JP2005036660A - 内燃機関の弁駆動機構 - Google Patents

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Manabu Tateno
学 立野
Shuichi Ezaki
修一 江崎
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Abstract

【課題】内燃機関の吸気弁、排気弁を駆動する弁駆動機構において、開弁特性を可変にするとともに、弁の開閉駆動の駆動・休止を切り替え可能とする。
【解決手段】揺動カム36の揺動を、伝達機構でロッカーアームに伝達して弁を開閉するよう弁駆動機構を構成する。揺動カム36には、開弁特性の可変機構を設ける。伝達機構は、プッシュロッド34と一体的に移動するリフタボディ200と、揺動カム36に押動されるLリフタ300を有する。弁を駆動する場合には、リフタボディ200とLリフタ300をピンで連結する。連結解除時には、Lリフタ300のみが往復動し、リフタボディ200はワッシャ400に当接する位置に保持される。ワッシャ400は、かかる作用により、リフタボディ200とLリフタ300の連結の安定化を実現する。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
内燃機関の吸気弁及び排気弁のうち少なくとも一方の弁の開閉駆動を駆動状態及び休止状態に切り替え可能な弁駆動機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、複数気筒を有するエンジンにおいて、エミッション低減や燃費の改善を図るため、種々の技術が提案されている。かかる技術の一つとして、運転状態に応じ、一部の気筒の運転を休止する技術が実用となっている。気筒休止は、例えば、低負荷運転時等におけるエミッション低減や燃費の改善等のために行われる。運転を休止する気筒では、燃料噴射や点火を休止するとともに、ポンピングロスを低減するため、吸気弁や排気弁の駆動も休止する。吸気弁等を駆動状態および休止状態で切り換えるための機構(以下、休止機構と称する)は種々提案されている。一例として、特許文献1に記載の方法を以下説明する。
【0003】
図7は、特許文献1記載の休止機構を示す説明図である。休止機構において、バルブリフタ8は、吸気弁1とともに昇降するロッド部2と、駆動カム4に押動される外筒部3とからなる。ロッド部2及び外筒部3は、所定の相対位置で結合ピン5により連結可能である。連結が解除された状態では、外筒部3はロッド部2に対し相対移動可能となる。このため、駆動カム4は、外筒部3のみを往復動させる。結合ピン5が、ロッド部2の嵌入孔9に嵌入すると、ロッド部2及び外筒部3は連結され、一体となって往復動する。この状態で駆動カム4は、吸気弁1を昇降駆動する。
【0004】
エミッション低減や燃費の改善を図るための別の技術として、エンジンの吸気弁および排気弁の開弁特性を可変とするための可変動弁機構が提案されている。可変動弁機構の一つとして、所定の軸周りに揺動する揺動カムを用いた機構が知られている(例えば、特許文献2など)。かかる機構では、揺動カムを軸支するシャフトに設けられた可変機構によって、揺動カムの揺動範囲、揺動タイミングを変化させることで、開弁特性を変更することができる。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−329873公報
【特許文献2】
特願2002−352319
【特許文献3】
特開平11−229834号公報
【特許文献4】
特開2001−263015号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来、可変動弁機構と休止機構を組み合わせた機構についての検討は十分に行われていなかった。特に、揺動カムを用いた可変動弁機構において、弁の開閉を駆動状態および休止状態に切り換える機構については、実現されていなかった。かかる機構の実現により、エンジンのエミッション低減や燃費の更なる改善が図られる可能性が残されている。本発明は、かかる課題に鑑み、揺動カムを用いた可変動弁機構と休止機構を組み合わせた弁駆動機構を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
