JP2005035402A - 油圧モータを備える車軸駆動装置 - Google Patents

油圧モータを備える車軸駆動装置 Download PDF

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【課題】油圧モータを備える車軸駆動装置において、前輪増速に関する新規な機構を採用し、前輪増速において無段変速を実現する。
【解決手段】左右一対の車軸を支持するアクスルケース2の前後一側に開口25を設けており、各別に該車軸を駆動する一対の油圧モータ40L・40Rを組み付けたアセンブリを該アクスルケース2に取り付けることにより、該開口25を介して、該一対の油圧モータ40L・40Rを該アクスルケース2内に配設する。また、車輪の左右回動角の検出に応じて該一対の油圧モータ40L・40Rが容積変更する構成とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、農用トラクタ、乗用芝刈機、建設機械等の各種産業車両に備えられる車軸駆動装置の構成に関する。
農用トラクタ、乗用芝刈機、建設機械等の各種産業車両に用いられる車軸駆動装置において、該車軸駆動装置の全高を低く設計することは、低重心とできる点や、グランドクリアランスの拡大が図れるといった点で特に有効なものである。
本願出願人は、特願2003−1935にてこれらの点に関し開示している。具体的には、左右一対の油圧モータをアクスルケースに内装する構成とするものである。
一方、上記作業車両に関し、旋回時に前輪の回転数を増加させて旋回性の向上を図る、いわゆる前輪増速の技術について開示する文献が多数存在する(例えば、特許文献1参照。)。
該特許文献1にて開示されるところの技術は、摩擦クラッチを備える前輪変速装置を備え、前輪が直進位置から右又は左に設定角度以上に旋回操作された際に、前記摩擦クラッチを接続し、これにより、前輪駆動用のドライブシャフトの回転数を後輪駆動用のドライブシャフトの回転数よりも大きくするといったものである。
特開2001−178208号公報
しかし、前記特許文献1に開示されるところの技術では、ステアリングハンドルの操作量が少ないときは前輪増速が行われず、規定の操作量にまで達したときに初めて前輪増速が行われることから、ステアリングハンドルの操作量の全範囲において前輪増速が追従して行われるものではなく、オペレータに違和感を与えることもあるといえる。また、前記摩擦クラッチによる変速ショックも生じることから、滑らかな旋回フィーリングが得られないといったこともある。また、摩擦クラッチを備える前輪変速装置を設けることは、車体構成の複雑化、車重の増大といった面からも改善の余地があるといえる。
そこで、本発明は、本願出願人の先行出願にて開示した車軸駆動装置の構成に、前輪増速に関する新規な機構を採用することにより、上記問題点の解決を図るものである。また、新規な機構を採用するにあたり、仕組み性についても十分に考慮するものとする。
本発明の解決しようとする課題は以上のごとくであり、次に該課題を解決する為の手段を説明する。
即ち、請求項1においては、左右一対の車軸を支持するアクスルケースの前後一側に開口を設けており、各別に該車軸を駆動する一対の油圧モータを組み付けたアセンブリを該アクスルケースに取り付けることにより、該開口を介して、該一対の油圧モータを該アクスルケース内に配設することである。
また、請求項2においては、前記アセンブリには、前記一対の油圧モータとともにカバーが組み付けられており、該アセンブリを前記アクスルケースに取り付けることにより、該カバーが該アクスルケースの開口を覆う構成とすることである。
また、請求項3においては、前記アセンブリにおいて、センタセクションが組み付けられており、前記両油圧モータは、該センタセクションを中心に略対称状に配設されていることである。
また、請求項4においては、前記アセンブリにおいて、前記両油圧モータそれぞれの斜板の支持部を設けるとともに、該支持部に、前記アクスルケースに対しての位置決め用の嵌合部を設けていることである。
また、請求項5においては、左右一対の車軸と、各別に該車軸を駆動するべく連結された一対の可変容積型油圧モータであって、互いにパラレル接続され、かつ、油圧源と流体接続された前記可変容積型油圧モータと、各別に該車軸に左右回動自在に取り付けられる一対の車輪とよりなり、該一対の車輪のうちの、少なくともどちらか一つの左右回動角の検出に応じて該一対の油圧モータが容積変更されるように構成することである。
また、請求項6においては、前記各油圧モータは可動斜板を具備するとともに、該各可動斜板の傾斜角度を規定角度に維持するように付勢する付勢手段を設け、前記一車軸の左右回動角が大きくなるにつれて、該各付勢手段の付勢力に抗して該各可動斜板の傾倒角度が小さくなるように前記一車輪と前記可動斜板とが連動連係されていることである。
また、請求項7においては、前記各油圧モータの付勢手段の固定側に調節機構を設け、前記各可動斜板の傾斜角度の規定角度を微調整可能に構成されることである。
また、請求項8においては、前記各油圧モータの可動斜板の斜板角度を操作するコントロールレバーのそれぞれに対し、前記一車輪の左右回動に応じて動作する共通のリンクを、カム機構を介して連結し、該カム機構は、該コントロールレバーの回動角度を、該リンクの動作量に応じた回動角度よりも低減するように構成されていることである。
また、請求項9においては、前記一車輪を右切り、左切りするときの前記リンクのストローク量が異なっても、コントロールレバーの回動角度が同じになるように、カム比を変えて構成されていることである。
また、請求項10においては、左右一対の車軸と、各別に該車軸を駆動する一対の油圧モータと、左右回動自在とする一対の車輪とよりなる車軸駆動装置であって、該一対の車輪同士を連動して回動させるタイロッドを該車軸駆動装置に対し車両の前後内側に設けていることである。
また、請求項11においては、前記車軸駆動装置に対し車両の前後内側に、パワーステアリング用の油圧アクチュエータが配設される構成とすることである。
また、請求項12においては、前記アクスルケースの前記開口は車両の前後内側に設けられている一方、前記油圧モータの一対は前記アクスルケース内において各々の給排ポートを相互に一対の油路を介して流体接続されていると共に、前記油路の各々を前記カバーを通じて油圧源と流体接続可能に構成したことである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
即ち、請求項1においては、左右一対の車軸を支持するアクスルケースの前後一側に開口を設けており、各別に該車軸を駆動する一対の油圧モータを組み付けたアセンブリを該アクスルケースに取り付けることにより、該開口を介して、該一対の油圧モータを該アクスルケース内に配設するので、これにより、前記アセンブリのケースに対する仕組み性の向上が図られた車軸駆動装置が構成される。
また、請求項2においては、前記アセンブリには、前記一対の油圧モータとともにカバーが組み付けられており、該アセンブリを前記アクスルケースに取り付けることにより、該カバーが該アクスルケースの開口を覆う構成とするので、アセンブリをケースに仕組むと同時に、開口を閉じるための作業が同時に行え、作業工数の削減により、仕組み性の向上が図られる。
また、請求項3においては、前記アセンブリにおいて、センタセクションが組み付けられており、前記両油圧モータは、該センタセクションを中心に略対称状に配設されているので、互いのシリンダブロックにて摺動されるピストンにより生じるアキシャル方向の荷重が互いに打ち消し合い、これにより、荷重バランスが良好となる。
