JP2005040815A - ガスシールド溶接装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】被溶接部材の被溶接部を充分にガスシールドし、併せて該被溶接部を溶接した後の溶接部を速やかに冷却することにより、該被溶接部材が例えばチタンやチタン合金のような活性金属製のものであっても、またかかる被溶接部材の被溶接部を高速溶接する場合であっても、溶接部の酸化やこれによる着色を防止できるガスシールド溶接装置を提供する。
【解決手段】被溶接部材の被溶接部を囲むチャンバと、該チャンバ内に挿入されたトーチと、該チャンバ内にて該トーチの後方に配設されたトレイリングとを備え、不活性ガスで置換された該チャンバ内にて、該被溶接部材、及び/又は該トーチと該トレイリングとを移動させつつ、該トーチを用いて該被溶接部を溶接し、その直後に溶接部へ該トレイリングから不活性ガスを吹き付けるようにした。
【選択図】 図1
【解決手段】被溶接部材の被溶接部を囲むチャンバと、該チャンバ内に挿入されたトーチと、該チャンバ内にて該トーチの後方に配設されたトレイリングとを備え、不活性ガスで置換された該チャンバ内にて、該被溶接部材、及び/又は該トーチと該トレイリングとを移動させつつ、該トーチを用いて該被溶接部を溶接し、その直後に溶接部へ該トレイリングから不活性ガスを吹き付けるようにした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はガスシールド溶接装置に関し、更に詳しくはチタン、アルミニウム、マグネシウム及びこれらを基材とする合金のような活性金属製の部材を高速溶接するのに好適なガスシールド溶接装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ガスシールド溶接装置として、溶接用のトーチを電極とこれを囲むボディとで構成し、該ボディからシールド用の不活性ガスを吹き付けるようにしたもの(例えば特許文献1参照)、被溶接部材の被溶接部を囲むチャンバを設け、該チャンバ内に溶接用のトーチを挿入し、該チャンバ内の雰囲気をシールド用の不活性ガスで置換するようにしたもの(例えば特許文献2参照)等が知られている。
【0003】
しかし、これら従来のガスシールド溶接装置には、溶接条件によっては被溶接部のガスシールドが不充分であり、また該被溶接部を溶接した後の溶接部が相応に長い時間高温に晒されることもあって、該溶接部が酸化し、着色し易いという問題がある。なかでも、例えばチタンやチタン合金のように比較的低温で酸化する活性金属製の部材を溶接する場合には、かかる酸化及びこれによる着色が強く、特にそれらを高速溶接(60cm/分以上で溶接)する場合には、かかる酸化及びこれによる着色が激しい。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−10953号公報
【特許文献2】
特開2003−1422号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、被溶接部材の被溶接部を充分にガスシールドし、併せて該被溶接部を溶接した後の溶接部を速やかに冷却することにより、該被溶接部材が例えばチタンやチタン合金のような活性金属製のものであっても、またかかる被溶接部材の被溶接部を高速溶接する場合であっても、溶接部の酸化やこれによる着色を防止できるガスシールド溶接装置を提供する処にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決する本発明は、被溶接部材の被溶接部を囲むチャンバと、該チャンバ内に挿入されたトーチと、該チャンバ内にて該トーチの後方に配設されたトレイリングとを備え、不活性ガスで置換された該チャンバ内にて、該被溶接部材、及び/又は該トーチと該トレイリングとを移動させつつ、該トーチを用いて該被溶接部を溶接し、その直後に溶接部へ該トレイリングから不活性ガスを吹き付けるようにして成るガスシールド溶接装置に係る。
【0007】
本発明に係るガスシールド溶接装置は、被溶接部材の被溶接部を囲むチャンバと、該チャンバ内に挿入されたトーチと、該チャンバ内にて該トーチの後方に該トーチと一体的に配設されたトレイリングとを備えている。チャンバ内はその雰囲気を不活性ガスで置換し得るようになっており、したがって通常、チャンバ内には不活性ガス噴出部が配設されており、該不活性ガス噴出部にはチャンバ外から不活性ガス供給管が接続されていて、該不活性ガス供給管は不活性ガス供給源へと接続されている。
