JP2002520583A - マルチコード流量計 - Google Patents

マルチコード流量計

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JP2002520583A
JP2002520583A JP2000559397A JP2000559397A JP2002520583A JP 2002520583 A JP2002520583 A JP 2002520583A JP 2000559397 A JP2000559397 A JP 2000559397A JP 2000559397 A JP2000559397 A JP 2000559397A JP 2002520583 A JP2002520583 A JP 2002520583A
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セドリック モノッド
ディディエル パボア
フレデリック パタット
ジャン−ピエール ルムニエラス
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フォール ハーマン
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    • G01MEASURING; TESTING
    • G01FMEASURING VOLUME, VOLUME FLOW, MASS FLOW OR LIQUID LEVEL; METERING BY VOLUME
    • G01F1/00Measuring the volume flow or mass flow of fluid or fluent solid material wherein the fluid passes through a meter in a continuous flow
    • G01F1/66Measuring the volume flow or mass flow of fluid or fluent solid material wherein the fluid passes through a meter in a continuous flow by measuring frequency, phase shift or propagation time of electromagnetic or other waves, e.g. using ultrasonic flowmeters
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    • G01F1/66Measuring the volume flow or mass flow of fluid or fluent solid material wherein the fluid passes through a meter in a continuous flow by measuring frequency, phase shift or propagation time of electromagnetic or other waves, e.g. using ultrasonic flowmeters
    • G01F1/667Arrangements of transducers for ultrasonic flowmeters; Circuits for operating ultrasonic flowmeters

Abstract

(57)【要約】 本発明は、計測誤差及びトランスデューサの数を低減する超音波計測デバイスに関する。前記デバイスは、各々少なくとも1つのトランスデューサを有する少なくとも2群(31;32、33)を形成する少なくとも3つのトランスデューサ(31、32、33)を備え、前記群は、流体の流れの主軸方向に互いにずらして配置されている。本発明は、前記群のうち少なくとも1つの群の少なくとも1つのトランスデューサ(31)の放射ダイヤグラムが、他の群の少なくとも2つのトランスデューサ(32、33)をカバーすることを特徴とする。本発明は、トランスデューサの数を低減する一方、計測の質を改善することを可能にする。本発明は、流量及び速度の計測に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、液体又は気体相における流量を計測する装置に関し、特に、超音波
を利用して流量計測する装置に関する。
【0002】 流量の計測は、液体又は気体相における瞬間的な流量を測定及び計測する用途
、例えば、売買取引される流体を測定するのに使用される。計測システムによっ
て与えられる有用な情報は、流量の瞬間的な値、時間的に平均化された値つまり
平均流量、又は同時刻に2点間で計測される体積とされ得る。瞬間的又は平均的
流量の計測は、製造プロセスに加わる1つ又は幾つかの流体を検知し、制御し又
は調整することが必要なプロセスにおいて特に使用されている。所定の時間間隔
に亘る流量の計測を集積することにより得られる体積の計測は、顧客と供給者の
間で所定体積の液体を販売するのと同様に、充満及び/又は空のタンクに特に利
用される測定を実行させ得る。このように移送される体積は、特に取引に関する
金銭価値を計算するのに使用し得ることが十分に正確に知られることが好ましい
【0003】 さらに、流量計測システムは、バッテリーの電気エネルギー源、又は標準AC
ユーティリティの50若しくは60Hz回線供給タイプの提供を必要とするのみ
であるスタンドアロンタイプとするのが好適である。
【0004】 流量計測の一般的分野、及び、特に流体の流量計測において、超音波デバイス
を利用する数多くの技術が提案されてきた。これらのシステムの主要なものは、
いわゆる伝播時間方法を採用している。図1は、シングルコードタイプの従来の
流量計を示す。第1及び第2の超音波トランスデューサ1及び2が、流体が矢符
