択することにより、支持脚104の温度が0.4K変化した時に、共振周波数を50kHz程度変化させることも可能である。
【0022】
例えば、チタンの室温付近でのヤング率は60GPaであり温度係数は約マイナス0.4%/Kである。従って、長さ2μmで断面積0.3μmのチタンからなるカンチレバー(支持脚104)の先端に、平面サイズが約20μm×20μmで厚さが500nmのシリコン酸化膜と、厚さが300nmのシリコン窒化膜とを積層構造させた赤外線吸収層112を設けた場合、対向電極103の共振周波数は約2.3MHzとなる。
【0023】
また、チタンの代わりに窒化チタンを使った場合、ヤング率約120Gpaで温度係数はマイナス0.3%/Kとなる。チタンと同程度の共振周波数にするには、カンチレバー(支持脚104)の長さを4μmにする必要がある。そうすることによってカンチレバーの熱抵抗が増加するため、対向電極103からの熱の「逃げ」が低減し、感度が約1.5倍向上する。
【0024】
さらに別の具体例として、長さ7μmで断面積0.3μmの窒化チタンからなる支持脚104によって上述の赤外線吸収層112を支持し、波長10μm帯の赤外線をF値1.0の光学系によって集光すると、そのほぼ85%が赤外線吸収層112によって吸収され、被写体の1Kの温度変化は対向電極での1mKの温度変化となる。これを共振周波数の変化に変換すると、約5Hzの変化に相当する。これによって振幅は約7%変化する。これを振幅測定用下部電極107と対向電極103との間の容量の一定時間の積分値として計測すると、ほぼ5%の変化が得られる。
【0025】
この容量変化を赤外線撮像素子の感度の指標として使用するNETD(雑音等価温度差)で表すと約10mKに相当する。この感度は非常に優れたものである。また、その線形性も、被写体温度差10Kの範囲内では良好である。
【0026】
図4は、本実施形態の赤外線撮像素子の回路構成の一例を表す模式図である。
垂直シフトレジスタ404によって行ごとに選択され、発振器410から交流電圧がバッファ405を介して各行のセンサ101に印加される。選択時間は、例えば25マイクロ秒程度に設定することができる。センサ101は、予め所定の共振周波数で振動するように設計されている。そして、発振器410は、一定の周波数の交流電圧を各センサに印加して一定の周波数により振動させる。発振器410から印加される交流電圧の周波数は、典型的には、予め設定された各センサの共振周波数とすることができる。
【0027】
このように一定の周波数で振動している各センサに赤外線が入射すると、各センサにおいて、入射する赤外線量に応じて共振周波数からの周波数のシフト量が異なるため、選択された行の各画素(センサ)毎に振幅が異なり、容量が変化する。これをRC発振回路などを使った容量変化検出回路407を用いて電圧信号や電流信号などに変換し、水平シフトレジスタ406によって順次選択して順次出力アンプ408で増幅し、出力端子409へ出力する。
【0028】
図5は、本具体例の赤外線撮像素子における対向電極の温度と静電容量との関係を表すグラフ図である。同図において、符号Pにより表した状態が共振周波数に対応する。そして、各画素(対向電極)に入射する赤外線の量に応じてセンサ温度が異なり、それに対応して振動する周波数が共振周波数からずれる。
【0029】
但し、この検出回路の場合、共振周波数からの差の絶対値を測るだけであるため、絶対値が同じであると被写体の温度が基準温度(共振周波数に対応する温度)よりも高い場合と低い場合とで同じように映ってしまう。これを防ぐためには、被写体における温度範囲を超えた高めの温度、例えば100℃の均一な被写体を撮影する場合を基準として設定する必要がある。基準温度が高くなるということは、図3からも分かるように、共振周波数を低めの周波数に設定する必要がある。ただし、このような場合でも、もし被写体に基準温度(例えば、100℃)よりも高い部分があると、その部分は逆に温度が低い部分のように映ることになる。
【0030】
図6は、本発明の第2の具体例として、この問題を解決した赤外線撮像素子を表す模式図である。
【0031】
すなわち、垂直シフトレジスタ504により選択された1行の画素(センサ101)に周波数スイープ回路510から、バッファ505を介して、例えば2MHz〜2.5MHzの交流電圧を順次周波数を変化させながら印加する。
【0032】
