JP2005039146A - 気相成長装置および気相成長方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 容器の内壁を腐食させずに、簡単な構成で、装置の稼働率を向上して、容器の内壁に堆積する堆積物を確実に除去することができる気相成長装置および気相成長方法を提供する。
【解決手段】 供給管24には、キャリアガス供給源23からのキャリアガスが供給されるとともに、原料ガス生成手段25からの原料ガスが供給される。これによってチャンバ22の内部空間28に、キャリアガスとともに原料ガスが供給され、チャンバ22内の基板27の表面に薄膜が形成される。この薄膜の形成と同時に、チャンバ22の内壁29に堆積物が生成される。前記堆積物を除去するために、キャリアガス活性手段26が設けられる。キャリアガス活性手段26は、前記供給管24を介してチャンバ22内に供給されるキャリアガスを活性化して、再び前記供給管24に供給する。これによってチャンバ22の内部空間28に、活性化したキャリアガスが供給される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、気相成長法によって基板の表面に薄膜を形成する気相成長装置および気相成長方法に関し、さらに詳しくは、気相成長法による基板の表面への薄膜の形成とともに、その基板が収容される容器の内壁に堆積した堆積物を除去することができる気相成長装置および気相成長方法に関する。
基板の表面に薄膜を形成する手法として気相成長法が多用されており、この気相成長法の1つに、有機金属化学気相成長法がある。有機金属化学気相成長法は、基板が収容されたチャンバ内に原料を気体として導入するので、原料の導入量の制御が容易であるという利点と、種々の化合物半導体の薄膜を容易に形成することができるという利点とを有する。さらに有機金属化学気相成長法は、大面積の基板の表面に高い均一性で薄膜を形成することができるという利点と、一度に多数枚の基板に薄膜を形成することができるという利点とを有する。有機金属化学気相成長法は、前述のような利点を有するので、半導体レーザ、発光ダイオード、高電子移動度トランジスタおよびヘテロバイポーラトランジスタなどの製造に広く用いられている。
図6は、前述の有機金属化学気相成長法を実施するために用いられる従来の気相成長装置1の一例を簡略化して示す図である。この気相成長装置1は、基板2を収容する容器としてのチャンバ3と、チャンバ3内で基板2を保持するサセプタ4と、基板2を加熱する基板用ヒータ5と、キャリアガス供給源6と、キャリアガス供給源6からのキャリアガスをチャンバ3に導く供給管7と、原料ガスを生成してこの原料ガスを供給管7に供給する原料ガス生成手段8とを含む。
このような気相成長装置1を用いて気相成長方法を実施するにあたっては、基板2の表面に薄膜を形成する成膜工程において、まず、チャンバ3内に基板2を収容して、チャンバ3内のサセプタ4上に基板2を乗載して保持する。そして前記基板2を基板用ヒータ5によって加熱するとともに、供給管7を介してチャンバ3内にキャリアガスとともに原料ガスを供給する。チャンバ3内に供給された原料ガスは、基板用ヒータ5によって加熱された基板2の近傍で熱分解などの化学反応を起こす。これによって前記原料ガスに含まれる原料物質が、前記基板2の表面に付着して気相成長し、薄膜が形成される。
成膜工程後に、サセプタ4に保持される薄膜形成後の基板2をチャンバ3から取り出し、薄膜形成前の新たな基板2をチャンバ3内に収容してサセプタ4上に乗載して保持し、こうして薄膜形成後の基板2と薄膜形成前の基板2とを交換して、再び成膜工程が実行される。
図6に示される気相成長装置1では、基板2だけでなくチャンバ3も、基板用ヒータ5によって加熱されるので、成膜工程において、前記基板2の表面への薄膜の形成と同時に、前記原料ガスに含まれる原料物質が、チャンバ3の内壁9にも付着して気相成長し、堆積物が生成される。前記内壁9の堆積物の厚みは、成膜工程を繰り返す毎に大きくなる。この堆積物の厚みがある程度大きくなると、その堆積物は剥がれやすくなる。剥がれた堆積物の一部はダストとなって基板2に付着し、基板2の表面に形成される薄膜の膜質を劣化させてしまうという問題が生じる。この問題を解決するための従来技術として、次の第2〜第4の従来技術が周知である。
図7は、図6に示される気相成長装置1を用いた第2の従来技術の気相成長方法による一連の処理の手順の一例を説明するためのフローチャートである。図6をも参照して、ステップa1で処理を開始すると、ステップa2の成膜工程で、基板2の表面に薄膜を形成し、次のステップa3のアイドル工程で、サセプタ4に保持される薄膜形成後の基板2をチャンバ3から取り出し、サセプタ4には薄膜形成前の新たな基板2を乗載して保持し、こうして基板2を交換する。
その後、ステップa4で、前述のステップa2と同様な成膜工程が実行され、基板2の表面に薄膜が形成され、ステップa5で、前述のステップa3のアイドル工程と同様に、チャンバ3内の基板2と新たな基板2とが交換される。このようなステップa2〜a5の成膜工程およびアイドル工程は、所要回数、繰り返され、予め定める成膜工程に相当するステップa6が終了すると、次のステップa7のベーキング工程では、チャンバ3のベーキングを行い、チャンバ3を昇温して、チャンバ3の内壁9に堆積した堆積物を除去する。
このようなベーキング工程が終了した後には、次のステップa8の成膜工程およびステップa9のアイドル工程以降、同様に成膜工程とアイドル工程とが所要回数、繰り返され、次のステップa10のチャンバ清掃工程が実行される。このチャンバ清掃工程では、チャンバ3を大気開放してチャンバ3内を清掃し、前記ステップa8以降の成膜工程でチャンバ3の内壁9に堆積した堆積物を除去する。この後ステップa11に移行し、処理を終了する。
このように第2の従来技術の気相成長方法では、ベーキング工程およびチャンバ清掃工程は定期的に実行され、チャンバ3のベーキングによって、チャンバ3の内壁9に堆積した堆積物が除去され、さらにチャンバ3を大気開放してチャンバ3内を清掃することによって、前記堆積物が確実に除去される。
