JP2005039922A - スイッチング電源装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電気機器からの信号をもらうことのできないACアダプターに有効であり、かつ、電気機器が低消費電力時に更に省電力を図ることのできるスイッチング電源装置を提供する。
【解決手段】外部の交流電源1と接続され、力率改善機能を有する昇圧チョッパー回路5と、外部の負荷に所望の電圧を供給するための電圧変換回路8とを有している。さらに、負荷に供給されている出力電力量を検出する出力電力量検出回路11と、検出された出力電力量が所定量以上であるか否かを判断する比較回路14とを備えている。加えて、交流電源1からの電圧を、検出された出力電力量が所定量以上であると比較回路14によって判断された場合に、昇圧チョッパー回路5を介して電圧変換回路8に出力する一方、所定量未満であると判断された場合に、昇圧値チョッパー回路5を介さずに電圧変換回路8に出力する切換え部43を備えている。
【選択図】 図3
【解決手段】外部の交流電源1と接続され、力率改善機能を有する昇圧チョッパー回路5と、外部の負荷に所望の電圧を供給するための電圧変換回路8とを有している。さらに、負荷に供給されている出力電力量を検出する出力電力量検出回路11と、検出された出力電力量が所定量以上であるか否かを判断する比較回路14とを備えている。加えて、交流電源1からの電圧を、検出された出力電力量が所定量以上であると比較回路14によって判断された場合に、昇圧チョッパー回路5を介して電圧変換回路8に出力する一方、所定量未満であると判断された場合に、昇圧値チョッパー回路5を介さずに電圧変換回路8に出力する切換え部43を備えている。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気機器の直流電源として用いられるスイッチング電源装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電気機器、例えば、ファクシミリ、電話機、コピー機、その他OA機器や家電製品などには、安定した一定の動作電圧が必要であるため、安定化電圧を出力するスイッチング電源装置が従来から用いられている。また、近年の電気機器は、本来の動作時(通常モード)以外の待機時、つまり、低消費電力時(省電力モード)にも電源を供給する必要のあるものが多くなってきているため、スイッチング電源装置は、常時、電気機器に対して電源を供給する必要がある。一方、昨今のエネルギー事情から省電力を図る必要もある。そこで、本来の動作時間に比べ時間割合の大きい待機時におけるスイッチング電源装置の消費電力を少なくすることが重要となっている。
【0003】
ところで、スイッチング電源装置としては、以下のようなものが広く知られている。つまり、交流電源から整流回路によって得られた整流後の電圧(脈流)を平滑回路によって平滑して直流電圧に変換する。この直流電圧をスイッチング素子によって断続され、スイッチング出力を出力整流平滑回路に供給して任意の直流電圧が得られる。
【0004】
このようなスイッチング電源装置において、入力側の平滑回路がコンデンサインプット型であると、入力電流が流れるのは、整流後の電圧が入力平滑コンデンサの充電電圧より高い期間のみとなるので、入力電流の導通角が狭く、力率を低下させるという問題があった。そこで、この問題を解決するため、従来から、力率改善機能を有した昇圧チョッパー回路を備えているスイッチング電源装置が用いられている。
【0005】
しかしながら、このような昇圧チョッパー回路を備えたスイッチング電源装置は、力率が改善されて無効電力が低減するので省電力になるが、力率改善機能を有さないスイッチング電源装置と比較して、昇圧チョッパー回路の力率改善動作に伴う電力損失が生じるので、その分だけ電力変換効率が劣化する。特に、機器の待機時のように、力率改善の必要性のない低消費電力状態においても力率改善機能を動作させ、無駄な電力を浪費している。
【0006】
特許文献1には、機器が省電力モードに移行しているときに、力率改善部を介さずに、機器へ電力を供給するように構成した電源装置が開示されている。例えば、交流電源と力率改善部との間に第1スイッチと、力率改善部と省電力モード時に電力を供給するDC/DCコンバータとの間に第2スイッチとが設けられていることが開示されている。これら第1、2スイッチは、電源制御手段によってスイッチング制御される。電源制御手段は、画像形成装置のメイン制御手段から省電力モードに移行したことを知らせる信号が入力され、この信号に基づいて、第1、2スイッチをスイッチング制御する。
【0007】
また、特許文献2には、力率改善機能を有する昇圧チョッパー回路、および、負荷に供給されている出力電力量を検出する出力電力量検出手段が備えれれているスイッチング電源装置が開示されている。さらに、出力電力量が所定量以上か否かを判断する判断手段と、出力電力量が所定量未満の場合に、力率改善機能を機能させない力率改善機能制御手段とが備えられている。
【0008】
【特許文献1】
特開平11−136858号公報(1999年5月21日公開)
【0009】
【特許文献2】
特開2001−95236号公報(2001年4月6日公開)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に開示されているような電源装置においては、画像形成装置等の電気機器のメイン制御手段から省電力モードに移行したことを知らせる信号が入力されるため、電気機器からの信号をもらうことのできないACアダプターには適用することができない問題があった。
【0011】
また、特許文献2に開示されているようなスイッチング電源装置では、出力電力量が所定量未満の場合、力率改善機能を機能させないが、昇圧チョッパー回路をスルーさせるために、昇圧チョッパー回路内の部品による導通損失が生じる。これにより、十分な省電力が図れなかった。
【0012】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、電気機器からの信号をもらうことのできないACアダプターに有効であり、かつ、電気機器が低消費電力時に更に省電力を図ることのできるスイッチング電源装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るスイッチング電源装置は、上記の課題を解決するために、外部の電源と接続され、力率改善機能を有する力率改善手段と、外部の負荷に所望の電圧を供給するための電圧変換手段とを有するスイッチング電源装置であって、前記負荷に供給されている出力電力量を検出する出力電力量検出手段と、検出された出力電力量が所定量以上であるか否かを判断する判断手段と、前記電源からの電圧を、検出された出力電力量が所定量以上であると前記判断手段によって判断された場合に、前記力率改善手段を介して前記電圧変換手段に出力する一方、所定量未満であると判断された場合に、前記力率改善手段を介さずに前記電圧変換手段に出力する切換手段とを備えていることを特徴としている。
【0014】
上記の構成によれば、負荷に供給される出力電力量をスイッチング電源装置内に備えられた出力電力量検出手段が検出し、かつ、検出された出力電力量が所定量以上であるか否かをスイッチング電源装置内に備えられた判断手段が判断する。よって、負荷の状態、つまり、省電力モードおよび通常モードをスイッチング電源装置が自己判定することができる。よって、電気機器からモードに関わる信号を受けることのできない場合であっても、スイッチング電源装置が、モードを判断することができる。
【0015】
また、出力電力量が所定量未満であると判断された場合に、力率改善手段を介さずに電源からの電圧を電圧変換手段に出力する切換手段が備えられている。このため、出力電力量が所定量未満の場合に、力率改善手段を導通することによる電力損失が生じることがないため、省電力を一層図ることができる。さらに、力率が改善されず、低電圧のまま、電圧変換手段に電源からの電圧が出力されるため、電圧変換手段における消費電力も軽減することができる。
【0016】
以上により、電気機器からの信号をもらうことのできないACアダプターに有効であり、かつ、電気機器が低消費電力時に更に省電力を図ることのできるスイッチング電源装置を提供することができる。
【0017】
