JP2005042176A - 成膜装置および成膜方法 - Google Patents

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正雄 丸中
Toshiya Doi
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Kiyoshi Takeuchi
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Koichi Sasagawa
孝市 笹川
Takahiko Kondo
隆彦 近藤
Kenichi Ogawa
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Abstract

【課題】 良好な膜質を実現しつつ成膜速度の向上を図ることが可能な成膜装置及び成膜方法を提供する。
【解決手段】 成膜装置のダクト4は、成膜室2及びプラズマ銃3に接続された主管4Aと、該主管4A及びアーク蒸発室1に接続された支管4Bとから構成される。アーク蒸発室1で発生した蒸発粒子は、プラズマ銃3において発生したアシスト用プラズマと、主管4Aと支管4Bとの接続部4Cにおいて合流する。そして、合流した蒸発粒子及びアシスト用プラズマが、基板6側に印加されたバイアス電圧により、成膜室2に向けて主管4A内を移動する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、蒸発源で膜形成材料を蒸発させて生成した蒸発粒子を用いて基板の表面に薄膜を形成する成膜装置及び成膜方法に関し、特に、蒸発源としてアーク蒸発源を用いた成膜に関する。
イオンプレーティング装置の一種として、アーク放電を用いて基板の表面に薄膜を形成する成膜装置がある。アーク放電が行われるアーク蒸発室は、陰極と陽極とを備える。成膜時には、この陰極と陽極との間でアーク放電を行って膜形成材料からなるターゲット(通常は陰極がターゲットに相当する)を蒸発させ、蒸発粒子を発生させる。この蒸発粒子は、主に、イオン化した膜形成材料粒子であるイオン化粒子(具体的には、陰極材料がイオン化して電荷を帯びたもの)と、電子と、膜形成材料の中性粒子と、膜形成材料細片等であるドロップレットとを含んでいる。ここでは、前記イオン化粒子と電子とを総称して荷電粒子と呼ぶ。この荷電粒子によってプラズマが形成され、荷電粒子のうちのイオン化粒子を、アーク蒸発室の下流に配設された成膜室において基板の表面に堆積させて薄膜を形成する(例えば特許文献1参照)。
アーク蒸発室で発生した前記蒸発粒子のうち、ドロップレットや中性粒子は副成生物であって、これら(例えば、サブミクロンから数十ミクロンサイズのドロップレット)が膜に混入すると、膜の表面が滑らかでなくなるとともに、膜厚が不均一となる。そこで、アーク蒸発室から得られた蒸発粒子に含まれる荷電粒子を副成生物たるドロップレット及び中性粒子から分離し、荷電粒子のみを成膜に用いる構成の装置がある。このような装置では、ドロップレットや中性粒子が膜に混入するのを防止することができる。
特開平7−150340号公報
しかしながら、上記の成膜装置を用いて成膜を行うと、成膜速度が小さいために、成膜に時間を要する。したがって、量産のためには、成膜速度を向上させる必要がある。