JP2005034917A - 工作機械 - Google Patents

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Abstract

【課題】工具マガジンを配置する場合の機械幅寸法の拡大を防止できる工作機械を提供する。
【解決手段】工作機械を構成する場合に、自動工具交換装置10をコラム3の背面3b″側に配設し、該自動工具交換装置10を、上記コラム3に背面3b″側と正面3b′側とを連通可能に形成された開口Aを介して工具マガジン11側の工具T1と上記主軸7側の工具Tとを交換するように構成する。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、垂直に向けて配置された主軸とワークとをX軸,Y軸,Z軸方向に相対移動させつつ上記ワークを加工するようにした工作機械に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、立形マシニングセンタでは、図8に示すように、機械正面から見て、固定ベッド60の後端部にコラム61を配置固定するとともに、前部にワークWが載置されるサドル62をY軸(前後方向)方向に移動可能に配設し、該サドル62上にテーブル63をX軸(左右方向)方向に移動可能に配設し、上記コラム61の前面に主軸64が装着された主軸頭65をZ軸(上下方向)方向に移動可能に配設した構造が一般的である。
【0003】
この種の立形マシニングセンタでは、自動工具交換装置の工具マガジン66をコラム61の左側面に配置し、該工具マガジン66の次加工工具と上記主軸64に装着された加工済み工具Tとを自動的に交換する場合がある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開昭63−62636号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来のように工具マガジンをコラムの側面に配置する構造を採用した場合には、必然的に機械幅寸法が大きくなるという問題がある。
【0006】
本発明は、上記従来の状況に鑑みてなされたもので、工具マガジンを配置する場合の機械幅寸法の拡大を防止できる工作機械を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、ベッド上にサドルを機械正面から見て前後(Y軸)方向に移動可能に配置し、該サドル上にテーブルを左右(X軸)方向に移動可能に配置し、上記ベッド上に配置固定されたコラムに主軸を支持する主軸頭を上下(Z軸)方向に移動可能に配置し、上記コラムの背面側に自動工具交換装置を配設し、該自動工具交換装置を、上記コラムに、該コラムの上記背面側と正面側とを連通可能に形成された開口を介して工具マガジン側の工具と上記主軸側の工具とを交換するように構成したことを特徴とする工作機械である。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1において、上記コラムは、上記テーブルの移動範囲を跨ぐように配置された左,右脚部の上部同士を梁部で接続してなる門形状をなしており、上記自動工具交換装置は、上記コラムの梁部の背面側に配設され、該梁部の下縁下方を通って上記工具マガジン側の工具と上記主軸側の工具とを交換するように構成されていることを特徴としている。
【0009】
請求項3の発明は、請求項2において、上記コラムの梁部は、左,右脚部より機械背面側に偏位しており、かつ上記ベッド上方のY軸方向略中央部に位置していることを特徴としている。
【0010】
請求項4の発明は、請求項2又は3において、上記自動工具交換装置は、上記コラムの梁部の背面に工具マガジンを配設し、上記梁部を上下に貫通するように交換アーム軸を配置し、該交換アーム軸の下端に交換アームを旋回可能に接続し、上端に交換アーム旋回駆動ユニットを接続し、上記工具マガジンと上記交換アームとの間で工具を搬送する工具搬送機構が上記交換アーム軸と並列配置されていることを特徴としている。
【0011】
【発明の作用効果】
請求項1の発明によれば、自動工具交換装置をコラムの背面側に配設し、該コラムの背面側と正面側とを連通する開口を介して工具マガジン側の工具と主軸側の工具とを交換するようにしたので、工具マガジンをコラム背面の空きスペースを利用して配置することができ、機械幅寸法の拡大を防止できる。
【0012】
