JP5035606B2 - 河川流量算出装置、河川流量算出方法およびコンピュータプログラム - Google Patents

河川流量算出装置、河川流量算出方法およびコンピュータプログラム Download PDF

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Description

本発明は、河川の流量、流速などをタイムリーに計測するための技術に関する。
河川の流量の計測は、従来は浮き子を用いる観測が行われてきた。特許文献1には、その例を示す。
特公平05−11909号公報
一方、複雑な流れ場の流動を高精度かつ精密に測定する粒子画像流速計(以下、「PIVシステム」という)が知られている。簡単に説明すれば、被測定流体の流れ場にレーザ光をシート状に投入してレーザシートを形成して、レーザシート上における二つの時刻での粒子画像を連続撮像し、その輝度パターン分布を比較して流体の流速や方向を測定する技術である。
この技術を応用した技術として、特許文献2に示される河川の流量、流速の測定技術がある。
特開2004−117119号公報
この技術によれば、『水位計による水位データとビデオカメラによる画像データとを用いて、垂直平面画像への幾何補正をした画像データに対してPIV解析を実行する』という構成により、『ほぼリアルタイムに河川の表面流速分布や流量を自動観測できる』というものである。
しかしながら、水位計による水位データは、河川流量の計測に誤差を生じさせる原因となっている。水位が一定であっても河川の河床の状態に応じて流量が異なるからである。
本発明は上記に鑑みなされたものであり、河川の流量をより正確に計測することを課題とする。
本発明における請求項1から請求項4に記載の発明の目的は、河川の流量をより正確に計測できる河川流量算出装置を提供することである。
また、請求項5から請求項7に記載の発明の目的は、河川の流量をより正確に計測できる河川流量算出方法を提供することである。
また、請求項8から請求項10に記載の発明の目的は、コンピュータによって河川の流量をより正確に計測できる河川流量算出プログラムを提供することである。
本発明者は、リアルタイム性に優れたPIV解析による流速の測定と、誤差の小さな超音波流量計との利点を組合せた算出方法を案出し、以下の発明を提供する。
(請求項1)
請求項1記載の発明は、超音波流量計に基づく流量計測システムと、PIV解析に基づく表面流速計測システムと、前記各システムにて計測された流量および表面流速分布を蓄積する流量データ蓄積システムと、その流量データ蓄積システムおよび前記表面流速計測システムを用いて河川の流量を算出する河川流量算出システムと、を備えた河川の流量を計測する河川流量算出装置に係る。
前記流量計測システムは、 超音波パルスを被測定流体中へ所定角度の測定線に沿って入射させるとともに被測定流体に入射された超音波パルスのうち測定領域から反射された繰り返し周波数の超音波エコーを受信するトランスデューサと、 そのトランスデューサによって前記測定線上の流速分布を作成する流体速度分布作成手段と、 その被測定流体の流速分布に基づいて当該河川の流量を算出する流量演算手段と、を備える。
前記表面流速計測システムは、計測対象の河川の表面画像を微小時間間隔で撮像する撮像手段と、その撮像手段で取得した複数の時刻の輝度パターン分布を比較することによって流体移動空間内における所定の画点の移動方向および移動量を計測する画像処理手段と、その画像処理手段が計測した画点の移動方向および移動量に基づいて流れ場を解析して河川の表面流速分布を算出する表面流速算出手段と、を備える。
前記流量データ蓄積システムは、前記当該河川の流量データを、日時時刻を含む条件データおよび前記河川の表面流速分布とともにデータベース化する流量データ蓄積手段を備える。
前記河川流量算出システムは、前記表面流速計測システムにて算出された河川の表面流速分布と、前記流量データ蓄積手段に蓄積された河川の流量データから前記河川の表面流速分布と関連するデータを抽出し、その関連データおよび前記河川の表面流速分布を用いて河川の流量を算出する。以上のような構成を特徴とする。
(用語説明)
