JP2005037607A - プラズマディスプレイ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のプラズマディスプレイ装置においては、スキャンドライバ回路にのみ維持パルス発生回路121を設け、維持放電時に放電電流がスキャンドライバ回路からパネル内電極を通してサステインドライバ回路へ流れるときも、サステインドライバ回路からパネル内電極を通してスキャンドライバ回路に流れ込むときも維持パルス発生回路以外では同じスイッチ素子、同じ銅箔パターンを経由するように回路を構成する。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、大画面で、薄型、軽量のディスプレイ装置として知られているプラズマディスプレイ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プラズマディスプレイ装置は、液晶パネルに比べて高速の表示が可能であり、視野角が広いこと、大型化が容易であること、自発光型であるため表示品質が高いことなどの理由から、フラットパネルディスプレイ技術の中で最近特に注目を集めている。
【0003】
一般に、このプラズマディスプレイ装置では、ガス放電により紫外線を発生させ、この紫外線で蛍光体を励起して発光させカラー表示を行っている。そして、基板上に隔壁によって区画された表示セルが設けられており、これに蛍光体層が形成されている構成を有する。
【0004】
このプラズマディスプレイ装置には、大別して、駆動的にはAC型とDC型があり、放電形式では画放電型と対向放電型の2種類があるが、高精細化、大画面化および製造の簡便性から、現状では、プラズマディスプレイ装置の主流は、3電極構造の画放電型のもので、その構造は、一方の基板上に平行に隣接した表示電極対を有し、もう一方の基板上に表示電極と交差する方向に配列されたデータ電極と、隔壁、蛍光体層を有するもので、比較的蛍光体層を厚くすることができ、蛍光体によるカラー表示に適している。
【0005】
従来のAC型プラズマディスプレイパネル(以下、パネルという)の一部斜視図を図6に示す。図6に示すように、第一のガラス基板1上には誘電体層2および保護膜3で覆われたスキャン電極4とサステイン電極5とが対を成して互いに平行に付設されている。第二のガラス基板6上には絶縁体層7で覆われたデータ電極8が付設され、データ電極8の間の絶縁体層7上にデータ電極8と平行して隔壁9が設けられている。また、絶縁体層7の表面からと隔壁9の側面にかけて蛍光体10が設けられ、スキャン電極4およびサステイン電極5とデータ電極8とが直交するように第一のガラス基板1と第二のガラス基板6とが放電空間11を挟んで対向して配置されている。放電空間11には、放電ガスとして、ヘリウム、ネオン、アルゴン、キセノンの内少なくとも1種類の希ガスが封入されており、隣接する二つの隔壁9に挟まれ、データ電極8と対向する対をなすスキャン電極4とサステイン電極5との交差部の放電空間には放電セル12が構成されている。
【0006】
次に、このパネルの電極配列図を図7に示す。図7に示すように、このパネルの電極配列はm×nのマトリックス構成である、列方向にはm列のデータ電極D1〜Dmが配列されており、行方向にはn行のスキャン電極SCN1〜SCNnおよびサステイン電極SUS1〜SUSnが配列されている。また、図6に示した放電セル12は図7に示すように構成されている。
【0007】
このパネルを駆動するための従来の駆動方法の動作タイミング図を図8に示す。この駆動方法は256階調の階調表示を行うためのものであり、1フィールド期間を8個のサブフィールドで構成している。以下、従来のパネルの駆動方法について図6〜図8を用いて説明する。
【0008】
図8に示すように、第1ないし第8のサブフィールドはそれぞれ初期化期間、書き込み期間、維持期間および消去期間から構成されている。まず、第1のサブフィールドにおける動作について説明する。
【0009】
図8に示すように、初期化期間の前半の初期化動作において、全てのデータ電極D1〜Dmおよび全てのサステイン電極SUS1〜SUSnを0(V)に保持し、全てのスキャン電極SCN1〜SCNnには、全てのサステイン電極SUS1〜SUSnに対して放電開始電圧以下となる電圧Vp(V)から、放電開始電圧を超える電圧Vr(V)に向かって緩やかに上昇するランプ電圧を印加する。このランプ電圧が上昇する間に、全ての放電セル12において、全てのスキャン電極SCN1〜SCNnから全てのデータ電極D1〜Dmおよび全てのサステイン電極SUS1〜SUSnにそれぞれ一回目の微弱な初期化放電が起こり、スキャン電極SCN1〜SCNn上の保護膜3の表面に負の壁電圧が蓄積されるとともに、データ電極D1〜Dm上の絶縁体層7の表面およびサステイン電極SUS1〜SUSn上の保護膜3の表面には正の壁電圧が蓄積される。
【0010】
さらに、初期化期間の後半の初期化動作において、全てのサステイン電極SUS1〜SUSnを正電圧Vh(V)に保ち、全てのスキャン電極SCN1〜SCNnには、全てのサステイン電極SUS1〜SUSnに対して放電開始電圧以下となる電圧Vq(V)から放電開始電圧を超える−Va(V)に向かって緩やかに下降するランプ電圧を印加する。このランプ電圧が下降する間に、再び全ての放電セル12において、全てのサステイン電極SUS1〜SUSnから全てのスキャン電極SCN1〜SCNnにそれぞれ二回目の微弱な初期化放電が起こり、スキャン電極SCN1〜SCNn上の保護膜3表面の負の壁電圧およびサステイン電極SUS1〜SUSn上の保護膜3表面の正の壁電圧が弱められる。一方、データ電極D1〜Dm上の絶縁体層7の表面の正の壁電圧はそのまま保たれる。以上により初期化期間の初期化動作が終了する。
【0011】