【0008】
トーチとしては、それ自体は公知の溶接用トーチを使用できるが、電極を囲むボディを備え、該ボディからシールド用の不活性ガスを吹き付けるようにしたものが好ましい。かかるトーチを用いると、被溶接部材の被溶接部を溶接するときにその部分のガスシールドをより高めることができるからである。
【0009】
トレイリングはトーチを用いて被溶接部材の被溶接部を溶接した直後にその溶接部へ不活性ガスを吹き付けるためのもので、したがってトレイリングとしては、かかる不活性ガスの吹き付けが可能なものであれば、その構造は任意であるが、底面に例えば多孔板や鋼のような支持部材が取付けられたケーシングと、該ケーシング内の上部に配設された不活性ガス噴出部と、該ケーシング内にて底面の該支持部材と上部の該不活性ガス噴出部との間に充填された例えばウールのような不活性ガス分散部材とを備えるものが好ましい。この場合、不活性ガス噴出部に不活性ガス供給管を接続し、該不活性ガス供給管を不活性ガス供給源へと接続して、不活性ガスを、不活性ガス供給源→不活性ガス供給管→ケーシング(不活性ガス噴出部→不活性ガス分散部材→支持部材)の経路で溶接部へ吹き付ける。
【0010】
トレイリングは、前記したように、トーチを用いて被溶接部材の被溶接部を溶接した直後にその溶接部へ不活性ガスを吹き付けるためのもので、したがってかかるトレイリングは、チャンバ内にてトーチの後方、言い替えればトーチによる溶接進行方向とは反対側の下流側に配設されている。トーチ及びトレイリングは別個に支持、例えばチャンバに別個に取付けることもできるが、トーチはチャンバに取付け、トレイリングはかかるトーチに取付けるのが好ましい。
【0011】
本発明に係るガスシールド溶接装置において、被溶接部材、又はトーチとトレイリング、又はチャンバとトーチとトレイリング又はこれらの全ては移動可能になっている。通常、被溶接部材を移動させる場合にはチャンバ、トーチ及びトレイリングを移動させる必要がなく、逆にチャンバと共に又はチャンバとは別にトーチ及びトレイリングを移動させる場合には被溶接部材は移動させる必要がないが、被溶接部材の移動手段、例えばコンベアやターンテーブルを設け、チャンバ、トーチ及びトレイリングを該移動手段の上方に支持して、該被溶接部材を該移動手段で移動させつつその被溶接部を溶接するようにするのが好ましい。
【0012】
本発明に係るガスシールド溶接装置では、不活性ガスで置換されたチャンバ内にて、被溶接部材、及び/又はチャンバと共に又はチャンバと別にトーチとトレイリングとを移動させつつ、該トーチを用いて該被溶接部材の被溶接部を溶接し、直後にその溶接部へ該トレイリングから不活性ガスを吹き付けるので、該被溶接部材の該被溶接部だけではなく、その溶接部をも充分にガスシールドでき、また該溶接部を速やかに冷却できる。本発明に係るガスシールド溶接装置によると、被溶接部材が例えばチタンやチタン合金のような活性金属製のものであっても、またかかる被溶接部材の被溶接部を高速溶接する場合であっても、溶接部の酸化やこれによる着色を防止できるのである。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係るガスシールド溶接装置を例示する縦断面図、図2は図1と同じ本発明に係るガスシールド溶接装置を示す横断面図、図3は図1及び図2と同じ本発明に係るガスシールド溶接装置におけるトレイリングを示す拡大縦断面図である。図示したガスシールド溶接装置では、被溶接部材としてフランジ11及びパイプ12を、またかかる被溶接部材の移動手段としてターンテーブル21を用い、ターンテーブル11上に載置したフランジ21と、フランジ21上に立ち上げて載置したパイプ12とを溶接している。
【0014】
ターンテーブル21の上方には底部が開放され且つ上面に開口を有する略筒状のチャンバ31が図示しない機枠に昇降可能に支持されており、図示した状態ではチャンバ31は下降していて、その底部がフランジ11の上面に、またその上面開口部がパイプ12の周面に近接し、フランジ11とパイプ12との被溶接部13を囲んでいる。チャンバ31内の上部には不活性ガス噴出部としてリング状のパイプ32が配設されており、パイプ32の周面上部には複数の孔33が穿設されている。パイプ32にはチャンバ31外から不活性ガス供給管34が接続されており、不活性ガス供給管34は図示しない不活性ガス供給源へと接続されている。図示しない不活性ガス供給源→不活性ガス供給管34→リング状のパイプ32→孔33の経路でチャンバ31内へ不活性ガスを噴出して、チャンバ31内の雰囲気を不活性ガスで置換するようになっている。
