JP2005041812A - 細胞賦活剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 紫外線や加齢によって生じる細胞の機能低下は、しわ,しみ,たるみ,肌の色のくすみ,薄毛等の皮膚の老化症状として外観に現れる。このような皮膚の老化症状を本質的に予防・改善するためには、細胞賦活作用によって細胞の機能低下を改善することが有効であると考えられた。そこで、本発明においては、細胞賦活作用を有する有効成分を見出し、細胞賦活剤として提供することを目的とした。
【解決手段】 優れた細胞賦活作用を有するサフランの雌しべより得られる抽出物を細胞賦活剤として用いる。この細胞賦活剤は、特に真皮線維芽細胞と毛乳頭細胞に対する賦活作用を有する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、細胞賦活剤に関する。さらに詳しくは、サフランの雌しべより得られる抽出物を有効成分とする細胞賦活剤、特に真皮線維芽細胞賦活剤と毛乳頭細胞賦活剤に関する。
加齢などによる皮膚細胞の機能低下は、コラーゲンやエラスチン等の真皮マトリックスの減少や変性を惹き起こし、シワや皮膚の弾性低下といった老化症状の重要な要因となっている。これまで係る細胞の機能低下による老化症状を防止・改善するために、様々な細胞賦活剤の配合検討がなされてきた。細胞賦活剤としては、ポンカンのエッセンス(特許文献1参照)、ツリガネニンジン属,クサギ及びそれらの抽出物(特許文献2参照)、有機溶媒によるクロレラ抽出物(特許文献3参照)が知られている。
一方、本発明に係るサフランは、アヤメ科クロッカス属の植物であり、この雌しべを乾燥させたものが、香辛料として使用されており、鎮痛,鎮静,健胃などの効果を有する薬用植物として知られている。また、保湿作用(特許文献4参照),酸化防止作用(特許文献5参照),脳機能改善作用(特許文献6参照),末梢血流改善作用(特許文献7参照),チロシナーゼ活性促進作用(特許文献8参照),耐日焼け作用(特許文献9参照)についても開示されている。しかし、これらの先行技術において、サフランの雌しべより得られる抽出物の細胞賦活剤としての利用に関する記載は認められない。
特開2001−131045号公報 特開2000−178198号公報 特開平11−335293号公報 特開平4−305519号公報 特開平7−61906号公報 特開平7−69908号公報 特開平10−287576号公報 特開平11−79950号公報 特開平11−349468号公報
紫外線や加齢によって生じる細胞の機能低下は、しわ,しみ,たるみ,肌の色のくすみ,薄毛等の皮膚の老化症状として外観に現れる。このような皮膚の老化症状を本質的に予防・改善するためには、細胞賦活作用によって細胞の機能低下を改善することが有効であると考えられた。そこで、本発明においては、細胞賦活作用を有する有効成分を見出し、細胞賦活剤として提供することを目的とした。
前記課題を解決するために細胞賦活作用に基づき研究を重ねた結果、サフランの雌しべより得られる抽出物が優れた細胞賦活作用を有することを見出し、さらに検討を加え、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、サフランの雌しべより得られる抽出物を有効成分とする細胞賦活剤に関するものである。
本発明は、サフランの雌しべより得られる抽出物を有効成分とする細胞賦活剤に関するものであり、本発明によれば、優れた効果を有する細胞賦活剤を提供することができ、これらの細胞賦活剤を皮膚に適用することにより、しわ,しみ,たるみ,肌の色のくすみ,薄毛等の老化症状に優れた効果を発揮する。
本発明に係るサフラン(Crocus sativa)は、アヤメ科クロッカス属の植物であり、この雌しべを乾燥させたものが、香辛料として使用されており、鎮痛,鎮静,健胃などの効果を有する薬用植物として知られている。しかし、雌しべより得られる抽出物の細胞賦活剤としての利用に関しては、知られていない。
