JP2005041254A - 重荷重用空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

重荷重用空気入りラジアルタイヤ Download PDF

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JP2005041254A
JP2005041254A JP2003199978A JP2003199978A JP2005041254A JP 2005041254 A JP2005041254 A JP 2005041254A JP 2003199978 A JP2003199978 A JP 2003199978A JP 2003199978 A JP2003199978 A JP 2003199978A JP 2005041254 A JP2005041254 A JP 2005041254A
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turn
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Masanori Yakida
雅典 八木田
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Yokohama Rubber Co Ltd
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Yokohama Rubber Co Ltd
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Abstract

【課題】カーカス層のターンナップエッジ部におけるセパレーション故障を防止し、ケーシングの耐久性を向上することを可能にした重荷重用空気入りラジアルタイヤを提供する。
【解決手段】左右一対のビード部3,3間に複数本のスチールコードをタイヤ径方向に配列してなるカーカス層4を装架し、各ビード部3に埋設されたビードコア5の廻りにカーカス層4を折り返した重荷重用空気入りラジアルタイヤにおいて、カーカス層4のターンナップエッジ部4aに有機繊維コードのゴム引き材からなる有機繊維補強層8をUターン貼りする。有機繊維補強層8の有機繊維コードはカーカス層4のスチールコードに対して20°〜70°の角度で傾斜させると良い。有機繊維補強層8のターンナップエッジ部4aに対する重複幅W,WはUターン頂点の両側でそれぞれ5mm以上にすると良い。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カーカス層にスチールコードを用いた重荷重用空気入りラジアルタイヤに関し、さらに詳しくは、カーカス層のターンナップエッジ部におけるセパレーション故障を防止し、ケーシングの耐久性を向上するようにした重荷重用空気入りラジアルタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、カーカス層にスチールコードを用いた重荷重用空気入りラジアルタイヤにおいて、カーカス層のターンナップエッジ部におけるセパレーション故障が問題になっている。このセパレーション故障は、発生初期においてコードとコートゴムとの剥離がタイヤ周方向の一部に発生し、これがタイヤ周方向に連続的に拡大し、最終的にタイヤケーシングの破壊に至る現象である。
【0003】
これに対して、カーカス層のターンナップエッジ部に生じる歪みを低減するために、ゴムシート、スチールコードのゴム引き材、有機繊維コードのゴム引き材等の補強部材をターンナップエッジ部に沿って埋設することが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
しかしながら、これら補強部材を単にターンナップエッジ部の近傍に配置しただけでは、セパレーション故障を解決することができず、更なる改善が求められている。
【0005】
【特許文献1】
特開平1−266003号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、カーカス層のターンナップエッジ部におけるセパレーション故障を防止し、ケーシングの耐久性を向上することを可能にした重荷重用空気入りラジアルタイヤを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の重荷重用空気入りラジアルタイヤは、左右一対のビード部間に複数本のスチールコードをタイヤ径方向に配列してなるカーカス層を装架し、各ビード部に埋設されたビードコアの廻りに前記カーカス層を折り返した重荷重用空気入りラジアルタイヤにおいて、前記カーカス層のターンナップエッジ部に有機繊維コードのゴム引き材からなる有機繊維補強層をUターン貼りしたことを特徴とするものである。
【0008】
本発明者は、カーカス層のターンナップエッジ部におけるセパレーション故障を抑制するには、初期の部分的なセパレーションを抑制すること、及び、部分的なセパレーションが発生した場合に、それをタイヤ周方向に連続的に拡大させないことが重要であると認識し、本発明に至ったのである。
【0009】
つまり、カーカス層のターンナップエッジ部に有機繊維コードのゴム引き材からなる有機繊維補強層をUターン貼りすることにより、ターンナップエッジ部の剛性を高めて該ターンナップエッジ部に生じる歪みを低減し、初期の部分的なセパレーションを抑制し、しかも部分的なセパレーションが発生した場合には、そのタイヤ周方向への拡大を抑制することができる。
【0010】
ここで、有機繊維補強層の有機繊維コードはカーカス層のスチールコードに対して20°〜70°の角度で傾斜させることが好ましい。これにより、有機繊維補強層の有機繊維コードがカーカス層のスチールコード端末を拘束するようになるため、ターンナップエッジ部の歪みをより効果的に抑制し、セパレーションのタイヤ周方向への拡大をより効果的に抑制することができる。また、カーカス層のスチールコード端末の十分な拘束力を得るために、有機繊維補強層のターンナップエッジ部に対する重複幅はUターン頂点の両側でそれぞれ5mm以上にすると良い。更に、有機繊維補強層の有機繊維コードとしては、加硫温度にて5〜10%収縮する有機繊維コードを用いると良い。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成について添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
図1は本発明の実施形態からなる重荷重用空気入りラジアルタイヤを示し、図2はそのビード部を拡大して示し、図3はそのカーカス層及び有機繊維補強層を抽出して示すものである。図において、1はトレッド部、2はサイドウォール部、3はビード部である。