本発明は、
内燃機関の吸気弁及び排気弁のうち少なくとも一方の弁に設けられ、該弁を開閉駆動状態および休止状態に切り換え可能な弁駆動機構であって、
所定の軸周りに揺動し、一端で前記弁を開閉駆動するロッカーアームと、
前記弁を駆動するための所定の駆動力を受けて揺動する揺動カムと、
該揺動カムの揺動範囲および揺動タイミングの少なくとも一方を変化させることで、前記弁の開弁特性を変更する可変機構と、
該揺動カムの動きを、前記ロッカーアームに伝達する伝達機構とを備え、
該伝達機構は、
前記ロッカーアームの他端を押し動かす軸状部を有する軸部材と、
前記揺動カムによって前記軸部材の軸方向に往復動する摺動部材と、
連結位置として規定された所定の相対位置での、前記軸部材及び摺動部材の連結及び該連結の解除を切り替える連結機構と、
前記連結が実現可能な範囲に、前記解除中における前記軸部材及び摺動部材の相対的な変位を規制する規制機構とを備えることを要旨とする。ロッカーアームは、直接弁を開閉駆動してもよいし、プッシュロッドなどを介して間接的に開閉駆動してもよい。
【0008】
このように、揺動カムとロッカーアームとの間に設けられる伝達機構に、弁の駆動および休止を切り換えるための機構を組み込むことにより、可変動弁機構と休止機構の組み合わせが実現される。更に、本発明では、かかる構成において、規制機構を設けることにより、軸部材と摺動部材の相対位置が、以下に示す通り、両者の相対的な可動範囲を超えてずれることを回避でき、連結を安定して行うことが可能となる。つまり、連結の解除中には、摺動部材と軸部材との間の摩擦力など、種々の力が軸部材に作用し、両部材の相対位置をずらすことがある。何ら規制機構を設けない場合には、このずれ量が大きくなり、摺動部材の往復動におけるどの位置においても、摺動部材と軸部材が連結位置に合致しなくなり、ひいては連結することができなくなる可能性がある。本発明では、上述の規制機構により、このような大きなずれを抑制することができるため、連結を安定して行うことが可能となる。
【0009】
本発明においては、
前記軸部材及び摺動部材は各々、両者が前記連結位置にある場合に対向する孔を設け、
前記連結機構は、該2つの孔に嵌まることで前記軸部材及び摺動部材を連結する部材を有する構成としてもよい。
【0010】
孔に嵌る部材としては、往復動するピン、凸部などを用いることができる。これらの部材は、軸部材と摺動部材がずれないように保持可能な程度に2つの孔に嵌れば足り、必ずしも双方の孔を完全に貫通する必要はない。これらの部材は、連結の解除時には、軸部材および摺動部材の少なくとも一方に収容可能とすることが好ましい。本発明の連結機構は、孔を利用した機構に限定される訳ではなく、電磁式または油圧式のクラッチ機構など、種々の機構を適用可能である。但し、孔を利用した機構では、連結機構が簡易となり、機構の小型化を図ることができる利点がある。
【0011】
本発明において、規制機構は、軸部材に対して、絶対的な可動範囲を規制する機構であってもよいし、摺動部材に対する軸部材の相対的な可動範囲を規制する機構であってもよい。いずれの場合においても、規制機構は、軸部材が動くことを許容しつつ、その可動範囲を規制してもよいし、軸部材を一定の位置に保持してもよい。後者は、前者に比較して、摺動部材の往復動時に、より確実に連結位置を達成しやすく、安定して連結を行うことができる利点がある。
【0012】
本発明の弁駆動機構が軸部材を、揺動カム側に付勢する付勢機構を有している場合には、規制機構は、軸部材の揺動カム側への変位を規制する機構とすることができる。このようにすることで、上述の付勢力に抗して、軸部材の変位を規制することができる。上述の付勢機構には、例えば、ロッカーアームと弁との間に設けられたラッシュアジャスタが含まれる。このような付勢機構が備えられている場合、連結解除時には、付勢機構からの付勢力によって軸部材の位置がずれやすいため、上述の規制機構が特に有用となる。