また、請求項4においては、前記アセンブリにおいて、前記両油圧モータそれぞれの斜板の支持部を設けるとともに、該支持部に、前記アクスルケースに対しての位置決め用の嵌合部を設けているので、アクスルケースに対する油圧式駆動装置の位置決めが容易となり、仕組み性の向上や、モータ軸の芯ずれ防止が図られる。
また、請求項5においては、左右一対の車軸と、各別に該車軸を駆動するべく連結された一対の可変容積型油圧モータであって、互いにパラレル接続され、かつ、油圧源と流体接続された前記可変容積型油圧モータと、各別に該車軸に左右回動自在に取り付けられる一対の車輪とよりなり、該一対の車輪のうちの、少なくともどちらか一つの左右回動角の検出に応じて該一対の油圧モータが容積変更されるように構成したので、両油圧モータを同時に増速又は減速させる車軸駆動装置が構成される。
また、請求項6においては、前記各油圧モータは可動斜板を具備するとともに、該各可動斜板の傾斜角度を規定角度に維持するように付勢する付勢手段を設け、前記一車軸の左右回動角が大きくなるにつれて、該各付勢手段の付勢力に抗して該各可動斜板の傾倒角度が小さくなるように前記一車輪と前記可動斜板とが連動連係されているので、車軸駆動装置を前輪側として配する車両においては、車軸の左右回動角に応じて前輪が増速される構成として、旋回性の優れた車両を構成することができる。
また、請求項7においては、前記各油圧モータの付勢手段の固定側に調節機構を設け、前記各可動斜板の傾斜角度の規定角度を微調整可能に構成されるので、左右の油圧モータのモータ軸の相対速度差をなくすことや、四輪駆動に構成される車両に搭載される場合には、他方の車軸駆動装置の車軸の回転数との合わせこみといった調整が可能となる。
また、請求項8においては、前記各油圧モータの可動斜板の斜板角度を操作するコントロールレバーのそれぞれに対し、前記一車輪の左右回動に応じて動作する共通のリンクを、カム機構を介して連結し、該カム機構は、該コントロールレバーの回動角度を、該リンクの動作量に応じた回動角度よりも低減するように構成されているので、リンクの移動量が、コントロールレバーを操作するための操作量と比較して大きく構成される場合に有効な構成となる。
また、請求項9においては、前記カム機構は、前記一車輪を右切り、左切りするときの前記リンクのストローク量が異なっても、コントロールレバーの回動角度が同じになるように、カム比を変えて構成されているので、一方の車輪側と連系した単一のカム軸による簡単な構成で、右切りと左切りのときの増速制御を一致させることができる。
また、請求項10においては、左右一対の車軸と、各別に該車軸を駆動する一対の油圧モータと、左右回動自在とする一対の車輪とよりなる車軸駆動装置であって、該一対の車輪同士を連動して回動させるタイロッドを該車軸駆動装置に対し車両の前後内側に設けているので、タイロッドと、油圧配管とが互いに干渉することなくケースの前後に振り分けられ、限られたスペースでの有効配置が可能となる。
また、タイロッドがアクスルケースの後側となるので、車軸駆動装置が前方の障害物に干渉した際にも、タイロッドの損傷がまぬがれ、左右の車輪の連動操作が確保されることから、保安上も良好な設計となっている。
また、請求項11においては、前記車軸駆動装置に対し車両の前後内側に、パワーステアリング用の油圧アクチュエータが配設される構成とするので、油圧アクチュエータが車軸駆動装置に一体的に組み込まれる構成となって、車両への搭載後に必要となる作業工数の削減や、ユニットとしての取り扱い性の向上が図られる。
また、請求項12においては、前記アクスルケースの前記開口は車両の前後内側に設けられている一方、前記油圧モータの一対は前記アクスルケース内において各々の給排ポートを相互に一対の油路を介して流体接続されていると共に、前記油路の各々を前記カバーを通じて油圧源と流体接続可能に構成したので、車軸駆動装置が占める前後方向の寸法を小さく抑えることができ、車軸駆動装置全体としてのコンパクト化が図られる。
油圧モータを備える車軸駆動装置において、仕組み性の向上と、前輪増速における無段変速を行うという目的を、各別に車軸を駆動する一対の油圧モータを組み付けたアセンブリをアクスルケースに取り付ける構成とするとともに、車輪の左右回動角の検出に応じて該一対の油圧モータが容積変更する構成とすることで実現する。
次に、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
図1は第一の実施例にかかる車軸駆動装置の平面一部断面図、図2は同じく一部後面断面図、図3は同じく油圧式駆動装置部分の平面一部断面図、図4は同じくカバー部分の後面図、図5はカバーと油圧式駆動装置とをアセンブリとした状態を示す斜視図、図6は油圧モータに関する構成を示す斜視図、図7は図1におけるA−A線断面図、図8はタイロッドの移動をカム軸アームに入力させる構成について示す平面図、図9は図8の構成における連結機構を示す後面一部断面図、図10はカム機構の動作について示す図、図11は同じくカム機構における構造について示す図、図12は同じくカム機構の他の構成を示す図、図13の(a)はハンドルを左に切った場合のカム軸アームの揺動角度について示す図、図13の(b)は同じくハンドルを右に切った場合のカム軸アームの揺動角度について示す図、図14の(a)は図2の構成における可動斜板の傾倒について示す図、図14の(b)は図12の構成に対応する可動斜板の傾倒について示す図、図15は実施例2にかかる車軸駆動装置の油圧式駆動装置部分の前面一部断面図、図16は同じく平面一部断面図、図17は図16におけるA−A線断面図、図18は図16におけるC−C線断面図、図19は図16におけるB−B線断面図、図20は実施例3にかかる車軸駆動装置の油圧式駆動装置部分の後面一部断面図、図21は図20におけるB−B線断面図、図22は同じく実施例3にかかる車軸駆動装置のカバー部分の後面図、図23は実施例4につき、車両の油圧回路構成について示す図である。
尚、以下の説明における前後方向につき、図1における紙面上側を「前側」、紙面下側を「後側」とする。
本発明に係る車軸駆動装置1の第一の実施例について説明する。
図1に示すごとく、車軸駆動装置1は、アクスルケース2と、該アクスルケース2の両側に配され、タイロッド8にて連動して操舵される左右一対の車軸支持ユニット30L・30Rと、前記アクスルケース2の前後一側に形設される開口25を閉じるとともに、二つの可変容積型油圧ポンプを対向配置した油圧式駆動装置H(図5参照)が装着されるカバー26と、前記可変容積型油圧ポンプの斜板角度を同一の変化量に操作するためのカム機構70と、前記カム機構70に、前記車軸支持ユニット30L・30Rの操舵角を入力するためのリンク81と、を有する構成としている。
以下詳述すると、図1及び図2に示すごとく、車軸駆動装置1のアクスルケース2の左右には、タイロッド8により互いに連動して旋回操作される車軸支持ユニット30L・30Rが配され、これら車軸支持ユニット30L・30Rに支持される車輪の角度が変更されるように構成されている。
また、アクスルケース2内には、油圧モータ40L・40R、センタセクション51等からなる油圧式駆動装置Hを内装する油圧モータ室Sが形成されている。
また、図2において、右側に配される油圧モータ40Rのモータ軸23Rは、スプライン筒24aを介して右車軸駆動軸22Rと連動連結されており、該右車軸駆動軸22Rより車軸支持ユニット30Rに駆動が入力されて、車輪ディスク35Rが回転駆動される構成としている。
