JP2005041622A - クレーン車の走行速度規制装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】クレーン車の走行速度の規制値を自動的に演算でき、かつ走行速度も自動的に規制されるクレーン車の走行速度規制装置を提供する。
【解決手段】走行速度規制装置として、油圧サスペンションのサスシリンダ支持圧力を検出する圧力検出手段20〜23と、当該圧力検出手段からの圧力信号に基きクレーン車の軸重に応じた走行速度規制信号を出力する演算部24と、当該演算部からの規制信号により走行速度を規制する走行速度規制手段28、29を備えて構成した。
【選択図】 図6
【解決手段】走行速度規制装置として、油圧サスペンションのサスシリンダ支持圧力を検出する圧力検出手段20〜23と、当該圧力検出手段からの圧力信号に基きクレーン車の軸重に応じた走行速度規制信号を出力する演算部24と、当該演算部からの規制信号により走行速度を規制する走行速度規制手段28、29を備えて構成した。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、走行車両上にクレーン装置を搭載することにより、又はクレーン作業状態のまま走行することにより、走行車両の軸重が増加するため走行速度を規制する必要があるクレーン車の走行速度規制装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
大型のクレーン車のうち、走行車両に旋回台、伸縮ブーム、起伏シリンダ及びカウンタウエイトなどのクレーン装置を搭載するとクレーン車全体の重量が極めて大きくなりその軸重が増加するため走行速度の規制が必要となるものがある。
【0003】
また、クレーン作業現場でのクレーン車の走行には、ブームを起仰して伸縮ブーム先端からフックを吊下した作業状態のままクレーン車を走行する場合、またさらに前記フックに吊荷を吊下げたままクレーン車を走行する場合もあるが、この時にもクレーン車の特定の軸に関する軸重が増加するため走行速度の規制が必要となる。
【0004】
このように、軸重の増加により走行速度の規制が必要になるのは、第1にタイヤが負荷する荷重が増大し、走行時のタイヤの発熱が激しくなりバーストにつながる恐れが出るためであり、第2には軸重が増加した状態での走行時には車軸等への衝撃荷重が大きくなり、走行速度が大きいと車軸を構成する各部の破損等の恐れが出てくるためである。
【0005】
大型のクレーン車に関する現場内移動の際の問題の一つとして、走行用エンジンのみでは駆動力が不足するため、走行用エンジンによって駆動される駆動輪と同時に駆動可能で且つクレーン作業用エンジンによって駆動される補助駆動輪を走行車体に設ける技術が提案されている(例えば「特許文献1」。)。
【0006】
しかし、上記特許文献1に記載の発明によっては駆動力不足は解決可能とされるものの、上述した速度規制が必要になる点については、単に「現場内移動は、通常、低速で行われる。」と記載されているのみで、走行速度の規制に関しての具体的な解決策は示されていない。
【0007】
【特許文献1】
特開平7−315118号公報(第7頁、第9図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、実際にはクレーン車の走行速度の規制は、以下のように行われていた。すなわち、まずクレーン装置の搭載状態あるいはクレーン作業状態について、各クレーン装置の重量重心のデータを使用してその条件での走行車両の軸重を計算により算出していた。そして、別途用意されている軸重−規制速度のグラフからその場合の規制速度を求めていた。また、実際のクレーン車の運転走行は、運転者がトランスミッションの変速あるいはエンジンの回転数に注意して、上記算出した規制速度を越えないよう注意して運転するしかなかった。
【0009】
このような現状であるため、規制速度を求めることに時間が掛かるばかりではなく、クレーン車の運転も疲労を伴なうものであった。
【0010】
そこで本発明は、クレーン車の走行速度の規制値を自動的に演算でき、かつ走行速度も自動的に規制されるクレーン車の走行速度規制装置を提供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本願の請求項1に記載されたクレーン車の走行速度規制装置は、走行車両上にクレーン装置を搭載することにより、又はクレーン作業状態のまま走行することにより、走行車両の軸重が増加するため走行速度が規制されることとなるクレーン車の走行速度規制装置を対象としている。そして、当該走行速度規制装置は、油圧サスペンションのサスシリンダ支持圧力を検出する圧力検出手段と、当該圧力検出手段からの圧力信号に基きクレーン車の軸重に応じた走行速度規制信号を出力する演算部と、当該演算部からの規制信号により走行速度を規制する走行速度規制手段と、を備えたことを特徴としている。