4で示される方向に流通する導管3の側面に設けられている。図1の例において
、前記導管は、円形断面を有する円筒状であり、前記2つのトランスデューサは
、径方向に対向して配置され、直線を生成している。さらに、2つのトランスデ
ューサは、導管3に沿ってずれている。ここに言うコードは、トランスデューサ
1及び2の中心を結ぶ直線である。前記コードは、図1の例において導管の循環
軸である流れの主軸に対し、角度θを形成する。Lはコードの長さを示し、Dは
導管の内径を示す。第1のトランスデューサ1が超音波を送信すれば、それは、
伝播し、伝播時間として知られる所定の時間シフトT12の後に、第2のトランス
デューサ2によって検出される。cが流体における音速、Vがコードに沿った流
体の平均速度とすれば、T12は以下の式で与えられる。
【式1】
【0005】 2つのトランスデューサのそれぞれの機能を逆にすることにより、第2のトラ
ンスデューサ2は送信側になり、第1のトランスデューサは受信側になり、伝播
時間T21は以下の式で計測される。
【式2】
【0006】 前記(1)及び(2)の関係を組み合わせることにより、変数cを消去すれば
、導管の長手方向軸に沿った平均速度についての表現が得られる。流体における
音速を必ずしも正確に知る必要の無い計測であり、且つ、この値は移動媒体の性
質、温度及び圧力に依存するものであるため、これは誤差の発生源を回避するこ
とを可能にする。このようにして、平均流速Vは以下の式で与えられる。
【式3】
【0007】 流量の表現Qは、(3)式で計算される平均速度Vに、円形断面の場合であれ
ばπD2/4である真の流れの断面を乗算することにより得られ、必要であれば
、以下に述べる所定の補正因子も考慮される。
【式4】
【0008】 この式において、T1及びT2は、それぞれ、第1のトランスデューサから第2
のトランスデューサへの経路、及び第2のトランスデューサから第1のトランス
デューサへの経路について、径Dの外側において、流れの無い部分(non-flow p
art)における超音波の伝播時間である。T1及びT2は、斯かる流れの無い領域
に動きが存在する特別の場合を除いて等しい。これらの時間は、超音波が、トラ
ンスデューサと、トランスデューサと流体の水脈(fluid vein)の間を結ぶ領域
とを構成する物質の種々の層を通過するのに掛かる時間に特に一致する。Kh
、超音波流量計の水力効率である。その目的は、計測時間におけるサンプリング
を補正することである。結局、伝播時間の差異の原理により、トランスデューサ
を連結する計測コードに沿った平均流速を計測できる。このコードは、流れ面領
域の全体を必ずしも代表するものではない。これは、流れの断面内における実際
の速度プロファイルに依存して、計算された流量の誤差に通じる。Khの目的は
、この誤差を補正することである。この係数は、通常、実験室での計測の後に設
定される。
【0009】 このタイプの流量計は、以下の欠点を有する。流量計は、図1に示すように通
常径方向である単一のコードにおける計測を実施するのみであるため、流れの広
範囲に亘る計測の正確性及びレイノルズ数を保証することはできない。レイノル
ズ数は、当業者に既知のように、液流の乱れの程度を表すために使用される。図
2は、図1に示す流量計の断面の一例を示しておリ、非対称の流れについての軸
方向の等速度線を示すものである。斯かる等速度線は、同じ軸方向の流速を有す
る点を結合したものである。図1において、流れは、導管の軸に直交する平面に
対する計測コードの投影が、等速度線の対称軸でないようになっている。このよ
うな流れの場合、単一コード流量計を使用する流量計測は、最大流速を考慮して
おらず、真の値よりも小さい計測値を与える。結果的に、このような流速の計測
から見積もられる流量も正しくないものである。
【0010】 図3は、図1に示す流量計の流れ線を備えた横断面の他の例を示す。図3に示
すように、流れは、計測コードの両側における乱流部において乱れている。乱流
領域は、流量計に通じるパイプにおける単一の又は複数の屈曲によって生成され
得る。図2の場合と同様に、単一コード流量計によって与えられる速度計測又は
流量は、誤差を伴うことになる。
【0011】 これは、結果として、軸方向プロファイルの対称性の欠如の影響を最小化する
ことを目的とした平行なマルチコードを有するシステムをもたらした。このよう
なシステムは、結果的により正確である細緻なサンプリングを許容する。図4は
、ラ・ウィ・ブランシュ,第7号,1994に発表された「超音波手法による流
量の計測」に記載された4対のトランスデューサを使用する従来のマルチコード
流量計の断面図である。図4に示す流量計は、導管20に沿って配置された4対
のトランスデューサ11〜18を備えている。トランスデューサは、2つ1組に
なって関連付けられ、これにより、各上流側トランスデューサに対しては、視野
方向に位置する又は計測スリーブの内壁で反射した後に位置する単一の下流側ト
ランスデューサが対応することになる。これは、流量計を形成するトランスデュ
ーサの数を増やす(図4の例では8つ)ことで、4つの平行な計測コード21〜
24を与えている。このタイプのシステムにおいて、平均流速は、各々のコード
に沿って計測された速度の重み付けされた平均値として計算される。この流量計
は、流れプロファイルの対称性の欠如により図1の流量計において供される誤差
値を補正することを可能にする。図4に示す流量計は、流速計測又は流量につい
て、図2及び図3に示すものよりも正確な値を与える。しかしながら、このタイ
プの解決手法は、トランスデューサの数を増やし、コストの観点から不利である
という問題を含んでいる。さらに、トランスデューサの数が増加すれば、流量計
のコスト並びにメンテナンスのコスト及び頻度が増加する。結果的に、トランス
デューサの数は急速に制限される。さらに、このタイプの流量計は、より複雑な
流れの状態、例えば、乱流のプロファイル又は他の不均一なプロファイルの下で