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、良好な膜質を実現しつつ成膜速度の向上を図ることが可能な成膜装置及び成膜方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明に係る成膜装置及び成膜方法は、膜形成材料を蒸発させて蒸発粒子を発生させる蒸発部と、バイアス供給電極が内部に配置され、該バイアス供給電極に配置される基板の表面に前記蒸発粒子を堆積させて成膜が行われる成膜部と、アシスト用プラズマを発生させるアシスト用プラズマ発生部と、前記蒸発部、前記成膜部、及び前記アシスト用プラズマ発生部に接続され、前記蒸発粒子と前記アシスト用プラズマとを合流させて前記成膜部に導く輸送手段とを備え、前記バイアス供給電極に印加されたバイアス電圧により前記蒸発粒子及び前記アシスト用プラズマが前記輸送手段を介して前記成膜部に供給され、前記輸送手段において、合流した前記アシスト用プラズマにより、前記蒸発粒子が励起されるとともに、前記アシスト用プラズマの前記成膜部への移動により前記蒸発粒子の前記成膜部への移動が促進されるものである。
かかる構成によれば、アシスト用プラズマにより蒸発粒子が励起されるため、成膜に利用される粒子の割合を増加させることが可能となる。また、アシスト用プラズマによって蒸発粒子の成膜部への移動が促進されるため、成膜に利用される粒子の成膜部への供給効率を向上させることが可能となる。したがって、成膜速度の向上を図ることが可能となる。
前記蒸発部は、アーク放電により前記蒸発粒子を発生させるアーク蒸発源を備え、前記アーク蒸発源で発生した前記蒸発粒子は、イオン化した前記膜形成材料であるイオン化粒子と、ドロップレットとを少なくとも含み、前記ドロップレットが、前記輸送手段において前記アシスト用プラズマにより励起されてイオン化粒子となってもよい。
前記アシスト用プラズマ発生部が、プラズマ銃であってもよい。
前記輸送手段は、下流側端部が前記成膜部に接続され内部に前記蒸発粒子と前記アシスト用プラズマとの合流流路が形成される主管と、下流側端部が前記主管に接続され前記主管と交差する支管と、を有する輸送管を備え、前記主管の上流側端部が前記アシスト用プラズマ発生部に接続されるとともに、前記支管の上流側端部が前記アーク蒸発部に接続された構成であってもよい。また、前記輸送手段は、下流側端部が前記成膜部に接続され前記蒸発粒子と前記アシスト用プラズマとの合流流路が形成される主管と、前記主管に下流側端部が接続され前記主管と交差する第1及び第2の支管と、を有する輸送管を備え、前記第1の支管の上流側端部が前記アシスト用プラズマ発生部に接続されるとともに、前記第2の支管の上流側端部が前記アーク蒸発部に接続された構成であってもよい。
複数の前記蒸発部が設けられてもよい。また、前記成膜部に供給された前記蒸発粒子を収束させて蒸発粒子流束を形成する蒸発粒子収束手段と、前記蒸発粒子流束の照射部に前記基板を連続して供給するための基板搬送手段と、をさらに備えてもよい。
本発明の成膜装置及び成膜方法によれば、アシスト用プラズマにより蒸発粒子を励起させることが可能となるため、成膜に有効に利用される粒子の割合を増加させることが可能となる。また、輸送手段を介して蒸発粒子を成膜部へ輸送する際に、蒸発粒子がアシスト用プラズマとともに成膜部へ移動するため、アシスト用プラズマにより、蒸発粒子の移動が後押し(アシスト)される。このため、該蒸発粒子の成膜部への輸送効率が向上する。例えば、アーク蒸発源を用いて蒸発粒子を発生させた場合、蒸発粒子中にはドロップレットが含まれるが、本発明の構成によれば、このドロップレットをアシスト用プラズマによって励起しイオン化粒子とすることができる。また、アシスト用プラズマの成膜部への移動により、イオン化粒子の成膜部への移動がアシストされる。したがって、本発明の成膜装置及び成膜方法によれば、イオン化粒子の割合を増加させるとともに、イオン化粒子の成膜部への供給効率を向上させることが可能となり、その結果、ドロップレットの混入を防止して良好な膜質を実現しつつ、成膜速度の向上を図ることが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態の構成に限定されるものではなく、種々の設計変更が可能であることは勿論である。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1に係る成膜装置の構成を示す模式図である。