【0015】
チャンバ31内にはトーチ41が斜め下向きに被溶接部13を臨んで挿入されている。トーチ41は電極42とこれを囲むボディ43とを備え、ボディ43はチャンバ31の側面に取付けられている。ボディ43は図示しない不活性ガス供給源へと接続されており、かかる不活性ガス供給源からのシールド用の不活性ガスをボディ43の先端部から電極42の先端部を包囲するかの如く吹き付けるようになっている。
【0016】
チャンバ31内には、トーチ41の後方に、言い替えればトーチ41による溶接進行方向とは反対側の下流側に、トレイリング51が配設されている。トレイリング51は、底面開放の略長方形のケーシング52と、ケーシング52の開放底面に取付けられた金網53と、ケーシング52内の上部に配設された先端封鎖のパイプ54と、パイプ54の上部に穿設された複数の孔55と、金網53とパイプ54との間に充填されたウール56とを備え、ケーシング52はトーチ41のボディ43に取付けられている。パイプ54にはケーシング52外から不活性ガス供給管57が接続されており、不活性ガス供給管57は図示しない不活性ガス供給源へと接続されていて、シールド用及び冷却用の不活性ガスを、不活性ガス供給源→不活性ガス供給管57→ケーシング(パイプ54→孔55→ウール56→金網53)の経路で溶接部14へ吹き付けるようになっている。
【0017】
図示した本発明に係るガスシールド溶接装置では、雰囲気を不活性ガスで置換したチャンバ31内にて、ターンテーブル21を時計方向へ回転させつつ、したがってフランジ11及びパイプ12を時計方向へ回転させつつ、先端部からシールド用の不活性ガスを吹き付けるトーチ41を用いて、フランジ11とパイプ12との被溶接部13を溶接し、その直後に一定時間、溶接部14へトレイリング51からシールド用及び冷却用の不活性ガスを吹き付けている。
【0018】
【発明の効果】
既に明らかなように、以上説明した本発明には、被溶接部材の被溶接部を充分にガスシールドし、併せて該被溶接部を溶接した後の溶接部を速やかに冷却することにより、該被溶接部材が例えばチタンやチタン合金のような活性金属製のものであっても、またかかる被溶接部材の被溶接部を高速溶接する場合であっても、溶接部の酸化やこれによる着色を防止できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るガスシールド溶接装置を例示する縦断面図。
【図2】図1と同じ本発明に係るガスシールド溶接装置を示す横断面図。
【図3】図1及び図2と同じ本発明に係るガスシールド溶接装置におけるトレイリングを示す拡大縦断面図。
【符号の説明】
11・・フランジ、12・・パイプ、13・・被溶接部、14・・溶接部、21・・ターンテーブル、31・・チャンバ、41・・トーチ、42・・電極、43・・ボディ、51・・トレイリング
【発明の属する技術分野】
本発明はガスシールド溶接装置に関し、更に詳しくはチタン、アルミニウム、マグネシウム及びこれらを基材とする合金のような活性金属製の部材を高速溶接するのに好適なガスシールド溶接装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ガスシールド溶接装置として、溶接用のトーチを電極とこれを囲むボディとで構成し、該ボディからシールド用の不活性ガスを吹き付けるようにしたもの(例えば特許文献1参照)、被溶接部材の被溶接部を囲むチャンバを設け、該チャンバ内に溶接用のトーチを挿入し、該チャンバ内の雰囲気をシールド用の不活性ガスで置換するようにしたもの(例えば特許文献2参照)等が知られている。
【0003】
しかし、これら従来のガスシールド溶接装置には、溶接条件によっては被溶接部のガスシールドが不充分であり、また該被溶接部を溶接した後の溶接部が相応に長い時間高温に晒されることもあって、該溶接部が酸化し、着色し易いという問題がある。なかでも、例えばチタンやチタン合金のように比較的低温で酸化する活性金属製の部材を溶接する場合には、かかる酸化及びこれによる着色が強く、特にそれらを高速溶接(60cm/分以上で溶接)する場合には、かかる酸化及びこれによる着色が激しい。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−10953号公報
