JP2005042845A - 三重偏心バタフライ弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高圧高温の流体を流す三重偏心バタフライ弁において、バタフライ弁内を流れる流体が外部へ漏洩するのを防ぐとともに、弁体を円滑に回動させ、且つ弁本体の流体通路を容易且つ確実に閉塞できるようにする。
【解決手段】 弁棒を収容している弁本体の筒状部内に弁棒を包囲する軸受けを付設し、軸受けを筒状部内に設けたばねにより弁体に向かって突出させ、弁体ボス部に窪みを設けて窪みの底を弁棒に垂直な平坦面とし、軸受けの先端を窪みの底の平坦面に当接させる。
【選択図】 図2

Description

この発明は、バタフライ弁の中で特殊な三重偏心バタフライ弁に関するものである。
バタフライ弁は、円板状の弁体に弁棒を固定し、弁体から突出した弁棒の両端を弁本体に設けた円管状流体通路の壁に貫通させて、弁体を弁本体内で回動可能に保持して構成される。こうして構成されたバタフライ弁は、弁体を回動させて流体通路を開閉し、これによって通路内を流れる流体を制御するのに用いられる。
上述のように、バタフライ弁では、弁棒の両端が弁本体の流体通路の壁を貫通しているために、弁棒の周りから流体通路内を流れる流体が漏洩する可能性があり、従って流体漏洩を防ぐことが必要とされる。このために、弁本体には筒状部を付設してその中に弁棒を通し、筒状部と弁棒との間にパッキンのような種々の部材を充填して、弁棒の周りからの流体漏洩を防いでいる。
バタフライ弁において弁棒の周りからの流体漏洩を防ぐ簡単な方法は、筒状部と弁棒との間に充填したパッキンを弁棒の延びる方向から押圧することである。このように押圧すると、パッキンは弁棒の延びる方向と垂直方向に広がり、弁棒と筒状部との間の隙間を塞いで流体の漏洩を防ぐことができる。
特開平4−191581号公報は上述の方法で流体漏洩を防ぐ方法を開示しており、そこではパッキンを弁棒の延びる方向に均等に押圧するために、特殊な構造の押さえ輪を用いることを提案している。
特開平4−191581号公報
特開2002−130490号公報は、弁体に流体の圧力が加えられると弁棒が撓み、そのために弁棒の周りから流体が漏洩するに至ることに着目し、弁棒に筒状の軸受部材を嵌めるとともに、軸受部材と筒状部との間に筒状の弾性部材を嵌入して、弁棒の撓みによって生じる隙間を弾性部材によって埋めて、流体漏洩を防ぐことを提案している。
特開2002−130490号公報
これらの公報の提案は、通常のバタフライ弁では流体漏洩を防止するのに有効である。しかし、これらの提案は、三重偏心バタフライ弁では有効でない。その理由は、三重偏心バタフライ弁は以下に述べるように特殊な構造とされており、しかも高温で高圧の流体を流すものであるために、これらの提案によっては流体漏洩を防止することができず、また流体通路を全閉にしたり全閉から開くことが困難となるからである。従って、これまでは三重偏心バタフライ弁において流体漏洩を防ぎ、且つ円滑に弁を開閉できるようにすることが困難であった。
ここで、三重偏心バタフライ弁を説明するが、その説明では弁座面が基準となるので、まず弁座面を説明する。弁座面とは弁体が流体通路を全閉にしたとき、弁体が弁本体に密接するに至る面である。この弁座面は、通常は弁本体の流体通路の壁面に付設されたシートリングの内周面を指している。弁座面を基準にすると、三重偏心バタフライ弁は、弁棒が弁座面を連ねる平面から外れたところに位置していて、いわゆる一次偏心をしている。
また、三重偏心バタフライ弁は弁棒が弁体の中心から外れて一方に片寄っていて、いわゆる二次偏心をしている。さらに、三重偏心バタフライ弁は弁座面が1つの斜円錐面上にあって、その斜円錐は、弁体の中心を通り弁棒に垂直な平面上に頂点を持っているが、その頂点は流体通路の中心軸から外れて、流体通路の一方の壁面の延長線上にあって、いわゆる三次偏心をしている。このように、一次、二次及び三次偏心をしているバタフライ弁が三重偏心バタフライ弁である。
