JP2004108387A - バタフライ弁 - Google Patents
バタフライ弁 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004108387A JP2004108387A JP2002267801A JP2002267801A JP2004108387A JP 2004108387 A JP2004108387 A JP 2004108387A JP 2002267801 A JP2002267801 A JP 2002267801A JP 2002267801 A JP2002267801 A JP 2002267801A JP 2004108387 A JP2004108387 A JP 2004108387A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- valve
- butterfly
- bearing
- valve stem
- butterfly valve
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Landscapes
- Lift Valve (AREA)
Abstract
【課題】バタフライ弁内を流れる流体が外部へ漏洩するのを防ぐとともに、弁体を円滑に回動させ、且つ弁本体内の流体通路を容易に確実に閉塞でき、しかも外部から潤滑剤を供給しなくても済むバタフライ弁を提供する。
【解決手段】弁の全閉時及び全閉からの開放開始時に、弁棒2をその延びる方向に僅かに移動可能とするために、弁棒を回動可能に支持している弁本体3筒状部13内に新たに軸受け14を付設し、軸受けをばね15により付勢して弁板外周の回動中心にある平坦面に圧接し、弁板1を2個の軸受の間に挟んで弁棒の延びる方向に滑動できるようにする。また軸受けを潤滑性多孔体で構成する。
【選択図】 図2
【解決手段】弁の全閉時及び全閉からの開放開始時に、弁棒2をその延びる方向に僅かに移動可能とするために、弁棒を回動可能に支持している弁本体3筒状部13内に新たに軸受け14を付設し、軸受けをばね15により付勢して弁板外周の回動中心にある平坦面に圧接し、弁板1を2個の軸受の間に挟んで弁棒の延びる方向に滑動できるようにする。また軸受けを潤滑性多孔体で構成する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、バタフライ弁に関するものであり、とくに特殊なバタフライ弁、すなわち高温高圧の流体を輸送するのに用いられる三重偏心バタフライ弁に関するものである。さらに云えば、この発明は、バタフライ弁において弁本体内で弁棒を支持している機構を改良し、筒状部からの流体漏れを無くするとともに、弁体の回動を円滑にし、且つ弁体が流体通路を確実に閉塞できるようにしたバタフライ弁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
バタフライ弁は、云うまでもなく公知である。バタフライ弁は、円板状の弁板に弁棒を固定し、弁板から突出した弁棒の両端を円管状の弁本体の管壁に貫通させて、弁本体内に弁板を回動可能に付設したものである。バタフライ弁は、弁板を回動させて、弁本体内に形成されている流体通路を閉塞又は開放させるのに用いられる。
【0003】
バタフライ弁では、弁棒の両端が弁本体の管壁を貫通しているために、弁棒の周りから弁本体内を通る流体を漏らさないようにすることが必要である。このために、弁本体には弁棒を回動可能に支持するための筒状部が形成されている。筒状部では、弁棒の回動を許しながら弁棒との間から流体が漏れないようにするために、弁棒の周りに種々のものが充填されている。
【0004】
特公昭61−24589号公報は、バタフライ弁において、流体の漏洩を防ぐために、弁本体の筒状部内で弁棒の周りにグランドパッキンを充填するとともに、グランドパッキンの間に平軸受けを介在させ、平軸受けに外部からグリースを供給するとともに、弁本体内へスチーム等のパージ流体を流すことを提案している。しかし、パージ流体を流すためには、筒状部と弁棒との間に相当の隙間を設ける必要があり、隙間を設けると、流体圧により弁体が変位し易くなり、このため弁体が流路を完全に閉塞できない事態を生じ易く、また弁体を円滑に回動できない、という問題を生じる。
【0005】
また、実公昭64−1584号公報は、玉形弁において弁本体の筒状部と弁棒との間に、アスベストパッキンとスペーサリングとを交互に重ねて配置し、こうして重ねて得られた積層体の中程に潤滑リングを介在させ、潤滑リングに外部から潤滑油を供給することを提案している。しかし、これだけでは、弁体を円滑に上下動させて、弁本体と弁体との間で流体漏れを完全に防ぐことができない、という問題がある。
【0006】
従来の技術に伴なう上述の問題点は、バタフライ弁に高温高圧の流体を流すときに一層顕著となる。すなわち、高温高圧の流体を流すときには、バタフライ弁として三重偏心弁を用いることが多いが、この場合とくに上述の問題点が顕著に現れる。
【0007】
ここで、三重偏心弁とは、バタフライ弁のうち、バタフライ弁の閉塞時に弁体が弁本体に密接するに至る弁座面を想定した場合、弁棒が弁座面を連ねる平面から外れたところに位置していて、いわゆる一次偏心をしたものであり、また弁棒が弁体の中心から外れて一方に片寄っていて、いわゆる二次偏心をしたものであり、さらに弁座面が1つの斜円錐面上にあって、その斜円錐は弁体の中心を通り、弁棒に垂直な平面で弁座面を切断した場合、弁本体の中心軸に平行に延びる弁座断面の延長線と、上記中心軸に対して斜めに延びる弁座断面の延長線との交点に頂点を持っている、いわゆる三次偏心をしている弁である。このような三次偏心をしたバタフライ弁は、バタフライ弁の中でも特殊なものであるから、まずその構造を図面に基づきさらに詳しく説明する。
【0008】
図1は、三重偏心をしたバタフライ弁の弁体の中心を通り、弁棒に垂直に切断した場合の断面図である。図1に示したバタフライ弁は円板状の弁板1に弁棒2をピン5によって固定して弁体とし、この弁体を弁本体3内に付設し、弁板1が弁棒2を中心として弁本体3内で回動可能としたものである。図1では示されていないが、弁棒2の両端は円管状の弁本体3の管壁を貫通している。弁本体3には弁棒が貫通するところに筒状部が設けられて、弁棒を気密に保持している。バタフライ弁は、弁板1を弁本体3内で回動させることにより、弁本体3内の流体通路4を開いたり閉じたりする。
【0009】
弁板1が流体通路4を閉じたとき、流体通路4が確実に閉ざされるようにするために、弁本体3にはシートリング6が付設されている。シートリング6は、リングの外側部分を弁本体3の中に埋設し、リングの内側部分を弁本体3から突出させた状態として、シート押さえ7により弁本体3に固定され、弁本体3の一部を構成している。こうして付設されたシートリング6は、内側の先端を弁板1の外周面に密接させて弁座面を形成することとなる。
【0010】
図1において、弁板1の外周面がシートリング6の先端に密接して形成される環状の密接面が、バタフライ弁の弁座面8である。弁座面8は、云いかえると、バタフライ弁の閉塞時に弁板1が弁本体3と密接するに至る面である。図1に示したバタフライ弁では、上述の弁座面8を基準とした場合、弁棒2が弁座面8を連ねる平面上になくて、この平面から距離Pだけ外れたところに位置している。従って、このバタフライ弁は一次偏心をしていることになる。
【0011】
また、図1に示したバタフライ弁では、弁棒2が弁板1の中心、云いかえると、弁本体3の中心軸9を通らず、弁板1の中心から外れたところに固定されている。すなわち、弁棒2は、弁本体3の中心軸9から距離Qだけ離れたところに位置している。このため、このバタフライ弁は二次偏心していることになる。
【0012】
