JP2005040968A - 記録装置および液体噴射装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】狭いスペースで効率良くプリンタの構成要素を配置するとともに、組立時の作業性の低下を防止すること。
【解決手段】搬送従動ローラ22を軸支するホルダ部材20は、フレーム3の折り曲げ部3aに取り付けられる。フレーム3は上方に略垂直に立ち上がった後に一旦後方側に傾斜し再び上方に略垂直に延びる様な、略Z形の形状に成されている。フレーム3の上方にはキャリッジを主走査方向に駆動する無端ベルト24が配置され、フレーム3は、上端3cが無端ベルト24の間に入り込む様に配設されているので、無端ベルト24の間の領域を利用して省スペース化に対応することが可能となる。また、ホルダ部材20を付勢するコイルばね6の先端6dは略Z形の形状をなし、これにより、コイルばね6の一端6cをフレーム3に係止する際の作業性が向上する。
【選択図】 図4
【解決手段】搬送従動ローラ22を軸支するホルダ部材20は、フレーム3の折り曲げ部3aに取り付けられる。フレーム3は上方に略垂直に立ち上がった後に一旦後方側に傾斜し再び上方に略垂直に延びる様な、略Z形の形状に成されている。フレーム3の上方にはキャリッジを主走査方向に駆動する無端ベルト24が配置され、フレーム3は、上端3cが無端ベルト24の間に入り込む様に配設されているので、無端ベルト24の間の領域を利用して省スペース化に対応することが可能となる。また、ホルダ部材20を付勢するコイルばね6の先端6dは略Z形の形状をなし、これにより、コイルばね6の一端6cをフレーム3に係止する際の作業性が向上する。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、搬送従動ローラを軸支するホルダ部材を取り付ける為のフレーム材を備えた記録装置に関する。また、本発明は、液体噴射装置に関する。
【0002】
ここで、液体噴射装置とは、インクジェット式記録ヘッドが用いられ、該記録ヘッドからインクを吐出して被記録媒体に記録を行うプリンタ、複写機およびファクシミリ等の記録装置に限らず、インクに代えてその用途に対応する液体を前記インクジェット式記録ヘッドに相当する液体噴射ヘッドから被記録材に相当する被噴射媒体に噴射して、前記液体と前記被噴射媒体に付着させる装置を含む意味で用いる。
【0003】
液体噴射ヘッドとして、前記記録ヘッドの他に、液晶ディスプレー等のカラーフィルター製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレーや面発光ディスプレー(FED)等の電極形成に用いられる電極材(導電ペースト)噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド、精密ピペットとしての試料噴射ヘッド等が挙げられる。
【0004】
【従来の技術】
Fax、プリンタ等に代表される記録装置の1つとしてインクジェットプリンタがある。以下、当該インクジェットプリンタ(以下「プリンタ」と略称する)を一例に説明する。プリンタは、インクジェット記録ヘッドをキャリッジに備え、該キャリッジは、主走査方向に延びるキャリッジガイド軸等の案内手段にガイドされながら、主走査方向に往復駆動される。キャリッジは、主走査方向に延びるように係回された無端ベルトの一部に固定され、当該無端ベルトがモータの動力を受けて動くことにより、キャリッジが主走査方向に駆動される。
【0005】
また、プリンタは、被記録媒体をインクジェット記録ヘッドへ搬送する搬送駆動ローラ及び当該搬送駆動ローラに圧接して従動回転する搬送従動ローラを備えている。搬送従動ローラはホルダ部材によって軸支され、当該ホルダ部材は、金属板材の折り曲げによって形成されたフレーム材に取り付けられている(例えば、特許文献1参照)。そして、フレーム材とホルダ部材との間にはコイルばねが設けられ、当該コイルばねにより、搬送従動ローラが、搬送駆動ローラに向けて付勢される。従来のプリンタでは、フレーム材の前方側に上記無端ベルト及びキャリッジが配置され、フレーム材の下端部近傍に、上記ホルダ部材、搬送従動ローラ、搬送駆動ローラが配置されていた。
【0006】
【特許文献1】
特開2003−63685号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年プリンタには小型化の要求が著しく、上記フレーム材、無端ベルト等の各構成要素を従来までと同様に配置することが困難な場合が生じている。また、これに伴ってプリンタ組立時の作業性が低下するといった事態も発生している。
そこで本発明はこの様な状況に鑑みなされたものであり、その目的は、狭いスペースで効率良くプリンタの構成要素を配置するとともに、組立時の作業性の低下を防止することのできるプリンタを得ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様は、被記録媒体に記録を行う記録ヘッドを備えるとともに主走査方向に往復駆動されるキャリッジと、当該キャリッジの主走査領域に沿う様に延設されるとともに前記キャリッジの一部に固定される無端ベルトと、前記記録ヘッドへ被記録媒体を搬送する、回転駆動される搬送駆動ローラと、当該搬送駆動ローラに圧接して従動回転する搬送従動ローラと、当該搬送従動ローラの高さ位置近傍から上方に向かって延びる様に立設されるとともに前記搬送従動ローラを軸支するホルダ部材を取り付ける様に構成されたフレーム材と、を備えた記録装置であって、前記フレーム材の上端部が前記無端ベルトの間に入り込む様に前記フレーム材が配設されていることを特徴とする。
【0009】
上記第1の態様によれば、搬送従動ローラを軸支するホルダ部材を取り付けるフレーム材の上端部が、キャリッジを駆動する為に主走査方向に延びる様に設けられた無端ベルトの間に入り込む様に配設されているので、従来の様に、フレーム材の前方側に無端ベルトを配設する構成と比して、無端ベルトの間の領域を利用して記録装置の奥行き方向の寸法を小さくすることができ、装置の小型化を図ることが可能となる。また、無端ベルトは駆動プーリと従動プーリとの間に係回されるが、無端ベルトの間にフレーム材の上端が入り込んでいるので、無端ベルトを駆動プーリと従動プーリとの間に係回させる際に、フレーム材の上端を仮取付場所として利用することができ、無端ベルト取付時の作業性を向上させることが可能となる。
