JP2005037939A - 液晶表示素子用シール剤の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 滴下工法により液晶表示素子を製造する場合に用いてもセルギャップ不良を起こしにくい滴下工法用液晶表示素子用シール剤の製造方法、滴下工法用液晶表示素子用シール剤、該滴下工法用液晶表示素子用シール剤を用いた液晶表示素子の製造方法及び液晶表示素子を提供する。
【解決手段】 硬化性樹脂並びに硬化剤及び/又はフィラーを含有する硬化性樹脂組成物からなる滴下工法用液晶表示素子用シール剤を製造する方法であって、前記硬化性樹脂組成物を構成する成分を混合した後にフィルターを用いて濾過を行う工程を有する滴下工法用液晶表示素子用シール剤の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、滴下工法により液晶表示素子を製造する場合に用いてもセルギャップ不良を起こしにくい滴下工法用液晶表示素子用シール剤の製造方法、滴下工法用液晶表示素子用シール剤、該滴下工法用液晶表示素子用シール剤を用いた液晶表示素子の製造方法及び液晶表示素子に関する。
従来、液晶表示セル等の液晶表示素子は、2枚の電極付き透明基板を、所定の間隔をおいて対向させ、その周囲をシール剤で封着してセルを形成し、その一部に設けられた液晶注入口からセル内に液晶を注入し、その液晶注入口をシール剤又は封口剤を用いて封止することにより作製されていた。
この方法では、まず、2枚の電極付き透明基板のいずれか一方に、スクリーン印刷により熱硬化性シール剤を用いた液晶注入口を設けたシールパターンを形成し、60〜100℃でプリベイクを行いシール剤中の溶剤を乾燥させる。次いで、スペーサーを挟んで2枚の基板を対向させてアライメントを行い貼り合わせ、110〜220℃で10〜90分間熱プレスを行いシール近傍のギャップを調整した後、オーブン中で110〜220℃で10〜120分間加熱しシール剤を本硬化させる。次いで、液晶注入口から液晶を注入し、最後に封口剤を用いて液晶注入口を封止して、液晶表示素子を作製していた。
しかし、この作製方法によると、熱歪により位置ズレ、ギャップのバラツキ、シール剤と基板との密着性の低下等が発生する;残留溶剤が熱膨張して気泡が発生しギャップのバラツキやシールパスが発生する;シール硬化時間が長い;プリベイクプロセスが煩雑;溶剤の揮発によりシール剤の使用可能時間が短い;液晶の注入に時間がかかる等の問題があった。とりわけ、近年の大型の液晶表示装置にあっては、液晶の注入に非常に時間がかかることが大きな問題となっていた。
これに対して、光硬化熱硬化併用型のシール剤を用いた滴下工法と呼ばれる液晶表示素子の製造方法が検討されている。滴下工法では、まず、2枚の電極付き透明基板の一方に、スクリーン印刷により長方形状のシールパターンを形成する。次いで、シール剤未硬化の状態で液晶の微小滴を透明基板の枠内全面に滴下塗布し、すぐに他方の透明基板を重ねあわせ、シール部に紫外線を照射して仮硬化を行う。その後、液晶アニール時に加熱して本硬化を行い、液晶表示素子を作製する。基板の貼り合わせを減圧下で行うようにすれば、極めて高い効率で液晶表示素子を製造することができる。今後はこの滴下工法が液晶表示装置の製造方法の主流となると期待されている。
しかしながら、滴下工法により製造した液晶表示素子では、しばしば2枚の電極付き透明基板間の間隔(セルギャップ)がばらついたりする等のセルギャップ不良が生じることがあり、滴下工法の大きな問題点となっていた。
本発明は、上記現状に鑑み、滴下工法により液晶表示素子を製造する場合に用いてもセルギャップ不良を起こしにくい滴下工法用液晶表示素子用シール剤の製造方法、滴下工法用液晶表示素子用シール剤、該滴下工法用液晶表示素子用シール剤を用いた液晶表示素子の製造方法及び液晶表示素子を提供することを目的とする。
本発明は、硬化性樹脂並びに硬化剤及び/又はフィラーを含有する硬化性樹脂組成物からなる滴下工法用液晶表示素子用シール剤を製造する方法であって、前記硬化性樹脂組成物を構成する成分を混合した後にフィルターを用いて濾過を行う工程を有する滴下工法用液晶表示素子用シール剤の製造方法である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、鋭意検討の結果、滴下工法により製造した液晶表示素子のセルギャップ不良の原因が、液晶表示素子用シール剤に含まれる硬化剤やフィラー等の凝集物にあることを見出し、本発明を完成するに至った。
