JP2005035119A - エンボスロールの製法及び該エンボスロールを使用した転写シートの製法 - Google Patents

エンボスロールの製法及び該エンボスロールを使用した転写シートの製法 Download PDF

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英男 永野
Tadahiro Kikazawa
忠宏 気賀沢
Ryuichi Katsumoto
隆一 勝本
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Abstract

【課題】継ぎ目がなく、良好な真円度であり、かつ、表面に微細凹凸パターンを有するエンボスロールの製法、及び、このエンボスロールを使用した転写シートの製法を提供する。
【解決手段】表面に微細凹凸パターンが形成されたエンボスロールの製法。円筒状の元型12の内周面に感光性樹脂14を塗布する工程と、感光性樹脂層を露光する工程と、露光後の感光性樹脂層を現像する工程と、現像後に元型の内周面をエッチングする工程と、エッチング後に感光性樹脂層を剥離する工程と、感光性樹脂層剥離後の元型の内周面に電鋳により金属層16を形成する工程と、元型と金属層とを分離する工程と、金属層の内周部分に支持ロール20を冷却嵌めする工程とを有する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はエンボスロールの製法及び該エンボスロールを使用した転写シートの製法に係り、特に、ロールの外周面に規則的な微細凹凸パターンが形成されたエンボスロールの製法及び該エンボスロールを使用して光学シート等のシート状物を製造するのに好適な転写シートの製法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、レンチキュラーレンズやフライアイレンズ等の平板状レンズ、電子ディスプレイ用途の光拡散シート、反射防止シート、輝度向上シート、光導波路シート等の光学シートが使用されている。このようなシート状物の製造は、平板状の金型を使用したプレス成形によるものと、エンボスロールを使用したロール成形によるものに大別される。
【0003】
このうち、表面に微細凹凸パターンを有するものの製造は、プレス成形により行うのが一般的である。その理由は、平板状であればプレス金型の微細加工(たとえば、フォトエッチング)が容易だからである。その反面、プレス成形は生産性に劣るという欠点もある。すなわち、原料のシート状物とプレス金型とを積層し、ホットプレス内にセットし、加熱・加圧成形を行うが、1バッチのサイクルタイムが長く(たとえば、約1時間)、多段のホットプレスを使用したとしても、生産性は劣る。
【0004】
一方、ロール成形によれば、連続加工が容易であり、生産性に優れている。その反面、ロール成形に使用するエンボスロールの微細加工が困難であるという課題がある。この課題に対処するべく提案されたものとして、可撓性を有する露光マスクを使用してロール型スタンパーを製作する構成が挙げられる(特許文献1参照)。
【0005】
また、表面に微細凹凸パターンを有する薄板平板状の金型を、支持ロールの外周に巻き付けてエンボスロールを製作する構成も考えられる。このような薄板平板の巻き付け技術は、印刷の分野で多用されており、各種の方法が提案されている(たとえば、非特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平2−110841号公報
【0007】
【非特許文献1】
新・印刷技術入門、72、73頁、印刷学会出版部 2001年10月発行(泉 和人 著)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の提案(特許文献1)のように、露光マスクを使用して微細加工する構成では、エンドレス(継ぎ目のない)のパターンをロール表面に形成できないという問題点がある。すなわち、微細パターンである程、継ぎ目を連続的に形成することが困難であり、ロールになじむ性質の露光マスクを使用してもこの点の解決にはならない。
【0009】
また、表面に微細凹凸パターンを有する薄板平板状の金型を製作し、これを支持ロールの外周に巻き付けてエンボスロールを製作する構成の場合、継ぎ目を生じるのは避け得ず、また、エンボスロールの真円度を良好にすることも困難である。更に、巻き付け部分に応力集中を生じ易く、構造上不安定になるという不具合をも生じる。