【0013】
かかる規制機構は、例えば、軸部材が当接する種々の形状の当接部を軸部材と揺動カムの間に設けることにより実現することができる。当接部は、例えば、弁の駆動機構が取り付けられた内燃機関本体に設けられた凸部、ピンなどとすることもできる。また、以下に示すように、弁駆動機構自体に当接部を設けても良い。
【0014】
例えば、当接部は、揺動カム、揺動カムを支持する支持部材、又は支持部材に支持される部材に設けられ、軸部材に当接することで軸部材の変位を規制する構造とすることができる。揺動カムに当接部を設ける場合には、摺動部材の動作を妨げないようにするため、揺動カムの測面部に設けることが好ましい。揺動カムの支持部材に設ける場合には、例えば、シャフトなどの支持部材の一部を径が大きい大径部としたり、シャフトに凸部を設けたりする構造とすることができる。例えば、これらの大径部、凸部を支持部材とは別の部材として構成すれば、支持部材に支持される部材となる。
【0015】
別の例として、当接部は、揺動カムと共に軸支され、軸部材と当接する径を有するワッシャとしてもよい。こうすることで、既存の部品を有効活用して、軸部材の変位を規制することができる。また、径の異なるワッシャへの交換により、規制範囲を比較的容易に調整することができる利点もある。ワッシャは、揺動カムの軸に対して遊びを有することが好ましい。このようにすることで、連結解除中において、揺動カムの揺動中にその軸が回動したとしても、軸部材とワッシャとの間の摩擦を抑制することができる利点がある。
【0016】
上述した種々の当接部を用いる場合、軸部材には、揺動カム側の一端から規制機構に当接するよう延出する延出部を設けても良い。こうすることで、当接部の小型化を図ることができる。特に、ワッシャのように軸対象形状の当接部を用いる場合には、軸部材に延出部を設けることにより、当接部の径を小さくすることができるため、小型化への寄与が大きい。
【0017】
本発明において、上述した種々の態様は、適宜、組み合わせたり、一部を省略したりして適用することができる。また、本発明は、弁駆動機構としての態様の他、弁駆動機構を有する内燃機関、弁駆動方法など種々の態様で構成することが可能である。いずれの構成においても上述した各態様を適宜適用可能である。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、実施例に基づき以下の順序で説明する。
A.弁駆動機構1000:
B.リフタ500:
C.連結状態:
D.連結解除状態:
E.接触部210とワッシャ400:
F.状態の切り替え:
G.効果:
H.変形例:
【0019】
A.弁駆動機構1000:
図1は、実施例の弁駆動機構1000を示す説明図である。弁駆動機構1000は、ガソリンエンジンの吸気弁30を開閉駆動するための機構である。弁駆動機構1000は、吸気弁30の開弁特性を変更可能な可変動弁機構であるとともに、吸気弁30を駆動状態と休止状態に切り換え可能な休止機構として機能する。
【0020】
図1上段では、実施例の弁駆動機構1000が、吸気弁30を開弁している状態を示した。図1で示す座標系xyzは、プッシュロッド34に平行な方向をx軸に、吸気カムシャフト7に平行な方向をy軸とする右手座標系である。吸気カムシャフト7は、ガソリンエンジンのクランクシャフトの回転に伴って回転し、吸気カムシャフト7の回転に伴って吸気カム21も回転する。吸気カム21は、揺動機構35に設けられたローラアーム37を押動し、支持パイプ10Aを軸として揺動機構35を揺動させる。これにより、揺動カム36は、リフタ500を介してプッシュロッド34をロッカーアーム33側(x軸正方向)に押し上げる。これに従い、ロッカーアーム33は、アーム支持軸32を軸として、矢印C方向に回動し、矢印A1方向に吸気弁30を押動する。ロッカーアーム33が吸気弁30を押し下げることで、吸気弁30は、リフト量Lだけ開弁する。
