JP2005034929A - 工作機械制御装置、工作機械制御方法、工作機械制御プログラム及び工作機械制御プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体 - Google Patents

工作機械制御装置、工作機械制御方法、工作機械制御プログラム及び工作機械制御プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】低コスト化を図ると共に生産性を向上することができる工作機械制御装置等を提供する。
【解決手段】ボールねじ温度算出部33によりボールねじ温度T1を算出する。同時に、周囲気温算出部34及びサドル温度算出部35により周囲気温T2及びサドル温度T3を算出する。そして、算出された温度T2,T3と予め記憶している周囲気温−サドル温度−温度閾値関係とに基づきボールねじ24の温度閾値Tsを算出する。そして、判定部36にて、ボールねじ温度T1が温度閾値Tsを越えたか否かを判定する。そして、加工可能状態設定部39にて、ボールねじ温度T1が温度閾値Tsを越えた場合に加工可能信号をONとする。加工可能信号がONとなると、数値制御部32により入力された加工プログラムに基づいて加工が開始される。
【選択図】図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、工作機械制御装置、工作機械制御方法、工作機械制御プログラム及び工作機械制御プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
工作機械を構成する構造体が熱変位することにより被加工物の加工精度に影響を及ぼす。特に、機械始動時においては、例えば、工作機械の可動部材の位置決めを行うボールねじの長さが熱変位により変化することが大きな問題となる。そこで、従来は、機械始動時において以下のような対策を採用していた。その対策の一つとしては、機械始動時に所定時間の暖機運転を行うことである。暖機運転を行うことにより、ボールねじの熱変位量は徐々に増加して、その熱変位量が飽和状態となる。そして、暖機運転後の加工においてはボールねじの大きな熱変位を防止することができ、良好な加工精度を得ることができる。他の対策としては、例えば、特開2001−138178号公報に開示されているように、熱変位補正を行うものである。熱変位補正を行うことにより、暖機運転を行わなくとも加工精度を良好にすることができる。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−138178号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来行っていた暖機運転は暖機運転時間のみにより判断しており、例えば90分の暖機運転を行う等していた。そのため、必要以上に長い時間の暖機運転を行っていたり、一方ではボールねじの熱変位量が飽和していない状態で暖機運転を終了したりする場合があった。必要以上に長い時間の暖機運転を行うことは、生産性を悪化することになる。一方、熱変位量が飽和していない状態で暖機運転を終了して被加工物の加工を開始した場合には、その後のボールねじの熱変位に起因して、加工精度を満たすことができない不良品が出るおそれがあり、この場合も結果として生産性を悪化することになる。
【0005】
また、特開2001−38178号公報に開示されているような熱変位補正を行うことにより、上記問題は解消することができるのであるが、熱変位補正装置は非常に高価であるという問題がある。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みて為されたものであり、低コスト化を図ると共に生産性を向上することができる工作機械制御装置、工作機械制御方法、工作機械制御プログラム及びその記憶媒体を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
請求項1に記載の工作機械制御装置は、構造体温度検出手段と、温度閾値記憶手段と、判定手段と、加工可能設定手段とを備えたことを特徴とする。ここで、構造体温度検出手段は、被加工物を加工する工作機械を構成する一の構造体の温度を検出する手段である。なお、工作機械は、例えば、ベッド、ボールねじ、移動体(サドル、テーブル、及び主軸頭等)、及び主軸等の構造体から構成される。温度閾値記憶手段は、前記一の構造体の熱変位量が所定値となる前記一の構造体の温度である温度閾値を記憶する手段である。前記一の構造体の熱変位量の所定値とは、一の構造体の熱変位量の飽和状態における熱変位量、又はその飽和状態からのある範囲内における熱変位量である。判定手段は、検出された前記一の構造体の温度である検出温度と前記温度閾値とを比較して前記検出温度が前記温度閾値を越えたか否かを判定する手段である。加工可能設定手段は、前記検出温度が前記温度閾値を越えた場合に被加工物の加工が可能な状態である加工可能状態に設定する手段である。
