JP2005037252A - 流体計測装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 計測流路内の流速と計測流路内の流速分布を計測することにより流速分布形態の差異による補正誤差を小さくして計測精度を高める。
【解決手段】 被計測流体が流れる計測流路5と、計測流路5の流速分布形状を計測する流動パターン計測手段6と、計測流路5の流速を計測する流速計測手段11と、流動パターン計測手段6で計測した流速分布を基に流速計測手段11で計測した流速を補正して平均流速あるいは流量を求める演算処理手段21を備え、計測流路5の代表流速と流速分布形状を計測して代表流速に対する補正誤差を低減し、層流域から乱流域にいたる計測範囲の全域にわたり計測精度を向上する。
【選択図】 図1
【解決手段】 被計測流体が流れる計測流路5と、計測流路5の流速分布形状を計測する流動パターン計測手段6と、計測流路5の流速を計測する流速計測手段11と、流動パターン計測手段6で計測した流速分布を基に流速計測手段11で計測した流速を補正して平均流速あるいは流量を求める演算処理手段21を備え、計測流路5の代表流速と流速分布形状を計測して代表流速に対する補正誤差を低減し、層流域から乱流域にいたる計測範囲の全域にわたり計測精度を向上する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、気体や液体の流速や流量の計測などの流動状態を計測する流体計測装置に関するものである。
従来この種の計測装置として、図5に示すように流体を一方から他方に流す配管1の中心線を挟んで対向し、かつ中心線に対して所定角度を有する周面に上流側の超音波送受信器2aと下流側の超音波送受信器2bとを対向して設けるとともに、配管1の流体吸入口3に配管1と同一方向の向きに、平行に配列された複数の細管4aから構成した整流体4を設けたものがある。
そして、配管1を流れる流体の流速を超音波送受信器2a、2b間で超音波を送受信して伝搬時間差から計測し、配管1の断面積より流量を算出している。
このとき、配管1に入る流れは整流体4を構成する細管4aによりその流れ方向を配管1と同一方向に規制して、計測部での流線の傾きを低減したり渦の発生を抑制して流れの乱れの境界面での超音波の反射や屈折による超音波の受信レベルの変動を低減して測定精度の低下を防止している(例えば特許文献1参照)。
特開平9−189591号公報
しかしながら従来の構成では、整流体と超音波伝搬路が離れて設置されるとともに整流体との距離が超音波送受信器2a側と超音波送受信器2b側とで大きく異なるため整流体を通過した流れの発達状態に差異を生じて、計測流路に直交する横断面での平均流速と計測流路に斜交する超音波送受信器2a、2b間の計測断面での平均流速に違いを生じ、真の流量を算出するためには計測値に対して流量に応じた補正係数が必要になる。
この補正係数は、所定の成分の流体に対して速度分布の違いによる補正を行うもので、速度分布が放物線状の凸型となる層流域から速度分布が比較的に平坦となる乱流域にわたって変化する流速分布の違いによる平均流速の補正を行っている。しかし、計測流体の成分の相違あるいは温度や圧力の変動により粘性係数などの物性値が変化することで流速分布形状に違いを生じ、真の補正係数から外れた補正係数で補正することで測定精度が低下するという課題があつた。
本発明は上記課題を解決するもので、計測流路内の流速と計測流路内の流速分布を計測することにより流速分布形状の差異による補正誤差を小さくして計測精度を高めることを目的とする。
本発明は上記課題を解決するため、被計測流体が流れる計測流路と、前記計測流路内の流速分布形態を計測する流動パターン計測手段と、前記計測流路内の流速を計測する流速計測手段と、流動パターン計測手段で計測した流速分布を基に流速計測手段で計測した流速値を補正して平均流速あるいは流量を求める演算処理手段とを備えた構成としている。
