JP2005037907A - 演奏システム及び該システムの制御方法、演奏装置、並びにリモコン装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 演奏装置側で、リモコン装置の所在を容易に知ることができるようにする。
【解決手段】 鍵盤楽器20とリモコン30とは電波による無線通信を行う。鍵盤楽器20の無線通信部11から探索用信号が発信されると、リモコン30でそれが受信され、その応答動作として所在報知用信号が発信される。鍵盤楽器20のアンテナ部21L、21Rにより所在報知用信号が受信され、所在報知用信号の、アンテナ部21L、21Rによる各受信強さSGL、SGRの比により、リモコン30の所在方向が推測される。受信強さSGL、SGRのうち小さくない方に基づき距離が推測される。そして、所在方向に応じた音高、且つ距離に応じた音量で、鍵盤楽器20において楽音が発生することで報知動作がなされる。
【選択図】 図5
【解決手段】 鍵盤楽器20とリモコン30とは電波による無線通信を行う。鍵盤楽器20の無線通信部11から探索用信号が発信されると、リモコン30でそれが受信され、その応答動作として所在報知用信号が発信される。鍵盤楽器20のアンテナ部21L、21Rにより所在報知用信号が受信され、所在報知用信号の、アンテナ部21L、21Rによる各受信強さSGL、SGRの比により、リモコン30の所在方向が推測される。受信強さSGL、SGRのうち小さくない方に基づき距離が推測される。そして、所在方向に応じた音高、且つ距離に応じた音量で、鍵盤楽器20において楽音が発生することで報知動作がなされる。
【選択図】 図5
Description
本発明は、リモコン装置から、別体で構成される演奏装置に対して動作指示信号を送って処理動作を行わせるように構成される演奏システム及び該システムの制御方法、演奏装置、並びにリモコン装置に関する。
従来、電子鍵盤装置等の演奏装置に、自動再生、録音等の処理動作を遠隔操作で行うためのリモコン装置が別体で付属された演奏システムが知られている。このような、演奏装置に相当する主装置とリモコン装置とで成るシステムでは、リモコン装置が紛失する場合があるため、その所在を容易に知るための工夫がなされたシステムも既に知られている。
例えば、下記特許文献1では、主装置であるテレビジョン装置の主電源投入時に、リモコンユニットに対して呼び出し信号を発信し、それを受けたリモコンユニットが、呼び出し音発生・表示部から呼び出し音等を発生させることで、所在をユーザに知らせるようにしている。また、下記特許文献2では、主装置である電子機器本体が、リモコン操作部を発見するためのサーチ信号を発信し、振動部材を備えるリモコン操作部が、上記サーチ信号を受信して、それに連動して上記振動部材を振動させることで、所在をユーザに知らせるようにしている。
特開平9−312891号公報
特開平7−322368号公報
しかしながら、上記特許文献1、2ではいずれも、主装置側から発した信号を受信したリモコン装置が、その信号に応じて発音や表示等の動作を行うことでユーザに所在を知らせる構成であるので、リモコン装置の発音が聞こえなかったり、リモコン装置が見えない所にあったりした場合は、リモコン装置の反応が所在を知らせる手掛かりとならず、リモコン装置の所在を知ることが容易でない場合があるという問題があった。
例えば、リモコン装置の報知音が聞こえない、あるいは表示が見えない等によって、リモコン装置の反応による報知が分からない場合において、その原因が、リモコン装置を別の部屋に持っていってしまったために近傍に無くて分からないのか、あるいは、リモコン装置が近傍に存在しているのに座布団等の下に潜り込んでいて、単に報知が遮られたために分からないだけなのか、という区別がつかず、探すのに手間がかかることになっていた。
本発明は上記従来技術の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、演奏装置側で、リモコン装置の所在を容易に知ることができる演奏システム及び該システムの制御方法、演奏装置、並びにリモコン装置を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明の請求項1の演奏システムは、受信される動作指示信号に従って処理動作を行う演奏装置と、該演奏装置とは別体に構成され、該演奏装置に対して前記動作指示信号を発信するリモコン装置とで構成される演奏システムであって、前記リモコン装置は、前記動作指示信号とは別に、所在を前記演奏装置に知らせるための所在報知用無線信号を発信する所在報知用無線信号発信手段を有し、前記演奏装置は、前記リモコン装置の所在をユーザに知らせるための報知動作を行う報知手段と、前記リモコン装置の前記所在報知用無線信号発信手段により発信された所在報知用無線信号を受信する所在報知用無線信号受信手段と、前記所在報知用無線信号受信手段による前記所在報知用無線信号の受信状況に応じた態様で前記報知手段に報知動作させるように制御する報知動作制御手段とを有することを特徴とする。