さらに、図1に示したバタフライ弁では、切断面上に現れている弁座面8が、図の上部では弁本体3の中心軸9と平行な点線10に沿って延びているが、図の下部では中心軸9に対して斜めに向かう左上りの点線11に沿って延びている。図1に示したバタフライ弁では、弁座面8は、点線10と11との交点を頂点12とする斜円錐の面上にある。このように、図1に示したバタフライ弁では、弁座面8が、弁座面8を連ねる平面を基準として、弁棒2と反対側に頂点12を持つ1つの斜円錐面上にあり、従って、三次偏心をしていることになる。なお、円錐面の頂角は通常20度程度とすることが好ましい。
【0013】
上記のように、一次から三次までの偏心をしたバタフライ弁、すなわち三重偏心をした特殊なバタフライ弁は、一般に高温高圧の流体を制御するのに用いられる。三重偏心バタフライ弁では、高温高圧の流体を流すために、弁本体3と弁棒2との回転部から流体の漏洩を起こさないようにすることがとくに必要とされ、また弁板1が円滑に回動できるようにすることが必要とされる。その上に、三重偏心弁では弁座面が斜円錐面上にあるために、弁座面はこれを中心軸方向から見ると楕円形を呈しており、楕円の短軸方向に弁棒が延びている状態になっているので、このような弁座面に弁体を回動させて、弁本体内の流体通路を確実に閉塞することは困難とされている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、この発明は、上述のような高温高圧の流体を流す三重偏心のバタフライ弁において、バタフライ弁内を流れる流体が外部へ漏洩するのを防ぐとともに、弁体を円滑に回動させ、且つ弁本体内の流体通路を容易に確実に閉塞できるようにすることを目的とするものである。とくに、従来技術では流体漏れをなくするためには、筒状部内に付設したパッキン等にグリース、潤滑油等を補給することが必要とされたが、この補給は煩瑣であるから、この補給を省略することを目的とするものである。
【0015】
【課題解決のための手段】
この発明者は、高温高圧の流体を流す三重偏心のバタフライ弁において、流体漏れを起こすことなく弁体を円滑に回動させて、流体通路を確実に閉塞するためには、従来技術のように、弁棒を弁棒の延びる方向に全く移動させないこととするのでなく、弁の全閉時及び全閉からの開放開始時には弁棒をその延びる方向に沿って極めて僅かに移動可能とするのが有効であることを見出した。そのためには、弁棒を回動可能に保持するために弁本体に設けられている筒状部内に、新たに軸受けを設け、軸受けで弁棒を支持することとし、しかも軸受けを筒状部内に設けたばねにより付勢し、軸受けの先端を筒状部から突出させて、弁板外周の回動中心に位置する平坦面に接触させ、こうして弁板を2個の軸受けの間に挟んで、弁板を弁棒に沿って極めて僅かに、例えば数mm程度滑動可能とするのが有効であることを見出した。
【0016】
また、流体漏れをなくするために、例えば前述の特公昭61−24589及び実公昭64−1584の各公報が記載するように、従来はグリース、潤滑油等の補給が必要とされたが、上述の軸受けに潤滑性多孔体を使用することにより、潤滑油等の補給を省略できることを見出した。ここで云う潤滑性多孔体とは、例えば焼結金属に黒鉛のような潤滑剤を含有させたものである。この発明は、このような知見に基づいて完成されたものである。
【0017】
この発明は、バタフライ弁として前述の三重偏心バタフライ弁を用いることを必要としている。三重偏心バタフライ弁とは、弁板に弁棒を固定してなる弁体と、弁棒を軸として弁体を回動可能に収容している弁本体とからなるバタフライ弁のうち、弁板が弁本体の流体通路を閉塞した時、弁板外周が密接するに至る弁本体内面の弁座面を基準とした場合、弁棒が弁座面を連ねる平面から外れたところに位置するとともに、弁棒が弁板の中心からも外れたところに位置しており、さらに上記弁座面が1つの斜円錐面上に位置しているバタフライ弁である。この発明は、このような三重偏心バタフライ弁において、弁棒の両端を回動可能に収容するために弁本体に設けた2つの筒状部のそれぞれの内部で、弁棒の周りに弁本体の内側から順に軸受け、ばね、パッキン及びパッキン押さえを付設してパッキン押さえを筒状部に固定し、軸受けをばねにより付勢して軸受けの先端を筒状部から突出させて弁板の外周において弁板の回動中心に位置する平坦面に接触させ、こうして弁体を2個の軸受けの間に挟み、弁体の回動過程で軸受けをばねに抗して弁棒の延びる方向に僅かに移動可能とし、これによって弁体を弁棒の延びる方向に滑動できるようにしたことを特徴とする、バタフライ弁を提供するものである。
【0018】
また、この発明は、上述のバタフライ弁において用いられる軸受けの材料として潤滑性多孔体を用いることを特徴としている。潤滑性多孔体とは、一般にオイルレスベアリングとして販売されて商品を構成している材料である。すなわち、潤滑性多孔体とは金属又は合成樹脂からなる多孔体と、その多孔体の孔内に潤滑剤を含ませて作られたものである。この発明では、このような材料で軸受け全体を作ってもよいが、また軸受け中の弁棒に接する部分だけ、又はそれとともに軸受けの先端部分だけを潤滑性多孔体で作ることもできる。
【0019】
この発明を実施の一例につき図面に基づいて説明すると、次の通りである。図2は、この発明に係る三重偏心バタフライ弁にアクチュエータを直結した場合の縦断面図である。図3はこの発明に係るバタフライ弁に短管を介してアクチュエータを接続した場合の接続部の一部切欠縦断面図である。図4は、この発明で用いることのできるアクチュエータ中の連結筒の、第3図X−X線位置での端面図である。図5は、この発明に係るバタフライ弁にアクチュエータを付設する態様を示した平面図である。
【0020】
図2に示したバタフライ弁は、弁棒2が点線で区切られた弁座面8を連ねる平面から外れたところに位置して、弁板1にピン5によって固定されて一次偏心している。また、図2では現れていないが、図2に示したバタフライ弁は図1に示したバタフライ弁と同様に、弁棒2が弁本体3の中心軸9から外れたところに位置して二次偏心しており、さらに、弁座面8は斜円錐の面上にあって、斜円錐の中心は、中心軸9を通り紙面に垂直な平面上に位置しているが、中心軸9から外れたところに位置していて、三次偏心をしている。なお、図2に示したバタフライ弁ではシートリング6を簡略に表示したが、図2のシートリング6は図1のシートリング6と同様に作られている。
【0021】
図2に示したバタフライ弁では、弁本体3に2個の筒状部13が設けられ、各筒状部13内に弁棒2の端が収容され、弁棒2が回動可能に支持されている。筒状部13内では、弁棒2との間に内側から順に軸受け14、ばね15、グランドパッキン16、ランタンリング17、グランドパッキン18が充填され、その外端にパッキン押さえ19がボルト21により固定されている。
【0022】
そのうち、軸受け14は、小径部141と、大径部142とを備え、その間に段部143を備えている。軸受け14は、大径部142を筒状部13内に残し、小径部141を筒状部13から突出させている。また、軸受け14は、大径部142の端をばね15により押されて、小径部141が筒状部13から突出する方向に付勢されている。小径部141の先には弁板1の外周にあって、弁板1の回動中心に位置する平坦面100が存在するので、軸受け14はばねにより平坦面100に対して常に圧接されることになる。
【0023】
他方、弁本体側では筒状部13が、内側端に小径部141を通過させるだけの開口を備え、続いてその外側に大径部142を通過させるだけの孔を備えており、その間には段差131を備えて、軸受け14と嵌合している。小径部141を通過させるだけの開口は奥行が小さく、小径部141の軸方向の長さよりも小さくされている。このため、段差131は軸受け14の段部143との間に常に隙間20を形成している。従って、弁板1を挟んで両側に付設されている2つの軸受け14は弁板1を挟んだまま、常に上下に移動できることとなっている。
【0024】
軸受け14を押すためのばね15は、コイルばねであってもよいが、皿ばねであることが好ましい。ばね15は、隙間20が存在するために軸受け14を常に弁板1の平坦面100に向かって押しつけるとともに、前述のように弁板1を挟んだまま軸受け14が筒状部から出入り可能にしている。ばね15とグランドパッキン16との間には、ばね受け151を設けることが好ましい。
【0025】