第3の従来技術の気相成長装置は、図6に示される前述の気相成長装置1と同様な構成に加えて、エッチングガスを活性化するためのイオン源11をも備え、このイオン源11で活性化したエッチングガスを、チャンバ3に供給することができるように構成されている。
この気相成長装置を用いた気相成長方法では、基板2の表面に薄膜を形成した後、薄膜形成後の基板2をチャンバ3から取り出す。この後、イオン源11にエッチングガスを供給し、前記エッチングガスを、イオン源11によって活性化してチャンバ3に供給する。チャンバ3の内壁9に堆積した堆積物は、チャンバ3に供給される活性化したエッチングガスによって、エッチングされて除去される(たとえば、特許文献1参照)。
第4の従来技術の気相成長装置は、図6に示される前述の気相成長装置1と同様な構成に加えて、チャンバ3内に電極12を備え、チャンバ3にプラズマ発生ガスを供給するとともに前記電極12に高周波電圧を印加することによって、チャンバ3内の前記プラズマ発生ガスを電離させてプラズマを生成させることができるように構成されている。
この気相成長装置を用いた気相成長方法では、基板2の表面に薄膜を形成した後、薄膜形成後の基板2をチャンバ3から取り出す。この後、チャンバ3にエッチングガスを供給するとともに前記電極2に高周波電圧を印加することによって、チャンバ3内の前記プラズマ発生ガスを電離させてプラズマを生成させる。チャンバ3の内壁9に堆積した堆積物は、前記プラズマによってエッチングされて除去される(たとえば、特許文献2参照)。
特開平1−218010号公報 特開平3−28191号公報
基板の表面に化合物半導体の薄膜を形成するにあたっては、アルシンなどの強い毒性を有するガスが使用されるので、チャンバ3を大気開放する前記第2の従来技術では、前記ガスを、回収して無害なガスにする必要がある。しかもこの従来技術では、大気開放後にチャンバ3内の雰囲気を、大気開放前の状態に戻すために、真空引きおよびベーキングを行う必要があるので、装置の稼働率が低下してしまうという問題がある。
前記第3の従来技術では、チャンバ3を大気開放せずにチャンバ3の内壁9に堆積した堆積物を除去することができるが、エッチングガスとしてCl2およびHClなどのハロゲン系のガスが用いられるので、活性化したエッチングガスがチャンバ3の内壁9およびチャンバ3内の構成物などを腐食してしまうという問題がある。またこの従来技術では、エッチングガスの供給源およびこの供給源からイオン源に前記エッチングガスを導くための配管を別途設ける必要があり、装置の構成が複雑化してしまうという問題がある。
前記第4の従来技術は、チャンバ3を大気開放せずにチャンバ3の内壁9に堆積した堆積物を除去することができるが、プラズマ発生ガスとしてハロゲン系のガスが用いられるので、チャンバ3内で生成されたプラズマがチャンバ3の内壁9およびチャンバ3内の構成物などを腐食してしまうという問題がある。またこの従来技術では、プラズマ発生ガスの供給源およびこの供給源からチャンバに前記プラズマ発生ガスを供給するための配管を別途設ける必要があり、装置の構成が複雑化してしまうという問題がある。
したがって本発明の目的は、容器の内壁を腐食させずに、簡単な構成で、装置の稼働率を向上して、容器の内壁に堆積する堆積物を確実に除去することができる気相成長装置および気相成長方法を提供することである。
本発明は、基板を収容する内部空間を有する容器と、
キャリアガス供給源と、
前記キャリアガス供給源からのキャリアガスを、前記容器の内部空間に導く供給管と、
原料ガスを生成し、この原料ガスを前記供給管に供給する原料ガス生成手段と、
前記キャリアガスを活性化して、前記供給管に供給するキャリアガス活性手段とを含むことを特徴とする気相成長装置である。
本発明に従えば、キャリアガス供給源からのキャリアガスが供給管に供給されるとともに、この供給管には原料ガス生成手段からの原料ガスが供給され、これによって容器の内部空間に、原料ガスがキャリアガスによって供給される。容器の内部空間に収容された基板の表面には、容器内の原料ガスの濃度、温度および圧力などの条件に応じて気相成長によって薄膜が形成される。このように基板の表面に薄膜を形成するために前述のようにして気相成長法によって成膜工程を繰り返すにつれて、前記原料ガスによって容器内に持ち込まれた原料物質が、前記基板の表面への薄膜の形成と同時に、前記容器の内壁に付着して気相成長し、堆積物が生成される。
このような容器の内壁の堆積物を確実に除去するために、キャリアガス活性手段が設けられる。このキャリアガス活性手段は、前記供給管を介して容器内に供給されるキャリアガスを活性化して、再び前記供給管に供給する。これによって容器の内部空間には、活性化したキャリアガスが供給される。活性化したキャリアガスは、容器の内壁に堆積した堆積物をエッチング除去することができる。しかも活性化したキャリアガスは、容器の内壁を腐食することなく、前記堆積物をエッチング除去することができる。
このように活性化したキャリアガスによって容器の内壁に堆積した堆積物を確実に除去することができるので、前記堆積物を除去するための大気開放を伴う容器内の清掃の頻度を低減することができる。これによって装置の稼働率を向上することが可能となる。
キャリアガス活性手段は、前記供給管を介して容器内に供給されるキャリアガスを活性化して、再び前記供給管に供給するので、堆積物を除去するためのガスの供給源およびこの供給源から容器の内部空間に前記ガスを導く配管などを別途設ける必要がなくなり、装置全体の構成を簡単化することができる。
また本発明は、前記キャリアガスは水素ガスであることを特徴とする。
本発明に従えば、キャリアガスとして水素ガスが用いられる。前記キャリアガス活性手段は、水素ガスを活性化する。活性化した水素ガスは、容器の内壁に堆積した堆積物と反応し、これによって前記堆積物を除去することができる。しかも活性化した水素ガスは、容器の内壁を腐食することなく、前記堆積物を除去することができる。
また本発明は、前記容器を加熱する容器加熱手段を含むことを特徴とする。
本発明に従えば、容器加熱手段によって容器を加熱する。これによって容器の内壁から一度離れた原料物質が再び前記内壁に付着する確率が低くなり、容器の内壁に堆積した堆積物を効率よく除去することができる。
