JP2005041417A - 鉄道用部材とその表面処理方法及び鉄道用部材の表面処理装置 - Google Patents

鉄道用部材とその表面処理方法及び鉄道用部材の表面処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 磨耗を減少させて安全性と乗り心地を改善し保守コストを減少させることができる鉄道用部材とその表面処理方法及びその表面処理装置を提供する。
【解決手段】 鉄道用部材1は、摩擦抵抗を受ける接触面1aが表面処理された鉄道用車輪や鉄道用レールなどである。硬化処理層2は、鉄道用部材1の接触面1aを浸炭処理や窒化処理などによって硬化処理した部分であり、ショットピーニング処理面3は硬化処理層2の表面をショットピーニング処理した部分である。摩擦緩和層4は、摩擦抵抗を緩和する部分であり、ショットピーニング処理後の硬化処理層2の表面に二硫化モリブデンなどの摩擦緩和粒子4aを多数投射して形成されているため、硬化処理層2と摩擦緩和粒子4aとの密着性が向上する。その結果、車輪のフランジ面やレールの内側頭頂面の摩擦抵抗を減少させ高面圧、高滑り条件下における磨耗を低減し、きしみ割れを防止することができる。
【選択図】 図1

Description

この発明は、摩擦抵抗を受ける接触面が表面処理された鉄道用部材と、摩擦抵抗を受ける接触面を表面処理する鉄道用部材の表面処理方法及びその表面処理装置に関する。
図14は、鉄道車両が急曲線を通過するときの鉄道用車輪と鉄道用レールとの状態を示す平面図である。図15は、図14のXV部分を拡大して示す正面図である。
図14及び図15に示す車輪Wは、レールRと回転接触する鉄道用部材であり、レールRの頭頂面R1と接触して摩擦抵抗を受ける踏面W1と、鉄道車両が急曲線を通過するときに外軌側のレールRの内側頭頂面R2と接触して摩擦抵抗を受けるフランジ面W2とを備えている。レールRは、車輪Wを案内する鉄道用部材であり、車輪Wを直接支持する頭頂面(頭部上面)R1と、この頭頂面R1と連続する内側頭頂面R2とを備えている。
このような鉄道用車輪や鉄道用レールは、鉄道の基幹部品であるため、これらの材料には安全性と保守コストの削減とが求められている。図14及び図15に示すように、矢印方向に鉄道車両が急曲線を通過すると、車輪Wのフランジ面W2とレールRの内側頭頂面R2との間に横圧Qが作用してこれらが激しく高面圧で高滑り接触を起こす。このため、フランジ面W2及び内側頭頂面R2は、磨耗の激しい場所となり、このような磨耗が進行すると車輪Wの踏面W1及びレールRの頭頂面R1の形状が変化し、安全性や乗り心地が低下するとともに保守コストが増加する。このため、従来の鉄道用車輪では、レールの頭頂面と接触する踏面をガス浸炭焼き入れ処理した後に焼戻し処理している(例えば、特許文献1参照)。また、従来の鉄道用レールでは、車輪と接触する頭頂面を高温に加熱して熱処理した後に、オーステナイト域温度から所定の冷却速度で所定の温度まで冷却しその後放冷することによって製造されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平5-42801号公報(段落番号0006〜0007及び図3)
特開平9-316598号公報(段落番号0033〜0038)
従来の鉄道用車輪では、フランジ面W2に焼き入れを行うと車輪Wの大きさ及び冷却速度などの原因によって、安定的にフランジ面W2を焼き入れすることが困難であった。また、従来の鉄道用レールでは、製品製造時に頭頂面R1を焼き入れ処理しているが磨耗やきしみ割れなどの発生が問題となっている。このため、従来の鉄道用車輪や鉄道用レールでは、形状の変化を防止するため定期的に削正して形状を整えているが作業回数が増えると保守コストが増大し運営上問題となる。特に、鉄道用車輪の場合には台車から取り外す作業が必要であるため削正作業に手間がかかるという問題があった。
この発明の課題は、磨耗を減少させて安全性と乗り心地を改善し保守コストを減少させることができる鉄道用部材とその表面処理方法及びその表面処理装置を提供することである。
この発明は、以下に記載するような解決手段により、前記課題を解決する。
なお、この発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、この実施形態に限定するものではない。
請求項1の発明は、摩擦抵抗を受ける接触面(1a;R2;W2)が表面処理された鉄道用部材であって、前記接触面にショットピーニング処理面(3)が形成されていることを特徴とする鉄道用部材(1;R;W)である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の鉄道用部材において、前記ショットピーニング処理面に摩擦緩和層(4)が形成されていることを特徴とする鉄道用部材である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の鉄道用部材において、前記接触面の硬化処理層(2)の表面に前記ショットピーニング処理面が形成されていることを特徴とする鉄道用部材である。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の鉄道用部材において、鉄道用車輪(W)のフランジ面(W2)又は鉄道用レール(R)の内側頭頂面(R2)に前記ショットピーニング処理面が形成されていることを特徴としている鉄道用部材である。