三重偏心バタフライ弁を図面に基づいてさらに詳しく説明すると、次のとおりである。図1は三重偏心バタフライ弁における弁体の中心を通り、弁棒に垂直に切断した場合の断面図である。図1に示したバタフライ弁は、弁体1に弁棒2をピン5によって固定し、弁体1を弁本体3内に収容し、弁体1が弁棒2を中心として弁本体3内で回動可能としたものである。図1では示されていないが、弁棒2の両端は円管状の弁本体3の管壁を貫通している。弁本体3には弁棒が貫通するところに筒状部が設けられて、弁棒を気密に保持している。バタフライ弁は、弁体1を弁本体3内で回動させることにより、弁本体3内の流体通路4を開いたり閉じたりする。
弁体1が流体通路4を閉じたとき、流体通路4が確実に閉ざされるようにするために、弁本体3にはシートリング6が付設されている。シートリング6は、リングの外側部分を弁本体3の中に埋設し、リングの内側部分を弁本体3から突出させた状態として、シート押さえ7により弁本体3に固定され、弁本体3の一部を構成している。こうして付設されたシートリング6は、内側の先端を弁体1の外周面に密接させて弁座面を形成することとなる。
図1において、弁体1の外周面がシートリング6の先端に密接して形成される環状の密接面が、バタフライ弁の弁座面8である。弁座面8は、云いかえると、バタフライ弁の閉塞時に弁体1が弁本体3と密接するに至る面である。図1に示したバタフライ弁では、上述の弁座面8を基準とした場合、弁棒2が弁座面8を連ねる平面上になくて、この平面から距離Pだけ外れたところに位置している。従って、このバタフライ弁は一次偏心をしていることになる。
また、図1に示した三重偏心バタフライ弁では、弁棒2が弁体1の中心、云いかえると、弁本体3の中心軸9を通らず、弁体1の中心から外れたところに固定されている。すなわち、弁棒2は、弁本体3の中心軸9から距離Qだけ離れたところに位置している。このため、このバタフライ弁は二次偏心していることになる。
さらに、図1に示した三重偏心バタフライ弁では、切断面上に現れている弁座面8が、図の上部では弁本体3の中心軸9と平行な点線10に沿って延びているが、図の下部では中心軸9に対して斜めに向かう左上りの点線11に沿って延びている。図1に示したバタフライ弁では、弁座面8は、点線10と11との交点を頂点12とする斜円錐の面上にある。このように、図1に示したバタフライ弁では、弁座面8が、弁座面8を連ねる平面を基準として、弁棒2と反対側に頂点12を持つ1つの斜円錐面上にあり、従って、三次偏心をしていることになる。なお、円錐面の頂角は通常20度程度とすることが好ましい。
三重偏心バタフライ弁は、一般に高温高圧の流体を制御するのに用いられる。三重偏心バタフライ弁では、高温高圧の流体を流すために、弁の全閉時に弁体が流体から高い圧力を受けるために撓み、従ってまた弁棒も撓むために、弁本体3と弁棒2との間にある回転部分から流体の漏洩を起こしやすいので、流体漏洩を起こさないようにすることがとくに必要とされ、また弁体1が円滑に回動できるようにすることがとくに必要とされる。その上に、三重偏心弁では弁座面が斜円錐面上にあるために、弁座面はこれを中心軸方向から見ると楕円形を呈しており、楕円の短軸方向に弁棒が延びている状態になっているので、このような弁座面に弁体を回動させて、弁本体内の流体通路を確実に閉塞することは困難とされている。
そこで、この発明は、上述のような高温高圧の流体を流す三重偏心のバタフライ弁において、バタフライ弁内を流れる流体が外部へ漏洩するのを防ぐとともに、弁体を円滑に回動させ、且つ弁本体内の流体通路を容易に確実に閉塞できるようにすることを目的とするものである。
この発明者は、高温高圧の流体を流す三重偏心のバタフライ弁において、流体漏れを起こすことなく弁体を円滑に回動させて、流体通路を確実に閉塞するためには、従来技術のように、弁棒を弁棒の延びる方向に全く移動させないこととするのでなく、弁の全閉時及び全閉からの開放開始時には、弁棒をその延びる方向に沿って極めて僅かに移動可能とするのが有効であることを見出した。そのためには、弁棒を回動可能に保持するために弁本体に設けられている筒状部内に、新たに軸受けを設け、軸受けで弁棒を支持することとし、しかも軸受けを筒状部内に設けたばねにより付勢し、軸受けの先端を筒状部から突出させて、弁体外周の回動中心に位置するボス部の平坦面に接触させ、こうして弁体を2個の軸受けの間に挟んで、弁体を弁棒に沿って極めて僅かに、例えば数mm程度滑動可能とするのが有効であることを見出した。