この発明では上述のように、弁板1から突出する弁棒2をそれぞれ軸受け14によって回動可能に支持し、各軸受け14を弁本体3の筒状部13内で移動可能にし、弁板1を弁棒2の延びる方向へ移動可能としたので、閉弁時に弁板1を弁棒2の延びる方向へ滑動させて自動調心させることができる。このために弁座面が複雑な形状、例えば楕円形を呈していても、確実に弁座面を弁体により閉じることができる。
【0026】
グランドパッキン16と18は、石綿製の糸を特殊な潤滑油と黒鉛とで処理して、縄状にしたものを用いることができる。潤滑油としては耐熱性の潤滑油や耐酸性の潤滑油が用いられ、その含有量はパッキン重量の約30%とされている。パッキン16とパッキン18との間にランタンリングが介在している。ランタンリングは、外観上は指輪状のものであるが、幅方向の中央部分が外側からも内側からも窪ませられて肉薄になっている。その結果、ランタンリングは断面が恰も呂の字状の環体となっている。この肉薄となった窪み部分に潤滑剤が付与されていて、この潤滑剤がパッキン16と18とに補給される。また、薄肉の中央部分には環状方向の複数個所に貫通孔が設けられて、外側の窪みと内側の窪みとの間で、潤滑剤が移行できるようにされている。
【0027】
この発明では、ランタンリング17に付与された潤滑剤は、グランドパッキン16及び18を潤すだけでなく、グランドパッキン16に補給された潤滑剤はばね受け151からばね15に及んでこれらを潤滑する。また場合によっては、潤滑剤が軸受け14へ広がり、軸受け14の内面を潤滑するとともに、軸受け14の先端と弁板1の平坦面100へ供給されて圧接面を潤滑することもある。
【0028】
この発明では、軸受け14をオイルレスベアリングを構成するような潤滑性多孔体で作り、弁棒2を鋼で作ると云うように、軸受け14を構成する材料を、弁棒2が構成される材料よりも、硬度において差異があり硬度の低い剛体で構成することにより、軸受け14が弁棒2へ焼き付き固着するのを防止することができる。
【0029】
軸受け14を構成する潤滑性多孔体は、金属又は合成樹脂からなる多孔体と、その多孔体の孔内に含まれている潤滑剤とで構成されているものである。含まれている潤滑剤は液体のこともあるが、多くは固体である。この潤滑剤は、多孔体の内部までも一様に含まれていて、その含まれている量も多く、従って、多孔体表面が摩耗すると、元の表面と同じ組成の新しい表面が次々と現れて、長い期間にわたって変わりのない潤滑性を示す。従って、通常の使用期間内では外部から潤滑剤を補給する必要がない。
【0030】
この発明で用いる軸受け14は、その全体を潤滑性多孔体で作ることもできるが、その一部だけを潤滑性多孔体で作ることもできる。一部だけとするときは、弁軸2に接触する軸受け14の内面、又はそれとともに弁板1の平坦面100に接触する先端面に潤滑性多孔体を用いる。
【0031】
潤滑性多孔体を構成している多孔体としては、金属又は合成樹脂が用いられる。金属としては銅系、黄銅系、アルミ青銅系の金属を用いることができる。また、合成樹脂としては、ポリアセタール、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリ四弗化エチレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリウレタン、フエノール樹脂等を用いることができる。
【0032】
また、潤滑性多孔体を構成している潤滑剤としては、液体状の潤滑剤を用いることもできるが、好ましいのは固体状の潤滑剤である。好ましい固体状の潤滑剤は、黒鉛、二硫化モリブデン、金属石鹸等である。
【0033】
潤滑性多孔体で作られた軸受けは、通常オイルレスベアリングとして市販されている。この発明では、オイルレスベアリングという名称で販売されているものの中から、使用条件に適したものを選んで用いることができる。
【0034】
この発明ではバタフライ弁が三重偏心しているために、弁座面8は前述のように斜円錐形を呈し、従って中心軸方向から見ると、弁座面は楕円形となっている。このような形状の弁座面8を弁板1で密閉するには、弁板1を単純に回動させるだけでは足りず、弁板1を弁本体3に対して僅かに弁棒方向に移動させながら回動させなければならない。
【0035】
この発明では、流体通路内に位置する弁棒2の部分が軸受け14によって覆われているので、軸受け14が流体による弁棒2の撓みを防ぐこととなり、従って、弁板1は回動が容易となっている。しかも、軸受け14はばね15により押されて弁板1の平坦面100に圧接されているので、弁板1を回動させるときには、前述のように軸受け14が弁棒2の延びる方向に移動することにより、弁板1の位置を弁棒が延びる方向に沿って僅かに変えることができる。このために、弁板1が弁座面に接触し始めるときに、弁板1を弁棒2の延びる方向に滑動させて弁座面に密接させることができる。その移動距離は通常数mm以下である。このため弁座面8が前述のように楕円形の斜円錐面を形成しているにも拘らず、弁板1の外周面を弁本体3の弁座面8に確実に密接させることができる。また、逆に弁体が弁座面から離れようとするときも、同様に弁板を弁棒の延びる方向に僅かに移動させて、円滑に弁板を弁座面から離すことができる。それゆえ、この発明によれば三重偏心弁を容易に且つ確実に開閉することができる。
【0036】
この発明に係るバタフライ弁は、アクチュエータによって開閉される。この場合、この発明に係るバタフライ弁は、従来のバタフライ弁とは違って、とくにアクチュエータとの接続に注意をする必要がある。なぜならば、従来のバタフライ弁は、弁座面が流体の進行方向から見ると、ほぼ真円状を呈しているために、弁板を弁棒の周りに回動させるだけで弁を全閉にすることができたが、この発明に係るバタフライ弁は、前述のように、弁座面が流体の進行方向から見ると、楕円形を呈しているために、弁板を弁棒の周りに回動させただけでは弁を全閉にすることができず、全閉時には弁体を弁棒の延びる方向に滑動させなければならないからである。このために、この発明に係るバタフライ弁は、アクチュエータへの接続に際して、弁板が弁棒の延びる方向に滑動できるように配慮しなければならない。
【0037】
全閉時に弁板を弁棒の延びる方向に滑動できるようにした接続態様が、図3に示されている。図3において、符号22は第2図に示したこの発明に係るバタフライ弁Aの上端に位置するフランジを示している。フランジ22にはアクチュエータBのフランジ23が接続されるが、フランジ23は、アクチュエータBの下部に付設された短管29を介して、アクチュエータBに付設されている。フランジ22と23とが重ねられるとき、弁棒2はアクチュエータBの駆動軸24の下端にある連結筒25内に挿入され、連結筒25と弁棒2との間にはキー26が挿入されて、弁棒2は駆動軸25に接続される。そのあとで、フランジ22と23とはボルトで固定されてアクチュエータBはバタフライ弁Aに付設される。この点では、バタフライ弁Aは従来技術と同じようにアクチュエータに付設されることになる。
【0038】
図3に示したバタフライ弁AとアクチュエータBとの接続が従来技術と異なるのは、弁棒2と連結筒25との接続態様である。図3ではキー26によって弁棒2と連結筒25とが、弁棒2の周囲方向には互いに係止されているが、弁棒2の延びる方向には係止されないで、自由に滑動できるようにされている。この点で、この発明に係るバタフライ弁は従来のバタフライ弁と大きく異なっている。すなわち、弁棒2の先端と連結筒25内の空洞の奥底との間には、視認できる程の隙間27があり、また弁棒2の周囲面と連結筒の側面との間には、視認できないにしても互いに滑動できるだけの隙間が存在している。隙間27は、弁棒の延びる方向において弁棒直径の2分の1ないし3分の1の範囲内の大きさとする。
【0039】
これに対し従来技術では、弁棒2と連結筒25との間にキー26を介在させると、キー26が弁棒2と連結筒25との間を全体的に係止し、従って弁棒2と連結筒25との間で、周囲方向の回動も軸方向の移動をも許さないようにされた。従って、従来技術では隙間27の付設などは全く意識されなかった。このことは、従来のバタフライ弁では弁棒2を軸方向に移動させる必要がなく、むしろ、弁棒2は軸方向に移動してはならないものとされて来たことから考えて、当然のことである。