また本発明は、前記キャリアガス活性手段は、熱電子を発生するフィラメントを有し、このフィラメントから発生された熱電子によって、前記キャリアガスを活性化することを特徴とする。
本発明に従えば、キャリアガス活性手段は、フィラメントから発生される熱電子によって、前記キャリアガスを活性化する。このキャリアガス活性手段は、構成が簡単であるので、比較的容易に実現される。
また本発明は、前記キャリアガス活性手段は、マイクロ波を発生するマイクロ波発生源を有し、このマイクロ波発生源から発生されたマイクロ波によって、前記キャリアガスを活性化することを特徴とする。
本発明に従えば、キャリアガス活性手段は、マイクロ波発生源から発生されるマイクロ波によって、前記キャリアガスを活性化する。このキャリアガス活性手段は、前記キャリアガスを高い電離度で電離することができる。すなわち、このキャリアガス活性手段は、前記キャリアガスを、前記容器の内壁に堆積した原料物質と化学反応を起こしやすい状態にすることができる。したがって容器の内壁に堆積した堆積物を効率よく除去することができる。
また本発明は、容器の内部空間に基板を収容し、前記内部空間にキャリアガスとともに原料ガスを供給して、前記基板の表面に薄膜を形成する成膜工程と、
前記内部空間への原料ガスの供給を停止し、内部空間に前記キャリアガスを活性化して供給するクリーニング工程とを含むことを特徴とする気相成長方法である。
本発明に従えば、成膜工程において、容器の内部空間に基板を収容し、前記内部空間にキャリアガスとともに原料ガスを供給して、前記基板の表面に薄膜を形成する。この成膜工程では、原料ガスによって容器内に持ち込まれた原料物質が、前記基板の表面への薄膜の形成と同時に、前記容器の内壁に付着して気相成長し、堆積物が生成される。
このような容器の内壁の堆積物を確実に除去するために、クリーニング工程が設けられる。このクリーニング工程では、前記内部空間への原料ガスの供給を停止し、内部空間に前記キャリアガスを活性化して供給する。活性化したキャリアガスは、前記成膜工程で容器の内壁に堆積した堆積物をエッチング除去することができる。しかも活性化したキャリアガスは、容器の内壁を腐食することなく、前記堆積物を除去することができる。
このように活性化したキャリアガスによって容器の内壁に堆積した堆積物を確実に除去することができるので、前記堆積物を除去するための大気開放を伴う容器内の清掃の頻度を低減することができる。これによって装置の稼働率を向上することが可能となる。
またクリーニング工程では、成膜工程でのキャリアガスを活性化して用いるので、本発明の気相成長方法を実施するための装置には、堆積物を除去するためのガスの供給源およびこの供給源から容器の内部空間に前記ガスを導く配管などを別途設ける必要がなくなり、装置全体の構成が簡単化される。
また本発明は、前記クリーニング工程において、内部空間に前記キャリアガスを活性化して供給するとともに、前記容器を加熱することを特徴とする。
本発明に従えば、クリーニング工程では、容器の内部空間に活性化したキャリアガスを供給するとともに、前記容器を加熱する。これによって、容器の内壁から一度離れた原料物質が再び前記内壁に付着する確率が低くなり、容器の内壁に堆積した堆積物を効率よく除去することができる。
また本発明は、前記クリーニング工程において、前記内部空間の活性化したキャリアガスの圧力を、前記成膜工程における内部空間の原料ガスとキャリアガスとの混合ガスの圧力よりも低くすることを特徴とする。
本発明に従えば、容器の内部空間の活性化したキャリアガスの圧力を、前記成膜工程における内部空間の原料ガスとキャリアガスとの混合ガスの圧力よりも低くするので、活性化したキャリアガスの粒子同士が衝突によって再結合して活性化前の状態に戻ってしまうことを防ぐことができる。
また本発明は、前記成膜工程前に、前記内部空間に基板を収容し、内部空間に前記キャリアガスを活性化して供給し、前記基板の付着物を除去する前処理工程を含むことを特徴とする。
本発明に従えば、成膜工程前に、前処理工程で、前記内部空間に基板を収容し、内部空間に活性化したキャリアガスを供給して基板の付着物を除去する。これによって成膜工程では、付着物が除去された基板の表面に薄膜を形成することができ、良質の薄膜を得ることができる。
以上のように本発明によれば、容器の内壁の堆積物を確実に除去するために、キャリアガス活性手段が設けられる。このキャリアガス活性手段は、前記供給管を介して容器内に供給されるキャリアガスを活性化して、再び前記供給管に供給する。これによって容器の内部空間には、活性化したキャリアガスが供給される。活性化したキャリアガスは、容器の内壁に堆積した堆積物をエッチング除去することができる。しかも活性化したキャリアガスは、容器の内壁を腐食することなく、前記堆積物をエッチング除去することができる。
このように活性化したキャリアガスによって容器の内壁に堆積した堆積物を確実に除去することができるので、前記堆積物を除去するための大気開放を伴う容器内の清掃の頻度を低減することができる。これによって装置の稼働率を向上することが可能となる。
キャリアガス活性手段は、前記供給管を介して容器内に供給されるキャリアガスを活性化して、再び前記供給管に供給するので、堆積物を除去するためのガスの供給源およびこの供給源から容器の内部空間に前記ガスを導く配管などを別途設ける必要がなくなり、装置全体の構成を簡単化することができる。
また本発明によれば、キャリアガスとして水素ガスが用いられ、この水素ガスが活性化される。活性化した水素ガスは、容器の内壁に堆積した堆積物と反応し、これによって前記堆積物を除去することができる。しかも活性化した水素ガスは、容器の内壁を腐食することなく、前記堆積物を除去することができる。
また本発明によれば、容器加熱手段によって容器が加熱され、これによって容器の内壁から一度離れた原料物質が再び前記内壁に付着する確率が低くなり、容器の内壁に堆積した堆積物を効率よく除去することができる。
また本発明によれば、キャリアガス活性手段は、フィラメントから発生される熱電子によって、前記キャリアガスを活性化する。このキャリアガス活性手段は、構成が簡単であるので、比較的容易に実現される。