「超音波流量計」とは、ドップラ式超音波流量計のほか、相互相関式の超音波流量計を含む。
「撮像手段」とは、河川表面を撮像するために形成されたものである。撮像手段の構成としては、例えば、CCD撮像素子を備えたカメラやCMOS撮像素子を備えたカメラ、光ファイバケーブルなどから構成されている。一般的には、遠隔操作を可能としている。
「条件データ」とは、日時時刻の他、現地や当該河川の上流付近の天候、前数日間の降水量などである。
(作用)
ある河川における流量を算出したい箇所に対して、超音波流量計を用いた測定に基づいてデータを蓄積する。一方、PIV解析に基づいて、河川の表面流速分布を算出する。そして、PIV解析に基づく表面流速分布と蓄積されたデータとから、河川の流量を算出する。
以下、詳述する。
まず、トランスデューサが超音波パルスを被測定流体中へ所定角度の測定線に沿って入射させるとともに被測定流体に入射された超音波パルスのうち測定領域から反射された繰り返し周波数の超音波エコーを受信する。そのトランスデューサによって前記測定線上の流速分布を流体速度分布作成手段が作成する。その被測定流体の流速分布に基づいて当該河川の流量を流量演算手段が算出する。その流量演算手段が算出した当該河川の流量データを、流量データ蓄積手段が、日時時刻を含む条件データとともにデータベース化する。
一方、撮像手段が計測対象の河川の表面画像を微小時間間隔で撮像する。その撮像手段で取得した複数の時刻の輝度パターン分布を比較することによって流体移動空間内における所定の画点の移動方向および移動量を画像処理手段が計測する。その画像処理手段が計測した画点の移動方向および移動量に基づいて、表面流速算出手段が流れ場を解析して河川の表面流速分布を算出する。
算出された河川の表面流速分布と、超音波流量計にて同時に測定した流量とを、前記流量データ蓄積手段によってデータベース化する。
最後に、PIV解析によって算出された河川の表面流速分布と、前記流量データ蓄積手段に蓄積された河川の流量データから前記河川の表面流速分布と関連するデータを抽出し、その関連データと前記河川の表面流速分布とを用いて河川の流量を算出する。これによって、リアルタイム性を確保しつつ、河川の正確な流量の算出に寄与する。
(請求項2)
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の河川流量算出装置を限定したものである。
すなわち、 前記トランスデューサは、当該河川の川幅方向に沿って複数備え、 前記流量演算手段は、複数のトランスデューサが受信した超音波エコーに基づく複数の流速分布を用いて当該河川の流量を算出することとしたことを特徴とする。
(作用)
トランスデューサを複数備えることによって、流速分布の再現性を向上させ、誤差の小さな流量測定を実現できる。
ここで算出した流量データは、流量データ蓄積手段に蓄積され、最終的な河川流量データの算出に寄与する。
(請求項3)
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2のいずれかに記載の河川流量算出装置を限定したものである。
すなわち、前記流量データ蓄積システムには、前記条件データとして、水位データを含むことを特徴とする。
(作用)
水位データは、既存のインフラストラクチャーにおいて計測している場合が多い。その水位データをデータベースに蓄積することで、最終的な河川流量データの算出に寄与する。
(請求項4)
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の河川流量算出装置を限定したものである。
すなわち、前記流量データ蓄積システムの流量データ蓄積手段は、所定箇所と、その所定箇所よりも下流側において当該河川の支流が合流する地点よりも下流側の合流下流箇所とにおける流量データおよび表面流速分布をデータベース化することを特徴とする。
(作用)
流量データ蓄積手段におけるデータベースに対して、支流などの影響を反映させることができる。
(請求項5)