【0008】
つまり、工作機械を構成する一の構造体の温度を監視しており、この一の構造体の温度が温度閾値に達した場合に加工可能状態とする。そして、この温度閾値は、一の構造体の熱変位量が飽和状態又はその付近となる一の構造体の温度とすることにより、必要以上の暖機運転を行うこともなく、暖機運転が不十分となることもなくなる。このように機械始動時において、暖機運転時間を適切な時間とすることができることにより、生産性を向上させることができる。また、高価な熱変位補正装置を使用しないので、低コスト化を図ることができる。
【0009】
なお、一の構造体とは、工作機械を構成する構造体のうちの一つのみに対して加工可能状態に設定してもよいし、複数の構造体に対してそれぞれに加工可能状態に設定するようにしてもよい。そして、後者の複数の構造体の場合は、構造体の検出温度の全てがそれぞれの温度閾値を越えた場合に加工可能状態に設定するようにしてもよいし、構造体の検出温度の一部がそれぞれの温度閾値を越えた場合に加工可能状態に設定するようにしてもよい。
【0010】
また、請求項2に記載の工作機械制御装置は、さらに、構造体周囲気温検出手段と、周囲気温−閾値関係記憶手段と、温度閾値算出手段とを備えることを特徴とする。ここで、構造体周囲気温検出手段は、前記一の構造体の周囲の気温である構造体周囲気温を検出する手段である。周囲気温−閾値関係記憶手段は、前記構造体周囲気温に対する前記温度閾値の関係である周囲気温−閾値関係を記憶する手段である。この周囲気温−閾値関係は予め記憶されている。温度閾値算出手段は、検出された前記構造体周囲気温と前記周囲気温−閾値関係とに基づいて前記温度閾値を算出する手段である。
【0011】
つまり、構造体周囲気温に応じて温度閾値が決定される。ここで、構造体周囲気温によって、一の構造体の熱変位量が飽和状態となる一の構造体の温度が変化することがある。そこで、本発明によれば、暖機運転時間を構造体周囲気温に応じた適切な時間とすることができる。これにより、確実に生産性を向上させることができる。
【0012】
また、請求項3に記載の工作機械制御装置は、さらに、他構造体温度検出手段と、他構造体温度−閾値関係記憶手段と、温度閾値算出手段とを備えたことを特徴とする。ここで、他構造体温度検出手段は、前記一の構造体以外の前記工作機械を構成する他の構造体の温度である他構造体温度を検出する手段である。他構造体温度−閾値関係記憶手段は、前記他構造体温度に対する前記温度閾値の関係である他構造体温度−閾値関係を記憶する手段である。温度閾値算出手段は、検出された前記他構造体温度と前記他構造体温度−閾値関係とに基づいて前記温度閾値を算出する手段である。
【0013】
例えば、一の構造体としてボールねじを例に挙げると、このボールねじの温度は、ボールねじに連結される移動体の温度によっても変化する。このように一の構造体の温度が、他の構造体の温度により変化する。このことは、一の構造体の熱変位量が飽和状態となる一の構造体の温度を変化させることになる。そこで、一の構造体の温度閾値を他の構造体温度に応じて決定することにより、暖機運転時間を他の構造体温度に応じた適切な時間とすることができる。これにより、確実に生産性を向上させることができる。
【0014】
また、請求項4に記載の工作機械制御装置は、前記工作機械が、少なくとも、ベースと、該ベースに回動自在に軸支されたボールねじと、該ボールねじを回動駆動するサーボモータと、該ボールねじに可動可能に配設された可動体とを備えてなり、前記一の構造体は前記ボールねじであることを特徴とする。ここで、ボールねじは、可動体の位置決めに最も影響を及ぼす部材である。そして、このボールねじは、温度変化により伸縮する。具体的には、機械始動時には最もボールねじの長さが短く、その後工作機械が運転されるとボールねじの温度の上昇に伴って徐々にボールねじの長さが長くなる。このように、ボールねじの長さの変化、すなわちボールねじの熱変位は、加工精度に大きな影響を与える。そこで、前記一の構造体をボールねじとすることにより、ボールねじの熱変位量が飽和した状態で加工可能状態に設定することができる。
【0015】