【0012】
このように構成したので、クレーン車の軸重の増加に伴なう走行速度の規制値を自動的に演算することができ、かつクレーン車の走行速度も自動的に規制することができる。
【0013】
また、本願の請求項2に記載されたクレーン車の走行速度規制手段の走行速度規制手段は、トランスミッションの変速段が所定の速度段以上へ切り換わらないよう規制することを特徴としている。
【0014】
この構成により、クレーン車の走行速度をトランスミッションの変速段によって定められる所定の速度となるよう確実に規制することができる。
【0015】
さらに、本願の請求項3に記載されたクレーン車の走行速度規制手段の前記走行速度規制手段は、走行用エンジン回転数が所定回転数以上とならないよう規制することを特徴としている。
【0016】
この構成により、クレーン車の走行速度を走行用エンジン回転数によって定められる所定の速度となるよう確実に規制することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1に、本発明の実施の形態に係る走行速度規制装置を搭載するに適した大型のクレーン車1を示す。クレーン車1は走行車両2上に旋回台3を旋回自在に搭載し、当該旋回台3に伸縮ブーム4を起伏自在に枢着している。5は伸縮ブーム4と旋回台3との間に介装され、伸縮ブームを起伏駆動する起伏シリンダである。図1に示したクレーン車1は伸縮ブーム1を全縮小かつ最倒伏し、走行車両2の前方に向けた走行姿勢をとっている。なお、旋回台3の後部にはカウンタウエイトを装着可能となっているが、図1のクレーン車では未装着である。
【0018】
図2はクレーン車1から伸縮ブーム4、旋回台3及び起伏シリンダ5を取り除いた走行車両2である。走行車両2は7軸車であって、車両フレーム6に対して図示しない油圧サスペンション装置によって支持される第1軸8a、第2軸8b、・・・、第7軸8gを備えている。車軸8a、8b、・・・、8gにはそれぞれタイヤ7を装着している。油圧サスペンション装置は、既知のものでありその詳細の説明を省略するが、前記車両フレーム6と車軸8a、8b、・・・、8gとの間にサスシリンダを介装しており、クレーン車1の重量によりタイヤに発生する反力を当該サスシリンダで支持するようになっている。したがって、サスシリンダにはクレーン車1の重量に応じた支持圧力が発生するようになっている。
【0019】
9は車両フレーム6の前端に設けた走行用運転室であり、10は走行用エンジンを格納したエンジンルームである。走行車両2は走行用エンジンの動力を図示しない駆動機構を介してタイヤ7に伝達して走行するようになっている。
【0020】
図3は図1に示したクレーン車1の旋回台3の後部にカンウンタウエイト11を装着した後、伸縮ブーム4を起伏シリンダ5により起仰し、伸縮ブーム4が走行車両2の後方となるよう旋回し、さらに伸縮ブーム4の先端からフック12を吊下げたクレーン作業状態を示している。クレーン装置を搭載したクレーン車1は、その全体の重量が極めて大きくなりその軸重が増加しているため、そのまま作業現場内を走行する場合には、走行速度の規制が必要となる。
【0021】
図4はクレーン車1の他の作業状態の例を示している。図3に示した作業状態に対して、伸縮ブーム4の起仰角度をさらに大きくし、また伸縮ブーム4の先端には補助ジブ13を取付けており、補助ジブ13の先端からは補助ジブ用のフック14を吊下げている。図4に示したクレーン車の作業状態では、図3に示した作業状態同様に作業現場内を走行する場合に走行速度の規制が必要であるのは勿論であるが、図3に示した作業状態とは軸重が変化しているため、軸重に応じた規制速度を別途算出する必要がある。
【0022】
図5は、軸重と走行速度との関係を示したグラフの一例であり、縦軸15は軸重を表示しており、横軸16は走行速度を表示している。
【0023】
17は軸重と走行速度との関係を表した曲線である。軸重が15ton以下の時は、走行速度は全く規制されないが、軸重が15ton以上となると、軸重の増加に伴ない許容される速度が低下していく。そして、走行可能な最大軸重は40ton以下となっている。
【0024】
図6は本願発明の実施の形態に係る走行速度規制装置のブロック図である。