本発明に係るスイッチング電源装置は、上記の課題を解決するために、上記の構成に加えて、前記電圧変換手段は、スイッチング機能を有する主スイッチング素子を有しており、前記出力電力量検出手段が、コンデンサを有し、前記主スイッチング素子の駆動電圧を該コンデンサに導き入れて、該コンデンサを充電することにより、出力電力量を検出することを特徴としている。
【0018】
上記の構成によれば、主スイッチング素子の駆動電圧は、短形パルス状であり、他の部品の影響を受けることがないので、ノイズが含まれない。したがって、該駆動電圧を前記コンデンサに導き入れ、該コンデンサを充電することにより、検出される負荷に供給されている出力電力量には誤差等がなく、従来に比べて精度良く出力電力量を検出することができる。つまり、負荷の省電力モード状態を精度良く検出することができ、省電力モードにおいてより確実に力率改善手段を機能させないことができるため、より一層の省電力化が図れる。
【0019】
本発明に係るスイッチング電源装置は、上記の課題を解決するために、上記の構成に加えて、前記主スイッチング素子の駆動電圧が、ダイオードと前記コンデンサの充電電流を量的に抑制する素子とを介して、該コンデンサに導き入れられることを特徴としている。
【0020】
上記の構成によれば、コンデンサの充電電圧を負荷に供給されている出力電力量に比例させた状態で、該充電電圧を制限することができる。これにより、該充電電圧に基づいて、出力電力量を検出することができるとともに、出力電力量検出手段における消費電力を低減できる。
【0021】
本発明に係るスイッチング電源装置は、上記の課題を解決するために、上記の構成に加えて、前記素子が、抵抗またはインダクタであることを特徴としている。
【0022】
上記の構成によれば、コンデンサの充電電圧を負荷に供給されている出力電力量に比例して変化させ、出力電力量を検出することができる。特に、上記素子が高い抵抗値の抵抗である場合には、僅少の消費電力で出力電力量の検出機能を果たすことができる。
【0023】
本発明に係るスイッチング電源装置は、上記の課題を解決するために、上記の構成に加えて、前記判断手段は、前記コンデンサの両端の電圧値が所定電圧値以上の場合に、検出された出力電力量が所定量以上であると判断することを特徴としている。
【0024】
上記の構成によれば、出力電力量が所定量以上であるかの否かの判断を、コンデンサの両端の電圧値と所定電圧値との比較により簡単に行うことができる。
【0025】
本発明に係るスイッチング電源装置は、上記の課題を解決するために、上記の構成に加えて、前記判断手段は、ツェナーダイオードを有しており、該ツェナーダイオードのツェナー電圧が前記所定電圧値に対応することを特徴としている。
【0026】
上記の構成によれば、判断手段をツェナーダイオードで構成するという簡単な構成によって、上記判断手段を実現することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明のスイッチング電源装置に関する実施の一形態について図1〜図3に基づいて説明すれば以下のとおりである。
【0028】
図1は、本実施の形態に係るスイッチング電源装置の概略構成を示す電気回路図である。スイッチング電源装置は、商用の交流電源1に接続された切換え部43と、切換え部43と接続されたブリッジダイオード2と、力率改善機能を有する力率改善手段、例えば、昇圧チョッパー回路(力率改善手段)5と、平滑コンデンサ7と、電圧変換回路8、電圧変換回路8の出力端に接続された正極性出力端子9および負極性出力端子10とを備えている。
【0029】
ブリッジダイオード2の出力端に正極性ライン3および負極性ライン4を介して昇圧チョッパー回路5が接続されている。なお、負極性ライン4は、昇圧チョッパー回路5内で同電位を保ちつつ、平滑コンデンサ7および電圧変換回路8にも該同電位を与えるラインである。平滑コンデンサ7は、昇圧チョッパー回路5の出力端に接続された正極性ライン6および負極性ライン4の間に接続されている。また、電圧変換回路8は、正極性ライン6および負極性ライン4に接続されている。
【0030】
また、切換え部43には別のブリッジダイオード44が接続されており、該ブリッジダイオード44の出力端には平滑コンデンサ7が接続されている。なお、ブリッジダイオード44の代わりに半波整流回路を構成してもよい。
【0031】
出力電力量検出回路11は、スイッチング電源装置の正極性出力端子9および負極性出力端子10から図示しない負荷(電気機器)に対して供給されている出力電力量を検出する。この検出量に応じて、後述する判断手段は、切換え部43を実線の位置から破線の位置へ、もしくは、破線の位置から実線の位置へと切換える制御を行う。
【0032】
切換え部43が実線の位置の場合、交流電源1から得られた交流電圧は、全波整流するブリッジダイオード2と、昇圧チョッパー回路5と、コンデンサ7とを経て整流・平滑化される。ここで、平滑コンデンサ7の充電電圧は、電圧変換回路8の主電源となる。
【0033】
一方、切換え部43が破線の位置へ切換わると、交流電源1からの交流電圧は昇圧チョッパー回路5を介さずにブリッジダイオード44と平滑コンデンサ7とを経て整流・平滑化される。このとき昇圧チョッパー回路5は動作を停止する。この結果、昇圧チョッパー回路5の電力損失分だけ消費電力を低減できる。これに加えて、平滑コンデンサ7の充電電圧が低下するため、電圧変換回路8における消費電力も低減できる。
【0034】
図2は、図1に示したようなスイッチング電源装置における電圧変換回路8の具体的構成例を示す電気回路図である。なお、図1と同じ機能を有する部材には同じ符号を付しており、詳細な説明は省略する。
【0035】
正極性ライン6および負極性ライン4の間には、変圧器22の1次巻線22aおよび主スイッチング素子である電界効果トランジスタ(FET)19の直列回路が接続されている。変圧器22の2次巻線22cとダイオード23との直列回路は平滑コンデンサ24に接続されており、平滑コンデンサ24には正極性出力端子9および負極性出力端子10が接続されている。FET19のゲート電極には、PWM制御回路15が接続されている。PWM制御回路15および昇圧チョッパー回路5には、その駆動用電源として平滑コンデンサ21が接続されており、さらに、平滑コンデンサ21には、自身を充電するための図示しない起動用電源が接続されている。また、平滑コンデンサ21には、変圧器22の補助巻線22bとダイオード20との直列回路が接続されている。
【0036】
切換え部43が通常動作時の実線にあるときに、スイッチング電源装置に交流電源1が接続されると、ブリッジダイオード2から整流電圧が昇圧チョッパー回路5へ入力される。また、図示しない起動用電源が平滑コンデンサ21を充電し、該充電電圧が所定の電圧値以上に達すると、昇圧チョッパー回路5が動作を開始する。これにより、昇圧チョッパー回路5に入力された整流電圧が昇圧され、かつ、力率が改善される。
【0037】
上記平滑コンデンサ21の充電電圧により、PWM制御回路15も動作を開始する。FET19はPWM制御回路15により駆動され、変圧器22の1次巻線22aに流れる電流をオン/オフ制御する。ここで例示する実施の形態は、フライバックコンバータ回路に係るものであり、FET19のオフ期間に、変圧器22の2次巻線22cに誘起電圧が発生する。前記誘起電圧は、ダイオード23およびコンデンサ24によって整流・平滑化され、出力端子9、10から図示しない負荷へ供給される。
【0038】
図示しない出力電圧検出回路は、正極性出力端子9と負極性出力端子10との間の電圧を検出する。この検出電圧に係る情報は、図示しないフォトカプラを介してPWM制御回路15に伝達される。PWM制御回路15は、受信した上記情報に基づいてFET19のオン期間を制御し、結果として出力電圧を所定の値に制御する。
【0039】
本スイッチング電源装置が起動を開始すると、以後、上記変圧器22の補助巻線22cからダイオード20を介して供給される電流によって、上記昇圧チョッパー回路5、PWM制御回路15、およびその他の補助回路(図示しない)が駆動され、図示しない起動用電源の動作は停止する。
【0040】
次に、出力電力量検出回路11の内部構成とその機能について説明する。出力電力量11は、PWM制御回路15のFET19駆動用正電圧をダイオード17、抵抗18を介してコンデンサ16に導き入れ、該コンデンサ16を充電する回路により構成されている。
【0041】
また、抵抗18とコンデンサ16の接続点が比較回路14に接続されており、コンデンサ16の充電電圧が比較回路14に導き入れられる。後に詳説するが、比較回路14は、切換え部43を実線から破線の位置、もしくは、破線から実線の位置へと切換えるように制御することができる。コンデンサ16の他方の端子は負極性ライン4に接続されている。