次の書き込み期間の書き込み動作において、全てのスキャン電極SCN1〜SCNnをVs(V)に保持し、データ電極D1〜Dmのうち、第一行目に表示すべき放電セル12に対応する所定のデータ電極に正の書き込みパルス電圧Vw(V)を、第一行目のスキャン電極SCN1にスキャンパルス電圧−Va(V)をそれぞれ印加する。このとき、所定のデータ電極とスキャン電極SCN1との交差部における絶縁体層7の表面とスキャン電極SCN1上の保護膜3の表面との間の電圧は、書き込みパルス電圧Vw(V)にデータ電極D1〜Dm上の絶縁体層7の表面の正の壁電圧が加算されたものとなるため、この交差部において、所定のデータ電極とスキャン電極SCN1との間およびサステイン電極SUS1とスキャン電極SCN1との間に書き込み放電が起こり、この交差部のスキャン電極SCN1上の保護膜3表面に正電圧が蓄積され、サステイン電極SUS1上の保護膜3表面に負電圧が蓄積され、書き込み放電が起こったデータ電極上の絶縁体層7の表面に負電圧が蓄積される。
【0012】
次に、データ電極D1〜Dmのうち、第二行目に表示すべき放電セル12に対応する所定のデータ電極に正の書き込みパルス電圧Vw(V)を、第二行目のスキャン電極SCN2にスキャンパルス電圧−Va(V)をそれぞれ印加する。このとき、所定のデータ電極とスキャン電極SCN2との交差部における絶縁体層7の表面とスキャン電極SCN2上の保護膜3の表面との間の電圧は、書き込みパルス電圧Vw(V)に所定のデータ電極上の絶縁体層7の表面の正の壁電圧が加算されたものとなるため、この交差部において、所定のデータ電極とスキャン電極SCN2との間およびサステイン電極SUS2とスキャン電極SCN2との間に書き込み放電が起こり、この交差部のスキャン電極SCN2上の保護膜3表面に正電圧が蓄積され、サステイン電極SUS2上の保護膜3表面に負電圧が蓄積される。
【0013】
同様な動作が引き続いて行われ、最後に、データ電極D1〜Dmのうち、第n行目に表示すべき放電セル12に対応する所定のデータ電極に正の書き込みパルス電圧Vw(V)を、第n行目のスキャン電極SCNnにスキャンパルス電圧−Va(V)をそれぞれ印加する。このとき、所定のデータ電極とスキャン電極SCNnとの交差部において、所定のデータ電極とスキャン電極SCNnとの間およびサステイン電極SUSnとスキャン電極SCNnとの間に書き込み放電が起こり、この交差部のスキャン電極SCNn上の保護膜3表面に正電圧が蓄積され、サステイン電極SUSn上の保護膜3表面に負電圧が蓄積され、書き込み放電が起こったデータ電極上の絶縁体層7の表面に負電圧が蓄積される。以上により書き込み期間における書き込み動作が終了する。
【0014】
続く維持期間において、先ず、全てのスキャン電極SCN1〜SCNnおよびサステイン電極SUS1〜SUSnを0(V)に一旦戻した後、全てのスキャン電極群SCN1〜SCNnに正の維持パルス電圧Vm(V)を印加すると、書き込み放電を起こした放電セル12におけるスキャン電極SCN1〜SCNn上の保護膜3とサステイン電極SUS1〜SUSn上の保護膜3との間の電圧は、維持パルス電圧Vm(V)に、書き込み期間において蓄積されたスキャン電極SCN1〜SCNn上の保護膜3表面の正電圧およびサステイン電極SUS1〜SUSn上の保護膜3表面の負電圧が加算されたものとなる。このため、書き込み放電を起こした放電セルにおいて、スキャン電極SCN1〜SCNnとサステイン電極SUS1〜SUSnとの間に維持放電が起こり、この維持放電を起こした放電セルにおけるスキャン電極SCN1〜SCNn上の保護膜3表面に負電圧が蓄積され、サステイン電極SUS1〜SUSn上の保護膜3表面に正電圧が蓄積される。その後、維持パルス電圧は0(V)に戻る。
【0015】
続いて、全てのサステイン電極SUS1〜SUSnに正の維持パルス電圧Vm(V)を印加すると、維持放電を起こした放電セル12におけるサステイン電極SUS1〜SUSn上の保護膜3とスキャン電極SCN1〜SCNn上の保護膜3との間の電圧は、維持パルス電圧Vm(V)に、直前の維持放電によって蓄積されたスキャン電極SCN1〜SCNn上の保護膜3表面の負電圧およびサステイン電極SUS1〜SUSn上の保護膜3表面の正電圧が加算されたものとなる。このため、この維持放電を起こした放電セルにおいて、サステイン電極SUS1〜SUSnとスキャン電極SCN1〜SCNnとの間に維持放電が起こることにより、その放電セルにおけるサステイン電極SUS1〜SUSn上の保護膜3表面に負電圧が蓄積され、スキャン電極SCN1〜SCNn上の保護膜3表面に正電圧が蓄積される。その後、前記維持パルス電圧は0(V)に戻る。
【0016】
以降同様に、全てのスキャン電極SCN1〜SCNnと全てのサステイン電極SUS1〜SUSnとに正の維持パルス電圧Vm(V)を交互に印加することにより、維持放電が継続して行われ、維持期間の最終において、全てのスキャン電極SCN1〜SCNnに正の維持パルス電圧Vm(V)を印加すると、維持放電を起こした放電セル12におけるスキャン電極SCN1〜SCNn上の保護膜3とサステイン電極SUS1〜SUSn上の保護膜3との間の電圧は、維持パルス電圧Vm(V)に、直前の維持放電によって蓄積されたスキャン電極SCN1〜SCNn上の保護膜3表面の正電圧とサステイン電極SUS1〜SUSn上の保護膜3表面の負電圧が加算されたものとなる。このため、この維持放電を起こした放電セルにおいて、スキャン電極SCN1〜SCNnとサステイン電極SUS1〜SUSnとの間に維持放電が起こることにより、その放電セルにおけるスキャン電極SCN1〜SCNn上の保護膜3表面に負電圧が蓄積され、サステイン電極SUS1〜SUSn上の保護膜3表面に正電圧が蓄積される。その後、維持パルス電圧は0(V)に戻る。以上により維持期間の維持動作が終了する。この維持放電により発生する紫外線で励起された蛍光体10からの可視発光を表示に用いている。
【0017】
続く消去期間において、全てのサステイン電極SUS1〜SUSnに0(V)からVe(V)に向かって緩やかに上昇するランプ電圧を印加すると、維持放電を起こした放電セル12において、スキャン電極SCN1〜SCNn上の保護膜3とサステイン電極SUS1〜SUSn上の保護膜3との間の電圧は、維持期間の最終時点における、スキャン電極SCN1〜SCNn上の保護膜3表面の負電圧およびサステイン電極SUS1〜SUSn上の保護膜3表面の正電圧がこのランプ電圧に加算されたものとなる。このため、維持放電を起こした放電セルにおいて、サステイン電極SUS1〜SUSnとスキャン電極SCN1〜SCNnとの間に微弱な消去放電が起こり、スキャン電極SCN1〜SCNn上の保護膜3表面の負電圧とサステイン電極SUS1〜SUSn上の保護膜3表面の正電圧が弱められて維持放電は停止する。以上により消去期間における消去動作が終了する。