また、この発明者は、弁体がわでは上述の軸受けの先端が接触する部分を切欠して弁体に窪みを設け、窪みの底を弁棒に垂直な平坦面とし、この平坦面に軸受けの先端にある平坦面を密接させることが、上記の目的を達成するのに有効であることを見出した。云いかえると、軸受けの先端を弁体ボス部へ進入させて、軸受けと弁体との当接面を弁体外周よりも弁体の中心に近いところに位置させて、支点間距離を短くすると、軸受けが長く延びて弁棒の露出部をすべて被覆することとなり、従って、弁棒の撓みを少なくすることができる。そのために、弁棒の周りからの流体漏洩が防止できるとともに、弁体の回動が円滑になることを見出した。
さらに、この発明者は、軸受けの先端の外周面を弁体に設けた窪みの側壁面に当接させると、軸受けの外周面が弁体からのラジアル方向の受圧面となって、弁体及び弁棒の撓みを一層少なくして弁体の回動が円滑になることを見出した。
また、この発明者は、軸受けに自己潤滑性材料を用いると、長期にわたって円滑に三重偏心バタフライ弁を使用できることになることを見出した。この発明は、このような知見に基づいて完成されたものである。
この発明は、弁棒を固定している弁体と、弁棒を軸として弁体を回動可能に収容する弁本体とからなるバタフライ弁のうち、弁体が弁本体内の流体通路を閉塞したとき、弁体外周面が密接するに至る弁本体内面の弁座面を基準とした場合、弁棒が弁座面を連ねる平面から外れたところに位置するとともに、弁棒が弁体の中心からも外れたところに位置しており、さらに上記弁座面が1つの斜円錐の面上に位置している三重偏心バタフライ弁において、弁棒を収容している弁本体の筒状部内に弁棒を包囲する軸受けを付設し、軸受けをばねにより弁体に向かって突出させ、軸受けの先端が接触する弁体ボス部を窪ませて窪みの底を弁棒に垂直な平坦面とし、軸受けの先端を弁体外周よりも弁体中心に近いところで当接させてスラスト方向の受圧面としたことを特徴とする、三重偏心バタフライ弁を提供するものである。
また、この発明は、弁体を上述のような2個の軸受けの間に挟み、弁体を回動させる過程で、軸受けをばねに抗して弁棒の延びる方向に僅かに移動可能にしておくことにより、弁体を弁棒の延びる方向に自在に滑動できるようにしたことを特徴とする、三重偏心バタフライ弁を提供するものである。
また、この発明は、軸受けを金属又は合成樹脂からなる多孔体と、その多孔体の孔内に含浸された潤滑剤とからなる自己潤滑性材料で構成して弁体を円滑に回動させるものである。
この発明に係る三重偏心バタフライ弁は、弁本体の筒状部内に弁棒を包囲する軸受けを付設し、軸受けをばねにより弁体ボス部に向かって突出させているから、弁体はばねに反抗して弁棒の延びる方向に移動可能となっている。三重偏心バタフライ弁の弁座面は、これを流体通路の中心軸方向から見ると楕円形となっているが、それにも拘らずこの発明に係る三重偏心バタフライ弁は、弁体を回動させて容易に流体通路を全閉にすることができる。こうしてこの発明によれば、三重偏心バタフライ弁を容易に全閉し、また逆に全閉から開くことができる。
また、この発明によると、軸受けの先端が接触する弁体ボス部を窪ませて、窪みの底を弁棒に垂直な平坦面としたので、弁体の回動が容易であって、しかも弁体がどのように回動しても、軸受けの先端は常に弁体ボス部に密接しており、従って流体の漏洩を防ぐことができる。さらに、軸受けの先端を弁体外周よりも弁体中心に近いところで弁体に当接させてスラスト方向の受圧面としたので、軸受けは長く延びて弁棒を被覆することとなり、従って弁棒の撓みを防止することができ、これによって弁体の回動を円滑にするとともに、弁棒の周りからの流体漏洩を防止することができる。
とくに軸受けの先端外周面を弁体ボス部に設けた窪みの側壁面に接触させると軸受けの先端外周面が弁体からのラジアル方向の受圧面となるので、弁体の撓みを一層少なくすることができる。これによって流体の漏洩を一層確実に防ぎ、また弁体の回動を一層容易にすることができる。