【0025】
20は右前圧力検出手段、21は左前圧力検出手段、22は右後圧力検出手段、23は左後圧力検出手段である。各圧力検出手段は、前記走行車両2の油圧サスペンションのサスシリンダにクレーン車の重量により発生した支持圧力を検出するようになっている。図1及び図2に示したクレーン車の走行車両2は7軸車であるが、各軸に取付けられたサスシリンダは、大きく右前、左前、右後、左後の4つのブロックに分けられており、そのブロックの中でのサスシリンダ同士の油圧配管は相互に連絡されており、その発生する支持圧力はブロックの中では同じ圧力となるようになっている。したがって、圧力検出手段は、上述したように右前、左前、右後、左後の4つのブロックの圧力を検出すればよいこととなる。
【0026】
なお、大型クレーン車の走行車両の油圧サスペンションの油圧配管の方式は各種のものが知られており、サスシリンダの支持圧力の検出は上述の方法に限られるものではない。すなわち、走行速度の規制値の決めてとなる最大の軸重となる車軸のサスシリンダの圧力検出が可能であれば、その形式は問わないものである。
【0027】
前記圧力検出手段20〜23の信号は、演算部24の軸重算出手段25に送られる。軸重算出手段25では、サスシリンダの支持圧力に基き走行車両2の軸重が演算され、走行車両2の軸重のうちの最大の軸重値が演算部24内に設けられた速度規制信号出力手段26に送られる。また、同時に走行用運転室9内部に設けられた軸重表示手段31にも最大軸重値が送られ表示される。これにより、クレーン車1の運転者は走行速度の規制の要因となる最大の軸重値を認識することができる。
【0028】
27は演算部24内に設けられた規制速度記憶手段であって、前述した図5に示した軸重と走行速度の関係を記憶したものである。前記速度規制信号出力手段26では、軸重算出手段25からの最大軸重値における許容される走行速度を演算し、走行速度規制手段を構成するトランスミッション制御手段28及びエンジン制御手段29に規制信号を出力する。
【0029】
トランスミッション制御手段28は、トランスミッションの変速段が所定の速度段以上へ切り換わらないよう規制することにより、許容される走行速度を越えることがないよう制御する。これにより、クレーン車の走行速度をトランスミッションの変速段によって定められる所定の速度となるよう確実に規制することができる。
【0030】
エンジン制御手段29は、走行用エンジン回転数が所定回転数以上とならないよう規制する。これにより、クレーン車の走行速度を走行用エンジン回転数によって定められる所定の速度となるよう確実に規制することができる。
【0031】
なお、走行速度規制手段としての、トランスミッション制御手段28とエンジン制御手段29は、同時に使用するようにしてもよいし、必要に応じてその一方のみを使用するようにしてもよい。
【0032】
また、クレーン車の走行中に伸縮ブームの起伏角度変化などのクレーン作業姿勢変化による軸重変化があった場合は、規制速度を軸重に応じた所定の速度に変化させるようになるが、その速度変化が滑らかになるよう前記演算部24の速度規制信号出力手段26からの規制信号を出力するようにすることができる。これにより、走行速度の変化に伴なうショックの発生を防止することができる。
【0033】
30は前記走行用運転室9内部に設けられた規制速度表示手段であって、前記速度規制信号出力手段26からの規制信号に基き、その時の規制速度を表示するものである。これにより、クレーン車の運転者は走行速度規制装置により規制されている規制速度を容易に認識することができる。
【0034】
【発明の効果】
以上の如く構成し作用するものであるから、本願の請求項1に記載されたクレーン車の走行速度規制装置は、油圧サスペンションのサスシリンダ支持圧力を検出する圧力検出手段と、当該圧力検出手段からの圧力信号に基きクレーン車の軸重に応じた走行速度規制信号を出力する演算部と、当該演算部からの規制信号により走行速度を規制する走行速度規制手段と、により構成したので、クレーン車の軸重の増加に伴なう走行速度の規制値を自動的に演算することができ、かつクレーン車の走行速度も自動的に規制することができる。
【0035】
また、本願の請求項2に記載されたクレーン車の走行速度規制装置は、トランスミッションの変速段が所定の速度段以上へ切り換わらないよう規制するよう構成したので、クレーン車の走行速度をトランスミッションの変速段によって定められる所定の速度となるよう確実に規制することができる。
【0036】