これによって、流速分布が凸型の層流となる低流速域から流速分布が比較的に平坦となる乱流化した大流速域にいたる計測範囲の全域にわたり、計測流路内の代表の流速と計測流路内の流速分布形態をもとに計測するので、流速分布形状をもとに代表の流速に対して誤差を低減した補正が可能となり、被計測流体の物性値に違いを生じても層流域から乱流域にいたる流量計測範囲の全域にわたり計測精度を向上できる。
本発明の流体計測装置によれば、計測流路内の代表の流速と計測流路内の流速分布形態をもとに計測するので、流速分布形態をもとに代表の流速に対して誤差を低減した補正が可能となり、被計測流体の物性値に違いを生じても層流域から乱流域にいたる流量計測範囲の全域にわたり計測精度を向上できる。
本発明の実施の形態は、被計測流体が流れる計測流路と、前記計測流路内の流速分布形態を計測する流動パターン計測手段と、前記計測流路内の流速を計測する流速計測手段と、流動パターン計測手段で計測した流速分布を基に流速計測手段で計測した流速値を補正して平均流速あるいは流量を求める演算処理手段を備えたものである。
そして、流速分布が凸型の層流となる低流速域から流速分布が比較的に平坦となる乱流化した大流速域にいたる計測範囲の全域にわたり、計測流路内の代表の流速と計測流路内の流速分布形態をもとに計測するので、流速分布形態をもとに代表の流速に対して誤差を低減した補正が可能となり、被計測流体の物性値に違いを生じても層流域から乱流域にいたる流量計測範囲の全域にわたり計測精度を向上できる。
また、流速計測手段により計測流路内の代表の流速を直接計測することで流動パターン計測手段での計測条件の設定が容易となり、短時間で最適な計測条件を設定でき高速の計測ができる。
流速計測手段は、計測流路の上流側に配置した超音波送受信器と計測流路の下流側に配置した超音波送受信器とを超音波が送受信できるように超音波伝搬路を介して対向配置して構成したものである。
そして、超音波送受信器間で超音波を伝搬させて伝搬路内の流速を瞬時計測して流動パターン計測手段での高速の計測を一層促進して計測速度の向上ができ、また超音波を計測流路内に伝搬させて局所の流速ではなく計測流路の平均流速に近づけた流速を計測することで補正誤差を低減できる。
流動パターン計測手段は、計測流路内を照射する照明手段と、前記照明手段により照射された画像計測領域を撮影する撮影手段と、前記撮影手段の出力画像に基づいて流速などの流動状態を算出する画像計測手段としたものである。
そして、画像計測領域での流速分布の形状を二次元で同時計測できるので、流れを安定化させるための整流手段が無くても層流域から乱流域にいたる計測範囲の全域にわたり計測精度を向上でき、整流手段による流れの圧力損失を低減できるとともに装置の小型化ができる。
画像計測制御手段は、微少な時間間隔で撮影手段を駆動する撮影間隔設定部と、次の計測までの時間間隔を設定する計測間隔設定部を備えたもので、流路内の流速に応じた適切な計測条件で計測するので流れ状態および平均流速の計測精度を向上でき、流動パターン計測手段による流速値と流速計測手段による流速値の比較により計測異常を検知して信頼性を高めた計測ができる。
また、画像計測制御手段は、計測した流速分布から流れ状態を判定して撮影間隔設定部での撮影間隔あるいは計測間隔設定部での計測間隔を変化させる流動状態判別部を備えたもので、流路内の流速が変化している場合でも流動状態に応じた適切な計測条件で計測するので、非定常状態の流れに対しても計測精度の向上ができる。
画像計測制御手段は、流速計測手段で計測した流速値を基に撮影間隔設定部あるいは計測間隔設定部を制御するもので、流路内の流速に急速な変化が有る場合では流速計測手段で計測した流速値に応じて画像計測手段は適切な計測条件で計測するので、大きく変化する流れに対しても計測精度の向上ができる。
流動パターン計測手段は、被計測流体にトレーサ粒子を供給する粒子供給手段を計測流路の上流側に備えたものであり、計測できる流体の種類を増加でき利便性が向上するだけでなく、適切なトレーサ粒子を供給することにより計測の信頼性と精度を向上できる。
また、画像計測領域は異なる複数方向に形成するように照明手段および撮影手段を異なる複数方向に設置したものであり、流路の複数の断面で計測するので流れ状態の計測が一層高精度化でき、補正誤差をより一層低減して計測精度を向上できる。