【0018】
ただし、以上の動作において、表示が行われない放電セルに関しては、初期化期間に初期化放電は起こるが、書き込み放電、維持放電および消去放電は行われず、表示が行われない放電セルのスキャン電極SCN1〜SCNnとサステイン電極SUS1〜SUSnの保護膜3の表面の壁電圧、およびデータ電極D1〜Dm上の絶縁体層7の表面の壁電圧は、初期化期間の終了時の状態のまま保たれる。
【0019】
次に回路動作について説明する。ただし回路簡略化のためVp(V)=Vq(V)=Vm(V)、Vh(V)=Ve(V)とする。
【0020】
図9は従来のパネルおよび回路の構成図である。図9のプラズマディスプレイ装置は、PDP(プラズマディスプレイパネル)100、データドライバ回路200、スキャンドライバ回路300、およびサステインドライバ回路400を備えている。
【0021】
データドライバ回路200は、PDP100の複数のデータ電極8に接続されている。スキャンドライバ回路300は、PDP100の複数のスキャン電極4に接続されている。サステインドライバ回路400は、PDP100の複数のサステイン電極5に接続されている。また、複数のスキャンドライバ回路300は、維持期間において、周期的な維持パルスをPDP100の複数のスキャン電極4に印加する。一方サステインドライバ回路400は維持期間において、PDP100の複数のサステイン電極5にスキャン電極4の維持パルスに対して180度位相のずれた維持パルスを印加する。これにより、該当する放電セル12において維持放電が行われる。
【0022】
図10は、図9に示すスキャンドライバ回路300に用いられる回路構成を示す回路図である。スキャンドライバ回路300は、トランジスタQ11〜Q20、コンデンサC11〜C13、回収コイルL11、ダイオードD11、D12、スキャンドライバICDIを有し、スキャンドライバICDIは内部にトランジスタQ21、Q22を有している。コンデンサC11はパネル102の容量Cpsに対して、十分大きな容量値に設定されている。コンデンサC11、トランジスタQ11〜Q14、ダイオードD11、D12、回収コイルL11により維持パルス発生回路101が構成されている。
【0023】
コンデンサC11はノード11と接地端子との間に接続されている。トランジスタQ11およびダイオードD11は、ノードN11とノードN12との間に直列に接続され、ダイオードD12およびトランジスタQ12は、ノードN12とノードN11との間に直列に接続されている。トランジスタQ11のゲートには制御信号S11が入力され、トランジスタQ12のゲートには制御信号S12が入力される。また、回収コイルL11は、ノードN12とノードN13との間に接続されている。
【0024】
トランジスタQ13は、電源Vm(V)とノードN13との間に接続され、そのゲートには制御信号S13が入力される。トランジスタQ14は、ノードN13と接地端子の間に接続され、そのゲートには制御信号S14が入力される。
【0025】
トランジスタQ15は、電源Vr(V)とノードN14に接続され、そのゲートには制御信号S15が入力される。コンデンサC12は、トランジスタQ15のゲート−ドレイン間に接続される。トランジスタQ16は、ノードN13とノードN14との間に接続され、そのゲートには制御信号S16が入力される。
【0026】
トランジスタQ17は、ノードN14とノードN15との間に接続され、そのゲートには制御信号S17が入力される。トランジスタQ18は、ノードN15と電源−Va(V)との間に接続され、そのゲートには制御信号S18が入力される。コンデンサC13は、トランジスタQ18のゲート−ドレイン間に接続される。
【0027】
トランジスタQ19は電源Vs(V)とノードN16との間に接続され、そのゲートには制御信号S19が入力される。トランジスタQ20は、ノードN15とノードN16との間に接続され、そのゲートには制御信号S20が接続されている。
【0028】
スキャンドライバICDIの入力側は、ノードN16およびノードN17に接続され、出力側はPDP100、すなわちスキャン電極4と接地端子との容量に相当するパネル容量Cpsに接続される。なお、制御信号S11〜S20は、垂直同期信号および水平同期信号を基にスキャンドライバ回路300内で発生する信号であり、制御信号S11〜S20によりトランジスタQ11〜Q20のオン/オフ状態が制御される。
【0029】
図11は、図9に示すサステインドライバ回路400の構成を示す回路図である。図11に示すサステインドライバ回路400は、トランジスタQ31〜Q35、ダイオードD31からD33、コンデンサC31、C32および回収コイルL31を有している。コンデンサC31はパネル112の容量Cpuに対して、十分大きな容量値に設定されている。また、コンデンサC31、トランジスタQ31〜Q34、ダイオードD31、D32、回収コイルL31により維持パルス発生回路111が構成されている。
【0030】
コンデンサC31は、ノードN31と接地端子との間に接続され、トランジスタQ31およびダイオードD31は、ノードN31とノードN32との間に直列に接続され、ダイオードD32およびトランジスタQ32は、ノードN32とノードN31との間に直列に接続されている。トランジスタQ31のゲートには制御信号S31が入力され、トランジスタQ32のゲートには制御信号S32が入力される。回収コイルL31は、ノードN32とノードN33との間に接続されている。
【0031】