請求項5の発明は、摩擦抵抗を受ける接触面(1a;W2;R2)を表面処理する鉄道用部材(1;W;R)の表面処理方法であって、前記接触面にショット粒子(3a)を投射してショットピーニング処理面(3)を形成するショットピーニング処理工程(#120)を含むことを特徴とする鉄道用部材の表面処理方法である。
請求項6の発明は、請求項5に記載の鉄道用部材の表面処理方法において、前記ショットピーニング処理面に摩擦緩和粒子(4a)を投射して摩擦緩和層(4)を形成する摩擦緩和処理工程(#130)を含むことを特徴とする鉄道用部材の表面処理方法である。
請求項7の発明は、摩擦抵抗を受ける接触面(W2;R2)を表面処理する鉄道用部材(W;R)の表面処理方法であって、前記接触面にショット粒子(3a)及び摩擦緩和粒子(4a)を投射してショットピーニング処理面(3)を形成するとともに、このショットピーニング処理面に摩擦緩和層(4)を形成するショットピーニング処理工程(#140)を含むことを特徴とする鉄道用部材の表面処理方法である。
請求項8の発明は、請求項5から請求項7までのいずれか1項に記載の鉄道用部材の表面処理方法において、前記ショットピーニング処理工程は、前記接触面の硬化処理層(2)の表面に前記ショットピーニング処理面を形成する工程であることを特徴とする鉄道用部材の表面処理方法である。
請求項9の発明は、請求項5から請求項8までのいずれか1項に記載の鉄道用部材の表面処理方法において、前記ショットピーニング処理工程は、鉄道用車輪(W)のフランジ面(W2)又は鉄道用レール(R)の内側頭頂面(R2)に前記ショットピーニング処理面を形成する工程であることを特徴とする鉄道用部材の表面処理方法である。
請求項10の発明は、摩擦抵抗を受ける接触面(W2;R2)を表面処理する鉄道用部材(W;R)の表面処理装置であって、前記接触面にショット粒子(3a)を投射してショットピーニング処理面(3)を形成するショットピーニング処理装置(7;9;11;14)を備えることを特徴とする鉄道用部材の表面処理装置(5;10)である。
請求項11の発明は、請求項10に記載の鉄道用部材の表面処理装置において、前記ショットピーニング処理面に摩擦緩和粒子(4a)を投射して摩擦緩和層(4)を形成する摩擦緩和処理装置(8;12)を備えることを特徴とする鉄道用部材の表面処理装置である。
請求項12の発明は、請求項11に記載の鉄道用部材の表面処理装置において、前記ショットピーニング処理装置は、前記鉄道用部材(W)を回転させた状態で前記接触面(W2)を表面処理するときに回転方向(A)に対して上流側に配置されており、前記摩擦緩和処理装置は、回転方向に対して下流側に配置されていることを特徴とする鉄道用部材の表面処理装置である。
請求項13の発明は、請求項11に記載の鉄道用部材の表面処理装置において、前記ショットピーニング処理装置は、前記鉄道用部材(R)に沿って移動した状態で前記接触面(R2)を表面処理するときに移動方向(B)に対して前側に配置されており、前記摩擦緩和処理装置は、移動方向に対して後側に配置されていることを特徴とする鉄道用部材の表面処理装置(5)である。
請求項14の発明は、摩擦抵抗を受ける接触面(W2;R2)を表面処理する鉄道用部材(W;R)の表面処理装置であって、前記接触面にショット粒子(3a)及び摩擦緩和粒子(4a)を投射してショットピーニング処理面(3)を形成するとともに、このショットピーニング処理面に摩擦緩和層(4)を形成するショットピーニング処理装置(9;11)を備えることを特徴とする鉄道用部材の表面処理装置である。
請求項15の発明は、請求項10又は請求項14に記載の鉄道用部材の表面処理装置において、前記ショットピーニング処理装置は、前記鉄道用部材(W)を回転させた状態又は前記鉄道用部材(R)に沿って移動した状態で前記接触面に前記ショットピーニング処理面を形成することを特徴とする鉄道用部材の表面処理装置である。
請求項16の発明は、請求項10から請求項15までのいずれか1項に記載の鉄道用部材の表面処理装置において、前記ショットピーニング処理装置は、前記接触面の硬化処理層(4)の表面に前記ショットピーニング処理面を形成することを特徴とする鉄道用部材の表面処理装置である。
請求項17の発明は、請求項10から請求項16までのいずれか1項に記載の鉄道用部材の表面処理装置において、前記ショットピーニング処理装置は、鉄道用車輪(W)のフランジ面(W2)又は鉄道用レール(R)の内側頭頂面(R2)に前記ショットピーニング処理面を形成することを特徴とする鉄道用部材の表面処理装置である。
この発明によると、磨耗を減少させて安全性と乗り心地を改善し保守コストを減少させることができる。
(第1実施形態)
以下、図面を参照して、この発明の第1実施形態について詳しく説明する。
図1は、この発明の第1実施形態に係る鉄道用部材を模式的に示す部分断面図であり、図1(A)は表面処理前の状態を示す部分断面図であり、図1(B)は表面処理後の状態を示す部分断面図である。
鉄道用部材1は、摩擦抵抗を受ける接触面1aが表面処理された鉄道用車輪や鉄道用レールなどの基幹部品である。接触面1aは、他の鉄道用部材の被接触面との間の相対運動により摩擦抵抗を受ける部分であり、図14及び図15に示すように、急曲線のレールRの内側頭頂面R2や、この内側頭頂面R2と回転接触する車輪Wのフランジ面W2などである。接触面1aには、図1(B)に示すように、硬化処理層2と、ショットピーニング処理面3と、摩擦緩和層4とが形成されている。