また本発明によれば、キャリアガス活性手段は、マイクロ波発生源から発生されるマイクロ波によって、前記キャリアガスを活性化する。このキャリアガス活性手段は、前記キャリアガスを高い電離度で電離することができる。すなわち、このキャリアガス活性手段は、前記キャリアガスを、前記容器の内壁に堆積した原料物質と化学反応を起こしやすい状態にすることができる。したがって容器の内壁に堆積した堆積物を効率よく除去することができる。
また本発明によれば、容器の内壁の堆積物を確実に除去するために、クリーニング工程が設けられる。このクリーニング工程では、前記内部空間への原料ガスの供給を停止し、内部空間に前記キャリアガスを活性化して供給する。活性化したキャリアガスは、前記成膜工程で容器の内壁に堆積した堆積物をエッチング除去することができる。しかも活性化したキャリアガスは、容器の内壁を腐食することなく、前記堆積物を除去することができる。
このように活性化したキャリアガスによって容器の内壁に堆積した堆積物を確実に除去することができるので、前記堆積物を除去するための大気開放を伴う容器内の清掃の頻度を低減することができる。これによって装置の稼働率を向上することが可能となる。
またクリーニング工程では、成膜工程でのキャリアガスを活性化して用いるので、本発明の気相成長方法を実施するための装置には、堆積物を除去するためのガスの供給源およびこの供給源から容器の内部空間に前記ガスを導く配管などを別途設ける必要がなくなり、装置全体の構成が簡単化される。
また本発明によれば、クリーニング工程において、容器の内部空間に活性化したキャリアガスを供給するとともに、前記容器を加熱することよって、容器の内壁から一度離れた原料物質が再び前記内壁に付着する確率が低くなり、容器の内壁に堆積した堆積物を効率よく除去することができる。
また本発明によれば、容器の内部空間の活性化したキャリアガスの圧力を、前記成膜工程における内部空間の原料ガスとキャリアガスとの混合ガスの圧力よりも低くするので、活性化したキャリアガスの粒子同士が衝突によって再結合して活性化前の状態に戻ってしまうことを防ぐことができる。
また本発明によれば、成膜工程前に、前処理工程で、前記内部空間に基板を収容し、内部空間に活性化したキャリアガスを供給して基板の付着物を除去する。これによって成膜工程では、付着物が除去された基板の表面に薄膜を形成することができ、良質の薄膜を得ることができる。
図1は、本発明の実施の一形態の気相成長装置21を簡略化して示す図である。本実施の形態の気相成長装置21は、熱化学気相成長法によって基板の表面に薄膜を形成する装置であり、さらに詳しくは、有機金属化合物を用いる有機金属化学気相成長法によって基板の表面に化合物半導体の薄膜を形成する装置である。この気相成長装置21は、たとえば半導体レーザ、発光ダイオード(Light Emitting Diode、略称LED)、高電子移動度トランジスタ(High Electron Mobility Transistor、略称HEMT)およびヘテロバイポーラトランジスタ(Hetero Bipolar Transistor、略称HBT)などの製造に用いることができる。
気相成長装置21は、容器としてのチャンバ22、キャリアガス供給源23、供給管24、原料ガス生成手段25およびキャリアガス活性手段26を含む。チャンバ22は、基板27を収容する内部空間28を有する。供給管24は、キャリアガス供給源23からのキャリアガスを、前記内部空間28に導く。原料ガス生成手段25は、原料ガスを生成し、この原料ガスを前記供給管24に供給する。キャリアガス活性手段26は、前記キャリアガスを活性化して、前記供給管24に供給する。前記活性化は、イオン化およびラジカル化を含む。
チャンバ22の内部空間28には、サセプタ31および基板用ヒータ32が設けられる。サセプタ31は、鉛直な回転軸線L1まわりに回転自在に設けられ、1または複数の基板27を水平に保持することができる。サセプタ31の下部には、前記回転軸線L1上に軸線を有する回転軸34が連結され、この回転軸34にはモータ(図示せず)が連結される。このモータによって、回転軸34およびサセプタ31が回転駆動され、これによってサセプタ31に保持される基板27が回転駆動される。基板用ヒータ32はサセプタ31の下方に設けられる。基板用ヒータ32は、サセプタ31を介して、このサセプタ31に保持される基板27を加熱する。基板用ヒータ32は、たとえば抵抗加熱ヒータによって実現される。この基板用ヒータ32は、赤外線ヒータによって実現されてもよい。
チャンバ22の外部には、容器加熱手段としてのチャンバ用ヒータ33が設けられる。チャンバ用ヒータ33は、チャンバ22を外囲し、チャンバ22を外方から加熱する。チャンバ用ヒータ33は、たとえばシースヒータによって実現される。
本実施の形態では、チャンバ22の内壁29はステンレス鋼から成る。また本実施の形態では、基板27としてGaAs基板が用いられる。
キャリアガス供給源23は、キャリアガスを収容したボンベによって実現される。このキャリアガス供給源23には供給管24の一端が連なり、この供給管24の他端はチャンバ22の上部に連なる。供給管24には、キャリアガス活性手段26が設けられる。また供給管24には、前記キャリアガス活性手段26に関してキャリアガス供給方向A上流側に、第1バルブ36が設けられる。この第1バルブ36の開度を調整することによって、キャリアガス活性手段26に供給されるキャリアガスの流量を制御することができる。本実施の形態では、キャリアガスとして水素ガスが用いられる。
前記供給管24には、バブラー37が連なる。バブラー37は、バブリングによって液体の有機金属化合物38を気化して、気体の有機金属化合物を生成する。バブラー37は、液体の有機金属化合物38を収容する容器39と、前記液体の有機金属化合物38を加熱する加熱手段(図示せず)と、流入管40と、流出管41とを含む。
流入管40は、その一端部が、供給管24のうち第1バルブ36に関してキャリアガス供給方向A上流側の部分に連なり、供給管24から前記容器39にキャリアガスを供給する。流入管40の他端部は、前記容器39内の液体の有機金属化合物38の下部に位置する。流出管41は、その一端部が、供給管24のうちキャリアガス活性手段26に関してキャリアガス供給方向A下流側の部分に連なり、前記容器39から供給管24にキャリアガスとともに気体の有機金属化合物を供給する。流出管41の他端部は、前記容器39内の液体の有機金属化合物38の上方に位置する。
