JP2005035374A - 車両のメータユニット交換方法及び車両のメータユニットのデータ書換えシステム - Google Patents

車両のメータユニット交換方法及び車両のメータユニットのデータ書換えシステム Download PDF

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Abstract

【課題】 走行距離表示用のメータユニットを交換する場合に、交換対象の旧メータユニットの記憶部に記憶された走行距離データを読出すことができない場合にのみ、新メータユニットに記憶させる走行距離データを直接入力し、その走行距離データを新メータユニットの記憶部にセキュリティを確保しながら簡単に且つ確実に書換え可能にする。
【解決手段】 サービステスタは、旧メータユニットにデータ送信要求を出力した後、旧メータユニットからエラーコードを受信した場合、或いは、所定時間経過した場合に、直接入力モードへ移行する。すると、新メータユニットの記憶部に記憶させる走行距離データを、サービステスタから直接入力することが可能になる。
【選択図】 図6

Description

本発明は、走行距離データを記憶する記憶部とこの走行距離を表示する表示部とを備えた車両の走行距離表示用のメータユニットを交換する場合に、旧メータユニットの走行距離データを新メータユニットに不正なく書換え可能にした技術に関するものである。
従来、自動車等の車両に搭載される走行距離表示装置において、その表示部に液晶等のディスプレイを適用したものでは、計測部により車速センサ等からの信号に基づいて走行距離が計測されて記憶部に記憶され、この記憶部に記憶された走行距離が表示部に表示される。通常、自動車に搭載される走行距離表示装置では、少なくとも計測部により車両の総走行距離(走行距離の積算値)が計測されて表示部に表示される。ところで、自動車の総走行距離は、その車両価格(価値)を決定するだけでなく、各種保証や保険の契約等に対する重要なパラメータとなるため、この総走行距離を不正に変更することはできない。
さて、車両の走行距離を計測する計測部と、この計測部で計測された走行距離のデータを記憶する記憶部と、この記憶データが示す走行距離を表示する表示部とを備えたメータユニットが実用に供されている。このメータユニットが故障したりデザインを変更したい場合等、メータユニットを交換する場合には、交換対象の旧メータユニットの記憶部に記憶された走行距離データを読出し、その走行距離データを新メータユニットの記憶部に書込むことは技術的には可能であり、こうした場合、新メータユニットの表示部には旧メータユニット搭載時からの総走行距離を表示させることが可能となる。
しかし、旧メータユニットの記憶部や制御回路が故障している場合等、その故障形態によっては、旧メータユニットの記憶部から走行距離データを読出せないことが想定される。ところで、メータユニットの表示部に表示する総走行距離を不正に減らして変更できないように、通常、メータユニットの記憶部に記憶された走行距離データは書換えできないようになっている。それ故、メータユニットを交換する場合には、旧メータユニット搭載時の総走行距離を整備記録として記録するようにし、新メータユニットには、旧メータユニット搭載時からの総走行距離を表示させることはできない。
尚、特許文献1の車両用走行距離積算表示装置は、スピードメータとオドメータを有するコンビネーションメータと、このコンビネーションメータにデータ通信可能に接続された外部装置と備えたものであり、外部装置は、走行距離の積算値を演算する制御部と、この制御部で演算された走行距離積算値を更新しつつ記憶する記憶部を有し、コンビネーションメータを交換した場合、交換が不要な外部装置の記憶部に記憶された、交換前からの走行距離積算値が新オドメータに表示される。
特開平10−109566
メータユニットが故障して、そのメータユニットを交換する場合、交換対象の旧メータユニットの記憶部に記憶された走行距離データを読出し、その走行距離データを新メータユニットの記憶部に書込むようにした場合、旧メータユニットの記憶部や制御回路が故障している場合等、その故障形態によって、旧メータユニットの記憶部から走行距離データを読出すことができない場合には、その走行距離データを新メータユニットの記憶部に書換えることができないという問題がある。
