JP2005037362A - トロリ線の摩耗判定方法及びトロリ線の摩耗判定システム - Google Patents

トロリ線の摩耗判定方法及びトロリ線の摩耗判定システム Download PDF

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Abstract

【課題】 光ファイバ内のブリルアン散乱光を利用して、トロリ線の摩耗を直接現場に行くことなく、遠隔地から容易に測定するトロリ線摩耗判定方法及びトロリ線摩耗判定システムを提供する。
【解決手段】 トロリ線と一体的に固定された光ファイバに対して、一方の測定端から光パルスを入射するステップと、該入射端で、前記入射された光パルスに対応するブリルアン散乱光を検出するステップと、前記ブリルアン散乱光のブリルアン周波数シフト量により、前記光ファイバの長さ方向における歪分布を測定して、該光ファイバの長手方向の歪分布に対応するトロリ線の長手方向毎の摩耗量を演算して求めるトロリ線の摩耗判定方法。
【選択図】 図5

Description

本発明は、トロリ線の摩耗を直接現場に行くことなく容易に測定するトロリ線摩耗判定方法及びトロリ線摩耗判定システムに関する。
電気鉄道における給電用の架空トロリ線(以下単にトロリ線という)の摩耗判定に関する従来の技術としては以下のものが知られている。(例えば、特許文献1参照。)
特開平09−159414号公報(図1,図4,段落(0002)〜(0000))
上記公報には、以下の記載がなされている。
図7に電気鉄道における給電用の架空トロリ線(以下単にトロリ線という)の架設構造の概略を示す。
適当なスパンに植設された各支持電柱2の間に吊架線3が連続して架設され、トロリ線1は、ハンガー4により吊架線3に吊架されて水平に展長される。
ハンガー4は、拡大図に示すように、上端が吊架線3に結合されたワイヤ41と、その下端に接続されたイヤー42よりなる。
イヤー42は、2個の固定具421a,421b を有し、それぞれの下端を爪nをトロリ線1の両側の溝mに嵌入し、ボルト43により締付けてトロリ線1を固定する。
前記トロリ線1の底面S(摺面という)は、走行する電車のパンタグラフが摺動接触して漸次に摩耗し、これが限度に達すると切断などの恐れがあるので、この摩耗量を測定することがトロリ線1の保守管理上必須事項とされている。
摩耗量の測定方法には、マイクロメータによる手作業方法があるが、これは接触式であるため、高所作業ですこぶる非能率であり、トロリ線1が活線状態のときは高電圧による危険を伴い、またポイント測定であるので摩耗の詳細が分かり難いなど、多くの短所がある。
これに対して現今では、光学式の測定装置を使用し、非接触で連続的に摩耗量が測定されている。
図8は、その1例である従来の摩耗測定装置8の構成図である。
図8において、摩耗測定装置8は、撮像部81と、雲台82、三脚83、データ処理部84、およびバッテリ85とにより構成される。
撮像部81は、オートフォーカス機能付きズームレンズ811 と液晶モニタ812 とを具備するビデオカメラ813と、投光器814 とが固定板815 に固定され、固定板815 は雲台82を介して三脚83に取付られる。
バッテリ85は投光器814 とデータ処理部84にパワーを供給する。 ビデオカメラ813 はバッテリ内蔵型とする。
なお、ビデオカメラ813 、三脚83、雲台82は市販の適当なものを使用し、その他の構成部品は極力小型軽量に製作して使用する。
摩耗測定においては、三脚83とともにビデオカメラ813 をトロリ線1の測定箇所の直下に定置し、投光器よりスポット光SP を投射する。
雲台82を操作して液晶モニタ812 にトロリ線1の画像が現れるようにセットし、オートフォーカス機能を動作させるとビデオカメラは合焦して、液晶モニタ812 には、トロリ線1の両側面のエッジ線E1,E2 と摺面Sとの画像が得られ、ビデオカメラ813 はこの画像信号を出力する。
上記において、測定箇所の長さがビデオカメラ813 の視野の数倍程度のときは、雲台82の操作により視野を順次に移動し、トロリ線1の接続部5の場合は、視野を2本のトロリ線1(A) と1(B)に順次に移動して、上記と同様に測定を行う。
ただし、測定箇所が非常に長いときは三脚83とともにビデオカメラ813 を移動する。