この構成によれば、演奏装置では、リモコン装置から発信された所在報知用無線信号の受信状況に応じた態様で報知動作するように制御される。よって、演奏装置側で、リモコン装置の所在を容易に知ることができる。
上記目的を達成するために本発明の請求項7の演奏装置は、動作指示信号及び該動作指示信号とは別に所在を知らせるための所在報知用無線信号を発信するように構成されるリモコン装置とは別体に構成され、前記動作指示信号を受信し該受信した動作指示信号に従って処理動作を行う演奏装置であって、前記リモコン装置の所在をユーザに知らせるための報知動作を行う報知手段と、前記リモコン装置から発信された所在報知用無線信号を受信する所在報知用無線信号受信手段と、前記所在報知用無線信号受信手段による前記所在報知用無線信号の受信状況に応じた態様で前記報知手段に報知動作させるように制御する報知動作制御手段とを有することを特徴とする。
この構成によれば、演奏装置側で、リモコン装置の所在を容易に知ることができる。
上記目的を達成するために本発明の請求項8のリモコン装置は、所在報知用無線信号を受信してその受信状況に応じた態様で当該リモコン装置の所在をユーザに知らせるための報知動作を行うように構成される演奏装置とは別体に構成され、前記演奏装置に処理動作を行わせるための動作指示信号を発信するリモコン装置であって、前記動作指示信号とは別に、所在を前記演奏装置に知らせるために前記所在報知用無線信号を発信する所在報知用無線信号発信手段を有することを特徴とする。
この構成によれば、演奏装置側で、リモコン装置の所在を容易に知ることができる。
上記目的を達成するために本発明の請求項9の演奏システムの制御方法は、受信される動作指示信号に従って処理動作を行う演奏装置と、該演奏装置とは別体に構成され、該演奏装置に対して前記動作指示信号を発信するリモコン装置とで構成される演奏システムを制御する、演奏システムの制御方法であって、前記リモコン装置は、前記動作指示信号とは別に、所在を前記演奏装置に知らせるための所在報知用無線信号を発信し、前記演奏装置は、前記リモコン装置により発信された所在報知用無線信号を受信し、該所在報知用無線信号の受信状況に応じた態様で、前記リモコン装置の所在をユーザに知らせるための報知動作を行うことを特徴とする。
この構成によれば、演奏装置側で、リモコン装置の所在を容易に知ることができる。
本発明によれば、演奏装置側で、リモコン装置の所在を容易に知ることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る演奏システムの全体構成を示す外観図である。本演奏システムは、鍵盤楽器20と、鍵盤楽器20とは別体で構成された遠隔操作用のリモコン30とで成る。以降、鍵盤楽器20においては、鍵盤楽器20の奏者側を前方と呼称し、左右方向については奏者からみた方向を基準として呼称する。
同図に示すように、鍵盤楽器20は、鍵盤1を備え、電子ピアノとして構成される。鍵盤楽器20の左右両側板25L、25Rには、2つのアンテナ部21(21L、21R)が設置される。鍵盤1の下方であって鍵盤楽器20の前部右部には、スイッチボックス26が設けられ、スイッチボックス26には、主電源スイッチ27等が設けられる。鍵盤楽器20の下方にはペダルスイッチ部28が設けられる。
鍵盤楽器20は、通常の演奏のほか、演奏録音、演奏データに基づく自動演奏等が行えるようになっている。演奏時におけるサイレントモード、自動演奏の場合において対応する鍵及びペダルを動作させるモードも選択できる。鍵盤楽器20の動作は、鍵盤楽器20での操作のみで単独で行わせるほか、後述するように、リモコン30からの指示によっても行わせることができる。
図2は、鍵盤楽器20の全体構成を示すブロック図である。
鍵盤楽器20は、押鍵検出回路3、スイッチ検出回路4、ROM6、RAM7、タイマ8、表示制御回路9、フロッピ(登録商標)ディスクドライブ(FDD)10、CD−ROM(コンパクトディスク−リード・オンリ・メモリ)ドライブ12、MIDIインターフェイス(MIDII/F)13、通信インターフェイス(通信I/F)14、無線通信部11、音源回路15及び効果回路16が、バス18を介してCPU5にそれぞれ接続されて構成される。