【0010】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、継ぎ目がなく(エンドレス)、良好な真円度であり、かつ、表面に微細凹凸パターンを有するエンボスロールの製法、及び、このエンボスロールを使用した生産性、経済性に優れた転写シートの製法を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明は、表面に微細凹凸パターンが形成されたエンボスロールの製法であって、
円筒状の元型の内周面に感光性樹脂を塗布する工程と、
前記感光性樹脂層を露光する工程と、
前記露光後の感光性樹脂層を現像する工程と、
前記現像後に元型の内周面をエッチングする工程と、
前記エッチング後に感光性樹脂層を剥離する工程と、
前記感光性樹脂層剥離後の元型の内周面に電鋳により金属層を形成する工程と、
前記元型と金属層とを分離する工程と、
前記金属層を内周部分より支持ロールで支持する工程と、
を有することを特徴とするエンボスロールの製法を提供する。
【0012】
本発明によれば、先ず、円筒状の元型の内周面にフォトエッチングにより微細凹凸パターンを形成する。次いで、この微細凹凸パターンを電鋳により転写する。転写後の金属層は円筒状となり、この円筒状物の内側に支持ロールを入れて支持する。これにより、継ぎ目がなく(エンドレス)、良好な真円度であり、かつ、表面に微細凹凸パターンを有するエンボスロールを得ることができる。
【0013】
円筒状物の内側に支持ロールを入れて支持する方法としては、接着、嵌合、溶着、焼ばめ等の各種方法が採用できる。溶着の場合には、電気、レーザ、化学反応(酸化反応等)等を利用して全面又は局部を溶着すればよい。
【0014】
「エッチング」とは、一般的には、エッチャントを使用したウェット処理、電子線等を使用したドライ処理を指すが、ここではこれ以外に、感光性樹脂層(レジスト層)で被覆していない部分を選択的に除去する加工方法、たとえば、サンドブラスト加工等をも広く含むものである。
【0015】
また、本発明は、表面に微細凹凸パターンが形成されたエンボスロールの製法であって、
円筒状の元型の内周面に感光性樹脂を塗布する工程と、
前記感光性樹脂層を露光する工程と、
前記露光後の感光性樹脂層を現像する工程と、
前記現像後の感光性樹脂層の表面に電鋳により金属層を形成する工程と、
前記元型と金属層とを分離する工程と、
前記金属層を内周部分より支持ロールで支持する工程と、
を有することを特徴とするエンボスロールの製法を提供する。
【0016】
本発明によれば、先ず、円筒状の元型の内周面にフォトリソグラフィー加工により微細凹凸パターンの感光性樹脂層を形成する。次いで、この微細凹凸パターンを電鋳により転写する。転写後の金属層は円筒状となり、この円筒状物の内側に支持ロールを入れて支持する。これにより、継ぎ目がなく(エンドレス)、良好な真円度であり、かつ、表面に微細凹凸パターンを有するエンボスロールを得ることができる。すなわち、本発明は、先の元型の内周面をエッチングして微細凹凸パターンを形成する工程に代えて、感光性樹脂層の微細凹凸パターンを電鋳により転写する工程を採用する。
【0017】
本発明において、前記金属層を前記支持ロールで支持する工程において、前記金属層の内周部分に前記支持ロールを冷却嵌めすることが好ましい。このように、冷却嵌めを採用すれば、本発明の効果がより好適に発揮できるからである。
【0018】
ここで、「冷却嵌め」とは、焼ばめと同様の技術思想のもとに行う作業である。「焼ばめ」とは、常温でははまり込まない程度の孔と軸とを、孔を加熱して膨張させた状態ではめ込んで、常温になって収縮してかたく固定されるようにすることをいう。これに対し、ここでいう「冷却嵌め」とは、常温でははまり込まない程度の円筒状物と支持ロールとを、支持ロールを冷却し収縮させた状態ではめ込んで、常温になって膨張してかたく固定されるようにすることをいう。
【0019】
また、本発明において、前記元型が硬脆材又は樹脂材よりなることが好ましい。このように、元型が硬脆材(たとえば、ガラス、セラミックス等)であれば元型と金属層とを分離する工程において、容易に元型を破壊でき、無傷の金属層が得られるからである。また、元型が樹脂材であれば元型と金属層とを分離する工程において、容易に元型を溶解又は膨潤させることができ、無傷の金属層が得られるからである。
【0020】
また、本発明において、前記冷却嵌めの量がエンボスロールの使用温度において0.1mm以上であることが好ましい。このような冷却嵌めの量とすれば、エンボスロールの使用に実用上耐え得るからであり、また、冷却嵌めが確実に行えるからである。
【0021】
また、本発明において、前記冷却嵌めする工程において、前記金属層の内周と前記支持ロールの外周との間隙に流体を供給することが好ましい。このように、金属層と支持ロールとの間隙に流体を供給すれば、この流体が潤滑の効果を発揮し、嵌合作業が円滑に行えるからである。なお、流体は気体でも液体でも採用できる。