、流量又は速度の計測を必ずしも確実にすることができない。
【0012】 最終的に、図1〜図4に示すタイプの計測システムは、乱流の場合において問
題を呈し得る。このような場合、速度領域の流れに寄与しない所定の成分が、単
一のコードに沿って、又は平行なコードの各々に沿って含まれ、計測結果にシス
テマチック誤差を生じさせる。
【0013】 本発明は、乱流の流量及び速度の正確で信頼性のある計測についての新しい問
題に解決策を与えるものである。また、本発明は、流量又は速度の計測において
、流れに寄与しない成分を考慮に入れる問題に解決策を与えるものである。本発
明は、計測コードの数を増やすと同時にトランスデューサの数を制限することに
より、最新式の流量計の性能を改善することを可能にする。
【0014】 より正確には、本発明は、導管内の流体の変位を超音波計測するデバイスを提
供する。前記デバイスは、各々少なくとも1つのトランスデューサを有する少な
くとも2群を形成する少なくとも3つのトランスデューサを備えている。前記群
は、流体の流れの主軸方向に互いにずらして配置されている。前記群のうち少な
くとも1つの群の少なくとも1つのトランスデューサの指向性ダイヤグラムが、
他の群の少なくとも2つのトランスデューサをカバーすることを特徴とする。
【0015】 一実施形態において、前記群は、同じ数のトランスデューサを備えている。
【0016】 また、各トランスデューサが、それ自体の指向性ダイヤグラムに位置するトラ
ンスデューサの指向性ダイヤグラムの範囲内に位置するような配列がなされ得る
【0017】 好ましくは、各群のトランスデューサは、前記導管の断面の周囲に亘って均一
に分配される。
【0018】 一実施形態において、前記いずれかの群のトランスデューサは、流体の流れに
平行に横方向にシフトした他の群のトランスデューサの像である。
【0019】 好ましくは、前記デバイスは、各々計測コードを形成する2対のトランスデュ
ーサを備え、前記コードの前記導管の横断面上への投影のベクトルの合計がゼロ
である。
【0020】 好ましくは、前記デバイスは、トランスデューサ群の上流に、流れの安定化シ
ステムを備える。
【0021】 本発明は、また、各々少なくとも1つのトランスデューサを有する少なくとも
2群を形成する少なくとも3つのトランスデューサを使用して、導管内の流体の
変位を超音波計測する方法を提供する。前記群は、流体の流れの主軸方向に互い
にずらして配置され、少なくとも1つのトランスデューサから超音波信号を送信
し、前記信号を他の群の少なくとも2つのトランスデューサで受信する。
【0022】 本発明の更なる特徴及び利点は、添付した図面を参照して、例示のために与え
られた幾つかの実施形態を伴う詳細な説明から、より明らかになるであろう。
【0023】 図5及び図6は、本発明の第1の実施形態を示す。図5は本発明に係る流量計
の軸方向断面であり、図6は前記流量計の横断面である。図5に示す流量計は、
導管30に沿って間隔を隔てた2つのトランスデューサ群を形成する3つのトラ
ンスデューサ31、32、33を備えている。第1群は第1のトランスデューサ
31を備え、第2群は第2のトランスデューサ32及び第3のトランスデューサ
33を備えている。
【0024】 図6に示すように、導管の横断面上への投影において、トランスデューサは、
導管の周囲に亘って均一に分配されている。
【0025】 本発明によれば、いずれかの群の少なくとも1つのトランスデューサの指向性
パターンは、他の群の少なくとも2つのトランスデューサから受信するようにな
っている。これは、0.5よりも大きいコードの数とトランスデューサの数との
比を得ることを可能にする。これは、デバイスのコストを制限する。また、コー
ドの数を減らすことなくトランスデューサの数を制限する。さらに、本発明に係
るコードは平行ではない。これは、単一コード流量計によって引き起こされる問
題が、コードの数を増加させる必要なく回避されることを可能にする。
【0026】 図5及び図6に示す流量計において、計測は以下の方法でなされる。第1のト
ランスデューサ31から信号が送信され、これは第2のトランスデューサ32及
び第3のトランスデューサ33によって受信され、それぞれ伝搬時間T12及びT 13 が計測される。次に、引き続いて第2のトランスデューサ32及び第3のトラ
ンスデューサ33からの信号が送信され、それぞれ第1のトランスデューサ31
への伝搬時間T21及びT31が計測される。斯かる伝搬時間を使用し、前述した式
を使用して速度又は流量が計算され得る。
【0027】 図7及び図8は、それぞれ本発明の他の実施形態に係る流量計の軸方向断面図
及び横断面図である。図7及び図8に示す流量計は、各々導管40に沿って間隔
を隔てた3つのトランスデューサからなる2つの群を形成する6つのトランスデ
ューサ41〜46を備えている。トランスデューサ群の各トランスデューサは、
導管の周囲に亘って均一に分配されている。いずれかの群のトランスデューサは
、他の群の少なくとも2つのトランスデューサをカバーする指向性ダイアグラム
又は放射パターンを有する。したがって、第1群のトランスデューサ41の指向
性ダイアグラムは、第2群のトランスデューサ45及び46、換言すれば、同じ
母線(generating line)に存するトランスデューサ44を除く第2群の全ての
トランスデューサをカバーする。
【0028】 図7及び図8のデバイスは、6つのトランスデューサを使用して、6つの計測
コードを生成することを可能にする。図7及び図8のデバイスは、以下のように
作動する。連続的に、第1群の各トランスデューサから信号が送信され、次に第
2群の各トランスデューサから送信される。これにより、各トランスデューサか
ら、その指向性ダイアグラムによってカバーされる他の群の他のトランスデュー
サへの伝搬時間を計測することができる。伝搬時間T15及びT16、T24及びT26 、T34及びT35、並びに、T42及びT43、T51及びT53、T61及びT62を測定し