トランジスタQ33は、電源Vm(V)とノードN33との間に直列に接続され、トランジスタQ33のゲートには制御信号S33が入力される。トランジスタQ34は、ノードN33と接地端子との間に接続され、そのゲートには制御信号S34が入力される。ダイオードD33とトランジスタQ35は電源Ve(V)とノードN33との間に接続され、そのゲートには制御信号S35が入力される。コンデンサC32はトランジスタQ35のゲート−ドレイン間に接続されている。ノードN33は、PDP100すなわちサステイン電極5と接地端子との間の全容量に相当するパネル容量Cpuに接続されている。なお、制御信号S31〜S35は、垂直同期信号および水平同期信号等を基にサステインドライバ回路400内で発生される信号であり、制御信号S31〜S35によりトランジスタQ31〜Q35のオン/オフ状態が制御される。
【0032】
図8は図1のPDP100におけるデータ電極8、スキャン電極4およびサステイン電極5の駆動電圧の一例を示すタイミング図である。
【0033】
まず、初期状態は、すべてのトランジスタはオフ状態とし、コンデンサC11、C12にはVm/2(V)の電荷が充電されているものとする。また、スキャンドライバICDI内のトランジスタQ21、Q22は、書き込み期間以外ではトランジスタQ21がオフ、トランジスタQ22がオンを維持しているものとする。第1のサブフィールドにおける初期化期間の前半の初期化動作において、データドライバ回路200によりすべてのデータ電極を0(V)に保持し、サステインドライバ回路400のトランジスタQ34がオンし、すべてのサステイン電極5を0(V)に保持する。このとき、スキャンドライバ回路300のトランジスタQ11、Q16、Q17がオンし、各スキャン電極4の電圧がスキャンドライバICDI内のトランジスタQ22を介して回収コイルL11とパネル容量CpsとのLC共振によりすべてのサステイン電極に対して放電開始電圧以下となるVm(V)まで上昇する。続いてトランジスタQ13がオンし、スキャン電極4に対しVm(V)を安定して供給する。
【0034】
その後、スキャンドライバ回路300のトランジスタQ13がオン、トランジスタQ16がオフ、トランジスタQ15がオンしてミラー積分回路を構成するトランジスタQ15、コンデンサC12により、電圧Vm(V)から放電開始電圧を超える電圧Vr(V)に向かって緩やかに上昇するランプ電圧がスキャンドライバICDI内のトランジスタQ22を介して各スキャン電極4に印加される。このランプ電圧が上昇する間に、すべての放電セル12において、すべてのスキャン電極4からすべてのデータ電極8およびすべてのサステイン電極5にそれぞれ1回目の微弱な初期化放電が起こり、スキャン電極4の壁電圧が蓄積されると共に、データ電極8およびサステイン電極5に正の壁電荷が蓄積される。
【0035】
次に、初期化期間の後半の初期化動作において、サステインドライバ回路400のトランジスタQ34がオフ、トランジスタQ35がオンしてミラー積分回路を構成するトランジスタQ35、コンデンサC32によりすべてのサステイン電極5が電圧Ve(V)に保持される。このとき、スキャンドライバ回路300のトランジスタQ16がオン、トランジスタQ15がオフ、すべてのスキャン電極4の電圧が、スキャンドライバICDI内のトランジスタQ22を介して回収コイルL11とパネル容量CpsとのLC共振により、すべてのサステイン電極5に対して放電開始電圧以下となる電圧Vm(V)まで降下する。
【0036】
その後、スキャンドライバ回路300のトランジスタQ17がオフ、トランジスタQ18がオンし、ミラー積分回路を構成するトランジスタQ18とコンデンサC13により、電圧Vm(V)から放電開始電圧を超える−Va(V)に向かって緩やかに降下するランプ電圧がスキャンドライバICDI内のトランジスタQ22を介して各スキャン電極4に印加される。このランプ電圧が降下する間に、再びすべての放電セル12において、すべてのサステイン電極5からすべてのスキャン電極4にそれぞれ2回目の微弱な初期化放電が起こり、スキャン電極4の負の壁電圧、およびサステイン電極5の正の壁電圧が弱められる。このとき、スキャン電極4とデータ電極8との間にも同じ放電が起こり、スキャン電極4の負の壁電圧およびデータ電極8の正の壁電荷がわずかに弱められる。以上により、初期化期間の初期化動作が終了する。
【0037】
次に書き込み期間の書き込み動作において、スキャンドライバ回路300のトランジスタQ19がオン、Q20がオフし、スキャンドライバICDIにベース電圧として電圧−Va(V)が供給され、電源電圧として電圧Vs(V)が供給される。また、スキャンドライバICDIの内部回路のトランジスタQ21、Q22が所定のタイミングでオン/オフされ、書き込み期間の初期には、すべてのスキャン電極4を電圧Vs(V)に保持する。その後、映像信号に応じてオンまたはオフする書き込みパルス電圧Vw(V)がデータドライバ回路200により各データ電極8に印加され、この書き込みパルスに同期してスキャンドライバ回路300のスキャンドライバICDI内のトランジスタQ21、Q22が所定のタイミングでオン/オフされ、複数のスキャン電極4にスキャンパルス電圧−Va(V)が順に印加される。
【0038】
このとき、表示すべき放電セル12に対応するデータ電極8とスキャン電極4との間の電圧は、書き込みパルス電圧Vw(V)と電圧−Va(V)との差電圧に、初期化期間にスキャン電極4とデータ電極8のそれぞれに蓄積された壁電圧が、さらに加算されたものとなる。したがって、データ電極8とスキャン電極4との間およびサステイン電極5とスキャン電極4との間に書き込み放電が起こり、スキャン電極4に正の壁電圧が蓄積され、サステイン電極5に負の壁電圧が蓄積され、データ電極8の負の壁電圧が蓄積される。
【0039】
次に、維持期間においてスキャンドライバ回路300のトランジスタQ11、Q13、Q19がオフ、トランジスタQ14、Q16、Q17がオンして、スキャン電極4に0(V)が供給された後、トランジスタQ14がオフ、トランジスタQ11がオンし、すべてのスキャン電極4には、回収コイルL11とパネル容量CpsとのLC共振によりスキャンドライバICDI内部のトランジスタQ22を介して0(V)から維持パルス電圧Vm(V)まで上昇する維持パルスが印加され、続いてトランジスタQ13がオンし、維持パルス電圧Vm(V)が安定して供給される。一方、サステインドライバ回路400のトランジスタQ35がオフし、トランジスタQ32がオンし、続いてトランジスタQ34がオンしてすべてのサステイン電極5は回収コイルL11とパネル容量CpsとのLC共振により0(V)が供給される。
