JP2005039954A - 電動機制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 動作信号の振動を大きく励起するような動作を特に行なわなくても、制御系の共振特性の推定を正確に行なうことができ、また、その推定結果を用いてフィードフォワード信号生成器の制振定数を修正することにより、より正確な制振制御を実現することができる電動機制御装置を提供する。
【解決手段】 機械系を含む制御対象1を駆動する電動機の駆動指令信号を生成する指令生成器6、駆動指令信号にもとづいて制御対象の制振周波数における信号成分が極小となるようにしたフィードフォワード信号を生成し、駆動指令信号に加算するフィードフォワード信号生成器3、制御対象の位置、速度または加速度に応じた信号を入力とし、制振周波数においてゲインが極大となる伝達関数により演算した共振信号を出力する共振信号演算器4及び共振信号にもとづいて制御対象の共振周波数を推定する共振推定器5を備えた構成とする。
【選択図】 図1

Description

この発明は、電動機制御装置、特に機械系を含む制御対象を駆動する電動機の制御装置に関するものである。
従来のこの種電動機制御装置は、制御対象の機械共振等に起因して、制御対象の速度や角度といった動作信号の応答が振動的になる場合、動作指令信号の入力に対して電動機の駆動力指令に加算するように演算するフィードフォワード信号の周波数成分が、制御系の共振周波数において極小になるように制御器を構成し、動作指令信号の入力に対して動作信号の振動を抑制しながら制御する、いわゆる制振制御が行なわれている。具体的には、制振フィルタと呼ばれる指令フィルタを用い、任意の動作指令信号に対して、制御系の共振周波数における周波数成分を極小に低減するように制振フィルタを作用させ、その出力に基づいて制御対象を駆動するようにしていた。(例えば非特許文献1参照)。
また、Input Shaperと呼ばれる方法においても同様に、動作指令信号に離散時間系の指令フィルタを作用させることにより制振制御が行なわれていた。(例えば非特許文献2参照)。
更に、指令信号発生器が発生する動作指令信号の形状を制御系の共振周波数に応じて決定することにより、指令信号発生器が発生する動作指令信号自体の周波数成分が、制御系の共振周波数において極小になるように構成し、停止時に生じる動作信号の振動の振幅を低減するような方法もある。(例えば特許文献1参照)。
更にまた、測定した制御系の共振周波数に応じて指令信号発生器が発生する動作指令信号の形状を決定する手順を自動的に行なうものもあった。(例えば特許文献2参照)。
塘田 哲也、石本 憲治著「超高性能サーボアンプ MINAS-AIIIの開発」電子技術、2003年1月号別冊(p73−p77、図7) 山浦 弘著「制振シーク制御」計測と技術、第41巻第6号(p421−p427、図8) 特開昭56−3506号公報 特開2002−354858号公報
従来の電動機制御装置は以上のように構成されているため、制御器内の伝達関数や生成する指令信号の形状において制振制御を行なうために設定する定数である制御器の制振定数を、共振周波数や減衰定数といった制御系の共振特性に応じて設定する必要があり、そのため、制振制御を行なわない状態で振動を励起するように動作させた時に生じる動作信号の振動波形から、振動の周波数や減衰特性を測定する必要があった。しかしながら、一旦、制振定数を設定して制振制御を行なうと、制御系の特性変化等に起因して制御系の共振特性と制御器の制振定数との間に誤差が生じても、制振制御を行なっている状態では発生する振動の振幅が小さいために制御系の共振特性の正確な測定が困難であり、再度、制振制御を行なわない状態で動作させて制御系の共振特性を測定し直す必要があるため、正確な制振定数の設定に手間がかかるという問題点があった。