【0040】
図3では、弁棒2と連結筒25とを接続するのにキー26を使用した態様を示したが、キー26の使用は必ずしも必要とされない。例えば図4の(a)に示したように、連結筒25の内側に設けられた空洞の断面を正方形にするとともに、この孔内に挿入される弁棒を断面正方形にすることによって、キー26を使用しないで、接続することができる。また、図4の(b)に示したように連結筒25と弁棒とをセレーション接続することもできる。さらに、図4の(c)に示したようにスプライン接続することもできる。
【0041】
また、キー26を用いる場合にも、図4の(d)に示すように、連結筒25内にある空洞の壁面に周囲方向に等しい間隔をおいて複数個の溝28を掘り、溝28の何れにキーを位置させるかによって、バタフライ弁Aに対してアクチュエータBの長手方向の位置を変更できるようにすることが好ましい。とくに、図4の(d)に示すように周囲方向に90度の角度を隔てて溝28を設けると、図5の(a)ないし(d)に示したように、バタフライ弁Aに対しアクチュエータBの突出部が向く方向を変えることができるので、アクチュエータBの操作に便利なように、アクチュエータBを付設することができる。
【0042】
【発明の効果】
この発明によれば、三重偏心バタフライ弁において、弁棒を回動可能に収容するために弁本体に設けた2つの筒状体のそれぞれの内部で、弁棒の周りに弁本体の内側から順に軸受け、ばね、パッキン及びパッキン押さえを付設してパッキン押さえを筒状部に固定したので、パッキンが弁棒の周りから流体の漏洩を防ぐこととなり、また軸受けをばねにより付勢して軸受けの先端を筒状部から突出させて、弁板外周で弁板の回動中心に位置する平坦面に接触させることができ、これによって弁板を2個の軸受けの間に挟んで弁棒の延びる方向に移動させることが可能となる。従って、バタフライ弁が三重偏心をしていて、弁座面が流体の進行方向から見ると楕円形を呈していても、流体通路の閉塞時に弁板を弁棒の延びる方向に滑動させて、弁板外周を弁座面に密接させることができ、こうして確実に全閉状態にすることができる。また、同様にして逆に全閉状態から容易に弁板を弁座面から離して、弁を開放状態に容易にすることができる。
【0043】
また、軸受けの弁棒に接する部分、又は軸受けの先端部分を少なくとも潤滑性多孔体で構成することとしたから、筒状部の外から潤滑剤を供給しなくても、軸受けと弁棒又は弁板との間を潤滑することができ、従って長期にわたって弁体を円滑に回動させることができる。従来技術では、筒状部内のパッキン等を潤滑するために外から潤滑剤を供給する必要があり、潤滑剤を供給するためには、潤滑剤のタンクやポンプ等を含んだ大掛りな装置が必要とされたので、これに比べると潤滑剤を供給しなくて済むことは大きな利益である。
【0044】
また、弁棒に軸受けを付設し、軸受けの先端が弁板外周の弁板回動中心にある平坦面に圧接して弁棒を覆っているので、弁棒が弁本体内を流れる流体の圧力によって撓むのが少なくなり、従って弁棒の回動が容易である。
【0045】
また、パッキン押さえをボルトにより弁本体筒状部に固定したので、パッキン等は常に最初に充填した状態に維持されることとなり、従ってパッキン押さえの増し締めによるパッキン等の変動を押さえることができ、弁棒回動時のトルクの均一を計ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】三重偏心バタフライ弁を説明するための三重偏心バタフライ弁の横断面図である。
【図2】この発明に係る三重偏心バタフライ弁にアクチュエータを直結した場合の縦断面図である。
【図3】この発明に係るバタフライ弁に短管を介してアクチュエータを接続した場合の接続部の一部切欠縦断面図である。
【図4】この発明で用いることのできるアクチュエータ中の連結筒の、第3図X−X線位置での端面図である。
【図5】この発明に係るバタフライ弁とアクチュエータの接続関係を示した平面図である。
【符号の説明】
A この発明のバタフライ弁
B アクチュエータ
1 弁板
2 弁棒
3 弁本体
4 流体通路
5 ピン
6 シートリング
7 シート押さえ
8 弁座面
9 中心軸
10、11 斜円錐を示す点線
12 斜円錐の頂点
13 筒状部
14 軸受け
15 ばね
16、18 パッキン
17 ランタンリング
19 パッキン押さえ
20、27 隙間
21 ボルト
22、23 フランジ
24 アクチュエータの駆動軸
25 連結筒
26 キー
28 溝
29 短管
100 平坦面
131 段差
141 小径部
142 大径部
143 段部
151 ばね受け
【産業上の利用分野】
この発明は、バタフライ弁に関するものであり、とくに特殊なバタフライ弁、すなわち高温高圧の流体を輸送するのに用いられる三重偏心バタフライ弁に関するものである。さらに云えば、この発明は、バタフライ弁において弁本体内で弁棒を支持している機構を改良し、筒状部からの流体漏れを無くするとともに、弁体の回動を円滑にし、且つ弁体が流体通路を確実に閉塞できるようにしたバタフライ弁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
バタフライ弁は、云うまでもなく公知である。バタフライ弁は、円板状の弁板に弁棒を固定し、弁板から突出した弁棒の両端を円管状の弁本体の管壁に貫通させて、弁本体内に弁板を回動可能に付設したものである。バタフライ弁は、弁板を回動させて、弁本体内に形成されている流体通路を閉塞又は開放させるのに用いられる。
【0003】
バタフライ弁では、弁棒の両端が弁本体の管壁を貫通しているために、弁棒の周りから弁本体内を通る流体を漏らさないようにすることが必要である。このために、弁本体には弁棒を回動可能に支持するための筒状部が形成されている。筒状部では、弁棒の回動を許しながら弁棒との間から流体が漏れないようにするために、弁棒の周りに種々のものが充填されている。
【0004】
特公昭61−24589号公報は、バタフライ弁において、流体の漏洩を防ぐために、弁本体の筒状部内で弁棒の周りにグランドパッキンを充填するとともに、グランドパッキンの間に平軸受けを介在させ、平軸受けに外部からグリースを供給するとともに、弁本体内へスチーム等のパージ流体を流すことを提案している。しかし、パージ流体を流すためには、筒状部と弁棒との間に相当の隙間を設ける必要があり、隙間を設けると、流体圧により弁体が変位し易くなり、このため弁体が流路を完全に閉塞できない事態を生じ易く、また弁体を円滑に回動できない、という問題を生じる。
【0005】
また、実公昭64−1584号公報は、玉形弁において弁本体の筒状部と弁棒との間に、アスベストパッキンとスペーサリングとを交互に重ねて配置し、こうして重ねて得られた積層体の中程に潤滑リングを介在させ、潤滑リングに外部から潤滑油を供給することを提案している。しかし、これだけでは、弁体を円滑に上下動させて、弁本体と弁体との間で流体漏れを完全に防ぐことができない、という問題がある。
【0006】
従来の技術に伴なう上述の問題点は、バタフライ弁に高温高圧の流体を流すときに一層顕著となる。すなわち、高温高圧の流体を流すときには、バタフライ弁として三重偏心弁を用いることが多いが、この場合とくに上述の問題点が顕著に現れる。
【0007】
ここで、三重偏心弁とは、バタフライ弁のうち、バタフライ弁の閉塞時に弁体が弁本体に密接するに至る弁座面を想定した場合、弁棒が弁座面を連ねる平面から外れたところに位置していて、いわゆる一次偏心をしたものであり、また弁棒が弁体の中心から外れて一方に片寄っていて、いわゆる二次偏心をしたものであり、さらに弁座面が1つの斜円錐面上にあって、その斜円錐は弁体の中心を通り、弁棒に垂直な平面で弁座面を切断した場合、弁本体の中心軸に平行に延びる弁座断面の延長線と、上記中心軸に対して斜めに延びる弁座断面の延長線との交点に頂点を持っている、いわゆる三次偏心をしている弁である。このような三次偏心をしたバタフライ弁は、バタフライ弁の中でも特殊なものであるから、まずその構造を図面に基づきさらに詳しく説明する。