、前述した式(3)又は(4)を使用すれば、流量又は速度についての6つの値
が得られる。これらの値の平均は、既知のデバイスよりも正確で信頼性のある流
量又は速度についての計測値を与える。
【0029】 本発明は、流量Qの関数としての係数Khにおける変動を低減することを可能
にする。本発明に係る装置を校正する際、60〜500m3/hの流量値に対し
て、0.5%未満である流量の関数としての係数Khにおける変動が得られる。
【0030】 図9及び図10は、本発明の更に他の実施形態に係る流量計の軸方向断面図及
び横断面図である。図9及び図10に示す流量計は、6つのトランスデューサの
各々が導管50に沿って間隔を隔てた2つの群を形成する12個のトランスデュ
ーサ51〜62を備えている。各トランスデューサ群のトランスデューサは、導
管の周囲に亘って均一に分配されている。各群のトランスデューサは、他の群の
少なくとも2つのトランスデューサ、より正確には、図9及び図10においては
、他の群の3つのトランスデューサをカバーする指向性ダイアグラム又は指向性
パターンを有する。したがって、第1群のトランスデューサ51の指向性ダイア
グラムは、第2群のトランスデューサ59〜61、換言すれば、同じ母線に位置
するトランスデューサ57及び隣接する2つのトランスデューサを除く第2群の
トランスデューサをカバーする。
【0031】 図9及び図10のデバイスは、12個のトランスデューサを使用して、18個
の計測コードを生成することを可能にする。図9及び図10に示すデバイスも図
7及び図8に示すデバイスと同様に作動するので、より詳細に説明することは必
要でない。
【0032】 図7〜図10に示すデバイスの場合、各計測コードに対して、導管軸に平行な
同一平面に位置する対応するクロスコード(cross-chord)が存在する。図11
は、図7及び図8のデバイスにおけるトランスデューサ41と45の間のコード
と、トランスデューサ42と44の間にあるそのクロスコードとを示す。図11
に示す平面は、4つのトランスデューサ41、42、44及び45を含む平面で
ある。クロスコードの存在は、既知のシステムにおける以下の欠点を回避するこ
とを可能にする。図11に示すように、乱れた又は複雑な流れの場合、速度領域
の流れに寄与しない所定の成分が、トランスデューサ41と45の間のコードの
ような単一コードに沿った計測に含まれる。斯かるコードに沿った計測は、結果
的に、計測結果にシステマチック誤差を生じさせる。本発明は、これを克服する
べく、その投影が導管の横断面上で同一であるが、その計測が反対方向でなされ
る2つのコードでの計測を平均化することを提案するものである。図11の例で
は、一方がトランスデューサ41と45の間であり、他方がトランスデューサ4
2と44の間であるコードが、我々がクロスコードと称するこのタイプの2つの
コードを構成する。換言すれば、斯かる2つのコードの導管の横断面上への投影
は、対向するベクトルである。図11から分かるように、流れに寄与しない動き
によって前記2つのコード上に生じる誤差は正反対であり、2つのコード上で計
測した値を平均化することにより、誤差源を回避することが可能である。図11
の場合、トランスデューサは矩形を形成している。流れに寄与しない流体の動き
が計測を通じて安定している場合、トランスデューサは台形を形成することも可
能である。
【0033】 また、補助的な又は代替えの処置として、流量計の前段において、より穏やか
な流れを生成するデバイスを意図的に採用することもできる。この効果は、流体
内に存在する乱れの平均的な度合いを低減し、これにより、コードに沿って含ま
れる流れに寄与しない速度成分を低減して、従来技術の問題を回避するというこ
とである。
【0034】 このように、本発明は、従来技術よりも正確で信頼性のある計測を提供する一
方、トランスデューサの数を制限する。
【0035】 明らかに、本発明は、図面を参照して説明した実施形態の例と比較し、数多く
の方法に適合され得る。従って、導管は、実際に利用する任意の形式、サイズ及
び材料の導管とすることができ、必ずしも円形断面を有するものではない。同様
にして、導管上でのトランスデューサの位置は、所望する計測コード分布の関数
として変化させることができる。トランスデューサの数及び幾何学的条件の選択
は、トランスデューサを導管に固定する手段の選択と同様に、計測するべき流れ
のタイプに依存し得る。換言すれば、流体の性質、温度、粘度、速度、圧力等で
ある。同様にして、導管のタイプ及び幾何学的条件、換言すれば、径、壁の粗さ
、エルボー(elbows)又はその他のタイプの不規則部の存在にも依存し得る。そ
れ自体当業者に既知である圧電トランスデューサを使用することができる。
【0036】 最後に、本発明は、超音波流量計に関して説明してきたが、より一般的な他の
タイプの計測、例えば、速さ又は速度の計測に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、単一コードタイプの従来の流量計を示す図である。
【図2】 図2は、非対称の流れについての軸方向の等速度線を備えた図1の
流量計の横断面を示す。
【図3】 図3は、図1に示す流量計の流れ線を備えた横断面の他の例である
【図4】 図4は、4対のトランスデューサを使用する従来のマルチコード流
量計の横断面図である。
【図5】 図5は、本発明の第1実施形態に係る流量計の軸方向断面図である
【図6】 図6は、図5に示す流量計の横断面図である。
【図7】 図7は、本発明の第2実施形態に係る流量計の軸方向断面図である
【図8】 図8は、図7に示す流量計の横断面図である。
【図9】 図9は、本発明の第3実施形態に係る流量計の軸方向断面図である
【図10】 図10は、図9に示す流量計の横断面図である。
【図11】 図11は、図7に示すデバイスにおける1つの計測コードの平面