一方、図2において、左側に配される油圧モータ40Lのモータ軸23Lは、スプライン筒24a・24b、及び連動軸23Laを介して左車軸駆動軸22Lと連動連結されており、該左車軸駆動軸22Lより車軸支持ユニット30Lに駆動が入力されて、図示せぬ車輪ディスクが回転駆動される構成としている。
また、前記車軸支持ユニット30L・30Rは、左右一対に構成されてアクスルケース2の左右端部に接合されるものである。
図2に示すごとく、右側の車軸支持ユニット30Rについては、略「ヘ」字状に屈曲した伝動ケース30aと、該伝動ケース30aの下部にて外嵌固定された軸受31a・31bに内嵌固定される操舵ケース30bと、該操舵ケース30bの立設接合面に接合される車軸ケース30c等から構成されている。
伝動ケース30aの屈曲部においては、前記車軸駆動軸22Rの端部に形設されたベベルギア32aと、上下方向に沿う伝動軸33の上側端部に軸着したベベルギア32bとが噛合されており、車軸駆動軸22Rの駆動力が伝動軸33に伝達される。該伝動軸33は、伝動ケース30aの屈曲部に設けた軸受31c及び操舵ケース30bの底部に設けた軸受31dにて、それぞれ、ベベルギア32b・32cとともに回転自在に支持されている。
また、操舵ケース30bの下部においては、伝動軸33の下側端部に軸着したベベルギア32cと、車軸34Rに軸着した車軸ギア32dとが噛合されており、伝動軸33の駆動力が車軸34Rに伝達され、該車軸34Rに固設された車輪ディスク35Rが回転駆動される。
以上のようにして、右側の車軸支持ユニット30Rについては、油圧モータ40Rの回転による車軸駆動軸22Rの駆動力が、伝動軸33から車軸34Rに伝達されるようになっている。また、左側の車軸支持ユニット30Lについても同様に、油圧モータ40Lの回転による車軸駆動軸22Lの駆動力が伝動軸から前輪車軸に伝達されるようになっている。
そして、左右の車軸駆動軸22L・22Rは、それぞれ、アクスルケース2の左右端部に内嵌される軸受28a・28bにて軸承されるとともに、オイルシール29にてアクスルケース2との隙間が塞がれている。このオイルシール29により、油圧式駆動装置Hを内装する油圧モータ室Sと、車軸支持ユニット30Rの伝動ケース30aのギア室Gとの間がシールされている。
このシールにより、油圧モータ室S内の油圧式駆動装置Hの作動油と、ギア室G内のギア潤滑用の油とが混合することがなく、各室内においては、油圧モータの駆動と、ギアの潤滑が良好に行われ、駆動効率の向上や、ギヤ、軸受の寿命を向上できる。
また、図2及び図4に示すごとく、アクスルケース2の後側には、作動油のドレンポート13が突設されており、アクスルケース2内で過剰となった作動油を油圧源の油溜め(図23参照)に配管17を介して還流可能に構成されている。
また、図2に示すごとく、アクスルケース2には、センターピン6を挿入するための挿入穴6aが設けられており、車体フレームに対する車軸駆動装置1の位置決めして左右車輪の上下揺動を許容すべく懸架している。
また、図2に示すごとく、アクスルケース2には、PTO軸7(作業機駆動軸)を前後方向に貫通させるための挿入穴7aが設けられており、例えば、該車軸駆動装置1の前方に作業機を装備する車両において、該車軸駆動装置1の後方からPTO軸7を介して作業機に動力を伝達できるように構成されている。
また、図3及び図7に示すごとく、前記アクスルケース2の後側には、前記油圧モータ室Sを外部に開放する開口25が形成されており、該開口25は、カバー26により蓋がされ、前記油圧モータ室Sを密閉空間としている。ここで、図4に示すごとく、該カバー26は、固定ボルト66・66によりアクスルケース2に固定される。
また、図5に示すごとく、該カバー26は、前記油圧モータ40L・40R、及びセンタセクション51等からなる油圧式駆動装置Hに組みつけられており、これらはアセンブリとして一体的に構成される。ここで、図4及び図7に示すごとく、該カバー26は、固定ボルト67により、センタセクション51に固定される。
また、図3に示すごとく、左右対称に構成される油圧モータ40L・40Rは、それぞれ、シリンダブロック41L・41Rに摺動自在に内装されるピストン42・42・・・の摺動ストロークを可動斜板43L・43Rにより調整可能とし、シリンダブロック41L・41Rに相対回転不能に係合されるモータ軸23L・23Rを出力軸とするアキシャルピストン式の可変容積型油圧モータに構成される。
また、図3に示すごとく、前記可動斜板43L・43Rは、コントロール軸44L・44Rにより回動するコントロールアーム47L・47Rと係合している。そして、コントロールレバー45L・45Rによりコントロール軸44L・44Rを回転操作することにより、可動斜板43L・43Rの斜板角度が変更されるようになっている。この斜板角度の変更により、前記モータ軸23L・23Rの回転数を変更し、図示せぬ車輪の増速又は減速が行われる構成としている。
また、図7に示すごとく、前記センタセクション51には、互いに分断される油路52a・53aが前後方向に並んで形設されるとともに、該油路52a・53aと個別に連通する油路52b・53bが並んで左右方向に形設される。該油路52b・53bは、センタセクション51の左右側面に形成されるシリンダブロック41L・41Rとの摺接面にて開口され、互いに分断されるキドニーポート(給排ポート)を形成する。これにより、シリンダブロック41L・41Rを前記摺接面の各々に設置した際に、油圧モータ40L・40Rの吸入/排出ポートは互いにパラレル接続されることになる。したがって前記可動斜板43L・43Rの斜板角度により決定される左右各々のモータ容量の合計が車軸駆動装置全体としてのモータ容量となる。
また、図7に示すごとく、前記センタセクション51の前面には、前記油路52a・53aを外部に開放するパイプポート54a・54bが形設されており、該パイプポート54a・54bに油圧配管55a・55bのジョイント56a・56bが嵌入される。アクスルケース2には、センタセクション51のパイプポート54a・54bと一致する位置に、挿入穴57a・57bが形設されており、油圧配管55a・55bのジョイント56a・56bは、該挿入穴57a・57bに挿入されて、パイプポート54a・54bに嵌入される。また、前記油圧配管55a・55bにおいて、ジョイント56a・56bの基部58a・58bは、ジョイント56a・56bの径よりも大きく構成され、挿入穴57a・57bの開口端面と、アクスルケース2にボルト固定される固定板59との間で挟装されることにより、ジョイント56a・56bが高圧によりパイプポート54a・54bから抜けることがないようにしている。
センタセクション51には、前記油圧配管55a・55bの内の一つの配管より高圧の作動油が供給される。そして、もう一つの配管より、シリンダブロック41L・41Rを回転させた後の作動油が排出される。
以上のように構成される油圧式駆動装置Hにおいては、センタセクション51を中心に、油圧モータ40L・40Rが略対称状(本実施例では、左右対称)に配設されているため、互いのシリンダブロック41L・41Rにて摺動されるピストン42・42・・・により生じるアキシャル方向の荷重は互いに打ち消し合い、これにより、荷重バランスが良好となる。