通常、液晶表示素子用シール剤は、樹脂に対して所定量の重合開始剤、硬化剤、フィラー等を添加した後、遊星式混練機で混練し、更に三本ロール等を用いて混合する方法により製造されている。しかし、樹脂と硬化剤やフィラーとの親和性は必ずしも高くないことから、このような方法により混合しただけでは硬化剤やフィラーが充分には樹脂中に分散せずに、その一部は凝集して凝集体を形成してしまう。このような凝集体が生じたとしても、従来の工法により液晶表示素子用シール剤を製造する場合には、熱プレス工程によりセルギャップが調整されることから、ほとんど影響はなかった。
しかし、滴下工法により液晶表示素子を製造する場合には、熱プレスによるセルギャップの調整工程がないため、液晶表示素子用シール剤中に粒子径の大きな凝集体が含まれるときには、得られる液晶表示素子のセルギャップにまで影響するものと思われた。
本発明の滴下工法用液晶表示素子用シール剤(以下、単に液晶表示素子用シール剤ともいう)の製造方法では、硬化性樹脂組成物を構成する成分を混合した後にフィルターを用いて濾過を行う工程を有することにより、セルギャップに影響する比較的粒子径の大きな凝集体を確実に除去し、かつ、凝集体の一部を濾過工程において解砕することができることから、上記凝集体に起因するセルギャップ不良が生じることがない。
上記フィルターとしては、少なくとも目的とする液晶表示素子のセルギャップに影響を与える程度の粒子径の凝集体を除去できるものであれば特に限定されない。好ましくは、目的とする液晶表示素子のセルギャップの2倍以上の粒子径を有する凝集体を除けること、より好ましくは、目的とする液晶表示素子のセルギャップ以上の粒子径を有する凝集体を除けることである。ただし、回路等の透明基板上に形成された部品がシール部の一部又は全部にかかる構造の液晶表示素子の場合には、該部品の大きさ分だけシール部の幅が実際のセルギャップよりも狭くなることから、その狭くなったシール部の幅以上の粒子径を有する凝集体を除けることが更に好ましい。
このようなフィルターとしては、例えば、目的とする液晶表示素子の基板間距離(セルギャップ)以上の粒子径を有する粒子の捕集効率が70%以上であるもの;流量2L/min、圧力4.6N/cmの空気を流したときの空気流動抵抗値が10mmHO以上であるもの等が挙げられる。
また、上記フィルターを構成する材料としては特に限定されず、例えば、有機材料、無機材料、金属材料等が挙げられ、なかでも、セラミックスやステンレス等が捕集精度の面から好適である。
また、上記硬化性樹脂組成物は、通常25℃における粘度が20万〜50万mPa.sと粘度が高いことから、上記濾過の際には上記硬化性樹脂組成物を加圧することが好ましい。従って、上記フィルターとしては、加圧にも耐え得るものであることが好ましい。このようなフィルターとしては、ステンレス等の金属やセラミック等からなるものが好適である。
なお、上記濾過工程においては、濾過する際の温度は硬化反応を抑えるために低いほど好ましいが、少しでも上記硬化性樹脂組成物の粘度を低下させ濾過効率を向上させるため、硬化が起こらない範囲内で上記硬化性樹脂組成物を加熱することが好ましい。上記濾過の際の上記硬化性樹脂組成物の温度の好ましい下限は20℃、好ましい上限は70℃である。この範囲外であると、濾過効率が悪くなるとともに、濾過時にかかる加熱時間が長くなるため、濾液の粘度が上昇したり、保存時又は使用時におけるシール剤の粘度の上昇度合いが大きくなったりすることがある。より好ましい下限は30℃、より好ましい上限は60℃である。
また、上記硬化性樹脂組成物の構成成分、特に硬化剤について、常温付近における上記硬化性樹脂組成物の粘度をできる限り抑えられるものを選択することが好ましい。
上記フィルターを用いて濾過を行う工程に先立っては、上記硬化性樹脂組成物を構成する成分を充分に混合しておくことが好ましい。混合が不充分であると、フィルターによって除かれる成分の量が多くなり、設計通りの性能を有する液晶表示素子用シール剤が得られないことがある。
上記混合の方法としては特に限定されず、例えば、従来から行われている遊星式混練機や三本ロール等を用いる方法が挙げられる。
本発明の液晶表示素子用シール剤の製造方法により製造する液晶表示素子用シール剤は、硬化性樹脂並びに硬化剤及び/又はフィラーを含有する硬化性樹脂組成物からなる。また、その他にも必要に応じて重合開始剤、粘度調整剤等の従来公知の添加剤等を含有してもよい。
上記硬化性樹脂としては特に限定されないが、光硬化熱硬化併用型の硬化性樹脂が好ましい。このような硬化性樹脂を含有する硬化性樹脂組成物からなる液晶表示素子用シール剤は、光照射によっても加熱によっても硬化する性質を有し、滴下工法により液晶表示素子を製造する場合に用いる液晶表示素子用シール剤として特に好適である。即ち、滴下工法で液晶表示素子を製造する場合に、予め光硬化で仮留めした後、熱硬化で完全に硬化させることにより、従来の熱硬化性のシール剤と比較してギャップ精度が優れた液晶表示素子を作製することができる。