まず、撮影(測定)に先立って、前もってシャッターを閉めて一定レベルの赤外線(参照赤外線)を各画素に入射させ、その時の共振周波数を基準値としてカメラ回路に記憶しておく。次に、シャッターを開けて撮影を開始し、各行の画素に周波数スイープ回路510から例えば2MHz〜2.5MHzの交流電圧を順次印加して、赤外線の入射による共振周波数のずれを容量ピーク検出回路507によってそれぞれ電気信号として検出する。
【0033】
つまり、赤外線を照射している状態での各画素101の共振周波数を測定する。そして、前もって測定した参照赤外線による共振周波数の基準値と比較し、「ずれ」の方向と量を検出する。この信号を水平シフトレジスタ506で順次選択して出力アンプ508で増幅して出力端子509へ出力する。
【0034】
この実施例を使うと温度の変化の絶対値だけでなく、高低も判別できる。また、予め参照赤外線による共振周波数を測定するので、個々の画素の共振周波数に「バラツキ」が生じた場合や撮像素子全体の温度が動作中に変化した場合などにも有効である。さらにスイープする周波数範囲を変えることによって赤外線撮像素子のダイナミックレンジを調整することも可能になる。
【0035】
ただし、本発明は参照赤外線を用いるものに限定されない。つまり、各センサの「ばらつき」や、周囲温度などの影響を無視しうるような場合には、参照赤外線による共振周波数の基準値を予め測定することなく、直ちに赤外線の照射を開始してもよい。
【0036】
次に、本発明の赤外線撮像素子の製造方法のひとつの実施例について説明する。
【0037】
図7乃至図23は、本発明の赤外線撮像素子の製造方法を表す工程図である。
【0038】
すなわち、これらの図は、シリコン基板上に、信号処理回路やX,Yのアドレスを行うスキャナ回路を構成するCMOS(complementary metal−oxide−semiconductor)トランジスタを形成する工程と、対向電極分を形成する工程を表す。
【0039】
まず、図7に表したように、p型シリコン基板を用意する。そして、図8に表したように、素子分離領域802を作製した後、図9に表したように、p−MOS領域のウェルを形成するため、n−MOS領域をフォトレジスト803でマスクし、リンイオン804の注入を行う。
【0040】
しかる後に、図10に表したように、ゲート酸化膜805とゲート材料となる多結晶シリコン806を積層する。次に、図11に表したように、n−MOS領域のソース/ドレイン領域807と対向電極103のアース電極となる領域808を同時に形成するため、p−MOS領域をフォトレジスト809でマスクし、砒素イオン810を注入する。
【0041】
次に、図12に表したように、p−MOS領域のソース/ドレイン領域811を形成するために既にトランジスタを形成したn−MOS領域をフォトレジスト812でマスクし、ボロンイオン813を注入する。その後、図13に表したように、フォトレジスト812を酸素プラズマエッチングで除去して、n−MOSトランジスタ814とp−MOSトランジスタ815が完成する。
【0042】
次に、図14に表したように、これらトランジスタの上に、シリコン酸化膜816を積層する。さらに、図15に表したように、シリコン酸化膜816に開口を形成し、トランジスタ814、815のゲート、ソース及びドレインにそれぞれコンタクトとなるプラグ817Aを埋め込む。その際、センサの上部電極の配線となるコンタクト817Bも形成する。
【0043】
次に、図16に表したように、配線となる第1アルミ層818Bを、チタン(Ti)系のバリアメタル818A及びキャップメタル818Cとともに積層する。その際、センサ下部電極のうち起振用電極108と振幅測定用電極107も形成する。さらにシリコン酸化膜による層間膜821も形成する。
【0044】
次に、図17に表したように、センサ領域の下部電極107、108の上の部分の層間膜821を、酸化膜用RIE(reactive ion etching:反応性イオンエッチング)により下部電極のキャップメタル818Cが露出するまでエッチングして空洞部822を形成する。チタン系のキャップメタル818Cの表面に下部電極107、108の保護膜として酸化シリコンあるいは窒化シリコンを50nm程度積層しておくとさらに良い。
【0045】