【0040】
このとき書き込み放電を起こした放電セル12におけるスキャン電極4とサステイン電極5との間の電圧は、維持パルス電圧Vm(V)に書き込み期間において蓄積されたスキャン電極4の正の壁電圧およびサステイン電極5の負の壁電圧が加算されたものとなる。このため、書き込み放電を起こした放電セル12において、スキャン電極4とサステイン電極5との間に維持放電が起こり、この維持放電を起こした放電セル12におけるスキャン電極4に負の壁電圧が蓄積され、サステイン電極5に正の壁電圧が蓄積される。
【0041】
続いてスキャンドライバ回路300のトランジスタQ11、Q13がオフ、トランジスタQ12がオンし、すべてのスキャン電極4には、回収コイルL11とパネル容量CpsとのLC共振により、スキャンドライバICDI内部のトランジスタQ22を介して維持パルス電圧Vm(V)から0(V)まで下降する維持パルスが印加され、続いてトランジスタQ14がオンし、0(V)が安定して供給される。一方サステインドライバ回路400のトランジスタQ32、Q34がオフし、トランジスタQ31がオンし、さらにトランジスタQ33がオンし、回収コイルL11とパネル容量CpsとのLC共振により、すべてのサステイン電極5に正の維持パルス電圧Vm(V)を印加すると、維持放電を起こした放電セル12におけるサステイン電極5とスキャン電極4との間の電圧は、維持パルス電圧Vm(V)に直前の維持放電により蓄積されたスキャン電極4の負の壁電圧およびサステイン電極5の正の壁電圧が加算されたものとなる。このため、この維持放電を起こした放電セル12において、サステイン電極5とスキャン電極4との間に維持放電が起こる。
【0042】
以降、同様にスキャンドライバ回路300およびサステインドライバ回路400により維持パルス電圧Vm(V)をスキャン電極4とサステイン電極5とに交互に印加し、維持放電が継続して行われる。維持期間の最後には、スキャン電極4はVm(V)から0(V)に下降させた電圧が印加され、サステイン電極5には0(V)が印加された状態で終了する。
【0043】
続いて消去期間においてスキャンドライバ回路300のトランジスタQ12、Q14がオンし、それ以外のトランジスタはオフする。一方、サステインドライバ回路400のトランジスタQ35がオンしてミラー積分回路を構成するトランジスタQ35、コンデンサC32によりすべてのサステイン電極5が電圧Ve(V)に保持される。
【0044】
従来のプラズマディスプレイ装置は、スキャンドライバ回路とサステインドライバ回路の回路構成が大きく異なっている。スキャンドライバ回路にはスキャン電極4に対して複数の電圧を供給するためスイッチ素子数が多く、維持パルス発生回路で発生した維持パルスはそれらのスイッチ素子を通る。一方、サステインドライバ回路は、維持パルス発生回路で発生した維持パルスはスイッチ素子を通ることなくサステイン電極に供給される。そのため回路および銅箔パターンのインピーダンス、インダクタンスの影響によって、維持期間中に維持放電が発生したとき、スキャンドライバ回路からパネル内電極を通してサステインドライバ回路に電流が流れ込むときと、それとは逆に、サステインドライバ回路からパネル内電極を通してスキャンドライバ回路に電流を流し込むときのスキャン電極−サステイン電極間の電位差が異なってしまい、輝度ムラや色度ムラなどの画質低下が発生していた。
【0045】
図12はスキャン電極4、サステイン電極5に印加される維持パルスと、そのときの発光波形を示した図であり、維持パルスの波形歪み量が異なるため、発光波形がスキャン電極4がVm(V)供給されるときと、サステイン電極がVm(V)供給されているときの発光波形も異なってしまい、歪み量が大きいと、1回の維持パルス供給にもかかわらず、発光が分散してしまう。一方、パネル電極のインピーダンスやインダクタンスによる輝度ムラ、画質ムラを改善する技術として、特許文献1に示す技術が知られている。
【0046】
【特許文献1】
特開平10−214056号公報
【0047】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記課題に鑑みなされたもので、大幅なコストアップをすることなく、しかも電力を上げることなく高画質化を図ることを目的とする。
【0048】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のプラズマディスプレイ装置は維持放電に必要な維持パルス電圧を発生する維持パルス発生回路をスキャンドライバ回路にのみ設けたもので、維持放電時に放電電流がスキャンドライバ回路からパネル内電極を通してサステインドライバ回路へ流れるときと、サステインドライバ回路からパネル内電極を通してスキャンドライバ回路に流れ込むときに、維持パルス発生回路以外では同じスイッチ素子、同じ銅箔パターンを経由するように回路を構成したものである。
【0049】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態によるプラズマディスプレイ装置について図面を参照しながら説明する。
【0050】
図1は、本発明の一実施の形態によるプラズマディスプレイ装置の構成を示すブロック図であり、PDP100、データドライバ回路200、スキャンドライバ回路500、およびサステインドライバ回路600を備える。
【0051】
データドライバ回路200は、PDP100の複数のデータ電極8に接続されている。スキャンドライバ回路500は、PDP100の複数のスキャン電極4に接続されている。サステインドライバ回路600は、PDP100の複数のサステイン電極5に接続されている。
【0052】
図2は本発明の駆動方法の動作タイミング図であり、図2に示すようにスキャンドライバ回路500は維持期間に0(V)からVm(V)と、−Vm(V)から0(V)の振幅の維持パルスを発生するように構成され、サステインドライバ回路600は維持期間にパルスを発生しない構成としている。
【0053】