一方、サービスツールを利用して、新メータユニットに走行距離データを直接入力して記憶部に書込むことも技術的には可能であるが、この走行距離データの直接入力と書込みを何ら制限なく行えるようにすると、総走行距離を不正に減らすように、走行距離データを書換えて、車両価格を不正に高め、各種保証や保険の契約等を不正に有利にするといった問題が懸念される。
本発明の目的は、走行距離表示用のメータユニットを交換する場合に、交換対象の旧メータユニットの記憶部に記憶された走行距離データを読出すことができない場合にのみ、新メータユニットに記憶させる走行距離データを直接入力し、その走行距離データを新メータユニットの記憶部に不正なくセキュリティを確保しながら簡単に且つ確実に書換え可能にして、走行距離の改竄を防止し、メータユニット交換の際のサービス向上を図ることができる、メータユニット交換方法及びメータユニットのデータ書換えシステムを提供することである。
請求項1の車両のメータユニット交換方法は、計測手段で計測された走行距離のデータを記憶する記憶部とこの走行距離を表示する表示部とを備えた車両の走行距離表示用のメータユニットを、データ書換え装置を用いて交換する方法において、交換対象の旧メータユニットの記憶部に記憶された走行距離データをデータ書換え装置の記憶手段に記憶させる為に読出す読出ステップと、前記記憶手段に記憶させた走行距離データを新メータユニットの記憶部に書込む書込ステップと、前記読出ステップにおいて旧メータユニットの記憶部から走行距離データを読出すことが不可能な場合にのみ、新メータユニットの記憶部に記憶させる走行距離データを、データ書換え装置から直接入力する直接入力ステップとを備えたことを特徴とするものである。
このメータユニット交換方法では、データ書換え装置を用いて、読出ステップ、書込ステップ、直接入力ステップが実行される。読出ステップにおいては、交換対象の旧メータユニットの記憶部に記憶された走行距離データをデータ書換え装置の記憶手段に記憶させる為に読出し、書込ステップにおいては、記憶手段に記憶させた走行距離データを新メータユニットの記憶部に書込む。ここで、読出ステップにおいて旧メータユニットの記憶部から走行距離データを読出すことが不可能な場合にのみ、直接入力ステップにおいて、新メータユニットの記憶部に記憶させる走行距離データを、データ書換え装置から直接入力して新メータユニットの記憶部に書込むことができる。つまり、前記走行距離データをデータ書換え装置から直接入力することを、以上のように制限して、新メータユニットへの不正な走行距離データの書換えを極力防止することができる。
請求項2の車両のメータユニット交換方法は、請求項1の発明において、所定の書込制限条件が成立しているか否か判定して成立している場合に、新メータユニットの記憶部への走行距離データの前記書込ステップにおける書込みを禁止する書込制限ステップを備えたことを特徴とするものである。それ故、新メータユニットの記憶部に走行距離データが不正に書込まれることを防止することができる。尚、所定の書込制限条件は、記憶部に走行距離データを書込んだ書込回数が予め設定された規定回数以上であるという条件、記憶部に現在既に記憶されている走行距離が予め設定された所定距離以上であるという条件、入力された走行距離が、記憶部に現在既に記憶されている走行距離以下であるという条件、入力されたメータ特定情報が、記憶部に記憶されているメータ特定情報と一致しないという条件、等の複数の条件のうちの少なくとも1つを含むようにしてもよい。
請求項3の車両のメータユニットのデータ書換えシステムは、計測手段で計測された走行距離のデータを記憶する記憶部とこの走行距離を表示する表示部とを備えた車両の走行距離表示用のメータユニットを交換する際に用いるデータ書換えシステムにおいて、交換対象の旧メータユニットの記憶部から読み出された走行距離データを受信して記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された走行距離データを新メータユニットの記憶部に書込む為に送信する送信手段と、前記旧メータユニットの記憶部から走行距離データを読出すことが不可能な場合にのみ、新メータユニットの記憶部に記憶させる走行距離データを直接入力する直接入力手段とを備えたことを特徴とするものである。