このような光硬化熱硬化併用型の硬化性樹脂としては特に限定されないが、例えば、1分子内に(メタ)アクリル基とエポキシ基とをそれぞれ少なくとも1つ以上有する樹脂等が好適である。
上記1分子内に(メタ)アクリル基とエポキシ基とをそれぞれ少なくとも1つ以上有する樹脂としては特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸変性エポキシ樹脂、ウレタン変性(メタ)アクリルエポキシ樹脂等が挙げられる。
上記(メタ)アクリル酸変性エポキシ樹脂としては、例えば、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂等を部分(メタ)アクリル化したもの; ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、トリス(ヒドロキシフェニル)アルキル型エポキシ樹脂、テトラキス(ヒドロキシフェニル)アルキル型エポキシ樹脂等が好適である。
上記(メタ)アクリル酸変性エポキシ樹脂の原料となるエポキシ樹脂としては、例えば、ノボラック型としてはフェノールノボラック型、クレゾールノボラック型、ビフェニルノボラック型、トリスフェノールノボラック型、ジシクロペンタジエンノボラック型等が挙げられ、また、ビスフェノール型としてはビスフェノールA型、ビスフェノールF型、2,2’−ジアリルビスフェノールA型、ビスフェノールS型、水添ビスフェノール型、ポリオキシプロピレンビスフェノールA型等が挙げられる。
上記(メタ)アクリル酸変性エポキシ樹脂の原料のうち市販されているものとしては、例えば、フェノールノボラック型としては、エピクロンN−740、エピクロンN−770、エピクロンN−775(以上、大日本インキ化学社製)、エピコート152、エピコート154(以上、ジャパンエポキシレジン社製)が挙げられ、クレゾールノボラック型としては、エピクロンN−660、エピクロンN−665、エピクロンN−670、エピクロンN−673、エピクロンN−680、エピクロンN−695、エピクロンN−665−EXP、エピクロンN−672−EXP(以上、大日本インキ化学社製)等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂の部分(メタ)アクリル化物は、例えば、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸とを、常法に従って塩基性触媒の存在下で反応することにより得られる。エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との配合量を適宜変更する事により所望のアクリル化率のエポキシ樹脂を得る事が可能である。
上記ウレタン変性(メタ)アクリルエポキシ樹脂は、例えば、以下の方法によって得られるものである。すなわち、ポリオールと2官能以上のイソシアネートとを反応させ、更にこれに水酸基を有する(メタ)アクリルモノマー及びグリシドールを反応させる方法;ポリオールを用いずに2官能以上のイソシアネートに水酸基を有する(メタ)アクリルモノマーやグリシドールを反応させる方法;イソシアネート基を有する(メタ)アクリレートにグリシドールを反応させる方法等により作製することができる。具体的には、例えば、まずトリメチロールプロパン1モルとイソホロンジイソシアネート3モルとをスズ系触媒下で反応させ、得られた化合物中に残るイソシアネート基と、水酸基を有するアクリルモノマーであるヒドロキシエチルアクリレート及び水酸基を有するエポキシであるグリシドールとを反応させることにより作製することができる。
上記ポリオールとしては特に限定されず、例えば、エチレングリコール、グリセリン、ソルビトール、トリメチロールプロパン、(ポリ)プロピレングリコール等が挙げられる。
上記イソシアネートとしては、2官能以上であれば特に限定されず、例えば、イソホロンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)、水添MDI、ポリメリックMDI、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシネート、トリジンジイソシアネート、キシリレンジイオシアネート(XDI)、水添XDI、リジンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、1,6,10−ウンデカントリイソシアネート等が挙げられる。