図3は、図1に示すスキャンドライバ回路500に用いられる回路構成を示す回路図である。スキャンドライバ回路500は、トランジスタQ11〜Q20およびトランジスタQ41〜Q43、コンデンサC11〜C13、およびコンデンサC41、回収コイルL11、ダイオードD11、D12、D42、スキャンドライバICDIを有し、スキャンドライバICDIは、内部にトランジスタQ21、Q22を有している。コンデンサC11は、PDP100のパルス容量Cpsに対して、十分大きな容量値に設定されている。
【0054】
また、コンデンサC11は、ノード11とノード42との間に接続され、トランジスタQ11およびダイオードD11は、ノードN11とノードN12との間に直列に接続され、ダイオードD12およびトランジスタQ12は、ノードN12とノードN11との間に直列に接続されている。トランジスタQ11のゲートには制御信号S11が入力され、トランジスタQ12のゲートには、制御信号S12が入力される。回収コイルL11は、ノードN12とノードN13との間に接続されている。
【0055】
また、トランジスタQ13は、ノードN13とノードN41との間に接続され、そのゲートには制御信号S13が入力される。トランジスタQ14は、ノードN13とノードN42との間に接続され、そのゲートには制御信号S14が入力される。トランジスタQ41は電源Vm(V)とノードN41の間に接続され、そのゲートには制御信号S41が入力される。また、トランジスタQ42はノードN41と接地端子との間に接続され、そのゲートには制御信号S42が入力される。コンデンサC41はノードN41とノードN42の間に接続され、ダイオードD41とトランジスタQ43はノードN42と接地端子との間に直列に接続されている。そして、スイッチ素子としてのトランジスタQ11〜Q14およびトランジスタQ41〜Q43と、ダイオードD11、D12、D41と、コンデンサC11、C41と、回収コイルL11とによって維持パルス発生回路121が構成され、コンデンサC11、C41、回収コイルL11により電力回収回路が構成されている。
【0056】
トランジスタQ15は、電源Vr(V)とノードN14に接続され、そのゲートには制御信号S15が入力される。コンデンサC12は、トランジスタQ15のゲート−ドレイン間に接続され、トランジスタQ16は、ノードN13とノードN14との間に接続されており、そのゲートには制御信号S16が入力される。トランジスタQ17は、ノードN14とノードN15との間に接続され、そのゲートには制御信号S17が入力される。トランジスタQ18とダイオードD42は、ノードN15と電源−Va(V)との間に直列に接続され、そのゲートには制御信号S18が入力される。コンデンサC13は、トランジスタQ18のゲート−ドレイン間に接続されている。トランジスタQ19は電源Vs(V)とノードN16との間に接続され、そのゲートには制御信号S19が入力される。トランジスタQ20は、ノードN16とノードN17との間に接続され、そのゲートには制御信号S20が入力されている。
【0057】
また、スキャンドライバICDIの入力側は、ノードN16およびノードN15に接続され、出力側はPDP100、すなわちスキャン電極4と接地端子との容量に相当するパネル容量Cpsに接続されている。なお、制御信号S11〜S20、S41〜S43は、垂直同期信号および水平同期信号を基にスキャンドライバ回路500内で発生する信号であり、制御信号S11〜S20、S41〜S43によりトランジスタQ11〜Q20およびトランジスタQ41〜Q43のオン/オフ状態が制御される。
【0058】
図4は、図1に示すサステインドライバ回路600の構成を示す回路図である。図4に示すサステインドライバ回路600は、トランジスタQ34、Q35、コンデンサC32を有しており、トランジスタQ34は、ノードN33と接地端子との間に接続され、そのゲートには制御信号S34が入力される。トランジスタQ35は電源Ve(V)とノードN33との間に接続され、そのゲートには制御信号S35が入力される。コンデンサC32はトランジスタQ35のゲート−ドレイン間に接続されている。ノードN33は、PDP100、すなわちサステイン電極5と接地端子との間の全容量に相当するパネル容量Cpuに接続されている。なお、制御信号S34、S35は、垂直同期信号および水平同期信号等を基にサステインドライバ回路600内で発生される信号であり、制御信号S34、S35によりトランジスタQ34、Q35のオン/オフ状態が制御される。
【0059】
次に、図2、図5を用いて本発明のプラズマディスプレイ装置の回路動作について説明する。初期状態は、すべてのトランジスタはオフ状態とし、コンデンサC11にはVm/2(V)の電荷が充電されているものとする。また、スキャンドライバICDI内のトランジスタQ21、Q22は、書き込み期間以外ではトランジスタQ21がオフ、トランジスタQ22がオンを維持しているものとする。
【0060】
まず、第1のサブフィールドにおける初期化期間の前半の初期化動作において、データドライバ回路200によりすべてのデータ電極を0(V)に保持し、サステインドライバ回路600のトランジスタQ34がオンし、すべてのサステイン電極5を0(V)に保持する。このとき、スキャンドライバ回路500のトランジスタQ11、Q16、Q17がオンし、各スキャン電極4の電圧がスキャンドライバICDI内のトランジスタQ22を介して、回収コイルL11とパネル容量CpsとのLC共振によりすべてのサステイン電極に対して放電開始電圧以下となるVm(V)まで上昇する。その後、トランジスタQ41、Q13がオンしてスキャン電極4に対しVm(V)を安定して供給する。
【0061】
続いて、トランジスタQ16がオフ、トランジスタQ15がオンしてミラー積分回路を構成するトランジスタQ15、コンデンサC12により電圧Vm(V)から放電開始電圧を超える電圧Vr(V)に向かって緩やかに上昇するランプ電圧がスキャンドライバICDI内のトランジスタQ22を介して各スキャン電極4に印加される。このランプ電圧が上昇する間に、すべての放電セル12において、すべてのスキャン電極4からすべてのデータ電極8およびすべてのサステイン電極5にそれぞれ1回目の微弱な初期化放電が起こり、スキャン電極4の壁電圧が蓄積されると共に、データ電極8およびサステイン電極5に正の壁電荷が蓄積される。