しかし、従来のトロリ線の摩耗検出装置は、図8に示すように測定装置が複雑であると共に、トロリ線の架設現場に測定装置を運搬して測定する必要があるという問題点があった。
本発明の課題(目的)は、光ファイバ内のブリルアン散乱光を利用して、トロリ線の摩耗を直接現場に行くことなく、遠隔地から容易に測定するトロリ線摩耗判定方法及びトロリ線摩耗判定システムを提供することにある。
また、トロリ線の摩耗を測定するに際して、温度変化による光ファイバの歪みと実際のトロリ線の摩耗による光ファイバの歪みとが複合して発生するのを温度補正を行うことによって、温度変化による光ファイバの歪みを分離する温度補正方法を提供することにある。
前記課題を解決するために、トロリ線と一体的に固定された光ファイバに対して、一方の測定端から光パルスを入射するステップと、前記一方の測定端で、前記入射された光パルスに対応するブリルアン散乱光を検出するステップと、前記ブリルアン散乱光のブリルアン周波数シフト量により、前記光ファイバの長さ方向における歪分布を測定して、該光ファイバの長手方向の歪分布に対応するトロリ線の長手方向の摩耗量を演算するステップとによりトロリ線の摩耗を判定する。(請求項1)
また、前記演算は、前記トロリ線の架設された外気温度に応じた補正を施すための温度補正ステップを備える。(請求項2)
また、前記温度補正ステップは、パンダグラフが接触しないトロリ線部分に設定された温度補正用基準区間の歪量の測定結果に基づいて実行される。(請求項3)
また、前記温度補正ステップは、前記光ファイバに平行であって、且つトロリ線にフリーに配置された温度補正用光ファイバの歪分布の測定結果に基づいて補正される。(請求項4)
また、測定結果の蓄積手段を備え、過去の測定結果との対比で摩耗を判定する。(請求項5)
また、前記単色光の入射によるトロリ線の摩耗測定は所定期間毎に実行され、トロリ線の摩耗が規定の値になった際には、警報を出す。(請求項6)
また、トロリ線と一体的に固定された光ファイバと、前記光ファイバの一方の測定端から光パルスを入射し、該入射された光パルスに対応するブリルアン散乱光を検出する光ファイバアナライザと、前記光ファイバアナライザの測定結果に基づいて、前記トロリ線の摩耗量を演算する演算手段とによりトロリ線の摩耗判定システムを構成する。(請求項7)
また、前記トロリ線の架設された温度を測定する温度検出手段を備え、測定された温度に応じた補正を施す。(請求項8)
また、前記温度補正手段は、パンダグラフが接触しないトロリ線部分に設定された温度補正用基準区間の歪量の測定結果に基づいて実行される。(請求項9)
また、前記温度補正手段は、前記光ファイバに平行であって、且つトロリ線にフリーに配置された温度補正用光ファイバの歪分布の測定結果に基づいて補正する温度補正手段を備える。(請求項10)
請求項1に記載の発明では、、トロリ線と一体的に固定された光ファイバに対して、一方の測定端から光パルスを入射するステップと、前記一方の測定端で、前記入射された光パルスに対応するブリルアン散乱光を検出するステップと、前記ブリルアン散乱光のブリルアン周波数シフト量により、前記光ファイバの長さ方向における歪分布を測定して、該光ファイバの長手方向の歪分布に対応するトロリ線の長手方向の摩耗量を演算するステップとによりトロリ線の摩耗を判定するので、トロリ線の摩耗を直接現場に行くことなく、遠隔地から容易に測定することができる。
また、この測定方法は、電車が走っている期間でも実施が可能である。
また、請求項2に記載の発明では、前記演算は、前記トロリ線の架設された外気温度に応じた補正を施すので、冬季と夏期の如く外気の温度が大きく変化する場合でも適応できる。
また、請求項3に記載の発明では、パンダグラフが接触しないトロリ線部分に設定された温度補正用基準区間の歪量の測定結果に基づいて実行されるので、特別な構成を設けることなく温度補正が実現できる。
また、請求項4に記載の発明では、前記温度補正は、前記光ファイバに平行であって、且つトロリ線にフリーに配置された温度補正用光ファイバの歪分布の測定結果に基づいて補正されるので、確実な温度補正ができる。
また、請求項5に記載の発明では、測定結果の蓄積手段を備え、過去の測定結果との対比で摩耗を判定するので、トロリ線の取付初期の歪量との比較を常時できるので、全体的に摩耗した場合の摩耗量の判定ができる。