流入管40には第2バルブ42が設けられ、流出管41には第3バルブ43が設けられる。これらの第2および第3バルブ42,43の開度をそれぞれ調整することによって、バブラー37から供給管24に供給されるキャリアガスと気体の有機金属化合物との混合ガスの流量を制御することができる。本実施の形態では、有機金属化合物としてトリメチルガリウム(TMG)が用いられる。
また供給管24には、水素化物供給源45が水素化物用配管46を介して連なる。前記水素化物供給源45および水素化物用配管46を含んで水素化物供給手段47が構成される。水素化物供給源45は、水素化物を収容したボンベによって実現される。水素化物用配管46は、供給管24のうちキャリアガス活性手段26に関してキャリアガス供給方向A下流側の部分に連なる。水素化物用配管46には、第4バルブ48が設けられる。この第4バルブ48の開度を調整することによって、水素化物供給源45から供給管24に供給される水素化物の流量を制御することができる。本実施の形態では、水素化物としてアルシン(AsH)が用いられる。
本実施の形態では、前記バブラー37および水素化物供給手段47を含んで原料ガス生成手段25が構成される。また本実施の形態では、原料ガスは、有機金属化合物であるトリメチルガリウムおよび水素化物であるアルシンを含む。チャンバ22の内部空間28に供給されるキャリアガスと原料ガスとの混合ガスの流量は、前記第2〜第4バルブ42,43,48の開度を調整することによって制御することができる。
チャンバ22の下部には、ガス排出手段49が連なる。ガス排出手段49は、チャンバ22の内部空間28の余分なガスを排出する。このガス排出手段49は、真空ポンプおよび排気ガス処理装置を含む。真空ポンプは、チャンバ22の内部空間28に存在するガスを排出することができる。排気ガス処理装置は、チャンバ22の内部空間28からのガスを、無害なガスにすることができる。
図2は、キャリアガス活性手段26を拡大して示す図である。キャリアガス活性手段26は、容器51と、この容器51に収容されるフィラメント52とを含む。容器51は、供給管24に設けられ、キャリアガス供給源23からのキャリアガスは前記容器51内を流れる。フィラメント52には、直流電源53が電気的に導通および遮断可能に接続される。フィラメント52は、通電によって発熱し、熱電子を発生する。前記熱電子によってキャリアガスが活性化され、前記キャリアガスからイオンおよびラジカルが生成される。
本実施の形態では、キャリアガスとして水素ガスが用いられる。この水素ガスは、気相成長法におけるキャリアガスとして最も広く用いられている。キャリアガス活性手段26は、水素ガスを活性化する。活性化した水素ガスは、水素イオンおよび水素ラジカルを含む。
図3は、図1に示される気相成長装置21を用いた気相成長方法による一連の処理の手順の一例を説明するためのフローチャートである。本実施の形態の気相成長方法は、成膜工程、クリーニング工程およびベーキング工程を含む。
ステップb1で本実施の形態の気相成長方法による処理を開始すると、ステップb2の成膜工程で、基板27の表面に薄膜を形成し、次のステップb3のクリーニング工程で、チャンバ22の内壁29に堆積した堆積物を除去する。その後、ステップb4で、前述のステップb2と同様な成膜工程が実行され、ステップb5で、前述のステップb3と同様なクリーニング工程が実行される。さらにこの後、ステップb6で、前述のステップb2と同様な成膜工程が実行され、ステップb7で、前述のステップb3と同様なクリーニング工程が実行される。
このようなステップb2〜b7の成膜工程およびクリーニング工程は、所要回数、繰り返され、予め定める成膜工程に相当するステップb8の成膜工程が終了すると、次のステップb9のベーキング工程では、チャンバ22のベーキングを行い、チャンバ22の内壁29に堆積した堆積物を除去する。この後、ステップb10に移行し、本実施の形態の気相成長方法による処理を終了する。
以下、成膜工程、クリーニング工程およびベーキング工程について詳細に説明する。
成膜工程を開始すると、まず、たとえば搬送装置(図示せず)によって、薄膜形成前の新たな基板27を、チャンバ22の内部空間28に搬送して収容し、サセプタ31上に乗載する。そしてサセプタ31によって基板27を保持する。この後、モータによるサセプタ31の回転駆動を開始し、さらに基板用ヒータ32による基板27の加熱を開始する。
次に、第2〜第4バルブ42,43,48を開け、チャンバ22の内部空間28への原料ガスの供給を開始する。チャンバ22の内部空間28に原料ガスを供給するにあたっては、バブラー37によって液体の有機金属化合物38をバブリングして気体の有機金属化合物を取り出し、この気体の有機金属化合物を、キャリアガスで希釈された水素化物とともに、チャンバ22の内部空間28に供給する。
原料ガスの供給時には、モータによるサセプタ31の回転速度を、たとえば約700min−1に維持する。基板27の温度は、たとえば約700℃に維持する。チャンバ22の内部空間28の原料ガスとキャリアガスとの混合ガスの圧力は、たとえば約6000Paに維持する。
チャンバ22の内部空間28に供給された原料ガスは、基板用ヒータ32によって加熱された基板27の近傍で、熱分解などの化学反応を起こし、これによって基板27の表面には、原料ガスに含まれる原料物質が付着して気相成長し、薄膜が形成される。本実施の形態では、有機金属化合物としてトリメチルガリウムが用いられ、水素化物としてアルシンが用いられ、基板27の表面にはGaAsの薄膜が形成される。こうして基板27の表面に薄膜を形成した後、成膜工程を終了する。
クリーニング工程を開始すると、まず、第2〜第4バルブ42,43,48を閉め、チャンバ22の内部空間28への原料ガスの供給を停止する。そして基板用ヒータ32による基板27の加熱を停止する。基板27の温度が低下した後、モータによるサセプタ31の回転駆動を停止し、搬送装置によって薄膜形成後の基板27をチャンバ22から取り出す。
この後、チャンバ用ヒータ33によるチャンバ22の加熱を開始する。そして第1バルブ36を開け、キャリアガス活性手段26の作動を開始し、チャンバ22の内部空間28への活性化したキャリアガスの供給を開始する。