照明手段は、照射する画像計測領域の位置を変化させる照射位置変化手段を備えたもので、一つの照明手段で流路の複数の断面で計測するので流れ状態の計測が一層高精度化と装置の小型化と低コスト化ができる。
照明手段および撮影手段は計測流路の壁面に略面一に設けた透明窓を介して被計測流体と分離して計測流路に臨ませたものである。
したがって、照明手段および撮影手段への被計測流体による汚れの付着を防止して耐久性および信頼性を向上でき、照明手段および撮影手段への流体の流れ込みなど流れの乱れを防止して計測精度を向上できる。
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
(実施例1)
図1において、5は流路壁5aに囲まれた計測流路であり、6は計測流路5内の流速分布形態を計測する流動パターン計測手段である。
図1において、5は流路壁5aに囲まれた計測流路であり、6は計測流路5内の流速分布形態を計測する流動パターン計測手段である。
流動パターン計測手段6は計測流路5を照射する照明手段7と、照明手段7により照射された画像計測領域8(二点鎖線で示す)を撮影する撮影手段9を備えている。
照明手段7は計測流路5の幅W方向の流路壁5aに設けて計測流路5の幅W方向にわたって照射しており、撮影手段9は幅W方向に延びる画像計測領域8のほぼ全域を撮影できるように画像計測領域8にほぼ直交する方向に設置している。
7aは画像計測領域8とは異なる方向に画像計測領域8aを形成する照明手段であり、9aはこの異なる方向の画像計測領域8aを撮影する撮影手段である。
ここでは、計測流路5の流れに直交する方向の横断面を矩形として高さH(図示せず)方向にわたって延びる画像計測領域8aを形成している。
10は照明手段7、7aおよび撮影手段9、9aの計測流路5側に設けた透明窓であり、この透明窓10は流路壁5aにほぼ面一に配置して計測流路5内の流れを乱さないようにするとともに、照明手段7、7aおよび撮影手段9、9aへ被計測流体が流れ込まないようにして照明手段7、7aおよび撮影手段9、9aを保護している。
11は計測流路5に設けた流速計測手段である。この流速計測手段11は計測流路5内の特定の箇所の流速を検出するもので、熱フローセンサなどの小型の検出部11aを計測流路5内に設けている。
12は撮影手段9、9aの出力画像に基づいて流速あるいは流速分布などの流動状態を計測する流動パターン計測手段6に備えられた画像計測制御手段である。
この画像計測制御手段12は一つの計測データを得るため微少な時間間隔で撮影手段9、9aの駆動制御を行うように時間間隔を設定する撮影間隔設定部13および一つの計測データを得たあと次のデータを得るための計測を再開するまでの時間を設定する計測間隔設定部14を有した撮影制御部15と、撮影手段9、9aで撮影した画像から流速あるいは流速分布を算出して計測値を得る画像処理部16を備えている。
17は流速計測手段11の計測動作を制御する計測制御手段であり、流速計測手段11を所定の時間間隔で計測動作をさせる流速計測制御部18と、流速計測制御部18からの信号を基に流速を計算する流速演算部19を備えている。
20は流速計測手段11の信号を基に流速演算部19で得た流速あるいは画像計測制御手段12の画像処理部16で得た流速分布をもとに計測流路5内の流動状態を判定して安定した流れの定常流かあるいは変動を伴う脈動流かの判別を行い、流れ状態に応じて計測制御条件を切り替えて撮影間隔設定部13あるいは計測間隔設定部14での設定値を制御する流動状態判別部である。
21は流速計測手段11の流速演算部19で得た流速値と画像計測制御手段12から得た流速分布に対して補正を加えて真の平均流速あるいは流量を算出する演算処理手段であり、22は演算処理手段21で得た結果を外部に表示あるいは報知する表示手段である。
23は計測流路5の上流側に設け被計測流体にトレーサ粒子を供給する粒子供給手段であり、被計測流体が気体の場合は煙が流出する流出配管としたりあるいは煙発生液を供給する配管とこの煙発生液を加熱蒸発させる加熱手段で形成することができる。