サフランの雌しべの抽出物を製造する際の製法は、特に限定されず、常法によって行うことができる。抽出の際は、生のまま用いてもよいが、乾燥,細切,粉砕等の処理を行った後に抽出を行うことが抽出効率を考えると好ましい。抽出は、抽出溶媒に浸漬する方法や超臨界流体,亜臨界流体を用いた超(亜)臨界抽出方法で行うことができる。抽出効率を上げるため、撹拌や抽出溶媒中でホモジナイズしてもよい。抽出温度は、特に限定はされないが、抽出溶媒に浸漬する方法を用いる場合は、5℃程度から抽出溶媒の沸点以下の温度とするのが好ましく、超(亜)臨界抽出方法を用いる場合は、圧力や抽出溶媒の種類によって調整することができる。抽出時間は抽出溶媒の種類や抽出温度によっても異なるが、1時間〜14日間程度とするのが好ましい。
抽出溶媒としては、水の他、メタノール,エタノール,プロパノール,イソプロパノール等の低級アルコール、1,3−ブチレングリコール,プロピレングリコール,ジプロピレングリコール,グリセリン等の多価アルコール、エチルエーテル,プロピルエーテル等のエーテル類、酢酸ブチル,酢酸エチル等のエステル類、アセトン,エチルメチルケトン等のケトン類などの溶媒を用いることができ、これらより1種又は2種以上を選択して用いる。また、生理食塩水,リン酸緩衝液,リン酸緩衝生理食塩水等を用いてもよい。超(亜)臨界抽出方法を用いる場合には、水や二酸化炭素,エチレン,プロピレン,エタノール,メタノール,アンモニアなどの1種又は2種以上の超臨界流体や亜臨界流体を用いることができる。
サフランの雌しべより得られる前記溶媒による抽出物は、そのままでも使用することができるが、濃縮,乾固した物を水や極性溶媒に再度溶解したり、或いはこれらの生理作用を損なわない範囲で脱色,脱臭,脱塩等の精製処理を行ったり、カラムクロマトグラフィー等による分画処理を行った後に用いてもよい。前記抽出物やその処理物及び分画物は、各処理及び分画後に凍結乾燥し、用時に溶媒に溶解して用いることもできる。
本発明におけるサフランの雌しべより得られる抽出物は、細胞賦活剤として利用することができ、種々の細胞に対し優れた賦活作用を発揮するが、特に真皮線維芽細胞と毛乳頭細胞に対して優れた効果を発揮する。真皮線維芽細胞は、コラーゲンやエラスチンなどの真皮マトリックス成分の産生細胞であり、毛乳頭細胞は、毛包上皮系細胞に働きかけてその増殖を促し、毛の伸長を促進することが知られている。したがって、細胞賦活剤は、しわ,しみ,たるみ,薄毛等の皮膚老化症状の改善や予防に非常に有用であると考えられる。
本発明のサフランの雌しべより得られる抽出物を有効成分とする細胞賦活剤は、単独でも使用することができるが、種々の組成物に配合することにより、細胞賦活作用を有する組成物を得ることができる。得られた組成物は、細胞賦活作用という有効性の点から、医薬品,医薬部外品,化粧品,食品として利用することが好ましい。これらの医薬品,医薬部外品,化粧品,食品は、細胞賦活用の医薬品,医薬部外品,化粧品,食品として利用することができる。
前記のサフランの雌しべより得られる抽出物を有効成分とする細胞賦活剤を配合する組成物には、必要に応じて、通常医薬品,医薬部外品,化粧品,食品などに配合される、薬剤,油性成分,保湿剤,粉体,色素,乳化剤,可溶化剤,洗浄剤,紫外線吸収剤,増粘剤,香料,樹脂,アルコール類,栄養強化物質,調味料などを適宜配合することができ、さらに他の細胞賦活剤との併用も可能である。
さらに実施例により、本発明の特徴について詳細に説明する。まず、本発明のサフランの雌しべより得られる抽出物の製造例について示す。
[製造例1]
サフランの雌しべの乾燥粉砕物1kgに50重量%エタノール水溶液を40リットル加え、室温にて攪拌しながら2時間抽出を行った。その後、抽出液をろ過して濾液を回収した。一方、残存した不溶分を再度回収し、同様の抽出操作を行い、濾液を回収した。一回目の濾液と二回目の濾液を合わせて、溶媒を除去し、サフランの雌しべの抽出物を得た。
[製造例2]