【特許文献2】
特開2003−1422号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、被溶接部材の被溶接部を充分にガスシールドし、併せて該被溶接部を溶接した後の溶接部を速やかに冷却することにより、該被溶接部材が例えばチタンやチタン合金のような活性金属製のものであっても、またかかる被溶接部材の被溶接部を高速溶接する場合であっても、溶接部の酸化やこれによる着色を防止できるガスシールド溶接装置を提供する処にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決する本発明は、被溶接部材の被溶接部を囲むチャンバと、該チャンバ内に挿入されたトーチと、該チャンバ内にて該トーチの後方に配設されたトレイリングとを備え、不活性ガスで置換された該チャンバ内にて、該被溶接部材、及び/又は該トーチと該トレイリングとを移動させつつ、該トーチを用いて該被溶接部を溶接し、その直後に溶接部へ該トレイリングから不活性ガスを吹き付けるようにして成るガスシールド溶接装置に係る。
【0007】
本発明に係るガスシールド溶接装置は、被溶接部材の被溶接部を囲むチャンバと、該チャンバ内に挿入されたトーチと、該チャンバ内にて該トーチの後方に該トーチと一体的に配設されたトレイリングとを備えている。チャンバ内はその雰囲気を不活性ガスで置換し得るようになっており、したがって通常、チャンバ内には不活性ガス噴出部が配設されており、該不活性ガス噴出部にはチャンバ外から不活性ガス供給管が接続されていて、該不活性ガス供給管は不活性ガス供給源へと接続されている。
【0008】
トーチとしては、それ自体は公知の溶接用トーチを使用できるが、電極を囲むボディを備え、該ボディからシールド用の不活性ガスを吹き付けるようにしたものが好ましい。かかるトーチを用いると、被溶接部材の被溶接部を溶接するときにその部分のガスシールドをより高めることができるからである。
【0009】
トレイリングはトーチを用いて被溶接部材の被溶接部を溶接した直後にその溶接部へ不活性ガスを吹き付けるためのもので、したがってトレイリングとしては、かかる不活性ガスの吹き付けが可能なものであれば、その構造は任意であるが、底面に例えば多孔板や鋼のような支持部材が取付けられたケーシングと、該ケーシング内の上部に配設された不活性ガス噴出部と、該ケーシング内にて底面の該支持部材と上部の該不活性ガス噴出部との間に充填された例えばウールのような不活性ガス分散部材とを備えるものが好ましい。この場合、不活性ガス噴出部に不活性ガス供給管を接続し、該不活性ガス供給管を不活性ガス供給源へと接続して、不活性ガスを、不活性ガス供給源→不活性ガス供給管→ケーシング(不活性ガス噴出部→不活性ガス分散部材→支持部材)の経路で溶接部へ吹き付ける。
【0010】
トレイリングは、前記したように、トーチを用いて被溶接部材の被溶接部を溶接した直後にその溶接部へ不活性ガスを吹き付けるためのもので、したがってかかるトレイリングは、チャンバ内にてトーチの後方、言い替えればトーチによる溶接進行方向とは反対側の下流側に配設されている。トーチ及びトレイリングは別個に支持、例えばチャンバに別個に取付けることもできるが、トーチはチャンバに取付け、トレイリングはかかるトーチに取付けるのが好ましい。
【0011】
本発明に係るガスシールド溶接装置において、被溶接部材、又はトーチとトレイリング、又はチャンバとトーチとトレイリング又はこれらの全ては移動可能になっている。通常、被溶接部材を移動させる場合にはチャンバ、トーチ及びトレイリングを移動させる必要がなく、逆にチャンバと共に又はチャンバとは別にトーチ及びトレイリングを移動させる場合には被溶接部材は移動させる必要がないが、被溶接部材の移動手段、例えばコンベアやターンテーブルを設け、チャンバ、トーチ及びトレイリングを該移動手段の上方に支持して、該被溶接部材を該移動手段で移動させつつその被溶接部を溶接するようにするのが好ましい。
【0012】