また、被計測流体が液体の場合は、光を受けるとよく光る蛍光液を流出させる配管とすることができる。24は計測流路5に被計測流体を流入させる流路入口、25は計測流路5から被計測流体が流出する流路出口である。
次に、この流体計測装置の動作について、まず、粒子供給手段23から被計測流体にトレーサ粒子を供給しなくても良い場合、例えば被計測流体としてダストなど微細な粒子状の汚れを含んだ空気などの気体の場合について説明する。
流路入口24から計測流路5に流入した被計測流体は、例えば流速分布Aのような分布形状で計測流路5を流動する。流速計測手段11では配置された局所の流速を計測制御手段17により流速計測制御部18で所定の時間間隔で計測動作をさせて得た信号から流速演算部19で流速を算出する。
また、画像計測領域8では画像計測制御手段12が照明手段7および撮影手段9を駆動し、図2の撮影動作図に示すように時間T1、T2の微小な時間間隔である撮影間隔Taで画像計測領域8を撮影して流体内のダストなど微細な粒子が写った粒子画像である画像データD1、D2を得る。
画像処理部16ではこの粒子が写った画像データD1、D2を相関処理して粒子の移動速度と移動方向を算出して流体の流速分布を計算する。
ここで、撮影制御部15の撮影間隔設定部13および計測間隔設定部14は流速計測手段11で得た流速値を基に撮影間隔Taおよび計測間隔Tbの初期設定値を設定し、流速が速いほど撮影間隔Taを短くするように制御するもので、計測流路5内の代表流速は流速計測手段11により判るので流動パターン計測手段6では最適な計測条件を短時間で精度良く設定できる。
さらに、計測流路5内の流速に応じた適切な計測条件で計測するので流れ状態および平均流速の計測精度を向上でき、流動パターン計測手段6による流速値と流速計測手段11による流速値の比較により計測異常を検知して信頼性を高めた計測ができる。
また、この流動パターン計測手段6は画像計測領域8での流速分布の形状を二次元領域内を同時計測するので、流れを安定化させるための整流手段(図示せず)が無くても層流域から乱流域にいたる計測範囲の全域にわたり流速分布形状の計測精度を高めて計測でき、整流手段による流れの圧力損失を低減できるとともに装置の小型化ができる。
さらに、順次計測を進めるうちに流動状態に脈動など変動があると流動状態判別部20で判定する場合は、脈動などの周期に応じて計測間隔Tbを設定したり、流速が早くなると予測される場合などは撮影間隔Taを短くしたりと流動状態に応じた非定常な計測間隔の制御を行ったり、定常流れ時よりも短い計測間隔Tbで計測したりする。
このため、流動状態に応じた適切な計測条件で計測でき、非定常状態の流れに対しても計測精度の向上ができる。
また、計測流路5内の流速に急速な変化が有る場合では、流速計測手段11で得た流速値を基に流動パターン計測手段6の撮影制御部15の初期値を設定するだけでなく、順次流速計測手段11で得た流速値で撮影制御部15の撮影間隔設定部13および計測間隔設定部14を直接制御することで大きく変化する流れに対しても計測精度の向上ができる。
このようにして次々と計測し、演算処理手段21では流動パターン計測手段6で得た流速分布の形状を基に平均流速を求めるための補正係数の最適値を求め、流速計測手段11で得た流速値に対する補正値を決定して平均流速あるいは計測流路5の断面積を乗じて流量を算出する。
求めた流速あるいは流量などの流動状態を表示手段22で表示したり報知したりする。このようにして計測された被計測流体は計測流路5の流路出口25から流出する。
このように局所の流速値だけでなく流速分布も同時に計測するので、流体の温度変化あるいは流体の組成割合の変化などにより物性値(例えば動粘性係数など)が変わってレイノルズ数が変わり、同じ流速でも流れ状態が異なることにより発生したりしても物性値の変化に応じた正しい補正を行うことができる。
特に、都市ガス、LPG(液化石油ガス)等の流量を計測する場合では、季節あるいは地域の違いによるガス組成の変化が考えられる場合などに対して、より精度を高めた計測ができる。
また、流速計測手段11により計測流路5内の代表の流速を直接計測することで流動パターン計測手段6での計測条件の設定が容易となり、短時間で最適な計測条件を設定でき高速の計測ができる。