本実施の形態では、キャリアガスとして水素ガスが用いられ、キャリアガス活性手段26は水素ガスを活性化する。キャリアガス活性手段からの活性化した水素ガスは、前記成膜工程でチャンバ22の内壁29に堆積したGaAsなどの堆積物と反応し、これによって前記堆積物をエッチング除去することができる。しかも活性化した水素ガスは、チャンバ22の内壁29およびチャンバ22内の構成物を腐食することなく、前記堆積物をエッチング除去することができる。前記チャンバ22内の構成物はサセプタ31および基板用ヒータ32を含む。
活性化したキャリアガスの供給時には、チャンバ22の内壁29の温度は約300℃〜500℃が望ましい。チャンバ22の内壁29の温度が300℃を超えると、チャンバ22の内壁29から一度離れた原料物質が再び前記内壁29に付着する確率が低くなるので、チャンバ22の内壁29に堆積した堆積物を効率よく除去することができる。
また活性化したキャリアガスの供給時には、チャンバ22の内部空間28の活性化したキャリアガスの圧力を、前記成膜工程におけるチャンバ22の内部空間28の原料ガスとキャリアガスとの混合ガスの圧力よりも低くする。チャンバ22の内部空間28の活性化したキャリアガスの圧力は、約0.1Pa〜10Paが望ましい。
チャンバ22の内部空間28への活性化したキャリアガスの供給を開始してから所要時間、経過すると、チャンバ用ヒータ33によるチャンバ22の加熱を停止するとともに、キャリアガス活性手段26の作動を停止して、第1バルブ36を閉める。こうしてチャンバ22の内部空間28への活性化したキャリアガスの供給を停止し、クリーニング工程を終了する。
ベーキング工程は、クリーニング工程に類似する。注目すべき点は、ベーキング工程では、チャンバ22の内壁29が約800℃に加熱される点である。チャンバ22の内壁29が約800℃に加熱されることによって、チャンバ22の内壁29から一度離れた原料物質が再び前記内壁29に付着する確率がさらに低くなり、チャンバ22の内壁29に堆積した堆積物を確実に除去することができる。チャンバ22の内壁29の温度を800℃よりもさらに高くすると、チャンバ22の周囲の熱に弱い部材が熱変形してしまうなどの不具合が生じる可能性がある。前述の注目すべき点以外は、クリーニング工程と同様であるので、説明を省略する。
ベーキング工程は、アイドル時間が短く、クリーニング工程でチャンバ22の内壁29の堆積物を十分に除去することができず、成膜工程を繰り返す毎に前記堆積物の厚みが徐々に大きくなってしまう場合に、定期的にクリーニング工程の代わりに行われる。前記アイドル時間は、サセプタ31に保持される薄膜形成後の基板27をチャンバ22から取り出し、薄膜形成前の新たな基板27をチャンバ22内に収容してサセプタ31上に乗載して保持し、こうして薄膜形成後の基板27と薄膜形成前の基板27とを交換する時間を含む。ベーキング工程は、必ずしも定期的に行う必要はなく、気相成長装置21の使用者の判断に従って適宜行ってもよい。
以上のように本実施の形態によれば、キャリアガス供給源23からのキャリアガスが供給管24に供給されるとともに、この供給管24には原料ガス生成手段25からの原料ガスが供給され、これによってチャンバ22の内部空間28に、原料ガスがキャリアガスによって供給される。チャンバ22の内部空間28に収容された基板27の表面には、チャンバ22内の原料ガスの濃度、温度および圧力などの条件に応じて気相成長によって薄膜が形成される。このように基板27の表面に薄膜を形成するために前述のようにして気相成長法によって成膜工程を繰り返すにつれて、前記原料ガスによってチャンバ22内に持ち込まれた原料物質が、前記基板27の表面への薄膜の形成と同時に、前記チャンバ22の内壁29に付着して気相成長し、堆積物が生成される。
このようなチャンバ22の内壁29の堆積物を確実に除去するために、キャリアガス活性手段26が設けられる。このキャリアガス活性手段26は、前記供給管24を介してチャンバ22内に供給されるキャリアガスを活性化して、再び前記供給管24に供給する。これによってチャンバ22の内部空間28には、活性化したキャリアガスが供給される。活性化したキャリアガスは、チャンバ22の内壁29に堆積した堆積物をエッチング除去することができる。しかも活性化したキャリアガスは、チャンバ22の内壁29を腐食することなく、前記堆積物をエッチング除去することができる。
このように活性化したキャリアガスによってチャンバ22の内壁29に堆積した堆積物を確実に除去することができるので、前記堆積物を除去するための大気開放を伴うチャンバ22内の清掃の頻度を低減することができる。これによって装置の稼働率を向上することが可能となる。
キャリアガス活性手段26は、前記供給管24を介してチャンバ22内に供給されるキャリアガスを活性化して、再び前記供給管24に供給するので、堆積物を除去するためのガスの供給源およびこの供給源からチャンバ22の内部空間28に前記ガスを導く配管などを別途設ける必要がなくなり、装置全体の構成を簡単化することができる。
また本実施の形態によれば、キャリアガスとして水素ガスが用いられる。前記キャリアガス活性手段26は、水素ガスを活性化する。活性化した水素ガスは、チャンバ22の内壁29に堆積した堆積物と反応し、これによって前記堆積物を除去することができる。しかも活性化した水素ガスは、チャンバ22の内壁29を腐食することなく、前記堆積物を除去することができる。
また本実施の形態によれば、チャンバ用ヒータ33によってチャンバ22を加熱する。これによってチャンバ22の内壁29から一度離れた原料物質が再び前記内壁29に付着する確率が低くなり、チャンバ22の内壁29に堆積した堆積物を効率よく除去することができる。
また本実施の形態によれば、キャリアガス活性手段26は、フィラメント52から発生される熱電子によって、前記キャリアガスを活性化する。このキャリアガス活性手段26は、構成が簡単であるので、比較的容易に実現される。
また本実施の形態によれば、成膜工程において、チャンバ22の内部空間28に基板27を収容し、前記内部空間28にキャリアガスとともに原料ガスを供給して、前記基板27の表面に薄膜を形成する。この成膜工程では、原料ガスによってチャンバ22内に持ち込まれた原料物質が、前記基板27の表面への薄膜の形成と同時に、前記チャンバ22の内壁29に付着して気相成長し、堆積物が生成される。