また、左右一対の車軸駆動軸22L・22Rを支持するアクスルケース2の前後一側に開口25を設けており、各別に該車軸駆動軸22L・22Rを駆動する一対の油圧モータ40L・40Rを組み付けたアセンブリとしての油圧式駆動装置Hを該アクスルケース2に取り付けることにより、該開口25を介して、該油圧式駆動装置Hを該アクスルケース2内に配設する構成としており、これにより、油圧式駆動装置Hのアクスルケース2に対する仕組み性の向上が図られている。
また、前記油圧式駆動装置Hには、カバー26が組み付けられており、これらを一体的に前記アクスルケース2に取り付けることにより、該カバー26が該アクスルケース2の開口25を覆う構成としている。これにより、油圧式駆動装置Hがアクスルケース2に仕組まれる際には、開口25を閉じるための作業が同時に行え、作業工数の削減により、仕組み性の向上が図られる。
次に、油圧モータ40L・40Rに関する構成について説明する。
図2及び図3に示すごとく、油圧モータ40L・40Rは、左右対称に構成されるものであり、それぞれのシリンダブロック41L・41Rの間にセンタセクション51を挟んで対向配置される。
油圧モータ40L・40Rにおいて、可動斜板43L・43Rにおけるシリンダブロック41L・41Rと反対側の面は、斜板サポート46L・46Rに形設された半月状のガイド面46a・46a(図2参照)に当接されている。該斜板サポート46L・46Rには、油圧モータ40L・40Rのモータ軸23L・23Rを貫通させる貫通穴46b・46bが形設されており、該貫通穴46b・46bに軸受23a・23aが嵌入され、該軸受23a・23aにてモータ軸23L・23Rが軸承されている。
また、図3に示すごとく、該斜板サポート46L・46Rの前側には、アクスルケース2に対する位置決め用の嵌合部68・68がそれぞれ設けられており、アクスルケース2に設けた凹部12a・12aに対し、それぞれの嵌合部68・68を嵌入するように構成されている。該嵌合部68・68は、例えば、ピンで構成される。このように、前記油圧式駆動装置Hにおいて、前記両油圧モータ40L・40Rのそれぞれに、可動斜板43L・43Rの斜板サポート46L・46Rを設けるとともに、該斜板サポート46L・46Rに、前記アクスルケース2に対しての位置決め用の嵌合部68・68を設けていることにより、アクスルケース2に対する油圧式駆動装置Hの位置決めが容易となり、仕組み性の向上や、モータ軸23L・23Rの芯ずれ防止が図られる。
また、同様に、図3に示すごとく、センタセクション51の前側には、アクスルケース2に対する位置決め用の嵌合部69が設けられており、アクスルケース2に設けた凹部12bに対し、嵌合部69を嵌入するように構成されている。該嵌合部69は、例えば、ピンで構成される。このようにして、センタセクション51においてもアクスルケース2に対する位置決めが行われ、油圧式駆動装置H全体としてのアクスルケース2に対する位置決めの精度の向上が図られる。
また、同様に、図7に示すごとく、センタセクション51の後側には、カバー26に対する位置決め用の嵌合部65が設けられており、カバー26に設けた凹部26bに対し、嵌合部65を嵌入するように構成されている。該嵌合部65は、例えば、ピンで構成される。このようにして、センタセクション51とカバー26との間での位置決めが精度よく行われるようになり、油圧式駆動装置H及びカバー26からなるアセンブリ全体としてのアクスルケース2に対する位置決めの精度の向上が図られる。
また、図3及び図4に示すごとく、可動斜板43L・43Rには、コントロール軸44L・44Rにより回動操作されるコントロールアーム47L・47Rの係合部47a・47aが係合されている。
また、図3に示すごとく、コントロール軸44L・44Rの反コントロールアーム47L・47R側の端部は、カバー26の貫通穴26a・26aを通って後方に突出されるとともに、該端部には、コントロールレバー45L・45Rの基端部49L・49Rが固定される。これにより、コントロールレバー45L・45Rの操作にてコントロール軸44L・44Rを介してコントロールアーム47L・47Rを回動させ、係合部47a・47aが可動斜板43L・43Rの斜板角度を変更するように構成されている。
また、図3に示すごとく、コントロールレバー45L・45Rについて、基端部49L・49Rからの突出位置が前後方向にずれるようにして、互いに干渉せずに回動可能とするとともに、図4に示すごとく、後面視において重なる部分が存在するように構成される。
また、図3乃至図6に示すごとく、前記各油圧モータ40R・40Lは可動斜板43L・43Rを具備するとともに、該各可動斜板43R・43Lの傾斜角度を規定角度に維持するように付勢する付勢手段としてのトルクバネ63R・63Lが設けられおり、前記一車輪の左右回動角が大きくなるにつれて、該各トルクバネ63R・63Lの付勢力に抗して該各可動斜板43R・43Lの傾倒角度が小さくなるように前記一車輪と前記各可動斜板43R・43Lとがリンク81、カム軸アーム72等を介して連動連係されている。
図6及び図10に示すごとく、前記トルクバネ63L・63Rの両端は交差した後、同方向に延伸して前記コントロールアーム47L・47Rと一体の係合部材61L・61Rと前記カバー26に固定される係合部材62L・62Rと係合することにより、コントロールアーム47L・47Rを一側方向に回転させたときに付勢力が発生してそれを元の位置に戻す付勢手段として機能する。そして、コントロールアーム47L・47Rの一側回転方向は、コントロールアーム47L・47Rが可動斜板43L・43Rの傾斜角度を小さくする側、つまり、モータ容量を減少させる側の方向としている。
また、カバー26に固定される前記係合部材62L・62Rは、その固定位置を変更可能に構成して、前記トルクバネ63L・63Rを介して可動斜板43L・43Rの傾斜位置を調整可能とする調節機構に構成されている。
そして、可動斜板43L・43Rの所定の斜板角度を規定角度とし、通常状態、即ち、コントロールレバー45L・45Rが操作されない限りは、可動斜板43L・43Rが該規定角度に維持されるようになっている。
また、図6及び図10に示すごとく、前記コントロールアーム47L・47Rのコントロール軸接続部48(図6参照)には、前記トルクバネ63L・63Rが外嵌されている。また、コントロールアーム47L・47Rには、ピン状の係合部材61L・61Rがコントロール軸44L・44Rと平行に突設されている。
また、図7に示すごとく、カバー26には、コントロール軸44L・44Rの近傍位置において、係合部材62L・62Rがカバー内方側に植設固定されている。
そして、前記トルクバネ63L・63Rの両端部は前記係合部材61L・61R、及び、係合部材62L・62Rの方向に交差させて延出されている。これにより、トルクバネ63L・63Rの両端部により、該係合部材61L・61Rと、が係合部材62L・62Rがそれぞれ挟み込まれている。
以上の構成で、変速するためにコントロールレバー45L・45Rが図10のごとく回動されると、両係合部材61Rと62R及び62Lと61Lの相対距離が大きくなることによって、トルクバネ63L・63Rの一端部が広げられることにより、コントロールレバー45L・45Rには、規定角度に戻るための力がトルクバネ63L・63Rより与えられる。一方、コントロールレバー45L・45Rへの操作力が解除されると、トルクバネ63L・63Rに発生した復元力によって、係合部材61L(61R)は係合部材62L(62R)に近づくように戻され、可動斜板43L・43Rは設定した規定角度で保持される。