サフランの雌しべの乾燥粉砕物1kgに水を20リットル加え、90℃にて20分間抽出した。その後、抽出液をろ過して濾液を回収した。一方、残存した不溶分を再度回収し、同様の抽出操作を行い、濾液を回収した。一回目の濾液と二回目の濾液を合わせて、溶媒を除去し、サフランの雌しべの抽出物を得た。
[製造例3]
サフランの雌しべの乾燥粉砕物1kgにメタノールを9リットル加え、室温で7日間浸漬した。抽出液を濾液して回収し、溶媒を除去した後、サフランの雌しべの抽出物を得た。
[製造例4]
超臨界抽出装置にサフランの花弁と雄しべ混合物の乾燥粉砕物を投入し、40℃において25MPaの圧力下で二酸化炭素の超臨界流体を用いて抽出した。4時間後に抽出物を回収し、サフランの雌しべの抽出物を得た。
次に、サフランの雌しべより得られる抽出物の真皮線維芽細胞の賦活作用について示す。試料には、サフランの雌しべより製造例1,2及び4を用いて抽出したサフランの雌しべより得られる抽出物をそれぞれ試料1,2,3として用いた。
真皮線維芽細胞賦活作用の評価は、以下の手順で行った。正常ヒト真皮線維芽細胞を1ウェル当たり2.0×10個となるように96穴マイクロプレートに播種した。播種培地には、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)に1重量%のウシ胎児血清を添加したものを用いた。24時間培養後、任意の濃度の試料を添加した試験培地に交換し、さらに48時間培養した。次いで3−(4,5−ジメチル−2−チアゾリル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MTT)を400μg/mL含有する培地に交換して2時間培養し、テトラゾリウム環の開環により生じるフォルマザンを2−プロパノールにて抽出し、マイクロプレートリーダーにて550nmの吸光度を測定した。同時に濁度として650nmにおける吸光度を測定し、両測定値の差により細胞賦活作用を評価した。評価結果を、試料無添加のブランクにおける細胞賦活作用を100とした相対値にて表1〜3に示す。
Figure 2005041812
Figure 2005041812
Figure 2005041812
表1〜3より明らかなように、試料を添加した培地では、有意な真皮線維芽細胞賦活作用が認められた。特に、試料1を0.25〜1.0mg/mL、試料2を0.25〜1.0mg/mL、試料3を0.025〜0.1mg/mL添加した場合に、ブランクと比較して、有意な真皮線維芽細胞賦活作用が認められた。このことから、サフランの雌しべより得られる抽出物は、優れた真皮線維芽細胞賦活作用を有することが明らかとなった。
次に、サフランの雌しべより得られる抽出物の毛乳頭細胞の賦活作用について示す。試料には、サフランの雌しべより製造例1を用いて抽出した抽出物を試料4として用いた。
毛乳頭細胞賦活作用の評価は、以下の手順で行った。ヒト毛乳頭細胞を1ウェル当たり1.0×10個となるように96穴マイクロプレートに播種した。播種培地には、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)に1重量%のウシ胎児血清を添加したものを用いた。24時間培養後、任意の濃度の試料を添加した試験培地に交換し、さらに48時間培養した。次いで3−(4,5−ジメチル−2−チアゾリル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MTT)を400μg/mL含有する培地に交換して2時間培養し、テトラゾリウム環の開環により生じるフォルマザンを2−プロパノールにて抽出し、マイクロプレートリーダーにて550nmの吸光度を測定した。同時に濁度として650nmにおける吸光度を測定し、両測定値の差により細胞賦活作用を評価した。評価結果を、試料無添加のブランクにおける細胞賦活作用を100とした相対値にて表5に示す。
Figure 2005041812