本発明に係るガスシールド溶接装置では、不活性ガスで置換されたチャンバ内にて、被溶接部材、及び/又はチャンバと共に又はチャンバと別にトーチとトレイリングとを移動させつつ、該トーチを用いて該被溶接部材の被溶接部を溶接し、直後にその溶接部へ該トレイリングから不活性ガスを吹き付けるので、該被溶接部材の該被溶接部だけではなく、その溶接部をも充分にガスシールドでき、また該溶接部を速やかに冷却できる。本発明に係るガスシールド溶接装置によると、被溶接部材が例えばチタンやチタン合金のような活性金属製のものであっても、またかかる被溶接部材の被溶接部を高速溶接する場合であっても、溶接部の酸化やこれによる着色を防止できるのである。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係るガスシールド溶接装置を例示する縦断面図、図2は図1と同じ本発明に係るガスシールド溶接装置を示す横断面図、図3は図1及び図2と同じ本発明に係るガスシールド溶接装置におけるトレイリングを示す拡大縦断面図である。図示したガスシールド溶接装置では、被溶接部材としてフランジ11及びパイプ12を、またかかる被溶接部材の移動手段としてターンテーブル21を用い、ターンテーブル11上に載置したフランジ21と、フランジ21上に立ち上げて載置したパイプ12とを溶接している。
【0014】
ターンテーブル21の上方には底部が開放され且つ上面に開口を有する略筒状のチャンバ31が図示しない機枠に昇降可能に支持されており、図示した状態ではチャンバ31は下降していて、その底部がフランジ11の上面に、またその上面開口部がパイプ12の周面に近接し、フランジ11とパイプ12との被溶接部13を囲んでいる。チャンバ31内の上部には不活性ガス噴出部としてリング状のパイプ32が配設されており、パイプ32の周面上部には複数の孔33が穿設されている。パイプ32にはチャンバ31外から不活性ガス供給管34が接続されており、不活性ガス供給管34は図示しない不活性ガス供給源へと接続されている。図示しない不活性ガス供給源→不活性ガス供給管34→リング状のパイプ32→孔33の経路でチャンバ31内へ不活性ガスを噴出して、チャンバ31内の雰囲気を不活性ガスで置換するようになっている。
【0015】
チャンバ31内にはトーチ41が斜め下向きに被溶接部13を臨んで挿入されている。トーチ41は電極42とこれを囲むボディ43とを備え、ボディ43はチャンバ31の側面に取付けられている。ボディ43は図示しない不活性ガス供給源へと接続されており、かかる不活性ガス供給源からのシールド用の不活性ガスをボディ43の先端部から電極42の先端部を包囲するかの如く吹き付けるようになっている。
【0016】
チャンバ31内には、トーチ41の後方に、言い替えればトーチ41による溶接進行方向とは反対側の下流側に、トレイリング51が配設されている。トレイリング51は、底面開放の略長方形のケーシング52と、ケーシング52の開放底面に取付けられた金網53と、ケーシング52内の上部に配設された先端封鎖のパイプ54と、パイプ54の上部に穿設された複数の孔55と、金網53とパイプ54との間に充填されたウール56とを備え、ケーシング52はトーチ41のボディ43に取付けられている。パイプ54にはケーシング52外から不活性ガス供給管57が接続されており、不活性ガス供給管57は図示しない不活性ガス供給源へと接続されていて、シールド用及び冷却用の不活性ガスを、不活性ガス供給源→不活性ガス供給管57→ケーシング(パイプ54→孔55→ウール56→金網53)の経路で溶接部14へ吹き付けるようになっている。
【0017】
図示した本発明に係るガスシールド溶接装置では、雰囲気を不活性ガスで置換したチャンバ31内にて、ターンテーブル21を時計方向へ回転させつつ、したがってフランジ11及びパイプ12を時計方向へ回転させつつ、先端部からシールド用の不活性ガスを吹き付けるトーチ41を用いて、フランジ11とパイプ12との被溶接部13を溶接し、その直後に一定時間、溶接部14へトレイリング51からシールド用及び冷却用の不活性ガスを吹き付けている。
【0018】
【発明の効果】
既に明らかなように、以上説明した本発明には、被溶接部材の被溶接部を充分にガスシールドし、併せて該被溶接部を溶接した後の溶接部を速やかに冷却することにより、該被溶接部材が例えばチタンやチタン合金のような活性金属製のものであっても、またかかる被溶接部材の被溶接部を高速溶接する場合であっても、溶接部の酸化やこれによる着色を防止できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るガスシールド溶接装置を例示する縦断面図。
【図2】図1と同じ本発明に係るガスシールド溶接装置を示す横断面図。
【図3】図1及び図2と同じ本発明に係るガスシールド溶接装置におけるトレイリングを示す拡大縦断面図。
【符号の説明】