さらに、押鍵検出回路3には上記鍵盤1が接続され、スイッチ検出回路4にはパネルスイッチ2が接続されている。表示制御回路9にはLCD等で構成される表示装置19が接続されている。CPU5にはタイマ8が接続され、MIDII/F13には他のMIDI機器(図示せず)を接続できる。通信I/F14には通信ネットワーク101を介してサーバコンピュータ(図示せず)等が接続される。音源回路15には効果回路16を介してサウンドシステム17が接続されている。無線通信部11には、上記アンテナ部21L、21Rが接続される。
押鍵検出回路3は鍵盤1の各鍵の押鍵状態を検出する。パネルスイッチ2は、スイッチボックス26に備えられる主電源スイッチ27のほか、各種情報を入力するための複数のスイッチ(不図示)を備える。スイッチ検出回路4は、パネルスイッチ2の各スイッチの押下状態を検出する。CPU5は、本装置全体の制御を司る。ROM6は、CPU5が実行する制御プログラムやテーブルデータ等を記憶する。RAM7は、演奏データ等の各種入力情報及び演算結果等を一時的に記憶する。タイマ8は、タイマ割り込み処理における割り込み時間や各種時間を計時する。表示制御回路9は、表示装置19に楽譜等の各種情報を表示させる。
FDD10は、記憶媒体であるフロッピディスク(FD)24をドライブする。FD24には、上記制御プログラム、各種アプリケーションプログラム、及び各種データ等が格納される。CD−ROMドライブ12は、上記制御プログラムを含む各種アプリケーションプログラムや各種データ等が格納されているCD−ROM(不図示)をドライブする。
MIDII/F13は、外部装置からのMIDI(Musical Instrument Digital Interface)信号を入力したり、MIDI信号を外部装置に出力したりする。通信I/F14は、通信ネットワーク101を介して、サーバコンピュータ等とのデータの送受信を行う。音源回路15は、FDD10、CD−ROMドライブ12またはMIDII/F13等から入力された演奏データを楽音信号に変換する。効果回路16は、音源回路15から入力される楽音信号に各種効果を付与し、DAC(Digital-to-Analog Converter)やアンプ、スピーカ等のサウンドシステム17は、効果回路16から入力される楽音信号等を音響に変換する。
無線通信部11は、例えば、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)802.11b規格に基づき、リモコン30との間で電波による無線通信を行う。アンテナ部21L、21Rは電波の送信及び受信の機能を併有する。無線通信部11は、リモコン30の所在を探索するための無線信号である「探索用信号(探索用無線信号)」をアンテナ部21L、21Rを通じて発信する。無線通信部11はまた、いずれもリモコン30から発信される無線信号である「動作指示信号」及び該動作指示信号とは別個の「所在報知用信号(所在報知用無線信号)」を、アンテナ部21L、21Rを通じて受信する。探索用信号、動作指示信号及び所在報知用信号、並びにアンテナ部21L、21Rの詳細構成は後述する。
図3は、リモコン30の全体構成を示すブロック図である。図1に示すように、リモコン30は、表示部31、操作キー32、発音部34、発光部35及び送受信を行うためのアンテナ部33を備える。図3に示すように、操作キー32は、キー入力回路36、キーレジスタ37を介して上記表示部31に接続される。キーレジスタ37は、出力回路39を介して発信部41に接続される。また、受信部40が増幅回路42に接続されており、増幅回路42は、上記発音部34、上記発光部35及び出力回路39に接続される。出力回路39にはまた、タイマ38が接続される。
アンテナ部33のうち電波の送信を行うためのアンテナ部33sは発信部41に接続され、アンテナ部33のうち電波の受信を行うためのアンテナ部33rは受信部40に接続されている。
リモコン30を用いて鍵盤楽器20を操作する場合は、ユーザはまず、操作キー32を操作すると、その操作に応じた入力内容が、キー入力回路36で判別されて、キーレジスタ37に記憶されると共に、表示部31に表示される。操作キー32の図示しない動作指示信号発信ボタンが押下されると、出力回路39で動作指示信号が生成・出力され、その動作指示信号が発信部41を介してアンテナ部33sから発信される。鍵盤楽器20では、アンテナ部21L、21Rを通じて動作指示信号が無線通信部11により受信されると、その動作指示信号に応じた処理動作、例えば、再生、録音等の動作がCPU5の制御により実行される。
また、鍵盤楽器20から発信される探索用信号はアンテナ部33rを通じて受信部40により受信され、受信された探索用信号は増幅回路42で増幅される。すると、増幅回路42の出力によって発音部34から所定の発音がなされると共に、発光部35が発光する。このとき、ユーザが発音部34の発音または発光部35の発光に気が付けば、その時点でリモコン30の所在を知ることができる。