また、図6及び図7に示すごとく、前記係合部材62L・62Rは、それぞれカバー26にて回転可能に固定支持される大径軸部62aと、カバー26の内部にて前記トルクバネ63Rの一側端に係合する小径軸部62bとから一本の軸部材に構成され、両軸部62a・62bの軸心は偏心して構成される。また、大径軸部62aにおいて、カバー26より外側に突出された部分を角度固定ナット64で締結する構成として、カバー26に対する係合部材62L・62Rの固定角度を調整自在としている。これにより、角度固定ナット64を緩めて係合部材62L・62Rを回動操作することで、可動斜板43L・43Rの規定角度が調整されるようになっている。
そして、車両が直進する際における可動斜板43L・43Rの傾斜角度を規定角度に維持することにより規定の車速を得る構成とするものであり、規定角度を調整可能とすることで、四輪駆動に構成される車両に搭載される場合の後輪に対する前輪の車速差の調整が可能となる。
また、図4及び図7に示すごとく、カバー26において、コントロール軸44L・44Rの軸心から等距離の位置には、コントロールレバー45L・45Rを操作するためのカム軸71が回動自在に支持されている。該カム軸71の軸方向は、コントロール軸44L・44Rの軸方向と同一としている。
図7に示すごとく、該カム軸71は、カバー26から前記コントロールレバー45L・45Rよりも遠い位置まで延出され、延出端にはカム軸アーム72の基端部が固定されている。
また、図4及び図7に示すごとく、前記カム軸アーム72の先端部は、一方の前記車軸支持ユニット30Rの操舵ケース30b(図1参照)にリンク81を介して連結されており、左右の車軸支持ユニット30L・30Rに支持される左右車輪の左右回動量が、一方の車輪の挙動だけをセンシングするリンク81を介してカム軸アーム72に入力される。これにより、車両が旋回される際には、リンク81によりカム軸アーム72が回動操作される。本構成では、車両が左旋回の際には、カム軸アーム72が図4において左周りに回動される一方、右旋回の際には、カム軸アーム72が右回りに操作される。
尚、車輪の左右回動量のカム軸アーム72への入力については、上記のように前記車軸支持ユニット30Rの車軸ケース30cと接続し、車輪の左右回動量を検出する構成とする他、図8及び図9に示すごとく、タイロッド8とカム軸アーム72とを連結機構18及びリンク19を介して接続し、タイロッド8の動作より車輪の左右回動量を検出する構成としてもよい。この連結機構18は、アクスルケース2より突設される支持軸2sに対して回動自在に取付けられるプレート18aと、該プレート18aより突設される支持部18b・18bに対して回動自在に取付けられる連結筒18cと、該連結筒18cに進退自在に挿入され、タイロッド8の中途部の連結部8aに対して回動自在に連結される連結軸18dより構成され、タイロッド8の左右方向の移動がプレート18aの回動運動に変換されカム軸アーム72が回動される。また、タイロッド8の上下方向の移動は、連結筒18cの回動により吸収されるとともに、タイロッド8の前後方向の移動は、連結軸18dの進退により吸収されるので、タイロッド8の左右方向の移動量のみがカム軸アーム72の操作量として入力される。さらに、リンク81やワイヤーによってカム軸アーム72を機械的に操作する構成とする他、光センサー、ポテンショメータ等により電気的に車輪の左右回動量を検出し、アクチュエータにてカム軸アーム72を操作する構成も考えられる。
また、図7及び図10に示すごとく、カム軸71について、該カム軸71が軸方向にてコントロールレバー45L・45Rと重なる位置には、カム軸71の下側を開放するレバー当接面73が形設されており、これらコントロールレバー45L・45R、レバー当接面73によりカム機構70が構成されている。
また、図10に示すごとく、レバー当接面73が形成される部分のカム軸71は、軸断面視において略半月状に構成されており、レバー当接面73の下面が、コントロールレバー45L・45Rのそれぞれの上面に対向している。
以上の構成により、図10に示すごとく、カム軸アーム72の操作によりカム軸71が回転されると、レバー当接面73の下面の右端部73R、又は左端部73Lがコントロールレバー45L・45Rの上面に当着し、コントロール軸44L・44Rがそれぞれ回転操作される。このように、一つのカム軸アーム72の操作により二つのコントロールレバー45L・45Rが同時に操作され、これにより、両油圧モータ40L・40Rの可動斜板43L・43Rの斜板角度を同時に変更し、両モータ軸23L・23Rが同時に増速又は減速される。
当該車軸駆動装置の前記車軸支持ユニット30L・30Rは、通例のようにアッカーマン・ジャントーステアリング機構によって、そこに取り付けた左右の車輪が操舵されるように構成してあるので、ハンドルを同じ量だけ右、あるいは、左に切ったとしても、一方の車輪が旋回外側になるときの操舵角度と旋回内側になるときの操舵角度とは異なる。本発明においては前記カム機構70は、前記一車輪を右切り、左切りするときの前記リンク81のストローク量が異なってカム軸アーム72の揺動角度が異なっても、コントロールレバー45L・45Rの回動に伴う油圧モータの総合容量の変化量が同じになるように、図11に示すレバー当接面73の下面の右端部73Rと左端部73Lのカム比を変えて構成する、即ち、レバー当接面73の下面の右端部73Rと左端部73Lのカムのアール形状を互いに異ならせて構成されるものである。本実施例では、左端部73Lのアールを右端部73Rよりも大きくし、左端部73Lを緩円弧状としている。これにより、一方の車輪側と連系した単一のカム軸71による簡単な構成で、右切りと左切りのときの増速制御を一致させることができるようにしている。
上記の構成では、図13の(a)に示すごとく、ハンドルを或る角度で左に切ったときには、右前輪は直進位置からθxの角度で左に切れ、前記リンク81のストロークによってカム軸アーム72はθaの角度で紙面右方向へ揺動する。そして、右端部73Rのカムによって、コントロールレバー45LはCLの角度、コントロールレバー45RはCRの角度だけ操作される。これにより、決定される油圧モータの総合容量Xは直進時に比べて角度CLと角度CRで決まる所定量Yだけ減少する方向に変化し、後輪の平均周速比よりも前輪の周速比が大きくなり、路面や前輪を痛めずに無理無く車両の旋回半径を小さくすることができる。
一方、図13の(b)に示すごとく、ハンドルを前記と同じ或る角度で右に切った場合、右前輪は直進位置からθx´(>θx)の角度で右に切れ、前記リンク81のストロークによってカム軸アーム72はθa´(>θa)の角度で紙面左方向へ揺動する。この場合、上述したごとく左端部73Lのカムを緩円弧状に形成することにより、今度は、コントロールレバー45LをCRの角度、コントロールレバー45RをCLの角度だけ操作されるものである。このように、ハンドルを右に切るときは、油圧モータの総合容量Xは、直進時に比べて、かつ、左に切るときと同じ割合で、所定量Yだけ減少するのである。
以上のようにして、車両が右旋回されるときと、左旋回されるときの油圧モータ40L・40Rの総合容量の変更量を同じにすることができ、両旋回方向における車輪の増速量又は減速量を同じにすることができる。
尚、前記カム機構70は、図12に示すごとく、一文字状のレバー当接面75を両コントロールレバー45L・45Rで挟み込むようにして構成されるものであってもよく、この場合は、図14の(a)に示すごとく、上記構成で前記可動斜板43L・43Rを略「V」字状に配されるところを(図2参照)、図14の(b)に示すごとく、互いに略平行に配する構成とするとともに、油路52b・53bをクロスさせることにより対応する。