このデータ書換えシステムでは、交換対象の旧メータユニットの記憶部から読み出された走行距離データが受信されて記憶手段に記憶され、この記憶手段に記憶された走行距離データが、送信手段により新メータユニットに送信され、その記憶部に書込まれる。ここで、旧メータユニットの記憶部から走行距離データを読出すことが不可能な場合にのみ、直接入力手段により、新メータユニットの記憶部に記憶させる走行距離データが直接入力される。つまり、前記走行距離データを直接入力することを、以上のように制限して、新メータユニットへの不正な走行距離データの書換えを極力防止することができる。
請求項4の車両のメータユニットのデータ書換えシステムは、請求項3の発明において、前記旧メータユニットの記憶部から走行距離データを読出し可能か否か判定する読出可否判定手段と、この読出可否判定手段による判定の結果、旧メータユニットの記憶部から走行距離データを読出すことが不可能な場合に、前記直接入力手段により前記走行距離データを直接入力する直接入力モードへ自動的に移行させる直接入力モード移行手段とを備えたことを特徴とするものである。読出可否判定手段により、旧メータユニットの記憶部から走行距離データを読出し可能か否か判定され、その判定の結果、旧メータユニットの記憶部から走行距離データを読出すことが不可能な場合に、直接入力モード移行手段により直接入力モードへ自動的に移行されて、直接入力手段により走行距離データを直接入力することが可能になる。
請求項5の車両メータユニットのデータ書換えシステムは、請求項3又は4の発明において、前記直接入力手段により入力される走行距離データを、新メータユニットの記憶部に記憶させることを許可するか否か所定のセキュリティチェックを行う為のセキュリティ手段を備えたことを特徴とするものである。このセキュリティ手段により、直接入力手段により入力される走行距離データが、新メータユニットの記憶部に記憶させることを許可するか否か所定のセキュリティチェックが行われる。
請求項1の車両のメータユニット交換方法によれば、読出ステップにおいて、交換対象の旧メータユニットの記憶部に記憶された走行距離データをデータ書換え装置の記憶手段に記憶させる為に読出し、書込ステップにおいて、記憶手段に記憶させた走行距離データを新メータユニットの記憶部に書込むことができる。ここで、読出ステップにおいて旧メータユニットの記憶部から走行距離データを読出すことが不可能な場合にのみ、直接入力ステップにおいて、新メータユニットの記憶部に記憶させる走行距離データを、データ書換え装置から直接入力して新メータユニットの記憶部に書込むことができる。つまり、セキュリティを確保しながら、新メータユニットに記憶させる走行距離データをデータ書換え装置から直接入力し、その走行距離データを新メータユニットの記憶部に不正なく簡単に且つ確実に書換え可能にして、走行距離の改竄を防止し、メータユニット交換の際のサービス向上を図ることができる。
請求項2の車両のメータユニット交換方法によれば、所定の書込制限条件が成立しているか否か判定して成立している場合に、新メータユニットの記憶部への走行距離データの前記書込ステップにおける書込みを禁止する書込制限ステップを設けたので、新メータユニットの記憶部に走行距離データが不正に書込まれることをより確実に防止できる。
請求項3の車両のメータユニットのデータ書換えシステムによれば、交換対象の旧メータユニットの記憶部から読み出された走行距離データを受信して記憶手段に記憶させ、この記憶手段に記憶された走行距離データを、送信手段により新メータユニットに送信し、新メータユニットの記憶部に書込むことができる。ここで、旧メータユニットの記憶部から走行距離データを読出すことが不可能な場合にのみ、直接入力手段により、新メータユニットの記憶部に記憶させる走行距離データを直接入力することができる。つまり、セキュリティを確保しながら、新メータユニットに記憶させる走行距離データを直接入力し、その走行距離データを新メータユニットの記憶部に不正なく簡単に且つ確実に書換え可能にして、走行距離の改竄を防止し、メータユニット交換の際のサービス向上を図ることができる。