増幅回路42の出力はまた、出力回路39にも供給され、この場合は、出力回路39は、所在報知用信号を生成・出力する。そして、出力された所在報知用信号が発信部41を介してアンテナ部33sから発信される。
図4は、鍵盤楽器20の前部の平面図である。アンテナ部21Lは、アンテナ棒22L及び金属製の遮蔽板23Lで構成される。アンテナ棒22Lは側板25Lに鉛直方向に立設される。遮蔽板23Lは平面視略半円弧状に形成され、アンテナ棒22Lを右後方から覆っている。具体的には、図4に示すように、鍵並び方向に沿う直線PL0を基準とすると、遮蔽板23Lは、−45°〜+135°の範囲でアンテナ棒22Lを覆う。従って、アンテナ棒22Lは、直線PL1の左前方が開放されており、左前方からの電波を良好に受信できる(受信電波の振幅が大きい)ようになっている。一方、アンテナ部21Rは、アンテナ棒22R及び金属製の遮蔽板23Rで構成される。アンテナ棒22Rは側板25Rに鉛直方向に立設される。アンテナ部21Rの構成はアンテナ部21Lとほぼ同様であるが、遮蔽板23Rの向きが異なる。遮蔽板23Rは、平面視略半円弧状に形成され、アンテナ棒22Rを左後方から覆っている。具体的には、図4に示すように、直線PL0を基準とすると、遮蔽板23Rは、+45°〜+225°の範囲でアンテナ棒22Rを覆う。従って、アンテナ棒22Rは、直線PL2の右前方が開放されており、右前方からの電波を良好に受信できるようになっている。
このように、アンテナ部21Lとアンテナ部21Rとで、良好に電波を受信できる方向が異なっているので、両者における探索用信号の受信強さを比較することで、リモコン30の所在方向をおおよそ推測することができる。ここで、図4に示すように、直線PL1の左前方で且つ直線PL2の左後方の領域を領域AGL、直線PL1の左前方で且つ直線PL2の右前方の領域を領域AGM、直線PL1の右後方で且つ直線PL2の右前方の領域を領域AGRとする。
リモコン30のアンテナ部33sがアンテナ部21L、21Rの方を向いていることを前提として、リモコン30が領域AGLに存在すれば、アンテナ部21Lの方がアンテナ部21Rよりも探索用信号を良好に受信でき(受信電波の振幅が大きい)、領域AGRに存在すればその逆である。また、リモコン30が領域AGMに存在すれば、両アンテナ部21L、21R共に探索用信号を良好に受信できる。これらのことから、本実施の形態では、両アンテナ部21L、21Rにおける受信強さの比から、リモコン30がどの領域に存在するのかを判定するようにしている。なお、アンテナ部21Lとアンテナ部21Rとは、離間した位置に配置するのが望ましいが、側板25以外の位置に配置してもよい。
かかる構成において、リモコン30を紛失してしまった等で、所在がわからなくなった場合は、ユーザは、次のようにしてリモコン30の所在を知ることができる。
探索用信号は、鍵盤1の白鍵のうち最低音域の3つである、白鍵LK1、LK2、LK3を押下しつつ、主電源スイッチ27をオンするという操作により発信されるようになっている。従って、ユーザがこの操作をすると、無線通信部11により探索用信号が発信される。この探索用信号が、リモコン30のアンテナ部33rにより受信されると、発音部34が発音すると共に発光部35が発光するが、リモコン30が小物に隠れている等により、ユーザがその発音及び発光に気が付かない場合がある。ところが、リモコン30では、発音や発光だけでなく、上述のように、探索用信号を受信したことに応じて、その応答動作として所在報知用信号がアンテナ部33sから発信される。
そして、発信された所在報知用信号が、鍵盤楽器20のアンテナ部21L、21Rで受信されると、鍵盤楽器20では、リモコン30の所在をユーザに知らせるための「報知動作」が行われる。ここで、この報知動作は、両アンテナ部21L、21Rの受信状況によって異なり、本実施の形態ではCPU5により次のように制御される。
図5は、本実施の形態における報知動作の態様を示す図である。
所在報知用信号の、アンテナ部21Lによる受信強さをSGL、アンテナ部21Rによる受信強さをSGRとし、係数Kを例えば1.5とする。受信強さSGL、SGRの比により、リモコン30の所在方向が推測される。所在方向の推測は、リモコン30の所在が図4に示す領域AGL、AGM、AGRのいずれに該当するかを判定するという形でなされる。