さらに、本願の請求項3に記載されたクレーン車の走行速度規制装置は、走行用エンジン回転数が所定回転数以上とならないよう規制するよう構成したので、クレーン車の走行速度を走行用エンジン回転数によって定められる所定の速度となるよう確実に規制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係る走行速度規制装置を搭載するに適した大型のクレーン車である。
【図2】クレーン車から伸縮ブーム等のクレーン装置を取り除いた走行車両である。
【図3】クレーン車の作業状態の説明図である。
【図4】クレーン車の他の作業状態の説明図である。
【図5】軸重と走行速度との関係を示したグラフの一例である。
【図6】本願発明の実施の形態に係る走行速度規制装置のブロック図である。
【符号の説明】
1はクレーン車、2は走行車両、3は旋回台、4は伸縮ブーム、5は起伏シリンダ、6は車両フレーム、7はタイヤ、8a〜8gは車軸、9は走行用運転室、10はエンジンルーム、11はカウンタウエイト、20〜23は圧力検出手段、24は演算部、25は軸重算出手段、26は速度規制信号出力手段、27は規制速度記憶手段、28はトランスミッション制御手段、29はエンジン制御手段、30は規制速度表示手段、31は軸重表示手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、走行車両上にクレーン装置を搭載することにより、又はクレーン作業状態のまま走行することにより、走行車両の軸重が増加するため走行速度を規制する必要があるクレーン車の走行速度規制装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
大型のクレーン車のうち、走行車両に旋回台、伸縮ブーム、起伏シリンダ及びカウンタウエイトなどのクレーン装置を搭載するとクレーン車全体の重量が極めて大きくなりその軸重が増加するため走行速度の規制が必要となるものがある。
【0003】
また、クレーン作業現場でのクレーン車の走行には、ブームを起仰して伸縮ブーム先端からフックを吊下した作業状態のままクレーン車を走行する場合、またさらに前記フックに吊荷を吊下げたままクレーン車を走行する場合もあるが、この時にもクレーン車の特定の軸に関する軸重が増加するため走行速度の規制が必要となる。
【0004】
このように、軸重の増加により走行速度の規制が必要になるのは、第1にタイヤが負荷する荷重が増大し、走行時のタイヤの発熱が激しくなりバーストにつながる恐れが出るためであり、第2には軸重が増加した状態での走行時には車軸等への衝撃荷重が大きくなり、走行速度が大きいと車軸を構成する各部の破損等の恐れが出てくるためである。
【0005】
大型のクレーン車に関する現場内移動の際の問題の一つとして、走行用エンジンのみでは駆動力が不足するため、走行用エンジンによって駆動される駆動輪と同時に駆動可能で且つクレーン作業用エンジンによって駆動される補助駆動輪を走行車体に設ける技術が提案されている(例えば「特許文献1」。)。
【0006】
しかし、上記特許文献1に記載の発明によっては駆動力不足は解決可能とされるものの、上述した速度規制が必要になる点については、単に「現場内移動は、通常、低速で行われる。」と記載されているのみで、走行速度の規制に関しての具体的な解決策は示されていない。
【0007】
【特許文献1】
特開平7−315118号公報(第7頁、第9図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、実際にはクレーン車の走行速度の規制は、以下のように行われていた。すなわち、まずクレーン装置の搭載状態あるいはクレーン作業状態について、各クレーン装置の重量重心のデータを使用してその条件での走行車両の軸重を計算により算出していた。そして、別途用意されている軸重−規制速度のグラフからその場合の規制速度を求めていた。また、実際のクレーン車の運転走行は、運転者がトランスミッションの変速あるいはエンジンの回転数に注意して、上記算出した規制速度を越えないよう注意して運転するしかなかった。
【0009】
このような現状であるため、規制速度を求めることに時間が掛かるばかりではなく、クレーン車の運転も疲労を伴なうものであった。
【0010】