【0008】
図1は、三重偏心をしたバタフライ弁の弁体の中心を通り、弁棒に垂直に切断した場合の断面図である。図1に示したバタフライ弁は円板状の弁板1に弁棒2をピン5によって固定して弁体とし、この弁体を弁本体3内に付設し、弁板1が弁棒2を中心として弁本体3内で回動可能としたものである。図1では示されていないが、弁棒2の両端は円管状の弁本体3の管壁を貫通している。弁本体3には弁棒が貫通するところに筒状部が設けられて、弁棒を気密に保持している。バタフライ弁は、弁板1を弁本体3内で回動させることにより、弁本体3内の流体通路4を開いたり閉じたりする。
【0009】
弁板1が流体通路4を閉じたとき、流体通路4が確実に閉ざされるようにするために、弁本体3にはシートリング6が付設されている。シートリング6は、リングの外側部分を弁本体3の中に埋設し、リングの内側部分を弁本体3から突出させた状態として、シート押さえ7により弁本体3に固定され、弁本体3の一部を構成している。こうして付設されたシートリング6は、内側の先端を弁板1の外周面に密接させて弁座面を形成することとなる。
【0010】
図1において、弁板1の外周面がシートリング6の先端に密接して形成される環状の密接面が、バタフライ弁の弁座面8である。弁座面8は、云いかえると、バタフライ弁の閉塞時に弁板1が弁本体3と密接するに至る面である。図1に示したバタフライ弁では、上述の弁座面8を基準とした場合、弁棒2が弁座面8を連ねる平面上になくて、この平面から距離Pだけ外れたところに位置している。従って、このバタフライ弁は一次偏心をしていることになる。
【0011】
また、図1に示したバタフライ弁では、弁棒2が弁板1の中心、云いかえると、弁本体3の中心軸9を通らず、弁板1の中心から外れたところに固定されている。すなわち、弁棒2は、弁本体3の中心軸9から距離Qだけ離れたところに位置している。このため、このバタフライ弁は二次偏心していることになる。
【0012】
さらに、図1に示したバタフライ弁では、切断面上に現れている弁座面8が、図の上部では弁本体3の中心軸9と平行な点線10に沿って延びているが、図の下部では中心軸9に対して斜めに向かう左上りの点線11に沿って延びている。図1に示したバタフライ弁では、弁座面8は、点線10と11との交点を頂点12とする斜円錐の面上にある。このように、図1に示したバタフライ弁では、弁座面8が、弁座面8を連ねる平面を基準として、弁棒2と反対側に頂点12を持つ1つの斜円錐面上にあり、従って、三次偏心をしていることになる。なお、円錐面の頂角は通常20度程度とすることが好ましい。
【0013】
上記のように、一次から三次までの偏心をしたバタフライ弁、すなわち三重偏心をした特殊なバタフライ弁は、一般に高温高圧の流体を制御するのに用いられる。三重偏心バタフライ弁では、高温高圧の流体を流すために、弁本体3と弁棒2との回転部から流体の漏洩を起こさないようにすることがとくに必要とされ、また弁板1が円滑に回動できるようにすることが必要とされる。その上に、三重偏心弁では弁座面が斜円錐面上にあるために、弁座面はこれを中心軸方向から見ると楕円形を呈しており、楕円の短軸方向に弁棒が延びている状態になっているので、このような弁座面に弁体を回動させて、弁本体内の流体通路を確実に閉塞することは困難とされている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、この発明は、上述のような高温高圧の流体を流す三重偏心のバタフライ弁において、バタフライ弁内を流れる流体が外部へ漏洩するのを防ぐとともに、弁体を円滑に回動させ、且つ弁本体内の流体通路を容易に確実に閉塞できるようにすることを目的とするものである。とくに、従来技術では流体漏れをなくするためには、筒状部内に付設したパッキン等にグリース、潤滑油等を補給することが必要とされたが、この補給は煩瑣であるから、この補給を省略することを目的とするものである。
【0015】
【課題解決のための手段】
この発明者は、高温高圧の流体を流す三重偏心のバタフライ弁において、流体漏れを起こすことなく弁体を円滑に回動させて、流体通路を確実に閉塞するためには、従来技術のように、弁棒を弁棒の延びる方向に全く移動させないこととするのでなく、弁の全閉時及び全閉からの開放開始時には弁棒をその延びる方向に沿って極めて僅かに移動可能とするのが有効であることを見出した。そのためには、弁棒を回動可能に保持するために弁本体に設けられている筒状部内に、新たに軸受けを設け、軸受けで弁棒を支持することとし、しかも軸受けを筒状部内に設けたばねにより付勢し、軸受けの先端を筒状部から突出させて、弁板外周の回動中心に位置する平坦面に接触させ、こうして弁板を2個の軸受けの間に挟んで、弁板を弁棒に沿って極めて僅かに、例えば数mm程度滑動可能とするのが有効であることを見出した。
【0016】
また、流体漏れをなくするために、例えば前述の特公昭61−24589及び実公昭64−1584の各公報が記載するように、従来はグリース、潤滑油等の補給が必要とされたが、上述の軸受けに潤滑性多孔体を使用することにより、潤滑油等の補給を省略できることを見出した。ここで云う潤滑性多孔体とは、例えば焼結金属に黒鉛のような潤滑剤を含有させたものである。この発明は、このような知見に基づいて完成されたものである。
【0017】
この発明は、バタフライ弁として前述の三重偏心バタフライ弁を用いることを必要としている。三重偏心バタフライ弁とは、弁板に弁棒を固定してなる弁体と、弁棒を軸として弁体を回動可能に収容している弁本体とからなるバタフライ弁のうち、弁板が弁本体の流体通路を閉塞した時、弁板外周が密接するに至る弁本体内面の弁座面を基準とした場合、弁棒が弁座面を連ねる平面から外れたところに位置するとともに、弁棒が弁板の中心からも外れたところに位置しており、さらに上記弁座面が1つの斜円錐面上に位置しているバタフライ弁である。この発明は、このような三重偏心バタフライ弁において、弁棒の両端を回動可能に収容するために弁本体に設けた2つの筒状部のそれぞれの内部で、弁棒の周りに弁本体の内側から順に軸受け、ばね、パッキン及びパッキン押さえを付設してパッキン押さえを筒状部に固定し、軸受けをばねにより付勢して軸受けの先端を筒状部から突出させて弁板の外周において弁板の回動中心に位置する平坦面に接触させ、こうして弁体を2個の軸受けの間に挟み、弁体の回動過程で軸受けをばねに抗して弁棒の延びる方向に僅かに移動可能とし、これによって弁体を弁棒の延びる方向に滑動できるようにしたことを特徴とする、バタフライ弁を提供するものである。
【0018】
また、この発明は、上述のバタフライ弁において用いられる軸受けの材料として潤滑性多孔体を用いることを特徴としている。潤滑性多孔体とは、一般にオイルレスベアリングとして販売されて商品を構成している材料である。すなわち、潤滑性多孔体とは金属又は合成樹脂からなる多孔体と、その多孔体の孔内に潤滑剤を含ませて作られたものである。この発明では、このような材料で軸受け全体を作ってもよいが、また軸受け中の弁棒に接する部分だけ、又はそれとともに軸受けの先端部分だけを潤滑性多孔体で作ることもできる。
【0019】
この発明を実施の一例につき図面に基づいて説明すると、次の通りである。図2は、この発明に係る三重偏心バタフライ弁にアクチュエータを直結した場合の縦断面図である。図3はこの発明に係るバタフライ弁に短管を介してアクチュエータを接続した場合の接続部の一部切欠縦断面図である。図4は、この発明で用いることのできるアクチュエータ中の連結筒の、第3図X−X線位置での端面図である。図5は、この発明に係るバタフライ弁にアクチュエータを付設する態様を示した平面図である。
【0020】
図2に示したバタフライ弁は、弁棒2が点線で区切られた弁座面8を連ねる平面から外れたところに位置して、弁板1にピン5によって固定されて一次偏心している。また、図2では現れていないが、図2に示したバタフライ弁は図1に示したバタフライ弁と同様に、弁棒2が弁本体3の中心軸9から外れたところに位置して二次偏心しており、さらに、弁座面8は斜円錐の面上にあって、斜円錐の中心は、中心軸9を通り紙面に垂直な平面上に位置しているが、中心軸9から外れたところに位置していて、三次偏心をしている。なお、図2に示したバタフライ弁ではシートリング6を簡略に表示したが、図2のシートリング6は図1のシートリング6と同様に作られている。
