JP2005039143A - 小型巻線機器および小型巻線機器に使用される磁気コア並びに小型巻線機器の製造方法 - Google Patents

小型巻線機器および小型巻線機器に使用される磁気コア並びに小型巻線機器の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 従来のものと同等の特性を有しながら、製造コストを低廉化することができる小型巻線機器および小型巻線機器用の磁気コア並びに小型巻線機器の製造方法を提供すること。
【解決手段】 磁気コア1は、アモルファス合金からなる磁性薄板10を巻心材3の上に多層に巻き付けたものであり、熱処理(磁気焼鈍)前に、巻き付け方向に直交する方向にスリットあるいは溝等の折曲部を設けられた磁性薄板10を巻心材3の上に巻き付ける。上記のようにして形成された磁気コア1を熱処理(磁気焼鈍)を施し、絶縁材等を巻き付け、その上に巻線2を巻く。熱処理前に磁性薄板を巻心材の上に巻き付け、その後、熱処理をしているので、ハンドリングストレスの影響が少なく、磁気特性の優れた小型巻線機器を得ることができる。また、磁性薄板に折曲部を設けているので、巻き付け作業は比較的容易であり、熱処理までの一連の作業を自動化することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、受信機能を備えた腕時計の受信用アンテナや磁気センサ等として使用され、アモルファス合金等の磁性薄板を積層し、巻線を巻回した小型巻線機器および小型巻線機器に使用される磁気コア並びに小型巻線機器の製造方法に関する。
近年、受信機能を備え、時刻情報を受信して自動的に時刻修正を行う機能を備えた腕時計が一般に使用されるようになってきた。また、電界、磁界を検出するための高性能な小型の磁気センサに対する需要が増加している。
上記受信機能を備えた腕時計等の小型機器に使用される受信用アンテナや上記磁気センサは、小型で高感度であることが必要であるが、これに加え、製造コストを抑えて、安価に提供することが要求されている。
上記腕時計等に使用される受信用アンテナは、例えば特許文献1に開示されている。
特許文献1に開示される受信用アンテナは、図7に示すように、アモルファス合金等の磁性薄板を積層した磁気コア1に巻線2を巻回したものである。
上記アモルファス合金は比較的硬度が大きく、特に熱処理後は脆くなるので、上記のように接着剤により積層硬化された状態のコア材を通常のプレス機械等で切断して、所望の磁気コアの形状に加工することは極めて難しい。このため、積層する前に、各コア材を予め所望の磁気コアの形状に成形しておく必要がある。
従来においては、上記小型アンテナ等の巻線機器は次のように製造されていた。
(1)熱処理後のアモルファス合金等の磁性薄板を切断加工し、図8(a)に示すように所望の形状のコア材101を得る。ついで、図8(b)に示すようにコア材101に接着剤を塗布して、図8(c)に示すように積層し、加熱硬化処理を行う。
上記のように形成された磁気コアに図7に示すように巻線2を巻回する。
この製造方法は、コア材101をハンドリングして、接着剤を塗布し、それを積層し加熱硬化を行なうため、ハンドリングストレス、接着ストレス等により、磁気特性の劣化を招くことがある。
特に、腕時計等の小型機器に使用される受信用アンテナの磁気コアは、長さ20mm、幅0.5mm、厚さ0.02mm程度の微小なコア材を積層したものであり、このようなコア材をハンドリングして、積層することは極めて難しく、ハンドリングストレスなく製造することは困難である。
(2)上記(1)の方法は、上記のように微小なコア材を積層する必要があるため、作業効率が極めて悪い。また、上記のようにハンドリングストレスによる磁気特性の劣化を招くことが多い。
上記問題を解決するため、以下のようにエッチング処理により、製造することも行われている。
すなわち、熱処理したアモルファス合金等の磁性薄板10を、エッチング処理し、図9(a)に示すように、所望の形状の複数のコア材101がつながった連続パターンを形成する。各コア材101は、同図に示すように容易に切断可能な接続部102(以下コネクタという)で磁性薄板に連結されている。
このようなコア材101が複数形成された磁性薄板を接着剤を塗布して、図9(b)に示すように積層し、加熱硬化処理を行う。