そこで本発明は、クレーン車の走行速度の規制値を自動的に演算でき、かつ走行速度も自動的に規制されるクレーン車の走行速度規制装置を提供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本願の請求項1に記載されたクレーン車の走行速度規制装置は、走行車両上にクレーン装置を搭載することにより、又はクレーン作業状態のまま走行することにより、走行車両の軸重が増加するため走行速度が規制されることとなるクレーン車の走行速度規制装置を対象としている。そして、当該走行速度規制装置は、油圧サスペンションのサスシリンダ支持圧力を検出する圧力検出手段と、当該圧力検出手段からの圧力信号に基きクレーン車の軸重に応じた走行速度規制信号を出力する演算部と、当該演算部からの規制信号により走行速度を規制する走行速度規制手段と、を備えたことを特徴としている。
【0012】
このように構成したので、クレーン車の軸重の増加に伴なう走行速度の規制値を自動的に演算することができ、かつクレーン車の走行速度も自動的に規制することができる。
【0013】
また、本願の請求項2に記載されたクレーン車の走行速度規制手段の走行速度規制手段は、トランスミッションの変速段が所定の速度段以上へ切り換わらないよう規制することを特徴としている。
【0014】
この構成により、クレーン車の走行速度をトランスミッションの変速段によって定められる所定の速度となるよう確実に規制することができる。
【0015】
さらに、本願の請求項3に記載されたクレーン車の走行速度規制手段の前記走行速度規制手段は、走行用エンジン回転数が所定回転数以上とならないよう規制することを特徴としている。
【0016】
この構成により、クレーン車の走行速度を走行用エンジン回転数によって定められる所定の速度となるよう確実に規制することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1に、本発明の実施の形態に係る走行速度規制装置を搭載するに適した大型のクレーン車1を示す。クレーン車1は走行車両2上に旋回台3を旋回自在に搭載し、当該旋回台3に伸縮ブーム4を起伏自在に枢着している。5は伸縮ブーム4と旋回台3との間に介装され、伸縮ブームを起伏駆動する起伏シリンダである。図1に示したクレーン車1は伸縮ブーム1を全縮小かつ最倒伏し、走行車両2の前方に向けた走行姿勢をとっている。なお、旋回台3の後部にはカウンタウエイトを装着可能となっているが、図1のクレーン車では未装着である。
【0018】
図2はクレーン車1から伸縮ブーム4、旋回台3及び起伏シリンダ5を取り除いた走行車両2である。走行車両2は7軸車であって、車両フレーム6に対して図示しない油圧サスペンション装置によって支持される第1軸8a、第2軸8b、・・・、第7軸8gを備えている。車軸8a、8b、・・・、8gにはそれぞれタイヤ7を装着している。油圧サスペンション装置は、既知のものでありその詳細の説明を省略するが、前記車両フレーム6と車軸8a、8b、・・・、8gとの間にサスシリンダを介装しており、クレーン車1の重量によりタイヤに発生する反力を当該サスシリンダで支持するようになっている。したがって、サスシリンダにはクレーン車1の重量に応じた支持圧力が発生するようになっている。
【0019】
9は車両フレーム6の前端に設けた走行用運転室であり、10は走行用エンジンを格納したエンジンルームである。走行車両2は走行用エンジンの動力を図示しない駆動機構を介してタイヤ7に伝達して走行するようになっている。
【0020】
図3は図1に示したクレーン車1の旋回台3の後部にカンウンタウエイト11を装着した後、伸縮ブーム4を起伏シリンダ5により起仰し、伸縮ブーム4が走行車両2の後方となるよう旋回し、さらに伸縮ブーム4の先端からフック12を吊下げたクレーン作業状態を示している。クレーン装置を搭載したクレーン車1は、その全体の重量が極めて大きくなりその軸重が増加しているため、そのまま作業現場内を走行する場合には、走行速度の規制が必要となる。
【0021】
図4はクレーン車1の他の作業状態の例を示している。図3に示した作業状態に対して、伸縮ブーム4の起仰角度をさらに大きくし、また伸縮ブーム4の先端には補助ジブ13を取付けており、補助ジブ13の先端からは補助ジブ用のフック14を吊下げている。図4に示したクレーン車の作業状態では、図3に示した作業状態同様に作業現場内を走行する場合に走行速度の規制が必要であるのは勿論であるが、図3に示した作業状態とは軸重が変化しているため、軸重に応じた規制速度を別途算出する必要がある。
【0022】
図5は、軸重と走行速度との関係を示したグラフの一例であり、縦軸15は軸重を表示しており、横軸16は走行速度を表示している。
【0023】