図である。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年10月10日(2000.10.10)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 マルチコード流量計
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、液体又は気体相における流量を計測する装置に関し、特に、超音波
を利用して流量計測する装置に関する。
【0002】 流量の計測は、液体又は気体相における瞬間的な流量を測定及び計測する用途
、例えば、売買取引される流体を測定するのに使用される。計測システムによっ
て与えられる有用な情報は、流量の瞬間的な値、時間的に平均化された値つまり
平均流量、又は同時刻に2点間で計測される体積とされ得る。瞬間的又は平均的
流量の計測は、製造プロセスに加わる1つ又は幾つかの流体を検知し、制御し又
は調整することが必要なプロセスにおいて特に使用されている。所定の時間間隔
に亘る流量の計測を集積することにより得られる体積の計測は、顧客と供給者の
間で所定体積の液体を販売するのと同様に、充満及び/又は空のタンクに特に利
用される測定を実行させ得る。このように移送される体積は、特に取引に関する
金銭価値を計算するのに使用し得ることが十分に正確に知られることが好ましい
【0003】 さらに、流量計測システムは、バッテリーの電気エネルギー源、又は標準AC
ユーティリティの50若しくは60Hz回線供給タイプの提供を必要とするのみ
であるスタンドアロンタイプとするのが好適である。
【0004】 流量計測の一般的分野、及び、特に流体の流量計測において、超音波デバイス
を利用する数多くの技術が提案されてきた。これらのシステムの主要なものは、
いわゆる伝播時間方法を採用している。図1は、シングルコードタイプの従来の
流量計を示す。第1及び第2の超音波トランスデューサ1及び2が、流体が矢符
4で示される方向に流通する導管3の側面に設けられている。図1の例において
、前記導管は、円形断面を有する円筒状であり、前記2つのトランスデューサは
、径方向に対向して配置され、直線を生成している。さらに、2つのトランスデ
ューサは、導管3に沿ってずれている。ここに言うコードは、トランスデューサ
1及び2の中心を結ぶ直線である。前記コードは、図1の例において導管の循環
軸である流れの主軸に対し、角度θを形成する。Lはコードの長さを示し、Dは
導管の内径を示す。第1のトランスデューサ1が超音波を送信すれば、それは、
伝播し、伝播時間として知られる所定の時間シフトT12の後に、第2のトランス
デューサ2によって検出される。cが流体における音速、Vがコードに沿った流
体の平均速度とすれば、T12は以下の式で与えられる。
【式1】
【0005】 2つのトランスデューサのそれぞれの機能を逆にすることにより、第2のトラ
ンスデューサ2は送信側になり、第1のトランスデューサは受信側になり、伝播
時間T21は以下の式で計測される。
【式2】
【0006】 前記(1)及び(2)の関係を組み合わせることにより、変数cを消去すれば
、導管の長手方向軸に沿った平均速度についての表現が得られる。流体における
音速を必ずしも正確に知る必要の無い計測であり、且つ、この値は移動媒体の性
質、温度及び圧力に依存するものであるため、これは誤差の発生源を回避するこ
とを可能にする。このようにして、平均流速Vは以下の式で与えられる。
【式3】
【0007】 流量の表現Qは、(3)式で計算される平均速度Vに、円形断面の場合であれ
ばπD2/4である真の流れの断面を乗算することにより得られ、必要であれば
、以下に述べる所定の補正因子も考慮される。
【式4】
【0008】 この式において、T1及びT2は、それぞれ、第1のトランスデューサから第2
のトランスデューサへの経路、及び第2のトランスデューサから第1のトランス
デューサへの経路について、径Dの外側において、流れの無い部分(non-flow p
art)における超音波の伝播時間である。T1及びT2は、斯かる流れの無い領域
に動きが存在する特別の場合を除いて等しい。これらの時間は、超音波が、トラ
ンスデューサと、トランスデューサと流体の水脈(fluid vein)の間を結ぶ領域
とを構成する物質の種々の層を通過するのに掛かる時間に特に一致する。Kh
、超音波流量計の水力効率である。その目的は、計測時間におけるサンプリング
を補正することである。結局、伝播時間の差異の原理により、トランスデューサ
を連結する計測コードに沿った平均流速を計測できる。このコードは、流れ面領
域の全体を必ずしも代表するものではない。これは、流れの断面内における実際
の速度プロファイルに依存して、計算された流量の誤差に通じる。Khの目的は
、この誤差を補正することである。この係数は、通常、実験室での計測の後に設
定される。
【0009】 このタイプの流量計は、以下の欠点を有する。流量計は、図1に示すように通
常径方向である単一のコードにおける計測を実施するのみであるため、流れの広
範囲に亘る計測の正確性及びレイノルズ数を保証することはできない。レイノル
ズ数は、当業者に既知のように、液流の乱れの程度を表すために使用される。図
2は、図1に示す流量計の断面の一例を示しておリ、非対称の流れについての軸
方向の等速度線を示すものである。斯かる等速度線は、同じ軸方向の流速を有す
る点を結合したものである。図1において、流れは、導管の軸に直交する平面に
対する計測コードの投影が、等速度線の対称軸でないようになっている。このよ
うな流れの場合、単一コード流量計を使用する流量計測は、最大流速を考慮して
おらず、真の値よりも小さい計測値を与える。結果的に、このような流速の計測
から見積もられる流量も正しくないものである。
【0010】 図3は、図1に示す流量計の流れ線を備えた横断面の他の例を示す。図3に示
すように、流れは、計測コードの両側における乱流部において乱れている。乱流
領域は、流量計に通じるパイプにおける単一の又は複数の屈曲によって生成され