すなわち、図5に示すように、SGL>(K×SGR)である場合は領域AGLと、(K×SGR)≧SGL>SGRである場合及びSGL≦SGR≦(K×SGL)である場合は領域AGM、(K×SGL)<SGRである場合は領域AGRと判定される。また、いずれの受信信号とも極めて弱い場合は、エラーであると判定される。また、受信強さSGL、SGRのうち小さくない方に基づきリモコン30の鍵盤楽器20からの距離が複数段階(例えば「近」、「中」、「遠」の3段階)で推測される。
このようにして、リモコン30の所在方向及び距離が推測されると、それに基づいて、本実施の形態では、楽音の発生及び対応鍵の自動被押鍵動作という形で報知動作がなされる。その際、所在方向により発音音高が決定され、距離により発音音量が決定される。
例えば、発音音高には、所在方向が領域AGLである場合は、白鍵LK1に対応する最低音の音高が設定され、発音音量には、受信強さSGLに応じて、「近」、「中」、「遠」に対して発音音量の「大」、「中」、「小」が設定される。そして、白鍵LK1に対応する音高、且つ受信強さSGLに応じた音量で、音源回路15、効果回路16を介してサウンドシステム17から楽音が発生する。それと同時に、白鍵LK1も自動的に被押鍵動作する。
同様に、所在方向が領域AGMであれば中間の音高である白鍵MK1、所在方向が領域AGRであれば最高音である白鍵HK1に対応する音高が、それぞれ、受信強さSGLまたは受信強さSGRに基づく音量で発音される。エラーの場合は、所定のエラー音が発音される。
なお、白鍵LK1、MK1、HK1と同じ音名でオクターブが異なる音を発音するようにしてもよい。また、鍵域を、各領域AGL、AGM、AGRに対応して低音域、中音域、高音域に分け、各領域AGL、AGM、AGRに対応する鍵域中のいずれかの鍵が被押鍵動作するように構成してもよい。
本実施の形態によれば、リモコン30から発信された所在報知用信号が受信されると、両アンテナ部21L、21Rでの各受信状況によってリモコン30の所在方向及び距離が推測され、それらに応じた音高、音量で鍵盤楽器20において楽音が発生するようにしたので、鍵盤楽器20の側に居るユーザは、発音された音高で、リモコン30の方向をおおよそ知ることができ、また、発音された音量で、リモコン30の距離をおおよそ知ることができる。よって、リモコン30が反応しない場合やその反応をユーザが認識できない場合であっても、鍵盤楽器20側の報知動作からリモコン30の所在を容易に知ることができる。例えば、鍵盤楽器20での発音を聞くことで、リモコン30が近くにあるのか、それとも反応に気が付かないだけなのか、あるいは全く予想しないところにあるのか等の状況を把握でき、探す手間を少なくすることができる。
また、リモコン30における所在報知用信号は、鍵盤楽器20から発信される探索用信号に応答して発信されるので、鍵盤楽器20側から必要時にリモコン30を能動的に探すことができる。
なお、本実施の形態では、所在報知用信号は探索用信号に対する応答動作として発信されるものとしたが、リモコン30の所在を鍵盤楽器20に把握させるという観点からは、リモコン30が所在報知用信号を自発的に発信するように構成してもよい。その場合、例えば、図3に示すタイマ38による計時に基づき、出力回路39が所在報知用信号を定期的に生成・出力することで、アンテナ部33sから所在報知用信号が定期的に発信されるようにすればよい。このようにすることで、鍵盤楽器20側で、リモコン30の所在を常に把握することができる。この場合の報知動作は、煩雑さを回避するべく、例えば、表示装置19による可視表示とするのが望ましい。
なお、本実施の形態では、両アンテナ部21L、21Rでの各受信強さの比に基づいてリモコン30の所在方向を推測するようにしたが、所在方向の推測手法はこれに限定されない。例えば、各受信強さの差により推測してもよい。また、理論的には、両アンテナ部21L、21Rでの受信の時間差に基づいて推測してもよく、この場合は、伝送速度の遅い、例えば、超音波等を無線通信に用いることで実現可能である。
また、アンテナ部21の遮蔽板23の向きは、例示したものに限定されず、所在報知用信号の発信元の位置によって両アンテナ部21L、21Rに受信強さの差が生じやすいようにすることができれば、種々の向きを採用可能である。例えば、両アンテナ棒22L、22Rの各左右方向外側部分が開放されるように遮蔽板23の向きを設定することで、リモコン30が鍵盤楽器20の後方に存在する場合にも、精度良く所在位置を推測できるようにしてもよい。さらに、遮蔽板23の形状や、アンテナ棒22を覆う範囲も例示に限定されない。なお、両アンテナ部21L、21Rに受信強さの差が生じやすいように構成できるならば、遮蔽板23を用いる必要はない。
なお、図4の例において、アンテナ部21を1本とし、遮蔽板23に相当する部材がアンテナ棒22の周りをパトライトのように回転するように構成し、所在報知用信号の受信強さと受信強さの時間的変化とに基づいて所在方向を推測するようにしてもよい。