また、請求項5に記載の工作機械制御装置は、前記工作機械が、さらに前記ボールねじを加温するヒータを備えてなり、さらに、前記判定手段により前記検出温度が前記温度閾値を越えていないと判定された場合に前記ヒータにより前記ボールねじを加温するボールねじ加温手段を備えたことを特徴とする。つまり、ボールねじの温度が温度閾値を越えていない場合にヒータによりボールねじを直接的又は間接的に加温することにより、より短時間で、ボールねじの熱変位量の飽和状態にすることができる。これにより、暖機運転時間がより短時間にすることができるので、より生産性を向上させることができる。なお、ヒータは、熱変位補正装置に比べると非常に安価なものであるので、熱変位装置を搭載する場合に比べて低コスト化を図ることができる。
【0016】
また、請求項6に記載の工作機械制御装置は、前記構造体温度検出手段は、前記ボールねじを所定範囲毎に複数に分割された分割範囲毎における前記ボールねじの温度を検出し、前記判定手段は、検出された前記分割範囲毎の前記ボールねじの温度であるそれぞれの前記検出温度と前記温度閾値とを比較してそれぞれの前記検出温度が前記温度閾値を越えたか否かを判定し、前記加工可能設定手段は、前記検出温度が前記温度閾値を越えた場合に前記温度閾値を越えた前記検出温度が検出された前記分割範囲における被加工物の加工が可能な状態である部分加工可能状態にそれぞれの前記分割範囲毎に設定することを特徴とする。
【0017】
つまり、ボールねじのそれぞれの分割範囲毎に部分加工可能状態に設定している。ボールねじは、一端側にモータが備えられている場合が多い。そして、ボールねじのモータ側とその反対側とでは、温度上昇が異なる。さらに、加工プログラムによっては、ボールねじのうちのある特定の範囲内のみ使用する場合がある。そこで、例えば、ボールねじのうちのモータ側のみを使用する加工プログラムにより工作機械を制御する場合には、ボールねじのうちのモータ側のみが熱変位量の飽和状態の温度に達していれば、良好な加工精度を得ることができる。つまり、ボールねじのそれぞれの分割範囲毎に部分加工可能状態に設定することにより、機械始動時からより短時間で加工を開始することができる。従って、より生産性を向上することができる。
【0018】
これまでは、本発明を装置と考えた場合について説明してきたが、本発明は装置に限られるものではない。すなわち、同様の機能を実現させることができる限り、制御方法でも良いし、装置をコンピュータにて機能させるプログラムでも良いし、さらには、そのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であっても良い。
【0019】
すなわち、請求項7に記載の工作機械制御方法は、構造体温度検出ステップと、温度閾値記憶ステップと、判定ステップと、加工可能設定ステップとからなることを特徴とする。ここで、各ステップは、上述の工作機械制御装置における手段をステップに置き換えたものである。また、上述の工作機械制御装置における他の特徴的な構成は、工作機械制御方法に適用することもできる。このような工作機械制御方法によれば、上述した効果と同様の効果を奏することができる。
【0020】
また、請求項8に記載の工作機械制御プログラムは、構造体温度検出手段と、温度閾値記憶手段と、判定手段と、加工可能設定手段とを備えた工作機械制御装置を機能させることを特徴とする。ここで、各手段は、上述の工作機械制御装置における手段と同一である。また、上述の工作機械制御装置における他の特徴的な構成は、工作機械制御プログラムに適用することもできる。このような工作機械制御プログラムによれば、上述した効果と同様の効果を奏することができる。
【0021】
また、請求項9に記載の工作機械制御プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体は、構造体温度検出手段と、温度閾値記憶手段と、判定手段と、加工可能設定手段とを備えた工作機械制御装置を機能させることを特徴とする工作機械制御プログラムを記録している。ここで、各手段は、上述の工作機械制御装置における手段と同一である。また、上述の工作機械制御装置における他の特徴的な構成は、工作機械制御プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体に適用することもできる。このような工作機械制御プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体によれば、上述した効果と同様の効果を奏することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
次に、実施形態を挙げ、本発明をより詳しく説明する。
【0023】
(工作機械の全体構成)
本実施形態における工作機械の全体構成について図1を参照して説明する。図1は、工作機械1のうち主としてY軸移動部の構成を示す図である。図1に示すように、工作機械1は、主として、ベッド2と、X軸サドル3と、主軸台4と、主軸5と、Y軸支持台6と、Y軸アクチュエータ7と、Y軸移動体8と、ヒーター15と、各温度センサ16a〜16cとから構成される。なお、工作機械1は、直交3軸及び回転2軸の動作が可能ないわゆる5軸横型マシニングセンタである。