硬化処理層2は、鉄道用部材1の接触面1aを硬化処理して形成した部分である。硬化処理層2は、例えば、鉄道用部材1(母材)をA3変態の起きる温度以上の浸炭性雰囲気中で加熱して表面の炭素量を高める浸炭処理や、浸炭と窒化とが同時に起こる環境中で鉄道用部材1をA3変態の起きる温度以上で加熱し表面層の炭素と窒素量とを同時に高める浸炭窒化処理や、鉄道用部材1の表面層に窒素を拡散浸透させて硬質の窒化層を形成させる窒化処理などによって形成される。
ショットピーニング処理面3は、硬化処理層2の表面をショットピーニング処理して形成した部分である。ショットピーニング処理面3は、例えば、硬化処理層2の硬さよりも硬さが大きく(硬さが400HV以上)粒子径が20μm〜400μm程度の粒子を速度50m/s〜1000m/sで硬化処理層2の表面に多数投射して形成される。このような粒子としては、Al2O3,Zr2O3,SiC,SiNなどのセラミックス粒子又はSKH(ハイス又は高速度鋼)、WC-Co(超硬合金)、鋳鋼、鉄鋼などの硬質粒子を使用することが好ましい。
摩擦緩和層4は、摩擦抵抗を緩和する部分である。摩擦緩和層4は、摩擦係数を略一定範囲内に低減する摩擦緩和材(摩擦低減材)によって形成される。摩擦緩和層4は、例えば、ショットピーニング処理後の硬化処理層2の表面の固さよりも硬さが小さく、摩擦係数を上げないような材質であって、大きさが2μm〜50μm程度の固体潤滑剤や軟質粒子を速度50m/s〜1000m/sでショットピーニング処理面3の表面に多数投射して形成される。このような固体潤滑剤としては、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、ボロンナイトライド又はグラファイト(黒鉛)などを使用することが好ましく、軟質粒子としてはアルミニウム、スズ、ニッケル又はチタンなどを使用することが好ましい。
次に、この発明の第1実施形態に係る鉄道用部材の表面処理方法を説明する。
図2は、この発明の第1実施形態に係る鉄道用部材の表面処理方法の工程図である。図3は、この発明の第1実施形態に係る鉄道用部材の表面処理方法を説明するための模式図であり、図3(A)は表面処理前の断面図であり、図3(B)は表面硬化処理工程後の断面図であり、図3(C)はショットピーニング処理工程中の断面図であり、図3(D)は摩擦緩和処理工程中の断面図であり、図3(E)は表面処理後の断面図である。
表面処理工程#100は、摩擦抵抗を受ける接触面1aを表面処理する工程であり、図2に示すように表面硬化処理工程#110と、ショットピーニング処理工程(第1ショットピーニング処理工程)#120と、摩擦緩和処理工程(第2ショットピーニング処理工程)#130とを含む。表面硬化処理工程#110は、接触面1aを硬化処理する工程であり、この表面硬化処理工程#110では図3(A)(B)に示すように浸炭処理、浸炭窒化処理又は窒化処理などによって接触面1aに硬化処理層2が形成される。ショットピーニング処理工程#120は、硬化処理層2の表面にショット粒子3aを投射してショットピーニング処理面3を形成する冷間加工法による表面硬化処理工程である。このショットピーニング処理工程#120では、図3(C)に示すように、セラミックス粒子又は硬質粒子などからなるショット粒子3aを硬化処理層2の表面に多数投射し適度な表面粗さを与えて凹部を形成する。摩擦緩和処理工程#130は、ショットピーニング処理面3に摩擦抵抗を緩和する摩擦緩和粒子4aを投射して摩擦緩和層4を形成する工程である。この摩擦緩和処理工程#130では、図3(D)に示すように適度な表面粗さが与えられたショットピーニング処理面3に、固体潤滑剤や軟質粒子などからなる摩擦緩和粒子4aを多数投射して、ショットピーニング処理面3と摩擦緩和粒子4aとを密着させ摩擦緩和層4を形成する。
この発明の第1実施形態に係る鉄道用部材とその表面処理方法には、以下に記載するような効果がある。
(1) この第1実施形態では、鉄道用部材1の摩擦抵抗を受ける接触面1aにショットピーニング処理面3が形成されている。その結果、接触面1aが押し伸ばされて塑性変形し圧縮応力が残留するため硬さが上昇し、鉄道用部材1の疲れ寿命が向上して傷の発生を防止することができる。特に、従来の鉄道用車輪のように車輪全体を焼き入れなどによって熱処理する場合に比べて、接触面1aを簡単に短時間で表面処理することができる。
(2) この第1実施形態では、ショットピーニング処理面3に摩擦緩和層4が形成されている。このため、適度な表面粗さが与えられたショットピーニング処理面3上に摩擦緩和粒子4aを投射することによって、硬化処理層2と摩擦緩和粒子4aとの密着性を向上させることができる。また、ショット時に発生する熱によってショットピーニング処理面3の表面に化学物層の生成をある程度期待することができる。その結果、図14及び図15に示すような車輪Wのフランジ面W2やレールRの内側頭頂面R2に適用することによって、摩擦抵抗を減少させ高面圧、高滑り条件下における磨耗を低減し、きしみ割れを防止することができる。また、従来の鉄道用レールの製造時に必要であった熱処理工程を省略することが期待できるとともに、車輪WやレールRの寿命が延びるため低コスト化を図ることができる。