このようなチャンバ22の内壁29の堆積物を確実に除去するために、クリーニング工程が設けられる。このクリーニング工程では、前記内部空間28への原料ガスの供給を停止し、内部空間28に前記キャリアガスを活性化して供給する。活性化したキャリアガスは、前記成膜工程でチャンバ22の内壁29に堆積した堆積物をエッチング除去することができる。しかも活性化したキャリアガスは、チャンバ22の内壁29を腐食することなく、前記堆積物を除去することができる。
このように活性化したキャリアガスによってチャンバ22の内壁29に堆積した堆積物を確実に除去することができるので、前記堆積物を除去するための大気開放を伴うチャンバ22内の清掃の頻度を低減することができる。これによって装置の稼働率を向上することが可能となる。
またクリーニング工程では、成膜工程でのキャリアガスを活性化して用いるので、本実施の形態の気相成長方法を実施するための気相成長装置21には、堆積物を除去するためのガスの供給源およびこの供給源からチャンバ22の内部空間28に前記ガスを導く配管などを別途設ける必要がなくなり、装置全体の構成が簡単化される。
また本実施の形態によれば、クリーニング工程では、チャンバ22の内部空間28に活性化したキャリアガスを供給するとともに、前記チャンバ22を加熱する。これによって、チャンバ22の内壁29から一度離れた原料物質が再び前記内壁29に付着する確率が低くなり、チャンバ22の内壁29に堆積した堆積物を効率よく除去することができる。
また本実施の形態によれば、チャンバ22の内部空間28の活性化したキャリアガスの圧力を、前記成膜工程における内部空間28の原料ガスとキャリアガスとの混合ガスの圧力よりも低くするので、活性化したキャリアガスの粒子同士が衝突によって再結合して活性化前の状態に戻ってしまうことを防ぐことができる。
図4は、本発明の実施の他の形態の気相成長方法による一連の処理の手順の一例を説明するためのフローチャートである。本実施の形態の気相成長方法は、前述の実施の形態の気相成長装置21を用いて実現される。この気相成長方法は、前処理工程、成膜工程およびクリーニング工程を含む。
ステップc1で本実施の形態の気相成長方法による処理を開始すると、ステップc2の前処理工程で、基板27の付着物を除去し、次のステップc3の成膜工程で、基板27の表面に薄膜を形成し、次のステップc4のクリーニング工程で、チャンバ22の内壁29に堆積した堆積物を除去する。その後、ステップc5で、前述のステップc2と同様な前処理工程が実行され、ステップc6で、前述のステップc3と同様な成膜工程が実行され、ステップc7で、前述のステップc4と同様なクリーニング工程が実行される。
このようなステップc2〜c7の前処理工程、成膜工程およびクリーニング工程は、所要回数、繰り返され、その後、ステップc8に移行し、本実施の形態の気相成長方法による処理を終了する。
本実施の形態における成膜工程は、前述の実施の形態における成膜工程と同様であるので、説明を省略する。また本実施の形態におけるクリーニング工程は、前述の実施の形態におけるクリーニング工程と同様であるので、説明を省略する。以下、前処理工程について詳細に説明する。
前処理工程を開始すると、まず、たとえば搬送装置によって、薄膜形成前の新たな基板27を、チャンバ22の内部空間28に搬送して収容し、サセプタ31上に乗載する。そしてサセプタ31によって基板27を保持する。この後、第1バルブ36を開け、さらにモータによるサセプタ31の回転駆動を開始し、基板用ヒータ32による基板27の加熱を開始する。そしてキャリアガス活性手段26の作動を開始し、活性化したキャリアガスの供給を開始する。
本実施の形態では、キャリアガスとして水素ガスが用いられ、キャリアガス活性手段26は水素ガスを活性化する。活性化した水素ガスは、基板27の付着物をエッチング除去することができる。前記付着物は、酸素および水などの不純物である。
活性化したキャリアガスの供給時には、モータによるサセプタ31の回転速度を、たとえば約300min−1に維持する。また活性化したキャリアガスの供給時には、基板27は約400℃に加熱される。基板27の温度が400℃を超えると、本実施の形態で基板27として用いられるGaAs基板ではAs抜けが起こり始めるので、As源を供給する必要がある。Asは活性化した水素ガスと反応して水素化物となるので、基板27の付着物の除去の効率が悪くなる。
また活性化したキャリアガスの供給時には、チャンバ22の内部空間28の活性化したキャリアガスの圧力を、前記クリーニング工程におけるチャンバ22の内部空間28の活性化したキャリアガスの圧力よりも低くする。チャンバ22の内部空間28の活性化したキャリアガスの圧力は、約10−3Pa〜0.1Paが望ましい。活性化したキャリアガスが供給されすぎ、前記圧力が0.1Paを超えると、活性化したキャリアガスが基板27を不所望にエッチングして、基板27にダメージを与えてしまう。
基板27の付着物を除去すると、キャリアガス活性手段26の作動を停止し、第1バルブ36を閉め、チャンバ22の内部空間28への活性化したキャリアガスの供給を停止する。そして基板用ヒータ32による基板27の加熱を停止し、さらにモータによるサセプタ31の回転駆動を停止し、前処理工程を終了する。
本実施の形態の気相成長方法では、前処理工程で付着物が除去された基板27を、サセプタ31によって保持したままの状態で、成膜工程に移行する。したがって本実施の形態の気相成長方法の成膜工程では、薄膜形成前の新たな基板27を、チャンバ22の内部空間28に搬送して収容し、サセプタ31上に乗載する段階が不要である。
このように本実施の形態によれば、成膜工程前に、前処理工程で、チャンバ22の内部空間28に基板27を収容し、内部空間28に活性化したキャリアガスを供給して基板27の付着物を除去する。これによって成膜工程では、付着物が除去された基板27の表面に薄膜を形成することができ、良質の薄膜を得ることができる。