請求項2の発明では、コラムをテーブルの移動範囲を跨ぐように配置された左,右脚部の上部同士を梁部で接続してなる門形としたので、該コラム下方の加工用開口を有効利用して工具交換を行なうことができ、工具交換を行なうためのスペースを別途確保する必要はなく、機械全体をコンパクトにできる。
【0013】
請求項3の発明では、コラムの梁部を左,右脚部より機械背面側に偏位させ、かつベッドのY軸方向略中央部に位置させたので、梁部の背面側の空きスペースを有効利用して工具マガジンを配置でき、機械全体をコンパクトにできる。
【0014】
請求項4の発明では、交換アーム軸を梁部を上下に貫通するように配置し、該交換アーム軸に工具搬送機構を並列配置したので、工具交換ユニットを梁部背面側に必要な配置スペースを削減しつつ配置することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0016】
図1ないし図7は、本発明の一実施形態による立形マシニングセンタ(工作機械)を説明するための図であり、図1〜図6はそれぞれ工具交換装置,パレット交換装置及び切り屑処理装置が搭載された立形マシニングセンタの正面図,右側面図,平面図,背面斜視図,背面図,左側面図、図7は自動工具交換装置の側面構成図である。
【0017】
図において、1は立形マシニングセンタを示しており、これは機械正面から見て、固定ベッド2上の前後方向略中央部に門形状のコラム3を配置固定するとともに、該コラム3の下方にサドル4をY軸(前後)方向に移動可能に配置し、該サドル4上にテーブル5をX軸(左右)方向に移動可能に配置し、さらに上記コラム3の前面に主軸頭6をZ軸(上下)方向に移動可能に配置した構成となっている。この主軸頭6の下端部には主軸7が回転自在に支持されており、該主軸7には工具Tが着脱可能に装着されている。
【0018】
上記立形マシニングセンタ1では、テーブル5に載置されたワーク(不図示)をX軸,Y軸方向に、主軸7をZ軸方向にそれぞれ相対移動させつつ上記工具Tによりワークの切削加工を行なうように構成されている。
【0019】
上記固定ベッド2の背面側には、加工済みワークが載置された前工程パレットP1と、次加工ワークが載置された次工程パレットP2とを旋回軸37を介して180度旋回させることにより自動的に交換するワーク交換装置12が搭載されている。また固定ベッド2の底部には切り屑処理装置13が配設されており、これはコンベア47によりワーク加工部に供給された切削液を回収するとともに、ワーク加工により発生した切り屑を機外に排出するように構成されている。
【0020】
上記固定ベッド2は、左,右の縦壁2a,2aと、該左,右の縦壁2aの内側に段付き状に形成されたサドル支持部2b,2bと、該左,右のサドル支持部2bから段落ち状に形成された略平坦な有底凹部2cとを備えている。この有底凹部2cはベッド2のX軸方向中央部に位置し、かつ背面側及び上側が開放されている。上記固定ベッド2背面の左,右の縦壁2a同士はクロス部材8で結合されている。
【0021】
上記左,右のサドル支持部2bの内側縁部にはサドル4をY軸方向に案内支持する左,右のY軸ガイドレール15が配置されている。この各Y軸ガイドレール15は、上記サドル支持部2bに固定されたレール15aと、上記サドル4の下面に固定されたガイド15bとを摺動自在に係合させた構造となっている。
【0022】
また上記左,右のサドル支持部2bの各Y軸ガイドレール15の外側にはサドル4をY軸方向に移動駆動する左,右のY軸ボールねじ16,16が回転自在に配置固定されており、各Y軸ボールねじ16の前端部には該ボールねじ16を回転駆動するY軸駆動モータ17,17が接続されている。
【0023】
上記サドル4の上面にはテーブル5をX軸方向に案内支持する前後一対のX軸ガイドレール18,18が配置されている。この各X軸ガイドレール18は、上記サドル4に固定されたレール18aと、上記テーブル5の下面に固定されたガイド18bとを摺動自在に係合させた構造となっている。
【0024】
また上記サドル4の上面の前,後X軸ガイドレール18の間にはテーブル5をX軸方向に移動駆動する1本のX軸ボールねじ19が回転自在に配置固定されており、該X軸ボールねじ19の左側端部には該ボールねじ19を回転駆動するX軸駆動モータ20が接続されている。
【0025】
上記コラム3の前面には、主軸頭6をZ軸方向に案内支持する左,右一対のZ軸ガイドレール21,21が配置されている。この各Z軸ガイドレール21は、上記主軸頭6の背面に固定されたレール21aと、上記コラム3の前面に固定されたガイド21bとを摺動自在に係合させた構造となっている。