【0021】
図2に示したバタフライ弁では、弁本体3に2個の筒状部13が設けられ、各筒状部13内に弁棒2の端が収容され、弁棒2が回動可能に支持されている。筒状部13内では、弁棒2との間に内側から順に軸受け14、ばね15、グランドパッキン16、ランタンリング17、グランドパッキン18が充填され、その外端にパッキン押さえ19がボルト21により固定されている。
【0022】
そのうち、軸受け14は、小径部141と、大径部142とを備え、その間に段部143を備えている。軸受け14は、大径部142を筒状部13内に残し、小径部141を筒状部13から突出させている。また、軸受け14は、大径部142の端をばね15により押されて、小径部141が筒状部13から突出する方向に付勢されている。小径部141の先には弁板1の外周にあって、弁板1の回動中心に位置する平坦面100が存在するので、軸受け14はばねにより平坦面100に対して常に圧接されることになる。
【0023】
他方、弁本体側では筒状部13が、内側端に小径部141を通過させるだけの開口を備え、続いてその外側に大径部142を通過させるだけの孔を備えており、その間には段差131を備えて、軸受け14と嵌合している。小径部141を通過させるだけの開口は奥行が小さく、小径部141の軸方向の長さよりも小さくされている。このため、段差131は軸受け14の段部143との間に常に隙間20を形成している。従って、弁板1を挟んで両側に付設されている2つの軸受け14は弁板1を挟んだまま、常に上下に移動できることとなっている。
【0024】
軸受け14を押すためのばね15は、コイルばねであってもよいが、皿ばねであることが好ましい。ばね15は、隙間20が存在するために軸受け14を常に弁板1の平坦面100に向かって押しつけるとともに、前述のように弁板1を挟んだまま軸受け14が筒状部から出入り可能にしている。ばね15とグランドパッキン16との間には、ばね受け151を設けることが好ましい。
【0025】
この発明では上述のように、弁板1から突出する弁棒2をそれぞれ軸受け14によって回動可能に支持し、各軸受け14を弁本体3の筒状部13内で移動可能にし、弁板1を弁棒2の延びる方向へ移動可能としたので、閉弁時に弁板1を弁棒2の延びる方向へ滑動させて自動調心させることができる。このために弁座面が複雑な形状、例えば楕円形を呈していても、確実に弁座面を弁体により閉じることができる。
【0026】
グランドパッキン16と18は、石綿製の糸を特殊な潤滑油と黒鉛とで処理して、縄状にしたものを用いることができる。潤滑油としては耐熱性の潤滑油や耐酸性の潤滑油が用いられ、その含有量はパッキン重量の約30%とされている。パッキン16とパッキン18との間にランタンリングが介在している。ランタンリングは、外観上は指輪状のものであるが、幅方向の中央部分が外側からも内側からも窪ませられて肉薄になっている。その結果、ランタンリングは断面が恰も呂の字状の環体となっている。この肉薄となった窪み部分に潤滑剤が付与されていて、この潤滑剤がパッキン16と18とに補給される。また、薄肉の中央部分には環状方向の複数個所に貫通孔が設けられて、外側の窪みと内側の窪みとの間で、潤滑剤が移行できるようにされている。
【0027】
この発明では、ランタンリング17に付与された潤滑剤は、グランドパッキン16及び18を潤すだけでなく、グランドパッキン16に補給された潤滑剤はばね受け151からばね15に及んでこれらを潤滑する。また場合によっては、潤滑剤が軸受け14へ広がり、軸受け14の内面を潤滑するとともに、軸受け14の先端と弁板1の平坦面100へ供給されて圧接面を潤滑することもある。
【0028】
この発明では、軸受け14をオイルレスベアリングを構成するような潤滑性多孔体で作り、弁棒2を鋼で作ると云うように、軸受け14を構成する材料を、弁棒2が構成される材料よりも、硬度において差異があり硬度の低い剛体で構成することにより、軸受け14が弁棒2へ焼き付き固着するのを防止することができる。
【0029】
軸受け14を構成する潤滑性多孔体は、金属又は合成樹脂からなる多孔体と、その多孔体の孔内に含まれている潤滑剤とで構成されているものである。含まれている潤滑剤は液体のこともあるが、多くは固体である。この潤滑剤は、多孔体の内部までも一様に含まれていて、その含まれている量も多く、従って、多孔体表面が摩耗すると、元の表面と同じ組成の新しい表面が次々と現れて、長い期間にわたって変わりのない潤滑性を示す。従って、通常の使用期間内では外部から潤滑剤を補給する必要がない。
【0030】
この発明で用いる軸受け14は、その全体を潤滑性多孔体で作ることもできるが、その一部だけを潤滑性多孔体で作ることもできる。一部だけとするときは、弁軸2に接触する軸受け14の内面、又はそれとともに弁板1の平坦面100に接触する先端面に潤滑性多孔体を用いる。
【0031】
潤滑性多孔体を構成している多孔体としては、金属又は合成樹脂が用いられる。金属としては銅系、黄銅系、アルミ青銅系の金属を用いることができる。また、合成樹脂としては、ポリアセタール、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリ四弗化エチレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリウレタン、フエノール樹脂等を用いることができる。
【0032】
また、潤滑性多孔体を構成している潤滑剤としては、液体状の潤滑剤を用いることもできるが、好ましいのは固体状の潤滑剤である。好ましい固体状の潤滑剤は、黒鉛、二硫化モリブデン、金属石鹸等である。
【0033】
潤滑性多孔体で作られた軸受けは、通常オイルレスベアリングとして市販されている。この発明では、オイルレスベアリングという名称で販売されているものの中から、使用条件に適したものを選んで用いることができる。
【0034】
この発明ではバタフライ弁が三重偏心しているために、弁座面8は前述のように斜円錐形を呈し、従って中心軸方向から見ると、弁座面は楕円形となっている。このような形状の弁座面8を弁板1で密閉するには、弁板1を単純に回動させるだけでは足りず、弁板1を弁本体3に対して僅かに弁棒方向に移動させながら回動させなければならない。
【0035】
この発明では、流体通路内に位置する弁棒2の部分が軸受け14によって覆われているので、軸受け14が流体による弁棒2の撓みを防ぐこととなり、従って、弁板1は回動が容易となっている。しかも、軸受け14はばね15により押されて弁板1の平坦面100に圧接されているので、弁板1を回動させるときには、前述のように軸受け14が弁棒2の延びる方向に移動することにより、弁板1の位置を弁棒が延びる方向に沿って僅かに変えることができる。このために、弁板1が弁座面に接触し始めるときに、弁板1を弁棒2の延びる方向に滑動させて弁座面に密接させることができる。その移動距離は通常数mm以下である。このため弁座面8が前述のように楕円形の斜円錐面を形成しているにも拘らず、弁板1の外周面を弁本体3の弁座面8に確実に密接させることができる。また、逆に弁体が弁座面から離れようとするときも、同様に弁板を弁棒の延びる方向に僅かに移動させて、円滑に弁板を弁座面から離すことができる。それゆえ、この発明によれば三重偏心弁を容易に且つ確実に開閉することができる。
【0036】
この発明に係るバタフライ弁は、アクチュエータによって開閉される。この場合、この発明に係るバタフライ弁は、従来のバタフライ弁とは違って、とくにアクチュエータとの接続に注意をする必要がある。なぜならば、従来のバタフライ弁は、弁座面が流体の進行方向から見ると、ほぼ真円状を呈しているために、弁板を弁棒の周りに回動させるだけで弁を全閉にすることができたが、この発明に係るバタフライ弁は、前述のように、弁座面が流体の進行方向から見ると、楕円形を呈しているために、弁板を弁棒の周りに回動させただけでは弁を全閉にすることができず、全閉時には弁体を弁棒の延びる方向に滑動させなければならないからである。このために、この発明に係るバタフライ弁は、アクチュエータへの接続に際して、弁板が弁棒の延びる方向に滑動できるように配慮しなければならない。