また、図11に示すごとく、前記レバー当接面73の下面と、コントロールレバー45L・45Rのそれぞれの上面との間には、規定のクリアランス99が形成されるように構成されており、該クリアランス99の上下長Lによって、前述の可動斜板43L・43Rの傾斜位置調整をしたときに追従するコントロールレバー45L・45Rの動きが許容されるようになっている。
これにより、リンク81によるカム軸アーム72の操作量が、直接はコントロールレバー45L・45Rに伝わらず、前記クリアランス99の上下長Lの分だけ減少されてコントロールレバー45L・45Rに伝わるようになる。
以上が油圧モータ40L・40Rに関する構成である。
そして、以上の構成では、リンク81と、カム機構70による単純な構成で、一対の車輪のうちの一つの車輪の左右回動角の検出に応じて一対の油圧モータ40L・40Rが容積変更する構成となり、車軸駆動装置1を前輪側として配する車両においては、車輪の左右回動角に応じて前輪が増速される構成として、旋回性の優れた車両を構成することができる。
また、以上の構成においては、例えば、車両が左旋回される際には、カム軸アーム72が図4において右周りに操作される。この場合、両コントロールレバー45L・45Rは回動操作されて、左右の油圧モータ40L・40Rの回転数が増速し、旋回半径が縮小され、旋回性の向上が図られる。
また、以上の構成においては、前記各油圧モータの可動斜板の斜板角度を操作するコントロールレバー45L・45Rのそれぞれに対し、前記一車輪の左右回動に応じて動作する共通のリンク81を、カム機構70を介して連結し、該カム機構70は、該コントロールレバー45L・45Rの回動角度が、該リンク81の動作量に応じた回動角度よりも、前記クリアランス99の上下長L(図11)の分だけ低減するように構成されるので、リンク81の動作量(移動量)が大きく構成される場合でも、カム軸アーム72を長く構成することなく、可動斜板43L・43Rの斜板角度を変更させるために相応なコントロールレバー45L・45Rの操作量とすることができる、即ち、リンク81の動作量をクリアランス99の上下長Lにより吸収できる。この構成は、リンク81の動作量が、コントロールレバー45L・45Rを操作するための操作量と比較して大きく構成されることの対応策として特に有効なものである。
次に、前記車軸支持ユニット30L・30Rの操舵に関する構成について説明する。
図1に示すごとく、車軸駆動装置1は、車輪が取付けられる左右一対の車軸と、各別に該車軸を左右回動自在に支持する左右一対の車軸支持ユニット30L・30Rと、各別に該車軸を駆動する一対の油圧モータ40L・40Rよりなり、該一対の車軸同士を連動して回動させるタイロッド8が該車軸駆動装置1に対し車両の前後内側となる側に配設される構成とするとともに、該一対の油圧モータ40L・40Rに対する油圧配管55a・55bが該車軸駆動装置1に対し車両の前後外側となる側に配設される構成としている。
前記タイロッド8は、左右の車軸支持ユニット30L・30Rの操舵ケース30b・30bの枢結部16・16に両端が枢結されており、車軸ケース30c・30cを連動して回動操作し、左右一対の車軸同士に取付けられる車輪を連動して回動操作するようにしている。また、該タイロッド8は、前記リンク81及びカム機構70よりも下方となる位置で左右方向に横架されることにより、これらリンク81及びカム機構70との干渉が防がれている。
以上の構成によれば、タイロッド8と、油圧配管55a・55bとが互いに干渉することなくアクスルケース2の前後に振り分けられ、限られたスペースでの有効配置が可能となる。また、タイロッド8がアクスルケース2の後側となるので、車軸駆動装置1が前方の障害物に干渉した際にも、タイロッド8の損傷がまぬがれ、左右の車輪の連動操作が確保されることから、保安上も良好な設計となっている。
また、図1に示すごとく、前記車軸駆動装置1に対し車両の前後内側となる側、又は、前記車軸駆動装置1に対し車両の前後外側となる側のいずれか一方に、パワーステアリング用の油圧アクチュエータ9が配設される構成としている。該油圧アクチュエータ9は、図示せぬステアリングハンドルにて作動するものである。
該油圧アクチュエータ9のシリンダ9aは、前記カム機構70の下方となる位置にアクスルケース2の後面より膨出させた支持部14に枢結される。一方、油圧アクチュエータ9のロッド9bは、左側の車軸支持ユニット30Lの操舵ケース30bの後部より膨出させた支持部15に枢結される。また、該油圧アクチュエータ9は、前記リンク81及びカム機構70よりも下方となる位置で左右方向に横架されることにより、これらリンク81及びカム機構70との干渉が防がれている。尚、前記支持部14をアクスルケース2より前方に膨出させるとともに、前記支持部15を操舵ケース30bの前部より膨出させることにより、油圧アクチュエータ9をアクスルケース2の前側に配する構成としてもよい。
以上の構成によれば、油圧アクチュエータ9が車軸駆動装置1に一体的に組み込まれる構成となって、車両への搭載後に必要となる作業工数の削減や、ユニットとしての取り扱い性の向上が図られる。
また、図1に示すごとく、リンク81及びカム機構70は、車軸駆動装置1に対し車両の前後内側となる側に配される構成としている。
この構成によれば、車両走行時において、車軸駆動装置1が前方の障害物に干渉した際にも、これらリンク81、カム機構70の損傷がまぬがれる。
本発明に係る車軸駆動装置1の実施例2について説明する。
本実施例は、上記第一の実施例において、カバー26と油圧式駆動装置Hからなるアセンブリについて、他の構成を適用した実施例である。
図15乃至図19に示すごとく、本実施例では、前記カバー26、斜板サポート146L・146R、センタセクション151に一連の油路を形成し、カバー26に設けた接続ポート80L・80Rより作動油の給排を行う構成とするものである。
また、図17及び図18に示すごとく、前記カバー26は、斜板サポート146L・146Rに対しボルト固定されるとともに、図19に示すごとく、センタセクション151に対してもボルト固定され、これらはアセンブリとして一体的に構成されている。
また、図15乃至図18に示すごとく、前記カバー26において、各斜板サポート146L・146Rの後側となる位置には接続ポート80L・80R(図16参照)が配されており、各接続ポート80L・80Rより、各斜板サポート146L・146Rの後面に向かっては、それぞれ、一連の油路76a・76b、油路78a・78bが形設されている。そして、斜板サポート146L・146Rにおいては、それぞれ前記油路76b、油路78bに連通する油路76c・78cが前後方向に形設されている。
また、左右の斜板サポート146L・146Rとセンタセクション151の間には、それぞれ、連結部材147L・147R(図16参照)が設けられており、該連結部材147L・147Rには、それぞれ、油路76e・78dが形設されている。
また、左側に配する斜板サポート146Lにおいては、油路76cの前端より下方に向けて油路76dが形設され、該油路76dの下端は、前記連結部材147Lに設けた油路76eに連通している。
一方、右側に配する斜板サポート146Rにおいては、油路78cの前端は、前記連結部材147Rに設けた油路78dに連通している。