また、請求項6に記載の発明では、前記単色光の入射によるトロリ線の摩耗測定は所定期間毎に実行され、トロリ線の摩耗が規定の値になった際には、警報を出すようにして、人手を介しない自動測定が可能になる。
また、請求項7に記載の発明では、トロリ線と一体的に固定された光ファイバと、前記光ファイバの一方の測定端から光パルスを入射し、該入射された光パルスに対応するブリルアン散乱光を検出する光ファイバアナライザと、前記光ファイバアナライザの測定結果に基づいて、前記トロリ線の摩耗量を演算する演算手段とによりトロリ線の摩耗判定システムを構成するので、トロリ線の摩耗を直接現場に行くことなく、遠隔地から容易に測定するできるトロリ線摩耗判定システムを構成できる。
また、請求項8に記載の発明では、前記トロリ線の架設された外気温度を測定する外気温度検出手段を備えることによって、冬季と夏期の如く外気の温度が大きく変化する場合でも適応できるシステムが実現できる。
また、請求項9に記載の発明では、パンダグラフが接触しないトロリ線部分に設定された温度補正用基準区間の歪量の測定結果に基づいて実行されるので、簡単な構成で温度補正が実現できる。
また、請求項10に記載の発明では、前記温度補正手段は、前記光ファイバに平行であって、且つトロリ線にフリーに配置された温度補正用光ファイバの歪分布の測定結果に基づいて補正する温度補正手段を備えることによって、確実な温度補正ができる。
先ず、本発明のトロリ線摩耗判定方法及びトロリ線摩耗判定システムに使用される光ファイバ歪みアナライザ(BOTDR方式)の計測原理について図3を用いて説明する。
BOTDR方式は、ブリルアン散乱光を検出することで歪分布を計測するシステムである。
ブリルアン散乱光は、単色性(コヒーレンシー)が高い入射光が媒質中に生じる音波と相互作用し、媒質固有の周波数だけずれて散乱される現象である。
この周波数は、ブリルアン周波数シフトνBと呼ばれ、次式で与えられる。
νB=2nVA/λ
n :光ファイバの屈折率
VA :音速
λ :入射光の波長
図3に示すように、ブリルアン周波数シフトの変化は光ファイバ長手方向の歪量の変化に比例し、その変化量は、1.3μm帯と、1.5μm帯においてそれぞれ581MHz/%,493MHz/%になる。
したがって、このブリルアン周波数シフト量を求めることによって、光ファイバに加わった歪みを測定することができる。
図1は、光ファイバ歪みアナライザ(BOTDR)の計測を説明するための概念図である。
図1において、31は被測定用光ファイバ(歪みセンサ用光ファイバ)であって、光ファイバ歪みアナライザ(BOTDR)32からパルス光(コヒーレンシーの高い単色光)が入射し、ブリルアン散乱光を計測する。
即ち、光ファイバ31の片端からパルス光を入射すると光ファイバ内で散乱光が発生して、その一部の光は後方散乱光として入射端に戻ってくる。
この後方散乱光の内のブリルアン散乱光を光ファイバ歪みアナライザ21で検出する。
ブリルアン周波数シフトは、光ファイバに生じた歪量に対して比例してシフトするので、この周波数シフト量を計測することによって、光ファイバに生じた歪量を知ることができる。
図1における3次元グラフでは、右下がりの軸は、光ファイバに沿った入力端からの距離、右上がりの軸は後方ブリルアン散乱光周波数、縦軸は計測されたブリルアン散乱光のパワーを示している。
ブリルアン散乱光のパワーは、光パルスを入射してから散乱光を受信するまでの時間と光ファイバ中での光速度を距離に換算することにより、距離方向に連続したデータとして得られ、変化した場所を知ることができる。
ここで、ブリルアン周波数シフトと光ファイバに加わる伸び歪みの関係は次式で示すことができる。
これにより、光ファイバの長さ方向のブリルアン散乱周波数シフト νB(ε)を求めることができる。
νB(ε)=νB(0)(1+Cε)
νB(ε):歪が有る時のブリルアン周波数シフト
νB(0):歪が無い時のブリルアン周波数シフト
C :比例係数
ε :歪量
この関係を図2に示す。
図2では、横軸にブリルアン周波数シフトと、縦軸にブリルアン散乱パワーをとって、光ファイバに歪みが有る場合と、歪みが無い場合とによって、ブリルアン周波数シフトが歪量に比例する関係を示している。
次に、本発明のトロリ線の摩耗量の測定の原理を図4を用いて説明する。