図1に示すように、成膜装置は、アーク蒸発室1と、成膜室2と、プラズマ銃3と、ダクト4とを主な構成要素として含んでいる。ダクト4は、アーク蒸発室1、成膜室2及びプラズマ銃3にそれぞれ接続されており、それにより、これらの主たる構成要素1,2,3がダクト4を介して連通している。この連通した内部において真空状態を実現できるように、装置が組み立てられている。また、ここでは図示を省略しているが、成膜装置は、装置内部の排気を行う真空ポンプ等の排気手段を備えている。
アーク蒸発室1は、内部に陰極1Aと陽極1Bとを備え、陰極1A及び陽極1Bによってアーク蒸発源が構成されている。アーク蒸発源は、アーク電源(図示せず)に接続されている。また、アーク蒸発室1の側壁には、蒸発粒子を取り出すための蒸発粒子出口10が形成されている。
陰極1Aは膜形成材料から構成されており、よって、ここでは陰極1Aがターゲットに相当する。なお、陰極1Aの表面に膜形成材料からなるターゲットを別に配設することも可能である。ターゲットたる陰極1Aの構成材料は、導電性を有する固体なら特に限定されず、金属単体、合金、無機単体、無機化合物等が用いられる。これらは単独で用いられてもよく、2種以上混合して用いてもよい。また、アーク蒸発室1には、一対の陽極1Bが対向配置されている。陽極1Bの構成材料は、陰極1Aが高い耐熱性を有するとともに導電性を有する固体ならば特に限定されず、金属単体、合金、無機単体、無機化合物等が用いられる。これらは単独で用いられてもよく、2種以上混合して用いてもよい。
ここで、以下の説明においては、アーク蒸発室1における陰極構成材料の蒸発によって得られる粒子を、蒸発粒子と呼ぶ。この蒸発粒子は、主に、イオン化した陰極構成材料であるイオン化粒子と、電子と、陰極構成材料の中性粒子と、陰極構成材料が細片状になったものや液状となったもの(以下、これをドロップレットと呼ぶ)とを含んでいる。ここでは、従来技術において前述したように、電荷を帯びているイオン化粒子及び電子をまとめて荷電粒子と呼ぶ。この荷電粒子はプラズマを形成する。また、このようにアーク放電により発生するイオン化粒子を、ここでは第1のイオン化粒子と呼び、ドロップレットのプラズマ励起によって発生する後述のイオン化粒子(以下、これを第2のイオン化粒子と呼ぶ)と区別する。

成膜室2の内部には、導電性材料からなる基板ホルダ5が配置されており、基板ホルダ5によって、成膜対象たる基板6が支持される。基板ホルダ5は、外部に配置されたイオン集積電源20に電気的に接続されており、イオン集積電源20は、接地されている。イオン集積電源20は、直流(DC)電源であってもよく、高周波(RF)電源であってもよく、また、これらを組み合わせたものであってもよい。また、基板ホルダ5は、例えば、モータ(図示せず)によって回転駆動されるように構成されていてもよい。成膜室2の上壁には、イオン化粒子入口11が形成されている。基板6は、このイオン化粒子入口11に成膜面が対向するように配置されている。
ここでは詳細な図示を省略しているが、プラズマ銃3は、プラズマ発生用の電極等を内部に備えた従来の構成を有しており、プラズマ源として、例えばアルゴンガスがプラズマ銃3に供給される。プラズマ銃3で発生したプラズマは、プラズマ出口12から取り出される。取り出されたこのプラズマは、後述するように、アーク蒸発室1で発生した蒸発粒子の励起、及び、該粒子の成膜室2への輸送のアシストに利用される。したがって、ここでは、プラズマ銃3で発生したプラズマを、アシスト用プラズマと呼ぶ。
蒸発粒子及びアシスト用プラズマの輸送手段たるダクト4は、一端が成膜室2のイオン化粒子入口11に接続されるともに他端がプラズマ銃3のプラズマ出口12に接続されて鉛直方向に配置された主管4Aと、この主管4Aに直交するように水平方向に配置された支管4Bとから構成される。支管4Bの一端は、アーク蒸発室1の蒸発粒子出口10に接続され、他端は、主管4Aに接続されている。このような主管4Aと支管4Bとにより、屈曲形状を有する蒸発粒子の輸送経路が形成される。