この発明は、上記のような問題点に対処するためになされたもので、動作信号の振動を大きく励起するような動作を特に行なわなくても、制御系の共振特性の推定を正確に行なうことができ、また、その推定結果を用いてフィードフォワード信号生成器の制振定数を修正することにより、より正確な制振制御を実現することができる電動機制御装置を提供することを目的とする。
この発明に係る電動機制御装置は、機械系を含む制御対象を駆動する電動機の駆動指令信号を生成する指令生成器、上記駆動指令信号にもとづいて上記制御対象の制振周波数における信号成分が極小となるようにしたフィードフォワード信号を生成し、上記駆動指令信号に加算するフィードフォワード信号生成器、上記制御対象の位置または速度あるいは加速度に応じた信号を入力とし、上記制振周波数においてゲインが極大となる伝達関数により演算した共振信号を出力する共振信号演算器及び上記共振信号にもとづいて上記制御対象の共振周波数を推定する共振推定器を備えたものである。
この発明に係る電動機制御装置は、機械系を含む制御対象を駆動する電動機の駆動指令信号を生成する指令生成器、上記駆動指令信号にもとづいて上記制御対象の制振周波数における信号成分が極小となるようにしたフィードフォワード信号を生成し、上記駆動指令信号に加算するフィードフォワード信号生成器、上記制御対象の位置または速度あるいは加速度に応じた信号を入力とし、上記制振周波数においてゲインが極大となる伝達関数により演算した共振信号を出力する共振信号演算器及び上記共振信号にもとづいて上記制御対象の共振周波数を推定する共振推定器を備えたものであるため、制御対象の制振周波数と制御系の共振周波数が誤差を持って動作信号に微小な振動が生じた場合でも、動作信号の振動振幅を大きくするような特別な動作を行なうことなく、制御系の共振周波数を正確に推定することが可能になる。
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1を図にもとづいて説明する。図1は、この発明の実施の形態1による電動機制御装置の構成を示すブロック図であり、実装に即した構成を表している。この図において、制御対象1は電動機とそれにより駆動される機械系および検出器(図示せず)から構成され、駆動力指令τrに応じた回転あるいは直線運動の駆動力を発生して機械系を駆動し、エンコーダやリニアスケールなどの検出器により検出した電動機あるいは機械系の速度や位置あるいは加速度といった動作信号xmを出力する。指令生成器6は制御対象の動作信号xmに対する指令である動作指令信号xrを生成し指令フィルタ103に入力する。
指令フィルタ103は入力された動作指令信号xrに基づき、Fr(s)(sはラプラス演算子)で表す後述の設定値を用いた伝達関数演算により制振動作指令信号xraを出力する。フィードバック制御器102は、制振動作指令信号xraと検出した制御対象1の動作信号xmとの差信号を入力とし、たとえばPID(比例積分微分)演算などからなるB(s)で表す所定の伝達関数演算によって駆動力指令τrを出力することにより、制御対象1を駆動する。共振信号演算器4は動作信号xmを入力とし、Fv(s)で表す後述の設定値を用いた伝達関数演算により共振信号xvを出力する。次に、共振推定器5は共振信号xvを入力とし、例えばFFT(Fast Fourier Transform)などの周波数解析や最小二乗法等によるシステム同定手法を用いて制御対象1を含む制御系の共振特性を推定し、その推定結果に応じて上記指令フィルタ103の伝達関数Fr(s)および共振信号演算器4の伝達関数Fv(s)の設定値を修正する。
次に、実施の形態1の動作説明に用いる図2の等価的な構成図について説明する。図2の構成図は、図1の実装上の構成図における指令フィルタ103とフィードバック制御器102からなる制御演算を、フィードフォワードの機能とフィードバックの機能で完全に分離して表現したものであり、実装上は数値演算誤差が大きくなるなどの問題を生じやすいため、そのままの構成で用いられることは少ないが、線形伝達関数を用いたフィードバックとフィードフォワードから構成される制御器は全て同様に分離して表現することが可能である。