上記水酸基を有する(メタ)アクリルモノマーとしては特に限定されず、例えば、分子内に水酸基を1つ有するモノマーとしては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられ、分子内に水酸基を2つ以上有するモノマーとしては、ビスフェノールA変性エポキシ(メタ)アクリレート等のエポキシ(メタ)アクリレートが挙げられる。これらは、単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
上記1分子内に(メタ)アクリル基とエポキシ基とをそれぞれ少なくとも1つ以上有する樹脂のエポキシ基と(メタ)アクリル基との配合比は、アクリル:エポキシが4:6〜9:1であることが好ましい。(メタ)アクリル基の当量比が4未満になると、光反応性が低下してしまい、ギャップ調整後にシール剤に光を照射しても初期の仮止め硬化がなくなってしまうばかりか、液晶への溶出が大きくなることがあり、9を超えると、接着性や透湿性の面で不充分となることがある。より好ましくは5:5〜8:2である。
上記硬化剤は、加熱により硬化性樹脂組成物中のエポキシ基やアクリル基等を反応させ、架橋させるためのものであり、硬化後の硬化性樹脂組成物の接着性、耐湿性を向上させる役割を有する。一方、上記樹脂との親和性が不充分であることから、凝集体を形成しやすい。
上記硬化剤としては、融点が100℃以上の潜在性硬化剤が好適に用いられる。とりわけ融点が150℃以上の硬化剤を用いる場合には、常温付近の温度においても硬化性樹脂組成物の増粘を抑えられることから、特に本発明の液晶表示素子用シール剤の製造方法における、フィルターを用いて濾過を行う工程を容易におこなうことができることから好ましい。
上記潜在性硬化剤としては、例えば、1,3−ビス[ヒドラジノカルボノエチル−5−イソプロピルヒダントイン]、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカンジオヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド等のヒドラジド化合物;ジシアンジアミド、グアニジン誘導体、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、N−[2−(2−メチル−1−イミダゾリル)エチル]尿素、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、N,N’−ビス(2−メチル−1−イミダゾリルエチル)尿素、N,N’−(2−メチル−1−イミダゾリルエチル)−アジポアミド、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール誘導体、変性脂肪族ポリアミン、テトラヒドロ無水フタル酸、エチレングリコールービス(アンヒドロトリメリテート)等の酸無水物、各種アミンとエポキシ樹脂との付加生成物等が挙げられる。これらの潜在性硬化剤は、単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
上記硬化剤の平均一次粒子径としては特に限定されないが、好ましい下限は0.1μm、好ましい上限は3.0μmであり、より好ましい下限は0.3μm、より好ましい上限は1.5μmである。
上記硬化剤の配合量の好ましい下限は、上記硬化性化合物100重量部に対して5重量部、好ましい上限は60重量部である。この範囲外であると、硬化物の接着性、耐薬品性が低下し、高温高湿動作試験での液晶の特性劣化が早まることがある。より好ましい下限は10重量部、より好ましい上限は50重量部である。
上記フィラーは、硬化後の液晶表示素子用シール剤の強度を向上し、また、線膨張性を抑えて接着信頼性を向上させる目的で配合するものである。フィラーも上記樹脂との親和性が不充分であることから、凝集体を形成しやすい。
上記フィラーとしては特に限定されず、例えば、シリカ、珪藻土、アルミナ、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化錫、酸化チタン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、石膏、珪酸カルシウム、タルク、ガラスビーズ、セリサイト活性白土、ベントナイト、窒化アルミニウム、窒化珪素等の無機フィラー;ポリエステル微粒子、ポリウレタン微粒子、ビニル重合体微粒子、ゴム微粒子等の有機フィラーが挙げられる。