次に、計測流路5の上流側に粒子供給手段23を設けて被計測流体にトレーサ粒子を供給する場合は、計測可能な被計測流体の種類の制約を緩和でき、計測可能な流体の種類を増加させて利便性を向上できるだけでなく、適切なトレーサ粒子を被計測流体に供給することで一層鮮明な粒子画像の撮影ができて計測の信頼性と計測精度を向上できる。
また、計測流路5の幅W方向にわたる画像計測領域8での流れの画像計測に加えて、計測流路5の高さH方向にわたる画像計測領域8aで照明手段7aおよび撮影手段9aでの画像計測を行うことで、計測流路5の横断面内の流速分布がより精度高く推測できるようになり補正誤差をより一層低減して計測精度を向上できる。
さらに、流れに変動がある場合では計測流路5の横断面内の流速分布の過渡変化状況を精度高く捉えるられるので、流れの脈動など変動流に対して高精度化できる。
なお、図1では画像計測領域8の下流側に画像計測領域8aを配置した例を示したが、複数の画像計測領域8、8aを流れ方向でほぼ同じ位置に配置することで横断面内の流速分布をより一層高精度で計測でき、変動流に対する計測精度を向上できる。
さらに、ここではほぼ直交する方向の画像計測領域8aは計測流路5の幅Wのほぼ中央とする場合を示したが、中央ではなく任意の位置でも良いのは言うまでもなく、さらに複数の画像計測領域は異なる方向の例を示したが同じ方向として位置を異ならせても良いのは言うまでもない。
また、照明手段7、7aおよび撮影手段9、9aには透明窓10が計測流路5側に設けているので、照明手段7、7aおよび撮影手段9、9aへの汚れの付着を防止して耐久性および信頼性を向上でき、照明手段7、7aおよび撮影手段9、9aへの流体の流れ込みなど流れの乱れを防止して計測精度を向上できる。
なお、照明手段7としては半導体レーザなどの小型高出力の光源を利用し、撮影手段9としては小型高解像度のCCD素子などを使ったカメラを利用することで装置の小型化が実現できる。
以上のように、被計測流体が流れる計測流路5と、計測流路5内の流速分布形状を計測する流動パターン計測手段6と、計測流路5内の流速を計測する流速計測手段11と、流動パターン計測手段6で計測した流速分布を基に流速計測手段11で計測した流速値を補正して平均流速あるいは流量を求める演算処理手段21を備えているので、流速計測手段11により計測流路5内の代表の流速を直接計測することで流動パターン計測手段6での計測条件の設定が容易となり、短時間で最適な計測条件を設定でき高速の計測ができる。
さらに流速分布が凸型の層流となる低流速域から流速分布が比較的に平坦となる乱流化した大流速域にいたる計測範囲の全域にわたり、計測流路5内の代表の流速と計測流路5内の流速分布形状をともに計測することで流速分布形状をもとに代表の流速に対して誤差を低減した補正が可能となり、被計測流体の物性値に違いを生じても層流域から乱流域にいたる流量計測範囲の全域にわたり計測精度を向上できる。
また、流動パターン計測手段6は計測流路5内を照射する照明手段7とこの照明手段7により照射された画像計測領域8を撮影する撮影手段9とこの撮影手段9の出力画像に基づいて流速などの流動状態を算出する画像計測制御手段12を備えているので、画像計測領域8での流速分布の形状を二次元領域で同時計測でき、流れを安定化させるための整流手段が無くても層流域から乱流域にいたる計測範囲の全域にわたり計測精度を向上でき、整流手段による流れの圧力損失を低減できるとともに装置の小型化ができるものである。
また、画像計測制御手段12は微少な時間間隔で撮影手段9を駆動する撮影間隔設定部13と、次の計測までの時間間隔を設定する計測間隔設定部14を備えているので、流路内の流速に応じた適切な計測条件で計測するので流れ状態および平均流速の計測精度を向上でき、流動パターン計測手段6による流速値と流速計測手段11による流速値の比較により計測異常を検知して信頼性を高めた計測ができる。
また、画像計測制御手段12は計測した流速分布から流れ状態を判定して撮影間隔設定部13での撮影間隔あるいは計測間隔設定部14での計測間隔を変化させる流動状態判別部20を備えているので、流路内の流速が変化している場合でも流動状態に応じた適切な計測条件で計測でき、非定常状態の流れに対しても計測精度の向上ができる。