【0010】
本発明の第2の態様は、上記第1の態様において、前記フレーム材が、金属板材の折り曲げ加工によって形成されていることを特徴とする。
上記第2の態様によれば、前記フレーム材が、金属板材の折り曲げ加工によって形成されているので、高い剛性を得ることができ、前記フレーム材を記録装置の基体として利用することができる。
【0011】
本発明の第3の態様は、上記第2の態様において、前記フレーム材が、側面視において前記搬送従動ローラの高さ位置近傍から上方に略垂直に立ち上がった後に一旦記録装置後方側に傾斜し再び上方に略垂直に延びる様な、略Z形の形状に形成されていることを特徴とする。
上記第3の態様によれば、前記フレーム材が、側面視において略Z形の形状に形成されていることから、前記フレーム材を、前記無端ベルトの直下から立ち上げることができない様な場合に、これに対応することが可能となる。
【0012】
本発明の第4の態様は、上記第1から第3の態様のいずれかにおいて、一端が前記フレーム材に係止し他端が前記ホルダに係止することにより、前記搬送従動ローラが前記搬送駆動ローラに圧接する様に前記ホルダ部材を付勢するコイルばねを有し、前記フレーム材に係止する前記コイルばねの一端が前記無端ベルト近傍まで延びた後に、前記無端ベルトを避ける様に側面視略Z形の形状に折り曲げて成されていることを特徴とする。
上記第4の態様によれば、ホルダを付勢するコイルばねの一端は、前記フレーム材に係止し、当該フレーム材に係止する一端は、前記無端ベルト近傍まで延びた後に、前記無端ベルトを避ける様に側面視略Z形の形状に折り曲げて成されているので、当該Z形の形状部分によってコイルばねの取付作業時に指がかけ易くなり、狭いスペースにおいても、前記コイルばねの取付作業をより一層容易に行うことが可能となる。
【0013】
本発明の第5の態様は、被記録媒体に記録を行う記録ヘッドを備えるとともに主走査方向に往復駆動されるキャリッジと、当該キャリッジの主走査領域に沿う様に延設されるとともに前記キャリッジの一部に固定される無端ベルトと、前記記録ヘッドへ被記録媒体を搬送する、回転駆動される搬送駆動ローラと、当該搬送駆動ローラに圧接して従動回転する搬送従動ローラと、当該搬送従動ローラの高さ位置近傍から上方に向かって延びる様に立設されるとともに前記搬送従動ローラを軸支するホルダ部材を取り付ける様に構成されたフレーム材と、一端が前記フレーム材に係止し他端が前記ホルダに係止することにより、前記搬送従動ローラが前記搬送駆動ローラに圧接する様に前記ホルダ部材を付勢するコイルばねと、を備えた記録装置であって、前記コイルばねが、前記フレーム材に係止する一端が前記無端ベルト近傍まで延びた後に、前記無端ベルトを避ける様に側面視略Z形の形状に折り曲げて成されていることを特徴とする。
【0014】
上記第5の態様によれば、ホルダを付勢するコイルばねの一端は、前記フレーム材に係止し、当該フレーム材に係止する一端は、前記無端ベルト近傍まで延びた後に、前記無端ベルトを避ける様に側面視略Z形の形状に折り曲げて成されているので、上述した第4の態様と同様に当該Z形の形状部分によってコイルばねの取付作業時に指がかけ易くなり、狭いスペースにおいても、前記コイルばねの取付作業をより一層容易に行うことが可能となる。
【0015】
本発明の第6の態様は、被噴射媒体に液体噴射を行う液体噴射ヘッドを備えるとともに主走査方向に往復駆動されるキャリッジと、当該キャリッジの主走査領域に沿う様に延設されるとともに前記キャリッジの一部に固定される無端ベルトと、前記液体噴射ヘッドへ被噴射媒体を搬送する、回転駆動される搬送駆動ローラと、当該搬送駆動ローラに圧接して従動回転する搬送従動ローラと、当該搬送従動ローラの高さ位置近傍から上方に向かって延びる様に立設されるとともに前記搬送従動ローラを軸支するホルダ部材を取り付ける様に構成されたフレーム材と、を備えた液体噴射装置であって、前記フレーム材の上端部が前記無端ベルトの間に入り込む様に前記フレーム材が配設されていることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図1乃至図4を参照しながら本発明の一実施形態について説明する。ここで、図1は本発明に係る「記録装置」、「液体噴射装置」の一例としてのインクジェットプリンタ(以下「プリンタ」と言う)1の側断面概略図、図2はフレーム3及びその周辺要素の斜視図、図3は同平面図、図4は同側面図である。尚、図1では、用紙搬送経路の上流側(図1の左側)を単に「上流側」と言い、用紙搬送経路の下流側(図1の右側)を単に「下流側」と言うこととする。
【0017】
先ず、図1を参照しながらプリンタ1の構成について概説する。プリンタ1は、「被記録媒体」、「被噴射媒体」の一例としてのハガキ、L判サイズ等の記録用紙Pへの記録に適した小型サイズに構成され、A4サイズの記録に好適である一般的なインクジェットプリンタと同様に、装置後部に記録用紙Pを傾斜姿勢で複数枚セット可能な給紙装置2を、装置中程に主走査方向に往復動可能に設けられるキャリッジ25を、装置前部には記録の行われた記録用紙Pをスタックするスタッカ(図示せず)を備えている。
【0018】
給紙装置2は、ホッパ10と、給送ローラ11と、摩擦分離材13と、紙戻しレバー12と、を備えている。ホッパ10は揺動支点10aを中心に図示しない駆動手段によって揺動駆動される様に設けられ、記録用紙Pを傾斜姿勢に支持するとともに、記録用紙Pの給送時には、給送ローラ11に記録用紙Pを圧接させる。
給送ローラ11は側面視略D形の形状をなし、外周にはゴム材が巻回され、図示しない駆動モータによって用紙給送時に選択的に回転駆動される。用紙給送時には、その円弧部分によって給送ローラ11に圧接した記録用紙Pの最上位のものを下流側へ給送し、用紙給送が終了すると、下流側の搬送駆動ローラ21による搬送動作の際に搬送負荷を生じさせない様、図示する様に側面視略D形の形状における平坦部が摩擦分離材13と対向する様に制御される。尚、符号14で示すローラは自由回転可能なアイドルローラであり、搬送中の記録用紙Pが給送ローラ11に接して搬送負荷を生じさせない様、搬送中の記録用紙Pと接して従動回転する。このアイドルローラ14は、本実施形態では給送ローラ11を挟む様に給送ローラ11の両側に設けられている。