次に、図18に表したように、一旦形成した空洞部822に、犠牲層となるアモルファスシリコン823を埋め込む。次に、図19に表したように、配線層となる第2アルミ層824、センサの上部電極(対向電極103)となる825A〜825C、ボンディングパッド826A〜826Cを形成し、酸化シリコンからなる層間膜827を積層する。ここで、電極825Aはチタン系金属、電極825Bはアルミニウム、電極825Cはチタンなどからなるキャップメタル層である。また、ボンディングパッド826(826A〜826C)も同様に、電極826Aはチタン系金属、電極826Bはアルミニウム、電極826Cはチタンなどからなるキャップメタル層である。なお、第2アルミ層824の形成前に対向電極103の保護膜として酸化シリコンあるいは窒化シリコンを50nm程度積層しておくとさらに良い。
【0046】
次に、センサの支持脚部の熱抵抗を大きくするため、図20に表したように、層間膜827とキャップメタル825Cとアルミ電極825Bをエッチング条件を変更しながら順次エッチングすることにより、チタン(Ti)系メタルによる上部電極配線828を形成する。さらに全体を保護するために、図21に表したようにシリコン窒化膜829を形成する。
【0047】
次に、図22に表したように、ボンディングパッド826の上においても、窒化膜829、層間膜827、キャップメタル層826CをRIEにより順次エッチングして開口部830を形成する。また、対向電極の熱分離を行うために対向電極の周囲の窒化膜829と層間膜827を選択的にRIEエッチングし、犠牲層823に到達するエッチングホール831を形成する。なおこのエッチングの際、ボンディングパッド826の部分はフォトレジスト(図示せず)でマスクしておく。
【0048】
最後に、XeF(2弗化キセノン)を用いたシリコンエッチングにより、犠牲層823をエッチング除去して空洞部106を形成することにより、図23に表したように本発明の赤外線撮像素子の要部が完成する。
【0049】
以上、具体例を例示しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、上述した各具体例に限定されるものではない。
【0050】
例えば、赤外線センサまたは赤外線撮像素子を構成する各半導体層や絶縁層、金属層などの材質、形状、厚み、配置関係などについては、当業者が適宜設計変更して実施したものも、本発明の要旨を含む限り、本発明の範囲に包含される。
【0051】
その他、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することができ、これらの実施形態も本発明の範囲に包含される。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、優れた低雑音特性と、高い感度と、温度上昇に対する出力信号の良好な線形性と、を有する赤外線センサ及び赤外線撮像素子を提供することが可能となり、産業上のメリットは多大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にかかる熱型赤外線撮像素子の一部を表す模式断面図である。
【図2】本実施形態の赤外線撮像素子の平面図である。
【図3】本発明において対向電極103の温度と共振周波数との関係の一例を表すグラフ図である。
【図4】本発明の実施形態の赤外線撮像素子の回路構成の一例を表す模式図である。
【図5】本発明の具体例の赤外線撮像素子における対向電極の温度と静電容量との関係を表すグラフ図である。
【図6】本発明の第2の具体例の赤外線撮像素子を表す模式図である。
【図7】本発明の赤外線撮像素子の製造方法を表す工程図である。
【図8】本発明の赤外線撮像素子の製造方法を表す工程図である。
【図9】本発明の赤外線撮像素子の製造方法を表す工程図である。
【図10】本発明の赤外線撮像素子の製造方法を表す工程図である。
【図11】本発明の赤外線撮像素子の製造方法を表す工程図である。
【図12】本発明の赤外線撮像素子の製造方法を表す工程図である。
【図13】本発明の赤外線撮像素子の製造方法を表す工程図である。
【図14】本発明の赤外線撮像素子の製造方法を表す工程図である。
【図15】本発明の赤外線撮像素子の製造方法を表す工程図である。
【図16】本発明の赤外線撮像素子の製造方法を表す工程図である。
【図17】本発明の赤外線撮像素子の製造方法を表す工程図である。
【図18】本発明の赤外線撮像素子の製造方法を表す工程図である。
【図19】本発明の赤外線撮像素子の製造方法を表す工程図である。
【図20】本発明の赤外線撮像素子の製造方法を表す工程図である。
【図21】本発明の赤外線撮像素子の製造方法を表す工程図である。
【図22】本発明の赤外線撮像素子の製造方法を表す工程図である。