請求項4の車両のメータユニットのデータ書換えシステムによれば、旧メータユニットの記憶部から走行距離データを読出し可能か否か判定する読出可否判定手段と、この読出可否判定手段による判定の結果、旧メータユニットの記憶部から走行距離データを読出すことが不可能な場合に、前記直接入力手段により前記走行距離データを直接入力する直接入力モードへ自動的に移行させる直接入力モード移行手段とを設けたので、旧メータユニットの記憶部から走行距離データを読出すことが不可能な場合、直接入力手段により走行距離データを直接入力することができる、直接入力モードへ自動的に移行するので、作業性を向上させることができる。
請求項5の車両のメータユニットのデータ書換えシステムによれば、直接入力手段により入力される走行距離データを、新メータユニットの記憶部に記憶させることを許可するか否か所定のセキュリティチェックを行う為のセキュリティ手段を設けたので、直接入力手段により入力される走行距離データが、新メータユニットの記憶部に記憶させることを許可するか否かチェックして、より確実にセキュリティを確保しがら、走行距離データを新メータユニットの記憶部に不正なく書換え可能になる。
特に、自動車の走行距離のデータを記憶する記憶部とこの走行距離を表示する表示部とを備えた走行距離表示用のメータユニットを交換する場合、交換対象の旧メータユニットの記憶部から走行距離データを読出すことが不可能な場合にのみ、新メータユニットの記憶部に記憶させる走行距離データを、データ書換え装置から直接入力する。
図1〜図4に示すように、メータユニット1は、制御回路2、記憶部であるメモリ3、オドメータ表示部4を一体的に備えたものであり、制御回路2とメモリ3、制御回路2とオドメータ表示部4は、夫々データバス5,6等で接続されている。このメータユニット1は、車体のインストルメントパネルに着脱可能に装着され、車体に配線された多重バスライン7にコネクタ1a,1bを介して電気的に接続解除可能に接続されている。
制御回路2には、CPUとROMとRAM等を有するマイクロコンピュータが設けられ、この制御回路2によりセキュリティ手段等が構成されている。セキュリティ手段は、サービステスタ10から直接入力される走行距離データを、新メータユニット1Aのメモリ3に記憶させることを許可するか否か所定のセキュリティチェックを行う為のものである。メモリ3には、走行距離データ、メータ部品No. 、書込回数が記憶されている。この制御回路2による通常時のメータ制御では、車速センサ9からの車速信号を受けて走行距離を計測し、その走行距離データをメモリ3に更新しつつ記憶させ、その走行距離をオドメータ表示部4に表示させる。前記走行距離は、この自動車の総走行距離(走行距離の積算値)であり、メータ部品No. は、同種の複数のメータユニットであって、同種の車両に搭載可能な複数のメータユニットに共通に付けられたメータ特定情報であり、書込回数は、メモリ3に走行距離データを書込んだ回数である。
一方、メータユニット1のデータ書換え装置に相当するサービステスタ10は、メータユニット1の交換が可能な整備工場等に設置され、このサービステスタ10には、マイクロコンピュータ(M/C11)と、記憶手段に相当するメモリ12が設けられている。このサービステスタ10は、コネクタ10a,10bを介して多重バスライン7に接続解除可能に接続され、通常は、多重バスライン7から切り離されている。M/C11には、CPUとROMとRAM等が設けられ、このM/C11により、送信手段、直接入力手段、読出可否判定手段、直接モード移行手段等が構成されている。
送信手段は、サービステスタ10のメモリ12に記憶された走行距離データを新メータユニット1Bのメモリ3に書込む為に送信する為のものであり、直接入力手段は、旧メータユニット1Aのメモリ3から走行距離データを読出すことが不可能な場合にのみ、新メータユニット1Aのメモリ3に記憶させる走行距離データを直接入力する為のものであり、読出可否判定手段は、旧メータユニット1Bのメモリ3から走行距離データを読出し可能か否か判定する為のものであり、直接モード移行手段は、旧メータユニット1Aのメモリ3から走行距離データを読出すことが不可能な場合に、走行距離データを直接入力する直接入力モードへ自動的に移行させる為のものである。
メモリ3には、走行距離データ、メータ部品No. 、データ書換え認証の為のアウトコード及びインコード等が記憶可能である。
次に、整備工場等において、自動車に装備されたメータユニット1をサービステスタ10を用いて交換するメータユニット交換方法について、図1〜図4に基づいて説明する。