【0019】
給送ローラ11と対向する位置には摩擦分離材13が設けられている。摩擦分離材13は用紙給送時に給送ローラ11の円弧部分と圧接して圧接点を形成し、これにより、給送されるべき最上位の記録用紙Pと、重送されようとする次位以降の記録用紙Pとを分離する。また、給送ローラ11と対向する位置には紙戻しレバー12が設けられている。紙戻しレバー12は揺動支点12aを中心に揺動可能に設けられ、給送ローラ11の1回転動作中に、図2に示す待機状態から記録用紙Pの給送経路を開放する様に一旦倒れ、そして再び図2に示す様に起き上がることにより、重送されようとした次位以降の記録用紙Pをホッパ10上に戻す。
【0020】
以上が給紙装置2であり、給紙装置2の下流側には、給送ローラ11と搬送駆動ローラ21との間に、レバー15と検出部16とを備えて成る紙検出器17が設けられている。レバー15は揺動軸15aを中心に揺動可能に設けられ、且つ、揺動軸15aから上側部分が、給送される記録用紙Pと接触可能に構成されている。検出部16は光学センサであり、レバー15の揺動軸15aから下側部分が図示する様に検出部16に入り込むことにより、発光部から受光部へ向かう光が遮断され、記録用紙Pの未通過状態が検出される。そして、レバー15が、記録用紙Pの通過に伴って揺動すると、レバー15の揺動軸15aから下側部分が検出部16から外れ、これにより、記録用紙P先端の通過を検出することができる様になっている。また、記録用紙P後端が通過すると、再びレバー15の下端部が検出部16に入り込み、これにより、記録用紙P後端の通過を検出可能となる。
【0021】
次に、紙検出器17の下流側には、搬送駆動ローラ21と搬送従動ローラ22とが設けられている。搬送駆動ローラ21は図示しない駆動モータによって回転駆動され、搬送従動ローラ22は、搬送駆動ローラ21に圧接して従動回転する。搬送駆動ローラ21は回転軸芯線方向に長い金属棒体の外周に塗装膜が付着されることによって成され、搬送従動ローラ22は、搬送駆動ローラ21の軸方向に、所定の間隔で複数個(本実施形態では4個:図2参照)設けられる。尚、搬送従動ローラ22は、これを軸支する1つのホルダ部材20に、本実施形態では2つ軸支される(図2参照)。そして、給送ローラ11によって給送された記録用紙Pは搬送ローラにニップされ、記録ヘッド26へと搬送される。
【0022】
次に、搬送駆動ローラ21の下流側には、記録ヘッド26とプラテン28とが対向する様に設けられている。記録ヘッド26はキャリッジ25の底部に設けられ、液体の一例としてのインク滴を記録用紙Pに向けて吐出(噴射)することにより、記録を実行する。キャリッジ25には主走査方向に延びるキャリッジガイド軸27が挿通し、また、主走査方向に延びる無端ベルト24(図2参照)の一部に固定されている。そして、キャリッジモータ19(図2参照)の動力を受けて、キャリッジガイド軸27にガイドされながら、主走査方向に往復駆動される。尚、本実施形態では、キャリッジ25はインクカートリッジを搭載せず、プリンタ1の装置本体底部に固設されるインクカートリッジ(図示せず)から、図示を省略するインクチューブを介して記録ヘッド26へとインクが供給される様に構成されている。
【0023】
プラテン28は、記録用紙Pを下から支持することにより、記録用紙Pと記録ヘッド25との間のギャップを規定するが、記録ヘッド25と対向する面には、凹部28aが形成されている。これは、記録用紙Pに余白無く印刷を行う為のものであり、記録用紙Pの端部にインク滴を吐出する際に、記録用紙P端部から外れた部分にもインク滴を吐出し、そして凹部28aへと打ち捨てることにより、所謂縁無し印刷が実行される。尚、凹部28aには、インク滴を吸収するインク吸収材(図示せず)が配設されている。
凹部28aに打ち捨てられたインク滴は図示しない排出孔から下部へ排出され、そしてプラテン28の下部には、この排出されたインク滴を受ける廃液トレイ31が設けられている。廃液トレイ31の内部には廃液吸収材34が設けられ、廃液トレイ31内のインク廃液を確実に保持する。
【0024】
続いて、記録ヘッド26の下流側には、排出駆動ローラ29と、排出従動ローラ30とが設けられている。排出駆動ローラ29は図示しない駆動モータによって回転駆動され、排出従動ローラ30は、排出駆動ローラ29に接して従動回転する。そして、記録が行われた記録用紙Pは、これらローラにニップされることにより、図示しないスタッカへ向けて排出される。
排出駆動ローラ29の下流側には、排出補助ローラ37が設けられている。排出補助ローラ37は、その回転軸37aと、排出駆動ローラ29の回転軸29aとに係回されたベルト38によって、排出駆動ローラ29の回転に従って回転する。この排出補助ローラ37は、排出駆動ローラ29及び排出従動ローラ30にニップされて排出される記録用紙Pの後端を、スタッカに向けて確実に落とす機能を果たすものである。
【0025】
以上がプリンタ1の概略構成であり、続いて、搬送従動ローラ22を軸支するホルダ部材20を取り付けるフレーム3の構成について詳説する。
フレーム3は金属板材の折り曲げ加工によって高い剛性を有する様に形成され、搬送従動ローラ22の高さ位置近傍から上方に向かって延びるように立設されて、プリンタ1の基体の一部を構成する。より詳しくは、その平面がプリンタ1前方側を向く様に、且つほぼ垂直面を成すように立設されるとともに、下端部は、下流側に向けてほぼ直角に折り曲げられて折り曲げ部3aが形成されている。また、側面視においては、図4に示す様に搬送従動ローラ22の高さ位置近傍から上方に略垂直に立ち上がった後に、一端プリンタ1後方側(図4の左側)に傾斜して傾斜部3bを形成し、そして再び上方に略垂直に延びる様な、略Z形の形状に形成されている。この様な形状によって、フレーム3の剛性がより一層向上している。
【0026】