【0037】
全閉時に弁板を弁棒の延びる方向に滑動できるようにした接続態様が、図3に示されている。図3において、符号22は第2図に示したこの発明に係るバタフライ弁Aの上端に位置するフランジを示している。フランジ22にはアクチュエータBのフランジ23が接続されるが、フランジ23は、アクチュエータBの下部に付設された短管29を介して、アクチュエータBに付設されている。フランジ22と23とが重ねられるとき、弁棒2はアクチュエータBの駆動軸24の下端にある連結筒25内に挿入され、連結筒25と弁棒2との間にはキー26が挿入されて、弁棒2は駆動軸25に接続される。そのあとで、フランジ22と23とはボルトで固定されてアクチュエータBはバタフライ弁Aに付設される。この点では、バタフライ弁Aは従来技術と同じようにアクチュエータに付設されることになる。
【0038】
図3に示したバタフライ弁AとアクチュエータBとの接続が従来技術と異なるのは、弁棒2と連結筒25との接続態様である。図3ではキー26によって弁棒2と連結筒25とが、弁棒2の周囲方向には互いに係止されているが、弁棒2の延びる方向には係止されないで、自由に滑動できるようにされている。この点で、この発明に係るバタフライ弁は従来のバタフライ弁と大きく異なっている。すなわち、弁棒2の先端と連結筒25内の空洞の奥底との間には、視認できる程の隙間27があり、また弁棒2の周囲面と連結筒の側面との間には、視認できないにしても互いに滑動できるだけの隙間が存在している。隙間27は、弁棒の延びる方向において弁棒直径の2分の1ないし3分の1の範囲内の大きさとする。
【0039】
これに対し従来技術では、弁棒2と連結筒25との間にキー26を介在させると、キー26が弁棒2と連結筒25との間を全体的に係止し、従って弁棒2と連結筒25との間で、周囲方向の回動も軸方向の移動をも許さないようにされた。従って、従来技術では隙間27の付設などは全く意識されなかった。このことは、従来のバタフライ弁では弁棒2を軸方向に移動させる必要がなく、むしろ、弁棒2は軸方向に移動してはならないものとされて来たことから考えて、当然のことである。
【0040】
図3では、弁棒2と連結筒25とを接続するのにキー26を使用した態様を示したが、キー26の使用は必ずしも必要とされない。例えば図4の(a)に示したように、連結筒25の内側に設けられた空洞の断面を正方形にするとともに、この孔内に挿入される弁棒を断面正方形にすることによって、キー26を使用しないで、接続することができる。また、図4の(b)に示したように連結筒25と弁棒とをセレーション接続することもできる。さらに、図4の(c)に示したようにスプライン接続することもできる。
【0041】
また、キー26を用いる場合にも、図4の(d)に示すように、連結筒25内にある空洞の壁面に周囲方向に等しい間隔をおいて複数個の溝28を掘り、溝28の何れにキーを位置させるかによって、バタフライ弁Aに対してアクチュエータBの長手方向の位置を変更できるようにすることが好ましい。とくに、図4の(d)に示すように周囲方向に90度の角度を隔てて溝28を設けると、図5の(a)ないし(d)に示したように、バタフライ弁Aに対しアクチュエータBの突出部が向く方向を変えることができるので、アクチュエータBの操作に便利なように、アクチュエータBを付設することができる。
【0042】
【発明の効果】
この発明によれば、三重偏心バタフライ弁において、弁棒を回動可能に収容するために弁本体に設けた2つの筒状体のそれぞれの内部で、弁棒の周りに弁本体の内側から順に軸受け、ばね、パッキン及びパッキン押さえを付設してパッキン押さえを筒状部に固定したので、パッキンが弁棒の周りから流体の漏洩を防ぐこととなり、また軸受けをばねにより付勢して軸受けの先端を筒状部から突出させて、弁板外周で弁板の回動中心に位置する平坦面に接触させることができ、これによって弁板を2個の軸受けの間に挟んで弁棒の延びる方向に移動させることが可能となる。従って、バタフライ弁が三重偏心をしていて、弁座面が流体の進行方向から見ると楕円形を呈していても、流体通路の閉塞時に弁板を弁棒の延びる方向に滑動させて、弁板外周を弁座面に密接させることができ、こうして確実に全閉状態にすることができる。また、同様にして逆に全閉状態から容易に弁板を弁座面から離して、弁を開放状態に容易にすることができる。
【0043】
また、軸受けの弁棒に接する部分、又は軸受けの先端部分を少なくとも潤滑性多孔体で構成することとしたから、筒状部の外から潤滑剤を供給しなくても、軸受けと弁棒又は弁板との間を潤滑することができ、従って長期にわたって弁体を円滑に回動させることができる。従来技術では、筒状部内のパッキン等を潤滑するために外から潤滑剤を供給する必要があり、潤滑剤を供給するためには、潤滑剤のタンクやポンプ等を含んだ大掛りな装置が必要とされたので、これに比べると潤滑剤を供給しなくて済むことは大きな利益である。
【0044】
また、弁棒に軸受けを付設し、軸受けの先端が弁板外周の弁板回動中心にある平坦面に圧接して弁棒を覆っているので、弁棒が弁本体内を流れる流体の圧力によって撓むのが少なくなり、従って弁棒の回動が容易である。
【0045】
また、パッキン押さえをボルトにより弁本体筒状部に固定したので、パッキン等は常に最初に充填した状態に維持されることとなり、従ってパッキン押さえの増し締めによるパッキン等の変動を押さえることができ、弁棒回動時のトルクの均一を計ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】三重偏心バタフライ弁を説明するための三重偏心バタフライ弁の横断面図である。
【図2】この発明に係る三重偏心バタフライ弁にアクチュエータを直結した場合の縦断面図である。
【図3】この発明に係るバタフライ弁に短管を介してアクチュエータを接続した場合の接続部の一部切欠縦断面図である。
【図4】この発明で用いることのできるアクチュエータ中の連結筒の、第3図X−X線位置での端面図である。
【図5】この発明に係るバタフライ弁とアクチュエータの接続関係を示した平面図である。
【符号の説明】
A この発明のバタフライ弁
B アクチュエータ
1 弁板
2 弁棒
3 弁本体
4 流体通路
5 ピン
6 シートリング
7 シート押さえ
8 弁座面
9 中心軸
10、11 斜円錐を示す点線
12 斜円錐の頂点
13 筒状部
14 軸受け
15 ばね
16、18 パッキン
17 ランタンリング
19 パッキン押さえ
20、27 隙間
21 ボルト
22、23 フランジ
24 アクチュエータの駆動軸
25 連結筒
26 キー
28 溝
29 短管
100 平坦面
131 段差
141 小径部
142 大径部
143 段部
151 ばね受け
Claims (10)
- 弁板に弁棒を固定してなる弁体と、弁棒を軸として弁体を回動可能に収容する弁本体とからなるバタフライ弁のうち、弁板が弁本体内の流体通路を閉塞した時、弁板外周が密接するに至る弁本体内面の弁座面を基準とした場合、弁棒が弁座面を連ねる平面から外れたところに位置するとともに、弁棒が弁板の中心からも外れたところに位置しており、さらに上記弁座面が1つの斜円錐の面上に位置している三重偏心のバタフライ弁において、弁棒の両端を回動可能に収容するために弁本体に設けた2つの筒状部のそれぞれの内部で、弁棒の周りに弁本体の内側から順に軸受け、ばね、パッキン及びパッキン押さえを付設してパッキン押さえを筒状部に固定し、軸受けをばねにより付勢して軸受けの先端を筒状部から突出させて弁板の外周において弁板の回動中心に位置する平坦面に接触させ、こうして弁板を2個の軸受けの間に挟み、弁体の回動過程で軸受けをばねに抗して弁棒の延びる方向に僅かに移動可能とし、これによって弁体を弁棒の延びる方向に滑動できるようにしたことを特徴とする、バタフライ弁。