上記フィラーの形状としては、特に限定されず、球状、針状、板状等の定型物または非定型物が挙げられる。
上記フィラーの平均一次粒子径としては特に限定されないが、好ましい下限は0.1μm、好ましい上限は3.0μmであり、より好ましい下限は0.3μm、より好ましい上限は1.5μmである。
本発明の液晶表示素子用シール剤の製造方法により製造した液晶表示素子用シール剤は、液晶表示装置のセルギャップに影響を与える粒子径の大きな凝集物を含有していないことから、滴下工法で製造した場合であっても、セルギャップ不良が発生しにくく、高い歩留りで液晶表示素子を製造することができる。従来の液晶表示素子用シール剤は、粘度が高く簡単に濾過することは困難であるのが常識であったが、本発明の液晶表示素子用シール剤の製造方法では濾過時に加圧したり、加熱して粘度を下げたりすることによりフィルターによる濾過を可能とした。更に、液晶表示素子用シール剤に含まれる硬化剤を検討することにより、ある程度の加熱下でもフィルターによる濾過を可能にできた。
本発明の滴下工法用液晶表示素子用シール剤の製造方法により製造されたものである滴下工法用液晶表示素子用シール剤もまた本発明の1つである。
本発明の滴下工法用液晶表示素子用シール剤を用いて液晶表示素子を製造する方法としては特に限定されず、例えば、一方の透明基板の外周付近に本発明の滴下工法用液晶表示素子用シール剤を用いてシールパターンを形成する工程と、滴下工法用液晶表示素子用シール剤が未硬化の状態で液晶の微小液滴を透明基板のシールパターンの枠内に滴下塗布する工程と、他方の透明基板と、液晶の微小液滴が塗布された透明基板とを重ね合わせる工程と、滴下工法用液晶表示素子用シール剤に光及び/又は熱を与えて硬化させる工程とを有する方法;一方の透明基板の外周付近に本発明の滴下工法用液晶表示素子用シール剤を用いてシールパターンを形成する工程と、他方の透明基板上に液晶の微小液滴を滴下塗布する工程と、滴下工法用液晶表示素子用シール剤が未硬化の状態でシールパターンが形成された透明基板と、液晶の微小液滴が塗布された透明基板とを重ね合わせる工程と、滴下工法用液晶表示素子用シール剤に光及び/又は熱を与えて硬化させる工程とを有する方法等が挙げられる。
これらの液晶表示素子の製造方法もまた、本発明の1つである。
なお、上記透明基板の対向する面には配向膜が形成されていてもよい。上記配向膜としては特に限定されず、例えば、従来公知の有機材料又は無機材料からなるものを用いることができる。
本発明の液晶表示素子の製造方法により製造された液晶表示素子は、滴下工法で製造したにもかかわらず、極めて均一なセルギャップを有する。
本発明の液晶表示素子の製造方法により製造されたものである液晶表示素子もまた、本発明の1つである。
本発明によれば、滴下工法により液晶表示素子を製造する場合に用いてもセルギャップ不良を起こしにくい滴下工法用液晶表示素子用シール剤の製造方法、滴下工法用液晶表示素子用シール剤、該滴下工法用液晶表示素子用シール剤を用いた液晶表示素子の製造方法及び液晶表示素子を提供できる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
液状のフェノールノボラック型エポキシ樹脂(ダウケミカル社製:D.E.N.431)1000重量部、重合禁止剤としてp−メトキシフェノール2重量部、反応触媒としてトリエチルアミン2重量部、アクリル酸200重量部を空気を送り込みながら、90℃で還流攪拌しながら5時間反応させた。得られた樹脂100重量部を、反応物中のイオン性不純物を吸着させる為にクオルツとカオリンの天然結合物(ホフマンミネラル社製、シリチンV85)10重量部が充填されたカラムで濾過し、アクリル酸変性フェノールノボラックエポキシ樹脂(50%部分アクリル化物)を得た。
トリメチロールプロパン134重量部、重合開始剤としてBHT0.2重量部、反応触媒としてジブチル錫ジラウリレート0.01重量部、イソホロンジイソシアネート666重量部を加え、60℃で還流攪拌しながら2時間反応させた。次に、2−ヒドロキシエチルアクリレート25.5重量部及びグリシドール111重量部を加え、空気を送り込みながら90℃で還流攪拌しながら2時間反応させた。得られた樹脂100重量部を、反応物中のイオン性不純物を吸着させる為にクオルツとカオリンの天然結合物(ホフマンミネラル社製、シリチンV85)10重量部が充填されたカラムで濾過し、ウレタン変性部分アクリル化物を得た。