この発明を実施の一例について図面に基づき説明すると、次のとおりである。図2は、この発明に係る三重偏心バタフライ弁の縦断面図である。図3は図2に示した三重偏心バタフライ弁の一部拡大図である。
図2に示したバタフライ弁は、弁棒2が点線で区切られた弁座面8を連ねる平面から外れたところに位置して、弁体1にピン5によって固定されて一次偏心している。また、図2では現れていないが、図2に示したバタフライ弁は図1に示したバタフライ弁と同様に、弁棒2が弁本体3の中心軸9から外れたところに位置して二次偏心しており、さらに、弁座面8は斜円錐の面上にあって、斜円錐の中心は、中心軸9を通り紙面に垂直な平面上に位置しているが、中心軸9から外れたところに位置していて、三次偏心をしている。なお、6はシートリングであって、シートリング6の内周面が弁座面8を構成している。
図2に示したバタフライ弁では、弁本体3に筒状部13が設けれら、筒状部13内に弁棒2の両端が収容され、弁棒2が回動可能に支持されている。筒状部13には、弁棒2との間に内側から順に軸受け14、ばね受け15、ばね16、パッキン受け17、グランドパッキン18、ランタンリング19、グランドパッキン20が充填され、その外端にパッキン押さえ21がボルト22により固定されている。
そのうち、軸受け14は、図3に拡大して示したように、小径部141と、大径部142とを備え、その間に段部143を備えている。軸受け14は弁棒2を包囲して、大径部142を筒状部13内に残し、小径部141を筒状部13から突出させている。また、軸受け14は、ばね受け15を介して大径部142の端をばね16により押されて、小径部141が筒状部13から突出する方向に付勢されている。しかし、小径部141の先端には弁体1のボス部111が存在するので、軸受け14はそれ以上突出することが抑止される。こうして、軸受け14は、弁棒2に沿って移動可能となり、ばねにより弁体1のボス部111に向けて常に圧接されている。
他方、弁本体側では筒状部13が、内側端に小径部141を通過させるだけの開口を備え、続いてその外側に大径部142を通過させるだけの孔を備えており、その間には段差131を備えて、軸受け14と嵌合している。小径部141を通過させるだけの開口は奥行が小さく、小径部141の軸方向の長さよりも小さくされている。このため、段差131は軸受け14の段部143との間に常に隙間23を形成している。このために、弁体1を挟んで両側に付設されている2つの軸受け14は弁体1を挟んだまま、常に上下に移動できることとなっている。
軸受け14を押すためのばね16は、コイルばねであってもよいが、皿ばねであることが好ましい。ばね16は、隙間23が存在するために軸受け14を常に弁体1のボス部111に向かって押しつけるとともに、前述のように弁体1を挟んだまま軸受け14が筒状部から出入り可能にしている。ばね16とグランドパッキン18との間には、パッキン受け17を設けることが好ましい。
この発明では上述のように、弁体1から突出する2本の弁棒2をそれぞれ軸受け14によって回動可能に支持し、各軸受け14を弁本体3の筒状部13内で移動可能にし、弁体1を弁棒2の延びる方向へ移動可能としたので、閉弁時に弁体1を弁棒2の延びる方向へ移動させて自動調心させることができる。このために弁座面が楕円形を呈していても、確実に弁座面を弁体により閉じることができる。
この発明では軸受け14の先端が接触する弁体ボス部111を窪ませて、窪みの底24を弁棒2に垂直な平坦面とする。また、窪みの側壁25を軸受け14の外周面に当接させる。こうして軸受け14の先端を弁体1のボス部111に挿嵌させて、弁体1の外周よりも弁体1の中心に近いところで当接させる。このため軸受け14は流体通路内に大きく突出し、弁棒2の露出面をすべて被覆することとなる。
その結果、弁棒2は軸受け14により補強されることとなるので、弁体1が高圧の流体から大きな面圧を受けても弁体の撓みが少なくなる。このため、弁体1の回動が円滑になるとともに、弁棒2の周りからの流体漏洩も少なくなる。
軸受け14は弁棒2よりも硬度の低い材料で作ることが好ましい。例えば、弁棒2を鋼で作るときは、軸受け14を銅系又はアルミ青銅系金属で作り、軸受け14が弁棒2に焼き付くのを防ぐことが好ましい。