制御対象1、指令生成器6、共振信号演算器4は図1に示した構成図のものと同じである。フィードフォワード演算部3は動作指令信号xrに基づいてF(s)の伝達関数演算によりフィードフォワード信号τfを演算して駆動力指令τrに加算する。フィードバック演算部2は検出した動作信号xmに基づいてB(s)の伝達関数演算によりフィードバック信号τbを演算して更に負の符号を乗じた信号を駆動力指令τrに加算し、フィードバック信号τbに負の符号を乗じた信号とフィードフォワード信号τfの和を駆動力指令τrとすることにより制御対象1を駆動する。また、共振推定器5は図1の説明と同様に共振信号xvの振動の周波数や減衰の特性を推定し、その推定結果に応じてフィードフォワード演算部3の伝達関数F(s)および共振信号演算器4の伝達関数Fv(s)の設定値を修正する。
なお、図2の構成図におけるフィードバック演算部2の伝達関数B(s)は、図1におけるフィードバック制御器102の伝達関数B(s)と同一であり、フィードフォワード演算部3の伝達関数F(s)は、図1における指令フィルタ103の伝達関数Fr(s)とフィードバック制御器102の伝達関数B(s)を用いて次の(式1)で演算することにより、図2の等価的な構成図と図1の実装に即した構成図は全体として同じ演算を行なうものである。
F(s)=B(s)・Fr(s) (式1)
ここで、図1におけるフィードバック制御器102により構成されるフィードバック制御系が振動的である場合、すなわち図2におけるフィードフォワード信号τfから動作信号xmまでの伝達特性が共振的になる場合、その共振周波数ωpおよび減衰定数ζp(以下、これを制御系の共振周波数ωpおよび制御系の減衰定数ζpという)に応じて、伝達関数F(s)のゲインが制御系の共振周波数ωpで極小となる特性を持つようにフィードフォワード演算部3を構成することにより、動作指令信号xrに対する動作信号xmの応答に含まれる振動成分を大きく低減することが可能になる。すなわち制振制御が実現される。
具体的には、図1における指令フィルタ103の伝達関数Fr(s)を、設定した制振周波数ωnおよび制振減衰定数ζnを用いて、例えば次の(式2)のように構成することにより、(式2)の分子の作用によって図1における制振動作指令信号xraの制振周波数ωnにおける周波数成分を大きく低減する。
Figure 2005039954
ただし、a1、a2は適切に設定した定数である。
また、これにより図2におけるフィードフォワード演算部3の伝達関数F(s)は(式3)のようになり、(式3)の2次の分子要素の作用によって図2におけるフィードフォワード信号τfの制振周波数ωnにおける周波数成分を大きく低減する。
Figure 2005039954
したがって、上記の(式3)における制振周波数ωnを制御系の共振周波数ωpに一致させることにより、動作指令信号xrの入力に対して動作信号xmに現れる制御系の共振周波数ωpにおける振動の振幅を低減することができる。すなわち制振制御が実現される。更に、制振減衰定数ζnも制御系の減衰定数ζpに一致させることにより、任意の動作指令信号xrの入力に対して動作信号xmに現れる振動を完全に相殺して振動しないようにすることができる。
ここで、制御対象1の特性変化やフィードバック制御器102の変更に起因して、制御系の共振周波数ωpおよび制御系の減衰定数ζpと指令フィルタ103すなわちフィードフォワード演算部3にて設定した制振周波数ωpおよび制振減衰定数ζnとの間に誤差が生じた場合は、動作指令信号xrの入力に対して動作信号xmに微小な振動が生じる。
次に、共振信号演算器4は動作信号xmを入力とし、例えば上述の制振周波数ωnおよび制振減衰定数ζnを用いた次の(式4)の伝達関数Fv(s)の演算によって共振信号xvを出力する。
Figure 2005039954