【0024】
ベッド2は、設置面に固定されている。そして、ベッド2は、X軸サドル3をX軸方向に摺動可能とするX軸ガイド21と、Y軸移動体8をY軸方向に摺動可能とするY軸ガイド22とを有している。X軸サドル3は、ベッド2に固定されたX軸ガイド21にX軸方向に摺動可能に配設されている。主軸台4は、X軸サドル3上に固定されており、内部側に主軸5を配設している。主軸5は、主軸台4の内部側に配設されており、主軸台4に対してZ軸方向に突出可能にされている。そして、主軸5のの先端側には加工用工具Tが配設されている。なお、工作機械1は、図示しないが、X軸サドル3のX軸方向へ移動させるX軸駆動用モータ及びX軸用ボールねじ、及び、主軸5のZ軸方向へ移動させるZ軸駆動用モータを有している。
【0025】
Y軸支持台6は、ベッド2の下方側に設置面に略垂直に固定されている。このY軸支持台6は、後述するY軸用ボールねじ24をY軸回りに回動可能とする軸受(図示せず)が配設されている。Y軸アクチュエータ7は、Y軸駆動用モータ23と、Y軸用ボールねじ24と、Y軸用ボールねじナット25とから構成されている。そして、Y軸駆動用モータ23は、固定子がY軸支持台6の下方側に固定されており、回転子がY軸用ボールねじ24の一端側に連結されている。このY軸用ボールねじ24は、Y軸方向に延在するように、Y軸支持台6に軸受を介して軸支されると共に、Y軸駆動用モータ23の回転子に連結されている。すなわち、Y軸用ボールねじ24は、Y軸回りに回動可能にY軸支持台6に軸支され、Y軸駆動用モータ23により回動可能とされている。Y軸用ボールねじナット25は、Y軸用ボールねじ24の回動によりY軸用ボールねじ24に直動可能に配設されている。
【0026】
Y軸移動体8は、Y軸サドル9と、B軸旋回支持台10と、B軸駆動用モータ11と、A軸旋回支持台12と、A軸駆動用モータ13と、テーブル14とから構成される。Y軸サドル9は、Y軸ガイド22にY軸方向に摺動可能なY軸レール26を有している。さらに、Y軸サドル9は、Y軸用ボールねじナット25に固定されている。従って、Y軸サドル9は、Y軸用ボールねじ24の回動によりY軸方向に直動可能となる。
【0027】
B軸旋回支持台10は、略L字型に形成され、Y軸サドル9の上端側にY軸サドル9に対してB軸(Y軸回り)に回動可能に配設されている。このB軸旋回支持台10のB軸の駆動をするB軸駆動用モータ11は、B軸旋回支持台10の内部に配設されている。そして、B軸旋回支持台10の垂直面側には、A軸駆動用モータ13が固定されている。A軸旋回支持台12は、B軸旋回支持台10にA軸(X軸回り)に回動可能に配設されている。このA軸旋回支持台12は、A軸駆動用モータ13により駆動している。テーブル14は、被加工物Wを載置可能であって、A軸旋回支持台12に固定されている。このテーブル14は、工作機械1の設置面に対して略垂直方向を向いて配設されている。
【0028】
ヒーター15は、Y軸用ボールねじ24の一部分の外周に所定の隙間を設けた状態でY軸支持台6に固定されている。すなわち、ヒーター15により、Y軸用ボールねじ24のうちのY軸駆動用モータ23側の部分を加温することができる。また、Y軸用ボールねじ温度センサ16aは、Y軸用ボールねじ24の所定位置の温度を検出するセンサである。この温度センサ16が検出するY軸用ボールねじ24の所定位置とは、例えば、Y軸サドル9の移動によりY軸用ボールねじナット25が頻繁に移動する部分等とする。Y軸用ボールねじ周囲気温センサ16bは、Y軸用ボールねじ24の周囲の気温を検出するセンサである。また、Y軸サドル温度センサ16cは、Y軸サドル9の所定位置の温度を検出するセンサである。
【0029】
このような構成からなる工作機械1の動作について簡単に説明する。加工用工具Tは、X軸サドル3及び主軸台4の動作により、X軸方向及びZ軸方向に移動する。一方、テーブル14に固定される被加工物Wは、Y軸サドル9の動作によりY軸方向に移動し、B軸旋回支持台10の動作によりB軸回転し、A軸旋回支持台12の動作によりA軸回転する。なお、ヒーター15及び各温度センサ16a〜c等の動作については後述する。
【0030】
(工作機械制御装置の構成)
次に、上述した工作機械1を制御する工作機械制御装置について図2を参照して説明する。図2は、工作機械制御装置31の構成を示す。工作機械制御装置31は、数値制御部32と、Y軸用ボールねじ温度算出部33と、Y軸用ボールねじ周囲温度算出部34と、Y軸サドル温度算出部35と、判定部36と、周囲気温−サドル温度−温度閾値関係記憶部37と、温度閾値算出部38と、加工可能状態設定部39と、ボールねじ加温処理部40とから構成される。