得る。図2の場合と同様に、単一コード流量計によって与えられる速度計測又は
流量は、誤差を伴うことになる。
【0011】 これは、結果として、軸方向プロファイルの対称性の欠如の影響を最小化する
ことを目的とした平行なマルチコードを有するシステムをもたらした。このよう
なシステムは、結果的により正確である細緻なサンプリングを許容する。図4は
、ラ・ウィ・ブランシュ,第7号,1994に発表された「超音波手法による流
量の計測」に記載された4対のトランスデューサを使用する従来のマルチコード
流量計の断面図である。図4に示す流量計は、導管20に沿って配置された4対
のトランスデューサ11〜18を備えている。トランスデューサは、2つ1組に
なって関連付けられ、これにより、各上流側トランスデューサに対しては、視野
方向に位置する又は計測スリーブの内壁で反射した後に位置する単一の下流側ト
ランスデューサが対応することになる。これは、流量計を形成するトランスデュ
ーサの数を増やす(図4の例では8つ)ことで、4つの平行な計測コード21〜
24を与えている。このタイプのシステムにおいて、平均流速は、各々のコード
に沿って計測された速度の重み付けされた平均値として計算される。この流量計
は、流れプロファイルの対称性の欠如により図1の流量計において供される誤差
値を補正することを可能にする。図4に示す流量計は、流速計測又は流量につい
て、図2及び図3に示すものよりも正確な値を与える。しかしながら、このタイ
プの解決手法は、トランスデューサの数を増やし、コストの観点から不利である
という問題を含んでいる。さらに、トランスデューサの数が増加すれば、流量計
のコスト並びにメンテナンスのコスト及び頻度が増加する。結果的に、トランス
デューサの数は急速に制限される。さらに、このタイプの流量計は、より複雑な
流れの状態、例えば、乱流のプロファイル又は他の不均一なプロファイルの下で
、流量又は速度の計測を必ずしも確実にすることができない。
【0012】 最終的に、図1〜図4に示すタイプの計測システムは、乱流の場合において問
題を呈し得る。このような場合、速度領域の流れに寄与しない所定の成分が、単
一のコードに沿って、又は平行なコードの各々に沿って含まれ、計測結果にシス
テマチック誤差を生じさせる。
【0013】 米国特許第4462261号は、導管に配置された2群の超音波トランスデュ
ーサを備えた大量の流量計を開示する。各群は4つのトランスデューサを有し、
前記群は、流体の流れの主軸方向に互いにずらして配置されている。
【0014】 欧州特許出願第0273385号は、導管に配置された超音波送信器と2つの
超音波センサを備えた流量計を開示する。センサは、径方向に送信器に対向し、
一方が上流側に、他方が下流側に配置されている。
【0015】 米国特許第4162630号は、導管内の流体の流れのベクトル場を測定する
装置を開示する。前記装置は、流体の流れの主軸方向に互いにずらして配置され
た12個の音響トランスデューサからなる2群を有する。
【0016】 本発明は、乱流の流量及び速度の正確で信頼性のある計測についての新しい問
題に解決策を与えるものである。また、本発明は、流量又は速度の計測において
、流れに寄与しない成分を考慮に入れる問題に解決策を与えるものである。本発
明は、計測コードの数を増やすと同時にトランスデューサの数を制限することに
より、最新式の流量計の性能を改善することを可能にする。
【0017】 より正確には、本発明は、導管内の流体の変位を超音波計測するデバイスを提
供する。前記デバイスは、各々少なくとも1つのトランスデューサを有する少な
くとも2群を形成する少なくとも3つのトランスデューサを備えている。前記群
は、流体の流れの主軸方向に互いにずらして配置されている。前記群のうち少な
くとも1つの群の少なくとも1つのトランスデューサの指向性ダイヤグラムが、
他の群の少なくとも2つのトランスデューサをカバーすることを特徴とする。
【0018】 一実施形態において、前記群は、同じ数のトランスデューサを備えている。
【0019】 また、各トランスデューサが、それ自体の指向性ダイヤグラムに位置するトラ
ンスデューサの指向性ダイヤグラムの範囲内に位置するような配列がなされ得る
【0020】 好ましくは、各群のトランスデューサは、前記導管の断面の周囲に亘って均一
に分配される。
【0021】 一実施形態において、前記いずれかの群のトランスデューサは、流体の流れに
平行に横方向にシフトした他の群のトランスデューサの像である。
【0022】 好ましくは、前記デバイスは、各々計測コードを形成する2対のトランスデュ
ーサを備え、前記コードの前記導管の横断面上への投影のベクトルの合計がゼロ
である。
【0023】 好ましくは、前記デバイスは、トランスデューサ群の上流に、流れの安定化シ
ステムを備える。
【0024】 本発明は、また、各々少なくとも1つのトランスデューサを有する少なくとも
2群を形成する少なくとも3つのトランスデューサを使用して、導管内の流体の
変位を超音波計測する方法を提供する。前記群は、流体の流れの主軸方向に互い
にずらして配置され、少なくとも1つのトランスデューサから超音波信号を送信
し、前記信号を他の群の少なくとも2つのトランスデューサで受信する。
【0025】 本発明の更なる特徴及び利点は、添付した図面を参照して、例示のために与え
られた幾つかの実施形態を伴う詳細な説明から、より明らかになるであろう。
【0026】 図5及び図6は、本発明の第1の実施形態を示す。図5は本発明に係る流量計
の軸方向断面であり、図6は前記流量計の横断面である。図5に示す流量計は、
導管30に沿って間隔を隔てた2つのトランスデューサ群を形成する3つのトラ
ンスデューサ31、32、33を備えている。第1群は第1のトランスデューサ
31を備え、第2群は第2のトランスデューサ32及び第3のトランスデューサ
33を備えている。
【0027】 図6に示すように、導管の横断面上への投影において、トランスデューサは、