また、蒸発粒子及びアシスト用プラズマの輸送手段として、蒸発粒子及び/又はアシスト用プラズマを誘導する誘導手段が、適宜設けられてもよい。例えば、プラズマ銃3で発生したアシスト用プラズマを主管4A内に導くためのプラズマ誘導手段や、アーク蒸発室1で発生した蒸発粒子を支管4B内に導くための蒸発粒子誘導手段、また、成膜に利用されるイオン化粒子及びアシスト用プラズマを成膜室2に導くための誘導手段等が設けられてもよい。これらの誘導手段としては、例えば、誘導磁界を発生させる磁界発生装置等を用てもよい。例えば、磁界発生装置としてコイルからなるリング状の電磁石を用い、主管4A及び支管4Bの所定位置に管の外周を取り囲むようにこの電磁石が配置されてもよい。磁界発生装置によって発生する磁界は、カスプ磁場であってもミラー磁場であってもよい。磁界発生装置により磁界を発生させると、アシスト用プラズマ中の電子及び蒸発粒子中の電子がこの磁界に捕らえられ、続いて、この捕らえられた電子に引かれて、アシスト用プラズマ中のイオン化粒子及び蒸発粒子中のイオン化粒子が移動する。このように、磁界を用いて粒子の誘導が行われる。
次に、成膜装置の成膜動作について説明する。
成膜時には、まず、排気手段(図示せず)によって装置内の排気を行い、内部を所定の真空度に保つ。そして、イオン集積電源20から基板ホルダ5にバイアス電圧を与えるとともに、以下のように、アーク蒸発室1においてアーク放電により蒸発粒子を生成させ、また、プラズマ銃3においてアシスト用プラズマを発生させる。
すなわち、アーク蒸発室1の陰極1A及び陽極1B間でアーク放電が行われ、それにより、陰極1Aの構成材料が蒸発して蒸発粒子が生じる。前述のように、蒸発粒子は、荷電粒子(イオン化粒子及び電子)と、ドロップレット及び中性粒子とを含んでいる。このようにして生成された蒸発粒子は、アーク蒸発室1の蒸発粒子出口10からダクト4の支管4B内に入り、管内を管壁に沿って水平方向に移動して主管4Aとの接続部4Cに達する。
一方、プラズマ銃3では、プラズマ源であるアルゴンガスが供給されるとともに、プラズマ発生用電極間において放電が行われ、それにより、アルゴンガスがプラズマ状態となる。このようにして発生したプラズマ、すなわちアシスト用プラズマが、プラズマ銃3のプラズマ出口12からダクト4の主管4A内に入り、管内を管壁に沿って下向きに移動し、支管4Bとの接続部4Cに達する。
支管4B内を移動し接続部4Cに達した蒸発粒子は、主管4Aに導入され、それにより、アシスト用プラズマと合流する。ここで、主管4Aに導入された蒸発粒子のうち、第1のイオン化粒子は、基板ホルダ6に与えられたバイアス電圧に誘導され、ダクト4の屈曲形状に沿って移動方向を90°偏向して主管4A内を下向きに移動する。一方、蒸発粒子中のドロップレットは、電荷を帯びていないので、そのままの状態では第1のイオン化粒子のようにバイアス電圧によって誘導されることはない。しかしながら、ここでは、合流したアシスト用プラズマによってドロップレットが励起されてイオン化するため、ドロップレットから第2のイオン化粒子が生成される。なお、このドロップレット由来の第2のイオン化粒子は、陰極構成材料がイオン化したものであり、アーク放電由来の第1のイオン化粒子と同質である。このようにして生成した第2のイオン化粒子は、第1のイオン化粒子と同様、前述のようにバイアス電圧に誘導され、第1のイオン化粒子とともに成膜室2へ向かって移動する。