【0042】
PWM制御回路15のFET19駆動正電圧によって、コンデンサ16には、ダイオード17、抵抗18を介して電流が流入する。ここで、図示しない負荷に対する出力電力量が大きくなるに従って、上記FET19駆動正電圧の時比率が大きくなり、その分、多くの電流がコンデンサ16に流入することとなる。つまり、コンデンサ16に加わる電圧は、FET19駆動用正電圧の時比率に従った短形パルスであり、スイッチング電源装置内の部品、例えば変圧器22により生じるノイズ等が含まれない。これにより、出力電力検出器11は、図示しない負荷に供給する出力電力量を精度良く検出することができる。
【0043】
抵抗18は、コンデンサ16の充電電流を量的に抑制し、コンデンサ16の充電電圧を制限するための素子である。コンデンサ16の充電電圧を制限できるので、出力電力量検出回路11にて消費される電力量を低減することができる。抵抗18により制限されたコンデンサ16の充電電圧は、図示しない負荷に供給されている出力電力量に比例して変化する。これにより、抵抗18により制限されたコンデンサ16の充電電圧を利用しても、図示しない負荷に供給されている出力電力量を精度良く検出することができる。
【0044】
なお、上記抵抗18は、高い抵抗値を有するものが好ましい。これにより、コンデンサ16に流入する電流を抑制することができ、出力電力量検出回路11にて消費される電力量をより一層低減することができる。また、抵抗18はインダクタに置き換えることも可能であり、充電電流を量的に抑制するような素子であればよい。
【0045】
コンデンサ16の充電電圧は、次段の判断手段である比較回路14に伝達される。比較回路14は、コンデンサ16の充電電圧と比較回路14内に設けられている内部基準電圧とを比較する。ここで、基準電圧を、出力端子9,10から電力が出力される図示しない負荷が低消費電力時(省電力モード)であるときの出力電力量の最大値に相当するコンデンサ16の充電電圧に設定しておくことで、比較回路14により、負荷が省電力モードであるか否かの判断を行うことができる。すなわち、比較回路14は、コンデンサ16の充電電圧が基準電圧よりも小さい場合には、電気機器が省電力モードであると判断し、コンデンサ16の充電電が基準電圧よりも大きい場合には、電気機器が通常モードであると判断することができる。つまり、スイッチング電源装置内で、電力を供給している電気機器が、通常モードであるか省電力モードであるかを自己判定することができる。
【0046】
コンデンサ16の充電電圧の方が、基準電圧よりも低い場合、つまり、負荷が省電力モードである場合には、上記比較回路14は、切換え部43を通常動作状態である実線の位置から破線の位置へ切換える制御を行う。このとき、昇圧チョッパー回路5を介さずにブリッジダイオード44を介して平滑コンデンサ7へ交流電源が供給され、昇圧チョッパー回路5は動作を停止する。よって、昇圧チョッパー回路5において消費される電力損失分だけ電力を低減することができる。さらに、昇圧動作が行われないため、平滑コンデンサ7の充電電圧が低下し、電圧変換回路8における消費電力も低減できる。
【0047】
また、コンデンサ16の充電電圧の方が、基準電圧よりも大きい場合、つまり、負荷が通常時であると比較回路14が判断した場合には、比較回路14は、切換え部43を通常動作状態である実線の位置へ切換える制御を行う。これにより、ブリッジダイオード2からの整流電圧が昇圧チョッパー回路5にて力率が改善される。
【0048】
次に、比較回路14の内部構成とその機能について、図3を用いて説明する。図3は、図2における比較回路14の具体的な構成を示す電気回路図である。なお、図2と同じ機能を有する部材には同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0049】
比較回路14は、抵抗18とコンデンサ16の接続点にツェナーダイオード36のカソードが、更にツェナーダイオード36のアノードにNPNトランジスタ35のベースが抵抗37を介して接続され、更にまた、コンデンサ16のもう一方の端子に上記NPNトランジスタ35のエミッタが接続される構成である。
【0050】
コンデンサ16の充電電圧がツェナーダイオード36のツェナー電圧よりも大きい場合、カソードからアノードに向って電流が流れて上記NPNトランジスタ35がオンし、該NPNトランジスタ35のコレクタ45がローレベルの電圧レベルになる。また、コンデンサ16の充電電圧がツェナーダイオード36のツェナー電圧よりも小さい場合、カソードからアノードに向って電流が流れないので、NPNトランジスタ35がオフし、該NPNトランジスタ35のコレクタ45はハイレベル(オープン)の電圧レベルになる。
【0051】
ここで、上記切換え部43は前記NPNトランジスタ35のコレクタ45電圧レベルにより制御されるように設定されている。すなわち、コレクタ45がローレベルの電圧レベルの時は、実線の位置に切換わり、コレクタ45がハイレベルの電圧レベルの時は、破線の位置に切換わる。
【0052】
従って、コンデンサ16の充電電圧がツェナーダイオード36のツェナー電圧より大きい場合、上記NPNトランジスタ35がオンしてコレクタ45の電圧レベルがローレベルに引き下げられ、切換え部43が実線に切換わるので、昇圧チョッパー回路5は動作する。逆に、コンデンサ16の充電電圧がツェナーダイオード36のツェナー電圧よりも小さい場合、NPNトランジスタ35がオフしてコレクタ45の電圧レベルがハイレベルに引き上げられ、切換え部43が破線に切替わるので、交流電源が昇圧チョパー回路5を介さずに、ブリッジダイオード44を介して平滑コンデサ7に供給され、昇圧チョッパー回路5の動作が停止する。このとき、ブリッジダイオード2、および後述する、昇圧チョッパー回路5内のチョークコイル25、ダイオード29には導通がないため、当然に導通損失は発生しない。よって、より一層消費電力を低減することができる。
【0053】
図4は、上記昇圧チョッパー回路5の具体的構成を示す電気回路図である。なお、図3でと同じ機能を有する部材には同じ参照番号を付記し、詳細な説明を省略する。
【0054】
昇圧チョッパー回路5は、4つの抵抗26、27、31、32、コイル25、ダイオード29、スイッチングトランジスタ28、力率改善制御回路30から構成されている。
【0055】
抵抗26および抵抗27からなる直列回路は、正極性ライン3および負極性ライン4の間に接続されており、抵抗26および抵抗27の接続点と力率改善制御回路30の入力端子40とが接続されている。また、抵抗31および抵抗32からなる直列回路は、平滑コンデンサ7と並列に正極性ライン6および負極性ライン4の間に接続されており、抵抗31および抵抗32の接続点と力率改善制御回路30の入力端子41とが接続されている。また、抵抗26と正極性ライン3との接続点、および、抵抗31と正極性ライン6との接続点の間には、チョークコイル25およびダイオード29からなる直列回路が接続されている。さらに、チョークコイル25およびダイオード29の接続点と負極性ライン4との間には、スイッチングトランジスタ28が接続されており、スイッチングトランジスタ28のゲート電極と力率改善制御回路30の出力端子42とが接続されている。
【0056】
抵抗26および抵抗27からなる直列回路は、正極性ライン3および負極性ライン4の間の電圧を抵抗分圧により降圧し、力率改善制御回路30に入力させる。また、抵抗31および抵抗32からなる直列回路は、平滑コンデンサ7の充電電圧を抵抗分圧により降圧し、力率改善制御回路30に入力させる。
【0057】
力率改善制御回路30は、スイッチングトランジスタ28の駆動信号を出力端子42から送出してスイッチングトランジスタ28をオン/オフ制御する。
【0058】
昇圧のメカニズムは、通常、一般の昇圧チョッパー回路と同じである。スイッチングトランジスタ28のオン期間中にブリッジダイオード2の正極性ライン3からチョークコイル25を介してスイッチングトランジスタ28に電流が流れてチョークコイル25内に励磁エネルギが蓄積される。スイッチングトランジスタ28がオフになると、該励磁エネルギにより、昇圧電流がブリッジダイオード2の正極性ライン3からチョークコイル25およびダイオード29を介して平滑コンデンサ7に流入する。
【0059】