なお、リモコン30の所在方向を知るという効果の点では劣るが、アンテナ部21を単に1本とすることで、構成が簡単になる。
なお、アンテナ部は、2つでなく、次に例示するように、3つ以上設けることで、推測精度を向上させてもよい。図6は、アンテナ部を3つ設けた鍵盤楽器のアンテナ部を示す模式図であり、アンテナ部121L、121R、121Bが設けられている。
アンテナ部121Lは、アンテナ棒122L及び遮蔽板123Lで構成され、アンテナ部121Rは、アンテナ棒122R及び遮蔽板123Rで構成される。アンテナ棒122L、122Rの構成及び配置位置は、図4に示すアンテナ棒22L、22Rと同様である。遮蔽板123L、123Rは、図4に示す遮蔽板23L、23Rに対し、アンテナ棒122L、122Rを覆う範囲のみが異なる。
すなわち、図6に示すように、鍵並び方向に沿う直線PL0を基準とすると、遮蔽板123Lは、−15°〜+105°の範囲でアンテナ棒122Lを覆い、遮蔽板123Rは、+75°〜+195°の範囲でアンテナ棒122Rを覆う。アンテナ部121Bは、アンテナ棒122B及び遮蔽板123Bで構成され、鍵盤楽器の最後部であって鍵並び方向におけるアンテナ部121Lとアンテナ部121Rとの略中間位置に配置される。直線PL0を基準とすると、遮蔽板123Bは、−150°〜−30°の範囲でアンテナ棒121Bを覆う。
ここで、図4で例示したのと同様に、図6に示すように、直線PL11、PL12で区切られる領域を領域AGL1、AGM1、AGR1とし、直線PL13、PL14で区切られる領域を領域AGL2、AGM2、AGR2とし、直線PL15、PL16で区切られる領域を領域AGL3、AGM3、AGR3とする。なお、領域AGL1と領域AGR3、領域AGR1と領域AGL2とは、それぞれ実質的に同じ領域である。
そして、図4の例と同様に、リモコン30のアンテナ部33sがアンテナ棒121L、121R、121Bの方を向いていることを前提として、リモコン30が存在する領域では、各アンテナ部121が探索用信号を良好に受信するので、各アンテナ部121における受信強さの比から、リモコン30がどの領域に存在するのかを判定することができる。しかも、図6の例では、図4の例に比し、リモコン30が存在するであろう領域を、鍵盤楽器の後方の領域も含めて一層細かい区分で判定でき、広い範囲において、リモコン30の所在を一層詳細に知ることができる。
なお、本実施の形態では、報知動作において、リモコン30の所在方向及び距離に応じた音高、音量で発音する構成を例示したが、これに限られず、例えば、所在方向または距離に応じて、発音される音の音量、音高、音色及び音長の少なくとも1つを可変制御するようにしてもよい。また、所在方向及び距離の段階は3段階に限らず、より細かく区分してもよい。
なお、本実施の形態では、例えば、図4の例において、直線PL1、PL2で区切られる、領域AGL、AGM、AGR以外の領域、すなわち、領域AGMの前後対称の領域については、リモコン30の所在を判定しないこととしたが、該領域についても、受信電波の振幅を領域AGMの場合と比較する等によって判定可能であるので、判定の対象としてもよい。また、図6の例の場合も同様であり、上記判定対象とした領域以外の領域についても、判定の対象としてもよい。
また、報知動作時に発音と同時になされる鍵の被押鍵動作は、ユーザの任意により解除可能にしてもよい。あるいは、報知動作時には、サイレントモードに自動的に切り替え、鍵の動作とヘッドホンでの発音とで報知されるようにしてもよい。
また、報知動作として、単なる発音ではなく、所定の楽曲が演奏されるように構成してもよい。その場合、所在報知用信号の受信状況に応じて楽曲が選択されるようにしてもよい。あるいは、所定の楽曲の演奏に際し、所在報知用信号の受信状況に応じて、移調したり、オクターブを変更したりするほか、演奏時の音色、付与効果等を異ならせるようにしてもよい。
なお、本実施の形態では、報知動作は、楽音の発生及び対応鍵の自動被押鍵動作という形でなされることとしたが、リモコン30の所在をユーザに知らせることができればよく、これに限定されない。例えば、所定の歌詞やメッセージの音声としての発生や、所定の歌詞やメッセージの可視表示等でもよい。あるいは、ペダルスイッチ部28等の物理的動作でもよい。
例えば、可視表示を用いた報知動作としては、次の例が挙げられる。図4の構成を例にとると、表示装置19において、領域AGL、AGM、AGRに対応して表示領域を3つに区分し、リモコン30が存在すると判定された領域に対応する表示領域を点滅等によって視覚的に認識させることで、リモコン30の所在を知らせるようにしてもよい。また、その際、リモコン30の距離に応じて、表示領域の点灯乃至点滅の態様(明るさ、点滅速度等)を異ならせるようにしてもよい。