搬送従動ローラ22を軸支するホルダ部材20は、図4に示す様にその上部に先端がプリンタ1後方側を向くL字形の形状を成すフック部20aを有し、当該フック部20aとホルダ部材20本体の上面とでフレーム3の折り曲げ部3aを挟む様にして、折り曲げ部3aに取り付けられる。ここで、折り曲げ部3aは、フック部20aとホルダ部材20本体との間に遊挿された状態にあり、即ちホルダ部材20が揺動可能な状態にあり、搬送従動ローラ22が、搬送駆動ローラ21に対して僅かに近接離間することが可能な状態となっている。
【0027】
一方、フレーム3において水平に延びる折り曲げ部3aと上方に垂直に延びる部分との交差位置には、凹形状を成すばね保持部3dが形成され、当該ばね保持部3dには、コイルばね6のコイル部6aが嵌合する様に配置される。コイルばね6は、搬送従動ローラ22が搬送駆動ローラ21に圧接する様にホルダ部材20を付勢する付勢手段であり、その一端6bは搬送従動ローラ22近傍までほぼ水平に伸び、搬送従動ローラ22の上部近傍で、ホルダ部材20を付勢する。一方、コイルばね6の他端6cは斜め上方に向かって伸びた後に、一旦プリンタ後方に向けて倒れる様に折れ曲がり、更に下方に向かって折れ曲がり、再びやや斜め上方に向かって折れ曲がる、略Z形の形状を成す先端部6dを有し、その最初の折れ曲がり部が、フレーム3に形成されたばね係止部3eに係止している。尚、本実施形態では、1つのホルダ部材20に1つのコイルばね6が配設され、搬送従動ローラ22の軸線方向において、2つの搬送従動ローラ22の中間位置でホルダ部材20を付勢する。
【0028】
ところで、フレーム3の前方側には、図1に示す様にキャリッジ25が配置され、フレーム3の上部には、キャリッジ25を駆動する無端ベルト24が配置されている。フレーム3の両側には、図3にも示す様に、従動回転可能な従動プーリ41と、キャリッジモータ19によって回転する駆動プーリ38とが設けられ、無端ベルト24は、従動プーリ41と、駆動プーリ38との間に係回される。
【0029】
尚、本実施形態では、駆動プーリ38は、従動プーリ41を通る主走査方向に平行な直線上には配置されず、やや後方側(図3の上側)に配置されるとともに、駆動プーリ38近傍には従動プーリ39、40が設けられ、無端ベルト24は、従動プーリ39、40によって、図3に示す様に往復方向のベルトが互いに平行に、且つ、主走査方向に平行になるように係回される。これにより、キャリッジモータ19、キャリッジ25、キャリッジガイド軸27、フレーム3等の配置関係においてキャリッジモータ19をフレーム3に近づけることができない場合でも、無端ベルト25を、フレーム3に近接して配置することが可能となる。
【0030】
即ち、キャリッジガイド軸27(図1)に近い位置でキャリッジ25を無端ベルト24に固定することができ、これにより、安定してキャリッジ25を駆動することができる。尚、従動プーリ41はホルダ42によって軸支され、当該ホルダ42は、主走査方向にスライド可能に、且つ、圧縮ばね43(図2)によって無端ベルト24にテンションを与える方向に付勢され、これにより、無端ベルト24の弛みが防止されている。
【0031】
以上の構成においては、以下のような作用効果を得ることができる。即ち、従来のプリンタにおいては、通常、キャリッジベルト24はフレーム3の前方側に配置される。装置の小型化を行う場合には、従来の様にキャリッジベルト24をフレーム3の前方側に配置することが困難な場合があるとともに、装置の小型化に伴い、組立時の作業性が低下するといった事態も発生する。しかし、本実施形態においては、フレーム3の上端部3cが、無端ベルト24の間に入り込む様にフレーム3が配設されているので、プリンタ1の奥行き方向の寸法を小さくすることができ、無端べルト24の間の領域を利用して装置の小型化を図ることが可能となる。また、無端ベルト24は駆動プーリ38と従動プーリ41との間に係回されるが、無端ベルト24の間にフレーム3の上端3cが入り込んでいるので、無端ベルト24を駆動プーリ38と従動プーリ41との間に係回させる際に、フレーム3の上端3cを仮取付場所として利用することができ、作業性を向上させることが可能となる。
【0032】
更に、フレーム3は、側面視において略Z形の形状に形成されていることから、フレーム3を、プリンタ1の構成上無端ベルト24の直下から立ち上げることができない様な場合に、これに対応することが可能となる。
加えて、コイルばね6の先端部6dが側面視略Z形の形状に折り曲げて成されているので、当該Z形の形状部分によって指がかけ易くなり、狭いスペースにおいても、コイルばね6の取付作業をより一層容易に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプリンタの側断面概略図である。
【図2】フレーム材の斜視図である。
【図3】フレーム材の平面図である。
【図4】フレーム材の側面図である。
【符号の説明】
1 インクジェットプリンタ、2 給紙装置、3 フレーム、6 コイルばね、10 ホッパ、11 給送ローラ、12 紙戻しレバー、13 摩擦分離材、14 アイドルローラ、15 レバー、16 検出部、17 紙検出器、18 紙案内部材、19 キャリッジモータ、20 ホルダ部材、21 搬送駆動ローラ、22 搬送従動ローラ、23 ガイドローラ、24 無端ベルト、25 キャリッジ、26 インクジェット記録ヘッド、27 キャリッジガイド軸、28 プラテン、28a 凹部、29 排出駆動ローラ、30 排出従動ローラ、31廃液トレイ、34 廃液吸収材、37 排出補助ローラ、38 プーリ、39、40、41 従動プーリ、P 記録用紙
【発明の属する技術分野】
本発明は、搬送従動ローラを軸支するホルダ部材を取り付ける為のフレーム材を備えた記録装置に関する。また、本発明は、液体噴射装置に関する。
【0002】
ここで、液体噴射装置とは、インクジェット式記録ヘッドが用いられ、該記録ヘッドからインクを吐出して被記録媒体に記録を行うプリンタ、複写機およびファクシミリ等の記録装置に限らず、インクに代えてその用途に対応する液体を前記インクジェット式記録ヘッドに相当する液体噴射ヘッドから被記録材に相当する被噴射媒体に噴射して、前記液体と前記被噴射媒体に付着させる装置を含む意味で用いる。
【0003】