【0022】
また、本発明は、上記のエンボスロールを使用してシート状物の表面に微細凹凸パターンを形成することを特徴とする転写シートの製法を提供する。本発明によれば、ロールによる連続成形加工ができるので、ホットプレスによるバッチ処理に比べて品質安定性、生産性が大幅に向上し、大幅なコストダウンも可能となる。
【0023】
なお、エンボスロールを使用した微細凹凸パターンの形成方法としては、ロールによるエンボス加工(加熱、加圧を伴う)のみならず、UV樹脂と紫外線による成形加工、EB溶液を使用した成形加工、ロールによるキャスティング加工、押し出し成形加工、溶液製膜法等、各種の加工方法が採用できる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に従って、本発明に係るエンボスロールの製法及び該エンボスロールを使用した転写シートの製法の好ましい実施の形態について詳説する。図1は、表面に微細凹凸パターンが形成されたエンボスロール22の製造フローを説明する断面図である。
【0025】
図1において、第1の実施の形態と第2の実施の形態とが併せて示されている。このうち、第1の実施の形態は、(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(g)及び(h)であり、第2の実施の形態は、(a)、(b)、(c)、(f)、(g)及び(h)である。図2は、第1の実施の形態におけるフォトエッチング工程等の概略を説明する断面図である。以下、順を追って説明する。なお、共通する工程は、随時説明を省略する。
【0026】
第1の実施の形態において、元型12として、内径が200mm、肉厚が5mm、長さが300mmのガラス管を準備した。元型12の内周面に感光性樹脂であるレジスト14を所定厚さに塗布し、プレベークを行った(図1(a)、図2(a)に示される状態)。なお、元型12とレジスト14との付着力を向上させるべく、下地処理、たとえば、カップリング剤のコート、金属酸化膜の形成等も採用できる。レジスト14の塗布方法としては、ディップコート、スピンコート等の公知の手段が採用できる。
【0027】
図1(b)に示される状態において、レジスト14の層の表面にレーザヘッドより(図示略)レーザビームを照射して露光を行った。この露光は、支持ロッドの先端に固定されたレーザヘッドを円周方向に回転させながら、支持ロッドを元型12の長さ方向に移動させ、スポット状に(レーザビーム径は5μm)元型12の内周の略全面をパターン露光する。
【0028】
なお、これ以外の露光方式として、円筒状のフォトマスクを使用し、紫外線等を照射することにより行うこともできる。また、レーザヘッドを円周方向に回転させる構成に代えて、元型12を回転させる構成を採用してもよい。更に、元型12の外周部よりガラスを透過して露光することもできる。
【0029】
露光後に現像処理を行うことにより、図1(c)、図2(c)に示される状態となり、感光性樹脂であるレジスト14に所定の開口14a、14a…が形成される。ポストベーク後にエッチングを行うことにより、図2(d−1)に示される状態となり、更にレジスト14を剥離すると図1(d)、図2(d−2)に示される状態となり、元型12の表面に微細凹凸パターンが形成された状態となる。この微細凹凸パターンは、ドット形状であり、ピッチが縦横いずれも1.5μm、幅が縦横いずれも1.0μm、深さが0.06μmである。この微細凹凸パターンは、元型12の略全面に形成される。なお、エッチャントはフッ化水素系の液体を使用した。また、元型12の外周部の表面は図示しないレジストにより保護した。
【0030】
次に、元型12の内周部表面に無電解メッキを施し、コンタクト層を形成した後に電鋳処理を行い、この反転型である金属層16を形成する(図1(e)、図2(e)に示される状態)。電鋳処理に使用する金属材料としては、たとえば、ニッケルを主体としたものが好ましく使用できる。電鋳処理により得られた反転型である金属層16を元型12から剥離した状態が図1(g)、図2(g)に示される。この金属層16の厚さは、約200μmとなるように電鋳処理を行った。
【0031】
電鋳処理後に、元型12と金属層16とを分離した。この分離方法は、元型12であるガラス管を破壊することにより行った。これにより、容易に無傷の金属層16が得られた。なお、微細凹凸パターンの深さが小さい場合には、元型12であるガラス管を破壊せず、元型12と金属層16との熱膨張係数の差を利用して、金属層16のみを冷却して分離することも可能である。
【0032】