図4は、トロリ線摩耗判定システムの概要を示す図である。
図4において、1はトロリ線であって、図7のトロリ線と同じである。
また、31は歪み検出用の光ファイバであって、前記トロリ線1に対してクリップ35によって所定長さ毎に一体的に固定されている。
なお、図4では、光ファイバをトロリ線1直接固定せずに、銅管入り光ファイバを使用して、該銅管をトロリ線に固定しているが、銅管を用いずに光ファイバを直接トロリ線に固定しても良い。
また、固定手段として、クリップ35を用いているが、トロリ線と光ファイバが一体的に固定できれば他の固定手段を用いても良いことはいうまでもない。
また、トロリ線に対する光ファイバの固定箇所は、図4ではトロリ線の上部(摺動面の反対側)であるが、トロリ線の伸びを検出できる箇所であって、パンタグラフの摺動の影響を受けない箇所ならば任意に選択可能である。
また、図4において、32は、光ファイバの長手方向の歪分布を測定する光ファイバ歪計測器(手段)であって、例えば、図1に示した光ファイバ歪みアナライザ(BOTDR)を用いることができる。
また、34は、前記光ファイバ歪計測器の計測結果である長手方向の歪分布に基づいて、該光ファイバに一体的に固定されているトロリ線の摩耗を判定するための摩耗判定用パソコンである。
また、33は、温度計測器であって、トロリ線の架設現場の温度が大きく変動するとトロリ線の長さが温度変化に応じて変動するので、温度変化の影響を除去するためのもので、場合によっては除くことも可能である。
次に、トロリ線に一体的に固定された光ファイバの長手方向の歪分布を計測することによって、なぜ、トロリ線の摩耗を判定できるか(摩耗判定システムの原理)を図5を用いて説明する。
図5(a)は、新品のトロリ線に一体的に光ファイバが固定されている状況を示している。
トロリ線と一体的に固定されている光ファイバは、一定の張力によって引っ張られているので、トロリ線が新品の場合には摩耗がないので、光ファイバに生じる長手方向の歪分布は、その初期の断面積に応じた一定の歪みになる。
しかし、図5(b)に示すのトロリ線の摩耗時(この場合は、所定の区間のみに集中して摩耗が発生した場合を示している。)には、摩耗部のトロリ線の断面積は他の部分よりも小さくなっているので、トロリ線が一定の張力で引っ張られているので、摩耗部のトロリ線の伸び(歪み)が他の部分よりも大きくなるので、該トロリ線と一体的に固定されている光ファイバの歪みが他の部分よりも大きくなる。
なお、図5(b)では、所定の区間のみに集中して摩耗が発生した場合を示しているが、トロリ線を長期間使用して、全体的にトロリ線の摩耗が生じた場合には、トロリ線の全体に亘って摩耗したことによって、断面積が小さくなる。
したがって、トロリ線を引っ張る張力が一定であれば、光ファイバの歪みは全体的に大きくなるので、初期の歪分布における歪量と比較することによって全体的に摩耗していることが判別できる。
次に、本願発明におけるトロリ線の摩耗判定での光ファイバの長手方向における歪分布の例を図6に示す。
図6では、この測定結果から、測定された歪量が6〜7mの部分と12〜14mの部分で他の部分よりも歪量が多くなっており、特に、12〜14mの部分は問題であることが判断できる。
本発明の更なる目的である、光ファイバの歪みの測定における温度補正技術について説明する。
図9は、光ファイバの歪みの測定における第1の温度補正技術を説明するための概念図である。
図9の構成は、図4のトロリ線摩耗判定システムの概要を示す図に温度補正手段を付加したものである。
図9において、31はトロリ線の長手方向に固定された摩耗(歪み)検出用の光ファイバ(光ファイバ歪みセンサ)で光ファイバ歪みアナライザ(BOTDR)に接続されている。
この光ファイバの所定部分にパンダグラフが接触しない区間(パンダグラフが接触しないため摩耗が発生しない)を設定して、この区間を温度補正用照準区間とする。
次に、図9の光ファイバの歪みの測定における温度補正について図10〜12を用いて説明する。
図10は、トロリ線の各摩耗状態における光ファイバの歪分布を測定した結果を示すグラフであって、横軸が距離(m)、縦軸が相対歪量(%)を示している。
測定温度環境が変わるとトロリ線の熱膨張が発生してトロリ線が摩耗していなくとも温度変化相当分の歪み量が検出され、実際の測定では温度変化による光ファイバの歪みと実際のトロリ線の摩耗による光ファイバの歪みとが複合して現れる。