上記のようにして主管4Aを成膜室2に向けて第1及び第2のイオン化粒子が移動するのと同時に、アシスト用プラズマ(具体的には、プラズマを構成するアルゴンイオン)が、基板ホルダ5に与えられた前記バイアス電圧に誘導されて、成膜室2に向けて主管4A内を下向きに移動する。このため、このアシスト用プラズマの移動により、第1及び第2のイオン化粒子の移動が後押し(アシスト)され、その結果、第1及び第2のイオン化粒子の成膜室2への移動が促進される。
なお、蒸発粒子中の中性粒子は、電荷を帯びていないのでバイアス電圧によって誘導されることはなく、よって、移動方向を偏向せずに直進して主管4Aの内壁に衝突する。それにより、イオン化粒子から中性粒子を除去することが可能となる。また、蒸発粒子中の電子、及び、ドロップレットのイオン化により生じた電子、ならびアシスト用プラズマを構成する電子は、ダクト内に分散した状態である。ここで、前述のようにアシスト用プラズマ及びイオン化粒子の誘導手段たる磁界発生装置を設けた場合には、これらの電子が磁界に引かれて移動し、前記誘導が行われる。
主管4A内を移動してきた第1及び第2のイオン化粒子は、蒸発粒子入口11を通じて成膜室2内に供給される。そして、この第1及び第2のイオン化粒子は、バイアス電圧によって加速されて成膜室2内に配置された基板6の成膜面に衝突・付着する。それにより、基板6の成膜面に、陰極構成材料からなる膜が形成される。一方、アシスト用プラズマ(アルゴンイオン)は、成膜室2内に分散している。
以上のように、本実施の形態では、従来は副生成物として除去していたドロップレットを、アシスト用プラズマによって、成膜に利用可能なイオン化粒子とすることができる。このため、成膜に利用可能な粒子の割合を増加させることが可能となる。この場合、ドロップレットから形成された第2のイオン化粒子は、アーク放電由来の第1のイオン化粒子と同質であるため、このようにして成膜された膜では、良好な膜質が実現される。また、第1及び第2のイオン化粒子の成膜室2への移動が、成膜室2へ向かうアシスト用プラズマの移動によってアシストされるため、第1及び第2のイオン化粒子の成膜室2への供給効率の向上が図られる。したがって、この成膜装置では、良好な膜質を実現しつつ、成膜速度の向上を図ることが可能となる。
本実施の形態の変形例として、支管4Bの接続部と対向する主管4Aの内壁部分に、副成物捕集部が設けられた構成であってもよい。例えば、副成物捕集部は、脱着自在に形成された捕集部材から構成されてもよい。この場合、イオン化されなかったドロップレットや中性粒子が、この捕集部材に捕集される。そして、この捕集部材を交換又は清掃することにより、副成物を除去することが可能となる。
また、本実施の形態の他の変形例として、基板ホルダ5の背面に、電磁石又は永久磁石を配置し、基板6の周囲にイオン化粒子の誘導磁界を発生させてもよい。この場合、誘導磁界によってイオン化粒子の基板への堆積が促進されるので、成膜速度の向上がさらに図られる。
(実施の形態2)
図2は、本発明の実施の形態2に係る成膜装置の構成を示す模式図である。図2に示すように、本実施の形態の成膜装置は、実施の形態1の装置と同様の構成を有するが、複数のアーク蒸発室1が設けられた点が実施の形態1とは異なっている。
すなわち、本実施の形態の成膜装置では、主管4Aを挟んで水平方向に対向して2つのアーク蒸発室1が設けられており、各アーク蒸発室1は、ダクト4の支管4Bを通じて主管4Aに接続されている。
かかる構成においては、各アーク蒸発室1で発生した蒸発粒子が、各支管4B内を管壁に沿って水平方向に移動し、主管4Aとの接続部4Cに達する。この接続部4Cにおいて、各アーク蒸発室1由来の蒸発粒子が合流するとともに、プラズマ銃3で発生したアシスト用プラズマがこれらの蒸発粒子と合流する。そして、蒸発粒子に対して、アシスト用プラズマが、実施の形態1で前述した作用を示す。したがって、本実施の形態においても、実施の形態1において前述した効果と同様の効果が得られる。さらに、ここでは、複数のアーク蒸発室1が配置されていることから、より多くのイオン化粒子を発生させることが可能であり、その結果、成膜速度の向上をさらに図ることが可能となる。