17は軸重と走行速度との関係を表した曲線である。軸重が15ton以下の時は、走行速度は全く規制されないが、軸重が15ton以上となると、軸重の増加に伴ない許容される速度が低下していく。そして、走行可能な最大軸重は40ton以下となっている。
【0024】
図6は本願発明の実施の形態に係る走行速度規制装置のブロック図である。
【0025】
20は右前圧力検出手段、21は左前圧力検出手段、22は右後圧力検出手段、23は左後圧力検出手段である。各圧力検出手段は、前記走行車両2の油圧サスペンションのサスシリンダにクレーン車の重量により発生した支持圧力を検出するようになっている。図1及び図2に示したクレーン車の走行車両2は7軸車であるが、各軸に取付けられたサスシリンダは、大きく右前、左前、右後、左後の4つのブロックに分けられており、そのブロックの中でのサスシリンダ同士の油圧配管は相互に連絡されており、その発生する支持圧力はブロックの中では同じ圧力となるようになっている。したがって、圧力検出手段は、上述したように右前、左前、右後、左後の4つのブロックの圧力を検出すればよいこととなる。
【0026】
なお、大型クレーン車の走行車両の油圧サスペンションの油圧配管の方式は各種のものが知られており、サスシリンダの支持圧力の検出は上述の方法に限られるものではない。すなわち、走行速度の規制値の決めてとなる最大の軸重となる車軸のサスシリンダの圧力検出が可能であれば、その形式は問わないものである。
【0027】
前記圧力検出手段20〜23の信号は、演算部24の軸重算出手段25に送られる。軸重算出手段25では、サスシリンダの支持圧力に基き走行車両2の軸重が演算され、走行車両2の軸重のうちの最大の軸重値が演算部24内に設けられた速度規制信号出力手段26に送られる。また、同時に走行用運転室9内部に設けられた軸重表示手段31にも最大軸重値が送られ表示される。これにより、クレーン車1の運転者は走行速度の規制の要因となる最大の軸重値を認識することができる。
【0028】
27は演算部24内に設けられた規制速度記憶手段であって、前述した図5に示した軸重と走行速度の関係を記憶したものである。前記速度規制信号出力手段26では、軸重算出手段25からの最大軸重値における許容される走行速度を演算し、走行速度規制手段を構成するトランスミッション制御手段28及びエンジン制御手段29に規制信号を出力する。
【0029】
トランスミッション制御手段28は、トランスミッションの変速段が所定の速度段以上へ切り換わらないよう規制することにより、許容される走行速度を越えることがないよう制御する。これにより、クレーン車の走行速度をトランスミッションの変速段によって定められる所定の速度となるよう確実に規制することができる。
【0030】
エンジン制御手段29は、走行用エンジン回転数が所定回転数以上とならないよう規制する。これにより、クレーン車の走行速度を走行用エンジン回転数によって定められる所定の速度となるよう確実に規制することができる。
【0031】
なお、走行速度規制手段としての、トランスミッション制御手段28とエンジン制御手段29は、同時に使用するようにしてもよいし、必要に応じてその一方のみを使用するようにしてもよい。
【0032】
また、クレーン車の走行中に伸縮ブームの起伏角度変化などのクレーン作業姿勢変化による軸重変化があった場合は、規制速度を軸重に応じた所定の速度に変化させるようになるが、その速度変化が滑らかになるよう前記演算部24の速度規制信号出力手段26からの規制信号を出力するようにすることができる。これにより、走行速度の変化に伴なうショックの発生を防止することができる。
【0033】
30は前記走行用運転室9内部に設けられた規制速度表示手段であって、前記速度規制信号出力手段26からの規制信号に基き、その時の規制速度を表示するものである。これにより、クレーン車の運転者は走行速度規制装置により規制されている規制速度を容易に認識することができる。
【0034】
【発明の効果】
以上の如く構成し作用するものであるから、本願の請求項1に記載されたクレーン車の走行速度規制装置は、油圧サスペンションのサスシリンダ支持圧力を検出する圧力検出手段と、当該圧力検出手段からの圧力信号に基きクレーン車の軸重に応じた走行速度規制信号を出力する演算部と、当該演算部からの規制信号により走行速度を規制する走行速度規制手段と、により構成したので、クレーン車の軸重の増加に伴なう走行速度の規制値を自動的に演算することができ、かつクレーン車の走行速度も自動的に規制することができる。
【0035】