先ず、図1に示すように、交換対象の旧メータユニット1Aを自動車に装備したままの状態で、サービステスタ10を多重バスライン7に接続して、この多重バスライン7を介して旧メータユニット1Aに接続し、サービステスタ10から旧メータユニット1Aにデータ送信要求を出力すると、旧メータユニット1Aの制御回路2が、そのデータ送信要求に応答して、メモリ3に記憶された走行距離データと部品No. をサービステスタ10のメモリ12に記憶させる為に読出す(読出ステップ)が、メモリ3が故障している場合には、メモリ3から走行距離データと部品No. を読出すことができないため、サービステスタ10にエラーコードを出力する。
また、図2に示すように、サービステスタ10から旧メータユニット1Aにデータ送信要求を出力しても、制御回路2が故障している場合には、その要求に応答することができず、メモリ3が故障していなくても、メモリ3から走行距離データと部品No. を読出すことができず、エラーコードも出力することができない。
サービステスタ10のM/C11は、旧メータユニット1Aにデータ送信要求を出力した後、旧メータユニット1Aからエラーコードを受信した場合、或いは、所定時間応答がなかった場合に、メモリ3から走行距離データを読出すことが不可能であると判定して、サービステスタ10がコピーモードから直接入力モードへ移行する。
その後、自動車から旧メータユニット1Aを取外し、その自動車に新メータユニット1Bを取付けて多重バスライン7に接続する。ここで、サービステスタ10を多重バスライン7から切離して再度接続してもよいし、接続したままにしておいてもよい。次に、図3に示すように、このサービステスタ10を多重バスライン7を介して新メータユニット1Bに接続した状態で、サービステスタ10から新メータユニット1Bにデータ書込み要求を出力すると、新メータユニット1Bの制御回路2は、そのデータ書込み要求に応答して、サービステスタ10にアウタコードを出力する。サービステスタ10では、このアウタコードに対応するインコードを入力して新メータユニット1Bに出力し、新メータユニット1Bの制御回路2はこのインコードを受信してデータ書換え認証チェックを行う。
ここで、認証されれば、図4に示すように、新メータユニット1Bのメモリ3に記憶させる走行距離データを、サービステスタ10から直接入力し(直接入力ステップ)、また、メータ部品No. も直接入力することができる。サービステスタ10のM/C11は、その走行距離データとメータ部品No. を新メータユニット1Bに送信し、新メータユニット1Bの制御回路2が、サービステスタ10から受信した走行距離データとメータ部品、メモリ3から読出した走行距離データとメータ部品No. と書込回数を用いて、所定の書込制限条件が成立しているか否か判定し、成立していない場合には、サービステスタ10から受信した走行距離データを、新メータユニット1Bの制御回路2によりメモリ3に書込む。この場合、メモリ3に現在既に記憶されている走行距離データに上書きして保存する。所定の書込制限条件が成立している場合には、新メータユニット1Bのメモリ3への走行距離データの書込みを禁止する(書込制限ステップ)。
次に、サービステスタ10のM/C11が実行する処理、メータユニット1の制御回路2が実行する処理について、図5〜図7のフローチャート(フローチャート中のSi(i=1、2、3・・・)は各ステップを示す)に基づいて説明する。但し、サービステスタ10のM/C11は、図5と図6のフローチャートの両方の処理を実行可能に構成されているが、図5は旧メータユニット1Aに対して行う処理、図6は新メータユニット1Bに対して行う処理として分けて説明する。
先ず、図5に示すように、サービステスタ10では、例えば、サービステスタ10を旧メータユニット1Aに接続した状態で、サービス通信が実行可能であると判定され(S1;Yes )、旧メータユニット1Aにサービス通信モードへの切換えが出力される(S2)。次に、例えば、所定のデータ送信要求操作を行うことにより、旧メータユニット1Aにデータ送信要求が出力され(S3)、その後、旧メータユニット1Aから走行距離データとメータ部品No. が受信されたか否か判定され(S4)、受信有りの場合(S4;Yes )、その走行距離データとメータ部品No. がメモリ12に記憶される(S5)。