得られたアクリル酸変性フェノールノボラックエポキシ樹脂40重量部、ウレタン変性部分アクリル化物20重量部に対して、潜在性熱硬化剤としてヒドラジド系硬化剤(味の素ファインテクノ社製、アミキュアUDH、融点160℃)15重量部、光重合開始剤として2,2−ジエトキシアセトフェノン1重量部、シリカ粒子(平均粒径1.5μm)23重量部、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン1重量部を添加し、三本ロールを用いて充分に混合して混合物を得た。
得られた混合物を、フィルターとしてベキボア10μm(ニチダイ社製)を用い温度40℃、圧力45N/cmの条件で濾過を行い、硬化性樹脂組成物を得た。これを液晶表示素子用シール剤とした。
透明電極付きの2枚の透明基板の一方に、得られた液晶表示素子用シール剤を長方形の枠を描く様にディスペンサーで塗布した。続いて、液晶(チッソ社製、JC−5004LA)の微小滴を透明基板の枠内全面に滴下塗布し、直ぐに他方の透明基板を重ねあわせてシール部に高圧水銀ランプを用い紫外線を50mW/cmで60秒照射した。その後、液晶アニールを120℃にて1時間行い熱硬化させ、液晶表示素子を作製した。なお、この液晶表示素子のセルギャップの設定は5μmである。
(比較例1)
フィルターによる濾過を行わなかった以外は実施例1と同様の方法により硬化性樹脂組成物を作製し、これを液晶表示素子用シール剤とした。また、得られた液晶表示素子用シール剤を用いて、実施例1と同様の方法により液晶表示素子を作製した。
(評価)
実施例1及び比較例1で作製した液晶表示素子用シール剤及び液晶表示素子について、以下の方法により凝集体検査及びセルギャップの評価を行った。
結果を表1に示した。
(1)凝集体検査
液晶表示素子用シール剤2mLを目開き10μmのSUS製篩(ψ75−h20)上に正確に秤量し、上部よりアセトンを1.2mL/minで滴下して、篩上に残った凝集体の個数を16倍ルーペを用いて計数した。同様の操作をn=5で行い、その平均値を求めた。
(2)セルギャップ評価
16倍ルーペを用いて目視によりセルギャップ不良の有無を調べた。
Figure 2005037939
本発明によれば、滴下工法により液晶表示素子を製造する場合に用いてもセルギャップ不良を起こしにくい滴下工法用液晶表示素子用シール剤の製造方法、滴下工法用液晶表示素子用シール剤、該滴下工法用液晶表示素子用シール剤を用いた液晶表示素子の製造方法及び液晶表示素子を提供できる。

Claims (7)

  1. 硬化性樹脂並びに硬化剤及び/又はフィラーを含有する硬化性樹脂組成物からなる滴下工法用液晶表示素子用シール剤を製造する方法であって、前記硬化性樹脂組成物を構成する成分を混合した後にフィルターを用いて濾過を行う工程を有することを特徴とする滴下工法用液晶表示素子用シール剤の製造方法。
  2. フィルターは、目的とする液晶表示素子の基板間距離以上の粒子径を有する粒子の捕集効率が70%以上であることを特徴とする請求項1記載の滴下工法用液晶表示素子用シール剤の製造方法。
  3. フィルターは、流量2L/min、圧力4.6N/cmの空気を流したときの空気流動抵抗値が10mmHO以上であることを特徴とする請求項1記載の滴下工法用液晶表示素子用シール剤の製造方法。
  4. 請求項1、2又は3記載の滴下工法用液晶表示素子用シール剤の製造方法により製造されたものであることを特徴とする滴下工法用液晶表示素子用シール剤。
  5. 一方の透明基板の外周付近に請求項4記載の滴下工法用液晶表示素子用シール剤を用いてシールパターンを形成する工程と、
    前記滴下工法用液晶表示素子用シール剤が未硬化の状態で液晶の微小液滴を前記透明基板の前記シールパターンの枠内に滴下塗布する工程と、
    他方の透明基板と、前記液晶の微小液滴が塗布された透明基板とを重ね合わせる工程と、
    前記滴下工法用液晶表示素子用シール剤に光及び/又は熱を与えて硬化させる工程とを有する
    ことを特徴とする液晶表示素子の製造方法。
  6. 一方の透明基板の外周付近に請求項4記載の滴下工法用液晶表示素子用シール剤を用いてシールパターンを形成する工程と、
    他方の透明基板上に液晶の微小液滴を滴下塗布する工程と、
    前記滴下工法用液晶表示素子用シール剤が未硬化の状態でシールパターンが形成された透明基板と、前記液晶の微小液滴が塗布された透明基板とを重ね合わせる工程と、
    前記滴下工法用液晶表示素子用シール剤に光及び/又は熱を与えて硬化させる工程とを有する
    ことを特徴とする液晶表示素子の製造方法。
  7. 請求項5又は6記載の液晶表示素子の製造方法により製造されたものであることを特徴とする液晶表示素子。
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