【0026】
上記コラム3の前面の各Z軸ガイドレール21の外側には主軸頭6をZ軸方向に移動駆動する左,右のZ軸ボールねじ22,22が回転自在に配置固定されており、各Z軸ボールねじ22の上端部には該ボールねじ22を回転駆動するZ軸駆動モータ23,23が接続されている。
【0027】
上記主軸頭6には左,右に延びる腕部6a,6aが形成されており、該左,右の腕部6aには上記Z軸ボールねじ22に係合するナット22aが装着されている。
【0028】
上記コラム3は、鋳造により一体形成されたものであり、機械正面から見て、テーブル5のX軸,Y軸の移動範囲を跨ぐように配置された左,右の脚部3a,3aと、該各脚部3aの上部同士を一体に接続する梁部3bとを有する門形をなしており、この左,右の脚部3aは固定ベッド2の左,右縦壁2aの上面に載置固定されている。これによりコラム3の下方にはY軸方向に開放され、かつX軸方向に幅広の加工用開口Aが形成されている。
【0029】
上記左,右の脚部3aは、機械正面から見て、該脚部3aの上部3dほど主軸頭6側に位置するように傾斜しており、該主軸頭6側ほど上下寸法が大きくなるように概ね三角形状をなしている。また梁部3bはこれの上縁と開口下縁が略平行となるように四角形状に形成されている。
【0030】
上記コラム3は、機械平面から見て、梁部3bが左,右脚部3a,3aより機械背面側に偏位するように大略弓形状をなすように形成されており、該梁部3bの正面3b′は左,右脚部3aの前後方向中心を通る脚部中心線C1と略一致している。また上記梁部3bは固定ベッド2のY軸方向中央に位置しており、左,右脚部3aは前側に位置している。上記梁部3bの正面3b′には上記主軸頭6及び左,右のZ軸ボールねじ22を収納する収納凹部3cが形成されている。これにより主軸頭6のコラム3に対するオーバハングはゼロになっている。
【0031】
上記コラム3には、主軸7に装着された加工済み工具Tと、工具マガジン11に装着された次工程工具T1とを上記コラム3の開口Aを介して自動的に交換する工具交換装置10が搭載されている。
【0032】
上記工具交換装置10は、多数の工具Tnを垂直下方に向けてポットにより保持し、次加工工具T1を工具割り出し位置aに旋回割り出し駆動する円形状の工具マガジン11と、該割り出し位置aに割り出された次加工工具T1を工具交換位置bに搬送するとともに、該工具交換位置bに戻された加工済み工具Tを上記工具マガジン11に戻す工具搬送機構25と、上記工具交換位置bに搬送された次加工工具T1と上記主軸7により工具交換位置cに移送された加工済み工具Tとを交換する交換アーム26とを備えている。
【0033】
上記工具マガジン11は上記コラム3の梁部3bの背面3b″に配設されており、該背面3b″に固定されたブラケット27により懸吊支持されている。なお、11aは旋回割り出しモータである。
【0034】
上記梁部3bの主軸頭6の後側には交換アーム軸28が該梁部3bを上下方向に貫通するように挿入配置されている。この交換アーム軸28の下端に上記交換アーム26が接続されており、上端には交換アーム26を180度旋回駆動する旋回駆動ユニット29が接続されている。この旋回駆動ユニット29には駆動用モータ30が接続されている。なお、34は交換アーム軸28を常に上方に付勢して工具の重量を打ち消すためのバランスばねである。
【0035】
上記工具搬送機構25は、上記梁部3bの交換アーム軸28の後側に形成された矩形孔3e(図3参照)内に該交換アーム軸28と平行に配置された直動ガイド31と、該直動ガイド31により上下移動可能に支持され、次加工工具T1のポットを把持するフック32と、該フック32を工具割り出し位置aと工具交換位置bとの間で昇降駆動するエアシリンダ33とを備えている。
【0036】
上記交換アーム26は梁部3bの下縁下方にて長手方向をX軸方向に向けて待機している。そして交換アーム26は、上記コラム3の開口Aを介して上記梁部3bの背面3b″側の次加工工具T1と、正面3b′側の加工済み工具Tとを交換するようになっている。
【0037】