(3) この第1実施形態では、接触面1aの硬化処理層2の表面にショットピーニング処理面3が形成されている。その結果、浸炭処理、浸炭窒化処理又は窒化処理などの表面硬化処理によって鉄道用部材1の硬さや圧縮残留応力が上昇するため、鉄道用部材1の耐摩耗性を向上させることができるとともに、相乗効果としてフランジ面の耐摩耗性を向上させることができる。
(第2実施形態)
図4は、この発明の第2実施形態に係る鉄道用部材の表面処理方法の工程図である。図5は、この発明の第2実施形態に係る鉄道用部材の表面処理方法を説明するための模式図であり、図5(A)は表面処理前の断面図であり、図5(B)は表面硬化処理工程後の断面図であり、図5(C)はショットピーニング処理工程中の断面図であり、図5(D)は表面処理後の断面図である。なお、図2及び図3に示す部分と同一の部分については同一の番号を付して詳細な説明を省略する。
図4に示すショットピーニング処理工程#140は、図5(C)(D)に示すように、接触面1aにショット粒子3a及び摩擦緩和粒子4aを投射してショットピーニング処理面3を形成するとともに、このショットピーニング処理面3に摩擦緩和層4を形成する工程である。この第2実施形態では、第1実施形態の効果に加えて、ショット粒子3aと摩擦緩和粒子4aとを同時に接触面1aに投射してショットピーニング処理面3及び摩擦緩和層4を略同時に形成することができる。このため、処理時間の短縮化を図ることができるとともに、ショットピーニング処理面3に密着した摩擦緩和粒子4aにショット粒子3aが衝突したときには、この衝突によって発生する衝撃力によってショットピーニング処理面3に摩擦緩和粒子4aを浸透させることが期待できる。
(第3実施形態)
図6は、この発明の第3実施形態に係る鉄道用部材の表面処理装置の正面図である。図7は、この発明の第3実施形態に係る鉄道用部材の表面処理装置の側面図であり、図7(A)はショットピーニング処理装置の側面図であり、図7(B)は摩擦緩和処理装置の側面図である。
表面処理装置5は、摩擦抵抗を受けるフランジ面W2を表面処理する装置である。図6及び図7に示す表面処理装置5は、図14に示すような一対の車輪Wのそれぞれに対応して配置されており、以下では一方の側の表面処理について説明し、他方の側の表面処理については説明を省略する。表面処理装置5は、図6に示すように、回転装置6と、ショットピーニング処理装置(第1ショットピーニング処理装置)7と、摩擦緩和処理装置(第2ショットピーニング処理装置)8とを備えている。
回転装置6は、車輪Wを回転させる装置であり、回転体6a,6bと、回転駆動部6cと、昇降駆動部6dとを備えている。回転体6a,6bは、車輪Wと回転接触するローラであり、レールRの端部R3と端部R4との間のレール分断部R5に配置されている。回転駆動部6cは、回転体6a,6bの外周面を車輪Wの踏面W1に接触させた状態でこれらの回転体6a,6bを回転駆動させる装置である。昇降駆動部6dは、回転体6a,6bを昇降駆動させる装置であり、車輪Wを表面処理するときには回転体6a,6bを上昇させて踏面W1に接触させ、車輪Wの表面処理を終了したときには回転体6a,6bを下降させて踏面W1から離間させる。
ショットピーニング処理装置7は、フランジ面W2にショット粒子3aを投射してショットピーニング処理面3を形成する装置であり、図6に示すように車輪Wを回転させた状態でフランジ面W2を表面処理するときに回転方向(A方向)に対して上流側に配置されている。ショットピーニング処理装置7は、図6及び図7(A)に示すように、噴射部7aと、供給管路7bと、回収部7cと、回収管路7dとを備えている。噴射部7aは、ショット粒子3aを噴射するノズルであり、フランジ面W2と間隔をあけて対向するように回収部7c内に配置されている。供給管路7bは、ショット粒子3aを噴射部7aに供給する配管であり、ショット粒子3aを収容する図示しない収容部から噴射部7aまで圧縮空気によってショット粒子3aを供給する。回収部7cは、噴射部7aから噴射してフランジ面W2に衝突した後のショット粒子3aを受け止めて収容する部分であり、先端開口部がフランジ面W2と密着するような形状に形成されておりフランジ面W2を覆うように車輪Wと密着する。回収管路7dは、回収部7c内のショット粒子3aを回収する配管であり、回収部7cから図示しない収容部にショット粒子3aを吸引し戻す。
摩擦緩和処理装置8は、ショットピーニング処理面3に摩擦緩和粒子4aを投射して摩擦緩和層4を形成する装置であり、図6に示すように車輪Wの回転方向に対して下流側に配置されている。摩擦緩和処理装置8は、ショットピーニング処理装置7と略同一構造であり、図7(B)に示すようにショットピーニング処理装置7側の部分と対応する部分については対応する符号を付して詳細な説明を省略する。
次に、この発明の第3実施形態に係る鉄道用部材の表面処理装置の動作を説明する。
図6及び図7に示すように、フランジ面W2を表面処理する場合には、レールRに沿って車輪Wが転がりながら移動してレール分断部R5に位置したときに、回転装置6を動作させる。その結果、昇降駆動部6dが回転体6a,6bを上昇させて車輪Wと接触させるとともに、この状態で回転駆動部6cが回転体6a,6bを回転させて車輪WをA方向に回転させる。次に、ショットピーニング処理装置7及び摩擦緩和処理装置8が退避位置から駆動を開始して、回収部7c,8cの先端開口部がフランジ面W2と密着する。回転装置6が車輪Wを回転させた状態でショットピーニング処理装置7が供給管路7bから噴射部7aにショット粒子3aを供給すると、図7(A)に示すように噴射部7aからフランジ面W2にショット粒子3aが投射されてショットピーニング処理面3が形成される。