但し、S3において、旧メータユニット1Aにデータ送信要求が出力された後、旧メータユニット1Aから走行距離データとメータ部品No. が受信されない場合に(S4;No)、旧メータユニット1Aからエラーコードが受信された場合(S6;Yes )、或いは、走行距離データとメータ部品No. 、エラーコードが受信されないまま所定時間経過(例えば、20秒経過)した場合(S7;Yes )、直接入力モードへ移行し(S8)、リターンする。尚、エラーコードが受信された場合には、旧メータユニット1Aのメモリ3が故障し、走行距離データとメータ部品No. 、エラーコードが受信されないまま所定時間経過した場合には、少なくとも、旧メータユニット1Aの制御回路2が故障している。尚、S6とS7が前記読出可否判定手段に相当し、S8が前記直接入力モード移行手段に相当する。
次に、サービステスタ10が直接入力モードへ移行した後、図6に示すように、そのサービステスタ10では、例えば、サービステスタ10を新メータユニット1Bに接続した状態で、サービス通信が実行可能であると判定され(S10;Yes )、新メータユニット1Bにサービス通信モードへの切換えが出力され(S11)、直接入力モードか否か判定される(S12)。直接入力モードの場合(S12;Yes )、例えば、所定のデータ書込み要求操作を行うことにより、新メータユニット1Bにデータ書込み要求が出力され(S14)、その後、新メータユニット1Bからアウトコードが受信される(S15)。
受信されたアウタコードは、例えば、サービステスタ10の表示部(図示略)に表示され、次に、このアウトコードに対応するインコードが入力されて新メータユニット1Bに送信される(S16)。入力するインコードについては、図3に示すサービスセンタに電話で問い合わせる等して、アウトコードを送信した新メータユニット1Bの種類と、そのアウトコードで決まるインコードを入手し、そのインコードを入力して新メータユニット1Bに送信する。その後、走行距離データとメータ部品No. が入力されて(S17)、その走行距離データとメータ部品No. が新メータユニット1Bに送信される(S18)。
一方、直接入力モードでない場合(S12)、サービステスタ10のメモリ12に、旧メータユニット1Aから受信した走行距離データとメータ部品No. の記憶が有る場合(S13;Yes )、そのメモリ3に記憶された走行距離データと部品No. が新メータユニット1Bに送信される(S18)。その後、直接入力モードである場合(S19;Yes )、直接入力モードが解除されて(S20)、リターンする。尚、直接入力モードでない場合(S12;No)、サービステスタ10のメモリ12に、旧メータユニット1Aから受信した走行距離データとメータ部品No. の記憶が無い場合(S13;Yes )、リターンする。尚、S18が前記送信手段に相当し、S17が前記直接入力手段に相当する。
さて、図7に示すように、新メータユニット1Bでは、サービステスタ10からサービス通信モードへの切換え指示が有るか否か判定され(S30)、切換え指示が無い場合には(S30;No)、S32へ移行し、サービス通信モードでない場合(S32;No)、前述の通常時のメータ制御(S33)が実行され、リターンする。一方、切換え指示が有る場合には(S30;Yes )、通常モードからサービス通信モードへ移行し(S31)、サービス通信モードである場合(S32;Yes )、S34へ移行する。
次に、S34において、サービステスタ10からのデータ書込み要求が有る場合(S34;Yes )、アウトコードがサービステスタ10に送信され(S35)、その後、サービステスタ10からインコードが受信された場合(S36;Yes )、認証チェックが行われて認証されたか否か判定される(S37)。ここで、S35において、アウトコードがサービステスタ10に送信されると共に、そのアウトコードにより、このメータユニット1に設定された演算式を用いて演算され、S37では、その結果得られた演算値とサービステスタ10から受信したインコードとが比較され、一致した場合に認証される。
こうして、認証されれば(S37;Yes )、次に、メモリ3から書込回数が読出されて、その書込回数が、予め設定され規定回数(例えば、1回)未満か否か判定され(S38)、規定回数未満の場合(S38;Yes )、メモリ3から走行距離データが読出されて、その現在の走行距離が予め設定された所定距離(例えば、1000km)未満か否か判定され(S39)、所定距離未満の場合(S39;Yes )、例えば、サービステスタ10に送信許可を出力することによりサービステスタ10から送信されてきた、旧メータユニット1Aの走行距離データとメータ部品No. が受信される(S40)。尚、前記規定回数を2回又は3回又は4回以上に設定し、前記所定距離を1000km以外の種々の距離(例えば、500km や2000km)に設定してもよい。