導管の周囲に亘って均一に分配されている。
【0028】 本発明によれば、いずれかの群の少なくとも1つのトランスデューサの指向性
パターンは、他の群の少なくとも2つのトランスデューサから受信するようにな
っている。これは、0.5よりも大きいコードの数とトランスデューサの数との
比を得ることを可能にする。これは、デバイスのコストを制限する。また、コー
ドの数を減らすことなくトランスデューサの数を制限する。さらに、本発明に係
るコードは平行ではない。これは、単一コード流量計によって引き起こされる問
題が、コードの数を増加させる必要なく回避されることを可能にする。
【0029】 図5及び図6に示す流量計において、計測は以下の方法でなされる。第1のト
ランスデューサ31から信号が送信され、これは第2のトランスデューサ32及
び第3のトランスデューサ33によって受信され、それぞれ伝搬時間T12及びT 13 が計測される。次に、引き続いて第2のトランスデューサ32及び第3のトラ
ンスデューサ33からの信号が送信され、それぞれ第1のトランスデューサ31
への伝搬時間T21及びT31が計測される。斯かる伝搬時間を使用し、前述した式
を使用して速度又は流量が計算され得る。
【0030】 図7及び図8は、それぞれ本発明の他の実施形態に係る流量計の軸方向断面図
及び横断面図である。図7及び図8に示す流量計は、各々導管40に沿って間隔
を隔てた3つのトランスデューサからなる2つの群を形成する6つのトランスデ
ューサ41〜46を備えている。トランスデューサ群の各トランスデューサは、
導管の周囲に亘って均一に分配されている。いずれかの群のトランスデューサは
、他の群の少なくとも2つのトランスデューサをカバーする指向性ダイアグラム
又は放射パターンを有する。したがって、第1群のトランスデューサ41の指向
性ダイアグラムは、第2群のトランスデューサ45及び46、換言すれば、同じ
母線(generating line)に存するトランスデューサ44を除く第2群の全ての
トランスデューサをカバーする。
【0031】 図7及び図8のデバイスは、6つのトランスデューサを使用して、6つの計測
コードを生成することを可能にする。図7及び図8のデバイスは、以下のように
作動する。連続的に、第1群の各トランスデューサから信号が送信され、次に第
2群の各トランスデューサから送信される。これにより、各トランスデューサか
ら、その指向性ダイアグラムによってカバーされる他の群の他のトランスデュー
サへの伝搬時間を計測することができる。伝搬時間T15及びT16、T24及びT26 、T34及びT35、並びに、T42及びT43、T51及びT53、T61及びT62を測定し
、前述した式(3)又は(4)を使用すれば、流量又は速度についての6つの値
が得られる。これらの値の平均は、既知のデバイスよりも正確で信頼性のある流
量又は速度についての計測値を与える。
【0032】 本発明は、流量Qの関数としての係数Khにおける変動を低減することを可能
にする。本発明に係る装置を校正する際、60〜500m3/hの流量値に対し
て、0.5%未満である流量の関数としての係数Khにおける変動が得られる。
【0033】 図9及び図10は、本発明の更に他の実施形態に係る流量計の軸方向断面図及
び横断面図である。図9及び図10に示す流量計は、6つのトランスデューサの
各々が導管50に沿って間隔を隔てた2つの群を形成する12個のトランスデュ
ーサ51〜62を備えている。各トランスデューサ群のトランスデューサは、導
管の周囲に亘って均一に分配されている。各群のトランスデューサは、他の群の
少なくとも2つのトランスデューサ、より正確には、図9及び図10においては
、他の群の3つのトランスデューサをカバーする指向性ダイアグラム又は指向性
パターンを有する。したがって、第1群のトランスデューサ51の指向性ダイア
グラムは、第2群のトランスデューサ59〜61、換言すれば、同じ母線に位置
するトランスデューサ57及び隣接する2つのトランスデューサを除く第2群の
トランスデューサをカバーする。
【0034】 図9及び図10のデバイスは、12個のトランスデューサを使用して、18個
の計測コードを生成することを可能にする。図9及び図10に示すデバイスも図
7及び図8に示すデバイスと同様に作動するので、より詳細に説明することは必
要でない。
【0035】 図7〜図10に示すデバイスの場合、各計測コードに対して、導管軸に平行な
同一平面に位置する対応するクロスコード(cross-chord)が存在する。図11
は、図7及び図8のデバイスにおけるトランスデューサ41と45の間のコード
と、トランスデューサ42と44の間にあるそのクロスコードとを示す。図11
に示す平面は、4つのトランスデューサ41、42、44及び45を含む平面で
ある。クロスコードの存在は、既知のシステムにおける以下の欠点を回避するこ
とを可能にする。図11に示すように、乱れた又は複雑な流れの場合、速度領域
の流れに寄与しない所定の成分が、トランスデューサ41と45の間のコードの
ような単一コードに沿った計測に含まれる。斯かるコードに沿った計測は、結果
的に、計測結果にシステマチック誤差を生じさせる。本発明は、これを克服する
べく、その投影が導管の横断面上で同一であるが、その計測が反対方向でなされ
る2つのコードでの計測を平均化することを提案するものである。図11の例で
は、一方がトランスデューサ41と45の間であり、他方がトランスデューサ4
2と44の間であるコードが、我々がクロスコードと称するこのタイプの2つの
コードを構成する。換言すれば、斯かる2つのコードの導管の横断面上への投影
は、対向するベクトルである。図11から分かるように、流れに寄与しない動き
によって前記2つのコード上に生じる誤差は正反対であり、2つのコード上で計
測した値を平均化することにより、誤差源を回避することが可能である。図11
の場合、トランスデューサは矩形を形成している。流れに寄与しない流体の動き