軸受け14は銅系、黄銅系、アルミ青銅系等の金属、又はポリ四弗化エチレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアセタールのような合成樹脂だけで作ることもできるが、好ましいのは複合材料で作ることである。複合材料の中では自己潤滑性材料を用いることが好ましい。
自己潤滑性材料とは、金属又は合成樹脂で作られた多孔体を母体とし、多孔体の孔内に潤滑剤を含ませて作られたものである。自己潤滑性材料は、その内部までも多量の潤滑剤を含んでおり、使用中に表面が摩耗すると、元の表面と同じ組成の新しい表面が次々と現れるので、外部から潤滑剤を補給しなくても、長期にわたって潤滑性を持ったものとして働く。従って、潤滑剤補給の手間を省くことができるので有利である。
自己潤滑性材料中の多孔体を構成する金属としては、上述の銅系、黄銅系、アルミ青銅系等の金属を用いることが好ましく、合成樹脂としてはポリアセタール、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリ四弗化エチレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリウレタンフェノール樹脂を用いることができる。多孔体の孔の中に含ませる潤滑剤としては液状のものであってもよいが、好ましいのは固体状のものである。好ましい固体状の潤滑剤は黒鉛、二硫化モリブデン、金属石鹸である。
グランドパッキン18と20は、石綿製の糸を特殊な潤滑油と黒鉛とで処理して、縄状にしたものを用いることが好ましい。潤滑油としては耐熱性の潤滑油や耐酸性の潤滑油が用いられ、その含有量はパッキン重量の約30%とされている。しかし、この潤滑油は高温に曝されると極めて徐々ではあるが揮散するので、グランドパッキンは使用中に徐々に劣化しパッキンとしての性能を低下させる。
この発明では、パッキン18とパッキン20との間にランタンリング19を介在させて、その周りに潤滑剤を封入しておき、パッキン18と20とに補給することとしている。ランタンリング19は、外観上は指輪状のものであるが、幅方向の中央部分が外側からも内側からも窪ませられて肉薄になっている。その結果、ランタンリングは断面が恰も呂の字状の環体となっている。そして、薄肉の中央部分には環状方向の複数個所に貫通孔が設けられて、外側の窪みに封入された潤滑剤が内側の窪みへ移行できるようにされている。即ち弁棒2の回動に伴ない徐々にグランドパッキン18及び20に補給されて、グランドパッキン18及び20が劣化してパッキンとしての機能を失うのを防ぐことになる。こうして筒状部13から外部へ流体が漏洩するのを防ぐことができる。
この発明では、ランタンリング19の周りに封入された潤滑剤は、グランドパッキン18及び20を潤すだけでなく、グランドパッキン18に封入された潤滑剤はパッキン受け17からばね16を通り、ばね受け15を通って軸受け14へ広がり、軸受け14の内面を潤滑するとともに、軸受け14の先端と弁体1の窪みへ供給されて当接面を潤滑することとなる。このため弁本体3内での弁体1の回動が容易となるだけでなく、軸受け14が弁棒2へ焼き付き固着するのを防ぐことができる。
また、軸受け14を銅合金又は合成樹脂で作り、弁棒2をステンレスで作ると云うように、軸受け14が構成される材料を、弁棒2が構成される材料よりも、ブリンネル硬度で50度以上の差異のある剛体で構成することにより、軸受け14が弁棒2へ焼き付き固着するのを一層確実に防止することができる。
この発明ではバタフライ弁が三重偏心しているために、弁座面8は前述のように斜円錐形を呈し、従って中心軸方向から見ると、弁座面は楕円形となっている。このような形状の弁座面8を弁体1で密閉するには、弁体1を単純に回動させるだけでは足りず、弁体1を弁本体3に対して僅かに弁棒方向に移動させながら回動させなければならない。