摩擦緩和処理装置8が供給管路8bから噴射部8aに摩擦緩和粒子4aを供給すると、図7(B)に示すように噴射部8aからショットピーニング処理面3に摩擦緩和粒子4aが投射されて摩擦緩和層4が形成される。フランジ面W2で反射して回収部7c内に回収されたショット粒子3aは回収管路7dを通じて吸引され回収されるとともに、ショットピーニング処理面3に密着せずに回収部8c内に回収された摩擦緩和粒子4aは回収管路8dを通じて吸引され回収される。フランジ面W2の表面処理を終了する場合には、回転駆動部6cが回転体6a,6bの回転を停止させて昇降駆動部6dが回転体6a,6bを下降させると、車輪Wが回転体6a,6bから離間する。そして、表面処理後の車輪WがレールRに沿って転がりながら移動してレール分断部R5から離れると、次の車輪Wがレール分断部R5に位置し同様の表面処理動作が繰り返される。
この発明の第3実施形態に係る鉄道用部材の表面処理装置には、以下に記載するような効果がある。
(1) この第3実施形態では、ショットピーニング処理装置7がフランジ面W2にショット粒子3aを投射してショットピーニング処理面3を形成する。その結果、フランジ面W2の硬さが上昇するため、鉄道車両が急曲線を通過するときにフランジ面W2と内側頭頂面R2とが激しく接触しても、フランジ面W2に傷が発生するのを可能な限り防止することができる。
(2) この第3実施形態では、摩擦緩和処理装置8がショットピーニング処理面3に摩擦緩和粒子4aを投射して摩擦緩和層4を形成する。その結果、フランジ面W2が受ける摩擦抵抗が緩和されるため、鉄道車両が急曲線を通過するときにフランジ面W2と内側頭頂面R2とが激しく接触しても、フランジ面W2が磨耗するのを低減することができる。例えば、規定の走行距離を列車が走行した後に電車区などの車両基地で車両を停車させて表面処理をすることができる。また、従来の鉄道用車輪のように踏面W1の形状の変化を防止するために、車輪Wを定期的に削正して踏面W1の形状を整える大規模な作業が必要なくなるため、保守コストを低減することができる。
(3) この第3実施形態では、車輪Wを回転させた状態でフランジ面W2を表面処理するときにショットピーニング処理装置7が回転方向に対して上流側に配置されており、摩擦緩和処理装置8が回転方向に対して下流側に配置されている。その結果、従来の鉄道用車輪のように車輪W全体を焼き入れしたり車輪Wを部分的に浸炭処理や窒化処理したりする必要がなくなるため、車輪Wを回転させながらフランジ面W2を短時間に連続して表面処理することができる。
(第4実施形態)
図8は、この発明の第4実施形態に係る鉄道用部材の表面処理装置の正面図である。以下では、図6に示す部分と同一の部分については同一の番号を付して詳細な説明を省略する。
図8に示すショットピーニング処理装置9は、フランジ面W2にショット粒子3a及び摩擦緩和粒子4aを投射してショットピーニング処理面3を形成するとともに、このショットピーニング処理面3に摩擦緩和層4を形成する。ショットピーニング処理装置9は、図8に示すように、混合状態のショット粒子3a及び摩擦緩和粒子4aをフランジ面W2に同時に噴射する噴射部9aと、ショット粒子3a及び摩擦緩和粒子4aを噴射部9aに供給する噴射管路9bと、噴射後のショット粒子3a及び摩擦緩和粒子4aを受け止めて回収する回収部9cと、ショット粒子3a及び摩擦緩和粒子4aを回収部9cから吸引する回収管路9dとを備えている。この第4実施形態では、第3実施形態の効果に加えて、車輪Wを回転させた状態でショット粒子3a及び摩擦緩和粒子4aをフランジ面W2に同時に投射して、ショットピーニング処理面3及び摩擦緩和層4を略同時に形成することができる。
(第5実施形態)
図9は、この発明の第5実施形態に係る鉄道用部材の表面処理装置の平面図である。図10は、この発明の第5実施形態に係る鉄道用部材の表面処理装置の側面図であり、図10(A)はショットピーニング処理装置の側面図であり、図10(B)は摩擦緩和処理装置の側面図である。
表面処理装置10は、摩擦抵抗を受ける内側頭頂面R2を表面処理する装置である。図9及び図10に示す表面処理装置10は、図14に示すような一対のレールRのそれぞれに対応して配置されており、以下では一方の側の表面処理について説明し、他方の側の表面処理については説明を省略する。表面処理装置10は、図9及び図10に示すように、ショットピーニング処理装置11と、摩擦緩和処理装置12と、仕切部材13とを備えている。表面処理装置10は、原動機又は人力によって走行する保線作業車などに搭載されており、内側頭頂面R2と接触した状態でレールRの長さ方向に沿って移動する。
ショットピーニング処理装置11は、レールRに沿って移動した状態で内側頭頂面R2を表面処理するときに移動方向(B方向)に対して前側に配置されている。ショットピーニング処理装置11は、図6及び図7(A)に示すショットピーニング処理装置7と近似した構造であり、図10(A)に示すようにショットピーニング処理装置7側の部分と対応する部分については対応する符号を付して詳細な説明を省略する。摩擦緩和処理装置12は、移動方向に対して後側に配置されており、ショットピーニング処理装置11と一体に取り付けられている。摩擦緩和処理装置12は、図7(B)に示す摩擦緩和処理装置8と近似した構造であり、図10(B)に示すように摩擦緩和処理装置8側の部分と対応する部分については対応する符号を付して詳細な説明を省略する。仕切部材13は、ショットピーニング処理装置11と摩擦緩和処理装置12とを仕切る仕切板であり、図9に示すように、回収部11c内のショット粒子3aと回収部12c内の摩擦緩和粒子4aとが混合しないように、回収部11cと回収部12cとを仕切る。