なお、本実施の形態においては2つのアーク蒸発室1が水平方向に対向して配置される場合について説明したが、アーク蒸発室1の配置数や配置位置はこれに限定されるものではない。
(実施の形態3)
図3は、本発明の実施の形態3に係る成膜装置の構成を示す模式図である。図3に示すように、本実施の形態の成膜装置は、実施の形態1と同様の構成を有するが、アーク蒸発室1とプラズマ銃3との配置が実施の形態1とは異なっている。
すなわち、本実施の形態の装置では、アーク蒸発室1とプラズマ銃3とが主管4Aを挟んで対向配置されている。プラズマ銃3は支管4B−1を介して主管4Aに接続され、アーク蒸発室1は支管4B−2を介して主管4Aに接続され、支管4B−1と支管4A−2とは同じ高さに配置されている。また、主管4Aの外周部には、プラズマ銃3で発生したアシスト用プラズマを、主管4Aを通じて成膜室2へ導くための誘導手段21が設けられている。このような誘導手段21としては、例えば、磁界発生装置等が用いられ、ここでは実施の形態1で前述した電磁石が用いられている。
かかる構成においては、アーク蒸発室1で発生した蒸発粒子が支管4A−2内を移動して接続部4Cに達し、プラズマ銃3で発生したアシスト用プラズマが支管4B−1内を移動して接続部4Cに達する。このアシスト用プラズマの移動の際、アシスト用プラズマは、誘導手段たる磁界発生装置21により発生した磁界によって誘導される。詳細には、アシスト用プラズマ中の電子が、磁界発生装置21により発生した磁界に捕らえられ、続いてこの電子に引かれて該プラズマ中のイオン化粒子(アルゴンイオン)が移動する。このようにして、磁界発生装置21により、アシスト用プラズマを誘導することが可能となる。
接続部4Cにおいてアシスト用プラズマと合流した蒸発粒子は、実施の形態1において前述したアシスト用プラズマの作用を受ける。したがって、本実施の形態においても、実施の形態1において前述した効果と同様の効果が得られる。
(実施の形態4)
図4は、本発明の実施の形態4に係る成膜装置の構成を示す模式図である。図4に示すように、本実施の形態の成膜装置は、実施の形態1と同様の構成を有するが、イオン化粒子を収束させてビーム状のイオン化粒子流束を形成するイオン化粒子収束手段22と、このイオン化粒子流束の照射領域に連続して基板を供給するための基板搬送構造15とがさらに設けられた点が、実施の形態1とは異なっている。
ここでは、成膜室2の内部に、イオン化粒子収束手段22として、磁界発生装置が配置されている。磁界発生装置22は、電磁石及び永久磁石のいずれであってもよいが、ここでは電磁石が用いられている。この磁界発生装置22によって発生する磁界は、ミラー磁場及びカスプ磁場のいずれであってもよい。
基板搬送構造15は、巻回されたフィルム状の連続基板6’を複数のロールによって搬送するロールコータ式である。具体的には、基板搬送構造15は、連続基板6’を送り出すように回転する巻き出しロール15Aと、巻き出しロール15Aから送り出された連続基板6’をキャンロール15Cに導く回転自在な送り側ガイドロール15Bと、イオン化粒子流束の照射領域と対向配置され、基板表面(成膜面)が該照射領域と対向するように裏面から連続基板6’を支持する、回転自在なキャンロール15Cと、キャンロール15Cを挟んで送り側ガイドロール15Bと水平方向で対向し、キャンロール15Cを通過した連続基板6’を巻き取りロール15Eに導く回転自在な巻き取り側ガイドロール15Dと、キャンロール15Cを挟んで巻き出しロール15Aと水平方向で対向し、連続基板6’を巻き取るように回転する巻き取りロール15Eとから構成されている。