【0031】
数値制御部31は、入力される加工プログラムに基づいて各軸駆動用モータ11,13,23等を制御する。この数値制御部31は、後述する加工可能状態設定部39により加工可能信号がONの場合に、各軸駆動用モータ11,13,23等を制御可能となる。
【0032】
Y軸用ボールねじ温度算出部(構造体温度検出手段)33は、Y軸用ボールねじ温度センサ16aの検出信号に基づき、Y軸用ボールねじ25の温度T1を算出している。Y軸用ボールねじ周囲温度算出部(周囲気温検出手段)34は、Y軸用ボールねじ周囲温度センサ16bの検出信号に基づき、Y軸用ボールねじ25の周囲温度T2を算出している。Y軸サドル温度算出部(他構造体温度検出手段)35は、Y軸温度サドルセンサ16cの検出信号に基づき、Y軸サドル9の温度T3を算出している。
【0033】
周囲気温−サドル温度−温度閾値関係記憶部(気温−閾値関係記憶手段、他構造体温度−閾値関係記憶手段)37は、図3に示すようなY軸用ボールねじ24の周囲気温T2及びY軸サドル9の温度T3に対するY軸用ボールねじ24の温度閾値Tsを示すマップを記憶している。ここで、Y軸用ボールねじ24の温度閾値Tsとは、Y軸用ボールねじ24の熱変位量が所定値となる温度である。具体的には、Y軸用ボールねじ24の熱変位量が飽和状態若しくは飽和状態付近における温度である。換言すると、Y軸用ボールねじ24の温度閾値Tsは、被加工物WのY軸方向の移動量がY軸用ボールねじ24の熱変位による影響をほぼ受けない状態となる温度となる。
【0034】
温度閾値算出部(温度閾値算出手段)38は、Y軸用ボールねじ周囲気温算出部34により算出されたY軸用ボールねじ周囲気温T2と、Y軸サドル温度算出部35により算出されたY軸サドル温度T3と、周囲気温−サドル温度−温度閾値関係記憶部37に記憶された図3に示す周囲気温−サドル温度−温度閾値関係マップとに基づいて、温度閾値Tsを算出する。
【0035】
判定部(判定手段)36は、Y軸用ボールねじ温度算出部33により算出されたY軸用ボールねじ温度T1と算出された温度閾値Tsとを比較して、Y軸用ボールねじ温度T1が温度閾値Tsを越えたか否かを判定する。
【0036】
加工可能状態設定部39は、判定部36により判定結果に基づいて、加工可能信号をON/OFF切換する。具体的には、判定部36の判定結果によりY軸用ボールねじ温度T1が温度閾値Tsを越えた場合に加工可能信号をONにして、Y軸用ボールねじ温度T1が温度閾値Tsを越えていない場合に加工可能信号をOFFにする。なお、上述したように、加工可能信号がONとなった場合に数値制御部32が各駆動軸モータを制御する。
【0037】
ボールねじ加温処理部(ヒーター加温手段)40は、ヒーター15を可動させてY軸用ボールねじ24を加温する制御部である。具体的には、判定部36の判定結果によりY軸用ボールねじ温度T1が温度閾値Tsを越えていない場合に加温処理を行い、Y軸用ボールねじ温度T1が温度閾値Tsを越えた場合に加温処理を終了させる制御を行う。
【0038】
(工作機械制御処理)
次に、上述した工作機械制御装置31の制御処理について図4及び図5のフローチャートを参照して説明する。図4は、工作機械制御装置31のメイン制御処理を示すフローチャートである。図5は、加工可能状態設定処理を示すフローチャートである。
【0039】
まず、図4に示すように、加工可能状態設定処理を行う(ステップS1)。ここで、この加工可能状態設定処理について図5を参照して説明する。Y軸用ボールねじ温度T1、Y軸用ボールねじ周囲気温T2、及びY軸サドル温度T3を、算出(検出)する(ステップS11)。各温度T1〜T3の算出は、上述したように、それぞれ、図2に示すY軸用ボールねじ温度算出部33、Y軸用ボールねじ周囲温度算出部34、Y軸サドル温度算出部35により行われる。
【0040】
続いて、温度閾値算出部38により温度閾値Tsを算出する(ステップS12)。続いて、判定部36により、Y軸用ボールねじ温度T1が温度閾値Tsを越えたか否かを判定する(ステップS13)。続いて、Y軸用ボールねじ温度T1が温度閾値Tsを越えている場合には、加工可能状態設定部39により加工可能信号のON処理を行う(ステップS14)。一方、Y軸用ボールねじ温度T1が温度閾値Tsを越えていない場合には、加工可能状態設定部39により加工可能信号のOFF処理を行う(ステップS15)。その後、リターンする。
【0041】