液体噴射ヘッドとして、前記記録ヘッドの他に、液晶ディスプレー等のカラーフィルター製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレーや面発光ディスプレー(FED)等の電極形成に用いられる電極材(導電ペースト)噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド、精密ピペットとしての試料噴射ヘッド等が挙げられる。
【0004】
【従来の技術】
Fax、プリンタ等に代表される記録装置の1つとしてインクジェットプリンタがある。以下、当該インクジェットプリンタ(以下「プリンタ」と略称する)を一例に説明する。プリンタは、インクジェット記録ヘッドをキャリッジに備え、該キャリッジは、主走査方向に延びるキャリッジガイド軸等の案内手段にガイドされながら、主走査方向に往復駆動される。キャリッジは、主走査方向に延びるように係回された無端ベルトの一部に固定され、当該無端ベルトがモータの動力を受けて動くことにより、キャリッジが主走査方向に駆動される。
【0005】
また、プリンタは、被記録媒体をインクジェット記録ヘッドへ搬送する搬送駆動ローラ及び当該搬送駆動ローラに圧接して従動回転する搬送従動ローラを備えている。搬送従動ローラはホルダ部材によって軸支され、当該ホルダ部材は、金属板材の折り曲げによって形成されたフレーム材に取り付けられている(例えば、特許文献1参照)。そして、フレーム材とホルダ部材との間にはコイルばねが設けられ、当該コイルばねにより、搬送従動ローラが、搬送駆動ローラに向けて付勢される。従来のプリンタでは、フレーム材の前方側に上記無端ベルト及びキャリッジが配置され、フレーム材の下端部近傍に、上記ホルダ部材、搬送従動ローラ、搬送駆動ローラが配置されていた。
【0006】
【特許文献1】
特開2003−63685号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年プリンタには小型化の要求が著しく、上記フレーム材、無端ベルト等の各構成要素を従来までと同様に配置することが困難な場合が生じている。また、これに伴ってプリンタ組立時の作業性が低下するといった事態も発生している。
そこで本発明はこの様な状況に鑑みなされたものであり、その目的は、狭いスペースで効率良くプリンタの構成要素を配置するとともに、組立時の作業性の低下を防止することのできるプリンタを得ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様は、被記録媒体に記録を行う記録ヘッドを備えるとともに主走査方向に往復駆動されるキャリッジと、当該キャリッジの主走査領域に沿う様に延設されるとともに前記キャリッジの一部に固定される無端ベルトと、前記記録ヘッドへ被記録媒体を搬送する、回転駆動される搬送駆動ローラと、当該搬送駆動ローラに圧接して従動回転する搬送従動ローラと、当該搬送従動ローラの高さ位置近傍から上方に向かって延びる様に立設されるとともに前記搬送従動ローラを軸支するホルダ部材を取り付ける様に構成されたフレーム材と、を備えた記録装置であって、前記フレーム材の上端部が前記無端ベルトの間に入り込む様に前記フレーム材が配設されていることを特徴とする。
【0009】
上記第1の態様によれば、搬送従動ローラを軸支するホルダ部材を取り付けるフレーム材の上端部が、キャリッジを駆動する為に主走査方向に延びる様に設けられた無端ベルトの間に入り込む様に配設されているので、従来の様に、フレーム材の前方側に無端ベルトを配設する構成と比して、無端ベルトの間の領域を利用して記録装置の奥行き方向の寸法を小さくすることができ、装置の小型化を図ることが可能となる。また、無端ベルトは駆動プーリと従動プーリとの間に係回されるが、無端ベルトの間にフレーム材の上端が入り込んでいるので、無端ベルトを駆動プーリと従動プーリとの間に係回させる際に、フレーム材の上端を仮取付場所として利用することができ、無端ベルト取付時の作業性を向上させることが可能となる。
【0010】
本発明の第2の態様は、上記第1の態様において、前記フレーム材が、金属板材の折り曲げ加工によって形成されていることを特徴とする。
上記第2の態様によれば、前記フレーム材が、金属板材の折り曲げ加工によって形成されているので、高い剛性を得ることができ、前記フレーム材を記録装置の基体として利用することができる。
【0011】
本発明の第3の態様は、上記第2の態様において、前記フレーム材が、側面視において前記搬送従動ローラの高さ位置近傍から上方に略垂直に立ち上がった後に一旦記録装置後方側に傾斜し再び上方に略垂直に延びる様な、略Z形の形状に形成されていることを特徴とする。
上記第3の態様によれば、前記フレーム材が、側面視において略Z形の形状に形成されていることから、前記フレーム材を、前記無端ベルトの直下から立ち上げることができない様な場合に、これに対応することが可能となる。
【0012】
本発明の第4の態様は、上記第1から第3の態様のいずれかにおいて、一端が前記フレーム材に係止し他端が前記ホルダに係止することにより、前記搬送従動ローラが前記搬送駆動ローラに圧接する様に前記ホルダ部材を付勢するコイルばねを有し、前記フレーム材に係止する前記コイルばねの一端が前記無端ベルト近傍まで延びた後に、前記無端ベルトを避ける様に側面視略Z形の形状に折り曲げて成されていることを特徴とする。
上記第4の態様によれば、ホルダを付勢するコイルばねの一端は、前記フレーム材に係止し、当該フレーム材に係止する一端は、前記無端ベルト近傍まで延びた後に、前記無端ベルトを避ける様に側面視略Z形の形状に折り曲げて成されているので、当該Z形の形状部分によってコイルばねの取付作業時に指がかけ易くなり、狭いスペースにおいても、前記コイルばねの取付作業をより一層容易に行うことが可能となる。
【0013】
本発明の第5の態様は、被記録媒体に記録を行う記録ヘッドを備えるとともに主走査方向に往復駆動されるキャリッジと、当該キャリッジの主走査領域に沿う様に延設されるとともに前記キャリッジの一部に固定される無端ベルトと、前記記録ヘッドへ被記録媒体を搬送する、回転駆動される搬送駆動ローラと、当該搬送駆動ローラに圧接して従動回転する搬送従動ローラと、当該搬送従動ローラの高さ位置近傍から上方に向かって延びる様に立設されるとともに前記搬送従動ローラを軸支するホルダ部材を取り付ける様に構成されたフレーム材と、一端が前記フレーム材に係止し他端が前記ホルダに係止することにより、前記搬送従動ローラが前記搬送駆動ローラに圧接する様に前記ホルダ部材を付勢するコイルばねと、を備えた記録装置であって、前記コイルばねが、前記フレーム材に係止する一端が前記無端ベルト近傍まで延びた後に、前記無端ベルトを避ける様に側面視略Z形の形状に折り曲げて成されていることを特徴とする。