ここで、(式4)の伝達関数は、制振周波数ωnでゲインが極大になるような伝達関数であり、上述のようにフィードフォワード演算部3の作用によって制振周波数ωn付近にて低減された動作信号xvの振動振幅を増幅させて共振信号xvを出力する。また、(式4)で表される共振信号演算器4の伝達関数Fv(s)の分母は、フィードフォワード演算部3の伝達関数F(s)の分子要素と一致するように、すなわちフィードフォワード演算部3の伝達特性の逆特性に基づいて構成している。その結果、フィードフォワード演算部3の分子の効果によって動作信号xmの振動は大きく低減されるものの、共振信号xvとして、フィードフォワード演算部3の伝達関数である(式3)の2次の分子要素を1として制振制御を行なっていない場合の動作信号xmと同様の、大きな振幅の振動的波形が得られる。
次に、共振推定器5は上述のように大きな振幅の振動的波形となった共振信号xvを入力とし、FFTや最小二乗法などを用いて共振信号xvの振動周波数や振動の減衰を推定することにより、制御系の共振周波数ωpおよび制御系の減衰定数ζpを推定し、その推定結果に基づいて、指令フィルタ103すなわちフィードフォワード演算部3、および共振信号演算器4の制振周波数ωnおよび制振減衰定数ζnを修正する。
この実施の形態は上記のように動作することにより、指令フィルタ103すなわちフィードフォワード演算部3の制振周波数ωnおよび制振減衰定数ζnが制御系の共振周波数ωpおよび制御系の減衰定数ζpと誤差を生じ、動作信号xmに微小な振動が生じた場合でも、制御系の共振周波数ωpおよび制御系の減衰定数ζpを正確に推定することができる。またその結果、動作信号xmの振動を大きく励起するような特別な動作を行なうことなく、任意の動作指令信号xrに対して動作信号xmの振動を、より低減するように制振周波数ωnおよび制振減衰定数ζnを修正することが可能になる。
上記の説明では、制御系の共振周波数ωpと制御系の減衰定数ζpを推定し、指令フィルタ103すなわちフィードフォワード演算部3の制振周波数ωnと制振減衰定数ζnの両方を修正する形態として説明したが、振動抑制の効果は劣るものの、簡単化のために制振減衰定数ζnは固定としてもよく、またその場合、制御系の減衰定数ζpを推定しなくてもよい。
また、上記の説明では共振信号演算器4の伝達関数は、指令フィルタ103すなわちフィードフォワード演算部3の伝達関数の逆特性に基づき、共振信号演算器4の伝達関数の分母は、指令フィルタ103すなわちフィードフォワード演算部3の伝達関数の分子要素と全く同じであるとして説明したが、多少ずれた設定を行なっても、同様な動作をすることは言うまでもない。
また上記の説明では、指令フィルタ103および共振信号演算器4の動特性を連続時間系の伝達関数として説明したが、離散時間系の伝達関数でもよく、指令フィルタ103として例えば非特許文献2の図8に記載されているInput Shaperと呼ばれる離散時間系のフィルタを用い、共振信号演算器4として指令フィルタ103の逆特性に基づく離散時間系あるいは近似的な連続時間系の伝達関数としても良い。また上記の説明では、フィードバック制御器102すなわちフィードバック演算部2に入力する動作信号xmと共振信号演算器4に入力する動作信号xmを同じ信号として説明したが、例えばフィードバック演算部2に入力する動作信号xmは制御対象1の位置を表す信号とし、共振信号演算部4に入力する動作信号xmは、制御対象1の機械系に取り付けた加速度計で検出される加速度信号とするなど、異なる信号でもよい。
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2を図にもとづいて説明する。実施の形態1では、指令フィルタ103を用いて動作信号xmの振動を抑制するように構成したが、図2におけるフィードフォワード演算部3の実装上の構成の仕方として、他の方法で構成してもよい。図3は、この発明の実施の形態2による電動機制御装置を示すブロック図であり、実装に即した構成を表している。
制御対象1および指令生成器6は実施の形態1と同様であるため説明を省略する。並列型フィードフォワード制御器203は動作指令信号xrを入力とし、Fa(s)で表す後述の設定値を用いた伝達関数演算により加算フィードフォワード信号τfaを出力する。