ついで、上記コネクタ102の部分で切断し、積層された磁気コアを得る。上記コネクタ102は容易に切断可能な形状であるので、積層した状態であっても、磁気コアを磁性薄板から容易に切り離すことができる。
上記のように形成された磁気コアに図7に示すように巻線2を巻回する。
この製造方法は、上記(1)の製造方法に比べて、作業効率がよく、ハンドリングストレス等の影響も少ないが、磁性薄板10にエッチング処理を施す必要があり、製造するための工数が多くコストも高くなる。
特開昭57−132083号公報
以上のように、上記(1)の製造方法は、熱処理後のアモルファス合金等の磁性薄板を積層して、加熱硬化処理を行っているので、上記積層のためのハンドリングストレス、接着材の加熱硬化処理によるストレス等により、磁気特性が劣化するといった問題があった。また、微小なコア材を積層する必要があり、作業が極めて困難で量産することが難しく、コストが高くなるといった問題があった。
高感度磁性材料であるアモルファス材は、応力に敏感でハンドリングが非常にむずかしい。しかも、磁気焼鈍後は脆くなり、本来の磁気特性を確保するためには、焼鈍後のハンドリングは好ましいことではない。
一方、上記(2)の製造方法であれば、作業効率がよく、上記(1)に比べハンドリングストレス等の影響も少ないが、機械加工だけでは製造することができず、磁性薄板を熱処理した後、エッチング処理をする必要がある。エッチング処理には、ホトレジストの塗布、露光、現像、エッチング等の工程が必要であり、作業工数が多く製造コストがアップするといった問題があった。
以上のように、従来の小型アンテナは、ハンドリングストレスにより磁気コアの磁気特性が劣化したり、製造コストが高いといった問題があった。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであって、従来のものと同等の特性を有しながら、製造コストを低廉化することができる小型巻線機器および小型巻線機器用の磁気コア並びに小型巻線機器の製造方法を提供することである。
上記課題を本発明においては、以下のようにして解決する。
(1)本発明においては、熱処理(磁気焼鈍)前に、アモルファス合金からなる磁性薄板を巻心材の上に多層に巻き付ける。そして、この多層に巻き付けた磁性薄板を巻心材とともに熱処理して円筒形状の磁気コアを得て、この円筒形状の磁気コア上にコイルを巻いて小型巻線機器を得る。
上記のように、本発明においては、前記した接着加熱硬化処理をせずに、磁気焼鈍前の磁性薄板を巻心材の上に多層に巻き付け、その後、巻心材の上に多層に巻き付けられた磁性薄板を熱処理しているので、接着材の加熱硬化処理によるストレスがなく、また、熱処理前に磁性薄板を巻心材の上に巻き付けているので作業も比較的容易であり、さらに、その際のハンドリングストレスは、その後の熱処理により緩和される。このため、磁気特性の優れた小型巻線機器を得ることができる。
上記熱処理前の一連工程は自動化が可能である。このため、手作業の必要がなく比較的安価に小型巻線機器を製造することができる。
(2)上記磁性薄板を巻心材に巻き付ける際の、作業をより容易にするため、磁性薄板に、スリットあるいは溝等の折曲部を設ける。このスリットあるいは溝等の折曲部は、巻き付け方向に直交する方向に設けられ、例えば巻心材の周囲長の1/10以下程度の間隔で設けられる。
上記折曲部を設けることにより、磁性薄板を巻心材に巻き付ける際、磁性薄板は折曲部で折れ曲がり、比較的スムースに巻心材に巻き付けることができる。また、折曲部で折り曲がることにより磁性薄板に加わる応力も小さくなり、磁性薄板に大きなストレスが掛からないものと考えられる。
上記折曲部をスリットすれば、機械加工で磁性薄板にスリットを形成することができるので、前記したエッチング処理等が不要であり、ロール状に巻かれた磁性薄板をロールから引き出し、スリットを形成し、巻心材に巻くまでの一連の工程を自動化することができる。このため、安価に小型巻線機器を製造することができる。
以上のように、本発明においては、以下の効果を得ることができる。
(1)熱処理前に、アモルファス合金からなる磁性薄板を巻心材の上に多層に巻き付け、その後熱処理し、その上にコイルを巻いて小型巻線機器を製造しているので、接着材の加熱硬化処理によるストレスやハンドリングストレスの影響を殆ど受けることなく、小型巻線機器を製造することができる。また、エッチング処理も不要であり、磁気特性の優れた小型巻線機器を安価に製造することができる。