【0014】
上記第5の態様によれば、ホルダを付勢するコイルばねの一端は、前記フレーム材に係止し、当該フレーム材に係止する一端は、前記無端ベルト近傍まで延びた後に、前記無端ベルトを避ける様に側面視略Z形の形状に折り曲げて成されているので、上述した第4の態様と同様に当該Z形の形状部分によってコイルばねの取付作業時に指がかけ易くなり、狭いスペースにおいても、前記コイルばねの取付作業をより一層容易に行うことが可能となる。
【0015】
本発明の第6の態様は、被噴射媒体に液体噴射を行う液体噴射ヘッドを備えるとともに主走査方向に往復駆動されるキャリッジと、当該キャリッジの主走査領域に沿う様に延設されるとともに前記キャリッジの一部に固定される無端ベルトと、前記液体噴射ヘッドへ被噴射媒体を搬送する、回転駆動される搬送駆動ローラと、当該搬送駆動ローラに圧接して従動回転する搬送従動ローラと、当該搬送従動ローラの高さ位置近傍から上方に向かって延びる様に立設されるとともに前記搬送従動ローラを軸支するホルダ部材を取り付ける様に構成されたフレーム材と、を備えた液体噴射装置であって、前記フレーム材の上端部が前記無端ベルトの間に入り込む様に前記フレーム材が配設されていることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図1乃至図4を参照しながら本発明の一実施形態について説明する。ここで、図1は本発明に係る「記録装置」、「液体噴射装置」の一例としてのインクジェットプリンタ(以下「プリンタ」と言う)1の側断面概略図、図2はフレーム3及びその周辺要素の斜視図、図3は同平面図、図4は同側面図である。尚、図1では、用紙搬送経路の上流側(図1の左側)を単に「上流側」と言い、用紙搬送経路の下流側(図1の右側)を単に「下流側」と言うこととする。
【0017】
先ず、図1を参照しながらプリンタ1の構成について概説する。プリンタ1は、「被記録媒体」、「被噴射媒体」の一例としてのハガキ、L判サイズ等の記録用紙Pへの記録に適した小型サイズに構成され、A4サイズの記録に好適である一般的なインクジェットプリンタと同様に、装置後部に記録用紙Pを傾斜姿勢で複数枚セット可能な給紙装置2を、装置中程に主走査方向に往復動可能に設けられるキャリッジ25を、装置前部には記録の行われた記録用紙Pをスタックするスタッカ(図示せず)を備えている。
【0018】
給紙装置2は、ホッパ10と、給送ローラ11と、摩擦分離材13と、紙戻しレバー12と、を備えている。ホッパ10は揺動支点10aを中心に図示しない駆動手段によって揺動駆動される様に設けられ、記録用紙Pを傾斜姿勢に支持するとともに、記録用紙Pの給送時には、給送ローラ11に記録用紙Pを圧接させる。
給送ローラ11は側面視略D形の形状をなし、外周にはゴム材が巻回され、図示しない駆動モータによって用紙給送時に選択的に回転駆動される。用紙給送時には、その円弧部分によって給送ローラ11に圧接した記録用紙Pの最上位のものを下流側へ給送し、用紙給送が終了すると、下流側の搬送駆動ローラ21による搬送動作の際に搬送負荷を生じさせない様、図示する様に側面視略D形の形状における平坦部が摩擦分離材13と対向する様に制御される。尚、符号14で示すローラは自由回転可能なアイドルローラであり、搬送中の記録用紙Pが給送ローラ11に接して搬送負荷を生じさせない様、搬送中の記録用紙Pと接して従動回転する。このアイドルローラ14は、本実施形態では給送ローラ11を挟む様に給送ローラ11の両側に設けられている。
【0019】
給送ローラ11と対向する位置には摩擦分離材13が設けられている。摩擦分離材13は用紙給送時に給送ローラ11の円弧部分と圧接して圧接点を形成し、これにより、給送されるべき最上位の記録用紙Pと、重送されようとする次位以降の記録用紙Pとを分離する。また、給送ローラ11と対向する位置には紙戻しレバー12が設けられている。紙戻しレバー12は揺動支点12aを中心に揺動可能に設けられ、給送ローラ11の1回転動作中に、図2に示す待機状態から記録用紙Pの給送経路を開放する様に一旦倒れ、そして再び図2に示す様に起き上がることにより、重送されようとした次位以降の記録用紙Pをホッパ10上に戻す。
【0020】
以上が給紙装置2であり、給紙装置2の下流側には、給送ローラ11と搬送駆動ローラ21との間に、レバー15と検出部16とを備えて成る紙検出器17が設けられている。レバー15は揺動軸15aを中心に揺動可能に設けられ、且つ、揺動軸15aから上側部分が、給送される記録用紙Pと接触可能に構成されている。検出部16は光学センサであり、レバー15の揺動軸15aから下側部分が図示する様に検出部16に入り込むことにより、発光部から受光部へ向かう光が遮断され、記録用紙Pの未通過状態が検出される。そして、レバー15が、記録用紙Pの通過に伴って揺動すると、レバー15の揺動軸15aから下側部分が検出部16から外れ、これにより、記録用紙P先端の通過を検出することができる様になっている。また、記録用紙P後端が通過すると、再びレバー15の下端部が検出部16に入り込み、これにより、記録用紙P後端の通過を検出可能となる。
【0021】
次に、紙検出器17の下流側には、搬送駆動ローラ21と搬送従動ローラ22とが設けられている。搬送駆動ローラ21は図示しない駆動モータによって回転駆動され、搬送従動ローラ22は、搬送駆動ローラ21に圧接して従動回転する。搬送駆動ローラ21は回転軸芯線方向に長い金属棒体の外周に塗装膜が付着されることによって成され、搬送従動ローラ22は、搬送駆動ローラ21の軸方向に、所定の間隔で複数個(本実施形態では4個:図2参照)設けられる。尚、搬送従動ローラ22は、これを軸支する1つのホルダ部材20に、本実施形態では2つ軸支される(図2参照)。そして、給送ローラ11によって給送された記録用紙Pは搬送ローラにニップされ、記録ヘッド26へと搬送される。
【0022】