またフィードバック制御器202は、動作指令信号xrと検出した制御対象1の動作信号xmとの差信号を入力とし、たとえばPID(比例積分微分)演算などからなるB(s)で表す所定の伝達関数演算によって補償信号τcを演算し、補償信号τcと加算フィードフォワード信号τfaの和を駆動力指令τrとすることにより制御対象1を駆動する。共振信号演算器4は動作信号xmを入力とし、実施の形態1と同様にFv(s)で表す後述の設定値を用いた伝達関数演算により共振信号xvを出力する。次に、共振推定器5は共振信号xvを入力とし、実施の形態1と同様にxvの振動の周波数や減衰の特性を推定し、その推定結果に応じて並列型フィードフォワード制御器203の伝達関数Fa(s)および共振信号演算器4の伝達関数Fv(s)の設定値を修正する。
次に、図2は、実施の形態1における説明と同様に、理論上は図3に示した実施の形態2の構成と同じ動作をさせることが可能な等価的な構成図であり、構成は実施の形態1における説明と同じである。
なお、図2の構成図におけるフィードバック演算部2の伝達関数B(s)は、図3におけるフィードバック制御器202の伝達関数B(s)と同一である。
また、フィードフォワード演算部3の伝達関数F(s)は、図3における並列型フィードフォワード制御器203の伝達関数Fa(s)とフィードバック制御器202の伝達関数B(s)を用いて次の(式5)で演算することにより、図2の等価的な図と図3の実装に即した構成図は全体として同じ演算を行なうものである。
F(s)=Fa(s)+B(s) (式5)
上記の(式5)より、並列型フィードフォワード制御器203の伝達関数Fa(s)を、制振周波数ωnおよび制振減衰定数ζnを用いて次の(式6)のようにすることにより、図2におけるフィードフォワード演算部3の伝達関数F(s)は以下の(式7)になる。
Figure 2005039954
したがって、並列型フィードフォワード制御器203を(式6)のように設定することにより、すなわち図2におけるフィードフォワード演算部3を(式7)のように設定することにより、フィードフォワード信号τfの制振周波数ωnにおける周波数成分を大きく低減する。また、制振周波数ωnを制御系の共振周波数ωpに一致させることにより、動作指令信号xrの入力に対して動作信号xmに現れる制御系の共振周波数ωpにおける振動の振幅を低減することができる。
しかしながら、制御対象の特性変化やフィードバック制御器202の変更に起因して制振周波数ωpおよび制振減衰定数ζnと、制御系の共振周波数ωpおよび制御系の減衰定数ζpの間に誤差が生じた場合は、動作指令信号xrの入力に対して動作信号xmに微小な振動が生じる。
次に、共振信号演算器4は並列型フィードフォワード制御器203の設定に用いたのと同じ制振周波数ωnおよび制振減衰定数ζnを用い、実施の形態1と同様に(式3)で表したFv(s)の伝達関数演算を行なうことにより、フィードフォワード演算部3の作用によって制振周波数ωn付近にて低減された動作信号xvの振動振幅を増幅させて共振信号xvを出力する。
また、共振推定器5は共振信号xvを入力とし、実施の形態1と同様に共振信号xvの振動の周波数や減衰の特性を推定し、その推定結果に応じて上記指令フィルタ103の伝達関数Fr(s)および共振信号演算器4の伝達関数Fv(s)の制振周波数ωnおよび制振減衰定数ζnを修正する。
この実施の形態は上記のように動作することにより、実施の形態1と同様に、並列型フィードフォワード制御器203すなわちフィードフォワード演算部3の制振周波数ωnおよび制振減衰定数ζnが制御系の共振周波数ωpおよび制御系の減衰定数ζpと誤差を生じ、動作信号xmに微小な振動が生じた場合でも、制御系の共振周波数ωpおよび制御系の減衰定数ζpを正確に推定することができる。またその結果、動作信号xmの振動を大きく励起するような特別な動作を行なうことなく、任意の動作指令信号xrに対して動作信号xmの振動を、より低減するように制振定数すなわち制振周波数ωnおよび制振減衰定数ζnを修正することが可能になる。
実施の形態3.