巻き出しロール15Aと巻き取りロール15Eとは同一形状を有し、送り側ガイドロール15Bと巻き取り側ガイドロール15Dとは同一形状を有する。巻き出しロール15A及び巻き取りロール15Eは、図示しない回転駆動装置に接続されており、この回転駆動装置の制御によって、巻き出しロール15A及び巻き取りロール15Eの回転が制御される。それにより、連続基板6’の搬送速度や張力が調整される。送り側及び巻き取り側ガイドロール15B,15Dとキャンロール15Cとは、連続基板6’の搬送動作に応じて回転する。キャンロール15Cは、導電性部材から構成され、イオン集積電源20に接続されている。そして、キャンロール15Cの内部には、基板冷却のためのクーリングコイル(図示せず)が配置されている。これらの各ロール15A〜15Eは、両端部が、例えば支持構造によって成膜室2の側壁に支持され、各ロール15A〜15Eの中心軸(回転軸)が水平となるように配置されている。
成膜時には、まず、連続基板6’を巻き出しロール15Aに配置するとともに、この連続基板6’を、送り側ガイドロール15B、キャンロール15C、及び巻き取り側ガイドロール15Dを経て巻き取りロール15Eに張架する。続いて、排気手段(図示せず)により排気を行い、装置内を所定の真空度とする。
続いて、巻き出しロール15Aと巻き取りロール15Eとを回転させ、巻き出しロール15A側から巻き取りロール15E側に連続的に連続基板6’を搬送する。それにより、磁界発生装置22によって形成されたイオン化粒子流束の照射領域に、連続基板6’が連続的に供給されて連続成膜が行われる。
ここで、上記のような基板搬送構造15を用いて連続成膜を行う構成は、成膜速度が高くないと適用が困難であるが、本実施の形態の成膜装置では、実施の形態1において前述したように、アシスト用プラズマの作用によって成膜速度の向上が図られているため、かかる構成を有効に適用することができる。そして、このように連続成膜が可能となることから、この成膜装置では、生産効率の向上が効果的に図られ量産性に優れた成膜が実現可能となる。また、特に、このように収束させたイオン化粒子を用いて成膜を行うと、イオン密度の高い部分を利用して成膜を行うことが可能であるため、膜質の良好な膜が得られる。
本実施の形態の変形例として、連続基板6’のイオン化粒子流束の照射領域周辺に磁界を発生させる構成であってもよい。例えば、キャンロール15Cの内部に永久磁石又は電磁石が配置され、それにより、連続基板6’の該照射領域周辺に磁界を発生させてもよい。この場合、発生させた磁界によって、イオン化粒子の基板成膜面への堆積を促進することができるため、成膜速度の向上が図られる。
なお、上記の実施の形態1〜4においては、アーク蒸発源を用いて成膜材料を蒸発させる場合について説明したが、本発明に適用可能な蒸発源は、アーク蒸発源に限定されるものではない。例えば、スパッタ蒸発源等を用いてもよい。
また、上記の実施の形態1〜4においては、成膜時に装置内を真空状態とする場合について説明したが、例えば、窒素、酸素、アルゴン、水素等のガスを供給しながら成膜を行ってもよい。この場合、これらのガスを供給するガス供給手段が設けられる。
また、上記の実施の形態1〜3の変形例として、成膜室2内に供給されたイオン化粒子を拡散させる拡散手段がさらに設けられた構成であってもよい。拡散手段としては、例えば、磁界発生装置等が用いられる。この場合、拡散手段によってイオン化粒子の分布状態を広げることによって、広範囲の成膜が可能となり、また、膜厚の均一化を図ることが可能となる。
本発明に係る成膜装置及び成膜方法は、膜形成材料を蒸発させて成膜を行う種々の成膜に適用可能であり、例えば、反射膜等の光学膜(TiO2膜等)や、半導体デバイスの配線膜等の成膜に適用可能である。特に、成膜面積の大きな基板への成膜が要求される場合や、量産性に優れた成膜が要求される場合に有効である。
本発明の実施の形態1に係る成膜装置の構成を示す模式図である。 本発明の実施の形態2に係る成膜装置の構成を示す模式図である。 本発明の実施の形態3に係る成膜装置の構成を示す模式図である。 本発明の実施の形態4に係る成膜装置の構成を示す模式図である。