次に、この発明の第5実施形態に係る鉄道用部材の表面処理装置の動作を説明する。
図9及び図10に示すように、表面処理装置10が退避位置から駆動を開始すると、回収部11c,12cの先端開口部が内側頭頂面R2に密着して、レールRの長さ方向に沿って表面処理装置10がB方向に移動する。レールRに沿って表面処理装置10を移動させた状態で移動方向に対して前側のショットピーニング処理装置11が供給管路11bから噴射部11aにショット粒子3aを供給すると、図9(A)に示すように噴射部11aから内側頭頂面R2にショット粒子3aが投射されてショットピーニング処理面3が形成される。次に、移動方向に対して後側の摩擦緩和処理装置12が供給管路12bから噴射部12aに摩擦緩和粒子4aを供給すると、図7(B)に示すように噴射部12aからショットピーニング処理面3に摩擦緩和粒子4aが投射されて摩擦緩和層4が形成される。回収部11c,12c内に回収されたショット粒子3a及び摩擦緩和粒子4aは、それぞれ回収管路11d,12dを通じて吸引され回収される。
この発明の第5実施形態に係る鉄道用部材の表面処理装置には、以下に記載するような効果がある。
(1) この第5実施形態では、ショットピーニング処理装置11が内側頭頂面R2にショット粒子3aを投射してショットピーニング処理面3を形成するため、鉄道車両が急曲線を通過するときに発生する内側頭頂面R2の傷を低減することができる。また、この第5実施形態では、摩擦緩和処理装置12がショットピーニング処理面3に摩擦緩和粒子4aを投射して摩擦緩和層4を形成するため、鉄道車両が急曲線を通過するときに発生する内側頭頂面R2の磨耗を低減することができる。
(2) この第5実施形態では、レールRに沿って移動させた状態で内側頭頂面R2を表面処理するときにショットピーニング処理装置11が移動方向に対して前側に配置されており、摩擦緩和処理装置12が移動方向に対して後側に配置されている。その結果、レールRに沿って表面処理装置10を移動させながらショットピーニング処理面3及び摩擦緩和層4を内側頭頂面R2に連続して形成することができるため、内側頭頂面R2を簡単に表面処理することができる。
(第6実施形態)
図11は、この発明の第6実施形態に係る鉄道用部材の表面処理装置の平面図である。
図11に示すショットピーニング処理装置14は、内側頭頂面R2にショット粒子3a及び摩擦緩和粒子4aを投射してショットピーニング処理面3を形成するとともに、このショットピーニング処理面3に摩擦緩和層4を形成する。ショットピーニング処理装置14は、図8に示すショットピーニング処理装置9と近似した構造であり、図11に示すようにショットピーニング処理装置9と対応する部分については対応する符号を付して詳細な説明を省略する。この第6実施形態では、第5実施形態の効果に加えて、表面処理装置10をレールRの長さ方向に沿って移動させながらショット粒子3aと摩擦緩和粒子4aとを同時に投射して、ショットピーニング処理面3及び摩擦緩和層4を略同時に形成することができる。
次に、この発明の実施例について説明する。
図12は、この発明の実施例に係る車輪試験片及びレール試験片の磨耗量を示すグラフである。図13は、この発明の実施例に係る車輪試験片及びレール試験片の摩擦係数の時間変化を示すグラフである。なお、図12に示す縦軸は磨耗量(g)であり、図13に示す縦軸は摩擦係数であり横軸は時間(s)である。
(試験片)
実施例1は、ショットピーニング処理された車輪試験片であり、比較例1はショットピーニング処理されていない車輪試験片である。実施例1については、50μm程度のアルミナ粒子を150m/s程度で30秒程度投射してショットピーニング処理面を形成した後に、10μm程度の二硫化モリブデン粒子を150m/s程度で30秒程度投射してショットピーニング処理面上に摩擦緩和層を形成した。車輪試験片は、現在使用されている実際の車輪の組成及び硬さと同じにするために、組成が炭素0.60〜0.75重量%、ケイ素0.15〜0.35重量%、マンガン0.50〜0.90重量%の炭素鋼であり、硬さが300〜320HV程度に調整されたものを使用した。比較例2,3はショットピーニング処理されていないレール試験片である。レール試験片は、車輪試験片と同様に、急曲線部に敷設され現在使用されている実際のレールの組成及び硬さと同じにするために、急曲線部の実際のレールの頭頂面から切り出したものを使用した。このレール試験片は、組成が炭素0.72〜0.82重量%、ケイ素0.10〜0.55重量%、マンガン0.70〜1.10重量%の炭素鋼であり、硬さが400HV程度に調整されたものを使用した。車輪試験片及びレール試験片は、直径30mm×厚さ8mmの円筒状であり、車輪試験片及びレール試験片の中央部には磨耗試験機に取り付けるために直径16mmの貫通孔が形成されている。
(試験方法)