次に、この発明の実施の形態3を図にもとづいて説明する。実施の形態1および2では、フィードバック演算部3が備わっているものとして説明したが、フィードバック演算部3を備えていないような構成でもよい。図4は、実施の形態3の構成を示すブロック図である。図4において、実施の形態1、2の説明に用いた図2と、同一または相当部分には同一符号を付している。この実施の形態では、フィードフォワード演算部3の出力をそのまま駆動力指令τrとすることにより、フィードバックを行なうことなく制御を行なっている。このような構成とした場合でも、実施の形態1、2と同様に、動作信号xmの振動を大きく励起するような特別な動作を行なうことなく、任意の動作指令信号xrに対して動作信号xmの振動を、より低減するように制振定数すなわち制振周波数ωnおよび制振減衰定数ζnを修正することが可能になる。
実施の形態4.
次に、この発明の実施の形態4を図にもとづいて説明する。図5は、実施の形態4の構成および動作を表すブロック図である。なお、全体として等価な演算を行なうものであれば、実装上の構成はこの図と異なる構成であってもよい。
制御対象1およびフィードバック演算部2の動作は、実施の形態1、2の説明に用いた図2における動作と同じである。指令生成器306は後述する設定値を用いて生成した形状の動作指令xrを出力する。フィードフォワード演算部303は動作指令xrを入力とし、適切な伝達関数F(s)の演算によりフィードフォワード信号τfを駆動力指令τrに加算する。また、フィードバック演算部2は実施の形態1、2と同様にフィードバック信号τbに負の符号を乗じた信号を駆動力指令τrに加算し、フィードバック信号τbに負の符号を乗じた信号とフィードフォワード信号τfとの和を駆動力指令τrとすることにより制御対象1を駆動する。
次に、共振信号演算器304は動作信号xmを入力とし、Fv(s)で表す後述の設定値を用いた伝達関数演算により共振信号xvを出力する。共振推定器305は共振信号xvを入力とし、実施の形態1、2と同様な方法を用いて共振信号xvから制御系の共振特性を推定し、その推定結果に応じて上記指令生成器306および共振信号演算器304の伝達関数Fv(s)の設定値を修正する。
ここで、フィードフォワード演算部303の伝達関数F(s)は実施の形態1、2において説明したフィードフォワード演算部3と異なり、特に制御系の共振周波数ωpと関係を持たなくてもよい。
次に、指令生成器306の動作について説明する。実施の形態4において、図5におけるフィードバック演算部2により構成されるフィードバック制御系が振動的である場合、すなわち図5におけるフィードフォワード信号τfから動作信号xmまでの伝達特性が共振的になる場合、その共振周波数すなわち制御系の共振周波数ωpに応じて、動作指令信号xrの周波数成分が制御系の共振周波数ωpにおいて極小となるように、指令生成器306が特定の形状の動作指令信号xrを生成すれば、フィードフォワード演算部303の伝達関数F(s)の設定に関わらず、動作信号xmの応答に含まれる振動成分を大きく低減することが可能になる。すなわち制振制御が実現される。
具体的には、指令生成器306が出力する動作指令信号xrの速度(動作指令信号xrが位置の信号の場合は、その微分値)が図6の実線に示すような台形の形状になるように動作指令信号xrを生成し、その加減速時間をTnとすると、図6の実線で示す動作指令信号xrは、図6に破線で示した矩形状の信号xr0に対して、次の(式8)の関係式で表される。
Figure 2005039954
上記の(式8)で表される伝達関数の周波数応答を図7に示す。図7より、以下の(式9)で表す制振周波数ωnで(式8)の伝達関数のゲインが0となるため、図6に実線で示した動作指令信号xrは、その底辺の長さに関わらず、動作指令信号xrの周波数成分が制振周波数ωnで極小になることがわかる。
ωn=2・π/Tn (式9)
したがって、設定周波数ωnを制御系の共振周波数ωpに一致させれば、動作信号xmが停止時に生じる振動を大きく低減することができる。すなわち制振制御が実現される。
次に、共振信号演算器304は、動作信号xmを入力とし、以下の(式10)で表す伝達関数Fv(s)に基づいた演算を行ない共振信号xvを出力する。