【0021】
図1下段では、弁駆動機構1000が、吸気弁30を閉弁している状態を示した。バルブスプリング30aは、矢印B1方向に吸気弁30を常時付勢し、開状態から閉状態への復元力を吸気弁30に付与する。このため、吸気弁30は、ロッカーアーム33の押動力(矢印A1方向)と、バルブスプリング30aのバネ力(矢印B1方向)とに交互に押動され、吸気カム21の回転に応じて往復動を繰り返す。弁駆動機構1000は、図1上段の状態と、図1下段の状態とを交互に遷移する。なお、ロッカーアーム33は、HLA33Aを有する。HLA33Aは、ロッカーアーム33と吸気弁30との間隙を調整する働きを有する。
【0022】
次に、弁駆動機構1000が、吸気弁30の開弁特性を変更する機構を説明する。支持パイプ10Aの内部には、支持パイプ10Aの軸方向(y軸方向)に移動可能に制御シャフト10Bが収納されている。また、支持パイプ10Aの外周にも、支持パイプ10Aの軸方向(y軸方向)に移動可能にスライダギア(図示せず)が取り付けられている。スライダギアは、制御シャフト10Bがその軸方向(y軸方向)に移動すると、これに従動する。一方、スライダギアと、揺動カム36及びローラアーム37とは、各々ヘリカルスプライン溝により嵌合している。揺動カム36及びローラアーム37の溝は向きが互いに逆方向である。このため、スライダギア(及び制御シャフト10B)がy軸方向に移動すると、揺動カム36及びローラアーム37は、制御シャフト10Bを中心に、各々逆方向に回動する。かかる回動は、揺動カム36及びローラアーム37がなす角度θを変更させることで、吸気弁30の開弁特性を変化させる。
【0023】
B.リフタ500:
次に、図2を参照しつつ、リフタ500の構成の詳細を説明する。リフタ500は、Lリフタ300及びリフタボディ200を有する。リフタボディ200はリフタガイド1001gにより保持される。シリンダブロック1001に付設されたリフタガイド1001gは、プッシュロッド34の軸方向(x軸方向)に摺動可能にリフタボディ200を保持する。リフタボディ200は、プッシュロッド34と連動して、プッシュロッド34の軸方向(x軸方向)に移動する。また、リフタボディ300は、プッシュロッド34の軸方向(x軸方向)に相対摺動可能にLリフタ300を収納する。Lリフタ300はピン孔325を有する。ピン孔325はピン321を収納している。ピン321は、ピン孔325内部で摺動することができる。一方、リフタボディ200は嵌入孔225を有する。
【0024】
前述のように、ピン321は、油圧室224への作動油圧の供給の制御により、ピン孔325内部を移動する。作動油圧は、シリンダブロック1001に設けられた油圧供給経路(図示せず)を介して油圧室224に供給される。作動油圧の供給は、所定の制御装置によって制御される。制御装置は、作動油圧の供給制御の他、ガソリンエンジン各部の動作制御を行う。例えば、制御装置は、所定のアクチュエータを用いて、制御シャフト10Bをその軸方向(y軸方向)に変位させる。
【0025】
C.連結状態:
図2の上段では、リフタボディ200及びLリフタ300を連結した状態を示している。この状態では、ピン321は、ピン孔325からその外部に(z軸正方向に)突出している。ピン孔325から突出した部分は、嵌入孔225内部に嵌入している。リフタボディ200及びLリフタ300の相対位置は、嵌入孔225がピン孔325に対向するものとなっている。Lリフタ300は、揺動カム36の揺動に応じ、ピン321を介してリフタボディ200を押動する。リフタボディ200及びLリフタ300は、連結状態では、一体となってx軸方向に往復動する。弁駆動機構1000は、かかる連結状態で吸気弁30の駆動を行う。
【0026】
D.連結解除状態:
図2の下段には、リフタボディ200及びLリフタ300の連結を解除した状態を示した。連結解除状態では、連結状態の場合(上段)と異なり、ピン321は、嵌入孔225から脱離し、ピン孔325内部に全体が収納されている。このため、Lリフタ300及びリフタボディ200は、各々独立してx軸方向に移動可能である。
【0027】
E.接触部210とワッシャ400:
図3は、互いにに当接する接触部210及びワッシャ400を示す斜視図である。図3の左図では各部品を分解した状態を、右図では組み立てた状態を各々示している。なお、図1及び図2では、図示の便宜のため、接触部210及びワッシャ400の図示を省略した。
【0028】
ワッシャ400は、支持パイプ10Aにより、支持パイプ10Aを軸として回動自在に支持されている。また、ワッシャ400は、支持パイプ10Aから着脱可能に設けられている。以下、ワッシャ400の半径をdとして説明を行う。
【0029】
接触部210は、リフタボディ200が有する突起部分である。接触部210は、リフタボディ200のその他の部分から、ワッシャ400側(x軸負方向)に突起している。図3右図に示すように、リフタボディ200は、接触部210によりワッシャ400と当接する。リフタボディ200は、接触部210がワッシャ400に当接する位置よりも、支持パイプ10A側(x軸負方向)に移動することができない。
【0030】
図4は、連結解除状態で、リフタボディ200が保持された状態を示す説明図である。バルブスプリング30a及びHLA33Aは、リフタボディ200を押し下げる方向(x軸負方向)に、ロッカーアーム33を付勢する。このため、連結が解除されると、リフタボディ200は、接触部210がワッシャ400に当接する位置まで下降する。HLA33A等からの付勢力は、リフタボディ200をワッシャ400に押止する。これにより、接触部210がワッシャ400に当接する位置で、リフタボディ200が保持される。ワッシャ400及びプッシュロッド34は、連結が解除されている間、リフタボディ200を挟持し続ける。リフタボディ200が保持される位置は、ワッシャ400の半径dに規定される。
【0031】
図2下段では、上述の位置に保持されたリフタボディ200を示している。ここで、往復動するLリフタ300は、リフタボディ200に不測の摩擦力を付与する。また、スプリング226(図2)のバネ力も、プッシュロッド34側(x軸正方向)への付勢力をリフタボディ200に付与する。しかし、ワッシャ400及びプッシュロッド34は、これらの力に抗してリフタボディ200を静止させ続ける。
【0032】
一方、連結解除状態でLリフタ300は、スプリング226のバネ力により、揺動カム36側(x軸負方向)に常時押圧される。これにより、Lリフタ300は、揺動カム36に常時当接し、揺動カム36の揺動に応じて往復動を行う。
【0033】
F.状態の切り替え:
ピン321は、Rスプリング222のバネ力により、ピン孔325から外部に突出する方向(z軸正方向)に常時押圧されている。また、油圧室224に作動油圧が供給されると、ピン孔325の内部に押し込む方向(z軸負方向)の力がピン321に作用する。
【0034】
連結状態(図2上段)から連結解除状態(図2下段)に状態を変更する場合、制御装置は、油圧室224へ作動油圧を供給する。これによりピン321に作用する力は、Rスプリング222のバネ力に抗して、ピン321をピン孔325の内部に押し入れる。ピン321は、嵌入孔225から脱離し、ピン孔325内部に全体が収納される。これにより、リフタボディ200は、Lリフタ300との連結が解除されるため、その往復動を停止する。
【0035】
連結解除状態(図2下段)から連結状態(図2上段)に状態を変更する場合、制御装置は、油圧室224への作動油圧の供給を停止する。これにより、Rスプリングのバネ力は、作動油圧に抗されることなく、ピン孔321の外部方向(z軸正方向)にピン321を押動する。ただし、この押動力により移動を開始したピン321は、ピン孔321開口部でリフタボディ500に当接して、一旦停止する。この後、Lリフタ300の往復動に応じ、ピン孔325が嵌入孔225に対向するタイミングで、ピン321は嵌入孔225内部に嵌入する。この後、リフタボディ200は、Lリフタ300に従動して往復動を行う。