また、画像計測制御手段12は流速計測手段11で計測した流速値を基に撮影間隔設定部13あるいは計測間隔設定部14を制御するので、流路内の流速に急速な変化が有る場合では流速計測手段11で計測した流速値に応じて画像計測制御手段12は適切な計測条件で計測するので、大きく変化する流れに対しても計測精度の向上ができる。
また、流動パターン計測手段6は被計測流体にトレーサ粒子を供給する粒子供給手段23を計測流路5の上流側に備えているので、計測できる流体の種類を増加でき利便性が向上するだけでなく、適切なトレーサ粒子を供給することにより計測の信頼性と精度を向上できる。
また、画像計測領域8、8aは異なる複数方向に形成するように照明手段7、7aおよび撮影手段9、9aを異なる複数方向に設置したもので、流路の複数の断面で計測するので流れ状態の計測が一層高精度化でき、補正誤差をより一層低減して計測精度を向上できる。
また、照明手段7、7aおよび撮影手段9、9aは計測流路5の壁面に略面一に設けた透明窓10を介して被計測流体と分離して計測流路5に臨ませたもので、照明手段7、7aおよび撮影手段9、9aへの被計測流体による汚れの付着を防止して耐久性および信頼性を向上でき、照明手段7、7aおよび撮影手段9、9aへの流体の流れ込みなど流れの乱れを防止して計測精度を向上できる。
(実施例2)
図3において、図1〜図2の実施例と同一部材、同一機能は同一符号を付し詳細な説明は省略し、異なるところを中心に説明する。
図3において、図1〜図2の実施例と同一部材、同一機能は同一符号を付し詳細な説明は省略し、異なるところを中心に説明する。
26は照明手段7から出射された出射光27で形成される画像計測領域8の位置を変化させる照射位置変化手段である。
照射位置変化手段26は図中上下方向に移動可能で照明手段7に対向できるように設けられ、少なくとも二つの反射面26a、26bを備えている。28、29は反射面26a、26bからの反射光を計測流路5内に画像計測領域8を形成するように反射させる反射手段である。
次に、この照射位置変化手段26の動作について説明する。まず、照射位置変化手段26の反射面26aが照明手段7に対向する位置に移動させると、照明手段7からの出射光27は反射面26aで反射して反射手段28に向かい、反射手段28でさらに反射して計測流路5内を照射して画像計測領域8を形成する。
この画像計測領域8に対して撮影手段9で前述の流速分布計測を実施する。次に、照射位置変化手段26を駆動して図中下方に移動させて照射位置変化手段26の反射面26bを照明手段7に対向させ(図示せず)、照明手段7からの出射光27を反射面26bで反射させて反射手段29に向かわせ、反射手段29でさらに反射させて計測流路5内に画像計測領域8b(図中二点鎖線で示す)を形成する。
この画像計測領域8bに対して同様に撮影手段9で前述の流速分布計測を実施する。さらに、照射位置変化手段26を駆動して図中下方に移動させて照明手段7と対向しないようにすると、照明手段7からの出射光27は反射されずに直接計測流路5内に画像計測領域8c(図中二点鎖線で示す)を形成する。
この画像計測領域8cに対して同様に撮影手段9で前述の流速分布計測を実施する。このように、異なる複数の画像計測領域8、8b、8cで計測流路5内の流速分布計測を行い、流れ状態の計測を一層高精度化できる。
また、一つの照明手段7で流路の複数の断面で計測するので装置の小型化と低コスト化ができる。さらに、複数の画像計測領域8、8b、8cを実施例に示したように平行に配置すれば、一つの撮影手段9および一つの照明手段7で流路の複数の断面で計測できる装置の小型化と低コスト化が向上できる。
なお、照射位置変化手段26で画像計測領域8の形成方向を図示の高さH方向だけでなく幅W方向に形成するように反射させ、一つの照明手段7で異なる複数方向の画像計測領域8、8b、8cを形成できるのは言うまでもない。
以上のように、照明手段7は照射する画像計測領域8の位置を変化させる照射位置変化手段26を備えたもので、一つの照明手段7で流路の複数の断面で計測でき、流れ状態の計測の一層の高精度化と装置の小型化と低コスト化ができる。