【0013】
図1に示すように、左右一対のビード部3,3間には、複数本のスチールコードをタイヤ径方向に配列してなるカーカス層4が装架されている。このカーカス層4は、各ビード部3に埋設されたビードコア5の廻りにタイヤ内側から外側へ折り返されている。ビード部3には、複数本のスチールコードを引き揃えてなるスチール補強層6がカーカス層4に沿って埋設されている。一方、トレッド部1におけるカーカス層4の外周側には、複数本の補強コードを引き揃えてなる複数のベルト層7が埋設されている。
【0014】
上記重荷重用空気入りラジアルタイヤにおいて、カーカス層4のターンナップエッジ部4aには、有機繊維コードのゴム引き材からなる有機繊維補強層8がUターン貼りされている。即ち、有機繊維補強層8はカーカス層4のターンナップエッジ部4aの両面に沿って延在するようにU字状に折り返されている。図2に示すように、有機繊維補強層8のターンナップエッジ部4aに対する重複幅W,WはUターン頂点の両側でそれぞれ5mm以上になっている。また、図3に示すように、有機繊維補強層8の有機繊維コードFはカーカス層4のスチールコードSに対して傾斜し、その傾斜角度θが20°〜70°に設定されている。
【0015】
このようにカーカス層4のターンナップエッジ部4aに、有機繊維コードのゴム引き材からなる有機繊維補強層8をカーカス層4に対してバイアスに配置しつつUターン貼りすることにより、ターンナップエッジ部4aの剛性を高めて該ターンナップエッジ部4aに生じる歪みを低減し、初期の部分的なセパレーションを抑制することができる。また、部分的なセパレーションが発生した場合においては、そのセパレーションのタイヤ周方向への拡大を抑制することができる。
【0016】
ここで、有機繊維補強層8の有機繊維コードの傾斜角度θが上記範囲から外れると、カーカスコード端末の拘束力が不十分になり、セパレーションがタイヤ周方向に拡大し易くなる。また、有機繊維補強層8のターンナップエッジ部4aに対する重複幅W,Wが5mm未満であると、カーカスコード端末の拘束力が不十分になり、セパレーションがタイヤ周方向に拡大し易くなる。
【0017】
有機繊維補強層8に用いる有機繊維コードは、特に限定されるものではないが、タイヤ加硫温度にて5〜10%収縮するものを用いると良い。上記物性を有する有機繊維コードを用いた場合、熱収縮による残留応力によってカーカスコード端末の拘束力を高めることが可能になり、特に走行初期におけるカーカスコード端末近傍の歪みを大幅に減少させることにより、ターンナップエッジ部4aにおけるセパレーション故障を効果的に抑制し、タイヤケーシングの耐久性を向上することができる。但し、収縮率が5%未満では加硫後の有機繊維コードの残留応力が小さ過ぎるため耐久性の改善効果が不十分になり、逆に10%を超えるとカーカスコードに対する剪断歪みが大きくなるため耐久性の改善効果が不十分になる。なお、収縮率は加硫後のタイヤから有機繊維コードを切り出し、その切り出し前後の長さを測定し、両者を比較することにより求めることができる。
【0018】
上記有機繊維コードとしては、ナイロンコードを挙げることができる。また、上記収縮率を得る方法として、例えば、ディップ時の引っ張り力を従来比で5〜10%高くすると良い。
【0019】
図4は本発明の他の実施形態からなる重荷重用空気入りラジアルタイヤのビード部を拡大して示すものである。図4に示すように、有機繊維補強層8はカーカス層4のターンナップエッジ部4aに対する重複幅が5mm以上であれば、更にカーカス層4に沿って延在させることが可能である。この実施形態では、Uターン貼りした有機繊維補強層8をカーカス層4とビードコア5との間に介在させているので、カーカスコードのフレッティングを抑制することができる。
【0020】
【実施例】
タイヤサイズ315/80R22.5の重荷重用空気入りラジアルタイヤにおいて、ビード部の補強構造を表1のように種々異ならせた従来例1,2及び実施例1〜8をそれぞれ製作した。実施例1〜8は、カーカス層のターンナップエッジ部に有機繊維コード(ナイロンコード)のゴム引き材からなる有機繊維補強層をUターン貼りしたものである。従来例1は、有機繊維補強層を持たないものである。また、従来例2は有機繊維補強層をカーカス層のターンナップエッジ部のタイヤ幅方向外側に配置したものである。
【0021】
これら試験タイヤについて、下記試験方法により、ビード部の耐久性を評価し、その結果を表1に併せて示した。
【0022】
ビード部の耐久性:
試験タイヤをリム組みしてインフレートし、ドラム試験機において、規格負荷の140%の荷重、速度45km/hの条件で、ビード部が破壊するまでの走行距離を測定した。評価結果は、従来例1を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほどビード部の耐久性が優れていることを意味する。指数値が110以上である場合に、十分な改善効果があると判断した。
【0023】
【表1】
Figure 2005041254
この表1から判るように、実施例1〜8のタイヤは、従来例1に比べてビード部の耐久性が優れており、従来例2に比べて耐久性の改善効果が顕著に顕れていた。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、左右一対のビード部間に複数本のスチールコードをタイヤ径方向に配列してなるカーカス層を装架し、各ビード部に埋設されたビードコアの廻りに前記カーカス層を折り返した重荷重用空気入りラジアルタイヤにおいて、前記カーカス層のターンナップエッジ部に有機繊維コードのゴム引き材からなる有機繊維補強層をUターン貼りしたから、カーカス層のターンナップエッジ部におけるセパレーション故障を防止し、ケーシングの耐久性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態からなる重荷重用空気入りラジアルタイヤを示す子午線半断面図である。
【図2】本発明の実施形態からなる重荷重用空気入りラジアルタイヤのビード部を示す断面図である。
【図3】本発明の実施形態からなる重荷重用空気入りラジアルタイヤのカーカス層及び有機繊維補強層を抽出して示す側面図である。
【図4】本発明の他の実施形態からなる重荷重用空気入りラジアルタイヤのビード部を示す断面図である。
【符号の説明】
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 カーカス層
4a ターンナップエッジ部
5 ビードコア
6 スチール補強層
7 ベルト層
8 有機繊維補強層
F 有機繊維コード
S スチールコード