この発明では、流体通路内に位置する弁棒2の部分が軸受け14によって覆われているので、軸受け14が流体の圧力による弁棒2の撓みを防ぐこととなり、従って、弁体1は回動が容易となっている。しかも、軸受け14はばね16により押されて弁体1のボス部111の窪みの底の平坦面に圧接されているので、弁体1を回動させるときには、前述のように軸受け14が弁棒2に沿って移動することにより弁体1の位置を弁棒が延びる方向に沿って僅かに変えることができる。このために、弁体を自動的に調心することができ、従って、弁座面8が前述のように楕円形の斜円錐面を形成しているにも拘らず、弁体1の外周面を弁本体3の弁座面8に確実に密接させることができる。それゆえ、この発明によれば三重偏心弁を容易に且つ確実に密閉することができる。
とくに軸受け14の先端外周面が弁体1のボス部111に設けた窪みの側壁面に接触しているときは、その接触面が弁体1と軸受け14とのラジアル方向の受圧面となる。この受圧面は弁体1及び弁棒2の支点として働くものである。この発明では、この受圧面が弁体1のボス部111内へ挿嵌されているため、弁体1及び弁棒2の支点間距離が従来のものよりも短いものとなっている。従って弁体1及び弁棒2の撓みは一層少なくなり、これによって流体漏洩が防止でき、また弁体の回動が容易となる。
この発明によって三重偏心バタフライ弁の使用が容易となるので、高温及び高圧、時にはさらには高粘度の流体の制御が容易となる。
三重偏心バタフライ弁を説明するための三重偏心バタフライ弁の横断面図である。 この発明に係る三重偏心バタフライ弁の縦断面図である。 図2に示した三重偏心バタフライ弁の一部切欠拡大図である。
符号の説明
1 弁体
2 弁棒
3 弁本体
4 流体通路
5 ピン
6 シートリング
7 シート押さえ
8 弁座面
9 中心軸
10、11 斜円錐を示す点線
12 斜円錐の頂点
13 筒状部
14 軸受け
15 ばね受け
16 ばね
17 パッキン受け
18、20 グランドパッキン
19 ランタンリング
21 パッキン押さえ
22 ボルト
23 隙間
24 窪みの底
25 窪みの側壁
111 弁体ボス部
131 段差
141 小径部
142 大径部
143 段部

Claims (5)

  1. 弁棒を固定している弁体と、弁棒を軸として弁体を回動可能に収容する弁本体とからなるバタフライ弁のうち、弁体が弁本体内の流体通路を閉塞したとき、弁体外周面が密接するに至る弁本体内面の弁座面を基準とした場合、弁棒が弁座面を連ねる平面から外れたところに位置するとともに、弁棒が弁体の中心からも外れたところに位置しており、さらに上記弁座面が1つの斜円錐の面上に位置している三重偏心バタフライ弁において、弁棒を収容している弁本体の筒状部内に弁棒を包囲する軸受けを付設し、軸受けをばねにより弁体に向かって突出させ、軸受けの先端が接触する弁体ボス部を窪ませて窪みの底を弁棒に垂直な平坦面とし、軸受けの先端を弁体外周よりも弁体中心に近いところで当接させてスラスト方向の受圧面としたことを特徴とする、三重偏心バタフライ弁。
  2. 軸受けに小径部と大径部とを設けるとともに小径部と大径部との間に段差を設け、筒状部の内壁面にも段差を設け、軸受けの大径部を筒状部内に位置させ小径部の先を筒状部から突出させ、軸受けの段部と筒状部の段部との間にばねにより縮小される隙間を設けたことを特徴とする、請求項1に記載の三重偏心バタフライ弁。
  3. 弁体ボス部に設けた窪みの側壁を軸受けの先端外周面に接触させて、接触面を弁体と軸受けとの間のラジアル方向の受圧面としたことを特徴とする、請求項1又は2に記載の三重偏心バタフライ弁。
  4. 弁体の両側に位置する弁棒をそれぞれ軸受けによって回動可能に支持し、各軸受けを弁本体の筒状部内でそれぞれ移動可能にし、これによって弁体を弁棒の延びる方向に移動可能として、閉弁時に弁体が自動調心できるようにしたことを特徴とする、請求項1−3の何れか1つの項に記載の三重偏心バタフライ弁。
  5. 軸受けが、金属又は合成樹脂からなる多孔体と、その多孔体の孔内に含浸された潤滑剤とからなる自己潤滑性材料で構成されていることを特徴とする、請求項1−4の何れか1つの項に記載の三重偏心バタフライ弁。
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