続いて、図4に戻り説明する。加工可能状態設定処理の後は、加工可能状態設定部39は、加工可能信号がONであるか判定する(ステップS2)。続いて、加工可能信号がOFFである場合(ステップS2:No)には、加工可能状態設定部39は加温処理部40に加温処理を行わせる(ステップS6)。ここで、上述したように、加工可能信号がOFFの場合とは、Y軸用ボールねじ24の熱変位が飽和状態付近となっていない状態となる。そこで、加温処理を行わせることにより、積極的にヒーター15によりY軸用ボールねじ24を加温して、Y軸用ボールねじ24の熱変位の飽和状態付近に短時間で達するようにしている。続いて、加温処理の後は、リターンされる。
【0042】
一方、加工可能信号がONである場合(ステップS2:Yes)には、さらに、ボールねじ加温処理部40が加温処理中であるか否かを判定する(ステップS3)。ボールねじ加温処理部40が加温処理中であれば(ステップS3:Yes)、加温処理を終了させる(ステップS4)。続いて、加温処理を終了させた後は、加工処理を行う(ステップS5)。ここで、加工処理とは、読み込まれた加工プログラムに基づいて数値制御部32が各駆動軸モータの制御を行うことである。一方、ボールねじ加温処理部40が加温処理中でなければ(ステップS3:No)、そのまま加工処理を行う(ステップS5)。そして、リターンする。
【0043】
(Y軸用ボールねじの熱変位量)
次に、Y軸用ボールねじ24の熱変位量について図6及び図7を参照して説明する。図6は、工作機械1の電源を起動後、工作機械1を暖機運転した場合における経過時間に対するY軸用ボールねじの伸び量(熱変位量)の関係を示す図である。図7は、Y軸用ボールねじ24の伸び量(熱変位量)に対する被加工物Wの中心位置のY軸方向の変位量の関係を示す図である。
【0044】
図6に示すように、工作機械1の電源を8時15分に起動した場合に、約12時30分頃までは、Y軸用ボールねじ24の伸び量(熱変位量)はほぼ比例して徐々に増加していることが分かる。そして、約12時30分頃に、Y軸用ボールねじ24の伸び量(熱変位量)が約17μmで飽和している。また、図7に示すように、Y軸用ボールねじ24の伸び量(熱変位量)が増加するにつれて、被加工物Wの中心位置のY軸方向の変位量が増加していることが分かる。また、図示しないが、Y軸用ボールねじ24の伸び量(熱変位量)は、Y軸用ボールねじ24の温度にほぼ比例して増加する。このように、Y軸用ボールねじ24の熱変位量は、被加工物WのY軸方向の変位に大きな影響を及ぼしている。そして、Y軸用ボールねじ24の熱変位量は、Y軸用ボールねじ24の温度から一義的に算出することができる。
【0045】
そこで、高い加工精度が要求される被加工物Wの場合には、Y軸用ボールねじ24の温度閾値Tsを例えばY軸用ボールねじ24の熱変位量が16μmとなるY軸用ボールねじ24の温度とする。これにより、Y軸用ボールねじ24の温度T1が温度閾値Tsを越えた場合には、その後におけるY軸用ボールねじ24の熱変位量は非常に小さくなる。そして、Y軸用ボールねじ24の温度T1が温度閾値Tsを越えた時に加工を開始するので、Y軸用ボールねじ24の熱変位が加工精度に影響することはない。
【0046】
さらに、Y軸用ボールねじ24の温度T1が温度閾値Tsを越えるまで工作機械1の暖機運転を行うので、暖機運転の時間が短すぎることもなく長すぎることもない。従って、暖機運転時間が短いことに起因する加工精度の悪化が生じることもなく、暖機運転時間が長いことに起因する生産性悪化が生じることもない。
【0047】
さらに、図6に示すように、通常の暖機運転では、時間にほぼ比例してY軸用ボールねじ24の伸び量(熱変位量)が増加している。ここで、本実施形態における工作機械制御装置31によれば、ヒーター15によりY軸用ボールねじ24を積極的に加温することにより、Y軸用ボールねじ24の熱変位量が例えば15μmに達するようにすることができる。これにより、暖機運転時間をより短時間にすることができる。
【0048】
(本実施形態の変形態様)
上記実施形態は、Y軸用ボールねじ24のある一箇所の温度T1に基づき加工可能状態の設定判定を行っているが、本実施形態の変形態様は、Y軸用ボールねじ24の複数箇所の温度に基づき加工可能状態の設定判定を行う。以下、詳述する。
【0049】
まず、工作機械1は、上記構成に加えて、複数のY軸用ボールねじ温度センサ16a−1〜16a−Nを複数有している。これらのY軸用ボールねじ温度センサ16a−1〜16a−Nは、Y軸用ボールねじ24の所定間隔毎に分割した分割範囲毎に配設されており、分割範囲におけるY軸用ボールねじ24の温度を検出している。そして、工作機械制御装置31のY軸用ボールねじ温度算出部33は、それぞれのY軸用ボールねじ温度センサ16a−1〜16a−Nに対応したY軸用ボールねじ温度T1−1〜T1−Nを算出する。さらに、判定部36は、それぞれのY軸用ボールねじ温度T1−1〜T1−Nと温度閾値Tsとを比較して、それぞれのY軸用ボールねじ温度T1−1〜T1−Nが温度閾値Tsを越えたか否かを判定する。