力率改善制御回路30は、入力端子41にて平滑コンデンサ7の充電電圧レベルを監視し、該充電電圧レベルが所定の電圧より大きい場合、チョークコイル25を流れる電流波形の波高値が全体に低くなるように、スイッチングトランジスタ28をオン/オフ制御し、逆に、上記充電電圧レベルが所定の電圧より小さい場合、チョークコイル25を流れる電流波形の波高値が全体に高くなるように、スイッチングトランジスタ28のオン/オフ制御をする。これにより、平滑コンデンサ7の充電電圧が所定の一定電圧値となる。
【0060】
以上のように、本発明に係るスイッチング電源装置は、外部の交流電源1と接続され、力率改善機能を有する昇圧チョッパー回路5と、外部の負荷に所望の電圧を供給するための電圧変換回路8とを有するスイッチング電源装置である。さらに、負荷に供給されている出力電力量を検出する出力電力量検出回路11と、検出された出力電力量が所定量以上であるか否かを判断する比較回路14とを備えている。加えて、交流電源1からの電圧を、検出された出力電力量が所定量以上であると比較回路14によって判断された場合に、昇圧チョッパー回路5を介して電圧変換回路8に出力する一方、所定量未満であると判断された場合に、昇圧値チョッパー回路5を介さずに電圧変換回路8に出力する切換え部43を備えている。
【0061】
上記の構成によれば、負荷に供給される出力電力量をスイッチング電源装置内に備えられた出力電力量検出回路11が検出し、かつ、検出された出力電力量が所定量以上であるか否かをスイッチング電源装置内に備えられた比較回路14が判断する。よって、負荷の状態、つまり、省電力モードおよび通常モードをスイッチング電源装置が自己判定することができる。よって、電気機器からモードに関わる信号を受けることのできない場合であっても、スイッチング電源装置自身が、モードを判断することができる。
【0062】
また、上述のように、出力電力量が所定量未満であると判断された場合に、昇圧チョッパー回路5を介さずに交流電源1からの電圧を電圧変換回路8に出力する切換え部43が備えられている。このため、出力電力量が所定量未満の場合に、昇圧チョッパー回路5を導通することによる電力損失が生じることがないため、省電力を一層図ることができる。さらに、力率が改善されず、低電圧のまま、電圧変換回路8に交流電源1からの電圧が出力されるため、電圧変換回路8における消費電力も軽減することができる。
【0063】
したがって、電気機器からの信号をもらうことのできないACアダプターに有効であり、かつ、電気機器が低消費電力時に更に省電力を図ることのできるスイッチング電源装置を提供することができる。
【0064】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0065】
【発明の効果】
本発明に係るスイッチング電源装置は、以上のように、外部の電源と接続され、力率改善機能を有する力率改善手段と、外部の負荷に所望の電圧を供給するための電圧変換手段とを有するスイッチング電源装置であって、前記負荷に供給されている出力電力量を検出する出力電力量検出手段と、検出された出力電力量が所定量以上であるか否かを判断する判断手段と、前記電源からの電圧を、検出された出力電力量が所定量以上であると前記判断手段によって判断された場合に、前記力率改善手段を介して前記電圧変換手段に出力する一方、所定量未満であると判断された場合に、前記力率改善手段を介さずに前記電圧変換手段に出力する切換手段とを備えている構成である。
【0066】
それゆえ、負荷の状態、つまり、省電力モードおよび通常モードをスイッチング電源装置が自己判定することができる。よって、電気機器からモードに関わる信号を受けることのできない場合であっても、スイッチング電源装置が、モードを判断することができる。また、出力電力量が所定量未満の場合に、力率改善手段を導通することによる電力損失が生じることがないため、省電力を一層図ることができる。さらに、力率が改善されず、低電圧のまま、電圧変換手段に電源からの電圧が出力されるため、電圧変換手段における消費電力も軽減することができる。これにより、電気機器からの信号をもらうことのできないACアダプターに有効であり、かつ、電気機器が低消費電力時に更に省電力を図ることのできるスイッチング電源装置を提供することができるという効果を奏する。
【0067】
本発明に係るスイッチング電源装置は、以上のように、上記の構成に加えて、前記電圧変換手段は、スイッチング機能を有する主スイッチング素子を有しており、前記出力電力量検出手段が、コンデンサを有し、前記主スイッチング素子の駆動電圧を該コンデンサに導き入れて、該コンデンサを充電することにより、出力電力量を検出する構成である。
【0068】
それゆえ、主スイッチング素子の駆動電圧は、短形パルス状であり、他の部品の影響を受けることがないので、ノイズが含まれない。したがって、該駆動電圧を前記コンデンサに導き入れ、該コンデンサを充電することにより、検出される負荷に供給されている出力電力量には誤差等がなく、従来に比べて精度良く出力電力量を検出することができる。つまり、負荷の省電力モード状態を精度良く検出することができ、省電力モードにおいてより確実に力率改善手段を機能させないことができるため、より一層の省電力化が図れるという効果を奏する。
【0069】
本発明に係るスイッチング電源装置は、以上のように、上記の構成に加えて、前記主スイッチング素子の駆動電圧が、ダイオードと前記コンデンサの充電電流を量的に抑制する素子とを介して、該コンデンサに導き入れられる構成である。
【0070】
それゆえ、コンデンサの充電電圧を負荷に供給されている出力電力量に比例させた状態で、該充電電圧を制限することができる。これにより、該充電電圧に基づいて、出力電力量を検出することができるとともに、出力電力量検出手段における消費電力を低減できるという効果を奏する。
【0071】
本発明に係るスイッチング電源装置は、以上のように、上記の構成に加えて、前記素子が、抵抗またはインダクタである構成である。
【0072】
それゆえ、簡単な回路構成で、コンデンサの充電電圧を負荷に供給されている出力電力量に比例して変化させ、出力電力量を検出することができるという効果を奏する。特に、上記素子が高い抵抗値の抵抗である場合には、僅少の消費電力で出力電力量の検出機能を果たすことができる。
【0073】
本発明に係るスイッチング電源装置は、以上のように、上記の構成に加えて、前記判断手段は、前記コンデンサの両端の電圧値が所定電圧値以上の場合に、検出された出力電力量が所定量以上であると判断する構成である。
【0074】
それゆえ、出力電力量が所定量以上であるかの否かの判断を、コンデンサの両端の電圧値と所定電圧値との比較により簡単に行うことができるという効果を奏する。
【0075】
本発明に係るスイッチング電源装置は、以上のように、上記の構成に加えて、前記判断手段は、ツェナーダイオードを有しており、該ツェナーダイオードのツェナー電圧が前記所定電圧値に対応する構成である。
【0076】
それゆえ、判断手段をツェナーダイオードで構成するという簡単な構成によって、上記判断手段を実現することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスイッチング電源装置の一構成例の概略を示す電気回路図である。
【図2】図1に示すスイッチング電源装置において電圧変換回路をより詳しく示す電気回路図である。
【図3】図2に示すスイッチング電源装置において比較回路をより詳しく示す電気回路図である。
【図4】図3に示すスイッチング電源装置において昇圧チョッパー回路をより詳しく示す電気回路図である。
【符号の説明】
1 交流電源(電源)
5 昇圧チョッパー回路(力率改善手段)
8 電圧変換回路(電圧変換手段)
11 出力電力量検出回路(出力電力量検出手段)
14 比較回路(判断手段)
16 コンデンサ
17 ダイオード
18 抵抗(素子)
36 ツェナーダイオード
43 切換え部(切換手段)
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気機器の直流電源として用いられるスイッチング電源装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電気機器、例えば、ファクシミリ、電話機、コピー機、その他OA機器や家電製品などには、安定した一定の動作電圧が必要であるため、安定化電圧を出力するスイッチング電源装置が従来から用いられている。また、近年の電気機器は、本来の動作時(通常モード)以外の待機時、つまり、低消費電力時(省電力モード)にも電源を供給する必要のあるものが多くなってきているため、スイッチング電源装置は、常時、電気機器に対して電源を供給する必要がある。一方、昨今のエネルギー事情から省電力を図る必要もある。そこで、本来の動作時間に比べ時間割合の大きい待機時におけるスイッチング電源装置の消費電力を少なくすることが重要となっている。