請求項5に記載の発明は、超音波流量計に基づく流量計測フローと、PIV解析に基づく表面流速計測フローと、前記流量計測フローおよび前記表面流速計測フローを用いてデータを蓄積する流量データ蓄積フローと、前記流量データ蓄積フローおよび前記表面流速計測フローを用いて河川の流量を算出する河川流量算出フローと、から河川の流量を計測する河川流量算出方法に係る。
前記流量計測フローは、トランスデューサにて超音波パルスを被測定流体中へ所定角度の測定線に沿って入射させるとともに被測定流体に入射された超音波パルスのうち測定領域から反射された繰り返し周波数の超音波エコーを受信する超音波送受信手順と、前記トランスデューサが受信した超音波エコーを用いて前記測定線上の流速分布を作成する流体速度分布作成手順と、その被測定流体の流速分布に基づいて当該河川の流量を算出する流量演算手順と、を含む。
前記表面流速計測フローは、計測対象の河川の表面画像を微小時間間隔で撮像する撮像手順と、その撮像手順にて取得した複数の時刻の輝度パターン分布を比較することによって流体移動空間内における所定の画点の移動方向および移動量を計測する画像処理手順と、その画像処理手順にて計測した画点の移動方向および移動量に基づいて流れ場を解析して河川の表面流速分布を算出する表面流速算出手順と、を含む。
前記流量データ蓄積フローは、前記流量計測フローにて算出した当該河川流量データと前記表面流速計測フローにて算出した当該河川の表面流速分布、日時時刻を含む条件データとともにデータベース化するデータベース化手順を含む。
前記河川流量算出フローは、前記表面流速計測フローにて算出された河川の表面流速分布と、前記流量データ蓄積フローにてデータベース化された河川の流量データから前記河川の表面流速分布と関連するデータを抽出する関連データ抽出手順と、その抽出された関連データおよび前記河川の表面流速分布を用いて河川の流量を算出する流量算出手順とを含む。
(請求項6)
請求項6記載の発明は、請求項5に記載の流体計測システムを限定したものである。
すなわち、前記トランスデューサは、当該河川の川幅方向に沿って複数備え、 前記流量計測手順における流量演算手順は、複数のトランスデューサが受信した超音波エコーに基づく複数の流速分布を用いて当該河川の流量を算出することとしたことを特徴とする。
(請求項7)
請求項7に記載の発明は、請求項5または請求項6のいずれかに記載の河川流量算出方法を限定したものである。
すなわち、前記流量データ蓄積フローにおけるデータベース化手順は、所定箇所と、その所定箇所よりも下流側において当該河川の支流が合流する地点よりも下流側の合流下流箇所とにおける流量データおよび表面流速分布をデータベース化することを特徴とする。
(請求項8)
請求項8に記載の発明は、超音波流量計に基づく流量計測フローと、PIV解析に基づく表面流速計測フローと、前記流量計測フローおよび前記表面流速計測フローを用いてデータを蓄積する流量データ蓄積フローと、前記流量データ蓄積フローおよび前記表面流速計測フローを用いて河川の流量を算出する河川流量算出フローと、から河川の流量を計測する河川流量算出方法をコンピュータに実行させるためのプログラムに係る。
前記流量計測フローは、トランスデューサにて超音波パルスを被測定流体中へ所定角度の測定線に沿って入射させるとともに被測定流体に入射された超音波パルスのうち測定領域から反射された繰り返し周波数の超音波エコーを受信する超音波送受信手順と、前記トランスデューサが受信した超音波エコーを用いて前記測定線上の流速分布を作成する流体速度分布作成手順と、その被測定流体の流速分布に基づいて当該河川の流量を算出する流量演算手順と、を実行させる。
前記表面流速計測フローは、計測対象の河川の表面画像を微小時間間隔で撮像する撮像手順と、その撮像手順にて取得した複数の時刻の輝度パターン分布を比較することによって流体移動空間内における所定の画点の移動方向および移動量を計測する画像処理手順と、その画像処理手順にて計測した画点の移動方向および移動量に基づいて流れ場を解析して河川の表面流速分布を算出する表面流速算出手順と、をコンピュータに実行させる。
前記流量データ蓄積フローは、前記流量計測フローにて算出した当該河川流量データと前記表面流速計測フローにて算出した当該河川の表面流速分布、日時時刻を含む条件データとともにデータベース化する流量データ蓄積手順をコンピュータに実行させる。