符号の説明
1 アーク蒸発室
2 成膜室
3 プラズマ銃
4 ダクト
4A主管
4B支管
5 基板ホルダ
6 基板
15基板搬送構造
20イオン集積電源

Claims (8)

  1. 膜形成材料を蒸発させて蒸発粒子を発生させる蒸発部と、
    バイアス供給電極が内部に配置され、該バイアス供給電極に配置される基板の表面に前記蒸発粒子を堆積させて成膜が行われる成膜部と、
    アシスト用プラズマを発生させるアシスト用プラズマ発生部と、
    前記蒸発部、前記成膜部、及び前記アシスト用プラズマ発生部に接続され、前記蒸発粒子と前記アシスト用プラズマとを合流させて前記成膜部に導く輸送手段とを備え、
    前記バイアス供給電極に印加されたバイアス電圧により前記蒸発粒子及び前記アシスト用プラズマが前記輸送手段を介して前記成膜部に供給され、
    前記輸送手段において、合流した前記アシスト用プラズマにより、前記蒸発粒子が励起されるとともに、前記アシスト用プラズマの前記成膜部への移動により前記蒸発粒子の前記成膜部への移動が促進されたことを特徴とする成膜装置。
  2. 前記蒸発部は、アーク放電により前記蒸発粒子を発生させるアーク蒸発源を備え、
    前記アーク蒸発源で発生した前記蒸発粒子は、イオン化した前記膜形成材料であるイオン化粒子と、ドロップレットとを少なくとも含み、
    前記ドロップレットが、前記輸送手段において前記アシスト用プラズマにより励起されてイオン化粒子となる請求項1記載の成膜装置。
  3. 前記アシスト用プラズマ発生部が、プラズマ銃を備えた請求項1又は2記載の成膜装置。
  4. 前記輸送手段は、下流側端部が前記成膜部に接続され内部に前記蒸発粒子と前記アシスト用プラズマとの合流流路が形成される主管と、下流側端部が前記主管に接続され前記主管と交差する支管と、を有する輸送管を備え、
    前記主管の上流側端部が前記アシスト用プラズマ発生部に接続されるとともに、前記支管の上流側端部が前記アーク蒸発部に接続された請求項1〜3のいずれかに記載の成膜装置。
  5. 前記輸送手段は、下流側端部が前記成膜部に接続され前記蒸発粒子と前記アシスト用プラズマとの合流流路が形成される主管と、前記主管に下流側端部が接続され前記主管と交差する第1及び第2の支管と、を有する輸送管を備え、
    前記第1の支管の上流側端部が前記アシスト用プラズマ発生部に接続されるとともに、前記第2の支管の上流側端部が前記アーク蒸発部に接続された請求項1〜3のいずれかに記載の成膜装置。
  6. 複数の前記蒸発部が設けられた請求項1〜5のいずれかに記載の成膜装置。
  7. 前記成膜部に供給された前記蒸発粒子を収束させて蒸発粒子流束を形成する蒸発粒子収束手段と、
    前記蒸発粒子流束の照射部に前記基板を連続して供給するための基板搬送手段と、をさらに備えた請求項1〜6のいずれかに記載の成膜装置。
  8. 蒸発部において膜形成材料を蒸発させて蒸発粒子を発生させる工程と、
    アシスト用プラズマ発生部においてアシスト用プラズマを発生させる工程と、
    成膜部の内部に配置されたバイアス供給電極にバイアス電圧を印加することにより、前記蒸発粒子と前記アシスト用プラズマとを輸送管内で移動させこれらを合流させて前記成膜部に導く輸送工程と、
    前記輸送工程を経て前記成膜部に供給された前記蒸発粒子を、前記バイアス供給電極に配置した基板に堆積させて成膜を行う工程とを備え、
    前記輸送工程において、合流した前記アシスト用プラズマにより前記蒸発粒子が励起されるとともに、前記アシスト用プラズマの前記成膜部への移動により前記蒸発粒子の前記成膜部への移動が促進されることを特徴とする成膜方法。
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