Claims (4)

  1. 左右一対のビード部間に複数本のスチールコードをタイヤ径方向に配列してなるカーカス層を装架し、各ビード部に埋設されたビードコアの廻りに前記カーカス層を折り返した重荷重用空気入りラジアルタイヤにおいて、前記カーカス層のターンナップエッジ部に有機繊維コードのゴム引き材からなる有機繊維補強層をUターン貼りした重荷重用空気入りラジアルタイヤ。
  2. 前記有機繊維補強層の有機繊維コードを前記カーカス層のスチールコードに対して20°〜70°の角度で傾斜させた請求項1に記載の重荷重用空気入りラジアルタイヤ。
  3. 前記有機繊維補強層の前記ターンナップエッジ部に対する重複幅をUターン頂点の両側でそれぞれ5mm以上にした請求項1又は請求項2に記載の重荷重用空気入りラジアルタイヤ。
  4. 前記有機繊維補強層の有機繊維コードとして、加硫温度にて5〜10%収縮する有機繊維コードを用いた請求項1〜3のいずれかに記載の重荷重用空気入りラジアルタイヤ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2165861A1 (en) 2008-09-18 2010-03-24 The Goodyear Tire & Rubber Company Turnup reinforcing structure for pneumatic tires
KR101564508B1 (ko) * 2014-04-22 2015-10-30 한국타이어 주식회사 타이어용 에지테이프 구조 및 이를 적용한 공기입 타이어

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