【0050】
加工可能状態設定部39は、判定部36の判定結果に基づいて、分割範囲毎に、加工可能信号をON/OFF切換する。ここで、分割範囲毎における加工可能信号を部分加工可能信号とする。従って、分割範囲の何れかはONであって、分割範囲の他の何れかはOFFである場合がある。具体的には、ある分割範囲におけるY軸用ボールねじ温度T1−1が温度閾値Tsを越えた場合には、当該ある分割範囲における部分加工可能信号がONとなり、他の分割範囲におけるY軸用ボールねじ温度T1−Nが温度閾値Tsを越えていない場合には、当該他の分割範囲における部分加工可能信号はOFFとなる。
【0051】
そして、数値制御部32は、入力される加工プログラムを解析して、この加工プログラムにより使用されるY軸ボールねじ24の範囲における部分加工可能信号がONであれば、他の部分加工可能信号がOFFであっても加工開始するようにする。
【0052】
これにより、Y軸用ボールねじ24の全てが温度閾値Tsを越える必要がなく、暖機運転をより短くすることができる。
【0053】
(他の実施形態)
なお、上記実施形態においては、Y軸用ボールねじの周囲気温T2及びY軸サドル温度T3に基づきY軸用ボールねじ24の温度閾値Tsを算出したが、これに限られるものではない。例えば、Y軸用ボールねじの周囲気温T2のみに基づき温度閾値Tsを算出してもよいし、Y軸サドル温度T3に基づき温度閾値Tsを算出してもよい。さらには、予め、一定値の温度閾値Tsを決定しておいてもよい。また、Y軸用ボールねじ24の温度閾値Tsの算出において、Y軸用ボールねじ周囲気温T2及びY軸サドル温度T3を考慮したが、ベッド2、Y軸支持台6、B軸旋回支持台10、A軸旋回支持台12、Y軸駆動用モータ23、B軸駆動用モータ11、A軸駆動用モータ13等を考慮してもよい。
【0054】
また、加工可能状態設定の判定対象をY軸用ボールねじ24の温度T1としたが、これに限られるものではない。例えば、ベッド2、Y軸支持台6、Y軸サドル9、B軸旋回支持台10、A軸旋回支持台12、Y軸駆動用モータ23、B軸駆動用モータ11、A軸駆動用モータ13等を判定対象としてもよい。さらに、Y軸に限らず、X軸やZ軸にも同様に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態における工作機械の全体構成を示す図である。
【図2】工作機械制御装置の構成を示す図である。
【図3】Y軸用ボールねじ周囲気温及びY軸サドル温度に対する温度閾値のマップを示す図である。
【図4】工作機械制御装置のメイン制御処理を示すフローチャートである。
【図5】加工可能状態設定処理を示すフローチャートである。
【図6】暖機運転の経過時間に対するY軸用ボールねじの伸び量の関係を示す図である。
【図7】Y軸用ボールねじの伸び量に対する被加工物の中心位置のY軸方向の変位量の関係を示す図である。
【符号の説明】
1 ・・・ 工作機械
2 ・・・ ベッド
5 ・・・ 主軸
6 ・・・ Y軸支持台
7 ・・・ Y軸アクチュエータ
8 ・・・ Y軸移動体
9 ・・・ Y軸サドル
10 ・・・ B軸旋回支持台
11 ・・・ B軸駆動用モータ
12 ・・・ A軸旋回支持台
13 ・・・ A軸駆動用モータ
14 ・・・ テーブル
15 ・・・ ヒーター
16a ・・・ Y軸用ボールねじ温度センサ
16b ・・・ Y軸用ボールねじ周囲気温センサ
16c ・・・ Y軸サドル温度センサ
23 ・・・ Y軸駆動用モータ
24 ・・・ Y軸用ボールねじ
31 ・・・ 工作機械制御装置
33 ・・・ Y軸用ボールねじ温度算出部(構造体温度検出手段)
34 ・・・ Y軸用ボールねじ周囲温度算出部(周囲気温検出手段)
35 ・・・ Y軸サドル温度算出部(他構造体温度検出手段)
36 ・・・ 判定部(判定手段)
37 ・・・ 周囲気温−移動体温度−温度閾値関係記憶部(気温−閾値関係記憶手段、他構造体温度−閾値関係記憶手段)
38 ・・・ 温度閾値算出部(温度閾値算出手段)
39 ・・・ 加工可能状態設定部(加工可能設定手段)
40 ・・・ ボールねじ加温処理部(ヒータ加温手段)
T ・・・ 加工用工具
W ・・・ 被加工物

Claims (9)

  1. 被加工物を加工する工作機械を構成する一の構造体の温度を検出する構造体温度検出手段と、
    前記一の構造体の熱変位量が所定値となる前記一の構造体の温度である温度閾値を記憶する温度閾値記憶手段と、
    検出された前記一の構造体の温度である検出温度と前記温度閾値とを比較して前記検出温度が前記温度閾値を越えたか否かを判定する判定手段と、