なお、報知動作は、所在報知用信号の受信に伴い必ず実行されるようにする必要はない。通常は、探索用信号に基づくリモコン30における発音及び発光のみによってユーザがリモコン30の所在を把握できることが多い。従って、例えば、所在報知用信号の受信が所定時間なかった後、1回目に所在報知用信号が受信された場合は、報知動作を行わず、リモコン30での発音及び発光のみが行われるようにし、2回目に所在報知用信号が受信された場合に報知動作が実行されるようにしてもよい。あるいは、前回のリモコン30の所在方向及び距離をRAM7等に記憶しておき、今回の所在方向及び距離が前回と全く同じである場合は、報知動作を禁止するように制御してもよい。これらのようにすることで、過剰な報知動作による煩わしさが回避される。
また、報知動作の実行タイミングを、リモコン30における発音及び発光のタイミングより少し(数秒)遅らせることで、報知動作及びリモコン30での反応がそれぞれ認識されやすくなるようにしてもよい。
なお、鍵盤楽器20における探索用信号の発信及び所在報知用信号の受信を、自動的に常時乃至定期的に行うものとし、報知動作自体を行うか否かをモード切り替えにより選択可能に構成してもよい。これにより、所望の時に速やかに報知動作を行わせることができる。
なお、本実施の形態では、探索用信号を発信させるための動作として、最低音域の3鍵及び主電源スイッチ27の同時操作という動作態様を例示したが、これに限るものでない。例えば、探索用信号は、ペダルスイッチ部28及び主電源スイッチ27の同時操作により、あるいは主電源スイッチ27による電源投入時毎に発信されるようにしてもよい。あるいは、鍵盤1で、ユーザが特定のフレーズを弾いたことに応じて発信されるようにしてもよい。また、探索用信号発信のための専用キーを設けてもよい。また、メンテナンスする場合のモードにおいて、隠しコマンドの入力等により発信されるようにしてもよい。
なお、本実施の形態では、鍵盤楽器20とリモコン30との間の無線通信手段として、IEEE802.11b規格を用いるとしたが、これに限定されるものでなく、IEEEで検討中の他の方式でもよく、Bluetooth(登録商標)、Home RF(Home Radio Frequency)(登録商標)といった他の通信方式に準拠した方式であっても構わない。また、超音波や赤外線も適用可能である。また、リモコン30の所在検知にかかわる探索用信号及び所在報知用信号と、鍵盤楽器20の通常の処理動作指示にかかわる動作指示信号とは、基づく通信規格が異なる種類のものであってもよい。
なお、構成を簡単にする観点からは、リモコン30において発音及び発光する構成はなくてもよい。
なお、演奏システムを構成する演奏装置として鍵盤楽器20を例示したが、これに限るものでなく、例えば、管楽器、弦楽器、オルゴール等の演奏装置も適用可能である。
1 鍵盤、 5 CPU(報知動作制御手段)、 11 無線通信部(所在報知用無線信号受信手段の一部、探索用無線信号発信手段の一部)、 17 サウンドシステム(報知手段)、 20 鍵盤楽器(演奏装置)、 21 アンテナ部(所在報知用無線信号受信手段の一部、探索用無線信号発信手段の一部)、 30 リモコン(リモコン装置)、 33s アンテナ部(所在報知用無線信号発信手段の一部)、 33r アンテナ部(探索用無線信号受信手段の一部)、 40 受信部(探索用無線信号受信手段の一部)、 41 発信部(所在報知用無線信号発信手段の一部)
Claims (9)
- 受信される動作指示信号に従って処理動作を行う演奏装置と、該演奏装置とは別体に構成され、該演奏装置に対して前記動作指示信号を発信するリモコン装置とで構成される演奏システムであって、
前記リモコン装置は、
前記動作指示信号とは別に、所在を前記演奏装置に知らせるための所在報知用無線信号を発信する所在報知用無線信号発信手段を有し、
前記演奏装置は、
前記リモコン装置の所在をユーザに知らせるための報知動作を行う報知手段と、
前記リモコン装置の前記所在報知用無線信号発信手段により発信された所在報知用無線信号を受信する所在報知用無線信号受信手段と、
前記所在報知用無線信号受信手段による前記所在報知用無線信号の受信状況に応じた態様で前記報知手段に報知動作させるように制御する報知動作制御手段とを有することを特徴とする演奏システム。 - 前記報知手段による報知動作は発音動作であり、前記報知動作制御手段は、前記所在報知用無線信号受信手段による前記所在報知用無線信号の受信状況に基づいて、前記報知手段により発音される音の音量、音高、音色及び音長の少なくとも1つを可変制御することを特徴とする請求項1記載の演奏システム。