前記河川流量算出フローは、前記表面流速計測フローにて算出された河川の表面流速分布と、前記流量データ蓄積フローにてデータベース化された河川の流量データから前記の河川の表面流速分布と関連するデータを抽出する関連データ抽出手順と、その抽出された関連データおよび前記河川の表面流速分布を用いて河川の流量を算出する流量算出手順とをコンピュータに実行させる。
以上のようなことを特徴とするコンピュータプログラムである。
(請求項9)
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載のコンピュータプログラムを限定したものである。
すなわち、前記トランスデューサは、当該河川の川幅方向に沿って複数備え、
前記流量データ蓄積手順における流量演算手順は、複数のトランスデューサが受信した超音波エコーに基づく複数の流速分布を用いて当該河川の流量を算出することとしたことを特徴とする。
(請求項10)
請求項10に記載の発明は、請求項8または請求項9のいずれかに記載のコンピュータプログラムを限定したものである。
すなわち、 前記流量データ蓄積フローにおける流量データ蓄積手順は、所定箇所と、その所定箇所よりも下流側において当該河川の支流が合流する地点よりも下流側の合流下流箇所とにおける流量データおよび表面流速分布をデータベース化することを特徴とする。
請求項から請求項10に記載されたコンピュータプログラムを、記録媒体(たとえば、CD−R、DVD−Rなど)に記憶させて配布することもできるし、通信回線を通じて他の記録媒体に送信することも可能である。
本発明における請求項1から請求項4に記載の発明によれば、河川の流量をより正確に計測できる河川流量算出装置を提供することができた。

また、請求項5から請求項7に記載の発明によれば、河川の流量をより正確に計測できる河川流量算出方法を提供することができた。
また、請求項8から請求項10に記載の発明によれば、コンピュータによって河川の流量をより正確に計測できる河川流量算出プログラムを提供することができた。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて更に詳しく説明する。図1から図6は、本発明の実施形態に係る河川流量算出装置を概念的に示したものである。図1にて全体概要を示し、他の図2から図6との関係をも示している。
図1に示すように、本発明の実施形態に係る河川流量算出装置は、PIV(粒子画像流速計)を利用した表面流速計測システムにて河川の表面流速分布を計測し、UTF(相互相関式超音波流量計)を利用した超音波河川流量計測システムにて河川表面から河川底面までの実際の流量を計測している。
そして、予め表面流速計測システムにて計測したポイント毎の河川の表面流速分布と、超音波河川流量計測システムにて計測したポイント毎の河川流量をデータベース化しておく。そして、表面流速計測システムによるリアルタイムの河川の表面流速分布から、当該データベースに基づき、河川流量を推定し、出力するものである。
なお、超音波河川流量計測システムは、河川の表面流速分布およびその表面流速分布の計測時の条件データさえ入力すれば、河川流量を算出できる演算式が構築できるほどのデータを、データベース内に構築できたら、そのデータベース構築後は、不要となり、撤去してもよい。また、設置しておいて、適宜、データベースを見直すことも可能である。
図2に示すのは、UTF(相互相関式超音波流量計)の原理である。
図2(a)に示すように、被測定流体に対して、所定角度(θ)にてトランスデューサから超音波を発信する。すると、被測定流体の中に含まれる反射体(微粒子・気泡など)にぶつかった超音波が反射する。T秒間隔(繰り返し周波数)で超音波を発信し、反射体からのエコー信号を受信することにより、位相差Δζを得ることができる。
図2(b)に示すように、反射体エコー信号の位相差Δζからは、以下の式で、流体速度uを算出することができる。
u=CΔζ/2Tcosθ
そして、図2(c)に示すように、反射体の位置に基づいた流速分布を算出し、その流速分布を流量に換算することで、流量を計測するのである。