【0003】
ところで、スイッチング電源装置としては、以下のようなものが広く知られている。つまり、交流電源から整流回路によって得られた整流後の電圧(脈流)を平滑回路によって平滑して直流電圧に変換する。この直流電圧をスイッチング素子によって断続され、スイッチング出力を出力整流平滑回路に供給して任意の直流電圧が得られる。
【0004】
このようなスイッチング電源装置において、入力側の平滑回路がコンデンサインプット型であると、入力電流が流れるのは、整流後の電圧が入力平滑コンデンサの充電電圧より高い期間のみとなるので、入力電流の導通角が狭く、力率を低下させるという問題があった。そこで、この問題を解決するため、従来から、力率改善機能を有した昇圧チョッパー回路を備えているスイッチング電源装置が用いられている。
【0005】
しかしながら、このような昇圧チョッパー回路を備えたスイッチング電源装置は、力率が改善されて無効電力が低減するので省電力になるが、力率改善機能を有さないスイッチング電源装置と比較して、昇圧チョッパー回路の力率改善動作に伴う電力損失が生じるので、その分だけ電力変換効率が劣化する。特に、機器の待機時のように、力率改善の必要性のない低消費電力状態においても力率改善機能を動作させ、無駄な電力を浪費している。
【0006】
特許文献1には、機器が省電力モードに移行しているときに、力率改善部を介さずに、機器へ電力を供給するように構成した電源装置が開示されている。例えば、交流電源と力率改善部との間に第1スイッチと、力率改善部と省電力モード時に電力を供給するDC/DCコンバータとの間に第2スイッチとが設けられていることが開示されている。これら第1、2スイッチは、電源制御手段によってスイッチング制御される。電源制御手段は、画像形成装置のメイン制御手段から省電力モードに移行したことを知らせる信号が入力され、この信号に基づいて、第1、2スイッチをスイッチング制御する。
【0007】
また、特許文献2には、力率改善機能を有する昇圧チョッパー回路、および、負荷に供給されている出力電力量を検出する出力電力量検出手段が備えれれているスイッチング電源装置が開示されている。さらに、出力電力量が所定量以上か否かを判断する判断手段と、出力電力量が所定量未満の場合に、力率改善機能を機能させない力率改善機能制御手段とが備えられている。
【0008】
【特許文献1】
特開平11−136858号公報(1999年5月21日公開)
【0009】
【特許文献2】
特開2001−95236号公報(2001年4月6日公開)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に開示されているような電源装置においては、画像形成装置等の電気機器のメイン制御手段から省電力モードに移行したことを知らせる信号が入力されるため、電気機器からの信号をもらうことのできないACアダプターには適用することができない問題があった。
【0011】
また、特許文献2に開示されているようなスイッチング電源装置では、出力電力量が所定量未満の場合、力率改善機能を機能させないが、昇圧チョッパー回路をスルーさせるために、昇圧チョッパー回路内の部品による導通損失が生じる。これにより、十分な省電力が図れなかった。
【0012】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、電気機器からの信号をもらうことのできないACアダプターに有効であり、かつ、電気機器が低消費電力時に更に省電力を図ることのできるスイッチング電源装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るスイッチング電源装置は、上記の課題を解決するために、外部の電源と接続され、力率改善機能を有する力率改善手段と、外部の負荷に所望の電圧を供給するための電圧変換手段とを有するスイッチング電源装置であって、前記負荷に供給されている出力電力量を検出する出力電力量検出手段と、検出された出力電力量が所定量以上であるか否かを判断する判断手段と、前記電源からの電圧を、検出された出力電力量が所定量以上であると前記判断手段によって判断された場合に、前記力率改善手段を介して前記電圧変換手段に出力する一方、所定量未満であると判断された場合に、前記力率改善手段を介さずに前記電圧変換手段に出力する切換手段とを備えていることを特徴としている。
【0014】
上記の構成によれば、負荷に供給される出力電力量をスイッチング電源装置内に備えられた出力電力量検出手段が検出し、かつ、検出された出力電力量が所定量以上であるか否かをスイッチング電源装置内に備えられた判断手段が判断する。よって、負荷の状態、つまり、省電力モードおよび通常モードをスイッチング電源装置が自己判定することができる。よって、電気機器からモードに関わる信号を受けることのできない場合であっても、スイッチング電源装置が、モードを判断することができる。
【0015】
また、出力電力量が所定量未満であると判断された場合に、力率改善手段を介さずに電源からの電圧を電圧変換手段に出力する切換手段が備えられている。このため、出力電力量が所定量未満の場合に、力率改善手段を導通することによる電力損失が生じることがないため、省電力を一層図ることができる。さらに、力率が改善されず、低電圧のまま、電圧変換手段に電源からの電圧が出力されるため、電圧変換手段における消費電力も軽減することができる。
【0016】
以上により、電気機器からの信号をもらうことのできないACアダプターに有効であり、かつ、電気機器が低消費電力時に更に省電力を図ることのできるスイッチング電源装置を提供することができる。
【0017】
本発明に係るスイッチング電源装置は、上記の課題を解決するために、上記の構成に加えて、前記電圧変換手段は、スイッチング機能を有する主スイッチング素子を有しており、前記出力電力量検出手段が、コンデンサを有し、前記主スイッチング素子の駆動電圧を該コンデンサに導き入れて、該コンデンサを充電することにより、出力電力量を検出することを特徴としている。
【0018】
上記の構成によれば、主スイッチング素子の駆動電圧は、短形パルス状であり、他の部品の影響を受けることがないので、ノイズが含まれない。したがって、該駆動電圧を前記コンデンサに導き入れ、該コンデンサを充電することにより、検出される負荷に供給されている出力電力量には誤差等がなく、従来に比べて精度良く出力電力量を検出することができる。つまり、負荷の省電力モード状態を精度良く検出することができ、省電力モードにおいてより確実に力率改善手段を機能させないことができるため、より一層の省電力化が図れる。
【0019】
本発明に係るスイッチング電源装置は、上記の課題を解決するために、上記の構成に加えて、前記主スイッチング素子の駆動電圧が、ダイオードと前記コンデンサの充電電流を量的に抑制する素子とを介して、該コンデンサに導き入れられることを特徴としている。
【0020】
上記の構成によれば、コンデンサの充電電圧を負荷に供給されている出力電力量に比例させた状態で、該充電電圧を制限することができる。これにより、該充電電圧に基づいて、出力電力量を検出することができるとともに、出力電力量検出手段における消費電力を低減できる。
【0021】
本発明に係るスイッチング電源装置は、上記の課題を解決するために、上記の構成に加えて、前記素子が、抵抗またはインダクタであることを特徴としている。
【0022】
上記の構成によれば、コンデンサの充電電圧を負荷に供給されている出力電力量に比例して変化させ、出力電力量を検出することができる。特に、上記素子が高い抵抗値の抵抗である場合には、僅少の消費電力で出力電力量の検出機能を果たすことができる。
【0023】
本発明に係るスイッチング電源装置は、上記の課題を解決するために、上記の構成に加えて、前記判断手段は、前記コンデンサの両端の電圧値が所定電圧値以上の場合に、検出された出力電力量が所定量以上であると判断することを特徴としている。
【0024】
上記の構成によれば、出力電力量が所定量以上であるかの否かの判断を、コンデンサの両端の電圧値と所定電圧値との比較により簡単に行うことができる。
【0025】