表4より明らかなように、試料を添加した培地では、有意な毛乳頭細胞賦活作用が認められた。特に、試料5を0.125〜0.5mg/mL添加した場合に、ブランクと比較して、有意な毛乳頭細胞賦活作用が認められた。このことから、サフランの雌しべより得られる抽出物は、優れた毛乳頭細胞賦活作用を有することが明らかとなった。
続いて、サフランの雌しべより得られる抽出物を配合した処方例を示すが、各処方例におけるサフラン抽出物とは、サフランの雌しべより得られる抽出物を示している。これらの処方例で示される組成物は、細胞賦活用の医薬品,医薬部外品,化粧品,食品として利用することができる。
[処方例1]乳液
(1)スクワラン 10.0(重量%)
(2)メチルフェニルポリシロキサン 4.0
(3)水素添加パーム核油 0.5
(4)水素添加大豆リン脂質 0.1
(5)モノステアリン酸ポリオキシエチレン
ソルビタン(20E.O.) 1.3
(6)モノステアリン酸ソルビタン 1.0
(7)グリセリン 4.0
(8)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(9)カルボキシビニルポリマー 0.15
(10)精製水 50.85
(11)アルギニン(1重量%水溶液) 20.0
(12)サフラン抽出物[製造例1] 8.0
製法:(1)〜(6)の油相成分を80℃にて加熱溶解する。一方(7)〜(10)の水相成分を80℃にて加熱溶解する。これに前記油相成分を攪拌しながら加え、ホモジナイザーにより均一に乳化する。乳化終了後、冷却を開始し、(11)と(12)を順次加え、均一に混合する。
[処方例2]ローション
(1)エタノール 15.0(重量%)
(2)ポリオキシエチレン(40E.O.)硬化ヒマシ油 0.3
(3)香料 0.1
(4)精製水 78.38
(5)クエン酸 0.02
(6)クエン酸ナトリウム 0.1
(7)グリセリン 1.0
(8)ヒドロキシエチルセルロース 0.1
(9)サフラン抽出物[製造例1] 5.0
製法:(1)に(2)及び(3)を溶解する。溶解後、(4)〜(8)を順次添加した後、十分に攪拌し、(9)を加え、均一に混合する。
[処方例3]クリーム
(1)スクワラン 10.0(重量%)
(2)ステアリン酸 2.0
(3)水素添加パーム核油 0.5
(4)水素添加大豆リン脂質 0.1
(5)セタノール 3.6
(6)親油型モノステアリン酸グリセリン 2.0
(7)グリセリン 10.0
(8)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(9)アルギニン(20重量%水溶液) 15.0
(10)精製水 40.7
(11)カルボキシビニルポリマー(1重量%水溶液) 15.0
(12)サフラン抽出物[製造例1] 1.0
製法:(1)〜(6)の油相成分を80℃にて加熱溶解する。一方(7)〜(10)の水相成分を80℃にて加熱溶解する。これに前記油相成分を攪拌しながら加え、ホモジナイザーにより均一に乳化する。乳化終了後、(11)を加え、冷却を開始し、40℃にて(12)を加え、均一に混合する。
[処方例4]美容液
(1)精製水 27.45(重量%)
(2)グリセリン 10.0
(3)ショ糖脂肪酸エステル 1.3
(4)カルボキシビニルポリマー(1重量%水溶液) 17.5
(5)アルギン酸ナトリウム(1重量%水溶液) 15.0
(6)モノラウリン酸ポリグリセリル 1.0
(7)マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリル 3.0
(8)N-ラウロイル-L-グルタミン酸
ジ(フィトステリル−2−オクチルドデシル) 2.0
(9)硬化パーム油 2.0
(10)スクワラン(オリーブ由来) 1.0
(11)ベヘニルアルコール 0.75
(12)ミツロウ 1.0
(13)ホホバ油 1.0
(14)1,3−ブチレングリコール 10.0
(15)L−アルギニン(10重量%水溶液) 2.0
(16)サフラン抽出物[製造例1] 5.0