急曲線における車輪のフランジ面とレールの内側頭頂面との接触を模擬するために、2円筒西原式転がり磨耗試験機によってすべり率を9%(車輪試験片が9%多く回転する)、面圧を0.9GPaに設定して、レール試験片を5万回回転させて試験を終了した。試験は、ショットピーニング処理していない車輪試験片(比較例1)とショットピーニング処理していないレール試験片(比較例2)とを接触させた場合と、ショットピーニング処理した車輪試験片(実施例1)とショットピーニング処理していないレール試験片(比較例3)とを接触させた場合について実施した。そして、実施例1及び比較例1〜3の試験終了時の磨耗量を比較した。また、試験中に実施例1及び比較例1に加わるトルク(τ)を磨耗試験機から検出して、摩擦係数(μ)=トルク(τ(kgf・cm))/荷重(W(kgf))/試験片の半径(cm)により摩擦係数(μ)の変化を測定した。ここで、荷重(W)は、車輪試験片とレール試験片とを加圧接触させたときに加えた荷重である。
(試験結果)
実施例1は、図12に示すように、比較例1に比べて磨耗量が減少しておりショットピーニング処理の効果が確認された。また、比較例3は、図12に示すように、比較例2に比べて磨耗量が減少しており、レール側をショットピーニング処理せずに車輪側のみショットピーニング処理した場合についてもレール側の磨耗を低減できる効果が確認された。図13に示すように、ショットピーニング処理した場合には、ショットピーニング処理しない場合に比べて摩擦係数が非常に低い値で推移し、車輪試験片及びレール試験片の接触領域の摩擦係数が低いことが確認された。
(他の実施形態)
この発明は、以上説明した実施形態に限定するものではなく、以下に記載するように種々の変形又は変更が可能であり、これらもこの発明の範囲内である。
(1) この実施形態では、鉄道用部材1として鉄道用車輪及び鉄道用レールを例に挙げて説明したが、相対運動によって摩擦抵抗を受けるパンタグラフのピン及びピンブッシュなどの他の鉄道用部材についてもこの発明を適用することができる。また、この実施形態では、鉄道用車輪又は鉄道用レールのいずれか一方を表面処理した場合を例に挙げて説明したが、これらの両方を表面処理することもできる。さらに、この実施形態では、車輪Wのフランジ面W2又はレールRの内側頭頂面R2を接触面1aの例に挙げて説明したが、これらの箇所とは別に又はこれらの箇所とともに踏面W1又は頭頂面R1を表面処理することもできる。
(2) この第1実施形態及び第2実施形態では、硬化処理層2の表面にショットピーニング処理面3を形成する場合を例に挙げて説明したが、表面硬化処理工程#110を省略して鉄道用部材1の接触面1aに直接ショットピーニング処理面3を形成することもできる。また、この第3実施形態〜第5実施形態では、車輪Wのフランジ面W2又はレールRの内側頭頂面R2にショットピーニング処理面3を形成する場合を例に挙げて説明したが、フランジ面W2又は内側頭頂面R2に浸炭処理や熱処理などによって硬化処理層2を形成した後にショットピーニング処理面3を形成することもできる。
この発明の第1実施形態に係る鉄道用部材を模式的に示す部分断面図であり、(A)は表面処理前の状態を示す部分断面図であり、(B)は表面処理後の状態を示す部分断面図である。 この発明の第1実施形態に係る鉄道用部材の表面処理方法の工程図である。 この発明の第1実施形態に係る鉄道用部材の表面処理方法を説明するための模式図であり、(A)は表面処理前の断面図であり、(B)は表面硬化処理工程後の断面図であり、(C)はショットピーニング処理工程中の断面図であり、(D)は摩擦緩和処理工程中の断面図であり、(E)は表面処理後の断面図である。 この発明の第2実施形態に係る鉄道用部材の表面処理方法の工程図である。 この発明の第2実施形態に係る鉄道用部材の表面処理方法を説明するための模式図であり、(A)は表面処理前の断面図であり、図5(B)は表面硬化処理工程後の断面図であり、(C)はショットピーニング処理工程中の断面図であり、(D)は表面処理後の断面図である。 この発明の第3実施形態に係る鉄道用部材の表面処理装置の正面図である。 この発明の第3実施形態に係る鉄道用部材の表面処理装置の側面図であり、(A)はショットピーニング処理装置の側面図であり、(B)は摩擦緩和処理装置の側面図である。 この発明の第4実施形態に係る鉄道用部材の表面処理装置の正面図である。 この発明の第5実施形態に係る鉄道用部材の表面処理装置の平面図である。 この発明の第5実施形態に係る鉄道用部材の表面処理装置の側面図であり、(A)はショットピーニング処理装置の側面図であり、(B)は摩擦緩和処理装置の側面図である。 この発明の第6実施形態に係る鉄道用部材の表面処理装置における平面図である。 この発明の実施例に係る車輪試験片及びレール試験片の磨耗量を示すグラフである。 この発明の実施例に係る車輪試験片及びレール試験片の摩擦係数の時間変化を示すグラフである。 鉄道車両が急曲線を通過するときの鉄道用車輪と鉄道用レールとの状態を示す平面図である。 図14のXV部分を拡大して示す正面図である。
符号の説明
1 鉄道用部材
1a 接触面
2 硬化処理層
3 ショットピーニング処理面
3a ショット粒子
4 摩擦緩和層
4a 摩擦緩和粒子
5 表面処理装置
6 回転装置
7 ショットピーニング処理装置
8 摩擦緩和処理装置
9 ショットピーニング処理装置
10 表面処理装置
11 ショットピーニング処理装置
12 摩擦緩和処理装置
14 ショットピーニング処理装置
W 車輪(鉄道用部材)
1 踏面
2 フランジ面(接触面)