- 前記報知動作制御手段は、前記所在報知用無線信号受信手段による前記所在報知用無線信号の受信強さに応じて、前記報知手段による報知動作を制御することを特徴とする請求項1または2記載の演奏システム。
- 前記所在報知用無線信号受信手段は、前記演奏装置の異なる位置に設置された複数のアンテナ部を含み、前記報知動作制御手段は、前記複数のアンテナ部の各々で受信される各所在報知用無線信号の受信状況に基づいて前記リモコン装置の所在方向を推測し、該推測した所在方向に応じて、前記報知手段による報知動作を制御することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の演奏システム。
- 前記演奏装置は、前記リモコン装置を探索するための探索用無線信号を発信する探索用無線信号発信手段を有すると共に、前記リモコン装置は、前記演奏装置の前記探索用無線信号発信手段により発信された探索用無線信号を受信する探索用無線信号受信手段を有し、前記リモコン装置の前記所在報知用無線信号発信手段は、前記探索用無線信号受信手段により受信された探索用無線信号に応答して前記所在報知用無線信号を発信することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の演奏システム。
- 前記リモコン装置の前記所在報知用無線信号発信手段は、前記所在報知用無線信号を自発的に且つ定期的に発信することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の演奏システム。
- 動作指示信号及び該動作指示信号とは別に所在を知らせるための所在報知用無線信号を発信するように構成されるリモコン装置とは別体に構成され、前記動作指示信号を受信し該受信した動作指示信号に従って処理動作を行う演奏装置であって、
前記リモコン装置の所在をユーザに知らせるための報知動作を行う報知手段と、
前記リモコン装置から発信された所在報知用無線信号を受信する所在報知用無線信号受信手段と、
前記所在報知用無線信号受信手段による前記所在報知用無線信号の受信状況に応じた態様で前記報知手段に報知動作させるように制御する報知動作制御手段とを有することを特徴とする演奏装置。 - 所在報知用無線信号を受信してその受信状況に応じた態様で当該リモコン装置の所在をユーザに知らせるための報知動作を行うように構成される演奏装置とは別体に構成され、前記演奏装置に処理動作を行わせるための動作指示信号を発信するリモコン装置であって、
前記動作指示信号とは別に、所在を前記演奏装置に知らせるために前記所在報知用無線信号を発信する所在報知用無線信号発信手段を有することを特徴とするリモコン装置。 - 受信される動作指示信号に従って処理動作を行う演奏装置と、該演奏装置とは別体に構成され、該演奏装置に対して前記動作指示信号を発信するリモコン装置とで構成される演奏システムを制御する、演奏システムの制御方法であって、
前記リモコン装置は、前記動作指示信号とは別に、所在を前記演奏装置に知らせるための所在報知用無線信号を発信し、
前記演奏装置は、前記リモコン装置により発信された所在報知用無線信号を受信し、該所在報知用無線信号の受信状況に応じた態様で、前記リモコン装置の所在をユーザに知らせるための報知動作を行うことを特徴とする演奏システムの制御方法。
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---|---|---|---|
JP2004172655A JP2005037907A (ja) | 2003-06-26 | 2004-06-10 | 演奏システム及び該システムの制御方法、演奏装置、並びにリモコン装置 |
Applications Claiming Priority (2)
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JP2003182856 | 2003-06-26 | ||
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006352224A (ja) * | 2005-06-13 | 2006-12-28 | Sharp Corp | リモコン位置検知システムおよびリモコン位置検知方法 |
-
2004
- 2004-06-10 JP JP2004172655A patent/JP2005037907A/ja not_active Withdrawn
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