図5は、本発明の実施のさらに他の形態の気相成長装置のキャリアガス活性手段55を示す図である。本実施の形態の気相成長装置は、前述の実施の形態の気相成長装置21に類似する。キャリアガス活性手段55を除く残余の部分は、同一であるので、説明を省略する。
キャリアガス活性手段55は、いわゆる電子サクロトロン共鳴(Electron Cyclotron
Resonance、略称ECR)型イオン源である。キャリアガス活性手段55は、放電室56と、マイクロ波を発生するマイクロ波発生源57と、前記マイクロ波を放電室56に導く導波管58と、放電室56の外部に設けられる電磁石59とを含む。キャリアガス活性手段26は、キャリアガスが供給される放電室56に、電磁石59による磁界を印加した状態でマイクロ波発生源57によるマイクロ波を与え、マイクロ波を電子に共鳴吸収させることによって生じる放電を用いている。
本実施の形態によれば、キャリアガス活性手段26は、マイクロ波発生源57から発生されるマイクロ波によって、前記キャリアガスを活性化する。このキャリアガス活性手段26は、前記キャリアガスを高い電離度で電離することができる。すなわち、このキャリアガス活性手段26は、前記キャリアガスを、前記チャンバ22の内壁29に堆積した原料物質と化学反応を起こしやすい状態にすることができる。したがってチャンバ22の内壁29に堆積した堆積物を効率よく除去することができる。
前述の実施の各形態では、有機金属化合物としてトリメチルガリウムが用いられるが、本発明において、有機金属化合物は、トリメチルガリウムに限定されるものではない。本発明においては、トリメチルガリウムに代えて、たとえばトリメチルアルミニウム(TMA)が用いられてもよい。
また1つだけでなく複数のバブラーを設け、相互に異なる有機金属化合物の気体を、各バブラーで生成して供給管24に供給してもよい。たとえば2つのバブラーを設け、一方のバブラーでトリメチルガリウムの気体を生成し、他方のバブラーでトリメチルアルミニウムの気体を生成してもよい。
特にAlGaAs系半導体レーザを製造する場合は、有機金属原料にはたとえばトリメチルガリウムおよびトリメチルアルミニウムが用いられ、水素化物原料にはたとえばアルシンが用いられ、GaAsおよびAlGaAsなどの薄膜が形成される。
また基板用ヒータ32はチャンバ22の内部空間28に設けられるが、基板用ヒータは、チャンバ22の外部に設けられ、高周波誘導加熱によって基板27を加熱することができるように構成されてもよい。
気相成長装置は、本発明において、必ずしも熱化学気相成長法による装置に限定されることはなく、たとえばプラズマ化学気相成長法による装置および光化学気相成長法による装置として実現されてもよい。
本発明の実施の一形態の気相成長装置21を簡略化して示す図である。 キャリアガス活性手段26を拡大して示す図である。 図1に示される気相成長装置21を用いた気相成長方法による一連の処理の手順の一例を説明するためのフローチャートである。 本発明の実施の他の形態の気相成長方法による一連の処理の手順の一例を説明するためのフローチャートである。 本発明の実施のさらに他の形態の気相成長装置のキャリアガス活性手段55を示す図である。 有機金属化学気相成長法を実施するために用いられる従来の気相成長装置1の一例を簡略化して示す図である。 第1の従来技術の気相成長装置を用いた気相成長方法による一連の処理の手順の一例を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
21 気相成長装置
22 チャンバ
23 キャリアガス供給源
24 供給管
25 原料ガス生成手段
26,55 キャリアガス活性手段
27 基板
28 内部空間
29 チャンバ22の内壁
31 サセプタ
32 基板用ヒータ
33 チャンバ用ヒータ
34 回転軸
37 バブラー
47 水素化物供給手段
49 ガス排出手段
52 フィラメント
57 マイクロ波発生源

Claims (9)

  1. 基板を収容する内部空間を有する容器と、
    キャリアガス供給源と、
    前記キャリアガス供給源からのキャリアガスを、前記容器の内部空間に導く供給管と、
    原料ガスを生成し、この原料ガスを前記供給管に供給する原料ガス生成手段と、
    前記キャリアガスを活性化して、前記供給管に供給するキャリアガス活性手段とを含むことを特徴とする気相成長装置。
  2. 前記キャリアガスは水素ガスであることを特徴とする請求項1記載の気相成長装置。
  3. 前記容器を加熱する容器加熱手段を含むことを特徴とする請求項1または2記載の気相成長装置。
  4. 前記キャリアガス活性手段は、熱電子を発生するフィラメントを有し、このフィラメントから発生された熱電子によって、前記キャリアガスを活性化することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の気相成長装置。
  5. 前記キャリアガス活性手段は、マイクロ波を発生するマイクロ波発生源を有し、このマイクロ波発生源から発生されたマイクロ波によって、前記キャリアガスを活性化することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の気相成長装置。
  6. 容器の内部空間に基板を収容し、前記内部空間にキャリアガスとともに原料ガスを供給して、前記基板の表面に薄膜を形成する成膜工程と、
    前記内部空間への原料ガスの供給を停止し、内部空間に前記キャリアガスを活性化して供給するクリーニング工程とを含むことを特徴とする気相成長方法。
  7. 前記クリーニング工程において、内部空間に前記キャリアガスを活性化して供給するとともに、前記容器を加熱することを特徴とする請求項6記載の気相成長方法。
  8. 前記クリーニング工程において、前記内部空間の活性化したキャリアガスの圧力を、前記成膜工程における内部空間の原料ガスとキャリアガスとの混合ガスの圧力よりも低くすることを特徴とする請求項6または7記載の気相成長方法。
  9. 前記成膜工程前に、前記内部空間に基板を収容し、内部空間に前記キャリアガスを活性化して供給し、前記基板の付着物を除去する前処理工程を含むことを特徴とする請求項6〜8のいずれか1つに記載の気相成長方法。
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