図3に示すように、河川には川幅があり、幅方向の平行な平面を取り出したら、その深さは一定ではない。そこで、川幅方向に沿って複数(図中では7つ)のトランスデューサを設置し、それぞれのトランスデューサに基づいて流速分布を得る。そして、各流速分布を補完し、流量を計測する。
この流量計測は、特定箇所での継続的な測定を行い、測定結果は日時時刻、場所、天候、水位などのデータとともにデータベース化する。
図示は省略するが、このような測定を、当該河川の支流を挟んで、その合流ポイントの上流側および下流側にて計測すれば、支流から流れ込む流量も把握できる。
図4に示すのは、PIVの原理である。すなわち、テレスコープおよび撮像手段(CCDカメラモジュール等)を用いて、所定箇所の時刻tおよび時刻t+Δtにおける河川表面を撮影する。撮影した画像は、コンピュータに取り込まれる。そして、そのコンピュータ内において、二つの画像における粒子画像の輝度パターン分布を比較し、流体の流速や方向を把握する。
なお詳細な図示は省略するが、前記の撮像装置は、その撮像のタイミングを制御する画像処理装置によって制御されており、制御手段は、CCDカメラの適切な焦点距離の算出等を行う焦点距離調整手段を備える。
画像処理手段によって解析処理して粒子群の移動量等を求めるに際しては、二つの時刻における粒子画像中の所定の輝度パターンを構成する粒子群が離れすぎていては、両者の相関を知ることが困難である。したがって、粒子群の移動距離は縦又は横の全画素数に対して0.5〜10%程度(例えば、縦(又は横)の全画素数1000画素の場合で、5〜100画素)の領域に収まっていることが好ましい。
そのような領域に収まらない場合には、レーザ光などによって照射する、あるいはC−MOSセンサなどの感度の高い撮像手段を採用する。
以上のようにして取得したPIV法による表面流速分布の測定データは、UTFによる河川流量のデータとの関連性とともにデータベース化される。
図5に示すように、本実施形態では、PIVによるリアルタイムな表面流速分布を得られたら、その表面流速分布によって当該河川の流量を推定する。すなわち、表面流速分布に関連するデータを、予めPIVによって得られた表面流速分布とUTFによって得られた流量測定データを含む各種のデータをデータベースから抽出し、河川流量を推定し、ほぼリアルタイムに算出して出力するのである。
図6に示すのは、本実施形態を応用した例である。すなわち、ある一級河川の堤防が決壊し、洪水が発生した際の決壊箇所の流出量を算出するモデルである。
当該一級河川のある支流の上流側(大綱橋下流)の流量(Q1)と当該支流の下流側(加瀬ポンプ場)とにおける流量(Q2)を、PIVによる測定によって得る。また、前記支流の流量(Q12)を、何らかの手段によって得る。(支流といっても放水路のような施設の場合には、本願発明に用いたPIVやUTFなどを用いなくても、簡単に求められる場合がある。)
決壊箇所からの流出量Qxは、
Qx=Q1+Q12−Q2
となる。
以上のように、本実施形態によれば、リアルタイム性に優れたPIV解析による流速測定と、誤差の小さな超音波流量計との利点を組合せた河川流量算出装置を提供することができた。
本願発明は、河川の管理事業、橋脚のメーカや検査事業、河川災害時の情報システムの提供事業などにおいて利用可能性がある。
本発明の実施形態に係る河川流量算出装置を概念的に示したものである。 本発明の実施形態に係る河川流量算出装置におけるUTFを概念的に示したものである。 本発明の実施形態に係る河川流量算出装置におけるUTFを実際に利用する場面を概念的に示したものである。 本発明の実施形態に係る河川流量算出装置におけるPIVを実際に利用する場面を概念的に示したものである。 本発明の実施形態に係る河川流量算出装置におけるUTFとPIVとの関係をブロック図にて示したものである。 本発明の実施形態に係る河川流量算出装置の応用例を概念的に示したものである。

Claims (10)

  1. 超音波流量計に基づく流量計測システムと、PIV解析に基づく表面流速計測システムと、前記各システムにて計測された流量および表面流速分布を蓄積する流量データ蓄積システムと、その流量データ蓄積システムおよび前記表面流速計測システムを用いて河川の流量を算出する河川流量算出システムと、を備えた河川の流量を計測する河川流量算出装置であって、