- 軸受けの少なくとも弁棒に接する部分が、金属又は合成樹脂からなる多孔体と、その多孔体の孔内に潤滑剤を含ませて作られた潤滑性多孔体で構成されていることを特徴とする、請求項1に記載のバタフライ弁。
- 軸受けの少なくとも先端部分が、金属又は合成樹脂からなる多孔体と、その多孔体の孔内に潤滑剤を含ませて作られた潤滑性多孔体で構成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のバタフライ弁。
- 軸受けの全体が、金属又は合成樹脂からなる多孔体と、その多孔体の孔内に潤滑剤を含ませて作られた潤滑性多孔体で構成されていることを特徴とする、請求項1に記載のバタフライ弁。
- 金属又は合成樹脂からなる多孔体が、金属又は合成樹脂の粉末を焼結することによって作られたものであることを特徴とする、請求項1−4の何れか1つの項に記載のバタフライ弁。
- 潤滑剤が黒鉛、二硫化モリブデン又は金属石鹸のような固体のものであることを特徴とする、請求項1−5の何れか1つの項に記載のバタフライ弁。
- 金属が銅系、黄銅系又はアルミ青銅系金属であることを特徴とする、請求項1−6の何れか1つの項に記載のバタフライ弁。
- 合成樹脂がポリアセタール、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリ四弗化エチレン、ポリフェニレンサルファイド又はポリウレタンであることを特徴とする、請求項1−7の何れか1つの項に記載のバタフライ弁。
- 請求項1−8の何れかの項に記載のバタフライ弁にアクチュエータが付設され、バタフライ弁の弁棒の先端がアクチュエータ駆動軸に付設された連結筒内に挿入されており、弁棒と連結筒との間に、弁棒の回動する方向では互いに係止されているが、弁棒の延びる方向に滑動できる隙間が形成されていることを特徴とする、バタフライ弁。
- 連結筒内に挿入された弁棒が、その先端において連結筒の空洞の奥底との間に隙間を備えており、その隙間が弁棒の延びる方向において弁棒直径の2分の1ないし3分の1の範囲内であることを特徴とする、請求項9に記載のバタフライ弁。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002267801A JP2004108387A (ja) | 2002-09-13 | 2002-09-13 | バタフライ弁 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002267801A JP2004108387A (ja) | 2002-09-13 | 2002-09-13 | バタフライ弁 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004108387A true JP2004108387A (ja) | 2004-04-08 |
Family
ID=32266206
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002267801A Withdrawn JP2004108387A (ja) | 2002-09-13 | 2002-09-13 | バタフライ弁 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004108387A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017109845A (ja) * | 2015-12-17 | 2017-06-22 | 株式会社日立プラントメカニクス | セラ式空気輸送装置の逃気弁構造 |
CN109538803A (zh) * | 2019-01-28 | 2019-03-29 | 佛山市科皓燃烧设备制造有限公司 | 一种低泄漏量的高温蝶阀 |
CN110242754A (zh) * | 2019-07-10 | 2019-09-17 | 车碧怀 | 一种三偏心软密封蝶阀 |
-
2002
- 2002-09-13 JP JP2002267801A patent/JP2004108387A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017109845A (ja) * | 2015-12-17 | 2017-06-22 | 株式会社日立プラントメカニクス | セラ式空気輸送装置の逃気弁構造 |
CN109538803A (zh) * | 2019-01-28 | 2019-03-29 | 佛山市科皓燃烧设备制造有限公司 | 一种低泄漏量的高温蝶阀 |
CN110242754A (zh) * | 2019-07-10 | 2019-09-17 | 车碧怀 | 一种三偏心软密封蝶阀 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5580532B2 (ja) | メカニカルシール装置 | |
US4759530A (en) | Stem and disc seal construction for butterfly valves | |
US10520091B2 (en) | Double direction seal with locking | |
US6082707A (en) | Valve seat and method | |
JP5208764B2 (ja) | シール・カートリッジ制御弁 | |
US6655658B2 (en) | Plug valve assembly and fluid flow control method with improved low pressure sealing | |
JP2009030665A (ja) | ロータリジョイント | |
US20120211690A1 (en) | Ball Valves and Associated Methods | |
EP0232178B1 (en) | A fitting for use in a pressurised fluid line | |
US5950664A (en) | Valve with improved combination bearing support and seal | |
US20080283787A1 (en) | Ball Valve | |
EP0609610A1 (en) | High speed rotary joint | |
JP4743765B2 (ja) | ボールバルブ | |
US7661883B2 (en) | Sealing element for a rotatable part with a tractrix form | |
JP2005042845A (ja) | 三重偏心バタフライ弁 | |
JP2007278424A (ja) | ロータリジョイント | |
EP1887265B1 (en) | Mechanical seal device | |
JP2004108387A (ja) | バタフライ弁 | |
US20010032951A1 (en) | Ball valve stem seal arrangement | |
JP2004011790A (ja) | バタフライ弁 | |
JP6591456B2 (ja) | 拡張可能な連続リングを備える高圧回転シール継手 | |
US10969030B2 (en) | Bushing having a shaft seal | |
JP3440418B2 (ja) | 軸のシール装置 | |
RU2374540C1 (ru) | Шаровой кран системы овандер | |
US2263454A (en) | Fluid sealed valve |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A761 | Written withdrawal of application |
Effective date: 20051110 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 |