【0062】
次に、初期化期間の後半の初期化動作においてサステインドライバ回路600のトランジスタQ34がオフ、トランジスタQ35がオンしてミラー積分回路を構成するトランジスタQ35、コンデンサC32によりすべてのサステイン電極5が電圧Ve(V)に保持される。このとき、スキャンドライバ回路500のトランジスタQ16がオン、トランジスタQ15がオフし、すべてのスキャン電極4の電圧が、スキャンドライバICDI内のトランジスタQ22を介して回収コイルL11とパネル容量CpsとのLC共振により、すべてのサステイン電極5に対して放電開始電圧以下となる電圧Vm(V)まで降下する。
【0063】
その後、スキャンドライバ回路500のトランジスタQ17がオフ、トランジスタQ18がオンし、ミラー積分回路を構成するトランジスタQ18とコンデンサC13により電圧Vm(V)から放電開始電圧を超える−Va(V)に向かって緩やかに降下するランプ電圧がスキャンドライバICDI内のトランジスタQ22を介して各スキャン電極4に印加される。このランプ電圧が降下する間に、再びすべての放電セル12において、すべてのサステイン電極5からすべてのスキャン電極4にそれぞれ2回目の微弱な初期化放電が起こり、スキャン電極4の負の壁電圧、およびサステイン電極5の正の壁電圧が弱められる。このとき、スキャン電極4とデータ電極8との間にも同じ放電が起こり、スキャン電極4の負の壁電圧およびデータ電極8の正の壁電荷がわずかに弱められる。以上により、初期化期間の初期化動作が終了する。
【0064】
次に書き込み期間の書き込み動作において、スキャンドライバ回路500のトランジスタQ19がオン、Q20がオフし、スキャンドライバICDIにベース電圧として電圧−Va(V)が供給され、電源電圧として電圧Vs(V)が供給される。また、スキャンドライバICDIの内部回路のトランジスタQ21、Q22が所定のタイミングでオン/オフされ、書き込み期間の初期には、すべてのスキャン電極4を電圧Vs(V)に保持する。その後、映像信号に応じてオンまたはオフする書き込みパルス電圧Vw(V)がデータドライバ回路200により各データ電極8に印加され、この書き込みパルスに同期してスキャンドライバ回路500のスキャンドライバICDI内のトランジスタQ21、Q22が所定のタイミングでオン/オフされ、複数のスキャン電極4にスキャンパルス電圧−Va(V)が順に印加される。
【0065】
このとき、表示すべき放電セル12に対応するデータ電極8とスキャン電極4との間の電圧は、書き込みパルス電圧Vw(V)と電圧−Va(V)との差電圧に、初期化期間にスキャン電極4とデータ電極8のそれぞれに蓄積された壁電圧がさらに加算されたものとなる。したがって、データ電極8とスキャン電極4との間およびサステイン電極5とスキャン電極4との間に書き込み放電が起こり、スキャン電極4に正の壁電圧が蓄積され、サステイン電極5に負の壁電圧が蓄積され、データ電極8の負の壁電圧が蓄積される。
【0066】
次に、維持期間において、スキャンドライバ回路500のトランジスタQ11、Q13、Q19がオフ、トランジスタQ14、Q16、Q17、Q43がオンして、スキャン電極4に0(V)が供給された後、トランジスタQ14がオフ、トランジスタQ11がオンし、すべてのスキャン電極4には、回収コイルL11とパネル容量CpsとのLC共振によりスキャンドライバICDI内部のトランジスタQ22を介して0(V)から維持パルス電圧Vm(V)まで上昇する維持パルスが印加され、続いてトランジスタQ13、Q41がオンし、維持パルス電圧Vm(V)が安定して供給される。一方、サステインドライバ回路600のトランジスタQ35がオフし、続いてトランジスタQ34がオンしてすべてのサステイン電極5は0(V)が供給され、維持期間中、これを保持する。
【0067】
このとき書き込み放電を起こした放電セル12におけるスキャン電極4とサステイン電極5との間の電圧は、維持パルス電圧Vm(V)に、書き込み期間において蓄積されたスキャン電極4の正の壁電圧およびサステイン電極5の負の壁電圧が加算されたものとなる。このため、書き込み放電を起こした放電セル12において、スキャン電極4とサステイン電極5との間に維持放電が起こり、この維持放電を起こした放電セル12におけるスキャン電極4に負の壁電圧が蓄積され、サステイン電極5に正の壁電圧が蓄積される。
【0068】
続いて、スキャンドライバ回路500のトランジスタQ11、Q13がオフ、トランジスタQ12がオンし、すべてのスキャン電極4には、回収コイルL11とパネル容量CpsとのLC共振により、スキャンドライバICDI内部のトランジスタQ22を介して維持パルス電圧Vm(V)から0(V)まで下降する維持パルスが印加され、続いてトランジスタQ14がオンし0(V)が安定して供給される。
【0069】
続いて、スキャンドライバ回路500のトランジスタQ12、Q14、Q41、Q43がオフ、Q42がオンすると、コンデンサC41には、電圧Vm(V)分の電荷が蓄積されているため、ノードN42は電圧−Vm(V)となっている。次にトランジスタQ12をオンすると、回収コイルL11とパネル容量CpsとのLC共振により、0(V)から電圧−Vm(V)まで下降する維持パルスが印加される。次にトランジスタQ14をオンすることで、電圧−Vm(V)が安定して供給される。
【0070】
維持パルス電圧Vm(V)に直前の維持放電により蓄積されたスキャン電極4の負の壁電圧およびサステイン電極5の正の壁電圧が加算されたものとなるため、この維持放電を起こした放電セル12において、サステイン電極5とスキャン電極との間に維持放電が起こる。
【0071】
続いて、トランジスタQ12、Q14をオフし、トランジスタQ11をオンすることで、回収コイルL11とパネル容量CpsとのLC共振により、電圧−Vm(V)から0(V)まで上昇する維持パルスが印加され、次にトランジスタQ13がオンすることで安定して0(V)が供給される。
【0072】