(2)スリットあるいは溝等の折曲部を設けた磁性薄板を巻心材に巻き付けることにより、巻き付け作業を容易にすることができ、比較的に容易に、かつ安価に小型巻線機器を製造することが可能となる。
図1は本発明の実施例の巻線機器の構成を示す図である。同図(a)は巻線機器の中心軸を通る平面で切った断面図、(b)は同図(a)のA−A断面図である。
同図において、1はアモルファス合金からなる磁性薄板で構成された磁気コア、2は巻線、3は中実の円筒形状の巻心材であり、巻心材3は、熱処理の温度に耐える例えばテフロン(登録商標)等で形成される。
磁性コア1は、後述するようにスリット加工した磁性薄板を上記巻心材3に巻き付けた後、熱処理したものである。上記磁気コア1の上に絶縁材等が巻き付けられ、その上に巻線2が巻かれている。
図2は上記磁気コア1を構成する磁性薄板10を示す図であり、同図は巻心材3に巻き付けられる前の磁性薄板を示している。
磁性薄板10には、巻き付け方向(同図の矢印方向)に直交する方向に複数のスリット11が設けられ、ポリイミド樹脂等の耐熱性の絶縁貼着テープ12が貼り付けられている。上記スリット11は、スリット部分で容易に折れ曲がるように設けたものであり、これにより、巻心材3に磁性薄板10を巻き付ける際の作業を容易にする。また、これとともに、巻き付けによるストレスを緩和し、磁気特性の劣化を小さくすることができるものと考えられる。
図3は上記磁性薄板10を巻心材2に巻き付けた磁気コアを示し、磁性薄板10は上記スリット部分で折り曲げられながら巻心材3に巻き付けられ、最後に上記絶縁貼着テープ12で固定される。
図4に、磁性薄板と巻心材の寸法例と、この場合の上記スリット部分の拡大図を示す。 同図(a)に示すように、この場合の磁性薄板10の幅Aは例えば19.5mm、磁性薄板10の巻心材2への巻き付け長さBは例えば25mm、磁性薄板10の厚さtは0.02mmである。また、巻心材3はテフロン(登録商標)等の耐熱性の樹脂で形成され、巻心材3の直径Cは例えば2.5mmφ、長さDは上記磁性薄板10の幅Aとほぼ等しく例えば20mmである。
同図(b)に示すように、磁性薄板10の巻き付け方向(同図の矢印で示すY方向)に直交する方向(同図の矢印で示すX方向)にスリット11が設けられる。このスリット11は、磁性薄板10を貫通する穴もしくは磁性薄板を貫通する切り込みである。このスリット間の間隔dは例えば0.2mmである。
なお、上記スリット11間の間隔dは、巻心材3の周囲長(π×直径C)の一割以下程度の間隔であればよく、巻心材3の直径が2.5mmφの場合には、0.7mm程度以下の間隔でスリット11を設ければよい。スリット11の間隔dを小さくすれば、磁性薄板10は容易に折れ曲がるようになり巻き付け作業は容易になるが、磁気コアの磁気特性は劣化するものと考えられ、作業性と要求される磁気特性に応じて、上記間隔dを設定すればよい。
また、各スリット11の同図B方向の長さLは1.4mm、スリット間に設けられた接続部10bのX方向の長さE(接続長Eという)は0.1mm程度である。この接続部10bは、スリット11が設けられた部分で磁性薄板10が分断しないように設けたものであり、上記接続長Dは上記各スリット11のX方向の長さL、磁性薄板10の厚さ等に応じて適宜選定すればよく、要するに巻き付け時に磁性薄板10が分断しない程度の適当な長さであればよい。また、上記長さLも、磁性薄板10が分断しない程度の適当な長さであればよい。
さらに、スリットのY方向の溝幅δは、0〜0.05mm程度である。ここで、A方向の幅δが0とは磁性薄板10に切り込み入れた状態を示し、厳密な意味では0ではないが、この状態をここでは溝幅δが0という。
上記磁気コアは次のようにして製造することができる。
(a)ロール状に巻かれたアモルファスの帯状の磁性薄板に、シャーリング、溝抜き抜き加工等により、スリット11を形成する。
(b)スリット11が形成された磁性薄板10に図2に示したように耐熱絶縁貼着テープを貼り付ける。
(c)上記スリットが形成された磁性薄板10を所定の巻き長さBに切断しながら、巻心材3に巻き付け、耐熱絶縁貼着テープ12により固定する。
(d)巻心材に巻き付けられた磁性薄板を耐熱性絶縁テープが劣化しない程度の温度で熱処理(磁気焼鈍)する。
(e)熱処理が終わった磁気コアにコイルを巻回する。