次に、この金属層16の内周部分に支持ロール20を冷却嵌めしてエンボスロール22を形成する。冷却嵌めの工程の前に、金属層16の内径が200mmになるように、機械加工、放電加工等の各種加工方法により内径調整を事前に施しておく。
【0033】
図1(h)、図3は、このエンボスロール22の形成方法を説明する概略図である。支持ロール20としては、外径が200.15mm、有効長さが200mmのS45C製のロールを使用した。金属層16を室温に維持し、一方、支持ロール20をドライアイスにより外径が199.85mmになるまで冷却し、その後、金属層16内に支持ロール20を嵌め込んだ。図3(a)、(b)は、この過程を示している。
【0034】
本発明においては、この嵌め合い量が重要であり、冷却嵌めの量がエンボスロールの使用温度において0.1mm以上であることが好ましく、0.3mm以上であることがより好ましい。冷却嵌めの量は、円筒状物18の破断強度以内とすば特に制限はないが、冷却嵌めの量を過大に設定した場合、冷却嵌めの作業は困難である。
【0035】
このエンボスロールを使用して転写シートを製造する際の加工温度は、150度C前後である。円筒状物18のニッケルの熱膨張係数は支持ロール20のS45Cの熱膨張係数より大きいものの、この加工温度の範囲であれば、冷却嵌めの量の0.1mm以上を確保でき、使用上問題となることはない。
【0036】
なお、エンボスロールを使用して転写シートを製造する際の加工温度が更に高い場合には、支持ロール20の外径を大きくして、冷却嵌めの量を更に大きくする必要がある。
【0037】
支持ロール20の材質を、ニッケルよりも熱膨張係数の大きいステンレス鋼とすれば、転写シートを製造する際の加工温度を高くする程、嵌め合いが強くなり好ましいが、転写シートを製造する際の加工圧力をあまり高くできないという制約もある。
【0038】
本実施の形態において、従来より多用されている焼ばめを採用せず、冷却嵌めを採用するのは、部材の熱容量の観点による。すなわち、金属層16は、板厚が小さく(本例では、200μm)熱容量も僅かであり、加熱しても短時間で室温に復帰し易い。これに対し、支持ロール20は使用時の強度を確保する点より、厚肉の円筒部材又はムク材の円柱材より形成され、熱容量も大きい。従って、冷却しても短時間で室温に復帰しにくく、作業性が良好だからである。
【0039】
この際、冷却嵌めする工程において、金属層16の内周と支持ロール20の外周との間隙に圧縮空気を供給した。これにより、エアクッションの作用で(この圧縮空気が潤滑の効果を発揮し)、冷却嵌めが容易となった。この際供給する流体は圧縮空気に限定されるものではなく、他の気体(たとえば、窒素ガス)、液体(たとえば、水、潤滑油剤)であってもよい。
【0040】
金属層16の内周と支持ロール20の外周との間隙に圧縮空気を供給する方法としては、たとえば、支持ロール20の外周に微細な気体噴出孔を多数形成しておき、支持ロール20の軸端より支持ロール20内部を経由して圧縮空気を供給する構成が採り得る。
【0041】
このように、金属層16の内周と支持ロール20の外周との間隙に圧縮空気を供給しながら金属層16内に支持ロール20を嵌め込む方法は、他の技術分野(たとえば、非特許文献1参照)では見られるものの、転写シートの製法においてはこれまで採用される例が皆無であった。本発明は、円筒状の元型12の内周面のエッチング、電鋳による金属層16の成形、支持ロール20と金属層16との冷却嵌め、及び、金属層16と支持ロール20との間隙への流体の供給、の技術の組み合わせにより、良好な精度のエンボスロールの製法を提供するものである。
【0042】
なお、供給する流体の圧力は980MPa(10kg/cm)以上とすることが好ましい。このような流体の圧力とすることにより、円筒状物18が径方向に広げられ、嵌め合い作業が円滑に行える。
【0043】
支持ロール20と金属層16との冷却嵌めが終了し、形成されたエンボスロール22が常温に戻ることにより、支持ロール20が膨張し、金属層16との間で嵌め合い状態を形成し、一体化したエンボスロール22となる。
【0044】
次に、本発明における第2の実施の形態について説明する。本実施の形態では、図1における(a)、(b)、(c)までは第1の実施の形態と略同様の工程であることより、その説明は省略する。
【0045】
但し、本実施の形態は、第1の実施の形態において元型12の内周面をエッチングして微細凹凸パターンを形成する工程に代えて、感光性樹脂層であるレジスト14の微細凹凸パターンを電鋳により転写する工程を採用することより、それに対応した露光パターン形状とする。
【0046】