【0036】
G.効果:
図5は、リフタボディ200が保持される位置の詳細を示す説明図である。図5では、リフタボディ200の接触部210を、z−x平面への射影により示している(一点鎖線)。連結解除状態において、Lリフタ300が有するピン孔325は、Lリフタ300とともに、x軸方向に所定範囲内を往復動する。図5では、ピン孔325の往復動の範囲を示している。往復動の範囲は、x座標が最大となったピン孔325M(破線)の位置と、最小となったピン孔325m(実線)の位置とにより図示している。
【0037】
図5のリフタボディ200は、ワッシャ34及びプッシュロッド34に挟持されている。この状態で嵌入孔225は、x座標最小のピン孔325mと対向する。ワッシャ400の半径dは、嵌入孔225がかかる位置にくるように設定されている。x座標が最小となった位置で、ピン321mは嵌入孔225に嵌入する。
【0038】
以上説明した弁駆動装置1000によれば、ピン321の往復動の範囲(図5の位置321m〜321M)に嵌入孔225の位置が保持されることで、嵌入孔225へのピン321の嵌入の遅延や不能を回避できる。これにより、吸気弁30の駆動再開の遅延や不能を回避し、弁の開閉駆動の休止及び駆動の切り替えを実現することができる。
【0039】
前述の通り、ワッシャ400は、支持パイプ10Aから着脱可能に設けられているため、異なる半径のワッシャとの交換を容易である。このため、リフタボディ200が保持される位置を容易に調整することができる。リフタボディ200を保持する位置の調整は、例えば、弁駆動機構1000各部の製造誤差や磨耗に応じて行われる。また、ワッシャ400は支持シャフト10Aを軸として回動可能であるため、ワッシャ400と接触部210の摩擦を低減できる。なお、ワッシャ400に代えて、支持シャフトと一体的に構成された円盤を用いても良い。
【0040】
リフタボディ200が保持される位置は、図5で説明した位置に限らない。往復動するピン孔225が、いずれかのタイミングで嵌入孔325と対向するものであれば足りる。すなわち、嵌入孔225が、図5における位置321m〜321Mのいずれかの位置にくればよい。
【0041】
連結解除状態におけるリフタボディ200は、必ずしも静止している必要はない。例えば、Lリフタ300がリフタボディ200に付与する摩擦力等により、ワッシャ400から一定距離まで遊離することがあってもよい。この場合も、ワッシャ400は、図5に示す位置より支持シャフト10A側(x軸負方向)へのリフタボディ200の変位を防ぎ得る。
【0042】
実施例では、ワッシャ400がリフタボディ200の変位を規制するものとしたが、かかる場合に限定されることはない。例えば、シリンダブロック10001に設けられた所定の規制部材が規制を行うものとしてもよい。また、実施例で弁駆動装置1000は、吸気弁を駆動するものとして説明を行ったが、排気弁を駆動する場合も同様である。なお、弁駆動装置1000は、吸気弁及び排気弁の両者を駆動するものであってもよい。実施例では、ガソリンエンジンを例にとって説明を行ったが、ディーゼルエンジン等の場合も同様である。
【0043】
H.変形例:
図6は、リフタボディ200に当接する揺動カム36Pを示す説明図である。揺動カム36Pは、当接部400Pを有する。当接部400Pは、揺動カム36P上で、リフタボディ200側(x軸正方向側)に突出している。当接部400Pは、実施例におけるワッシャ400と同様に、リフタボディ200の接触部210に当接することで、リフタボディ200を保持する。図6における揺動カム36Pは、実施例における揺動カム36及びワッシャ400を一体的に構成したものに相当する。このため、かかる揺動カム36Pを用いることで、実施例の場合よりも部品数を減少させることができる。
【0044】