ワーク加工が終了すると、主軸頭6がZ軸方向に移動して加工済み工具Tを工具交換位置cに位置決めを行なうとともに、工具マガジン11が次加工工具T1を工具割り出し位置aに旋回割り出して位置決めする。工具割り出し位置aに割り出された次加工工具T1のポットをフック32が把持し、エアシリンダ33がフック32と共に次加工工具T1を工具交換位置bに搬送し、該交換位置bに位置決めする。交換アーム26が待機位置から旋回して加工済み工具Tを把持するとともに次加工工具T1を把持し、この状態で下降して両工具T,T1を抜き取り、180度旋回した後上昇する。すると加工済み工具Tが工具交換位置bに待機するポットに装着され、次加工工具T1が主軸7に装着される。加工済み工具Tはフック32と共に上昇して工具マガジン11に戻される。
【0038】
本実施形態によれば、門形状に形成されたコラム3の背面3b″側に自動工具交換装置10を配設し、該コラム3の背面3b″側と正面3b′側とを連通する開口Aを介して工具マガジン11側の次加工工具T1と主軸7側の加工済み工具Tとを交換するようにしたので、工具マガジン11をコラム3の背面3b″の空きスペースを利用して配置することができ、機械幅寸法の拡大を防止できる。
【0039】
本実施形態では、上記コラム3をテーブル5の移動範囲を跨ぐように配置された左,右脚部aの上部同士を梁部3bで接続してなる門形としたので、該コラム3の下方に形成された加工用開口Aを有効利用して工具交換を行なうことができ、工具交換を行なうためのスペースを不要にでき、機械全体をコンパクトにできる。
【0040】
また上記コラム3の梁部3bを左,右脚部3aより機械背面側に偏位させ、かつ固定ベッド2のY軸方向中央部に位置させたので、梁部3bの背面3b″側の空きスペースを有効利用して工具マガジン11を配置でき、機械全体をコンパクトにできる。
【0041】
本実施形態では、交換アーム軸28を梁部3bを上下に貫通するように配置し、該交換アーム軸28に工具搬送機構25を並列配置したので、交換アーム軸28及び工具搬送機構25等の工具交換ユニットを必要な配置スペースを削減しつつ配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による立形マシニングセンタを説明するための正面図である。
【図2】上記立形マシニングセンタの右側面図である。
【図3】上記立形マシニングセンタの平面図である。
【図4】上記立形マシニングセンタの背面斜視図である。
【図5】上記立形マシニングセンタの背面図である。
【図6】上記立形マシニングセンタの左側面図である。
【図7】上記立形マシニングセンタに配設された工具交換装置の側面構成図である。
【図8】従来の一般的な立形マシニングセンタの概略図である。
【符号の説明】
1 立形マシニングセンタ(工作機械)
2 固定ベッド
3 コラム
3a 脚部
3b 梁部
3b′ 正面
3b″ 背面
4 サドル
5 テーブル
6 主軸頭
7 主軸
10 自動工具交換装置
11 工具マガジン
25 工具搬送機構
26 交換アーム
28 交換アーム軸
A コラム開口
T 加工済み工具
T1 次加工工具

Claims (4)

  1. ベッド上にサドルを機械正面から見て前後(Y軸)方向に移動可能に配置し、該サドル上にテーブルを左右(X軸)方向に移動可能に配置し、上記ベッド上に配置固定されたコラムに主軸を支持する主軸頭を上下(Z軸)方向に移動可能に配置し、上記コラムの背面側に自動工具交換装置を配設し、該自動工具交換装置を、上記コラムに、該コラムの上記背面側と正面側とを連通可能に形成された開口を介して工具マガジン側の工具と上記主軸側の工具とを交換するように構成したことを特徴とする工作機械。
  2. 請求項1において、上記コラムは、上記テーブルの移動範囲を跨ぐように配置された左,右脚部の上部同士を梁部で接続してなる門形状をなしており、上記自動工具交換装置は、上記コラムの梁部の背面側に配設され、該梁部の下縁下方を通って上記工具マガジン側の工具と上記主軸側の工具とを交換するように構成されていることを特徴とする工作機械。
  3. 請求項2において、上記コラムの梁部は、左,右脚部より機械背面側に偏位しており、かつ上記ベッド上方のY軸方向略中央部に位置していることを特徴とする工作機械。
  4. 請求項2又は3において、上記自動工具交換装置は、上記コラムの梁部の背面に工具マガジンを配設し、上記梁部を上下に貫通するように交換アーム軸を配置し、該交換アーム軸の下端に交換アームを旋回可能に接続し、上端に交換アーム旋回駆動ユニットを接続し、上記工具マガジンと上記交換アームとの間で工具を搬送する工具搬送機構が上記交換アーム軸と並列配置されていることを特徴とする工作機械。
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