上記(a)〜(c)の作業は、一連の作業として自動化が可能である。すなわち、ロール状に巻かれた磁性薄板のコイル材から磁性薄板を引き出しながら、上記スリット11を形成して耐熱絶縁貼着テープ12を貼り付け、さらに、磁性薄板10を所定の巻き付け長さBに切断しながら、巻心材に巻き付ける作業を連続的におこない、磁気コアを製造する。そして、上記のようにして作成された磁気コアに最終的に熱処理(磁気焼鈍)を施し磁性薄板のハンドリングによるストレスを緩和する。
さらに、以上のように作成された磁気コアに巻線を巻き、前記図1に示した巻線機器を製造する。
以上のようにして磁気コアを作成することにより、磁性体にかかるストレスを最小限にしながら磁気コアを連続的な工程で作成することができる。また、最終的な段階で熱処理(磁気焼鈍)を行うことで磁性薄板をハンドリングする際のストレスを緩和することができる。このため、低コストで磁気特性の優れた小型巻線機器用の磁気コアを製造することができる。
以上の説明した製造方法では、スリットを形成した磁性薄板10に耐熱性絶縁貼着テープ12を貼り付けて巻心材3に巻き付けているが、上記耐熱性絶縁貼着テープ12を貼り付けずに、直接スリットが形成された磁性薄板10を巻心材3に巻き付けてもよい。この場合には、前記(b)の工程が省略される。
すなわち、以下のようにして、磁気コアを製造する。
(a)ロール状に巻かれたアモルファスの帯状の磁性薄板に、シャーリング、溝抜き抜き加工等により、スリット11を形成する。
(b)上記スリットが形成された磁性薄板10を所定の巻き長さBに切断しながら、巻心材3に巻き付け、仮止め材等により磁性薄板を固定する。
(c)巻心材3に巻き付けられ仮止めされた磁性薄板を熱処理(磁気焼鈍)する。
(d)熱処理が終わった磁気コアの仮止め材を除去して、テープ等で磁性薄板を固定し、コイルを巻回する。
上記(a)〜(b)の工程も前記したように一連の作業として自動化が可能である。
図5は、本発明で使用可能なアモルファス合金の組成例を示す図である。同図に示すように、磁気焼鈍温度はアモルファス合金の組成に応じて異なる。
前記した実施例で説明したように、磁性薄板10に耐熱絶縁貼着テープ12を貼り付けて、巻心材に巻き付け、その後、熱処理をする場合には、上記耐熱絶縁貼着テープ12が劣化しないような温度で熱処理をする必要がある。
上記耐熱絶縁貼着テープ12として、前記ポリイミド樹脂を用いる場合には、ポリイミド樹脂が劣化しない程度の温度で熱処理を行う必要があり、図5の材料の内、コバルトCoを含有するアモルファス合金(例えば、Co−Fe−Ni,B−Si)は、熱処理温度も比較的低く、磁気特性が良好なので、コバルトCoを含有するアモルファス合金を用いるのが好ましい。
また、前記したように、耐熱性絶縁貼着テープ12を貼り付けずに、直接スリットが形成された磁性薄板10を巻心材3に巻き付けた後、仮止めして熱処理する場合には、上記のような熱処理温度の制限がなく、巻心材の耐熱温度が問題となるだけなので、図5に示したその他のアモルファス合金を使用することもできる。
なお、上記実施例では、磁性薄板に、磁性薄板を貫通するスリットを設けた場合について説明したが、磁性薄板に前記図4(b)に示したスリットと同様な間隔dで溝(磁性薄板を貫通しない溝)を設けても、巻心材に巻き付ける際の作業を容易にすることができ、同等の効果を得ることができる。
上記のような溝を設ける場合には、図4(b)に示した接続部10bを設ける必要はなく、磁性薄板の幅Aと等しい長さの溝を設ければよい。この溝の深さは、要するに磁性薄板がこの部分で分離せず、かつ折り曲げが容易な深さであればよく、磁性薄板の厚さに応じて適宜選定する。
このような溝は、例えば前記したエッチング処理等で形成したり、機械加工等で形成することができ、上記溝を設けた場合の磁気特性は、後述するように前記磁性薄板を貫通するスリットを設ける場合に比べ若干向上する。
なお、上記溝を設ける位置の精度はそれほど要求されず、また、溝はどのような形状でもよく、要するに折れ曲がりやすくなっていればよいので、エッチング処理をせずに、機械加工等で溝を形成することも可能である。溝加工は折れ曲がりやすくするためであり、巻き付けが可能であれば、溝は設けなくてもよい。
本実施例のように製造した巻線機器の磁気コアの磁気特性を調べた。
図6(a)に試験結果を示す。同図の本実施例の比較対象とした「A.サンプル」は、前記従来技術の(2)で説明したように熱処理後のアモルファス合金から構成される磁性薄板をエッチング処理して積層し、各コアを分離切断したものであり、磁気コアの断面形状は0.5×0.5mmm、長さは20mmである。