    前記検出温度が前記温度閾値を越えた場合に被加工物の加工が可能な状態である加工可能状態に設定する加工可能設定手段と、
    を備えたことを特徴とする工作機械制御装置。
  2. さらに、前記一の構造体の周囲の気温である構造体周囲気温を検出する構造体周囲気温検出手段と、
    前記構造体周囲気温に対する前記温度閾値の関係である周囲気温−閾値関係を記憶する周囲気温−閾値関係記憶手段と、
    検出された前記構造体周囲気温と前記周囲気温−閾値関係とに基づいて前記温度閾値を算出する温度閾値算出手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項1記載の工作機械制御装置。
  3. さらに、前記一の構造体以外の前記工作機械を構成する他の構造体の温度である他構造体温度を検出する他構造体温度検出手段と、
    前記他構造体温度に対する前記温度閾値の関係である他構造体温度−閾値関係を記憶する他構造体温度−閾値関係記憶手段と、
    検出された前記他構造体温度と前記他構造体温度−閾値関係とに基づいて前記温度閾値を算出する温度閾値算出手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の工作機械制御装置。
  4. 前記工作機械は、少なくとも、ベースと、該ベースに回動自在に軸支されたボールねじと、該ボールねじを回動駆動するサーボモータと、該ボールねじに可動可能に配設された可動体とを備えてなり、
    前記一の構造体は前記ボールねじであることを特徴とする請求項1記載の工作機械制御装置。
  5. 前記工作機械は、さらに、前記ボールねじを加温するヒータを備えてなり、
    さらに、前記判定手段により前記検出温度が前記温度閾値を越えていないと判定された場合に前記ヒータにより前記ボールねじを加温するボールねじ加温手段を備えたことを特徴とする請求項4記載の工作機械制御装置。
  6. 前記構造体温度検出手段は、前記ボールねじを所定範囲毎に複数に分割された分割範囲毎における前記ボールねじの温度を検出し、
    前記判定手段は、検出された前記分割範囲毎の前記ボールねじの温度であるそれぞれの前記検出温度と前記温度閾値とを比較してそれぞれの前記検出温度が前記温度閾値を越えたか否かを判定し、
    前記加工可能設定手段は、前記検出温度が前記温度閾値を越えた場合に前記温度閾値を越えた前記検出温度が検出された前記分割範囲における被加工物の加工が可能な状態である部分加工可能状態にそれぞれの前記分割範囲毎に設定することを特徴とする請求項4記載の工作機械制御装置。
  7. 被加工物を加工する工作機械を構成する一の構造体の温度を検出する構造体温度検出ステップと、
    前記一の構造体の熱変位量が所定値となる前記一の構造体の温度である温度閾値を記憶する温度閾値記憶ステップと、
    検出された前記一の構造体の温度である検出温度と前記温度閾値とを比較して前記検出温度が前記温度閾値を越えたか否かを判定する判定ステップと、
    前記検出温度が前記温度閾値を越えた場合に被加工物の加工が可能な状態である加工可能状態に設定する加工可能設定ステップと、
    からなることを特徴とする工作機械制御方法。
  8. 被加工物を加工する工作機械を構成する一の構造体の温度を検出する構造体温度検出手段と、
    前記一の構造体の熱変位量が所定値となる前記一の構造体の温度である温度閾値を記憶する温度閾値記憶手段と、
    検出された前記一の構造体の温度である検出温度と前記温度閾値とを比較して前記検出温度が前記温度閾値を越えたか否かを判定する判定手段と、
    前記検出温度が前記温度閾値を越えた場合に被加工物の加工が可能な状態である加工可能状態に設定する加工可能設定手段と、
    を備えた工作機械制御装置を機能させることを特徴とする工作機械制御プログラム。
  9. 被加工物を加工する工作機械を構成する一の構造体の温度を検出する構造体温度検出手段と、
    前記一の構造体の熱変位量が所定値となる前記一の構造体の温度である温度閾値を記憶する温度閾値記憶手段と、
    検出された前記一の構造体の温度である検出温度と前記温度閾値とを比較して前記検出温度が前記温度閾値を越えたか否かを判定する判定手段と、
    前記検出温度が前記温度閾値を越えた場合に被加工物の加工が可能な状態である加工可能状態に設定する加工可能設定手段と、
    を備えた工作機械制御装置を機能させることを特徴とする工作機械制御プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
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