次に、受信した走行距離が、メモリ3から読出された現在の走行距離よりも大きいか否か判定され(S41)、大きい場合には(S41;Yes )、次に、受信したメータ部品No. がメモリ3から読出されたメータ部品No. と一致する否か判定され(S42)、一致する場合には(S42;Yes )、受信した走行距離データがメモリ3に書込まれ(S43)、この場合、メモリ3に現在既に記憶されている走行距離データに上書きされて保存される。その後、書込回数がインクリメントされて(S44)メモリ3に記憶され、その後、サービス通信モードから通常モードへ移行して(S45)、リターンする。尚、S35、S36、S37等が前記セキュリティ手段に相当する。
ここで、S38において送信回数が規定回数以上の場合、また、S39において現在の走行距離が所定距離(例えば、1000km)以上の場合、また、S41において受信した走行距離が現在の走行距離以下の場合、また、S42において受信したメータ部品No. が現在のメータ部品No. と一致しない場合には、次にS45が実行され、サービス通信モードから通常モードへ移行して、リターンし、こうした条件が所定の書込制限条件に含まれるものであり、この所定の書込制限条件が成立しているか否か判定して成立している場合に、S43によるメモリ3への走行距離データの書込みが禁止される。
以上のように、このメータユニット交換方法及びメータユニットのデータ書換えシステムによれば、交換対象の旧メータユニット1Aのメモリ3に記憶された走行距離データをサービステスタ10のメモリ12に記憶させる為に読出し、サービステスタ10のメモリ12に記憶させた走行距離データを新メータユニット1Bのメモリ3に書込むことができる。但し、旧メータユニット1Bのメモリ3から走行距離データを読出すことが不可能な場合にのみ、新メータユニット1Bのメモリ3に記憶させる走行距離データを、サービステスタ10から直接入力して新メータユニット1Bのメモリ3に書込むことができる。つまり、セキュリティを確保しながら、新メータユニット1Aに記憶させる走行距離データを直接入力し、その走行距離データを新メータユニット1Bのメモリ12に不正なく簡単に且つ確実に書換え可能にして、走行距離の改竄を防止し、メータユニット交換の際のサービス向上を図ることができる。
所定の書込制限条件が成立しているか否か判定して成立している場合に、新メータユニット1Bのメモリ3への走行距離データの書込みを禁止するので、新メータユニット1Bのメモリ3に走行距離データが不正に書込まれることをより確実に防止することができる。旧メータユニット1Aのメモリ3から走行距離データを読出し可能か否か判定し、その判定の結果、旧メータユニット1Aのメモリ3から走行距離データを読出すことが不可能な場合に、サービステスタ10から走行距離データを直接入力する直接入力モードへ自動的に移行するので、作業性を向上することができる。
サービステスタ10から直接入力される走行距離データを、新メータユニットの記憶部に記憶させることを許可するか否か所定のセキュリティチェックを行うので、サービステスタ10から直接入力される走行距離データが、新メータユニット1Bのメモリ3に記憶させることを許可するか否かチェックして、より確実にセキュリティを確保しがら、走行距離データを新メータユニット1Bのメモリ3に不正なく書換え可能になる。
その他、前記実施形態を部分的に次のように変更してもよい。
1]図7のS38、S39、S41、S42の4つのステップのうち、1又は2又は3つのステップについて省略するように、メータユニット1を構成する。即ち、前記実施形態で所定の書込制限条件に含まれる複数の条件うちの、少なくとも1つ条件を所定の書込制限条件とする。
2]前記走行距離は所定区間の走行距離を含み、走行距離データは、所定区間の走行距離のデータを含むようにする。即ち、総走行距離と共に所定区間の走行距離のデータを旧メータユニットから新メータユニットへ不正なしに書換えることが可能となる。