また、同図の「B.本発明品(スリット)」は、前記図4(a)に示したようにスリットを設けた磁性薄板を巻心材に巻き付けた磁気コアの磁気特性である。磁性薄板としては、前記Co−Fe−Ni,B−Siのアモルファス合金を用い、磁性薄板には図4(b)に示したようにスリット11が設けられている(図6(b)(イ)に示す磁性薄板の断面図参照)。
この場合の磁性薄板の幅Aは19.5mm、巻き長さBは25mm、スリット11の間隔dは0.2mm、スリット11の長さLは1.4mm、幅δは0.05mm、接続部10bの接続長Dは0.1mmである。
「C.本発明品(溝)」は、磁性薄板として上記と同じアモルファス合金を用い、上記と同じ形状の磁性薄板に、前記した溝(磁性薄板を貫通しない溝)を設け、巻心材に巻き付けた磁気コアの磁気特性である(図6(b)(ロ)に示す磁性薄板断面図参照)。
上記溝の間隔dはスリットの場合と同様0.2mmであり、溝の幅δは0.05mm、であり、磁性薄板の全幅に渡って溝が設けられている。この場合の溝の深さは、磁性薄板tの半分程度である。
さらに、同図の「D.本発明品(ムク)」は、磁性薄板として上記と同じアモルファス合金を用い、上記と同じ形状の磁性薄板にスリットや溝を設けずに、巻心材に巻き付けた磁気コアの磁気特性を示す図である(図6(b)(ハ)に示す磁性薄板断面図参照)。
なお、上記B,C,Dの磁性薄板には前記図2に示したように耐熱性貼着テープは貼り付けていない。
図6に示す各試験結果は、上記「A.サンプル」のQ値を100として、B,C,DのQ値をパーセントで示したものであり、測定周波数は40kHzである。
同図に示すように「B.本発明品(スリット)」、「C.本発明品(溝)」では、「A.サンプル品」の磁気特性の90%以上の特性を得られ、実用上、支障なく使用できることが確認できた。
なお、「D.本発明品(ムク)」の磁気特性は「B.本発明品(スリット)」、「C.本発明品(溝)」の磁気特性より若干良い。しかし、前記したようにアモルファス合金は硬度が大きいとともに脆く、スリットのないアモルファス合金の磁性薄板を巻心材に巻き付ける作業は困難である。
したがって、前記したように、磁性薄板に前記したスリットあるいは溝等の折曲部を設けて、巻心材に巻き付けた方が作業が容易であり、好ましい製造方法と言える。
本発明の実施例の巻線機器の構成を示す図である。 本発明の実施例の磁性薄板を示す図である。 磁性薄板を巻心材に巻き付けた状態を示す図である。 磁気薄板と巻心材の寸法例と、スリット部分の拡大図である。 本発明で使用可能なアモルファス合金の組成例を示す図である。 従来の磁気コアと本発明の磁気コアの特性試験の結果を示す図である。 従来の磁気コアに巻線を巻回したアンテナの一例を示す図である。 従来の磁気コアの製造方法(1)を説明する図である。 従来の磁気コアの製造方法(2)を説明する図である。
符号の説明
1 磁気コア
2 巻線
3 巻心材
10 磁性薄板
11 スリット
12 耐熱性貼着テープ

Claims (4)

  1. 磁気コアに巻線を巻回した小型巻線機器であって、
    上記巻線機器は、アモルファス合金薄板を円筒状の心材に巻き付けた後、熱処理を施した円筒形状の磁気コアと、該円筒形状の磁気コア上に巻回された巻線を有する
    ことを特徴とする小型巻線機器。
  2. 上記アモルファス合金薄板には、上記円筒状の心材の軸方向に平行に、所定の間隔で、折曲部が設けられている
    ことを特徴とする請求項1記載の小型機器用巻線機器。
  3. 磁気コアに巻線を巻回した小型巻線機器用の磁気コアであって、
    上記磁気コアは、アモルファス合金薄板を円筒状の心材に巻き付けた後、熱処理を施した円筒形であり、上記アモルファス合金薄板には、所定の間隔で、上記心材の軸方向に平行に折曲部が設けられている
    ことを特徴とする小型巻線機器用磁気コア。
  4. 磁気コアに巻線を巻回した小型巻線機器の製造方法であって、
    アモルファス合金薄板に折曲部を設ける工程と、
    折曲部が設けられたアモルファス合金薄板を円筒状の心材に巻き付けて円筒形状とする工程と、
    上記円筒形状のアモルファス合金薄板に熱処理を施す工程と、
    該円筒形状の磁気コアに巻線を巻回する工程を有する
    ことを特徴とする小型巻線機器の製造方法。
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