R レール(鉄道用部材)
1 頭頂面
2 内側頭頂面(接触面)
A 回転方向
B 移動方向

Claims (17)

  1. 摩擦抵抗を受ける接触面が表面処理された鉄道用部材であって、
    前記接触面にショットピーニング処理面が形成されていること、
    を特徴とする鉄道用部材。
  2. 請求項1に記載の鉄道用部材において、
    前記ショットピーニング処理面に摩擦緩和層が形成されていること、
    を特徴とする鉄道用部材。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の鉄道用部材において、
    前記接触面の硬化処理層の表面に前記ショットピーニング処理面が形成されていること、
    を特徴とする鉄道用部材。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の鉄道用部材において、
    鉄道用車輪のフランジ面又は鉄道用レールの内側頭頂面に前記ショットピーニング処理面が形成されていること、
    を特徴とする鉄道用部材。
  5. 摩擦抵抗を受ける接触面を表面処理する鉄道用部材の表面処理方法であって、
    前記接触面にショット粒子を投射してショットピーニング処理面を形成するショットピーニング処理工程を含むこと、
    を特徴とする鉄道用部材の表面処理方法。
  6. 請求項5に記載の鉄道用部材の表面処理方法において、
    前記ショットピーニング処理面に摩擦緩和粒子を投射して摩擦緩和層を形成する摩擦緩和処理工程を含むこと、
    を特徴とする鉄道用部材の表面処理方法。
  7. 摩擦抵抗を受ける接触面を表面処理する鉄道用部材の表面処理方法であって、
    前記接触面にショット粒子及び摩擦緩和粒子を投射してショットピーニング処理面を形成するとともに、このショットピーニング処理面に摩擦緩和層を形成するショットピーニング処理工程を含むこと、
    を特徴とする鉄道用部材の表面処理方法。
  8. 請求項5から請求項7までのいずれか1項に記載の鉄道用部材の表面処理方法において、
    前記ショットピーニング処理工程は、前記接触面の硬化処理層の表面に前記ショットピーニング処理面を形成する工程であること、
    を特徴とする鉄道用部材の表面処理方法。
  9. 請求項5から請求項8までのいずれか1項に記載の鉄道用部材の表面処理方法において、
    前記ショットピーニング処理工程は、鉄道用車輪のフランジ面又は鉄道用レールの内側頭頂面に前記ショットピーニング処理面を形成する工程であること、
    を特徴とする鉄道用部材の表面処理方法。
  10. 摩擦抵抗を受ける接触面を表面処理する鉄道用部材の表面処理装置であって、
    前記接触面にショット粒子を投射してショットピーニング処理面を形成するショットピーニング処理装置を備えること、
    を特徴とする鉄道用部材の表面処理装置。
  11. 請求項10に記載の鉄道用部材の表面処理装置において、
    前記ショットピーニング処理面に摩擦緩和粒子を投射して摩擦緩和層を形成する摩擦緩和処理装置を備えること、
    を特徴とする鉄道用部材の表面処理装置。
  12. 請求項11に記載の鉄道用部材の表面処理装置において、
    前記ショットピーニング処理装置は、前記鉄道用部材を回転させた状態で前記接触面を表面処理するときに回転方向に対して上流側に配置されており、
    前記摩擦緩和処理装置は、回転方向に対して下流側に配置されていること、
    を特徴とする鉄道用部材の表面処理装置。
  13. 請求項11に記載の鉄道用部材の表面処理装置において、
    前記ショットピーニング処理装置は、前記鉄道用部材に沿って移動した状態で前記接触面を表面処理するときに移動方向に対して前側に配置されており、
    前記摩擦緩和処理装置は、移動方向に対して後側に配置されていること、
    を特徴とする鉄道用部材の表面処理装置。
  14. 摩擦抵抗を受ける接触面を表面処理する鉄道用部材の表面処理装置であって、
    前記接触面にショット粒子及び摩擦緩和粒子を投射してショットピーニング処理面を形成するとともに、このショットピーニング処理面に摩擦緩和層を形成するショットピーニング処理装置を備えること、
    を特徴とする鉄道用部材の表面処理装置。
  15. 請求項10又は請求項14に記載の鉄道用部材の表面処理装置において、
    前記ショットピーニング処理装置は、前記鉄道用部材を回転させた状態又は前記鉄道用部材に沿って移動した状態で前記接触面に前記ショットピーニング処理面を形成すること、
    を特徴とする鉄道用部材の表面処理装置。
  16. 請求項10から請求項15までのいずれか1項に記載の鉄道用部材の表面処理装置において、
    前記ショットピーニング処理装置は、前記接触面の硬化処理層の表面に前記ショットピーニング処理面を形成すること、
    を特徴とする鉄道用部材の表面処理装置。
  17. 請求項10から請求項16までのいずれか1項に記載の鉄道用部材の表面処理装置において、
    前記ショットピーニング処理装置は、鉄道用車輪のフランジ面又は鉄道用レールの内側頭頂面に前記ショットピーニング処理面を形成すること、
    を特徴とする鉄道用部材の表面処理装置。

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