本発明に係るスイッチング電源装置は、上記の課題を解決するために、上記の構成に加えて、前記判断手段は、ツェナーダイオードを有しており、該ツェナーダイオードのツェナー電圧が前記所定電圧値に対応することを特徴としている。
【0026】
上記の構成によれば、判断手段をツェナーダイオードで構成するという簡単な構成によって、上記判断手段を実現することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明のスイッチング電源装置に関する実施の一形態について図1〜図3に基づいて説明すれば以下のとおりである。
【0028】
図1は、本実施の形態に係るスイッチング電源装置の概略構成を示す電気回路図である。スイッチング電源装置は、商用の交流電源1に接続された切換え部43と、切換え部43と接続されたブリッジダイオード2と、力率改善機能を有する力率改善手段、例えば、昇圧チョッパー回路(力率改善手段)5と、平滑コンデンサ7と、電圧変換回路8、電圧変換回路8の出力端に接続された正極性出力端子9および負極性出力端子10とを備えている。
【0029】
ブリッジダイオード2の出力端に正極性ライン3および負極性ライン4を介して昇圧チョッパー回路5が接続されている。なお、負極性ライン4は、昇圧チョッパー回路5内で同電位を保ちつつ、平滑コンデンサ7および電圧変換回路8にも該同電位を与えるラインである。平滑コンデンサ7は、昇圧チョッパー回路5の出力端に接続された正極性ライン6および負極性ライン4の間に接続されている。また、電圧変換回路8は、正極性ライン6および負極性ライン4に接続されている。
【0030】
また、切換え部43には別のブリッジダイオード44が接続されており、該ブリッジダイオード44の出力端には平滑コンデンサ7が接続されている。なお、ブリッジダイオード44の代わりに半波整流回路を構成してもよい。
【0031】
出力電力量検出回路11は、スイッチング電源装置の正極性出力端子9および負極性出力端子10から図示しない負荷(電気機器)に対して供給されている出力電力量を検出する。この検出量に応じて、後述する判断手段は、切換え部43を実線の位置から破線の位置へ、もしくは、破線の位置から実線の位置へと切換える制御を行う。
【0032】
切換え部43が実線の位置の場合、交流電源1から得られた交流電圧は、全波整流するブリッジダイオード2と、昇圧チョッパー回路5と、コンデンサ7とを経て整流・平滑化される。ここで、平滑コンデンサ7の充電電圧は、電圧変換回路8の主電源となる。
【0033】
一方、切換え部43が破線の位置へ切換わると、交流電源1からの交流電圧は昇圧チョッパー回路5を介さずにブリッジダイオード44と平滑コンデンサ7とを経て整流・平滑化される。このとき昇圧チョッパー回路5は動作を停止する。この結果、昇圧チョッパー回路5の電力損失分だけ消費電力を低減できる。これに加えて、平滑コンデンサ7の充電電圧が低下するため、電圧変換回路8における消費電力も低減できる。
【0034】
図2は、図1に示したようなスイッチング電源装置における電圧変換回路8の具体的構成例を示す電気回路図である。なお、図1と同じ機能を有する部材には同じ符号を付しており、詳細な説明は省略する。
【0035】
正極性ライン6および負極性ライン4の間には、変圧器22の1次巻線22aおよび主スイッチング素子である電界効果トランジスタ(FET)19の直列回路が接続されている。変圧器22の2次巻線22cとダイオード23との直列回路は平滑コンデンサ24に接続されており、平滑コンデンサ24には正極性出力端子9および負極性出力端子10が接続されている。FET19のゲート電極には、PWM制御回路15が接続されている。PWM制御回路15および昇圧チョッパー回路5には、その駆動用電源として平滑コンデンサ21が接続されており、さらに、平滑コンデンサ21には、自身を充電するための図示しない起動用電源が接続されている。また、平滑コンデンサ21には、変圧器22の補助巻線22bとダイオード20との直列回路が接続されている。
【0036】
切換え部43が通常動作時の実線にあるときに、スイッチング電源装置に交流電源1が接続されると、ブリッジダイオード2から整流電圧が昇圧チョッパー回路5へ入力される。また、図示しない起動用電源が平滑コンデンサ21を充電し、該充電電圧が所定の電圧値以上に達すると、昇圧チョッパー回路5が動作を開始する。これにより、昇圧チョッパー回路5に入力された整流電圧が昇圧され、かつ、力率が改善される。
【0037】
上記平滑コンデンサ21の充電電圧により、PWM制御回路15も動作を開始する。FET19はPWM制御回路15により駆動され、変圧器22の1次巻線22aに流れる電流をオン/オフ制御する。ここで例示する実施の形態は、フライバックコンバータ回路に係るものであり、FET19のオフ期間に、変圧器22の2次巻線22cに誘起電圧が発生する。前記誘起電圧は、ダイオード23およびコンデンサ24によって整流・平滑化され、出力端子9、10から図示しない負荷へ供給される。
【0038】
図示しない出力電圧検出回路は、正極性出力端子9と負極性出力端子10との間の電圧を検出する。この検出電圧に係る情報は、図示しないフォトカプラを介してPWM制御回路15に伝達される。PWM制御回路15は、受信した上記情報に基づいてFET19のオン期間を制御し、結果として出力電圧を所定の値に制御する。
【0039】
本スイッチング電源装置が起動を開始すると、以後、上記変圧器22の補助巻線22cからダイオード20を介して供給される電流によって、上記昇圧チョッパー回路5、PWM制御回路15、およびその他の補助回路(図示しない)が駆動され、図示しない起動用電源の動作は停止する。
【0040】
次に、出力電力量検出回路11の内部構成とその機能について説明する。出力電力量11は、PWM制御回路15のFET19駆動用正電圧をダイオード17、抵抗18を介してコンデンサ16に導き入れ、該コンデンサ16を充電する回路により構成されている。
【0041】
また、抵抗18とコンデンサ16の接続点が比較回路14に接続されており、コンデンサ16の充電電圧が比較回路14に導き入れられる。後に詳説するが、比較回路14は、切換え部43を実線から破線の位置、もしくは、破線から実線の位置へと切換えるように制御することができる。コンデンサ16の他方の端子は負極性ライン4に接続されている。
【0042】
PWM制御回路15のFET19駆動正電圧によって、コンデンサ16には、ダイオード17、抵抗18を介して電流が流入する。ここで、図示しない負荷に対する出力電力量が大きくなるに従って、上記FET19駆動正電圧の時比率が大きくなり、その分、多くの電流がコンデンサ16に流入することとなる。つまり、コンデンサ16に加わる電圧は、FET19駆動用正電圧の時比率に従った短形パルスであり、スイッチング電源装置内の部品、例えば変圧器22により生じるノイズ等が含まれない。これにより、出力電力検出器11は、図示しない負荷に供給する出力電力量を精度良く検出することができる。
【0043】
抵抗18は、コンデンサ16の充電電流を量的に抑制し、コンデンサ16の充電電圧を制限するための素子である。コンデンサ16の充電電圧を制限できるので、出力電力量検出回路11にて消費される電力量を低減することができる。抵抗18により制限されたコンデンサ16の充電電圧は、図示しない負荷に供給されている出力電力量に比例して変化する。これにより、抵抗18により制限されたコンデンサ16の充電電圧を利用しても、図示しない負荷に供給されている出力電力量を精度良く検出することができる。
【0044】
なお、上記抵抗18は、高い抵抗値を有するものが好ましい。これにより、コンデンサ16に流入する電流を抑制することができ、出力電力量検出回路11にて消費される電力量をより一層低減することができる。また、抵抗18はインダクタに置き換えることも可能であり、充電電流を量的に抑制するような素子であればよい。
【0045】
コンデンサ16の充電電圧は、次段の判断手段である比較回路14に伝達される。比較回路14は、コンデンサ16の充電電圧と比較回路14内に設けられている内部基準電圧とを比較する。ここで、基準電圧を、出力端子9,10から電力が出力される図示しない負荷が低消費電力時(省電力モード)であるときの出力電力量の最大値に相当するコンデンサ16の充電電圧に設定しておくことで、比較回路14により、負荷が省電力モードであるか否かの判断を行うことができる。すなわち、比較回路14は、コンデンサ16の充電電圧が基準電圧よりも小さい場合には、電気機器が省電力モードであると判断し、コンデンサ16の充電電が基準電圧よりも大きい場合には、電気機器が通常モードであると判断することができる。つまり、スイッチング電源装置内で、電力を供給している電気機器が、通常モードであるか省電力モードであるかを自己判定することができる。