また、本願の請求項2に記載されたクレーン車の走行速度規制装置は、トランスミッションの変速段が所定の速度段以上へ切り換わらないよう規制するよう構成したので、クレーン車の走行速度をトランスミッションの変速段によって定められる所定の速度となるよう確実に規制することができる。
【0036】
さらに、本願の請求項3に記載されたクレーン車の走行速度規制装置は、走行用エンジン回転数が所定回転数以上とならないよう規制するよう構成したので、クレーン車の走行速度を走行用エンジン回転数によって定められる所定の速度となるよう確実に規制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係る走行速度規制装置を搭載するに適した大型のクレーン車である。
【図2】クレーン車から伸縮ブーム等のクレーン装置を取り除いた走行車両である。
【図3】クレーン車の作業状態の説明図である。
【図4】クレーン車の他の作業状態の説明図である。
【図5】軸重と走行速度との関係を示したグラフの一例である。
【図6】本願発明の実施の形態に係る走行速度規制装置のブロック図である。
【符号の説明】
1はクレーン車、2は走行車両、3は旋回台、4は伸縮ブーム、5は起伏シリンダ、6は車両フレーム、7はタイヤ、8a〜8gは車軸、9は走行用運転室、10はエンジンルーム、11はカウンタウエイト、20〜23は圧力検出手段、24は演算部、25は軸重算出手段、26は速度規制信号出力手段、27は規制速度記憶手段、28はトランスミッション制御手段、29はエンジン制御手段、30は規制速度表示手段、31は軸重表示手段
Claims (3)
- 走行車両上にクレーン装置を搭載することにより、又はクレーン作業状態のまま走行することにより、走行車両の軸重が増加するため走行速度が規制されることとなるクレーン車の走行速度規制装置であって、
当該走行速度規制装置は、油圧サスペンションのサスシリンダ支持圧力を検出する圧力検出手段と、当該圧力検出手段からの圧力信号に基きクレーン車の軸重に応じた走行速度規制信号を出力する演算部と、当該演算部からの規制信号により走行速度を規制する走行速度規制手段と、を備えたことを特徴とするクレーン車の走行速度規制装置。 - 請求項1のクレーン車の走行速度規制装置において、前記走行速度規制手段は、トランスミッションの変速段が所定の速度段以上へ切り換わらないよう規制することを特徴とするクレーン車の走行速度規制手段。
- 請求項1のクレーン車の走行速度規制装置において、前記走行速度規制手段は、走行用エンジン回転数が所定回転数以上とならないよう規制することを特徴とするクレーン車の走行速度規制手段。
Priority Applications (1)
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JP2003201451A JP2005041622A (ja) | 2003-07-25 | 2003-07-25 | クレーン車の走行速度規制装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003201451A JP2005041622A (ja) | 2003-07-25 | 2003-07-25 | クレーン車の走行速度規制装置 |
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Family Applications (1)
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010195565A (ja) * | 2009-02-27 | 2010-09-09 | Tcm Corp | 搬送用車両 |
CN103043533A (zh) * | 2012-12-26 | 2013-04-17 | 三一重工股份有限公司 | 一种起重机及其控制方法 |
CN103539014A (zh) * | 2013-10-11 | 2014-01-29 | 中联重科股份有限公司 | 一种附加车轴装置及速度控制方法和速度控制系统 |
CN114212082A (zh) * | 2021-12-22 | 2022-03-22 | 三一汽车起重机械有限公司 | 一种工程车辆及其行驶速度控制方法、装置 |
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2003
- 2003-07-25 JP JP2003201451A patent/JP2005041622A/ja active Pending
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