また、元型12にエッチングを施さないことより、ガラス等の硬脆材以外の材料、たとえば、樹脂材を元型12に使用できる。本実施の形態においては、元型12として、内径が200mm、肉厚が5mm、長さが300mmのポリ塩化ビニル(PVC)管を使用した。但し、ポリ塩化ビニルがレジスト14により浸食されるのを防ぐために、表面に保護コートを施した。レジスト14の塗布厚さは、プレベーク後で5μmになるように形成した。
【0047】
なお、露光パターン形状は、レジスト14の層にピッチが10μm、幅が5μm、深さが4μmのグルーブ形状が形成される微細凹凸パターン形状である。この微細凹凸パターンは、元型12の略全面に形成される。
【0048】
次に、元型12の内周部表面に形成されているレジスト14にITO膜を1μm厚さに蒸着し、コンタクト層を形成した後に電鋳処理を行い、この反転型である金属層16を形成する(図1(f)に示される状態)。電鋳処理に使用する金属材料としては、たとえば、ニッケルを主体としたものが好ましく使用できる。電鋳処理により得られた反転型である金属層16を元型12から剥離した状態が図1(g)に示される。この金属層16の厚さは、約200μmとなるように電鋳処理を行った。
【0049】
電鋳処理後に、元型12と金属層16とを分離した。この分離方法は、元型12であるポリ塩化ビニル管を有機溶剤により膨潤させることにより行った。これにより、容易に無傷の金属層16が得られた。なお、微細凹凸パターンが元型12の長さ方向のグルーブ形状なので、元型12であるポリ塩化ビニル管を破壊せず、元型12と金属層16とを分離することができた。
【0050】
図1(h)及び図3に示される、金属層16の内周部分に支持ロール20を冷却嵌めしてエンボスロール22を形成する工程は、第1の実施の形態と略同様の工程であることより、その説明は省略する。
【0051】
次に、エンボスロール22を使用してシート状物の表面に微細凹凸パターンを形成する工程について説明する。図4は、転写シートの形成方法を説明する概略図である。
【0052】
図4において、原反ロール24より所定速度で繰出される原料シート(シート状物)Wは、両面より予備加熱装置26により所定温度まで予備加熱される。そして、原料シートWは、加工温度に維持されたエンボスロール22とニップロール28で挟まれ加熱、加圧を受けることによりエンボス成形加工がなされる。次いで、原料シートWは、ガイドロール30に巻き掛けられることによりエンボスロール22から剥離され、両面より冷却装置32により冷却された後、転写シート34として巻き取りロール36に巻き取られる。
【0053】
原料シート(シート状物)Wの材質としては、各種の樹脂材料等が使用でき、たとえば、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン、ポリエステル、エチレンビニルアセテート(EVA)等が好適に使用できる。また、複数の樹脂材料を2層又は3層に構成したシート状物も使用できる。
【0054】
転写シート34の用途がレンチキュラーレンズ等の平板状レンズ、電子ディスプレイ用途の光拡散シートのような透明体である場合には、原料シートWには透明な樹脂材料等を使用できる。一方、転写シート34の用途が電子ディスプレイ用途の反射防止シートのような反射体である場合には、原料シートWには、たとえば、中間層にアルミニウム膜を設けた3層構造のラミネートシートを使用できる。
【0055】
予備加熱装置26としては、図示の例では、ヒータによる輻射加熱が採用されているが、これに限定されるものではなく、各種の方式が採用できる。
【0056】
エンボスロール22とニップロール28の加熱手段としては、たとえば、ロータリージョイントを経由してロール内に熱媒を循環させる構成、ロール内にシースヒータを配する構成、ロールの表面近傍に加熱手段を設ける構成等が採用できる。加工温度、加工圧力は、エンボスロール22表面のパターン形状、原料シートWの材質、原料シートWの走行速度等によって適宜の範囲を選択できる。
【0057】
冷却装置32としては、図示の例では、エアブローによる冷却方法が採用されているが、これに限定されるものではなく、各種の方式が採用できる。
【0058】
なお、エンボスロールを使用した微細凹凸パターンの形成方法としては、図4に示されるような、ロールによるエンボス加工のみならず、UV樹脂と紫外線による成形加工、EB溶液を使用した成形加工、ロールによるキャスティング加工(キャスティングロールとして使用)、押し出し成形加工、溶液製膜法(シームレスベルト・キャスティングロールとして使用)等、各種の加工方法が採用できる。これらはいずれも公知の技術であることより、詳細な説明は省略する。
【0059】
たとえば、UV樹脂と紫外線による成形加工の場合には、搬送用のウェブ(帯状可撓性支持体)上に所定厚さのUV樹脂(紫外線硬化樹脂)を形成し、エンボスロール22でUV樹脂にエンボス成形加工した直後に紫外線を照射しUV樹脂を硬化させる。