【0046】
コンデンサ16の充電電圧の方が、基準電圧よりも低い場合、つまり、負荷が省電力モードである場合には、上記比較回路14は、切換え部43を通常動作状態である実線の位置から破線の位置へ切換える制御を行う。このとき、昇圧チョッパー回路5を介さずにブリッジダイオード44を介して平滑コンデンサ7へ交流電源が供給され、昇圧チョッパー回路5は動作を停止する。よって、昇圧チョッパー回路5において消費される電力損失分だけ電力を低減することができる。さらに、昇圧動作が行われないため、平滑コンデンサ7の充電電圧が低下し、電圧変換回路8における消費電力も低減できる。
【0047】
また、コンデンサ16の充電電圧の方が、基準電圧よりも大きい場合、つまり、負荷が通常時であると比較回路14が判断した場合には、比較回路14は、切換え部43を通常動作状態である実線の位置へ切換える制御を行う。これにより、ブリッジダイオード2からの整流電圧が昇圧チョッパー回路5にて力率が改善される。
【0048】
次に、比較回路14の内部構成とその機能について、図3を用いて説明する。図3は、図2における比較回路14の具体的な構成を示す電気回路図である。なお、図2と同じ機能を有する部材には同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0049】
比較回路14は、抵抗18とコンデンサ16の接続点にツェナーダイオード36のカソードが、更にツェナーダイオード36のアノードにNPNトランジスタ35のベースが抵抗37を介して接続され、更にまた、コンデンサ16のもう一方の端子に上記NPNトランジスタ35のエミッタが接続される構成である。
【0050】
コンデンサ16の充電電圧がツェナーダイオード36のツェナー電圧よりも大きい場合、カソードからアノードに向って電流が流れて上記NPNトランジスタ35がオンし、該NPNトランジスタ35のコレクタ45がローレベルの電圧レベルになる。また、コンデンサ16の充電電圧がツェナーダイオード36のツェナー電圧よりも小さい場合、カソードからアノードに向って電流が流れないので、NPNトランジスタ35がオフし、該NPNトランジスタ35のコレクタ45はハイレベル(オープン)の電圧レベルになる。
【0051】
ここで、上記切換え部43は前記NPNトランジスタ35のコレクタ45電圧レベルにより制御されるように設定されている。すなわち、コレクタ45がローレベルの電圧レベルの時は、実線の位置に切換わり、コレクタ45がハイレベルの電圧レベルの時は、破線の位置に切換わる。
【0052】
従って、コンデンサ16の充電電圧がツェナーダイオード36のツェナー電圧より大きい場合、上記NPNトランジスタ35がオンしてコレクタ45の電圧レベルがローレベルに引き下げられ、切換え部43が実線に切換わるので、昇圧チョッパー回路5は動作する。逆に、コンデンサ16の充電電圧がツェナーダイオード36のツェナー電圧よりも小さい場合、NPNトランジスタ35がオフしてコレクタ45の電圧レベルがハイレベルに引き上げられ、切換え部43が破線に切替わるので、交流電源が昇圧チョパー回路5を介さずに、ブリッジダイオード44を介して平滑コンデサ7に供給され、昇圧チョッパー回路5の動作が停止する。このとき、ブリッジダイオード2、および後述する、昇圧チョッパー回路5内のチョークコイル25、ダイオード29には導通がないため、当然に導通損失は発生しない。よって、より一層消費電力を低減することができる。
【0053】
図4は、上記昇圧チョッパー回路5の具体的構成を示す電気回路図である。なお、図3でと同じ機能を有する部材には同じ参照番号を付記し、詳細な説明を省略する。
【0054】
昇圧チョッパー回路5は、4つの抵抗26、27、31、32、コイル25、ダイオード29、スイッチングトランジスタ28、力率改善制御回路30から構成されている。
【0055】
抵抗26および抵抗27からなる直列回路は、正極性ライン3および負極性ライン4の間に接続されており、抵抗26および抵抗27の接続点と力率改善制御回路30の入力端子40とが接続されている。また、抵抗31および抵抗32からなる直列回路は、平滑コンデンサ7と並列に正極性ライン6および負極性ライン4の間に接続されており、抵抗31および抵抗32の接続点と力率改善制御回路30の入力端子41とが接続されている。また、抵抗26と正極性ライン3との接続点、および、抵抗31と正極性ライン6との接続点の間には、チョークコイル25およびダイオード29からなる直列回路が接続されている。さらに、チョークコイル25およびダイオード29の接続点と負極性ライン4との間には、スイッチングトランジスタ28が接続されており、スイッチングトランジスタ28のゲート電極と力率改善制御回路30の出力端子42とが接続されている。
【0056】
抵抗26および抵抗27からなる直列回路は、正極性ライン3および負極性ライン4の間の電圧を抵抗分圧により降圧し、力率改善制御回路30に入力させる。また、抵抗31および抵抗32からなる直列回路は、平滑コンデンサ7の充電電圧を抵抗分圧により降圧し、力率改善制御回路30に入力させる。
【0057】
力率改善制御回路30は、スイッチングトランジスタ28の駆動信号を出力端子42から送出してスイッチングトランジスタ28をオン/オフ制御する。
【0058】
昇圧のメカニズムは、通常、一般の昇圧チョッパー回路と同じである。スイッチングトランジスタ28のオン期間中にブリッジダイオード2の正極性ライン3からチョークコイル25を介してスイッチングトランジスタ28に電流が流れてチョークコイル25内に励磁エネルギが蓄積される。スイッチングトランジスタ28がオフになると、該励磁エネルギにより、昇圧電流がブリッジダイオード2の正極性ライン3からチョークコイル25およびダイオード29を介して平滑コンデンサ7に流入する。
【0059】
力率改善制御回路30は、入力端子41にて平滑コンデンサ7の充電電圧レベルを監視し、該充電電圧レベルが所定の電圧より大きい場合、チョークコイル25を流れる電流波形の波高値が全体に低くなるように、スイッチングトランジスタ28をオン/オフ制御し、逆に、上記充電電圧レベルが所定の電圧より小さい場合、チョークコイル25を流れる電流波形の波高値が全体に高くなるように、スイッチングトランジスタ28のオン/オフ制御をする。これにより、平滑コンデンサ7の充電電圧が所定の一定電圧値となる。
【0060】
以上のように、本発明に係るスイッチング電源装置は、外部の交流電源1と接続され、力率改善機能を有する昇圧チョッパー回路5と、外部の負荷に所望の電圧を供給するための電圧変換回路8とを有するスイッチング電源装置である。さらに、負荷に供給されている出力電力量を検出する出力電力量検出回路11と、検出された出力電力量が所定量以上であるか否かを判断する比較回路14とを備えている。加えて、交流電源1からの電圧を、検出された出力電力量が所定量以上であると比較回路14によって判断された場合に、昇圧チョッパー回路5を介して電圧変換回路8に出力する一方、所定量未満であると判断された場合に、昇圧値チョッパー回路5を介さずに電圧変換回路8に出力する切換え部43を備えている。
【0061】
上記の構成によれば、負荷に供給される出力電力量をスイッチング電源装置内に備えられた出力電力量検出回路11が検出し、かつ、検出された出力電力量が所定量以上であるか否かをスイッチング電源装置内に備えられた比較回路14が判断する。よって、負荷の状態、つまり、省電力モードおよび通常モードをスイッチング電源装置が自己判定することができる。よって、電気機器からモードに関わる信号を受けることのできない場合であっても、スイッチング電源装置自身が、モードを判断することができる。
【0062】
また、上述のように、出力電力量が所定量未満であると判断された場合に、昇圧チョッパー回路5を介さずに交流電源1からの電圧を電圧変換回路8に出力する切換え部43が備えられている。このため、出力電力量が所定量未満の場合に、昇圧チョッパー回路5を導通することによる電力損失が生じることがないため、省電力を一層図ることができる。さらに、力率が改善されず、低電圧のまま、電圧変換回路8に交流電源1からの電圧が出力されるため、電圧変換回路8における消費電力も軽減することができる。