また、図19に示すごとく、センタセクション151においては、互いに分断される油路77a・79aが前後方向に並んで形設されるとともに、該油路77a・79aと個別に連通する油路77b・79bが左右方向に並んで形設される。該油路77b・79bは、センタセクション151の左右側面に形成されるシリンダブロック41L・41Rとの摺接面にて開口され、互いに分断されるキドニーポート(給排ポート)を形成する。
以上のようにして、接続ポート80Lにおいては、油路76a〜油路76eを介してセンタセクション151の油路77a・77bに通じ、接続ポート80Rにおいては、油路78a〜油路78dを介してセンタセクション151の油路79a・79bに通じる。
そして、接続ポート80L・80Rに配管を接続し、一方のポートより作動油を供給し、他方のポートより作動油を排出することにより、油圧モータ40L・40Rが駆動されるものである。
以上の構成では、上述した第一の実施例とは異なり、カバー26に対する配管接続となるものであり、これにより、車軸駆動装置1の後側に配管部材が配される構成となり、特に、カバー26側に油圧ポンプ等の油圧源が配される車両構成とする場合には、配管長を短く構成できることができるといった優れた利点を有する。また、配管部材がアクスルケース2の後側となるので、車軸駆動装置1が前方の障害物に干渉した際にも、配管部材の損傷をまぬがれることができる。
さらに、車軸駆動装置1の前側に配管部材が存在することがないので、車軸駆動装置1が占める前後方向の寸法を小さく抑えることができ、車軸駆動装置1全体としてコンパクトに構成することができる。
本発明に係る車軸駆動装置1の実施例3について説明する。
本実施例は、上記第一の実施例において、カバー26と油圧式駆動装置Hからなるアセンブリについて、他の構成を適用した実施例である。即ち、図20乃至図22に示すごとく、前記アクスルケース2の前記開口25は車両の前後内側に設けられている一方、前記油圧モータ40L・40Rの一対は前記アクスルケース2内において各々の給排ポート(油路92c・94c)を相互に一対の油路92a・92b、油路94a・94bを介して流体接続されていると共に、前記油路の各々を前記カバー26を通じて油圧ポンプ等の油圧源と流体接続可能に構成する実施例である。
図20乃至図22に示すごとく、本実施例では、前記カバー26よりセンタセクション251通じる一連の油路を形成し、カバー26に設けた接続ポート90L・90Rより作動油の給排を行う構成とするものである。
また、図20に示すごとく、前記カバー26は、斜板サポート246L・246Rに対しボルト固定されるとともに、図21に示すごとく、センタセクション251に対してもボルト固定され、これらはアセンブリとして一体的に構成されている。
また、図22に示すごとく、前記カバー26には、センタセクション251を左右中心として、接続ポート90L・90R(図16参照)が互いに上下位置をずらして配されている。右側に配される接続ポート90Rから左側に向かって油路91aが形設されており、該油路91aの左端部よりセンタセクション251に向かって油路91bが形設されている。同様に、左側に配される接続ポート90Lから右側に向かって油路93aが形設されており、該油路93aの右端部よりセンタセクション251に向かって油路93bが形設されている。
また、図21に示すごとく、センタセクション251においては、カバー26との接触面から前方に向かって互いに分断される油路92a・94aが並んで形設されており、これら油路92a・94aは、それぞれシールパイプ95・96を介してカバー26側の油路91b・93bに連通している。該シールパイプ95・96は、前記カバー26のセンタセクション251に対する位置決め部材としても機能する。
また、図21に示すごとく、センタセクション251において、前記油路92aの前端より下方に向けて油路92bが形設されており、また、前記油路94aの前端より上方に向けて油路94bが形設されている。そして、これら油路92b・94bと個別に連通する油路92c・94cが左右方向に並んで形設される。該油路92c・94cは、センタセクション251の左右側面に形成されるシリンダブロック41L・41Rとの摺接面にて開口され、互いに分断されるキドニーポート(給排ポート)を形成する。
以上のようにして、接続ポート90Rにおいては、油路91a・91b、及びシールパイプ95を介してセンタセクション251の油路92a・92b・92cに通じ、接続ポート90Lにおいては、油路93a・93b、及びシールパイプ96を介してセンタセクション251の油路94a・94b・94cに通じる。
そして、接続ポート90L・90Rに配管を接続し、一方のポートより作動油を供給し、他方のポートより作動油を排出することにより、油圧モータ40L・40Rが駆動されるものである。
以上の構成では、上述した第一の実施例とは異なり、カバー26に対する配管接続となるものであり、これにより、車軸駆動装置1の後側に配管部材が配される構成となり、特に、カバー26側に油圧ポンプが配される車両構成とする場合には、配管長を短く構成できることができるといった優れた利点を有する。
また、車軸駆動装置1の前側に配管部材が存在することがないので、車軸駆動装置1が占める前後方向の寸法を小さく抑えることができ、車軸駆動装置1全体としてのコンパクト化が図られる。また、配管部材がアクスルケース2の後側となるので、車軸駆動装置1が前方の障害物に干渉した際にも、配管部材の損傷をまぬがれることができる。
さらに、油圧配管とセンタセクション251を結ぶ油路をカバー26に集約して形成する構成としているため、斜板サポート246L・246Rについは油路の形成されない簡易な構造となり、油圧式駆動装置Hの前後幅を小さく押さえることが可能となって、車軸駆動装置1全体としてのコンパクト化が図られる。
尚、上記のように、前記カバー26に油路91a・91b、油路93a・93bを設け、油路92a・94aをカバー26を介して油圧源に流体接続する構成とする他、例えば、センタセクション51において、油路92a・94aをアクスルケース2の外側に至るまで延長して構成し、アクスルケース2の前後外側において、前記油路92a・94aと油圧源とを流体接続する構成としてもよい。
次に、本発明に係る車軸駆動装置1を備えて四輪駆動車両とする場合の実施例について説明する。
図23に示すごとく、車軸駆動装置1を前輪側として四輪駆動車両を操舵する構成とするとともに、後輪側には、後輪を駆動する車軸駆動装置10を備える構成とする。
後輪側の車軸駆動装置10には、図示せぬエンジンより駆動が入力される可変容積型の油圧ポンプ11Pが備えられ、該油圧ポンプ11Pにより供給される作動油によって固定容積型の油圧モータ11Pが駆動される構成のHST11(静油圧式無段変速装置)が設けられている。該HST11の出力側で前記後輪を差動的に連結する機械式のデフ装置の伝動上手側には、ギア式の副変速機構82が設けられており、四輪駆動車両の走行モードを高速と低速の二段階に切り替えられるように構成される。
また、前記HST11の油圧ポンプ11Pより供給される作動油は、コントロールバルブ83を介して前輪側の車軸駆動装置1に供給され、該車軸駆動装置1内の油圧モータ40L・40Rを駆動させた後に後輪側の車軸駆動装置10に戻って前記油圧モータ11Pを駆動した後に油圧ポンプ11Pに吸入される。このように、シリーズ回路により四輪駆動車両が構成される。
そして、前記コントロールバルブ83の操作部83aは、前記副変速機構82のクラッチ操作部82aとリンク84を介して接続され、両操作部83a・82aのいずれか一方を操作することにより、コントロールバルブ83と副変速機構82が連動して操作されるようにしている。