図10は温度補正前の測定結果であって、摩耗水準が2mmのものを●で、摩耗水準が3mmのものを▲で、摩耗水準が5mmのものを□で示している。
この図11で、横軸が距離(m)、縦軸が相対歪量(%)を示し、距離として122m〜132mの測定範囲の内124m近辺の部分が、上記温度補正用基準区間である。
この図10で、パンダグラフが接触する部分での摩耗水準3mmの値が摩耗水準5mmの値よりも歪量が多くなっている部分があって、不自然であることが理解できる。
本発明では、上記温度補正用基準区間における歪量が零に成るように補正する。
その補正したトロリ線の各摩耗状態における光ファイバの歪分布を温度補正したグラフを図11に示す。
この図11でも、横軸が距離(m)、縦軸が相対歪量(%)を示している。
この図11の温度補正された測定結果のグラフでは、パンダグラフが接触する部分での
摩耗水準3mmのものが摩耗水準5mmのものよりも測定された歪量が多くなる部分が解消されている。
本発明の光ファイバの歪みの測定における第2の温度補正技術について説明する。
図12は、光ファイバの歪みの測定における温度補正技術を説明するための概念図である。
図12の構成は、図4のトロリ線摩耗判定システムの概要を示す図に温度補正手段を付加したものである。
図12において、31−aはトロリ線の長手方向に固定された摩耗(歪み)検出用の光ファイバ(光ファイバ歪みセンサ)であり、31−bは温度補正用光ファイバであって、金属管等に光ファイバを挿入して、前記トロリ線の伸びには追従したいようにフリーの状態で光ファイバ31−aと平行に這わせてある。
また、前記歪み測定用光ファイバ31−aと温度補正用光ファイバ31−bは、光チャンネルセレクタ31−cを介して光ファイバ歪みアナライザ(BOTDR)に接続されている。
次に、図12の光ファイバの歪みの測定における温度補正について図13〜15を用いて説明する。
図13は、トロリ線の各摩耗状態における光ファイバの歪分布を測定した結果を示すグラフであって、横軸が距離(m)、縦軸が相対歪量(%)を示している。
測定温度環境が変わるとトロリ線の熱膨張が発生してトロリ線が摩耗していなくとも温度変化相当分の歪み量が検出され、実際の測定では温度変化による光ファイバの歪みと実際のトロリ線の摩耗による光ファイバの歪みとが複合して現れる。
図13は温度補正前の測定結果であって、摩耗水準が2mmのものを●で、摩耗水準が4mmのものを▲で、摩耗水準が5mmのものを□で示している。
この図13でも、摩耗水準4mmのものが摩耗水準5mmのものよりも測定された歪量が多くなって、不自然であることが理解できる。
図14は、トロリ線の各摩耗水準における温度補正用光ファイバの歪分布を測定した結果を示すグラフである。
この図14でも、横軸が距離(m)、縦軸が相対歪量(%)を示している。
温度補正用光ファイバの温度変化に対する歪量変化は、1℃当たり0.002%であることが知られているので、図14の歪量変化から温度変化に換算することができる。
例えば、歪量が0.01%変化したら、トロリ線の温度が約5℃変化したことになる。
図15が、図14のトロリ線の各摩耗水準における温度補正用光ファイバの歪分布を測定した結果を基に、図13のトロリ線の各摩耗状態における光ファイバの歪分布を温度補正したグラフである。
この図15でも、横軸が距離(m)、縦軸が相対歪量(%)を示している。
この図15温度補正された測定結果のグラフでは、摩耗水準4mmのものが摩耗水準5mmのものよりも測定された歪量が多くなる部分が解消されている。
請求項1〜10に記載の発明では、光ファイバ内のブリルアン散乱光を利用して、トロリ線の摩耗を直接現場に行くことなく、遠隔地から容易に測定するトロリ線摩耗判定方法及びトロリ線摩耗判定システムが得られると共に、トロリ線の摩耗を測定するに際して、温度変化による光ファイバの歪みと実際のトロリ線の摩耗による光ファイバの歪みとが複合して発生するのを温度補正を行うことによって、温度変化による光ファイバの歪みを分離する温度補正ができるので、産業上の利用可能性は極めて大きい。