次に、搬送駆動ローラ21の下流側には、記録ヘッド26とプラテン28とが対向する様に設けられている。記録ヘッド26はキャリッジ25の底部に設けられ、液体の一例としてのインク滴を記録用紙Pに向けて吐出(噴射)することにより、記録を実行する。キャリッジ25には主走査方向に延びるキャリッジガイド軸27が挿通し、また、主走査方向に延びる無端ベルト24(図2参照)の一部に固定されている。そして、キャリッジモータ19(図2参照)の動力を受けて、キャリッジガイド軸27にガイドされながら、主走査方向に往復駆動される。尚、本実施形態では、キャリッジ25はインクカートリッジを搭載せず、プリンタ1の装置本体底部に固設されるインクカートリッジ(図示せず)から、図示を省略するインクチューブを介して記録ヘッド26へとインクが供給される様に構成されている。
【0023】
プラテン28は、記録用紙Pを下から支持することにより、記録用紙Pと記録ヘッド25との間のギャップを規定するが、記録ヘッド25と対向する面には、凹部28aが形成されている。これは、記録用紙Pに余白無く印刷を行う為のものであり、記録用紙Pの端部にインク滴を吐出する際に、記録用紙P端部から外れた部分にもインク滴を吐出し、そして凹部28aへと打ち捨てることにより、所謂縁無し印刷が実行される。尚、凹部28aには、インク滴を吸収するインク吸収材(図示せず)が配設されている。
凹部28aに打ち捨てられたインク滴は図示しない排出孔から下部へ排出され、そしてプラテン28の下部には、この排出されたインク滴を受ける廃液トレイ31が設けられている。廃液トレイ31の内部には廃液吸収材34が設けられ、廃液トレイ31内のインク廃液を確実に保持する。
【0024】
続いて、記録ヘッド26の下流側には、排出駆動ローラ29と、排出従動ローラ30とが設けられている。排出駆動ローラ29は図示しない駆動モータによって回転駆動され、排出従動ローラ30は、排出駆動ローラ29に接して従動回転する。そして、記録が行われた記録用紙Pは、これらローラにニップされることにより、図示しないスタッカへ向けて排出される。
排出駆動ローラ29の下流側には、排出補助ローラ37が設けられている。排出補助ローラ37は、その回転軸37aと、排出駆動ローラ29の回転軸29aとに係回されたベルト38によって、排出駆動ローラ29の回転に従って回転する。この排出補助ローラ37は、排出駆動ローラ29及び排出従動ローラ30にニップされて排出される記録用紙Pの後端を、スタッカに向けて確実に落とす機能を果たすものである。
【0025】
以上がプリンタ1の概略構成であり、続いて、搬送従動ローラ22を軸支するホルダ部材20を取り付けるフレーム3の構成について詳説する。
フレーム3は金属板材の折り曲げ加工によって高い剛性を有する様に形成され、搬送従動ローラ22の高さ位置近傍から上方に向かって延びるように立設されて、プリンタ1の基体の一部を構成する。より詳しくは、その平面がプリンタ1前方側を向く様に、且つほぼ垂直面を成すように立設されるとともに、下端部は、下流側に向けてほぼ直角に折り曲げられて折り曲げ部3aが形成されている。また、側面視においては、図4に示す様に搬送従動ローラ22の高さ位置近傍から上方に略垂直に立ち上がった後に、一端プリンタ1後方側(図4の左側)に傾斜して傾斜部3bを形成し、そして再び上方に略垂直に延びる様な、略Z形の形状に形成されている。この様な形状によって、フレーム3の剛性がより一層向上している。
【0026】
搬送従動ローラ22を軸支するホルダ部材20は、図4に示す様にその上部に先端がプリンタ1後方側を向くL字形の形状を成すフック部20aを有し、当該フック部20aとホルダ部材20本体の上面とでフレーム3の折り曲げ部3aを挟む様にして、折り曲げ部3aに取り付けられる。ここで、折り曲げ部3aは、フック部20aとホルダ部材20本体との間に遊挿された状態にあり、即ちホルダ部材20が揺動可能な状態にあり、搬送従動ローラ22が、搬送駆動ローラ21に対して僅かに近接離間することが可能な状態となっている。
【0027】
一方、フレーム3において水平に延びる折り曲げ部3aと上方に垂直に延びる部分との交差位置には、凹形状を成すばね保持部3dが形成され、当該ばね保持部3dには、コイルばね6のコイル部6aが嵌合する様に配置される。コイルばね6は、搬送従動ローラ22が搬送駆動ローラ21に圧接する様にホルダ部材20を付勢する付勢手段であり、その一端6bは搬送従動ローラ22近傍までほぼ水平に伸び、搬送従動ローラ22の上部近傍で、ホルダ部材20を付勢する。一方、コイルばね6の他端6cは斜め上方に向かって伸びた後に、一旦プリンタ後方に向けて倒れる様に折れ曲がり、更に下方に向かって折れ曲がり、再びやや斜め上方に向かって折れ曲がる、略Z形の形状を成す先端部6dを有し、その最初の折れ曲がり部が、フレーム3に形成されたばね係止部3eに係止している。尚、本実施形態では、1つのホルダ部材20に1つのコイルばね6が配設され、搬送従動ローラ22の軸線方向において、2つの搬送従動ローラ22の中間位置でホルダ部材20を付勢する。
【0028】
ところで、フレーム3の前方側には、図1に示す様にキャリッジ25が配置され、フレーム3の上部には、キャリッジ25を駆動する無端ベルト24が配置されている。フレーム3の両側には、図3にも示す様に、従動回転可能な従動プーリ41と、キャリッジモータ19によって回転する駆動プーリ38とが設けられ、無端ベルト24は、従動プーリ41と、駆動プーリ38との間に係回される。
【0029】
尚、本実施形態では、駆動プーリ38は、従動プーリ41を通る主走査方向に平行な直線上には配置されず、やや後方側(図3の上側)に配置されるとともに、駆動プーリ38近傍には従動プーリ39、40が設けられ、無端ベルト24は、従動プーリ39、40によって、図3に示す様に往復方向のベルトが互いに平行に、且つ、主走査方向に平行になるように係回される。これにより、キャリッジモータ19、キャリッジ25、キャリッジガイド軸27、フレーム3等の配置関係においてキャリッジモータ19をフレーム3に近づけることができない場合でも、無端ベルト25を、フレーム3に近接して配置することが可能となる。
【0030】