この連動操作によって、四輪駆動車両の走行モードが高速とされる場合には、副変速機構82を高速側とするとともに、コントロールバルブ83を閉じることにより、車軸駆動装置1側への作動油の供給をなくし、後輪10L・10Rのみが高速回転で駆動される二輪駆動車両が構成されるようにしている。
一方、四輪駆動車両の走行モードが低速とされる場合には、副変速機構82を低速側とするとともに、コントロールバルブ83を開くことにより、車軸駆動装置1側へ作動油を供給することで、後輪10L・10Rが低速回転で駆動されるとともに、前輪1L・1Rも同様に低速回転で駆動される四輪駆動車両が構成されるようにしている。
以上のように構成される四輪駆動車両では、移動時や軽牽引作業時など高トルクが必要とされない場合では、走行モードを高速として二輪駆動車両を構成し、前輪側への作動油の供給による動力ロスを低減することが可能となる。一方、作業時や重軽牽引作業時など高トルクが必要とされる場合では、走行モードを低速として四輪駆動車両を構成し、高付加作業に対応する車両を構成することが可能となる。
尚、この走行モードの切替えにおけるコントロールバルブ83と副変速機構82の連動に関しては、上述のリンク84による連動の構成の他、オペレータにより操作される副変速機構82の変速レバーの位置をセンサーで電気的に感知してコントロールバルブ83を作動させる構成や、車速センサーの検知した車速に応じてコントロールバルブ83を作動させる構成など、いずれの構成であってもよく、特に限定されるものではない。
以上の構成の車軸駆動装置は、農用トラクタ、乗用芝刈機、建設機械等の各種産業車両に適用可能であり、これらの車両において、製造時における仕組み性の向上と、旋回時における滑らかな旋回フィーリングを得ることができる。
第一の実施例にかかる車軸駆動装置の平面一部断面図である。 同じく一部後面断面図である。 同じく油圧式駆動装置部分の平面一部断面図である。 同じくカバー部分の後面図である。 カバーと油圧式駆動装置とをアセンブリとした状態を示す斜視図である。 油圧モータに関する構成を示す斜視図である。 図1におけるA−A線断面図である。 タイロッドの移動をカム軸アームに入力させる構成について示す平面図である。 図8の構成における連結機構を示す後面一部断面図である。 カム機構の動作について示す図である。 同じくカム機構における構造について示す図である。 同じくカム機構の他の構成を示す図である。 (a)は、ハンドルを左に切った場合のカム軸アームの揺動角度について示す図である。(b)は、同じくハンドルを右に切った場合のカム軸アームの揺動角度について示す図である。 (a)は、図2の構成における可動斜板の傾倒について示す図である。 (b)は、図12の構成に対応する可動斜板の傾倒について示す図である。 実施例2にかかる車軸駆動装置の油圧式駆動装置部分の前面一部断面図である。 同じく平面一部断面図である。 図16におけるA−A線断面図である。 図16におけるC−C線断面図である。 図16におけるB−B線断面図である。 実施例3にかかる車軸駆動装置の油圧式駆動装置部分の後面一部断面図である。 図20におけるB−B線断面図である。 同じく実施例3にかかる車軸駆動装置のカバー部分の後面図である。 実施例4につき、車両の油圧回路構成について示す図である。
符号の説明
2 アクスルケース
25 開口
26 カバー
40L 油圧モータ
40R 油圧モータ
H 油圧式駆動装置

Claims (12)

  1. 左右一対の車軸を支持するアクスルケースの前後一側に開口を設けており、各別に該車軸を駆動する一対の油圧モータを組み付けたアセンブリを該アクスルケースに取り付けることにより、該開口を介して、該一対の油圧モータを該アクスルケース内に配設することを特徴とする油圧モータを備える車軸駆動装置。
  2. 前記アセンブリには、前記一対の油圧モータとともにカバーが組み付けられており、該アセンブリを前記アクスルケースに取り付けることにより、該カバーが該アクスルケースの開口を覆う構成とすることを特徴とする請求項1に記載の油圧モータを備える車軸駆動装置。
  3. 前記アセンブリにおいて、センタセクションが組み付けられており、前記両油圧モータは、該センタセクションを中心に略対称状に配設されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の油圧モータを備える車軸駆動装置。
  4. 前記アセンブリにおいて、前記両油圧モータそれぞれの斜板の支持部を設けるとともに、該支持部に、前記アクスルケースに対しての位置決め用の嵌合部を設けていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の油圧モータを備える車軸駆動装置。
  5. 左右一対の車軸と、各別に該車軸を駆動するべく連結された一対の可変容積型油圧モータであって、互いにパラレル接続され、かつ、油圧源と流体接続された前記可変容積型油圧モータと、各別に該車軸に左右回動自在に取り付けられる一対の車輪とよりなり、該一対の車輪のうちの、少なくともどちらか一つの左右回動角の検出に応じて該一対の油圧モータが容積変更されるように構成したことを特徴とする油圧モータを備える車軸駆動装置。
  6. 前記各油圧モータは可動斜板を具備するとともに、該各可動斜板の傾斜角度を規定角度に維持するように付勢する付勢手段を設け、前記一車軸の左右回動角が大きくなるにつれて、該各付勢手段の付勢力に抗して該各可動斜板の傾倒角度が小さくなるように前記一車輪と前記可動斜板とが連動連係されていることを特徴とする請求項5に記載の油圧モータを備える車軸駆動装置。
  7. 前記各油圧モータの付勢手段の固定側に調節機構を設け、前記各可動斜板の傾斜角度の規定角度を微調整可能に構成されることを特徴とする請求項6に記載の油圧モータを備える車軸駆動装置。
  8. 前記各油圧モータの可動斜板の斜板角度を操作するコントロールレバーのそれぞれに対し、前記一車輪の左右回動に応じて動作する共通のリンクを、カム機構を介して連結し、該カム機構は、該コントロールレバーの回動角度を、該リンクの動作量に応じた回動角度よりも低減するように構成されていることを特徴とする請求項5に記載の油圧モータを備える車軸駆動装置。
  9. 前記カム機構は、前記一車輪を右切り、左切りするときの前記リンクのストローク量が異なっても、コントロールレバーの回動角度が同じになるように、カム比を変えて構成されていることを特徴とする請求項8に記載の油圧モータを備える車軸駆動装置。
  10. 左右一対の車軸と、各別に該車軸を駆動する一対の油圧モータと、左右回動自在とする一対の車輪とよりなる車軸駆動装置であって、該一対の車輪同士を連動して回動させるタイロッドを該車軸駆動装置に対し車両の前後内側に設けていることを特徴とする油圧モータを備える車軸駆動装置。
  11. 前記車軸駆動装置に対し車両の前後内側に、パワーステアリング用の油圧アクチュエータが配設される構成とすることを特徴とする請求項10に記載の油圧モータを備える車軸駆動装置。
  12. 前記アクスルケースの前記開口は車両の前後内側に設けられている一方、前記油圧モータの一対は前記アクスルケース内において各々の給排ポートを相互に一対の油路を介して流体接続されていると共に、前記油路の各々を前記カバーを通じて油圧源と流体接続可能に構成したことを特徴とする請求項2に記載の油圧モータを備える車軸駆動装置。
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