    前記流量計測システムは、
    超音波パルスを被測定流体中へ所定角度の測定線に沿って入射させるとともに被測定流体に入射された超音波パルスのうち測定領域から反射された繰り返し周波数の超音波エコーを受信するトランスデューサと、
    そのトランスデューサによって前記測定線上の流速分布を作成する流体速度分布作成手段と、
    その被測定流体の流速分布に基づいて当該河川の流量を算出する流量演算手段と、を備え、
    前記表面流速計測システムは、
    計測対象の河川の表面画像を微小時間間隔で撮像する撮像手段と、
    その撮像手段で取得した複数の時刻の輝度パターン分布を比較することによって流体移動空間内における所定の画点の移動方向および移動量を計測する画像処理手段と、
    その画像処理手段が計測した画点の移動方向および移動量に基づいて流れ場を解析して河川の表面流速分布を算出する表面流速算出手段と、を備え、
    前記流量データ蓄積システムは、
    前記当該河川の流量データを、日時時刻を含む条件データおよび前記河川の表面流速分布とともにデータベース化する流量データ蓄積手段を備え、
    前記河川流量算出システムは、前記表面流速計測システムにて算出された河川の表面流速分布と、前記流量データ蓄積手段に蓄積された河川の流量データから前記河川の表面流速分布と関連するデータを抽出し、その関連データおよび前記河川の表面流速分布を用いて河川の流量を算出することとしたことを特徴とする河川流量算出装置。
  2. 前記トランスデューサは、当該河川の川幅方向に沿って複数備え、
    前記流量演算手段は、複数のトランスデューサが受信した超音波エコーに基づく複数の流速分布を用いて当該河川の流量を算出することとしたことを特徴とする請求項1に記載の河川流量算出装置。
  3. 前記流量データ蓄積システムには、前記条件データとして、水位データを含むことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の河川流量算出装置。
  4. 前記流量データ蓄積システムの流量データ蓄積手段は、所定箇所と、その所定箇所よりも下流側において当該河川の支流が合流する地点よりも下流側の合流下流箇所とにおける流量データおよび表面流速分布をデータベース化することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の河川流量算出装置。
  5. 超音波流量計に基づく流量計測フローと、PIV解析に基づく表面流速計測フローと、前記流量計測フローおよび前記表面流速計測フローを用いてデータを蓄積する流量データ蓄積フローと、前記流量データ蓄積フローおよび前記表面流速計測フローを用いて河川の流量を算出する河川流量算出フローと、から河川の流量を計測する河川流量算出方法であって、
    前記流量計測フローは、
    トランスデューサにて超音波パルスを被測定流体中へ所定角度の測定線に沿って入射させるとともに被測定流体に入射された超音波パルスのうち測定領域から反射された繰り返し周波数の超音波エコーを受信する超音波送受信手順と、
    前記トランスデューサが受信した超音波エコーを用いて前記測定線上の流速分布を作成する流体速度分布作成手順と、
    その被測定流体の流速分布に基づいて当該河川の流量を算出する流量演算手順と、を含み、
    前記表面流速計測フローは、
    計測対象の河川の表面画像を微小時間間隔で撮像する撮像手順と、
    その撮像手順にて取得した複数の時刻の輝度パターン分布を比較することによって流体移動空間内における所定の画点の移動方向および移動量を計測する画像処理手順と、
    その画像処理手順にて計測した画点の移動方向および移動量に基づいて流れ場を解析して河川の表面流速分布を算出する表面流速算出手順と、を含み、
    前記流量データ蓄積フローは、前記流量計測フローにて算出した当該河川流量データと前記表面流速計測フローにて算出した当該河川の表面流速分布、日時時刻を含む条件データとともにデータベース化するデータベース化手順を含み、