即ち、キャリッジガイド軸27(図1)に近い位置でキャリッジ25を無端ベルト24に固定することができ、これにより、安定してキャリッジ25を駆動することができる。尚、従動プーリ41はホルダ42によって軸支され、当該ホルダ42は、主走査方向にスライド可能に、且つ、圧縮ばね43(図2)によって無端ベルト24にテンションを与える方向に付勢され、これにより、無端ベルト24の弛みが防止されている。
【0031】
以上の構成においては、以下のような作用効果を得ることができる。即ち、従来のプリンタにおいては、通常、キャリッジベルト24はフレーム3の前方側に配置される。装置の小型化を行う場合には、従来の様にキャリッジベルト24をフレーム3の前方側に配置することが困難な場合があるとともに、装置の小型化に伴い、組立時の作業性が低下するといった事態も発生する。しかし、本実施形態においては、フレーム3の上端部3cが、無端ベルト24の間に入り込む様にフレーム3が配設されているので、プリンタ1の奥行き方向の寸法を小さくすることができ、無端べルト24の間の領域を利用して装置の小型化を図ることが可能となる。また、無端ベルト24は駆動プーリ38と従動プーリ41との間に係回されるが、無端ベルト24の間にフレーム3の上端3cが入り込んでいるので、無端ベルト24を駆動プーリ38と従動プーリ41との間に係回させる際に、フレーム3の上端3cを仮取付場所として利用することができ、作業性を向上させることが可能となる。
【0032】
更に、フレーム3は、側面視において略Z形の形状に形成されていることから、フレーム3を、プリンタ1の構成上無端ベルト24の直下から立ち上げることができない様な場合に、これに対応することが可能となる。
加えて、コイルばね6の先端部6dが側面視略Z形の形状に折り曲げて成されているので、当該Z形の形状部分によって指がかけ易くなり、狭いスペースにおいても、コイルばね6の取付作業をより一層容易に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプリンタの側断面概略図である。
【図2】フレーム材の斜視図である。
【図3】フレーム材の平面図である。
【図4】フレーム材の側面図である。
【符号の説明】
1 インクジェットプリンタ、2 給紙装置、3 フレーム、6 コイルばね、10 ホッパ、11 給送ローラ、12 紙戻しレバー、13 摩擦分離材、14 アイドルローラ、15 レバー、16 検出部、17 紙検出器、18 紙案内部材、19 キャリッジモータ、20 ホルダ部材、21 搬送駆動ローラ、22 搬送従動ローラ、23 ガイドローラ、24 無端ベルト、25 キャリッジ、26 インクジェット記録ヘッド、27 キャリッジガイド軸、28 プラテン、28a 凹部、29 排出駆動ローラ、30 排出従動ローラ、31廃液トレイ、34 廃液吸収材、37 排出補助ローラ、38 プーリ、39、40、41 従動プーリ、P 記録用紙
Claims (6)
- 被記録媒体に記録を行う記録ヘッドを備えるとともに主走査方向に往復駆動されるキャリッジと、
当該キャリッジの主走査領域に沿う様に延設されるとともに前記キャリッジの一部に固定される無端ベルトと、
前記記録ヘッドへ被記録媒体を搬送する、回転駆動される搬送駆動ローラと、
当該搬送駆動ローラに圧接して従動回転する搬送従動ローラと、
当該搬送従動ローラの高さ位置近傍から上方に向かって延びる様に立設されるとともに前記搬送従動ローラを軸支するホルダ部材を取り付ける様に構成されたフレーム材と、を備えた記録装置であって、
前記フレーム材の上端部が前記無端ベルトの間に入り込む様に前記フレーム材が配設されている、
ことを特徴とする記録装置。 - 請求項1において、前記フレーム材が、金属板材の折り曲げ加工によって形成されていることを特徴とする記録装置。
- 請求項2において、前記フレーム材が、側面視において前記搬送従動ローラの高さ位置近傍から上方に略垂直に立ち上がった後に一旦記録装置後方側に傾斜し再び上方に略垂直に延びる様な、略Z形の形状に形成されている、
ことを特徴とする記録装置。 - 請求項1から3のいずれか1項において、一端が前記フレーム材に係止し他端が前記ホルダに係止することにより、前記搬送従動ローラが前記搬送駆動ローラに圧接する様に前記ホルダ部材を付勢するコイルばねを有し、
前記フレーム材に係止する前記コイルばねの一端が前記無端ベルト近傍まで延びた後に、前記無端ベルトを避ける様に側面視略Z形の形状に折り曲げて成されている、
ことを特徴とする記録装置。 - 被記録媒体に記録を行う記録ヘッドを備えるとともに主走査方向に往復駆動されるキャリッジと、
当該キャリッジの主走査領域に沿う様に延設されるとともに前記キャリッジの一部に固定される無端ベルトと、
前記記録ヘッドへ被記録媒体を搬送する、回転駆動される搬送駆動ローラと、
当該搬送駆動ローラに圧接して従動回転する搬送従動ローラと、
当該搬送従動ローラの高さ位置近傍から上方に向かって延びる様に立設されるとともに前記搬送従動ローラを軸支するホルダ部材を取り付ける様に構成されたフレーム材と、
一端が前記フレーム材に係止し他端が前記ホルダに係止することにより、前記搬送従動ローラが前記搬送駆動ローラに圧接する様に前記ホルダ部材を付勢するコイルばねと、を備えた記録装置であって、
前記コイルばねが、前記フレーム材に係止する一端が前記無端ベルト近傍まで延びた後に、前記無端ベルトを避ける様に側面視略Z形の形状に折り曲げて成されている、
ことを特徴とする記録装置。 - 被噴射媒体に液体噴射を行う液体噴射ヘッドを備えるとともに主走査方向に往復駆動されるキャリッジと、
当該キャリッジの主走査領域に沿う様に延設されるとともに前記キャリッジの一部に固定される無端ベルトと、
前記液体噴射ヘッドへ被噴射媒体を搬送する、回転駆動される搬送駆動ローラと、
当該搬送駆動ローラに圧接して従動回転する搬送従動ローラと、
当該搬送従動ローラの高さ位置近傍から上方に向かって延びる様に立設されるとともに前記搬送従動ローラを軸支するホルダ部材を取り付ける様に構成されたフレーム材と、を備えた液体噴射装置であって、
前記フレーム材の上端部が前記無端ベルトの間に入り込む様に前記フレーム材が配設されている、
ことを特徴とする液体噴射装置。
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