(実施例3)
図4において、図1〜図3の実施例と同一部材、同一機能は同一符号を付し詳細な説明は省略し、異なるところを中心に説明する。
図4において、図1〜図3の実施例と同一部材、同一機能は同一符号を付し詳細な説明は省略し、異なるところを中心に説明する。
図において、流速計測手段11として、互いに対向するように流路壁5aに取付けた上流側および下流側の超音波送受信器30a、30bを設けている。
上流側の超音波送受信器30aと下流側の超音波送受信器30bは計測流路5の幅W方向を横切る方向に計測流路5の流体の流動方向に対して角度θ傾けて設置されている。31、32は超音波送受信器30a、30bを計測流路5に臨ませる上流側および下流側の開口穴である。
33は対向する超音波送受信器30aおよび30b間で送信された超音波が直接相手側に伝搬する超音波伝搬路(二点鎖線で領域を示す)である。
34は開口穴31、32への流体の流れ込みを低減する流入抑制体である。この流入抑制体34は流路壁5aと面一に設けるとともに超音波は通過できる微細な穴を有している。
次に超音波による流量計測動作を説明する。計測流路5では超音波送受信器30a、30b間で計測流路5の流路断面の幅Wを横切るようにして超音波の送受が行われる。すなわち、上流側の超音波送受信器30aから発せられた超音波が下流側の超音波送受信器30bで受信されるまでの伝搬時間T1を計測する。
また一方、下流側の超音波送受信器30bから発せられた超音波が上流側の超音波送受信器30aで受信されるまでの伝搬時間T2を計測し、この伝搬時間T1、T2の逆数の差から流速が算出される。
この超音波による流速の計測は瞬時にできるので、流動パターン計測手段6に対して計測条件の初期設定値を高精度かつ高速で与えることができ、流速分布の計測を一層高速で実現できる。
さらに、超音波による計測領域は局所的な流速ではなく、計測流路5の幅W方向にわたるとともに流れ方向および計測流路5の高さH方向に拡がった三次元空間を計測しているので計測流路5の真の平均流速に近づいた流速を計測することで補正量が小さくなり補正誤差を低減できる。
以上のように、流速計測手段11は計測流路5の上流側に配置した超音波送受信器30aと計測流路5の下流側に配置した超音波送受信器30bとを超音波が送受信できるように超音波伝搬路33を介して対向配置して構成したものである。
そして、超音波送受信器30a、30b間で超音波を伝搬させて伝搬路内の流速を瞬時計測して流動パターン計測手段6での高速の計測を一層促進して計測速度の向上ができ、また超音波を計測流路5内に伝搬させて局所の流速ではなく計測流路5の平均流速に近づけた流速を計測することで補正誤差を低減できる。
以上のように、本発明にかかる流体計測装置は、被計測流体の物性値に違いを生じても層流域から乱流域にいたる流量計測範囲の全域にわたり計測精度を向上できるものであり、ガスなどの気体流体から液体流体まで広範囲の流体流速、或いは流量などの測定が可能である。
5 計測流路
6 流動パターン計測手段
7、7a 照明手段
8、8a 画像計測領域
9、9a 撮影手段
10 透明窓
11 流速計測手段
12 画像計測制御手段
13 撮影間隔設定部
14 計測間隔設定部
20 流動状態判別部
21 演算処理手段
23 粒子供給手段
26 照射位置変化手段
6 流動パターン計測手段
7、7a 照明手段
8、8a 画像計測領域
9、9a 撮影手段
10 透明窓
11 流速計測手段
12 画像計測制御手段
13 撮影間隔設定部
14 計測間隔設定部
20 流動状態判別部
21 演算処理手段
23 粒子供給手段
26 照射位置変化手段
Claims (10)
- 被計測流体が流れる計測流路と、前記計測流路内の流速分布形態を計測する流動パターン計測手段と、前記計測流路内の流速を計測する流速計測手段と、流動パターン計測手段で計測した流速分布を基に流速計測手段で計測した流速値を補正して平均流速あるいは流量を求める演算処理手段とを備えた流体計測装置。
- 流速計測手段は、少なくとも一対の超音波送受信器を計測流路の上流側と下流側に超音波伝搬路となる間隔をおいて配置して構成した請求項1記載の流体計測装置。