【0060】
以上、本発明に係るエンボスロールの製法及び該エンボスロールを使用した転写シートの製法の実施形態の例について説明したが、本発明は上記実施形態の例に限定されるものではなく、各種の態様が採り得る。
【0061】
たとえば、本実施形態において、電鋳はニッケルを主体としたものが使用されているが、エンボスロール22として加工条件に耐え得るものであれば他の金属材料であっても適用できる。エンボスロールとして使用する場合、ロール表面には通常は所定以上の硬度、縦弾性係数(ヤング率)等が要求されるが、金属板であればこれらの要求を満たすからである。
【0062】
また、コンタクト層の形成は、無電解メッキ、蒸着に限らず、スパッタリング等の薄膜形成手段であれば広く適用できる。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明によれば、先ず、円筒状の元型の内周面にフォトエッチングにより微細凹凸パターンを形成する。次いで、この微細凹凸パターンを電鋳により転写する。転写後の金属層は円筒状となり、この円筒状物の内側に支持ロールを冷却嵌めする。これにより、継ぎ目がなく(エンドレス)、良好な真円度であり、かつ、表面に微細凹凸パターンを有するエンボスロールを得ることができる。
【0064】
また、請求項2に係る発明によれば、先ず、円筒状の元型の内周面にフォトリソグラフィー加工により微細凹凸パターンの感光性樹脂層を形成する。次いで、この微細凹凸パターンを電鋳により転写する。転写後の金属層は円筒状となり、この円筒状物の内側に支持ロールを冷却嵌めする。これにより、継ぎ目がなく(エンドレス)、良好な真円度であり、かつ、表面に微細凹凸パターンを有するエンボスロールを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るエンボスロールの製造フローを説明する断面図
【図2】フォトエッチング工程等の概略を説明する断面図
【図3】エンボスロールの形成方法を説明する概略図
【図4】転写シートの形成方法を説明する概略図
【符号の説明】
10…パターン板、12…元型、14…レジスト、16…金属層、20…支持ロール、22…エンボスロール、24…原反ロール、26…予備加熱装置、28…ニップロール、30…ガイドロール、32…冷却装置、34…転写シート、36…巻き取りロール、W…原料シート(シート状物)

Claims (7)

  1. 表面に微細凹凸パターンが形成されたエンボスロールの製法であって、
    円筒状の元型の内周面に感光性樹脂を塗布する工程と、
    前記感光性樹脂層を露光する工程と、
    前記露光後の感光性樹脂層を現像する工程と、
    前記現像後に元型の内周面をエッチングする工程と、
    前記エッチング後に感光性樹脂層を剥離する工程と、
    前記感光性樹脂層剥離後の元型の内周面に電鋳により金属層を形成する工程と、
    前記元型と金属層とを分離する工程と、
    前記金属層を内周部分より支持ロールで支持する工程と、
    を有することを特徴とするエンボスロールの製法。
  2. 表面に微細凹凸パターンが形成されたエンボスロールの製法であって、
    円筒状の元型の内周面に感光性樹脂を塗布する工程と、
    前記感光性樹脂層を露光する工程と、
    前記露光後の感光性樹脂層を現像する工程と、
    前記現像後の感光性樹脂層の表面に電鋳により金属層を形成する工程と、
    前記元型と金属層とを分離する工程と、
    前記金属層を内周部分より支持ロールで支持する工程と、
    を有することを特徴とするエンボスロールの製法。
  3. 前記金属層を前記支持ロールで支持する工程において、前記金属層の内周部分に前記支持ロールを冷却嵌めする請求項1又は2のいずれかに記載のエンボスロールの製法。
  4. 前記元型が硬脆材又は樹脂材よりなる請求項1〜3のいずれか1項に記載のエンボスロールの製法。
  5. 前記冷却嵌めの量がエンボスロールの使用温度において0.1mm以上である請求項1〜4のいずれか1項に記載のエンボスロールの製法。
  6. 前記冷却嵌めする工程において、前記金属層の内周と前記支持ロールの外周との間隙に流体を供給する請求項1〜5のいずれか1項に記載のエンボスロールの製法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のエンボスロールを使用してシート状物の表面に微細凹凸パターンを形成することを特徴とする転写シートの製法。
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