光ファイバ歪みアナライザ(BOTDR)の計測を説明するための概念図である。 ブリルアン周波数シフトと、縦軸にブリルアン散乱パワーの関係を示す図である。 光ファイバ歪みアナライザ(BOTDR)の計測原理を説明する図である。 トロリ線摩耗判定システムの概要を示す図である。 トロリ線の摩耗判定システムの原理を説明するための図である。 光ファイバの長手方向における歪分布の例を示す図である。 電気鉄道における給電用の架空トロリ線の架設構造を示図である。 従来の摩耗測定装置の構成を示す図である。 光ファイバの歪みの測定における温度補正技術を説明するための概念図である。 トロリ線の各摩耗状態における光ファイバの歪分布を測定した結果を示すグラフである。 図10のトロリ線の各摩耗状態における光ファイバの歪分布を補正したグラフである。 光ファイバの歪みの測定における温度補正技術を説明するための概念図である。 トロリ線の各摩耗状態における光ファイバの歪分布を測定した結果を示すグラフである。 トロリ線の各摩耗水準における温度補正用光ファイバの歪分布を測定した結果を示すグラフである。 図14のトロリ線の各摩耗水準における温度補正用光ファイバの歪分布を測定した結果を基に、図13のトロリ線の各摩耗状態における光ファイバの歪分布を補正したグラフである。
符号の説明
1 トロリ線
31 光ファイバ
31−a 銅管入り光ファイバ
32 ファイバ歪測定器
33 温度検出器
34 摩耗判定用パソコン
35 クリップ(固定手段)

Claims (10)

  1. トロリ線と一体的に固定された光ファイバに対して、一方の測定端から光パルスを入射するステップと、
    前記一方の測定端で、前記入射された光パルスに対応するブリルアン散乱光を検出するステップと、
    前記ブリルアン散乱光のブリルアン周波数シフト量により、前記光ファイバの長さ方向における歪分布を測定して、該光ファイバの長手方向の歪分布に対応するトロリ線の長手方向の摩耗量を演算するステップと、
    を含むことを特徴とするトロリ線の摩耗判定方法。
  2. 前記演算は、前記トロリ線の架設された外気温度に応じた補正を施すための温度補正ステップを含むことを特徴とする請求項1に記載のトロリ線の摩耗判定方法。
  3. 前記温度補正ステップは、パンダグラフが接触しないトロリ線部分に設定された温度補正用基準区間の歪量の測定結果に基づいて実行されることを特徴とする請求項2に記載のトロリ線の摩耗判定方法。
  4. 前記温度補正ステップは、前記光ファイバに平行であって、且つトロリ線にフリーに配置された温度補正用光ファイバの歪分布の測定結果に基づいて補正されることを特徴とする請求項2に記載のトロリ線の摩耗判定方法。
  5. 測定結果の蓄積手段を備え、過去の測定結果との対比で摩耗を判定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のトロリ線の摩耗判定方法。
  6. 前記単色光の入射によるトロリ線の摩耗測定は所定期間毎に実行され、トロリ線の摩耗が規定の値になった際には、警報を出すことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のトロリ線の摩耗判定方法。
  7. トロリ線と一体的に固定された光ファイバと、
    前記光ファイバの一方の測定端から光パルスを入射し、該入射された光パルスに対応するブリルアン散乱光を検出する光ファイバアナライザと、
    前記光ファイバアナライザの測定結果に基づいて、前記トロリ線の摩耗量を演算する演算手段と、
    を備えることを特徴とするトロリ線の摩耗判定システム。
  8. 前記トロリ線の架設された温度を測定する温度検出手段を備え、測定された温度に応じた補正を施す温度補正手段を備えたことを特徴とする請求項5に記載のトロリ線の摩耗判定システム。
  9. 前記温度補正手段は、パンダグラフが接触しないトロリ線部分に設定された温度補正用基準区間の歪量の測定結果に基づいて実行されることを特徴とする請求項7に記載のトロリ線の摩耗判定システム。
  10. 前記温度補正手段は、前記光ファイバに平行であって、且つトロリ線にフリーに配置された温度補正用光ファイバの歪分布の測定結果に基づいて補正する温度補正手段を備えたことを特徴とする請求項7に記載のトロリ線の摩耗判定システム。
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