が計測を通じて安定している場合、トランスデューサは台形を形成することも可
能である。
【0036】 また、補助的な又は代替えの処置として、流量計の前段において、より穏やか
な流れを生成するデバイスを意図的に採用することもできる。この効果は、流体
内に存在する乱れの平均的な度合いを低減し、これにより、コードに沿って含ま
れる流れに寄与しない速度成分を低減して、従来技術の問題を回避するというこ
とである。
【0037】 このように、本発明は、従来技術よりも正確で信頼性のある計測を提供する一
方、トランスデューサの数を制限する。
【0038】 明らかに、本発明は、図面を参照して説明した実施形態の例と比較し、数多く
の方法に適合され得る。従って、導管は、実際に利用する任意の形式、サイズ及
び材料の導管とすることができ、必ずしも円形断面を有するものではない。同様
にして、導管上でのトランスデューサの位置は、所望する計測コード分布の関数
として変化させることができる。トランスデューサの数及び幾何学的条件の選択
は、トランスデューサを導管に固定する手段の選択と同様に、計測するべき流れ
のタイプに依存し得る。換言すれば、流体の性質、温度、粘度、速度、圧力等で
ある。同様にして、導管のタイプ及び幾何学的条件、換言すれば、径、壁の粗さ
、エルボー(elbows)又はその他のタイプの不規則部の存在にも依存し得る。そ
れ自体当業者に既知である圧電トランスデューサを使用することができる。
【0039】 最後に、本発明は、超音波流量計に関して説明してきたが、より一般的な他の
タイプの計測、例えば、速さ又は速度の計測に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、単一コードタイプの従来の流量計を示す図である。
【図2】 図2は、非対称の流れについての軸方向の等速度線を備えた図1の
流量計の横断面を示す。
【図3】 図3は、図1に示す流量計の流れ線を備えた横断面の他の例である
【図4】 図4は、4対のトランスデューサを使用する従来のマルチコード流
量計の横断面図である。
【図5】 図5は、本発明の第1実施形態に係る流量計の軸方向断面図である
【図6】 図6は、図5に示す流量計の横断面図である。
【図7】 図7は、本発明の第2実施形態に係る流量計の軸方向断面図である
【図8】 図8は、図7に示す流量計の横断面図である。
【図9】 図9は、本発明の第3実施形態に係る流量計の軸方向断面図である
【図10】 図10は、図9に示す流量計の横断面図である。
【図11】 図11は、図7に示すデバイスにおける1つの計測コードの平面
図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 パボア ディディエル フランス国 エフ−91530 セント シェ ロン リュ デュ ロルゲ 7 (72)発明者 パタット フレデリック フランス国 エフ−37540 セント シル サー ロワール ヴォア ロメーン ボ ア シェブロー (72)発明者 ルムニエラス ジャン−ピエール フランス国 エフ−37270 モントルイ リュ デ ラ ポワント ルノー 3 Fターム(参考) 2F035 DA04 DA07 DA18

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2つのトランスデューサ間の超音波伝搬時間の差異によって、
    導管内の流体の変位を超音波計測するデバイスであって、 各々少なくとも1つのトランスデューサを有する少なくとも2群(31;32
    、33)を形成する少なくとも3つのトランスデューサ(31、32、33)を
    備え、 前記群は、流体の流れの主軸方向に互いにずらして配置され、 各群は、6つのトランスデューサを備え、 前記群のうち少なくとも1つの群の少なくとも1つのトランスデューサ(31
    )の指向性ダイヤグラムが、他の群の少なくとも2つのトランスデューサ(32
    、33)をカバーすることを特徴とするデバイス。
  2. 【請求項2】 各トランスデューサは、それ自体の指向性ダイヤグラムに位置
    するトランスデューサの指向性ダイヤグラムの範囲内に位置することを特徴とす
    る請求項1に記載のデバイス。
  3. 【請求項3】 各群のトランスデューサは、前記導管の断面の周囲に亘って均
    一に分配されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のデバイス。
  4. 【請求項4】 前記いずれかの群のトランスデューサは、流体の流れに平行に
    横方向にシフトした他の群のトランスデューサの像であることを特徴とする請求
    項1から3のいずれかに記載のデバイス。
  5. 【請求項5】 各々計測コードを形成する2対のトランスデューサ(41、4
    5;42、44)を備え、 前記コードの前記導管の横断面上への投影のベクトルの合計がゼロであること
    を特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のデバイス。
  6. 【請求項6】 トランスデューサ群の上流に、流れの安定化システムを備える
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のデバイス。
  7. 【請求項7】 各々少なくとも1つのトランスデューサを有する少なくとも2
    群を形成する少なくとも3つのトランスデューサ(31、32、33)を使用し
    て、導管内の流体の変位を超音波計測する方法であって、 前記群は、流体の流れの主軸方向に互いにずらして配置され、 少なくとも1つのトランスデューサ(31)から超音波信号を送信し、 前記信号を他の群の少なくとも2つのトランスデューサ(32、33)で受信
    することを特徴とする方法。
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