Figure 2005039954
ここで、上記の(式10)は(式8)の逆関数になっており、その結果、図6に実線で示した台形状の動作指令信号xrを用いて動作信号xmの振動が抑制されるように制振制御を行ないながら、共振信号xvは、図6に破線で示した矩形状の信号xroを動作指令信号xrに用いた場合、すなわち制振制御を行なわなかった場合の動作信号xmと同じ波形になる。また、共振推定器305は共振信号xvに基づいて振動の周波数を推定するため、制振制御を行ないながら制振制御を行なわない状態での動作信号xmの振動周波数を推定することと同様に動作し、制御系の共振周波数ωpを正確に推定することが可能になる。また、その推定結果に基づいて、制振周波数ωnすなわち指令生成器306における動作指令信号の加減速時間Tnを修正することにより、より正確な制振制御を実現できる。
この実施の形態は上記のように動作することにより、指令生成器306で設定した制振周波数ωnが制御系の共振周波数ωpと誤差を生じ、動作信号xmに微小な振動が生じた場合でも、動作信号xmの振動を大きく励起するような特別な動作を行なうことなく、制御系の共振周波数ωpを正確に推定することができる。
またその結果、指令信号xrに対して動作信号xmの振動を、より低減するように制振定数である制振周波数ωnすなわち加減速時間Tnを正確に修正することが可能になる。
この発明の実施の形態1による電動機制御装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態1および2の等価的な構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態2による電動機制御装置の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態3による電動機制御装置の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態4による電動機制御装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態4における指令生成器の動作説明図である。 実施の形態4における指令生成器の動作説明図である。
符号の説明
1 制御対象、 4 共振信号演算器、 5 共振推定器、
6 指令生成器、 102 フィードバック制御器、
103 指令フィルタ。

Claims (4)

  1. 駆動力指令の演算を行ない上記駆動力指令に応じた駆動力を発生することにより、機械系を含む制御対象を駆動する電動機の制御装置において、設定した制振周波数における信号成分が極小になるように演算したフィードフォワード信号を上記駆動力指令に加算するフィードフォワード信号生成部と、上記制御対象の位置または速度あるいは加速度にもとづく動作信号を入力し、上記制振周波数においてゲインが極大となる伝達関数により演算した共振信号を出力する共振信号演算器と、上記共振信号にもとづいて上記制御対象を含む制御系の共振周波数を推定する共振推定器とを備えたことを特徴とする電動機制御装置。
  2. 駆動力指令の演算を行ない上記駆動力指令に応じた駆動力を発生することにより、機械系を含む制御対象を駆動する電動機の制御装置において、外部から動作指令信号を入力して設定した制振周波数におけるゲインが極小となる伝達関数により演算したフィードフォワード信号を上記駆動力指令に加算するフィードフォワード演算部と、上記制御対象の位置または速度あるいは加速度にもとづく動作信号を入力し、上記制振周波数においてゲインが極大となる伝達関数により演算した共振信号を出力する共振信号演算器と、上記共振信号にもとづいて上記制御対象を含む制御系の共振特性を推定する共振推定器とを備えたことを特徴とする電動機制御装置。
  3. 上記共振信号演算器は、上記フィードフォワード演算部の伝達特性の逆特性にもとづく演算を行なうことを特徴とする請求項2記載の電動機制御装置。
  4. 上記共振推定器の推定結果にもとづいて上記制振周波数を修正することを特徴とする請求項1または請求項2記載の電動機制御装置。
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