【0063】
したがって、電気機器からの信号をもらうことのできないACアダプターに有効であり、かつ、電気機器が低消費電力時に更に省電力を図ることのできるスイッチング電源装置を提供することができる。
【0064】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0065】
【発明の効果】
本発明に係るスイッチング電源装置は、以上のように、外部の電源と接続され、力率改善機能を有する力率改善手段と、外部の負荷に所望の電圧を供給するための電圧変換手段とを有するスイッチング電源装置であって、前記負荷に供給されている出力電力量を検出する出力電力量検出手段と、検出された出力電力量が所定量以上であるか否かを判断する判断手段と、前記電源からの電圧を、検出された出力電力量が所定量以上であると前記判断手段によって判断された場合に、前記力率改善手段を介して前記電圧変換手段に出力する一方、所定量未満であると判断された場合に、前記力率改善手段を介さずに前記電圧変換手段に出力する切換手段とを備えている構成である。
【0066】
それゆえ、負荷の状態、つまり、省電力モードおよび通常モードをスイッチング電源装置が自己判定することができる。よって、電気機器からモードに関わる信号を受けることのできない場合であっても、スイッチング電源装置が、モードを判断することができる。また、出力電力量が所定量未満の場合に、力率改善手段を導通することによる電力損失が生じることがないため、省電力を一層図ることができる。さらに、力率が改善されず、低電圧のまま、電圧変換手段に電源からの電圧が出力されるため、電圧変換手段における消費電力も軽減することができる。これにより、電気機器からの信号をもらうことのできないACアダプターに有効であり、かつ、電気機器が低消費電力時に更に省電力を図ることのできるスイッチング電源装置を提供することができるという効果を奏する。
【0067】
本発明に係るスイッチング電源装置は、以上のように、上記の構成に加えて、前記電圧変換手段は、スイッチング機能を有する主スイッチング素子を有しており、前記出力電力量検出手段が、コンデンサを有し、前記主スイッチング素子の駆動電圧を該コンデンサに導き入れて、該コンデンサを充電することにより、出力電力量を検出する構成である。
【0068】
それゆえ、主スイッチング素子の駆動電圧は、短形パルス状であり、他の部品の影響を受けることがないので、ノイズが含まれない。したがって、該駆動電圧を前記コンデンサに導き入れ、該コンデンサを充電することにより、検出される負荷に供給されている出力電力量には誤差等がなく、従来に比べて精度良く出力電力量を検出することができる。つまり、負荷の省電力モード状態を精度良く検出することができ、省電力モードにおいてより確実に力率改善手段を機能させないことができるため、より一層の省電力化が図れるという効果を奏する。
【0069】
本発明に係るスイッチング電源装置は、以上のように、上記の構成に加えて、前記主スイッチング素子の駆動電圧が、ダイオードと前記コンデンサの充電電流を量的に抑制する素子とを介して、該コンデンサに導き入れられる構成である。
【0070】
それゆえ、コンデンサの充電電圧を負荷に供給されている出力電力量に比例させた状態で、該充電電圧を制限することができる。これにより、該充電電圧に基づいて、出力電力量を検出することができるとともに、出力電力量検出手段における消費電力を低減できるという効果を奏する。
【0071】
本発明に係るスイッチング電源装置は、以上のように、上記の構成に加えて、前記素子が、抵抗またはインダクタである構成である。
【0072】
それゆえ、簡単な回路構成で、コンデンサの充電電圧を負荷に供給されている出力電力量に比例して変化させ、出力電力量を検出することができるという効果を奏する。特に、上記素子が高い抵抗値の抵抗である場合には、僅少の消費電力で出力電力量の検出機能を果たすことができる。
【0073】
本発明に係るスイッチング電源装置は、以上のように、上記の構成に加えて、前記判断手段は、前記コンデンサの両端の電圧値が所定電圧値以上の場合に、検出された出力電力量が所定量以上であると判断する構成である。
【0074】
それゆえ、出力電力量が所定量以上であるかの否かの判断を、コンデンサの両端の電圧値と所定電圧値との比較により簡単に行うことができるという効果を奏する。
【0075】
本発明に係るスイッチング電源装置は、以上のように、上記の構成に加えて、前記判断手段は、ツェナーダイオードを有しており、該ツェナーダイオードのツェナー電圧が前記所定電圧値に対応する構成である。
【0076】
それゆえ、判断手段をツェナーダイオードで構成するという簡単な構成によって、上記判断手段を実現することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスイッチング電源装置の一構成例の概略を示す電気回路図である。
【図2】図1に示すスイッチング電源装置において電圧変換回路をより詳しく示す電気回路図である。
【図3】図2に示すスイッチング電源装置において比較回路をより詳しく示す電気回路図である。
【図4】図3に示すスイッチング電源装置において昇圧チョッパー回路をより詳しく示す電気回路図である。
【符号の説明】
1 交流電源(電源)
5 昇圧チョッパー回路(力率改善手段)
8 電圧変換回路(電圧変換手段)
11 出力電力量検出回路(出力電力量検出手段)
14 比較回路(判断手段)
16 コンデンサ
17 ダイオード
18 抵抗(素子)
36 ツェナーダイオード
43 切換え部(切換手段)
Claims (6)
- 外部の電源と接続され、
力率改善機能を有する力率改善手段と、
外部の負荷に所望の電圧を供給するための電圧変換手段とを有するスイッチング電源装置であって、
前記負荷に供給されている出力電力量を検出する出力電力量検出手段と、
検出された出力電力量が所定量以上であるか否かを判断する判断手段と、
前記電源からの電圧を、検出された出力電力量が所定量以上であると前記判断手段によって判断された場合に、前記力率改善手段を介して前記電圧変換手段に出力する一方、所定量未満であると判断された場合に、前記力率改善手段を介さずに前記電圧変換手段に出力する切換手段とを備えていることを特徴とするスイッチング電源装置。 - 前記電圧変換手段は、スイッチング機能を有する主スイッチング素子を有しており、
前記出力電力量検出手段が、コンデンサを有し、前記主スイッチング素子の駆動電圧を該コンデンサに導き入れて、該コンデンサを充電することにより、出力電力量を検出することを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源装置。 - 前記主スイッチング素子の駆動電圧が、ダイオードと前記コンデンサの充電電流を量的に抑制する素子とを介して、該コンデンサに導き入れられることを特徴とする請求項2に記載のスイッチング電源装置。
- 前記素子が、抵抗またはインダクタであることを特徴とする請求項3に記載のスイッチング電源装置。
- 前記判断手段は、前記コンデンサの両端の電圧値が所定電圧値以上の場合に、検出された出力電力量が所定量以上であると判断することを特徴とする請求項2に記載のスイッチング電源装置。
- 前記判断手段は、ツェナーダイオードを有しており、
該ツェナーダイオードのツェナー電圧が前記所定電圧値に対応することを特徴とする請求項5に記載のスイッチング電源装置。
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JP2003199414A JP2005039922A (ja) | 2003-07-18 | 2003-07-18 | スイッチング電源装置 |
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JP2006337512A (ja) * | 2005-05-31 | 2006-12-14 | Funai Electric Co Ltd | プロジェクタ |
JP2015106941A (ja) * | 2013-11-28 | 2015-06-08 | 株式会社富士通ゼネラル | 電源装置及びこれを搭載した空気調和機 |
-
2003
- 2003-07-18 JP JP2003199414A patent/JP2005039922A/ja not_active Withdrawn
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