3]サービステスタ10から直接入力される走行距離データを、新メータユニット1Bのメモリ3に記憶させることを許可するか否か所定のセキュリティチェックを行う為のセキュリティ手段として、前記実施形態以外に、所定の絶対的な暗唱番号を入力することにより認証されたか否か判定する等、種々のセキュリティ手段を適用可能である。
4]メータユニットとサービステスタを無線により接続してデータ送受信可能にする。
5]その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を付加して実施することが可能である。
本発明のメータユニット交換方法、メータユニットのデータ書換え装置は、自動車に搭載されるメータユニットを交換する場合にだけでなく、バイクや自転車等の種々の車両に搭載されるメータユニットを交換する場合に適用することができる。
本発明の実施形態に係る旧メータユニットとサービステスタの構成図である。 旧メータユニットとサービステスタの構成図である。 新メータユニットとサービステスタの構成図である。 新メータユニットとサービステスタの構成図である。 サービステスタが実行する処理のフローチャートである。 サービステスタが実行する処理のフローチャートである。 メータユニットが実行する処理のフローチャートである。
符号の説明
1 メータユニット
1A 旧メータユニット
1B 新メータユニット
2 制御回路
3 メモリ
4 オドメータ表示部
10 サービステスタ
11 マイクロコンピュータ
12 メモリ

Claims (5)

  1. 計測手段で計測された走行距離のデータを記憶する記憶部とこの走行距離を表示する表示部とを備えた車両の走行距離表示用のメータユニットを、データ書換え装置を用いて交換する方法において、
    交換対象の旧メータユニットの記憶部に記憶された走行距離データをデータ書換え装置の記憶手段に記憶させる為に読出す読出ステップと、
    前記記憶手段に記憶させた走行距離データを新メータユニットの記憶部に書込む書込ステップと、
    前記読出ステップにおいて旧メータユニットの記憶部から走行距離データを読出すことが不可能な場合にのみ、新メータユニットの記憶部に記憶させる走行距離データを、データ書換え装置から直接入力する直接入力ステップと、
    を備えたことを特徴とする車両のメータユニット交換方法。
  2. 所定の書込制限条件が成立しているか否か判定して成立している場合に、新メータユニットの記憶部への走行距離データの前記書込ステップにおける書込みを禁止する書込制限ステップを備えたことを特徴とする請求項1に記載の車両のメータユニット交換方法。
  3. 計測手段で計測された走行距離のデータを記憶する記憶部とこの走行距離を表示する表示部とを備えた車両の走行距離表示用のメータユニットを交換する際に用いるデータ書換えシステムにおいて、
    交換対象の旧メータユニットの記憶部から読み出された走行距離データを受信して記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶された走行距離データを新メータユニットの記憶部に書込む為に送信する送信手段と、
    前記旧メータユニットの記憶部から走行距離データを読出すことが不可能な場合にのみ、新メータユニットの記憶部に記憶させる走行距離データを直接入力する直接入力手段と、
    を備えたことを特徴とする車両のメータユニットのデータ書換えシステム。
  4. 前記旧メータユニットの記憶部から走行距離データを読出し可能か否か判定する読出可否判定手段と、
    この読出可否判定手段による判定の結果、旧メータユニットの記憶部から走行距離データを読出すことが不可能な場合に、前記直接入力手段により前記走行距離データを直接入力する直接入力モードへ自動的に移行させる直接入力モード移行手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項3に記載の車両のメータユニットのデータ書換えシステム。
  5. 前記直接入力手段により入力される走行距離データを、新メータユニットの記憶部に記憶させることを許可するか否か所定のセキュリティチェックを行う為のセキュリティ手段を備えたことを特徴とする請求項3又は4に記載の車両のメータユニットのデータ書換えシステム。
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