続いて、トランジスタQ11、Q13、Q42をオフし、トランジスタQ41、Q43、そしてトランジスタQ11をオンすることで、再び回収コイルL11とパネル容量CpsとでLC共振を行い、次にトランジスタQ13がオンすることにより、安定して電圧Vm(V)が供給される。
【0073】
以降、同様にスキャンドライバ回路500がスキャン電極4に対して、維持パルス振幅Vm(V)のパルスを正極性、負極性に印加し、サステインドライバ回路600はサステイン電極5を0(V)に固定することで、スキャン電極4とサステイン電極5とに交互に印加し、維持放電が継続して行われる。維持期間の最後にはスキャン電極4はVm(V)から0(V)に下降された電圧が供給され、サステイン電極5には0(V)が印加された状態で終了する。
【0074】
続いて、消去期間においてスキャンドライバ回路500のトランジスタQ12、Q14、Q43がオンし、それ以外のトランジスタはオフする。一方、サステインドライバ回路600のトランジスタQ35がオンしてミラー積分回路を構成するトランジスタQ35、コンデンサC32によりすべてのサステイン電極5が電圧Ve(V)に保持される。
【0075】
上記回路構成とすることで、維持パルスによる放電電流は、スキャンドライバ回路500内の維持パルス発生回路121以外では、パネル内の電極へ流れ込むときにも、パネル内電極から流れ込むときにも全く同じトランジスタを経由することになり、これにより、図5の本発明のプラズマディスプレイ装置の駆動波形と発光波形図の通り、スキャン電極4に対して、電圧Vm(V)印加するときも、電圧−Vm(V)印加するときも、維持パルスの波形歪み量を同じにすることができる。
【0076】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によるプラズマディスプレイ装置によれば、維持放電に必要な維持パルス電圧を発生する維持パルス発生回路をスキャンドライバ回路にのみ設け、維持放電時に放電電流がスキャンドライバ回路からパネル内電極を通してサステインドライバ回路へ流れるときと、サステインドライバ回路からパネル内電極を通してスキャンドライバ回路に流れ込むときに、維持パルス発生回路以外では同じスイッチ素子、同じ銅箔パターンを経由するように回路を構成することで、回路および銅箔パターンのインピーダンス、インダクタンスの影響による維持パルス波形の歪み量を等しくすることができ、輝度ムラや色度ムラなどの画質低下を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態によるプラズマディスプレイ装置のパネルの構成を示すブロック図
【図2】同プラズマディスプレイ装置の駆動方法の動作タイミング図
【図3】同プラズマディスプレイ装置のスキャンドライバ回路の回路構成図
【図4】同プラズマディスプレイ装置のサステインドライバ回路の回路構成図
【図5】同プラズマディスプレイ装置の維持パルス波形と発光波形を示す波形図
【図6】従来のAC型プラズマディスプレイパネルを示す斜視図
【図7】従来のAC型プラズマディスプレイパネルの電極配列図
【図8】従来のプラズマディスプレイ装置の駆動方法の動作タイミング図
【図9】従来のプラズマディスプレイ装置のパネルの構成を示すブロック図
【図10】従来のプラズマディスプレイ装置のスキャンドライバ回路の回路構成図
【図11】従来のプラズマディスプレイ装置のサステインドライバ回路の回路構成図
【図12】従来のプラズマディスプレイ装置の維持パルス波形と発光波形を示す波形図
【符号の説明】
100 プラズマディスプレイパネル
200 データドライバ回路
500 スキャンドライバ回路
600 サステインドライバ回路
121 維持パルス発生回路
Claims (3)
- 放電空間を形成して対向する一対の基板のうち一方の基板上に複数のスキャン電極と、サステイン電極を設けるとともに他方の基板上に前記スキャン電極とサステイン電極に交差するように対向配置される複数のデータ電極を設けて複数の放電セルを構成したプラズマディスプレイパネルと、このプラズマディスプレイパネルの各電極に対して電圧駆動するためのデータドライバ回路、スキャンドライバ回路およびサステインドライバ回路とを有し、維持放電に必要な維持パルス電圧を発生する維持パルス発生回路をスキャンドライバ回路にのみ設けたことを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
- 維持パルス発生回路は、プラズマディスプレイパネルの静電容量に対して電荷の充放電を行うための電力回収回路と、この電力回収回路からプラズマディスプレイパネルへの放電電流を制御するスイッチ素子とを有し、かつ維持パルス発生回路は逆極性の2種類の維持パルスを供給するように構成したことを特徴とする請求項1記載のプラズマディスプレイ装置。
- 電力回収回路に2種類の電位に切り換え可能なコンデンサを設けたことを特徴とする請求項2のプラズマディスプレイ装置。
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Cited By (2)
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CN100428302C (zh) * | 2005-02-23 | 2008-10-22 | Lg电子株式会社 | 等离子显示器 |
JP2008542792A (ja) * | 2005-05-23 | 2008-11-27 | 松下電器産業株式会社 | プラズマディスプレイパネル駆動回路およびプラズマディスプレイ装置 |
-
2003
- 2003-07-18 JP JP2003199262A patent/JP2005037607A/ja active Pending
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JP2008542792A (ja) * | 2005-05-23 | 2008-11-27 | 松下電器産業株式会社 | プラズマディスプレイパネル駆動回路およびプラズマディスプレイ装置 |
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