製法:(1)〜(6)の水相成分を混合し、75℃にて加熱溶解する。一方、(7)〜(14)の油相成分を混合し、75℃にて加熱溶解する。次いで、前記水相成分に油相成分を添加して予備乳化を行った後、ホモミキサーにて均一に乳化する。乳化終了後に冷却を開始し、50℃にて(15)を加える。さらに40℃まで冷却し、(16)を加え、均一に混合する。
[処方例5]水性ジェル
(1)カルボキシビニルポリマー 0.5(重量%)
(2)精製水 86.7
(3)水酸化ナトリウム(10重量%水溶液) 0.5
(4)エタノール 10.0
(5)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(6)香料 0.1
(7)サフラン抽出物[製造例4] 2.0
(8)ポリオキシエチレン(60E.O.)硬化ヒマシ油 0.1
製法:(1)を(2)に加え、均一に攪拌した後、(3)を加える。均一に攪拌した後,(4)に予め溶解した(5)を加える。均一に攪拌した後、予め混合しておいた(6)〜(8)を加え、均一に攪拌混合する。
[処方例6]クレンジング料
(1)スクワラン 81.0(重量%)
(2)イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル 15.0
(3)精製水 3.0
(4)サフラン抽出物[製造例4] 1.0
製法:(1)と(2)を均一に溶解する。これに、(3)と(4)を順次加え、均一に混合する。
[処方例7]洗顔料
(1)ステアリン酸 16.0(重量%)
(2)ミリスチン酸 16.0
(3)親油型モノステアリン酸グリセリン 2.0
(4)グリセリン 20.0
(5)水酸化ナトリウム 7.5
(6)ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン 1.0
(7)精製水 36.5
(8)サフラン抽出物[製造例3] 1.0
製法:(1)〜(4)の油相成分を80℃にて加熱溶解する。一方(5)〜(7)の水相成分を80℃にて加熱溶解し、油相成分と均一に混合撹拌する。冷却を開始し、40℃にて(8)を加え、均一に混合する。
[処方例8]油中水型クリーム
(1)流動パラフィン 30.0(重量%)
(2)マイクロクリスタリンワックス 2.0
(3)ワセリン 5.0
(4)ジグリセリンオレイン酸エステル 5.0
(5)塩化ナトリウム 1.3
(6)塩化カリウム 0.1
(7)プロピレングリコール 3.0
(8)1,3−ブチレングリコール 5.0
(9)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(10)サフラン抽出物[製造例1] 1.0
(11)精製水 47.4
(12)香料 0.1
製法:(5)と(6)を(11)の一部に溶解して50℃とし、50℃に加熱した(4)に撹拌しながら徐々に加える。これを混合した後、70℃にて加熱溶解した(1)〜(3)に均一に分散する。これに(7)〜(10)を(11)の残部に70℃にて加熱溶解したものを撹拌しながら加え、ホモミキサーにて乳化する。乳化終了後に冷却を開始し、40℃にて(12)を加え、均一に混合する。
[処方例9]パック
(1)精製水 58.9(重量%)
(2)ポリビニルアルコール 12.0
(3)エタノール 10.0
(4)グリセリン 5.0
(5)ポリエチレングリコール(平均分子量1000) 2.0
(6)サフラン抽出物[製造例2] 12.0
(7)香料 0.1
製法:(2)と(3)を混合し、80℃に加温した後、80℃に加温した(1)に溶解する。均一に溶解した後、(4)と(5)を加え、攪拌しながら冷却を開始する。40℃まで冷却し、(6)と(7)を加え、均一に混合する。
[処方例10]入浴剤
(1)香料 0.3(重量%)
(2)サフラン抽出物[製造例1] 1.0
(3)炭酸水素ナトリウム 50.0
(4)硫酸ナトリウム 48.7
製法:(1)〜(4)を均一に混合する。
[処方例11]ヘアーローション
(1)エタノール 50.0(重量%)
(2)精製水 44.9
(3)サフラン抽出物[製造例4] 5.0