以上、実施例に基づき本発明にかかる弁駆動機構を説明してきたが、上述した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の弁駆動機構1000を示す説明図である。
【図2】リフタ500の構成の詳細を示す断面図である。
【図3】互いにに当接する接触部210及びワッシャ400を示す斜視図である。
【図4】連結解除状態で、リフタボディ200が固定された状態を示す斜視図である。
【図5】リフタボディ200が固定される位置の詳細を示す説明図である。
【図6】リフタボディ200に当接する揺動カム36Pを示す説明図である。
【図7】従来技術としての弁駆動機構10を示す説明図である。
【符号の説明】
1…吸気弁
2…ロッド部
3…外筒部
4…駆動カム
5…結合ピン
8…バルブリフタ
9…嵌入孔
7…吸気カムシャフト
10A…支持パイプ
10B…制御シャフト
21…吸気カム
30…吸気弁
30a…バルブスプリング
32…アーム支持軸
33…ロッカーアーム
33A…HLA
34…プッシュロッド
35…揺動機構
36…揺動カム
36P…揺動カム
37…ローラアーム
200…リフタボディ
210…接触部
224…油圧室
225…嵌入孔
226…スプリング
300…ロストモーションリフタ(Lリフタ)
321…ピン
321m…x座標最小のピン
321M…x座標最大のピン
325…ピン孔
325m…x座標最小のピン孔
325M…x座標最大のピン孔
400…ワッシャ
400P…当接部
500…リフタ
1000…弁駆動機構
1001…シリンダブロック
1001g…リフタガイド

Claims (7)

  1. 内燃機関の吸気弁及び排気弁のうち少なくとも一方の弁に設けられ、該弁を開閉駆動状態および休止状態に切り換え可能な弁駆動機構であって、
    所定の軸周りに揺動し、一端で前記弁を開閉駆動するロッカーアームと、
    前記弁を駆動するための所定の駆動力を受けて揺動する揺動カムと、
    該揺動カムの揺動範囲および揺動タイミングの少なくとも一方を変化させることで、前記弁の開弁特性を変更する可変機構と、
    該揺動カムの動きを、前記ロッカーアームに伝達する伝達機構とを備え、
    該伝達機構は、
    前記ロッカーアームの他端を押し動かす軸状部を有する軸部材と、
    前記揺動カムによって前記軸部材の軸方向に往復動する摺動部材と、
    連結位置として規定された所定の相対位置での、前記軸部材及び摺動部材の連結及び該連結の解除を切り替える連結機構と、
    前記連結が実現可能な範囲に、前記解除中における前記軸部材及び摺動部材の相対的な変位を規制する規制機構とを備える弁駆動機構。
  2. 請求項1記載の弁駆動機構であって、
    前記軸部材及び摺動部材は各々、両者が前記連結位置にある場合に対向する孔を有し、
    前記連結機構は、該2つの孔に嵌まることで前記軸部材及び摺動部材を連結する部材を有する弁駆動機構。
  3. 請求項1記載の弁駆動機構であって、
    前記軸部材を、前記揺動カム側に付勢する付勢機構を有し、
    前記規制機構は、前記軸部材の前記揺動カム側への変位を規制する弁駆動機構。
  4. 請求項3記載の弁駆動機構であって、
    前記付勢機構は、前記ロッカーアームと弁との間に設けられたラッシュアジャスタである弁駆動機構。
  5. 請求項3記載の弁駆動機構であって、
    前記規制機構は、前記揺動カム、又は前記揺動カムを支持する支持部材、又は該支持部材に支持される部材に設けられ、前記軸部材に当接することで前記変位を規制する当接部である弁駆動機構。
  6. 請求項3記載の弁駆動機構であって、
    前記規制機構は、前記揺動カムと共に軸支され、前記軸部材と当接する径を有するワッシャである弁駆動機構。
  7. 請求項5または6記載の弁駆動機構であって、
    前記軸部材は、前記揺動カム側の一端から前記規制機構に当接するよう延出する延出部を有する弁駆動機構。
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