    前記河川流量算出フローは、
    前記表面流速計測フローにて算出された河川の表面流速分布と、前記流量データ蓄積フローにてデータベース化された河川の流量データから前記河川の表面流速分布と関連するデータを抽出する関連データ抽出手順と、
    その抽出された関連データおよび前記河川の表面流速分布を用いて河川の流量を算出する流量算出手順とを含むこととしたことを特徴とする河川流量算出方法。
  6. 前記トランスデューサは、当該河川の川幅方向に沿って複数備え、
    前記流量計測手順における流量演算手順は、複数のトランスデューサが受信した超音波エコーに基づく複数の流速分布を用いて当該河川の流量を算出することとしたことを特徴とする請求項5に記載の河川流量算出方法。
  7. 前記流量データ蓄積フローにおけるデータベース化手順は、所定箇所と、その所定箇所よりも下流側において当該河川の支流が合流する地点よりも下流側の合流下流箇所とにおける流量データおよび表面流速分布をデータベース化することを特徴とする請求項5または請求項6のいずれかに記載の河川流量算出方法。
  8. 超音波流量計に基づく流量計測フローと、PIV解析に基づく表面流速計測フローと、前記流量計測フローおよび前記表面流速計測フローを用いてデータを蓄積する流量データ蓄積フローと、前記流量データ蓄積フローおよび前記表面流速計測フローを用いて河川の流量を算出する河川流量算出フローと、から河川の流量を計測する河川流量算出方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
    前記流量計測フローは、
    トランスデューサにて超音波パルスを被測定流体中へ所定角度の測定線に沿って入射させるとともに被測定流体に入射された超音波パルスのうち測定領域から反射された繰り返し周波数の超音波エコーを受信する超音波送受信手順と、
    前記トランスデューサが受信した超音波エコーを用いて前記測定線上の流速分布を作成する流体速度分布作成手順と、
    その被測定流体の流速分布に基づいて当該河川の流量を算出する流量演算手順と、を実行させ、
    前記表面流速計測フローは、
    計測対象の河川の表面画像を微小時間間隔で撮像する撮像手順と、
    その撮像手順にて取得した複数の時刻の輝度パターン分布を比較することによって流体移動空間内における所定の画点の移動方向および移動量を計測する画像処理手順と、
    その画像処理手順にて計測した画点の移動方向および移動量に基づいて流れ場を解析して河川の表面流速分布を算出する表面流速算出手順と、をコンピュータに実行させ、
    前記流量データ蓄積フローは、
    前記流量計測フローにて算出した当該河川流量データと前記表面流速計測フローにて算出した当該河川の表面流速分布、日時時刻を含む条件データとともにデータベース化する流量データ蓄積手順をコンピュータに実行させ、
    前記河川流量算出フローは、
    前記表面流速計測フローにて算出された河川の表面流速分布と、前記流量データ蓄積フローにてデータベース化河川の流量データから前記河川表面流速と関連するデータを抽出する関連データ抽出手順と、
    その抽出された関連データおよび前記河川の表面流速分布を用いて河川の流量を算出する流量算出手順とをコンピュータに実行させることとしたことを特徴とするコンピュータプログラム。
  9. 前記トランスデューサは、当該河川の川幅方向に沿って複数備え、
    前記流量計測手順における流量演算手順は、複数のトランスデューサが受信した超音波エコーに基づく複数の流速分布を用いて当該河川の流量を算出することとしたことを特徴とする請求項8に記載のコンピュータプログラム。
  10. 前記流量データ蓄積フローにおける流量データ蓄積手順は、所定箇所と、その所定箇所よりも下流側において当該河川の支流が合流する地点よりも下流側の合流下流箇所とにおける流量データおよび表面流速分布をデータベース化することを特徴とする請求項8または請求項9のいずれかに記載のコンピュータプログラム。
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