(4)香料 0.1
製法:(1)〜(4)の成分を混合,均一化する。
[処方例12]飲料
(1)サフラン抽出物[製造例1] 5.0(重量%)
(2)エリスリトール 1.0
(3)クエン酸 0.1
(4)ステビア 0.01
(5)精製水 93.89
製法:(1)〜(5)を均一に混合する。
[処方例13]飴
(1)白糖 50.0(重量部)
(2)水飴 24.9
(3)サフラン抽出物[製造例1] 25.0
(4)香料 0.1
製法:(1)〜(2)を加熱混合均一化した後冷却し、70℃で(3)〜(4)の成分を添加し、混合均一化した後成型する。
[処方例14]錠剤
(1)サフラン抽出物[製造例1] 0.05(重量部)
(2)ステアリン酸マグネシウム 0.005
(3)乳糖 0.2
製法:(1)〜(3)を打錠機にて打錠し、直径10mm、重量300mgの錠剤とした。
次に、サフランの雌しべより得られる抽出物を配合した処方を用いて使用試験を行い、しわ,たるみ,はり,しみ,くすみについて改善効果を評価した。その際、処方例1に示した乳液の処方に表5に記載するそれぞれの製造例によって製造したサフランの雌しべより得られる抽出物を配合し、実施例1〜4として使用試験を行った。また、サフラン抽出物を精製水に代替し、比較例1として同時に使用試験を行った。
Figure 2005041812
各試料について、しわ,たるみ,はり,くすみといった症状が顕著に認められる40〜60才代の男女パネラー各20名をそれぞれ一群とし、ブラインドにて2カ月間使用させ、使用前後の皮膚状態の変化を観察して評価した。皮膚症状の指標として、シワ,タルミ,肌のハリ,シミ,クスミについて、「改善」,「やや改善」,「変化なし」の三段階で評価し、表6に各評価を得たパネラー数にて示した。
Figure 2005041812
表6より、しわ,たるみ,はり,しみ,くすみについて、サフランの雌しべより得られる抽出物を含有しない比較例使用群においては、6割以上のパネラーに改善は認められなかったが、サフランの雌しべより得られる抽出物を配合した実施例使用群においては、6割以上のパネラーに明確な改善が認められた。
以上のように、本発明の実施例においては、従来の比較例よりも、しわ,たるみ,肌のはり,くすみの改善に優れた効果を有していた。
続いて、本発明の処方例11に示したヘアーローションの処方に表7に記載するそれぞれの製造例によって製造したサフランの雌しべより得られる抽出物を配合し、実施例5〜8として使用試験を行った。また、サフラン抽出物を精製水に代替し、比較例2として同時に使用試験を行った。
Figure 2005041812
各試料について、脱毛や薄毛といった症状が顕著に認められる30〜50才代の男性パネラー20名を一群とし、ブラインドにて1日2回、3カ月間連続して使用させ、使用前後の毛髪状態の変化を観察して評価した。症状改善の指標として、髪の密度と毛髪の太さについて、マイクロスコープにて観察を行い、使用前後の状態を比較し、「改善」,「やや改善」,「変化なし」の三段階で評価し、表8に各評価を得たパネラー数にて示した。
Figure 2005041812
表8より明らかなように、髪の密度と毛髪の太さについて、サフランの雌しべより得られる抽出物を含有しない比較例使用群においては、半数以上のパネラーに改善が認められなかったが、サフランの雌しべより得られる抽出物を配合した実施例使用群においては、7割以上のパネラーに明確な改善が認められた。
以上のことから、本発明の実施例においては、従来の比較例よりも、薄毛や脱毛などに優れた効果を有することが示された。

Claims (3)

  1. サフランの雌しべより得られる抽出物を有効成分とする細胞賦活剤。
  2. サフランの雌しべより得られる抽出物を有効成分とする真皮線維芽細胞賦活剤。
  3. サフランの雌しべより得られる抽出物を有効成分とする毛乳頭細胞賦活剤。
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