11・・フランジ、12・・パイプ、13・・被溶接部、14・・溶接部、21・・ターンテーブル、31・・チャンバ、41・・トーチ、42・・電極、43・・ボディ、51・・トレイリング
Claims (4)
- 被溶接部材の被溶接部を囲むチャンバと、該チャンバ内に挿入されたトーチと、該チャンバ内にて該トーチの後方に配設されたトレイリングとを備え、不活性ガスで置換された該チャンバ内にて、該被溶接部材、及び/又は該トーチと該トレイリングとを移動させつつ、該トーチを用いて該被溶接部を溶接し、その直後に溶接部へ該トレイリングから不活性ガスを吹き付けるようにして成るガスシールド溶接装置。
- トーチが電極を囲むボディを備え、該ボディからシールド用の不活性ガスを吹き付けるようにしたものである請求項1記載のガスシールド溶接装置。
- トレイリングがトーチに取付けられたものである請求項1又は2記載のガスシールド溶接装置。
- 被溶接部材の移動手段を備え、チャンバ、トーチ及びトレイリングが該移動手段の上方に支持されていて、該被溶接部材を該移動手段で移動させつつその被溶接部を溶接するようにした請求項1〜3のいずれか一つの項記載のガスシールド溶接装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003201768A JP2005040815A (ja) | 2003-07-25 | 2003-07-25 | ガスシールド溶接装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003201768A JP2005040815A (ja) | 2003-07-25 | 2003-07-25 | ガスシールド溶接装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005040815A true JP2005040815A (ja) | 2005-02-17 |
Family
ID=34261735
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003201768A Pending JP2005040815A (ja) | 2003-07-25 | 2003-07-25 | ガスシールド溶接装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005040815A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1813374A1 (en) * | 2006-01-30 | 2007-08-01 | Honeywell International Inc. | Gas welding shielding dam with a flange and a fastener for automated welding of impellers and blisks |
CN109175633A (zh) * | 2018-10-17 | 2019-01-11 | 江麓机电集团有限公司 | 一种钛合金零件环形角焊缝的焊接保护装置 |
CN113547190A (zh) * | 2021-08-10 | 2021-10-26 | 内蒙古第一机械集团股份有限公司 | 一种tc4钛合金板焊接的气体保护装置和工艺方法 |
-
2003
- 2003-07-25 JP JP2003201768A patent/JP2005040815A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1813374A1 (en) * | 2006-01-30 | 2007-08-01 | Honeywell International Inc. | Gas welding shielding dam with a flange and a fastener for automated welding of impellers and blisks |
CN109175633A (zh) * | 2018-10-17 | 2019-01-11 | 江麓机电集团有限公司 | 一种钛合金零件环形角焊缝的焊接保护装置 |
CN113547190A (zh) * | 2021-08-10 | 2021-10-26 | 内蒙古第一机械集团股份有限公司 | 一种tc4钛合金板焊接的气体保护装置和工艺方法 |
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