【図23】本発明の赤外線撮像素子の製造方法を表す工程図である。
【符号の説明】
101 赤外線センサ
102 シリコン基板
103 対向電極
104 支持脚
105 垂直信号線
106 中空構造
106 空洞部
107 振幅測定用下部電極
108 起振用下部電極
110 支柱
112 赤外線吸収層
210 赤外線
404 垂直シフトレジスタ
406 水平シフトレジスタ
407 容量変化検出回路
408 順次出力アンプ
409 出力端子
410 発振器
504 垂直シフトレジスタ
506 水平シフトレジスタ
507 容量ピーク検出回路
508 出力アンプ
509 出力端子
510 周波数スイープ回路
802 素子分離領域
803 フォトレジスト
804 リンイオン
805 ゲート酸化膜
806 多結晶シリコン
807 ドレイン領域
808 領域
809 フォトレジスト
810 砒素イオン
811 ドレイン領域
812 フォトレジスト
813 ボロンイオン
814、815 トランジスタ
816 シリコン酸化膜
817 プラグ
818A バリアメタル
818B アルミ層
818C キャップメタル
821 層間膜
822 空洞部
823 アモルファスシリコン
823 犠牲層
824 アルミ層
825A 電極
825B アルミ電極
825C キャップメタル
826 ボンディングパッド
826C キャップメタル層
827 層間膜
828 上部電極配線
829 シリコン窒化膜
830 開口部
831 エッチングホール

Claims (10)

  1. 基板と、
    前記基板の表面に設けられた第1及び第2の電極と、
    前記第1及び第2の電極から離間しこれら電極に対向して前記基板上に設けられた第3の電極と、
    前記第3の電極の上に設けられ、入射赤外線を吸収し熱に変換する赤外線吸収層と、
    前記第3の電極及び前記赤外線吸収層を前記第1及び第2の電極から前記離間した状態に支持する支持脚と、を備えたことを特徴とする赤外線センサ。
  2. 前記第1の電極と前記第3の電極との間に一定の周波数の交流電圧を印加することにより前記支持脚の固定端を支点として前記第3の電極及び前記赤外線吸収層を振動させる交流電圧供給回路をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の赤外線センサ。
  3. 前記第1の電極と前記第3の電極との間に可変の周波数の交流電圧を印加することにより前記支持脚の固定端を支点として前記第3の電極及び前記赤外線吸収層を振動させる周波数スイープ回路をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の赤外線センサ。
  4. 前記第2の電極と前記第3の電極との間の静電容量を測定する容量検出回路をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の赤外線センサ。
  5. 前記赤外線が入射赤外線を吸収し熱に変換することにより前記支持脚の温度が変化し、その温度の変化に対応して前記支持脚を構成する材料のヤング率が変化することにより、前記支持脚の固定端を支点として生ずる前記第3の電極及び前記赤外線吸収層の共振周波数が変化することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1に記載の赤外線センサ。
  6. 前記支持脚は、前記第3の電極の一部が延在したものとして形成されてなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の赤外線センサ。
  7. 前記支持脚は、チタン、窒化チタン及びこれらの複合体の少なくともいずれかからなる部分を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の赤外線センサ。
  8. 前記赤外線吸収層は、酸化シリコンと窒化シリコンとを積層してなることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の赤外線センサ。
  9. 請求項1〜8のいずれか1つに記載の複数の赤外線センサを略マトリクス状に設けたことを特徴とする赤外線撮像素子。
  10. 前記複数の赤外線センサのいずれかを選択する選択手段をさらに備えたことを特徴とする請求項9記載の赤外線撮像素子。
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