- 流動パターン計測手段は、計測流路内を照射する照明手段と、前記照明手段により照射された画像計測領域を撮影する撮影手段と、前記撮影手段の出力画像に基づいて流速などの流動状態を算出する画像計測制御手段とを備えた請求項1または2に記載の流体計測装置。
- 画像計測制御手段は、微少な時間間隔で撮影手段を駆動する撮影間隔設定部と、次の計測までの時間間隔を設定する計測間隔設定部とを備えた請求項3記載の流体計測装置。
- 画像計測制御手段は、計測した流速分布から流れ状態を判定して撮影間隔設定部での撮影間隔あるいは計測間隔設定部での計測間隔を変化させる流動状態判別部を備えた請求項3〜4いずれか1項記載の流体計測装置。
- 画像計測制御手段は、流速計測手段で計測した流速値を基に撮影間隔設定部あるいは計測間隔設定部を制御する請求項2〜5いずれか1項記載の流体計測装置。
- 流動パターン計測手段は、被計測流体にトレーサ粒子を供給する粒子供給手段を計測流路の上流側に備えた請求項3記載の流体計測装置。
- 画像計測領域は、異なる複数方向に形成するように照明手段および撮影手段を異なる複数方向に設置した請求項3〜7いずれか1項記載の流体計測装置。
- 照明手段は、照射する画像計測領域の位置を変化させる照射位置変化手段を備えた請求項3または8に記載の流体計測装置。
- 照明手段および撮影手段は計測流路の壁面に略面一に設けた透明窓を介して被計測流体と分離して計測流路に臨ませた請求項3記載の流体計測装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003274689A JP2005037252A (ja) | 2003-07-15 | 2003-07-15 | 流体計測装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003274689A JP2005037252A (ja) | 2003-07-15 | 2003-07-15 | 流体計測装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005037252A true JP2005037252A (ja) | 2005-02-10 |
Family
ID=34211577
Family Applications (1)
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JP2003274689A Pending JP2005037252A (ja) | 2003-07-15 | 2003-07-15 | 流体計測装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2005037252A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008175710A (ja) * | 2007-01-19 | 2008-07-31 | Hitachi Plant Technologies Ltd | 流速測定装置 |
WO2013051272A1 (ja) * | 2011-10-06 | 2013-04-11 | パナソニック株式会社 | 流量計測装置の設定方法 |
KR20220109654A (ko) * | 2021-01-29 | 2022-08-05 | 한국원자력연구원 | 유량 측정 장치 및 이를 이용한 유량 측정 방법 |
-
2003
- 2003-07-15 JP JP2003274689A patent/JP2005037252A/ja active Pending
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KR102498270B1 (ko) | 2021-01-29 | 2023-02-10 | 한국원자력연구원 | 유량 측정 장치 및 이를 이용한 유량 측정 방법 |
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